説明

画像形成装置

【課題】用紙の種別を判別するための特別な検出装置を画像形成装置に設けなくても、用紙の種別に応じて印刷済み用紙の資源としての価値の劣化を抑える印刷制御を実現する。
【解決手段】再利用しようとする用紙の束をADF26にセットして読取を行い、それら各用紙の種別(例えば白黒印刷済みの裏紙、カラー印刷済みの裏紙など)を判別する。判別結果は用紙種別テーブル17に登録される。その用紙束は、混載トレイ36にセットされる。混載トレイ36が給紙元として選択された状態で、印刷又は複写の指示があると、CPU10は、印刷対象の画像の種別が白黒かカラーかを判定すると共に、混載トレイ36から給紙される用紙の種別を用紙種別テーブル17から取得し、それら両者の種別の組合せに基づき、その印刷画像をその用紙に印刷するか否かを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷装置、複写機、又は複合機(印刷装置、画像読取装置、複写機などの機能を併せ持つ装置)などの画像形成装置の用紙の収容部に、片面が印刷済みの用紙(いわゆる「裏紙」)をセットして印刷に再利用することがよく行われている。裏紙の白紙面を人手で揃える手間を省くための装置も提案されている。
【0003】
例えば特許文献1には、用紙搬送路における印刷部の手前に用紙の両面を読み取るセンサを設けた画像形成装置が開示される。この装置は、センサの読取結果により用紙の表裏のうち印刷部が印刷する側の面が白紙と分かれば印刷を実行し、その面が印刷済みで裏面が白紙であると分かれば、両面印刷機構で用紙を反転させた後印刷を実行する。また、センサにより用紙が両面印刷済みと分かれば、その用紙を印刷結果の出力先とは異なる排紙部に排紙する。
【0004】
ところで、近年、資源再利用の観点から、印刷済み用紙から古紙としての再利用性を高めることが重要になってきている。印刷済み用紙は再生紙の資源として再利用されているが、カラー印刷が施された用紙から再生紙を作るには、白黒のみの印刷済み用紙からの場合よりもコストが高い、又は環境負荷の高い処理が必要である。すなわちカラー印刷済みの用紙は、白黒のみの用紙よりもリサイクル資源としての価値は低い。このため、印刷済み用紙の資源としての価値を損なわないための制御を行う画像形成装置も提案されている。
【0005】
例えば、特許文献2に開示された画像形成装置は、白黒印刷を行った用紙には白黒印刷済みを示すマークを、カラー印刷を行った用紙にはカラー印刷済みを示すマークをそれぞれ印刷する。また、この装置は、印刷部へ搬送する用紙からマークを読み取るセンサを備えている。そのセンサにより用紙が片面のみに白黒画像が印刷済みと分かった場合、この装置は、印刷対象画像が白黒であればそれをその用紙に印刷し、カラーであればその用紙に対する印刷を取りやめて次の用紙を給紙する。また、そのセンサにより用紙が片面のみにカラー画像が印刷済みと分かった場合、この装置は、印刷対象画像がカラーであればその用紙に印刷し、白黒であればその用紙に対する印刷を取りやめて次の用紙を給紙する。また、この装置は、センサにより用紙が両面カラー印刷済みと分かれば印刷を行わずにその用紙を両面カラー専用の排紙部に排紙し、両面白黒印刷済みと分かれば印刷を行わずにその用紙を両面白黒専用の排紙部に排紙する。
【0006】
【特許文献1】特開平10−97112号公報
【特許文献2】特開2006−10982号公報(特に図4参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、用紙の種別を判別するための特別な検出装置を画像形成装置に設けなくても、用紙の種別に応じて印刷済み用紙の資源としての価値の劣化を抑える印刷制御を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、自動原稿送り手段を備え、前記自動原稿送り手段から供給される各用紙上の画像を読み取る読取手段と、前記自動原稿送り装置手段に置かれた各用紙の表面及び裏面を前記読取手段に読み取らせ、この読み取りの結果に基づき、前記用紙ごとに、当該用紙の表面及び裏面がそれぞれ白紙、白黒印刷済み、又はカラー印刷済みのいずれであるかを示す用紙種別を判定する種別判定手段と、前記種別判定手段が判定した前記各用紙の用紙種別を記憶する種別記憶手段と、前記種別記憶手段に対応づけられた前記各用紙を収容する収容手段と、用紙に印刷対象の画像を印刷するための印刷手段と、前記収容手段から用紙を前記印刷手段に搬送する用紙搬送手段と、前記読取手段による読取の後に前記収容手段に収容された前記各用紙が前記収容手段から前記印刷手段へと前記用紙搬送手段によって搬送される場合に、前記印刷対象の画像がカラー又は白黒のいずれであるかと、前記種別記憶手段から求められる前記用紙の用紙種別と、の組合せに基づき、前記印刷手段に前記印刷対象の画像を前記当該用紙に印刷させるか否かを制御する制御手段と、を備える画像形成装置である。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記制御手段は、前記種別記憶手段から求められる前記用紙の用紙種別が、一方の面が白黒印刷済みでもう一方の面が白紙であることを示し、かつ前記印刷対象の画像がカラーである場合には、前記用紙には前記印刷対象の画像を印刷させないよう制御する、ことを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2のいずれか1項に係る発明において、前記制御手段は、前記種別記憶手段から求められる前記用紙の用紙種別が、一方の面が白黒印刷済みでもう一方の面が白紙であることを示し、かつ前記印刷対象の画像が白黒である場合には、前記用紙に前記印刷対象の画像を印刷するよう前記印刷手段を制御することを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか1項に係る発明において、前記制御手段は、前記種別記憶手段から求められる前記用紙の用紙種別が、一方の面がカラー印刷済みでもう一方の面が白紙であることを示し、かつ前記印刷対象の画像がカラーである場合には、前記用紙に前記印刷対象の画像を印刷するよう前記印刷手段を制御することを特徴とする。
【0012】
請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれか1項に係る発明において、前記用紙の用紙種別が一方の面がカラー印刷済みでもう一方の面が白紙であり、且つ前記印刷対象の画像が白黒である場合に、その用紙にその画像を印刷するか否かを示す設定情報を記憶する設定情報記憶手段、を更に備え、前記制御手段は、前記種別記憶手段から求められる前記用紙の用紙種別が、一方の面がカラー印刷済みでもう一方の面が白紙であることを示し、かつ前記印刷対象の画像が白黒である場合には、前記設定情報記憶手段に記憶された設定情報に基づき、当該画像を当該用紙に印刷するか否かを制御する、ことを特徴とする。
【0013】
請求項6に係る発明は、請求項1〜5のいずれか1項に係る発明において、前記収容手段から前記用紙搬送手段によって搬送されたが前記印刷手段で印刷されなかった用紙の排紙先となる複数の排紙部を有し、前記制御手段は、前記印刷手段に前記印刷対象の画像を前記用紙に印刷させない場合には、前記用紙が、前記複数の排紙部のうち、当該用紙の用紙種別に対応する排紙部に排紙されるように制御を行う、ことを特徴とする。
【0014】
請求項7に係る発明は、請求項6に係る発明において、前記制御手段は、前記印刷手段に前記印刷対象の画像を前記用紙に印刷させない場合に、当該用紙のうちの一方の面が白紙の場合において、当該用紙の白紙の面があらかじめ定められた向きとは異なる場合に、用紙搬送において当該用紙が裏返されるように制御を行い、裏返された用紙が、当該用紙の用紙種別に対応する排紙部に排紙されるように制御する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る発明によれば、用紙の種別を判別するための特別な検出装置を画像形成装置に設けなくても、用紙の種別に応じて印刷済み用紙の資源としての価値の劣化を抑える印刷制御を実現することができる。
【0016】
請求項2に係る発明によれば、一方の面が白黒印刷済みでもう一方の面が白紙である用紙への印刷によってその用紙の資源としての価値が劣化すること、を防止できる。
【0017】
請求項3に係る発明によれば、一方の面が白黒印刷済みでもう一方の面が白紙である用紙に対し、資源としての価値が比較的高くなるような印刷を行うことができる。
【0018】
請求項4に係る発明によれば、両面カラー画像印刷済み用紙としての資源の価値を劣化させないで印刷することができる。
【0019】
請求項5に係る発明によれば、収容手段から搬送される用紙に印刷対象の画像を印刷してもその用紙の資源としての価値が劣化しない場合に、その用紙に印刷対象の画像を印刷するか否かを、状況に応じて設定することができる。
【0020】
請求項6に係る発明によれば、収容手段から搬送された用紙に対して印刷を行わない場合に、その用紙を用紙種別に応じて分別することができる。
【0021】
請求項7に係る発明によれば、印刷しない用紙の分別結果において、白紙面を同じ向きに揃えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明に係る画像形成装置の実施の形態(以下「実施形態」という)を例示する。ここでいう画像形成装置は、デジタル複写機、又はデジタル複合機(複写機、ネットワークプリンタ、ネットワークスキャナなどの機能を併せ持つ装置)のように、原稿読取装置と印刷装置(及びそれに伴う用紙や原稿の搬送機構)とを兼ね備えた装置である。
【0023】
まず、図1を参照して、実施形態の画像形成装置の構成の一例を説明する。この画像形成装置は、CPU(中央演算装置)10,ROM(リード・オンリー・メモリ)12,RAM(ランダム・アクセス・メモリ)14,不揮発性記憶装置16,通信インタフェース18,画像処理部20,白黒・カラー判定部22,画像読取部24,ADF(Auto Documento Feeder:自動原稿送り装置)26,用紙搬送部27,印刷部28,収容部30,排紙部40,及び操作パネル50を備える。
【0024】
図1においてROM12には、画像形成装置の動作制御のための制御プログラムなどのデジタル情報が格納されている。CPU10がこのROM12内の制御プログラムを実行することにより、以下に説明する画像形成装置の各部の制御が実現される。
【0025】
RAM14は、画像形成装置の主記憶装置であり、制御プログラムの実行の際にワークメモリなどとして用いられる。RAM14は、例えば、印刷部28に供給する各ページの画像データを蓄えるページバッファとして用いることもできる。
【0026】
不揮発性記憶装置16は、各種のデータを保存するための補助記憶装置である。例えばハードディスク又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)など不揮発性の情報記憶媒体を備えている。不揮発性記憶装置16には、画像形成装置についての各種の設定情報が保存される。また、混載トレイ36にセットされる各用紙の用紙種別を示す用紙種別テーブル17も保存される(詳細は後述)。
【0027】
通信インタフェース18は、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)等のデータ通信ネットワークを介して他の装置とデータ通信を行う際の制御を担う装置である。リモートホストからのプリント指示等は、この通信インタフェース18を介して画像形成装置内に入力される。
【0028】
画像処理部20は、画像読取部24が読み取った原稿の画像、又はリモートホストから受信した印刷データから生成した画像に対し、印刷やファクシミリ送信等の用途に応じた画像処理を施す回路である。例えば、印刷を行う場合、エッジ強調や階調補正などの画像処理を施す。画像処理部20は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit) やDSP(Digital Signal Processor)等のハードウエア回路、又はCPU10又は他のプロセッサによる画像処理プログラムの実行、又はハードウエア回路とプログラムの組合せ、により実現される。
【0029】
画像処理部20は、白黒・カラー判定部22を備える。白黒・カラー判定部22は、画像読取部24が読み取った原稿の画像(又はリモートホストから受信した印刷データから生成した画像)が白黒のみの画像か、カラー成分を含んだ画像かを判定する。このような白黒・カラー判定の機能は、従来のカラー対応の画像形成装置に搭載されているので、詳細な説明は省略する。
【0030】
画像読取部24は、原稿を光学的に読み取って、原稿表面の画像を表す電子的な画像データを生成する。例えば、ラインセンサやエリアセンサを用いたスキャナがその一例である。ADF26は、セットされた原稿を1枚ずつ画像読取部24に送る装置である。近年では、ADF26が原稿を送る経路に、原稿の表面と裏面を読み取る画像センサをそれぞれ設け、原稿の表面と裏面の画像を同時に読み取ることができる装置も普及している。
【0031】
印刷部28は、CPU10の制御により供給される画像データを用紙に印刷する装置であり、プリントエンジンとも呼ばれる。
【0032】
収容部30は、用紙を蓄積するもので、収容部30に蓄積された用紙は、用紙搬送部27によって印刷部28に供給される。用紙搬送部27は、例えばモータ等の駆動により用紙搬送ローラを回転させ、ローラと用紙の摩擦により用紙を搬送する。収容部30は、複数の用紙トレイ32〜36を備える。ここでは、後述する排紙トレイも含め、用紙を蓄積又は収容する部分のことを便宜上「トレイ」と呼ぶが、これらは用紙が蓄積又は収容できるものであればよく、その形状、機構はいわゆる「トレイ」に限定されない。図では、収容部30が3つの用紙トレイ32〜36を備えているがこれは一例に過ぎない。
【0033】
収容部30が備える用紙トレイのうち、少なくとも1つが混載トレイ36として用いられる。混載トレイ36は、後述する用紙種別判定を経た用紙束(複数の用紙からなる束)を収容するトレイである。混載トレイ36には、主としていわゆる「裏紙」(一方の面が印刷済みであり他方の面が白紙である用紙)を収容する。ここでいう「混在」は、第一義的には、白黒画像のみが印刷された裏紙と、カラー画像を含んだ画像が印刷された裏紙との混在を意味する。ただし、実用的には、混載トレイ36には、白紙の面が上向きの裏紙と下向きの裏紙とを混在させてもよいし、裏紙と両面印刷済みの用紙を混在させてもよい。更に両面未使用の用紙を混在させてもよい。
【0034】
図1では、このような混載トレイ36以外の、従来の画像形成装置が持つ用紙トレイを、混載トレイとの区別のために「通常トレイ」と呼んでいる。
【0035】
混載トレイ36は、不揮発性記憶装置16に記憶された用紙種別テーブル17と対応づけられている。すなわち、画像形成装置には、それら両者の対応関係が記憶又はプログラムされている。画像形成装置の制御プログラムは、混載トレイ36からの給紙を指示された場合、そのトレイ36に対応する用紙種別テーブル17を参照して印刷処理を制御する。なお、図1には混載トレイ36を1つだけ示しているが、収容部30は複数の混載トレイ36を備えていてもよい。この場合、混載トレイ36ごとに、それに対応する用紙種別テーブル17が不揮発性記憶装置16上に用意される。
【0036】
排紙部40は、収容部30から用紙搬送部27によって印刷部28に給紙され、印刷部28により印刷された後の用紙を収容する装置である。排紙部40には、印刷結果が収容される印刷完了トレイ42の他に、紙詰まりなどの障害が生じたときに用紙搬送経路(図示省略)上にある処理途中の用紙を収容する廃棄トレイが含まれていてもよい。また、図1の例では、排紙部40は、混載トレイ36から用紙搬送経路に給紙されたものの、後述する制御により結局印刷されなかった用紙を収容する分別トレイ44,46,48,49を備える。図1の装置は、白黒裏紙用、カラー裏紙用、両面とも白黒印刷済みの用紙用、及び両面印刷済みでカラー画像が印刷された用紙用と、4種類の分別トレイ44,46,48,49を有している。これら各分別トレイ44〜49には、後述する一例の制御手順により、印刷されなかった用紙がその用紙種別ごと分別され、収容される。なお、図1のように4種類の分別トレイを備えることは、あくまで一例に過ぎない。この代わりに、排紙部40は、例えば印刷されなかった用紙を用紙種類によらず一括して収容する1つの排紙トレイを備えるものでもよい。また、裏紙用と両面印刷済み用紙用の2つの分別トレイを備えるものでもよい。また、用紙種別をいくつかのグループに分けて、排紙部40が備えるいくつかの排紙トレイをグループ毎に割り当ててもよい。
【0037】
操作パネル50は、この画像形成装置の操作のためのメニュー等の画面表示や、ユーザからの各種指示の入力受付などのためのユーザインタフェース手段である。操作パネル50は、例えば、スタートボタンなどの機械的な操作ボタンと、GUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェース)のための液晶タッチパネルと、を備える。液晶タッチパネルは、CPU10で実行される制御プログラムが生成したGUI画面を表示し、そのディスプレイに対するユーザのタッチ位置を検出して制御プログラムに渡す。制御プログラムは、そのタッチ位置の情報からユーザの入力内容を解釈する。
【0038】
以上に説明した各機能モジュール10〜50は、バスや通信ケーブル、通信ネットワークなどの通信経路を介して相互に接続されている。なお、画像形成装置は、図1に例示した以外のモジュール(例えばファクシミリモジュール)を更に備えていてもよい。
【0039】
本実施形態では、用紙の束を混載トレイ36にセットする前に、ADF26と画像読取部24によりその束の各用紙を読み取り、各用紙の種別を判定して用紙種別テーブル17に記憶する。判定する用紙種別を以下に例示する。
(1)白黒裏紙(一方の面が白紙で、他方の面に白黒画像が印刷された紙)
(2)カラー裏紙(一方の面が白紙で、他方の面に白黒画像が印刷された紙)
(3)両面とも白黒画像が印刷された用紙
(4)両面印刷済みで少なくとも一方の面にカラー画像を含む用紙
【0040】
これら用紙種別は、印刷済み用紙をリサイクルの観点で区別したものである。(1)及び(2)の裏紙は、白紙面に更に印刷を行うことができる。(3)と(4)の区別は、再生紙の資源として価値の差に基づく、すなわち、カラーの色材が含まれていない種別(3)の方が、低コストのプロセスでリサイクルできるか、又はより高い品質の再生紙を得ることができるという利点がある。
【0041】
また、(5)未使用紙(両面とも白紙)が何らかの理由で用紙束に紛れ込んでいても、この例の画像形成装置はそれを判別できる。
【0042】
裏紙を収容部30のトレイにセットする場合、従来は白紙の面が同じ向きになるように揃えておかなくてはならなかったが、本実施形態の混載トレイ36にセットする用紙の束は、そのように白紙の面の向きを揃えておかなくてもよい。それどころか、両面印刷済みの用紙が混じっていてもよい。
【0043】
そして、本実施形態では、混載トレイ36から用紙を給紙して印刷する場合に、用紙種別テーブル17からその用紙の用紙種別を取得し、その用紙種別と印刷すべき画像の種別(すなわちその画像が白黒画像か、一部でもカラーの部分を含む画像か)との組合せにより、その画像をその用紙に印刷するかどうかを制御する。例えば、白黒裏紙にはカラー画像は印刷しないように制御する。
【0044】
以下、このような実施形態の装置の動作の例を説明する。まず、図2を参照して、用紙種別判定処理の手順の一例を説明する。この処理手順は、混載トレイ36に用紙束をセットする前に、その用紙束に含まれる各用紙の種別を判定するために行われる。図2の手順を表すプログラムがROM12又は不揮発性記憶装置16に保存されており、このプログラムをCPU10が実行することで、この手順が実行される。この手順は、例えば、操作パネル50に表示される操作メニューにて、「裏紙種別を記憶」などといったそのプログラムに対応づけられたメニュー項目が選択されると、実行される。
【0045】
この手順では、まず用紙種別判定プログラムを実行するCPU10は、操作パネル50の表示部に、ADF26に用紙束をセットしてからスタートボタンを押下するように促す案内画面を表示する(S10)。そして、スタートボタンが押下されるのを待つ(S12)。スタートボタンが押下されると、CPU10は、セットされた用紙束から先頭の用紙をADF26から画像読取部24に送らせ、その用紙の表裏の面を読み取らせる(S14)。そして、画像読取部24から表裏の面の読取画像を取得し(S16)、それら読取画像を白黒・カラー判定部22に渡して判定を行わせる(S18)。白黒・カラー判定部22は、用紙の表裏各面の読取画像を解析して、表裏各面がそれぞれ白紙、白黒画像のみを含む、又はカラー画像を含む、のいずれであるかを判別する。CPU10は、それら表裏各面の判別結果を受け取り、その判別結果に基づいてその用紙の種別情報レコードを生成し、一時リストに追加する(S20)。種別情報レコードは、当該用紙が上記(1)〜(5)のいずれの種別であるかを示す情報を含む。また、当該用紙が裏紙である場合、白紙面が上下(表裏)いずれの面であるかを示す情報を種別情報レコードに含めてもよい。一時リストは、ADF26にセットされた用紙束の中の各用紙の種別情報レコードを一時的に蓄積するためのデータ構造であり、例えばRAM14内に用意される。
【0046】
以上のようにしてADF26から給紙された1枚の用紙の種別が判定され、その種別を示すレコードが一時リストに追加されると、CPU10はADF26にまだ用紙が残っているかを問合せ(S22)、残っていれば、ステップS14〜S22の処理を繰り返す。これにより、セットされた用紙束の中の各用紙の種別情報レコードが、それら用紙の並び順に並んだ一時リストができる。また、ADF26の排紙部(図示省略)には、その用紙束が排出されている。
【0047】
ステップS22でADF26上に読み取るべき用紙がないことが分かると、CPU10は、操作パネル50の表示部に、ADFの排紙部に排紙された用紙束を混載トレイ36にセットすることを促す表示を、操作パネル50の表示装置に表示させてもよい(S24)。この表示は、例えば画像形成装置の外観形状を示す模式図の中で、混載トレイ36の場所を表示するものであってもよい。また、用紙束の向き(例えば用紙束を裏返さずにそのままセットするなど)を案内するメッセージを表示してもよい。
【0048】
また、CPU10は、混載トレイ36に用紙束がセットされたことを確認してもよい(S26)。用紙束のセットの確認には、CPU10は、例えば、混載トレイ36が画像形成装置本体に装着されているか否かを検知するためのトレイ装着センサの出力をモニタすればよい。すなわち、例えば、ステップS22の後に、トレイ装着センサから、混載トレイ36が本体から外されたことを示す信号がいったん到来した後、混載トレイ36が本体に装着されたことを示す信号が到来した場合に、用紙束が混載トレイ36にセットされたと判定すればよい。
【0049】
用紙束が混載トレイ36にセットされたことを確認すると、CPU10は、作成した一時リストを用紙種別テーブル17に追加する(S28)。ここでは、混載トレイ36上に用紙束が残っている場合でも、それら残存する用紙束の用紙種別情報に対し、新たにセットする用紙束の用紙種別情報を併合(マージ)するのである。ステップS28の後、CPU10は、用紙種別判定処理を終了する。
【0050】
図3に用紙種別テーブル17のデータ内容の一例を示す。この例では、用紙種別テーブル17には、混載トレイ36に収容された各用紙について、当該用紙が上記(1)〜(5)のうちいずれであるかを示す用紙種別の情報と、その用紙の白紙面を特定する情報とが登録されている。白紙面を特定する情報は、用紙が裏紙の場合は上面又は下面のいずれが白紙面であるかを示し、用紙が未使用紙であれば表裏両面が白紙であることを示す。また用紙が両面印刷済みの場合は、その情報は白紙面がないことを示すものとなる。用紙種別テーブル17には、各用紙についての情報が、給紙される順に配列されている。図3では、各用紙の情報には、1,2,・・・と、給紙される順にページ番号が割り当てられているが、これは説明の便宜のためのものに過ぎない。用紙種別テーブル17は、それら各用紙の情報が給紙される順に並んだリスト構造をなしていればよく、混載トレイ36上の先頭の用紙(すなわち次に給紙されるべき用紙)の情報がどれであるかを示すポインタ情報を管理していればよい。例えば、混載トレイ36から用紙が給紙されるごとに、その用紙の情報を用紙種別テーブル17から削除し、そのポインタがその用紙の次の用紙の情報を指し示すようにすればよい。また、ステップS28では、用紙種別テーブル17のリスト(これは混載トレイ36に残存する用紙束の情報を示す)の先頭の情報の前に、一時リストを併合すればよい。
【0051】
なお、収容部30に混載トレイ36が複数存在する場合は、用紙種別テーブル17は混載トレイ36ごとに管理する。すなわち、例えば、ステップS26で各混載トレイ36のトレイ装着センサの信号の変化に基づきどの混載トレイ36に用紙束がセットされたかを判定し、用紙束がセットされた混載トレイ36の用紙種別テーブル17に一時リストを追加すればよい。
【0052】
また、画像形成装置の運用の仕方によっては、判定を行った用紙束が混載トレイ36にセットされたか否かの確認(S26)を行わずに、一時リストを用紙種別テーブル17に追加してもよい。
【0053】
次に、図4〜図10を参照して、給紙元として混載トレイ36が選択されている場合に、本実施形態の画像形成装置の制御プログラムが実行する処理手順の一例を説明する。
【0054】
図4に、このような場合の処理の全体的な手順の一例を示す。図4の手順は、1ページの印刷対象の画像(印刷画像と呼ぶ)が与えられるごとに実行される。すなわち、複数ページからなる原稿の印刷又は複写が指示された場合、その原稿1ページごとに図4の手順が実行される。なお、印刷画像は、ネットワーク印刷の場合はリモートのホストから受信したページ記述言語の印刷データをビットマップ画像へと展開したものであり、複写の場合は画像読取部24で原稿を読み取って得た画像である。
【0055】
この手順では、制御プログラムを実行するCPU10は、まず印刷画像の種別、すなわち印刷画像が白黒のみの画像であるか、それともカラーの画像部分を含んだ画像であるか、を判定する(S30)。この判定は、例えば印刷画像が画像読取部24の読み取った画像を複写する場合、画像形成装置の印刷モードの設定(白黒モードかカラーモードか)に基づいて行ってもよいし、画像読取部24で読み取った画像を白黒・カラー判定部22に渡すことで実現してもよい。また、ステップS30の判定は、印刷画像がページ記述言語の印刷データから生成された画像である場合は、印刷データ中に記述された白黒又はカラーの種別情報に基づいて行ってもよいし、その画像を白黒・カラー判定部22に渡すことで行ってもよい。
【0056】
また、CPU10は、給紙元の混載トレイ36に対応する用紙種別テーブル17の先頭のレコードを読み出すことで、混載トレイ36から給紙される用紙の種別を判定する(S32)。なお、ステップS30及びS32の処理はどちらを先に実行してもよい。
【0057】
そして、CPU10は、印刷画像の種別と給紙される用紙の種別との組合せを判定する(S34)。混載トレイ36に上述の(1)〜(5)に例示した種別の用紙が混じり合って収容されている場合、印刷画像と用紙の組合せは図4に示した8通りに分けることができる。
【0058】
まず、印刷画像が白黒のみの画像であり且つ用紙が未使用である場合には、CPU10は、図5に示すように、その印刷部28に対してその画像を、給紙される用紙に印刷するように指示する(S40)。これにより、その印刷画像がその用紙に印刷される。そして、CPU10は、印刷後の用紙の搬送経路を制御して、その用紙が印刷完了トレイ42に排紙されるようにする(S42)。
【0059】
また、印刷画像が白黒のみの画像であり且つ用紙が白黒裏紙である場合には、CPU10は、図6に示す処理を実行する。この処理では、まず、ステップS32で取得した用紙種別情報から、その用紙の印刷面が白紙であるか否かを判定する(S50)。印刷面とは、用紙の表面及び裏面のうち、その用紙が収容部30を出た後両面印刷経路等により裏返しされないまま印刷部28に供給された場合に、印刷部28が画像を印刷する側の面である。印刷面が白紙であるかどうかは、図3に例示した用紙種別情報のうち白紙面の向きの情報から判定することができる。
【0060】
この判定の結果、印刷面が白紙であることが分かれば、CPU10は、その印刷部28に対してその画像を、給紙される用紙に印刷するように指示し(S56)、印刷後の用紙の搬送経路を制御して、その用紙が印刷完了トレイ42に排紙されるようにする(S58)。
【0061】
一方、ステップS50にて用紙の印刷面が白紙でないと判定された場合は、CPU10は、不揮発性記憶装置16等に記憶された設定情報を参照することで、裏紙の印刷面が白紙でない場合にその裏紙を表裏反転してから印刷する設定となっているか否かを判定する(S52)。
【0062】
設定情報は、例えば図7に示すように、裏紙の印刷面が白紙でない場合の取扱として、用紙を反転(裏返し)させた上で印刷するか、又は用紙を反転しない(従ってその用紙には印刷画像を印刷しない)か、のいずれかが設定される。この設定は、例えば画像形成装置の管理者が設定する。反転させて印刷する場合は、印刷処理に要する時間が多少長くなるが、混載トレイ36内の用紙束で印刷できるページ数が増大する。反転しない場合は、その逆である。
【0063】
ステップS52で、用紙反転を行う設定となっていることが分かると、CPU10は、給紙された用紙を、画像形成装置が備える用紙裏返しが可能な搬送経路(例えば両面印刷経路)に送る(S54)。そして、その経路で裏返された用紙を印刷部28に送り、印刷画像がその用紙に印刷されるようにする(S56)。印刷後の用紙は、印刷完了トレイに排紙される(S58)。
【0064】
一方、ステップS52で用紙反転を行わない設定であることが分かると、CPU10は印刷部28にその用紙を印刷しないまま通過させ、分別排紙処理を実行する(S60)。この処理により、その用紙が白黒裏紙用の分別トレイ44に出力される。そして、CPU10は、混載トレイ36から次の用紙を給紙し、その用紙についてステップS32以下の処理を繰り返す。なお分別排紙処理については、後で図10を用いてその一例を説明する。
【0065】
また、ステップS34にて、印刷画像が白黒のみの画像であり且つ用紙がカラー裏紙である場合には、CPU10は、図8に示す処理を実行する。
【0066】
図8の手順では、まずCPU10は、設定情報中の、印刷画像が白黒画像で且つ給紙される用紙がカラー裏紙の場合の取扱の項目を調べる(S70)。この項目は、カラー裏紙に印刷画像を印刷するかしないか表す(図7参照)。カラー裏紙は、白紙面に白黒画像及びカラー画像のどちらを印刷したとしても、再生紙の原料としての適性は基本的に変わらない。すなわち、カラー裏紙に対して白黒画像を印刷しても、再生紙の原料としての価値は下がらない。したがって、印刷処理の速度を考えると、カラー裏紙の白紙面に白黒画像を印刷することを認めた方がよい。しかし、資源のリサイクルを考えると、その白黒画像をそのカラー裏紙の後に現れる白黒裏紙に印刷することができれば、印刷後の用紙の再生紙としての価値を、今回のカラー裏紙にその白黒画像を印刷した場合よりも高めることができる。このようなことを勘案すると、例えば、混載トレイ36上の用紙束中の白黒裏紙の比率がある程度以上あれば、カラー裏紙に白黒画像を印刷しない設定にしてもある程度の印刷速度を確保できる。また、逆に白黒裏紙の比率が低ければカラー裏紙にも白黒画像を印刷することで印刷速度を確保することが考えられる。例えばそのような観点やその他の事情を考慮した画像形成装置の管理者が、当該設定項目の値を設定すればよい。なお、この設定項目を管理者が設定する代わりに、制御プログラムが、用紙種別テーブル17を参照して、例えば混載トレイ36内の用紙全部に対する白黒裏紙の比率を計算し、その比率と所定のしきい値(これはあらかじめ管理者等が設定しておけばよい)との比較に基づき、その設定項目を自動設定してもよい。例えば、計算された比率がしきい値以上であれば、カラー裏紙に白黒画像を印刷しない設定とし、そうでなければカラー裏紙に白黒画像を印刷する設定とするなどである。
【0067】
そして、ステップS70で当該設定項目の値が「印刷する」であることが分かれば、CPU10は既に説明済みの図6の手順を実行すればよい。一方、ステップS70で当該設定項目の値が「印刷しない」であることが分かれば、CPU10は、印刷部28にその用紙を印刷しないまま通過させ、分別排紙処理を実行する(S60)。この処理により、その用紙がカラー裏紙用の分別トレイ46に出力される。そして、CPU10は、混載トレイ36から次の用紙を給紙し、その用紙についてステップS32以下の処理を繰り返す。
【0068】
また、ステップS34にて、印刷画像が白黒のみの画像であり且つ用紙が両面印刷済みであることが分かれば、CPU10は、図9に示すように、その用紙には印刷画像を印刷させず、分別排紙処理(S60)を実行する。これにより、その用紙は、両面との白黒画像のみが印刷済みであれば分別トレイ48に、どちらかの面にカラー画像が印刷されていれば分別トレイ49に排紙されることになる。そして、CPU10は、混載トレイ36から次の用紙を給紙し、その用紙についてステップS32以下の処理を繰り返す。
【0069】
また、ステップS34にて印刷画像がカラーを含む画像であり且つ用紙が未使用紙であることが分かれば、CPU10は、既に説明した図5の手順を実行する。
【0070】
また、ステップS34にて印刷画像がカラーを含む画像であり且つ用紙が白黒裏紙であることが分かれば、CPU10は、既に説明した図9の手順を実行する。すなわち、この例では、白黒裏紙にカラー画像が印刷されると、再生紙の原料としての適性が下がるので、給紙された用紙に印刷画像を印刷せず、分別トレイ44に排紙する。
【0071】
また、ステップS34にて印刷画像がカラーを含む画像であり且つ用紙がカラー裏紙であることが分かれば、CPU10は、既に説明した図6に示す処理を実行する。
【0072】
また、ステップS34にて、印刷画像がカラーを含む画像であり且つ用紙が両面印刷済みであることが分かれば、CPU10は、既に説明した図9に示す処理を実行する。
【0073】
以上に説明した図4〜図9の処理では、混載トレイ36から用紙搬送路上に用紙が給紙されると、用紙種別テーブル17から先頭の用紙のレコードを取得し、そのレコードをテーブル17から削除する。
【0074】
次に、図10を参照して、分別排紙処理(S60)の詳細な手順を説明する。この手順では、CPU10は、排紙すべき用紙の種別情報(ステップS32で取得済み)を参照してその用紙の種別を判定する(S61)。その結果、その用紙が白黒裏紙であり且つ上面が白紙であれば、その用紙が(裏返されずに)そのまま搬送され分別トレイ44に排紙されるよう、用紙搬送路を制御する(S62)。また、ステップS61で、その用紙が白黒裏紙であり且つ下面が白紙であると判定されれば、その用紙を両面印刷経路との用紙反転経路に送って裏返し、分別トレイ44に排紙するように制御する(S63)。これにより、分別トレイ44に収容される用紙の白紙面が同じ向きに揃う。
【0075】
また、ステップS61で、その用紙がカラー裏紙であり且つ上面が白紙であると判定されれば、その用紙が(裏返されずに)そのまま搬送され分別トレイ46に排紙されるよう、用紙搬送路を制御する(S64)。また、ステップS61で、その用紙がカラー裏紙であり且つ下面が白紙であると判定されれば、その用紙を両面印刷経路との用紙反転経路に送って裏返し、分別トレイ46に排紙するように制御する(S65)。これにより、分別トレイ46に収容される用紙の白紙面が同じ向きに揃う。
【0076】
また、ステップS61で、その用紙が両面とも白黒画像のみが印刷されたものと判定された場合は、CPU10は、その用紙が分別トレイ48に排紙されるよう、用紙搬送路を制御する(S66)。また、ステップS61で、その用紙が両面印刷済みでいずれかの面にカラー画像が印刷されたものと判定された場合は、CPU10は、その用紙が分別トレイ49に排紙されるよう、用紙搬送路を制御する(S67)。
【0077】
なお、このような分別処理の結果分別トレイ44(白黒裏紙)及び分別トレイ46(カラー裏紙)に収容された用紙は、収容部30が備える白黒裏紙専用トレイ及びカラー裏紙専用トレイ(図示省略)に、それぞれセットすることができる。また、分別トレイ48(両面印刷済み:白黒のみ)及び分別トレイ49(両面印刷済み:カラー含む)に収容された用紙は、それぞれ分別済みの資源として再利用することができる。
【0078】
図10は、上述の(1)〜(4)の用紙種別ごとに専用の分別トレイ44〜49が設けられている場合の例である。それら用紙種別を上位概念でまとめてグループ化し(例えば裏紙のグループと両面印刷済みのグループに分けるなど)、グループ毎に分別トレイを設ける場合は、分別廃止の対象である用紙の種別が属するグループを判定し、そのグループに対応する分別トレイにその用紙を排紙すればよい。
【0079】
以上、実施形態の画像形成装置について説明した。実施形態の装置は、1回の原稿搬送でその原稿の両面を読み取れるADF26を用いたが、1回の搬送で片面しか読み取れない場合でも、上述の実施形態の処理は適用可能である。すなわち、この場合は、いったん用紙束をADFにセットして読み取ることで各用紙のおもての面の状態(白紙、白黒画像のみ、又はカラー画像を含む)を求め、その後その用紙束を裏返してADFにセットして読み取ることで各用紙の裏面の状態を求め、それらおもて及び裏面の状態を組み合わせることで、用紙種別のレコードを作成すればよい。
【0080】
また、上記実施形態において、画像形成装置の設定情報に、白黒裏紙にカラー画像の印刷を認めるか否かの設定項目を設けてもよい。白黒裏紙にカラー画像を印刷すると、印刷済み用紙の資源としての価値は下がるので、資源価値を高める観点ではその設定項目は「認めない」にしておけばよい。しかし、常に「認めない」のでは、ユーザの利便性が下がる場合も考えられる。例えば、混載トレイ36に白黒裏紙が多い状況で、カラーの印刷画像が続くような場合には、白黒裏紙へのカラー画像の印刷が認められないと、印刷速度が著しく遅くなってしまう。そこで、そのような場合には、その設定項目を「認める」に設定することで対処することが考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】実施形態の画像形成装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【図2】用紙種別判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図3】用紙種別テーブルのデータ内容の一例を示す図である。
【図4】混載トレイから用紙を給紙する場合の印刷処理手順の全体的な流れの一例を示すフローチャートである。
【図5】混載トレイから用紙を給紙する場合の印刷処理手順において、用紙が未使用の場合の処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】混載トレイから用紙を給紙する場合の印刷処理手順において、用紙が裏紙で、且つその用紙の片面に印刷済みの画像のカラー・白黒の種別と印刷画像のカラー・白黒の種別とが一致する場合の処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】混載トレイから給紙して印刷する場合についての設定情報の一例を示す図である。
【図8】混載トレイから用紙を給紙する場合の印刷処理手順において、用紙がカラー裏紙で、且つ印刷画像が白黒である場合の処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】混載トレイから用紙を給紙する場合の印刷処理手順において、用紙が両面印刷済みの場合、又は、用紙が白黒裏紙で且つ印刷画像がカラーである場合、の処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】分別排紙処理の手順の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0082】
10 CPU、12 ROM、14 RAM、16 不揮発性記憶装置、17 用紙種別テーブル、18 通信インタフェース、20 画像処理部、22 白黒・カラー判定部、24 画像読取部、26 ADF、27 用紙搬送部、28 印刷部、30 収容部、32,34 通常トレイ、36 混載トレイ、40 印刷完了トレイ、42〜49 分別トレイ、50 操作パネル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動原稿送り手段を備え、前記自動原稿送り手段から供給される各用紙上の画像を読み取る読取手段と、
前記自動原稿送り手段に置かれた各用紙の表面及び裏面を前記読取手段に読み取らせ、この読み取りの結果に基づき、前記用紙ごとに、当該用紙の表面及び裏面がそれぞれ白紙、白黒印刷済み、又はカラー印刷済みのいずれであるかを示す用紙種別を判定する種別判定手段と、
前記種別判定手段が判定した前記各用紙の用紙種別を記憶する種別記憶手段と、
前記種別記憶手段に対応づけられた前記各用紙を収容する収容手段と、
用紙に印刷対象の画像を印刷するための印刷手段と、
前記収容手段から用紙を前記印刷手段に搬送する用紙搬送手段と、
前記読取手段による読取の後に前記収容手段に収容された前記各用紙が前記収容手段から前記印刷手段へと前記用紙搬送手段によって搬送される場合に、前記印刷対象の画像がカラー又は白黒のいずれであるかと、前記種別記憶手段から求められる前記用紙の用紙種別と、の組合せに基づき、前記印刷手段に前記印刷対象の画像を当該用紙に印刷させるか否かを制御する制御手段と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記種別記憶手段から求められる前記用紙の用紙種別が、一方の面が白黒印刷済みでもう一方の面が白紙であることを示し、かつ前記印刷対象の画像がカラーである場合には、前記用紙には前記印刷対象の画像を印刷させないよう制御する、
ことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記種別記憶手段から求められる前記用紙の用紙種別が、一方の面が白黒印刷済みでもう一方の面が白紙であることを示し、かつ前記印刷対象の画像が白黒である場合には、前記用紙に前記印刷対象の画像を印刷するよう前記印刷手段を制御することを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記種別記憶手段から求められる前記用紙の用紙種別が、一方の面がカラー印刷済みでもう一方の面が白紙であることを示し、かつ前記印刷対象の画像がカラーである場合には、前記用紙に前記印刷対象の画像を印刷するよう前記印刷手段を制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記用紙の用紙種別が一方の面がカラー印刷済みでもう一方の面が白紙であり、且つ前記印刷対象の画像が白黒である場合に、その用紙にその画像を印刷するか否かを示す設定情報を記憶する設定情報記憶手段、を更に備え、
前記制御手段は、前記種別記憶手段から求められる前記用紙の用紙種別が、一方の面がカラー印刷済みでもう一方の面が白紙であることを示し、かつ前記印刷対象の画像が白黒である場合には、前記設定情報記憶手段に記憶された設定情報に基づき、当該画像を当該用紙に印刷するか否かを制御する、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記収容手段から前記用紙搬送手段によって搬送されたが前記印刷手段で印刷されなかった用紙の排紙先となる複数の排紙部を有し、
前記制御手段は、前記印刷手段に前記印刷対象の画像を前記用紙に印刷させない場合には、前記用紙が、前記複数の排紙部のうち、当該用紙の用紙種別に対応する排紙部に排紙されるように制御を行う、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記印刷手段に前記印刷対象の画像を前記用紙に印刷させない場合に、当該用紙のうちの一方の面が白紙の場合において、当該用紙の白紙の面があらかじめ定められた向きとは異なる場合に、用紙搬送において当該用紙が裏返されるように制御を行い、裏返された用紙が、当該用紙の用紙種別に対応する排紙部に排紙されるように制御する、ことを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−229902(P2009−229902A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−76345(P2008−76345)
【出願日】平成20年3月24日(2008.3.24)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】