説明

画像形成装置

【課題】複数の動作モードで動作する画像形成装置であって、種々の利用条件に対して適切な動作モードを自動的に設定することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置50は、原稿読取部52と、画像処理部88と、画像形成部60と、表示部56及び操作部58とからなる操作パネルである操作表示部54と、タイマIC86と、通信部82と、種々の情報を記憶する記憶部84と、記憶部84に記憶されている情報をメンテナンスするためのメンテナンス部102と、原稿読取部52、画像処理部88、画像形成部60、操作表示部54、タイマIC86、通信部82、記憶部84、及びメンテナンス部102が接続されたバス104にいずれも接続された、画像形成装置としての一般的機能を実現するための制御部80を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の動作モードで動作可能な画像形成装置に関し、特に、動作モードを利用者にとって最適なものに切換える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の動作モードで動作する画像形成装置が開発されている。複数の動作モードは、他の情報端末装置からネットワークを通じて受信した画像を記録用紙に印刷するプリンタモードと、原稿の画像を読取って送信すると共に原稿の画像を受信して記録用紙に印刷したりするファクシミリモードと、原稿の画像を読取って記録用紙に印刷するコピーモード等とを含む。そのような画像形成装置は、利用者による操作によって、それら複数の動作モードのいずれかに切換えられるように構成されている。
【0003】
一方、このように複数の動作モードがある場合、画像形成装置が所望の動作モードにない場合には、一々動作モードの切換を行なう必要がある。そのような動作を省くことができると便利である。そこで、画像形成装置が利用されないまましばらく放置された場合に、自動的に動作モードをいずれかに切換える方法が考えられている。
【0004】
例えば、画像形成装置の電源がONされてからの各動作モードの使用頻度を数えておき、画像形成装置がしばらくの間放置された場合に、最も使用頻度が多い動作モードに自動的に切換えるための方法が考えられている。
【0005】
この技術に関し、特許文献1は、利用者によって予め設定された時刻に達すると、予め定められた動作モードに切換えるファクシミリ装置を開示している。
【0006】
特許文献1に記載のファクシミリ装置は、自動受信モードと手動受信モードとの2つの動作モードで動作する。
【0007】
ある会社で、午前8時〜同じ日の午後7時の間は手動受信モードの使用頻度が多く、午後7時〜次の日の午前8時の間は自動受信モードの使用頻度が多いことが予めわかっているものとする。
【0008】
特許文献1に開示されたファクシミリ装置において、利用者は、第1の時間帯、第2の時間帯、並びに第1の時間帯及び第2の時間帯においてそれぞれ動作させる第1の動作モード及び第2の動作モードをファクシミリ装置に入力する。例えば、第1の時間帯及び第2の時間帯に、午前8時〜同じ日の午後7時、及び午後7時〜次の日の午前8時がそれぞれ設定される。また、第1の動作モード及び第2の動作モードには、それぞれ手動受信モード及び自動受信モードが設定される。ファクシミリ装置は、第1の時間帯及び第2の時間帯の開始時刻に達したか否かを常に監視し、各時間帯の開始時刻に達すると動作モードをそれぞれ第1の動作モード及び第2の動作モードに切換える。
【0009】
このようにファクシミリ装置を動作させることによって、ファクシミリ装置の動作モードを利用者が逐一手動で設定しなくても、各時間帯に適した動作モードが自動で設定される。退社の時刻に、利用者がファクシミリ装置の動作モードを自動受信モードに切換えることを忘れてしまったとしても、ファクシミリ装置は自動的に動作モードを切換えるため、第2の時間帯では、その時間帯に適した動作モードで動作することができる。
【0010】
ところで、第1の時間帯は、通常、就業のための時間帯である。第1の時間帯において、何らかの理由により、ファクシミリ装置の動作モードが手動受信モードから自動受信モードに手動で切換えられたものとする。そのような場合、当該利用者が動作モードを元に戻さずに放置したとすると、ファクシミリ装置は、その後、第2の動作モードで動作することになる。これでは通常と異なる動作を行なうことになり、好ましくない。そこで、自動で設定されている動作モードが手動で別の動作モードに切換えられた場合、切換えられた時刻から所定時間を経過すると、自動的に設定されていた動作モードに自動的に切換える手段が設けられている。
【0011】
このような構成によって、利用者が動作モードを元に戻さなくても、ファクシミリ装置が自動的に各時間帯に相応しい動作モードに切換えることができる。その結果、利用者の手間を省くことができる。特許文献1では、上記した所定時間を制限時間幅と呼んでいる。
【特許文献1】特開平2‐179152
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
使用頻度が最も多い動作モードに自動的に切換える方法には、以下の問題点がある。使用頻度の多さは、利用者、時間帯、部署、及び役職等のような種々の条件によって異なる場合がある。そのため、当該方法では、全ての条件に対して適切な動作モードを設定することは困難であると言える。
【0013】
特許文献1に記載のファクシミリ装置においては、ある利用者によって入力された動作モードを変更するための時間的条件が、他の利用者にとって適切であるとは限らない。この場合の条件も種々の条件によって異なり、特許文献1に記載のファクシミリ装置であっても、全ての条件に対して適切な動作モードを設定することは困難であると言える。
【0014】
また、特許文献1に記載のファクシミリ装置は、2つのモードを切換えるのみであり、利用者にとって動作モードを変更するための条件を決定することは易しい。しかし、仮に、画像形成装置に5つの動作モードがある場合、時間帯毎にどの動作モードを使用するかを手動で適切に利用者に決定させることは困難なことであると考えられる。そのような画像形成装置において動作モードを変更するための条件を利用者に手動で設定させるためには、日頃から利用者が画像形成装置を監視し、どの時間帯でどの動作モードが使用されているかについて調査しなければならないだろう。そのような行為は、利用者にとって非常に煩わしいことである。また、そのような調査にのみ従事する人員を割当てることは無駄である。
【0015】
したがって、本発明の目的は、複数の動作モードで動作する画像形成装置であって、種々の利用条件に対して適切な動作モードを自動的に設定することができる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の第1の局面に係る画像形成装置は、複数の動作モードで動作可能な画像形成装置である。当該画像形成装置は、所定の条件が充足されると、利用者による画像形成装置の利用状況に応じ、複数の動作モードのうちで使用される動作モードである可能性が最も高いものを初期動作モードに設定するための設定手段と、画像形成装置が利用者によって操作されずに予め定められた時間が経過したことに応答して、画像形成装置の動作モードを、設定手段によって設定された初期動作モードに切換えるための制御手段とを含む。
【0017】
設定手段は、利用者の利用状況に応じて、画像形成装置の複数の動作モードのうちで使用される動作モードである可能性が最も高いものを初期動作モードに設定し、制御手段は、画像形成装置が利用者によって操作されずに予め定められた時間が経過したことに応答して、画像形成装置の動作モードを初期動作モードに切換える。画像形成装置は、利用者の利用状況に応じて自動的に初期動作モードを設定する。したがって、画像形成装置が操作されないまま放置されたとしても、利用者が次に画像形成装置を利用するとき、利用者にとって適切な動作モードが予め設定されている可能性が高くなり、利用者は、今自分が利用したい動作モードにわざわざ切換えなくても、スムーズに利用を開始することができる。その結果、複数の動作モードで動作する画像形成装置であって、種々の利用条件に対して適切な動作モードを自動的に設定することができる画像形成装置を提供することができる。
【0018】
好ましくは、設定手段は、所定の条件が充足されると、利用者による画像形成装置の利用状況に応じ、予め定められた時間帯ごとに、複数の動作モードのうちで当該時間帯に使用される可能性が最も高い動作モードを初期動作モードに設定するための手段を含む。
【0019】
設定するための手段は、所定の条件が充足されると、利用者による利用状況に応じて、予め定められた時間帯毎に使用される可能性が最も高い動作モードを初期動作モードに設定する。利用者の利用状況は常に変化するものなので、設定するための手段によれば、常に変化する利用状況を初期動作モードに反映することができる。画像形成装置が操作されないまま放置されたとしても、利用者にとって適切な動作モードに設定される可能性が高くなり、次に利用する場合に利用者はスムーズに利用を開始することができる。
【0020】
より好ましくは、設定するための手段は、予め定められた時間帯の境界を検出するための計時手段と、予め定められた時間帯ごとに、利用者が利用した動作モードの累計使用時間を動作モードごとに算出するための累計使用時間算出手段と、計時手段が予め定められた時間帯の境界を検出したことに応答して、累計使用時間算出手段により算出された累計使用時間が最も長かった動作モードを、計時手段により検出された境界の直前の時間帯の初期動作モードに設定するための手段とを含む。
【0021】
計時手段は、予め定められた時間帯の境界を検出し、累計使用時間算出手段は、予め定められた時間帯毎に、利用者が利用した動作モードの累計使用時間を動作モード毎に算出する。設定するための手段は、計時手段が時間帯の境界を検出したことに応答して、累計使用時間算出手段によって算出された、当該境界の直前の時間帯における累計使用時間が最も長い動作モードを初期動作モードに設定する。各時間帯において、利用者による利用時間が最も長い動作モードが初期動作モードとして設定されるので、画像形成装置が操作されないまま放置されたとしても、利用者にとって適切な動作モードに設定される可能性が高くなり、次に利用する場合に利用者はスムーズに利用を開始することができる。
【0022】
さらに好ましくは、設定するための手段は、予め定められた時間帯の境界を検出するための計時手段と、予め定められた時間帯ごとに、利用者が利用した動作モードの累計度数を動作モードごとに算出するための累計度数算出手段と、計時手段が予め定められた時間帯の境界を検出したことに応答して、累計度数算出手段により算出された度数が最も多かった動作モードを、計時手段により検出された境界の直前の時間帯の初期動作モードに設定するための手段とを含む。
【0023】
計時手段は、予め定められた時間帯の境界を検出し、累計度数算出手段は、予め定められた時間帯毎に、利用者が利用した動作モードの累計度数を動作モード毎に算出する。設定するための手段は、計時手段が時間帯の境界を検出したことに応答して、累計度数算出手段によって算出された、当該境界の直前における時間帯の累計度数が最も多い動作モードを初期動作モードに設定する。各時間帯において、利用者による利用回数が最も多い動作モードが初期動作モードとして設定されるので、画像形成装置が操作されないまま放置されたとしても、利用者にとって適切な動作モードに設定される可能性が高くなり、次に利用する場合に利用者はスムーズに利用を開始することができる。
【0024】
さらに好ましくは、設定手段は、所定の条件が充足されると、複数の利用者による画像形成装置の利用状況に応じ、複数の動作モードのうちで各利用者に使用される動作モードである可能性が最も高いものを利用者ごとの初期動作モードに設定するための手段を含む。制御手段は、画像形成装置がある利用者によって操作されずに予め定められた時間が経過したことに応答して、画像形成装置のある利用者に対する動作モードを、設定手段によって当該利用者に対して設定された初期動作モードに切換えるための手段を含む。
【0025】
設定するための手段は、所定の条件が充足されると、各利用者の利用状況に応じて、各利用者に使用される動作モードである可能性が最も高い動作モードを、利用者毎の初期動作モードに設定する。制御手段は、利用者によって操作されずに予め定められた時間が経過したことに応答して、画像形成装置の動作モードを、設定手段により利用者毎に定められた初期動作モードに切換える。したがって、各利用者の利用状況に基づいた適切な動作モードが、利用者毎の初期動作モードとして設定される。画像形成装置が操作されないまま放置されたとしても、各利用者にとって適切な動作モードに設定される可能性が高くなり、ある利用者が次に利用する場合に、その利用者はスムーズに利用を開始することができる。
【0026】
さらに好ましくは、切換えるための手段は、画像形成装置を利用する利用者の認証を行なうための認証手段と、認証手段により認証されたある利用者によって画像形成装置が操作されずに予め定められた時間が経過したことに応答して、画像形成装置のある利用者に対する動作モードを、設定手段によって当該利用者に対して設定された初期動作モードに切換えるための手段とを含む。
【0027】
認証手段は、利用者の認証を行ない、切換えるための手段は、認証手段により認証されたある利用者によって画像形成装置が操作されずに予め定められた時間が経過したことに応答して、画像形成装置の動作モードを、当該利用者に対して設定された初期動作モードに切換える。画像形成装置は、利用者の認証を行なうので、利用者は当該画像形成装置を安全に利用することができる。また、画像形成装置が操作されないまま放置されたとしても、各利用者にとって適切な動作モードに設定される可能性が高くなり、次に利用する場合に利用者はスムーズに利用を開始することができる。
【0028】
さらに好ましくは、複数の動作モードは、コピーモード、ファクシミリモード、プリンタモード、スキャンモード、及びドキュメントファイリングモードの中の任意の動作モードの組合せを含む。
【0029】
上記の5つの動作モードは、通常、画像形成装置でよく利用される動作モードである。画像形成装置が操作されないまま放置されたとしても、通常よく利用される動作モードの中の任意の組合せのいずれかが予め設定される可能性が高くなり、次に利用する場合に利用者はスムーズに利用を開始することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面に基づき詳細に説明する。なお、以下の説明では、同一の部品には同一の参照番号を付してある。それらの機能及び名称も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0031】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る、複写機、プリンタ、及びファクシミリとして機能する電子写真方式の複合機である画像形成装置50の外観構成を示す図である。図2は、本実施の形態に係る画像形成装置50の機能ブロック図である。
【0032】
画像形成装置50は、コピーモード、ファクシミリモード、プリンタモード、原稿の画像を読取って電子データに変換するスキャンモード、複数の画像の電子データを利用者にファイリング処理させるドキュメントファイリングモード(以下、DFモードと呼ぶ。)、及びその他の動作モードで動作することができる。
【0033】
コピーモード、ファクシミリモード、プリンタモード、スキャンモード、及びDFモードは、一般の画像形成装置において通常よく利用されるモードである。以後、それらのモードの総称を「通常モード」とする。
【0034】
図1及び図2を参照して、画像形成装置50は、原稿画像を読取り、RGB(R:Red、G:Green、B:Blue)アナログ画像信号を出力するための原稿読取部52と、原稿読取部52によって出力されたRGBアナログ画像信号をデジタル処理し、CMYK(C:シアン、M:マゼンタ、Y:イエロー、K:黒)のデジタル信号に変換して出力するための画像処理部88とを含む。画像形成装置50はさらに、原稿読取部52の下側に設置され、画像処理部88によって出力されたCMYK画像を記録紙上に形成するための画像形成部60と、原稿読取部52の前方に設置されており、利用者が画像形成装置50を操作する際に使用され、表示部56及び操作部58とからなる操作パネルである操作表示部54と、時間を計時するタイマIC(Integrated Circuit)86とを含む。画像形成装置50はさらに、電話回線98及びLAN(Local Area Network)96を介して他の装置との間で通信を行なうための通信部82と、種々の情報を記憶する記憶部84と、記憶部84に記憶されている情報をメンテナンスするためのメンテナンス部102と、原稿読取部52、画像処理部88、画像形成部60、操作表示部54、タイマIC86、通信部82、記憶部84、及びメンテナンス部102が接続されたバス104とを含む。画像形成装置50はさらに、バス104に接続された、画像形成装置としての一般的機能を実現するための制御部80を含む。
【0035】
制御部80は、画像形成装置50の全体の制御を司るものであって、CPU(Central Processing Unit)等から構成されている。
【0036】
記憶部84は、画像形成装置50の動作を制御するのに必要なプログラムと、時間帯毎に適切な動作モード名を記憶するためのテーブルであるモード設定テーブル100と、時間幅を記憶するための制限時間幅記憶部106とを含む。制御部80は、記憶部84に格納されているプログラム及びデータに従って画像形成装置50の制御を行なうと共に画像形成装置50の各機能に関する制御を実行する。
【0037】
制限時間幅記憶部106に記憶される時間幅は、制御部80によって使用され、利用者によって予め定められるものである。当該時間幅は、以下のようにして使用される。画像形成装置50が利用されないまましばらくの間放置された場合、現在の動作モードに切換られてから当該時間幅が経過すると、制御部80は現在の時刻に適した動作モードに切換える。「ある時間帯に適した動作モード」については後述する。
【0038】
通信部82は、図示しないファクシミリ装置に接続された電話回線98にインターフェイスをとっているモデム94、図示しないコンピュータ等の情報端末装置に接続されているLAN(Local Area Network)回線96にインターフェイスをとっているNIC(Network Interface Card)92、及びモデム94及びNIC92の動作を制御するための通信コントローラ90を含む。
【0039】
なお、原稿読取部52、画像処理部88、画像形成部60、操作表示部54、タイマIC86、通信部82、記憶部84、及びメンテナンス部102に対する制御は、制御部80により行なわれる。
【0040】
(テーブルの構成)
図3は、モード設定テーブル100の構成を示す図である。図3を参照して、モード設定テーブル100の各レコードは、時刻の分が0分である時刻から1時間分の時間帯を記憶するための時間帯フィールドと、時間帯フィールドに記憶されている時間帯毎に通常モードのいずれか1つの名前とその動作モードが使用された時間幅(分)とを対で記憶するための動作モードフィールド及び時間フィールドと、時間帯フィールドに記憶されている時間帯において、時間フィールドに記憶されている時間が最も長い動作モードの名前を記憶するための初期モードフィールドとからなる。
【0041】
時間帯フィールドには、午前9時〜10時及び午前10時〜11時等のように、午後0時〜次の日の午後0時までの1時間毎の時間帯が重複なく記憶されているものとする。
【0042】
モード設定テーブル100の各レコードは、時間帯フィールドの時刻が早い順番に並べられているものとする。
【0043】
モード設定テーブル100のある時間帯において、時間フィールドに記憶されている時間が長い動作モードは、その時間帯において利用者によく利用されている動作モードである。したがって、本実施の形態において、上記した「ある時間帯に適した動作モード」を、その時間帯において最も利用時間が長い動作モードであると定める。初期モードフィールドには、時間帯毎にそのような動作モードが記憶される。
【0044】
モード設定テーブル100の時間フィールドの値は常に変化するので、その変化に伴い、初期モードフィールドの値を更新する必要がある。上述したメンテナンス部102は、現在の時刻の分の部分の値が0となる度に、当該時間帯の時間フィールドの値が最も長い動作モードを初期モードフィールドの値に設定して更新する処理を行なう。
【0045】
(画面の構成)
図4は、画像形成装置50が各動作モードで動作している場合に、操作表示部54に表示される画面の例を示す図である。
【0046】
図4(A)は、画像形成装置50がコピーモードで動作している場合に、操作表示部54に表示される画面130の例を示す図である。図4(A)を参照して、画面130は、画面130の上方において、通常モードのいずれかを利用者に選択させるためのタブと、当該タブの下側に配置され、コピーモードにおいて操作される複数のボタンとを含む。コピーモードにおいて選択されるボタンは、用紙のサイズを選択するための用紙ボタン、倍率を変更するための倍率ボタン、及びコピーが終了した後の処理を決定するための後処理ボタンからなる。
【0047】
図4(B)は、画像形成装置50がファクシミリモードで動作している場合に、操作表示部54に表示される画面132の例を示す図である。図4(B)を参照して、画面132には、ファクシミリモードにおいて、送信先の電話番号を入力するための送信先ボタン、及び原稿の解像度を決定するための解像度ボタンが配置されている。
【0048】
図4(C)は、画像形成装置50がプリンタモードで動作している場合に、操作表示部54に表示される画面134の例を示す図である。図4(C)を参照して、画面134には、プリンタモードにおいて利用者によって操作される、他の情報通信端末から現在画像形成装置50に送信されているジョブのリストを表示したり、ジョブを削除したりするためのジョブリストボタンが配置されている。
【0049】
なお、操作表示部54には、図示しないスキャンモード及びDFモードにおいて表示される画面が存在する。
【0050】
スキャンモードにおいて表示される画面では、送信先、解像度、並びにTIFF(Tagged Image File Format)及びPDF(Portable Document Format)等のファイル形式を利用者に選択させることができる。また、DFモードにおいて表示される画面では、原稿読取部52が読み取った原稿の電子データを記録する場合に解像度、ファイル名、及び格納フォルダを利用者に設定させたり、既に記憶されている電子データを用紙に印字する場合に、出力部数、印字用紙サイズ、及び後処理の設定を利用者にさせたりすることができる。
【0051】
(ソフトウェア構成)
図5及び図6は、画像形成装置50で実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【0052】
<制御部80のソフトウェア構成>
図5は、画像形成装置50が起動されたときに、制御部80で実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。図5を参照して、このプログラムは、画像形成装置50が何らかの動作モードで利用者に操作されたか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ152を含む。
【0053】
このプログラムはさらに、ステップ152の判定結果がYESであり、かつコピーモードで操作されている場合に、コピーモードでの動作を行ない、モード設定テーブル100において、時間帯フィールドが現在の時刻を含むレコードのコピーモードに対応する時間フィールドに、タイマIC86によって計時されている時間を加算するステップ156と、ステップ152の判定結果がYESであり、かつファクシミリモードで操作されている場合に、ファクシミリモードでの動作を行ない、モード設定テーブル100において、時間帯フィールドが現在の時刻を含むレコードのファクシミリモードに対応する時間フィールドに、タイマIC86によって計時されている時間を加算するステップ158とを含む。このプログラムはさらに、ステップ152の判定結果がYESであり、かつプリンタモードで操作されている場合に、プリンタモードでの動作を行ない、モード設定テーブル100において、時間帯フィールドが現在の時刻を含むレコードのプリンタモードに対応する時間フィールドに、タイマIC86によって計時されている時間を加算するステップ160と、ステップ152の判定結果がYESであり、かつスキャンモードで操作されている場合に、スキャンモードでの動作を行ない、モード設定テーブル100において、時間帯フィールドが現在の時刻を含むレコードのスキャンモードに対応する時間フィールドに、タイマIC86によって計時されている時間を加算するステップ162と、ステップ152の判定結果がYESであり、かつDFモードで操作されている場合に、DFモードでの動作を行ない、モード設定テーブル100において、時間帯フィールドが現在の時刻を含むレコードのDFモードに対応する時間フィールドに、タイマIC86によって計時されている時間を加算するステップ164と、ステップ152の判定結果がYESであり、かつその他のモードで操作されている場合に、その他のモードでの動作を行なうステップ154とを含む。
【0054】
このプログラムはさらに、ステップ152の判定結果がNOの場合に、タイマIC86によって計時されている時間が、制限時間幅記憶部106に記憶されている時間幅を超えているか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ166と、ステップ166の判定結果がYESの場合に、モード設定テーブル100から、時間帯フィールドの時間帯が現在の時刻を含むレコードを抽出して、当該レコードの初期モードフィールドに記憶されている動作モードに、画像形成装置50の動作モードを切換えるステップ168とを含む。
【0055】
このプログラムはさらに、ステップ154〜166、又は168の後、タイマIC86によって計時されている時間をクリアして、制御をステップ152に戻すステップ172を含む。
【0056】
ステップ166の判定結果がNOの場合、制御はステップ152に戻る。
【0057】
なお、上記したステップ166では、タイマIC86によって計時された時間は、タイマIC86がクリアされた時刻から、ステップ166における現在の時刻までの経過時間である。
【0058】
<メンテナンス部102のソフトウェア構成>
図6は、画像形成装置50の起動されたときに、メンテナンス部102で実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。図6を参照して、このプログラムは、現在の時刻の分の部分の値が0になるまで待機するステップ230と、ステップ230において、現在の時刻の分の部分の値が0になった場合、変数Hに現在の時刻の時の部分の値を代入するステップ232と、ステップ232の後、モード設定テーブル100から、時間帯フィールドの時間帯が(変数H−1)時〜変数H時であるレコードを抽出するステップ234とを含む。このプログラムはさらに、ステップ234の後、ステップ234において抽出したレコードの時間フィールドに記憶されている時間が最も長いものに対応する動作フィールドの値を抽出するステップ236と、ステップ236の後、ステップ234において抽出したレコードの初期モードフィールドを、ステップ236において抽出した動作モードの値で更新して、制御をステップ230に戻すステップ238とを含む。
【0059】
(動作)
図1〜図6を参照して、上記した構成を持つ本実施の形態に係る画像形成装置50は以下のように動作する。なお、これに先立ち、モード設定テーブル100及び制限時間幅記憶部106には、それぞれ図3に示すような情報及び30分が予め記憶されているものとする。モード設定テーブル100の時間帯フィールドが午前9時〜午前10時のレコードの初期モードフィールドには、プリンタモードが記憶されているものとする。
【0060】
最初に、利用者は午前9時に画像形成装置50を起動させる。起動後、制御部80は、利用者によって、通常モード及びその他の動作モードのいずれかで操作されるか(図5に示すステップ152)、又は、タイマIC86によって計時された時間が制限時間幅記憶部106に記憶されている時間幅を超えたか否かを判定する(図5に示すステップ166)。
【0061】
利用者が、画像形成装置50をコピーモードで操作し始めるものとする。制御部80は、コピーモードでの動作を行ない、モード設定テーブル100において、時間帯フィールドが午前9時〜10時のレコードのコピーモードに対応する時間フィールドに、タイマIC86によって計時されている時間を加算する(図5に示すステップ156)。制御部80は、タイマIC86をクリアする(図5に示すステップ172)。
【0062】
利用者がコピーモードでの操作を終えてから30分以内に、利用者がファクシミリモードで画像形成装置50を操作し始めるものとする。現在の時刻は、午前9時0分〜午前9時30分の間であるものとする。
【0063】
制御部80は、ファクシミリモードでの動作を行ない、モード設定テーブル100において、時間帯フィールドが午前9時〜10時のレコードのファクシミリモードに対応する時間フィールドに、タイマIC86によって計時されている時間を加算する(図5に示すステップ158)。制御部80は、タイマIC86をクリアする(図5に示すステップ172)。
【0064】
利用者がファクシミリモードでの操作を終えてから30分が経過したものとする。すなわち、画像形成装置50が操作されなくなってから、制限時間幅記憶部106に記憶されている時間幅を超えたものとする。現在の時刻は、午前9時30分〜午前10時0分の間であるものとする。
【0065】
制御部80は、モード設定テーブル100から時間帯フィールドの値が午前9時〜午前10時のレコードを抽出し、画像形成装置50の動作モードを、抽出したレコードの初期モードフィールドに記憶されている動作モード、すなわちプリンタモードに切換える(図5に示すステップ168)。制御部80は、タイマIC86をクリアする(図5に示すステップ172)。
【0066】
画像形成装置50の動作モードがプリンタモードに切換ってから30分以内に、利用者が、その他のモードで画像形成装置50を操作し始めるものとする。制御部80は、その他のモードでの動作を行なう(図5に示すステップ154)。制御部80は、タイマIC86をクリアする(図5に示すステップ172)。
【0067】
なお、上記したように、利用者がコピーモードでの操作を終えてから、30分以内にファクシミリモードを選択した場合において、ファクシミリモードの代わりに、プリンタモード、スキャンモード、及びDFモードを選択したとしても、制御部80が同様の動作を行なうことは、当業者には明らかであろう。
【0068】
現在の時刻が、ちょうど午前10時を経過するものとする。
【0069】
メンテナンス部102は、変数Hに現在の時刻の時の部分の値(すなわち10)を代入する(図6に示すステップ232)。メンテナンス部102は、モード設定テーブル100から、時間帯フィールドが午前9時〜午前10時のレコードを抽出し(図6に示すステップ234)、抽出したレコードの中で、対応する時間フィールドに記憶されている時間が最も長い動作モードフィールドの値を抽出する(図6に示すステップ236)。メンテナンス部102は、ステップ234において抽出したレコードの初期モードフィールドの値を、ステップ236において抽出した動作モード名に変更して更新する(図6に示すステップ238)。メンテナンス部102は、現在の時刻の分の部分の値が0となる度に上記の処理を繰返す。
【0070】
(本実施の形態の効果)
以上の説明から明らかなように、本実施の形態に係る画像形成装置50を利用することにより、画像形成装置50は、利用されないまましばらくの間放置されることがあったとしても、時間帯毎に利用者の利用状況に応じた適切な動作モードに自動的に切換わる。したがって、利用者が、普段あまり利用しない動作モードに切換え使用した後、動作モードを戻し忘れたとしても、画像形成装置50が自動的に動作モードを切換えるので、利用者の手間を省くことができる。次に利用する利用者が画像形成装置50を利用し始める場合、画像形成装置50が、その時間帯において最もよく利用される動作モードに自動的に切換わっている場合があるので、利用者はスムーズに画像形成装置50を利用できる。
【0071】
[第2の実施の形態]
図7は、本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置300の機能ブロック図である。この画像形成装置300の外観構成は第1の実施の形態に係る画像形成装置50と同様である。図7を参照して、画像形成装置300の機能的構成は、第1の実施の形態に係る画像形成装置50とほぼ同様であるが、記憶部84に代えて、モード設定テーブル100の構成と同様の構成であり、画像形成装置300を利用する利用者の分の数だけの複数のモード設定テーブルを記憶する記憶部304を含む点と、バス104に接続され、利用者認証を行なって、利用者毎に制御部80による制御を変更させるための認証部302をさらに含む点と、第1の実施の形態のメンテナンス部102に代えて、全てのモード設定テーブルの更新を行なうメンテナンス部308を含む点とにおいて、第1の実施の形態に係る画像形成装置50と異なる。
【0072】
記憶部304は、モード設定テーブル100と同様の構成であり、各利用者のために用意されたモード設定テーブル306A、306B、306C、及び306Dと、制限時間幅記憶部106とを記憶している。以後、モード設定テーブル306A、306B、306C、及び306Dを代表して単にモード設定テーブル306と呼ぶことがある。
【0073】
認証部302は、各利用者が画像形成装置300を利用し始める際に利用者認証を行ない、制御部80に当該利用者のためのモード設定テーブル306を参照可能にさせ、そのテーブル以外のテーブルを参照不可能にさせるための制御を行なう。
【0074】
(ソフトウェア構成)
制御部80のソフトウェア構成は、第1の実施の形態で述べたソフトウェア構成とほぼ同様であるが、以下に述べる認証部302のソフトウェア構成によって、制御部80のプログラムの起動及び停止が制限される点において、第1の実施の形態に係る制御部80のソフトウェア構成と異なる。
【0075】
本実施の形態に係るメンテナンス部308のソフトウェア構成は、第1の実施の形態で述べたメンテナンス部102のソフトウェア構成とほぼ同様であるが、現在の時刻の分の部分の値が0になったときに、全てのモード設定テーブル306を更新する点において、第1の実施の形態に係るメンテナンス部102のソフトウェア構成と異なる。
【0076】
<認証部302のソフトウェア構成>
図8は、画像形成装置300が起動されたときに、認証部302で実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【0077】
図8を参照して、このプログラムは、利用者によってユーザID及びパスワードが入力されるまで待機するステップ330と、ステップ330においてユーザID及びパスワードが入力された場合に、当該利用者が正当な利用者であるか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップ332と、ステップ332の判定結果がYESの場合に、記憶部304において当該利用者のためのモード設定テーブル306を検索するステップ334とを含む。このプログラムはさらに、ステップ334の後、検索されたモード設定テーブル306を制御部80が参照できるようにし、そのテーブル以外のモード設定テーブルを参照不可にするステップ336と、ステップ336の後、図5及び図6に示すフローチャートによるプログラムを制御部80に起動させるステップ338とを含む。このプログラムはさらに、ステップ338の後、利用者がログアウトするまで待機するステップ340と、ステップ340において利用者がログアウトした場合に、ステップ338で起動させた制御部80のプログラムを停止させて、制御をステップ330に戻すステップ342とを含む。なお、ステップ332の判定結果がNOの場合、制御はステップ330に戻る。
【0078】
(動作)
図7及び図8を参照して、上記した構成を持つ本実施の形態に係る画像形成装置300は以下のように動作する。なお、これに先立ち、モード設定テーブル306及び制限時間幅記憶部106には、それぞれ図3に示すような情報及び「30分」という値が予め記憶されているものとする。モード設定テーブル306には、利用者毎に異なるデータが記憶されているものとする。
【0079】
本実施の形態に係るメンテナンス部308の動作は、第1の実施の形態に係るメンテナンス部102の動作とほぼ同様であるが、現在の時刻の分の部分の値が0になったときに、全てのモード設定テーブル306を更新する点において、第1の実施の形態に係るメンテナンス部102の動作と異なる。
【0080】
画像形成装置300が起動されると、認証部302は、利用者からユーザID及びパスワードが入力されるまで待機する(図8に示すステップ330)。ある利用者が、画像形成装置300にユーザID及びパスワードを入力したものとする。認証部302は、当該利用者が正当な利用者であるか否かを判定し(図8に示すステップ332)、正当な利用者でなければ制御をステップ330に戻す。ステップ332において、認証部302が当該利用者を正当な利用者であると判定すれば、認証部302は、当該利用者のためのモード設定テーブル306を検索する(図8に示すステップ334)。認証部302は、検索されたモード設定テーブル306を制御部80が参照できるようにし、それ以外のテーブルを参照不可能にさせる(図8に示すステップ336)。認証部302は、図5及び図6に示すフローチャートによるプログラムを制御部80に起動させ(図8に示すステップ338)、利用者がログアウトするまで待機する(図8に示すステップ340)。
【0081】
利用者がログアウトするまでの間の画像形成装置300の動作は、第1の実施の形態で述べた動作と同様であるが、制御部80がモード設定テーブル100を参照するのではなく、認証部302によって参照可能となったモード設定テーブル306を参照する点において、第1の実施の形態で述べた動作と異なる。
【0082】
利用者がログアウトしたものとする。
【0083】
認証部302は、制御部80のプログラムを停止して、制御をステップ330に戻す。
【0084】
その後、その他の利用者が、ユーザID及びパスワードを画像形成装置300に入力した場合にも、画像形成装置300は上記と同様の処理を行なう。
【0085】
(本実施の形態の効果)
以上の説明から明らかなように、本実施の形態に係る画像形成装置300を利用することにより、画像形成装置300は、利用されないまましばらくの間放置されることがあったとしても、時間帯及び利用者の利用状況に応じた適切な動作モードに自動的に切換えることができる。したがって、利用者が、普段あまり利用しない動作モードに切換えて、動作モードを元に戻し忘れたとしても、画像形成装置300が自動的に利用者に応じた適切なモードに動作モードを切換えるので、利用者の手間を省くことができる。
【0086】
[変形例]
上記した実施の形態では、モード設定テーブル100及び306は、利用者の利用状況を時間フィールドの値のみで管理していた。しかし、本発明はそのような実施の形態には限定されず、その他に、使用頻度で利用状況を把握してもよい。その場合、モード設定テーブル100及び306において、時間フィールドの代わりに、各時間帯において利用者がある動作モードを何回使用したかを記憶するための使用頻度フィールドを設ける。利用者がある動作モードに切換える度に、使用頻度フィールドには1が加算される。したがって、図5に示すステップ166において、タイマIC86によって計時された時間が、制限時間幅記憶部106に記憶されている時間幅を超えた場合、使用頻度フィールドの値が最も多い動作フィールドに設定しても良い。
【0087】
また、上記した実施の形態では、モード設定テーブル100に記憶される時間フィールド及び使用頻度フィールドは、利用者による画像形成装置の利用状況であった。しかし、本発明はそのような実施の形態には限定されず、利用状況を表す指標であれば、利用時間及び使用頻度以外のどのような指標であっても良い。例えば、利用状況を表す指標として、条件付確率を用いても良い。画像形成装置は、利用者によって利用され始めてから、利用者によって操作された動作モードの順番を記憶し続ける。画像形成装置は、記憶した動作モードの順番を参照して、各時間帯において、ある動作モードで操作されてから、別の動作モードで操作される条件付確率を計算する。例えば、その確率は、プリンタモードで操作された後に、ファクシミリモード又はコピーモード等で操作される確率である。画像形成装置が、利用されないまましばらくの間放置されると、画像形成装置は、前に操作された動作モードから、次に操作される確率が最も大きい動作モードを、新規の動作モードとして設定すればよい。
【0088】
上記した第2の実施の形態では、認証部302は、ユーザID及びパスワードを利用者に入力させて利用者認証を行なっていた。その認証のための処理の詳細は述べなかったが、通常よく行なわれる、パスワードを使用する方法を利用することができる。しかし、本発明はそのような実施の形態には限定されず、利用者認証の方法はどのようなものであっても良い。例えば、パスワードを使用する方法の他に、音声認証及び指紋認証等のような、利用者の生体に関する情報で認証する方法でも良い。
【0089】
今回開示された実施の形態は単に例示であって、本発明が上記した実施の形態のみに限定されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含む。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置50の外観構成を示す図である。
【図2】図1に示す画像形成装置50の機能ブロック図を示す図である。
【図3】図2に示すモード設定テーブル100の構成を示す図である。
【図4】図1に示す操作表示部54に表示される画面である。
【図5】図2に示す制御部80の機能を実現するコンピュータプログラムのフローチャートである。
【図6】図2に示すメンテナンス部102の機能を実現するコンピュータプログラムのフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置300の機能ブロック図を示す図である。
【図8】図7に示す認証部302の機能を実現するコンピュータプログラムのフローチャートである。
【符号の説明】
【0091】
50,300 画像形成装置
52 原稿読取部
54 操作表示部
56 表示部
58 操作部
60 画像形成部
80 制御部
82 通信部
84,304 記憶部
86 タイマIC
88 画像処理部
90 通信コントローラ
92 NIC
94 モデム
96 LAN回線
98 電話回線
100,306A,306B,306C,306D モード設定テーブル
102,308 メンテナンス部
302 認証部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の動作モードで動作可能な画像形成装置であって、
所定の条件が充足されると、利用者による前記画像形成装置の利用状況に応じ、前記複数の動作モードのうちで使用される動作モードである可能性が最も高いものを初期動作モードに設定するための設定手段と、
前記画像形成装置が利用者によって操作されずに予め定められた時間が経過したことに応答して、前記画像形成装置の動作モードを、前記設定手段によって設定された初期動作モードに切換えるための制御手段とを含む、画像形成装置。
【請求項2】
前記設定手段は、所定の条件が充足されると、利用者による前記画像形成装置の利用状況に応じ、予め定められた時間帯ごとに、前記複数の動作モードのうちで当該時間帯に使用される可能性が最も高い動作モードを前記初期動作モードに設定するための手段を含む、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記設定するための手段は、
前記予め定められた時間帯の境界を検出するための計時手段と、
前記予め定められた時間帯ごとに、利用者が利用した動作モードの累計使用時間を動作モードごとに算出するための累計使用時間算出手段と、
前記計時手段が前記予め定められた時間帯の境界を検出したことに応答して、前記累計使用時間算出手段により算出された累計使用時間が最も長かった動作モードを、前記計時手段により検出された境界の直前の時間帯の初期動作モードに設定するための手段とを含む、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記設定するための手段は、
前記予め定められた時間帯の境界を検出するための計時手段と、
前記予め定められた時間帯ごとに、前記利用者が利用した動作モードの累計度数を動作モードごとに算出するための累計度数算出手段と、
前記計時手段が前記予め定められた時間帯の境界を検出したことに応答して、前記累計度数算出手段により算出された度数が最も多かった動作モードを、前記計時手段により検出された境界の直前の時間帯の初期動作モードに設定するための手段とを含む、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記設定手段は、前記所定の条件が充足されると、複数の利用者による前記画像形成装置の利用状況に応じ、前記複数の動作モードのうちで各利用者に使用される動作モードである可能性が最も高いものを利用者ごとの初期動作モードに設定するための手段を含み、
前記制御手段は、前記画像形成装置がある利用者によって操作されずに予め定められた時間が経過したことに応答して、前記画像形成装置の前記ある利用者に対する動作モードを、前記設定手段によって当該利用者に対して設定された初期動作モードに切換えるための手段を含む、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記切換えるための手段は、
前記画像形成装置を利用する利用者の認証を行なうための認証手段と、
前記認証手段により認証されたある利用者によって前記画像形成装置が操作されずに予め定められた時間が経過したことに応答して、前記画像形成装置の前記ある利用者に対する動作モードを、前記設定手段によって当該利用者に対して設定された初期動作モードに切換えるための手段とを含む、請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記複数の動作モードは、コピーモード、ファクシミリモード、プリンタモード、スキャンモード、及びドキュメントファイリングモードの中の任意の動作モードの組合せを含む、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−258156(P2009−258156A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−103729(P2008−103729)
【出願日】平成20年4月11日(2008.4.11)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】