説明

画像形成装置

【課題】液滴吐出ヘッドから吐出された液滴によって画像が形成されている記録媒体の搬送速度の変動を効果的に抑制する。
【解決手段】定着検査用搬送ドラム162にパウダーブレーキ200を設けるだけで、定着ロール62の圧接状態が変動し定着検査用搬送ドラム162に衝撃が加わっても、画像形成用搬送ドラム142の回転速度変動が、低コスト且つ効果的に抑制される。これにより、インクジェット記録ヘッド42から吐出されたインク滴Tによって画像が形成されている記録用紙Pの搬送速度の変動を効果的に抑制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
胴(搬送ドラム)の外周面に枚葉紙を保持すると共に、順次下流側の胴に枚葉紙を受け渡して搬送しながら、枚葉紙に印刷を行なう構成の印刷機が知られている。
【0003】
また、このような印刷機において、胴に操作部材を設けることで、機械的な振動を減衰させる印刷機が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開平6−198855号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、搬送体(搬送ドラム)の外周面に保持されて搬送されている記録媒体に、液滴吐出ヘッドから液滴を吐出して、画像が形成される構成の画像形成装置の場合、搬送体の回転速度変動、すなわち記録媒体の搬送速度の変動が、記録媒体に形成される画像の画像品質に大きな影響を与える。
【0005】
本発明は、上記課題を解決すべく成されたもので、液滴吐出ヘッドから吐出された液滴によって画像が形成されている記録媒体の搬送速度の変動を、効果的に抑制することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の画像形成装置は、記録媒体の搬送方向に並んで設置され、互いに回転駆動力が伝達されることで回転し、外周面に前記記録媒体を保持すると共に搬送方向下流側に受け渡して搬送する複数の搬送体と、前記搬送体の一つを構成し、前記外周面に保持されている前記記録媒体に、一つ又は複数の液滴吐出ヘッドから吐出される液滴によって画像が形成される画像形成用搬送体と、前記画像形成用搬送体よりも搬送方向下流側に設置された前記搬送体の一つを構成し、前記外周面に圧接され且つ回転する定着部材との間に前記記録媒体が挟まれて搬送されることで、前記記録媒体に画像が定着される定着用搬送体と、前記定着用搬送体に設けられ、前記定着部材が前記定着用搬送体に圧接する圧接状態が変動する圧接力変動部と、前記画像形成用搬送体又は前記定着用搬送体、或いは、前記画像形成用搬送体から前記定着用搬送体の間に設置された少なくとも一つの前記搬送体の回転速度変動を抑制する回転速度変動抑制手段と、を備えることを特徴としている。
【0007】
請求項2の画像形成装置は、前記回転速度変動抑制手段が、制動機であることを特徴としている。
【0008】
請求項3の画像形成装置は、前記制動機が、磁性粉体制動装置であることを特徴としている。
【0009】
請求項4の画像形成装置は、前記定着用搬送体が一定時間以上、回転が停止されている場合は、前記定着用搬送体が所定時間以上、回転したのち、前記記録媒体に画像形成を行なうことを特徴としている。
【0010】
請求項5の画像形成装置は、前記回転速度変動抑制手段が、はずみ車であることを特徴としている。
【0011】
請求項6の画像形成装置は、前記液滴吐出ヘッドは、前記画像形成用搬送体の回転軸方向である主走査方向を長手方向として設けられると共に、前記画像形成用搬送体の前記外周面に対向して配置されたノズル面に、前記液滴を吐出する複数のノズルが、二次元的に配置されたことを特徴としている。
【0012】
請求項7の画像形成装置は、前記回転速度変動抑制手段は、前記定着用搬送体の回転速度変動を抑制することを特徴としている。
【0013】
請求項8の画像形成装置は、前記定着用搬送体、又は、前記定着用搬送体よりも下流側の前記搬送体に保持されている前記記録媒体の画像を読み取る読取手段が設けられていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように請求項1に記載の画像形成装置によれば、定着用搬送体に定着部材が圧接する圧接状態が変動し定着用搬送体に衝撃が加わっても、画像形成用搬送体又は定着用搬送体、或いは、画像形成用搬送体から定着用搬送体の間に設置された少なくとも一つの搬送体の回転速度変動が抑制されることによって、画像形成用搬送体の回転速度変動が抑制され、その結果、液滴吐出ヘッドから吐出された液滴によって画像が形成されている記録媒体の搬送速度の変動を効果的に抑制することができる、という優れた効果を有する。
【0015】
請求項2に記載の画像形成装置によれば、液滴吐出ヘッドから吐出された液滴によって画像が形成されている記録媒体の搬送速度の変動を低コストで効果的に抑制することができる、という優れた効果を有する。
【0016】
請求項3に記載の画像形成装置によれば、液滴吐出ヘッドから吐出された液滴によって画像が形成されている記録媒体の搬送速度の変動を低コストで効果的に抑制することができる、という優れた効果を有する。
【0017】
請求項4に記載の画像形成装置によれば、液滴吐出ヘッドから吐出された液滴によって画像が形成されている記録媒体の搬送速度の変動を、安定して抑制することができる、という優れた効果を有する。
【0018】
請求項5に記載の画像形成装置によれば、液滴吐出ヘッドから吐出された液滴によって画像が形成されている記録媒体の搬送速度の変動を、低コストで効果的に抑制することができる、という優れた効果を有する。
【0019】
請求項6に記載の画像形成装置によれば、回転方向に見た主走査方向のノズル間隔を容易に狭くすることができ(容易に高解像度化が可能とされ)、しかも、定着用搬送体に定着部材が圧接する圧接状態が変動し定着用搬送体に衝撃が加わっても、液滴吐出ヘッドから吐出された液滴によって画像が形成されている記録媒体の搬送速度の変動が抑制又防止されるので、ノズルから吐出された液滴の着弾精度を高精度に維持することがきる、という優れた効果を有する。
【0020】
請求項7に記載の画像形成装置によれば、定着用搬送体に定着部材が圧接する圧接状態が変動し定着用搬送体に衝撃が加わっても、定着用搬送体の回転速度変動が抑制されるので、装置全体に亘って搬送体の回転速度変動を抑制することができ、その結果、液滴吐出ヘッドから吐出された液滴によって画像が形成されている記録媒体の搬送速度の変動を、低コストで効果的に抑制することができる、という優れた効果を有する。
【0021】
請求項8の記載の画像形成装置によれば、定着用搬送体、又は定着用搬送体よりも搬送方向下流側に設置された搬送体の回転速度変動が抑制されるので、記録媒体に定着した画像を正確に読み取ることができる、という優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に、本発明の実施形態の画像形成装置について説明する。なお、図1には本発明に係る画像記録装置の概略構成が示されている。また、記録用紙Pの搬送方向を矢印Sで示し、各搬送ドラムの回転方向を矢印Kで示している。
【0023】
[画像形成装置]
まず、画像形成装置10の全体構成について説明する。図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置10には、複数の処理ユニットが、記録媒体としての記録用紙Pの搬送方向Sに沿って並んで配置されている。また、各処理ユニットには、搬送体としての円筒状の搬送ドラムがそれぞれ二つずつ備えられている。本実施形態において、各搬送ドラムは全て同じ大きさ(直径や長さ)とされている。そして、この搬送ドラムの外周面に記録用紙Pを保持すると共に、順次下流側の搬送ドラムに記録用紙Pを受け渡して搬送していく(図3参照、詳細については後述する)。
【0024】
具体的には、搬送方向上流側から順番に、記録用紙Pを積載し収容すると共に収容された記録用紙Pを給紙する給紙ユニット20、記録用紙Pの記録面PA(図3参照)に処理液を塗布し前処理を行なう前処理ユニット30、前処理された(処理液が塗布された)記録用紙Pの記録面PAにインクジェット装置44から各色のインク滴TY,TM,TC,TK(図3参照)を吐出して画像を形成する画像形成ユニット40、記録用紙Pの記録面PAに形成された画像を乾燥させる乾燥ユニット50、乾燥した画像を記録用紙Pに定着させると共に定着した画像を検査する定着検査ユニット60、画像が定着した記録用紙Pが排出されると共に排出された記録用紙Pを積載して収容する排出ユニット70、が設けられている。
【0025】
つぎに、各処理ユニットについて詳しく説明する。
【0026】
[給紙ユニット]
給紙ユニット20には、記録用紙Pが積載されて収容されている収容部22が設けられている。そして、収容部22に収容されている記録用紙Pを一枚ずつ前処理ユニット30に給紙する。
【0027】
また、給紙ユニット20には、画像形成装置10全体を制御する制御部24が設けられている。制御部24は、例えば、CPU、RAM、ROM等を含んで構成される制御回路(図示略)を有している。ROMには、各種プログラムや各種情報(各種データ)等が予め記憶されている。
【0028】
更に、給紙ユニット20には、駆動手段としての駆動モータ26が設けられている。この駆動モータ26が各処理ユニットの搬送ドラムを回転駆動させる(詳細は後述する)。
【0029】
[前処理ユニット]
前理液ユニット30では、受渡用搬送ドラム130と前処理用搬送ドラム132とが回転可能に設けられている。前処理用搬送ドラム132の上方には、前処理用搬送ドラム132の回転軸方向を長手方向として配置された処理液塗布装置32が設けられている。そして、この処理液塗布装置32によって、記録用紙Pの記録面PAに処理液が塗布される(処理液についての説明は後述する)。
【0030】
[画像ユニット]
画像形成ユニット40には、受渡用搬送ドラム140と画像形成用搬送ドラム142とが回転可能に設けられている。
【0031】
画像形成用搬送ドラム142の上方には、インクジェット装置44が設けられている。インクジェット装置44では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色に対応したインクジェット記録ヘッド42Y,42M,42C,42Kを備えている。
【0032】
なお、以降、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を区別する場合は、符号の後にY,M,C,Kを付し、特に区別する必要がない場合は、符号の後のY,M,C,Kを省略する。
【0033】
インクジェット記録ヘッド42のノズル面42A(図6参照)は、画像形成が想定される記録用紙Pの最大幅(主走査方向の幅)と同程度か、又はそれ以上の画像形成可能領域(インク滴の吐出領域)を有している。
【0034】
各インクジェット記録ヘッド42Y,42M,42C,42Kは、画像形成用搬送ドラム142の回転軸方向(主走査方向)を長手方向として配置され、且つ周方向に沿って並んで配列されている。
【0035】
インクジェット記録ヘッド42のノズル面42A(図6参照)は、画像形成用搬送ドラム142の外周面142Aに近接して対向配置されている。このノズル面42Aには、複数のノズル46(図6参照)が形成されており、このノズル46からサーマル方式や圧電方式等の公知の手段によって、インク滴T(図3参照)が吐出される。そして、インク滴Tが記録用紙Pの記録面PAに着弾することで、カラー画像が形成される。
【0036】
なお、記録用紙Pの搬送方向と直交する方向、すなわち画像形成用搬送ドラム142の回転軸方向が主走査方向Wとされ、搬送方向Sが副走査方向とされている。
【0037】
図6には、インクジェット記録ヘッド42のノズル面42Aが示されている。図6に示されるように、ノズル46は、二次元的に平面配列されている(マトリックス配列されている)。より具体的に説明すると、主走査方向W(画像形成用搬送ドラム142の回転軸方向)にノズル46が配列されたノズル列が、主走査方向Wにずれて副走査方向S(画像形成用搬送ドラム142の回転方向、記録用紙Pの搬送方向)に並んだ構成とされている。そして、副走査方向Sに見ると、ノズル46が等間隔で主走査方向Wに並ぶように配置されている。
【0038】
そして、このような二次元的にマトリックス配置することで、主走査方向Wのノズル46の間隔を実質的に狭くすることができる。
【0039】
なお、前述した制御部24(図1参照)によって、画像信号に応じて吐出タイミングと、使用するノズル44と、が決定され、インク滴TY,TM,TC,TK(図3参照)が吐出される。また、画像形成用搬送ドラム142の回転速度を検出するエンコーダ(図示省略)に同期させて、インク滴TY,TM,TC,TKの吐出を行なうことで、高精度に着弾位置を決定することができる。
【0040】
図1に示すインクジェット装置44には、インクジェット記録ヘッド42のノズル面42Aの清掃や増粘インク排出などの各種メンテナンスを行なうメンテナンス装置(図示略)が設けられている。そして、各インクジェット記録ヘッド42Y,42M,42C,42Kは、移動可能とされており、インクジェット記録ヘッド42のノズル面42Aを、画像形成用搬送ドラム142の外周面42Aに近接した状態から退避した状態で、前述したメンテナンス装置によるメンテナンスが実施される。
【0041】
また、インクジェット装置44には、各インクジェット記録ヘッド42Y,42M,42C,42Kに各色インクを補給するインクタンク(図示略)が設けられている。
【0042】
ここで、前述した前処理ユニット30にて、記録用紙Pの記録面PAに塗布された処理液は、インク中に分散している色材(顔料)が反応して凝集し、色材(顔料)と溶媒を分離促進する効果を有している。よって、インク滴T(図3)が着弾すると、記録用紙Pの記録面PA上での色材流れ等が発生しないように凝集体が形成される。
【0043】
[インク乾燥ユニット]
乾燥ユニット50には、受渡用搬送ドラム150とインク乾燥用搬送ドラム152とが回転可能に設けられている。インク乾燥用搬送ドラム152の上方には、外周面452Aに近接して配置された、熱風ノズル52及びIRヒーター54が設けられている。この熱風ノズル52及びIRヒーター54によって、記録用紙Pの記録面PAの処理液によよ色材凝集作用によって分離されたインク中の溶媒が乾燥され、薄膜の画像層が形成される。
【0044】
[画像定着検査ユニット]
画像定着検査ユニット60には、受渡用搬送ドラム160と定着検査用搬送ドラム162と回転可能に設けられている。また、画像定着検査ユニット60には、定着検査用搬送ドラム162の外周面162Aに圧接する定着ロール62が設けられている。
【0045】
図4には、画像定着検査ユニット60の要部が模式的に示されている。図4に示されるように、定着ロール62は、回転軸64を軸心に定着検査用搬送ドラム162の回転に伴い従動回転する。
【0046】
定着ロール62は表面に弾性層63が形成された構成とされている。また、定着ロール62の回転軸64は、軸受65を介して押圧手段としてのコイルバネ66によって、定着検査用搬送ドラム162の法線方向に押圧されている。つまり、定着ロール62は、定着検査用搬送ドラム162の外周面162Aに圧接さている。そして、この定着ロールと62の間(ニップ部)に、記録用紙Pが挟まれて搬送されることで、画像が記録用紙Pに固着されて定着する。
【0047】
また、図1と図4とに示すように、定着ロール62の搬送方向(回転方向)の下流側には、回転軸方向を長手方向として配置された読取手段としての画像読取センサ68(本実施形態ではインラインセンサを使用)が設けられている。そして、この画像読取センサ68の下方側を記録用紙Pが搬送され通過する際に、定着された画像が読み取られる。読み取たれた読取情報は制御部24(図1参照)に送られて解析され、何らかの異常がないか等が検査される。なお、もし画像に何らかの異常があった場合は、制御部24は、例えば、制御パネル(図示略)などに警告を発する。
【0048】
更に、定着検査用搬送ドラム162には、電磁式のパウダーブレーキ200が設けられている。よって、定着検査用搬送ドラム162は、この電磁式のパウダーブレーキ200によって、所定の負荷(回転抵抗)が付与されている。電磁式のパウダーブレーキ200は、空隙内に封入された磁性粉体(パウダ)をトルク伝達の媒体とする電磁式のブレーキ(制動機)とされている。なお、定着検査用搬送ドラム162は、電磁式のパウダーブレーキ200によって、所定の負荷(回転抵抗)が付与されているが、所定の回転数で回転するように構成されている。
【0049】
[排出ユニット]
図1に示すように、画像が定着した記録用紙Pは、排出ユニット70へと排出されて積層され、収容される。
【0050】
[駆動系]
つぎに、画像形成装置10の駆動系について説明する。なお、各搬送ドラムでいずれも同じであるので、搬送ドラム130、132、140を代表して図示し説明する
【0051】
図2は、画像形成装置10の駆動系を説明するための説明図である。図2に示すように、搬送ドラム130、132、140の回転軸方向端部には、駆動力伝達手段としての歯車131、133、141が設けられている。そして、これらの歯車131、133、141が互いに噛み合わされ、回転駆動力が伝達される。
【0052】
受渡用搬送ドラム130の外側にはプーリ134が設けられている。このプーリ134と、駆動モータ26の回転軸に設けられたプーリ136と、にベルト138が巻き掛けられている。そして、駆動モータ26の回転軸が回転すると、回転駆動力がプーリ136、134、ベルト138を介して伝達され、受渡用搬送ドラム130が回転する。
【0053】
受渡用搬送ドラム130が回転すると、前述した駆動力伝達手段である歯車131、133、141によって回転駆動力が伝達され、前処理用搬送ドラム132及び受渡用搬送ドラム140が回転する。なお、受渡用搬送ドラム140よりも搬送方向下流側に設置されている搬送ドラム142〜162も同様に回転軸方向端部に歯車を有し同様に回転駆動力が伝達されて回転する。各搬送ドラムの歯車は、いずれも同じ大きさ及び同じ歯数とされているので、各搬送ドラムは同じ回転速度で回転する。また、前述したように、定着検査用搬送ドラム162には、電磁式のパウダーブレーキ200によって、所定の負荷(回転抵抗)が付与されているが、駆動モータ26によって与えられる回転駆動力は、これよりも大きいので、各搬送ドラムは所定の回転数で回転する。
【0054】
なお、図2以外の図では、煩雑になるのを避けるため(見難くなるのを避けるため)、歯車の図示を省略している。
【0055】
[記録用紙の搬送系(記録用紙の保持及び受け渡し)]
つぎに、記録用紙Pの搬送、すなわち、各搬送ドラムの外周面が記録用紙Pの保持する機構及び下流側の搬送ドラムへの記録用紙Pの受け渡しについて説明する。なお、各搬送ドラムでいずれも同じであるので、代表して搬送ドラム140、142、150を図示し説明する。
【0056】
図3は、記録用紙Pの搬送系、すなわち、記録用紙Pの保持及び受け渡しを説明するための説明図である。図3に示すように、搬送ドラム140、142、150の外周面140A、142A,150Aには、回転軸方向を溝方向とする凹溝140D,140F、凹溝142D,142F、凹溝150D,150Fが形成されている。凹溝140Dと凹溝140Fは回転軸(円中心)を挟んで反対側(対向する位置)に形成されている。同様に、凹溝142Dと凹溝142F、凹溝150Dと凹溝150Fも回転軸を挟んで反対側(対向する位置)に形成されている。
【0057】
凹溝140D,140F、凹溝142D,142F、凹溝150D,150Fの中には、回転軸方向と平行に配置された回転軸252が設けられている。この回転軸252には、その軸方向に所定間隔を隔てて(例えば等間隔に)複数のグリッパー250が固定されている。グリッパー250は、その先端部が搬送ドラム140、142、150の外周面140A、142A,150Aから若干突出する。
【0058】
そして、回転軸252が図示しないアクチュエーターによって正逆両方向に回転することにより、グリッパー250が搬送ドラム140、142、150の略周方向に沿って正逆両方向に回転し、記録用紙Pの搬送方向下流側端部を挟んで保持したり、離したりすることができるようになっている。
【0059】
また、図のように、受渡用搬送ドラム140の外周面140Aと搬送ドラム142の外周面142Aとが対向する受渡位置において、受渡用搬送ドラム140のグリッパー250から画像形成用搬送ドラム142のグリッパー250へと記録用紙Pを受け渡すことができるようになっている。同様に、画像形成用搬送ドラム142の外周面142Aと受渡用搬送ドラム150の外周面150Aとが対向する受渡位置において、画像形成用搬送ドラム142のグリッパー250から受渡用搬送ドラム150のグリッパー250へ記録用紙Pを受け渡すことができるようになっている。
【0060】
なお、凹溝やグリッパーは、図3及び、後述する図4、図5以外の図では、煩雑になるのを避けるため(見難くなるのを避けるため)、図示を省略している。
【0061】
[ジャンプ台(圧接力変動部)]
図4は、定着検査用ユニット60の要部を模式的に示す側面図である。また、図5には、図4の要部を拡大した拡大図が示されている。
【0062】
図4に示すように、定着検査用搬送ドラム162の外周面162Aにも、回転軸方向を溝方向とする凹溝162D,162Fが形成され、凹溝162D,162Fには、グリッパー250が固定された回転軸252が設けられている。
【0063】
本実施形態のように、定着ロール62を定着検査用搬送ドラム162の外周面162Aに圧接して画像を定着させる構成の場合、外周面162Aに定着ロール62を常時圧接させておくと定着ロール62は、外周面162Aに設けられた凹溝162D,162F及びグリッパー250と干渉してしまう。よって、本実施形態では干渉を防止するために、凹溝162D,162Fの搬送方向上流側から搬送方向下流側にかけて、定着ロール62を法線方向に移動させて外周面162Aから離して干渉を回避させるジャンプ台280が設けられている。
【0064】
ジャンプ台280は山形状の凸部品とされ、定着検査用搬送ドラム162の外周面162Aの回転軸方向外側端部に接合されている。ジャンプ台280の搬送方向上流側の端部280Aは、凹溝162D,162F及びグリッパー250よりも上流側に位置し、ジャンプ台280の搬送方向下流側の端部280Bは、凹溝162D,162Fよりも下流側に位置している。
【0065】
そして、図5に示すように、定着ロール62は、外周面162Aでなくジャンプ台280の外周面280Cに沿って移動する。つまり、定着ロール62は、凹溝162D,162F及びグリッパー250よりも搬送方向上流側から法線方向外側へ移動して外周面162Aから離れたのち、凹溝162D,162よりも搬送方向下流側で外周面162Aに再び着地し圧接する。
【0066】
ここで、このように定着ロール62がジャンプ台280の外周面280Cに沿った移動、すなわち、定着ロール62の法線方向の移動に伴い、定着ロール62の圧接状態が急激に変化する。そして、この圧接状態の急激な変化によって、定着検査用搬送ドラム162に衝撃に加わる(衝撃が発生する)。特に、定着ロール62が、ジャンプ台280の端部280Bから乗り上げた瞬間と、ジャンプ台280の端部280Cから外周面162Aに着地した瞬間と、における衝撃が大きい。なお、本実施形態では、ジャンプ台280が圧接力変動部に相当する。
【0067】
[慣らし運転]
つぎに電磁式のパウダーブレーキ200の慣らし運転について説明する。
長期間(長時間)停止していた場合、パウダーブレーキ200は、内部の磁性粉体(パウダー)が重力によって沈降し偏りが生じる場合がある。このように磁性粉体(パウダー)に偏りが生じると、ブレーキ性能(回転抵抗の付加)が安定しない。よって、本実施形態の画像形成装置10では、長期間停止していた場合に、ブレーキ性能を安定させるため、所定時間、パウダーブレーキ200、すなわち搬送ドラム162を回転させて、磁性粉体(パウダー)の偏りを解消させる慣らし運転をしてから、画像形成を行なっている。
【0068】
よってつぎに、画像形成装置10(図1参照)に電源を入れて立ち上げる際、すなわち装置始動時の動作について、図7に示すフローチャートを用いて説明する。
【0069】
図7に示すように、ステップ300で画像形成装置10(図1参照)に電源を入れると装置始動時の動作が開始する。ステップ302で制御部24(図1参照)に記憶された装置の稼動記録を読み出す。ステップ304で稼動記録から停止期間(停止時間)T1を算出する。ステップ306で、停止期間T1が予め設定され記憶されている閾値期間(閾値時間)T2よりも長いかを判断する。すなわち、画像形成装置10(図1参照)が、長期休止していたか否かを判断する。
【0070】
停止期間T1が閾値期間T2よりも短い場合、すなわち、長期休止されていない場合、ステップ308に進み通常の始動運転を行なったのち、ステップ310に進み画像形成を開始し、画像形成が終了するとステップ312に進み終了する。
【0071】
停止期間T1が閾値期間T2よりも長い場合、すなわち、長期休止されている場合、ステップ314に進み予め記憶されている所定時間、慣らし運転を行なったのち、ステップ308に進む。
【0072】
なお、上記は、長期休暇中(夏休みや年末年始)等の間、電源がオフされていた場合を想定したものとなっている。しかし、電源をオンしたままであっても長期に亘って装置が休止することがあるような場合、同様に画像形成前に慣らし運転を行なうように制御してもよい。
【0073】
また、閾値期間T2及び慣らし運転の時間は、使用するパウダーブレーキや搬送ドラム162の回転速度などによって、変わってくる。よって、閾値期間T2及び慣らし運転の時間は、事前に実験を行って決定する。
【0074】
[作用及び効果]
つぎに、本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0075】
図5に示すように、定着ロール62がジャンプ台280の外周面280Cに沿った移動、すなわち、定着ロール62の法線方向の移動に伴い、定着ロール62の圧接状態が急激に変化する。そして、この圧接状態の急激な変化によって、定着検査用搬送ドラム162に衝撃が加わる。特に、定着ロール62が、ジャンプ台280の端部280Bから乗り上げた瞬間と、ジャンプ台280の端部280Aから外周面162Aに着地した瞬間と、における衝撃が大きい。
【0076】
ここで、本発明が適用されていない構成の場合、定着検査用搬送ドラム162に加わる衝撃によって、定着検査用搬送ドラム162に回転速度変動が発生する。なお、衝撃による回転速度変動は、ごく短時間に起こる急激な回転速度変動とされる。この急激な回転速度変動(衝撃)は、画像形成用搬送ドラム142にも伝達され、画像形成用搬送ドラム142に回転速度変動が発生する。これにより、画像形成用搬送ドラム142の外周面142Aに保持されている記録用紙Pの搬送速度が変動し、インク滴Tの着弾位置に位置ズレが生じる。
【0077】
特に、本実施形態のように、図6に示すように、ノズル44が二次元的に配列されている場合、記録用紙Pの搬送速度の変動、すなわち副走査方向の速度変動が、主走査方向Wにも影響を与えるので、着弾位置の位置ズレによる画像品質への影響が大きい。
【0078】
より詳しく説明すると、図11(A)に模式的に簡略して図示しているように、主走査方向Wにズレて配置された列Vと列Zのノズル46から、吐出タイミングをずらしてインク滴TV,TZを吐出することで、記録用紙Pの記録面PA上には、図11(B)に示すように、同一直線上に着弾するように制御している。
【0079】
しかし、副走査方向Sの搬送速度に変動が生じると(記録用紙Pの搬送速度に変動が生じると)、主走査方向Wに、図11(C)に示すように、同一直線に着弾しない。言い換えると、記録用紙Pの搬送速度に変動に起因するインク滴Tの着弾位置の位置ズレによる、画像品質への影響が大きい。
【0080】
しかし、本実施形態では、前述したように、定着検査用搬送ドラム162には、パウダーブレーキ200によって負荷が加わっているので、定着ロール62の圧接状態の変動に起因する衝撃が定着検査用搬送ドラム162に加わっても、搬送ドラム162の回転速度変動が抑制される。よって、画像形成用搬送ドラム142に伝達される回転速度変動(衝撃)も抑制される。すなわち、記録用紙Pの搬送速度の変動が抑制される。その結果、インク滴Tの着弾位置の位置ズレが抑制される。
【0081】
特に、本実施形態のように、ノズル44が二次元的に配列されている場合(記録用紙Pの搬送速度の変動の影響が大きい場合)であっても、効果的に着弾位置の位置ズレを抑制することができるので、すなわち、着弾精度を高精度に維持することができるので、好適である。
【0082】
なお、上述したように、本実施形態では、画像形成用搬送ドラム142の回転速度を検出するエンコーダ(図示省略)に同期させてインク滴TY,TM,TC,Tの吐出を行なっているが、このような衝撃(インパルス)、つまりごく短時間に起こる急激な回転速度変動には、十分に追従しない、或いは、十分に追従しない場合があるので、本発明の適用が有効とされる。
【0083】
また、定着検査用搬送ドラム162の回転速度変動が抑制されるので、画像読取センサ68によって読み取られる定着された画像の読取ノイズが抑制される。
【0084】
このように、定着検査用搬送ドラム162にパウダーブレーキ200を設けるだけで(定着用搬送ドラム162のみに一つだけパウダーブレーキ200を設けるだけで)、言い換えると定着検査用搬送ドラム162の回転速度変動のみを抑制することで、インクジェット記録ヘッド42から吐出されたインク滴Tによって画像が形成されている記録用紙Pの搬送速度の変動と、画像読取センサ68によって読み取られる定着された画像の読取ノイズと、の両方を抑制することができる。
【0085】
言い換えると、インクジェット記録ヘッド42から吐出されたインク滴Tによって画像が形成されている記録用紙Pの搬送速度の変動と、画像読取センサ68によって読み取られる定着された画像の読取ノイズと、の両方が低コスト且つ効果的に抑制される。
【0086】
[第一変形例]
つぎに、本発明の実施形態の第一変形例の画像形成装置について説明する。
【0087】
図8に示すように、定着検査用搬送ドラム162の歯車163には、ブレーキ用歯車230が噛み合わされており、このブレーキ用歯車にパウダーブレーキ201が設けられている。
【0088】
ブレーキ用歯車230は、搬送ドラム162の歯車163よりも小径で歯数が少ない。よって、ギア比により搬送ドラム162(歯車163)に伝達するパウダーブレーキ201の負荷(ブレーキトルク)を大きくすることができる。
【0089】
これにより、設計の自由度が増し、また、例えば、パウダーブレーキ201を、ブレーキトルクが小さく低価格なものを使用しても、パウダーブレーキ200(図1)と同様の負荷を搬送ドラム162に与えることができる。よって、より低コストで、画像形成用搬送ドラム142の回転速度変動を抑制することができる。
【0090】
[第二変形例]
つぎに、本発明の実施形態の第二変形例の画像形成装置について説明する。
【0091】
図9に示すように、定着検査用搬送ドラム162の回転軸165には、円盤状のはずみ車(フライホイール)500が設けられている。よって、搬送ドラム162のイナーシャ(慣性)が増加されている。
【0092】
これにより、定着ロール62の圧接状態の急激な変動に起因する衝撃が定着検査用搬送ドラム162に加わっても、定着検査用搬送ドラム162の回転速度変動が抑制される。よって、画像形成用搬送ドラム142にも伝達される回転速度変動(衝撃)も抑制され、画像形成用搬送ドラム142の回転速度変動が抑制され、記録用紙Pの搬送速度の変動が抑制される。その結果、インク滴Tの着弾位置の位置ズレが抑制される。
【0093】
また、定着検査用搬送ドラム162の回転速度変動が抑制されるので、画像読取センサ68によって読み取られる定着された画像の読取ノイズが抑制される。
【0094】
また、図示は省略するが、パウダーブレーキ以外の制動機(ブレーキ)であってもよい。例えば、ドラムブレーキやディスクブレーキであってもよい。
【0095】
[その他]
なお、本発明は上記実施形態に限定されない。
【0096】
例えば上記実施形態では、定着ロール62が定着検査用搬送ドラム162に圧接する圧接状態が急激に変動する圧接力変動部は、ジャンプ台280であったがこれに限定されない。例えば、ジャンプ台280を設けない構成の場合は、定着ロール62がグリッパーや凹溝を通過する際に(乗り越える際に)、定着ロール62の圧接状態が急激に変動するので、グリッパーや凹溝が圧接力変動部となる。更に、圧接力変動部はジャンプ台、グリッパー、凹溝以外の部位や構造であってもよい。例えば、何らかの目的で搬送ドラム(搬送体)の外周面に凸部又は凹部が形成されていれば、凸部又は凹部が圧接力変動部となる。要は定着部材(定着ロール)が定着用搬送ドラム(搬送体)に圧接する圧接状態が急激に変動する部位や構造等が圧接力変動部とされる。
【0097】
また、例えば、上記実施形態の画像形成装置10では、定着検査用搬送ドラム162に保持されている記録用紙Pの画像を画像読取センサ68で読み取っていた。つまり、定着検査ユニット60(定着検査用搬送ドラム162)が、画像の定着と、定着された画像の読取り検査と、の両方を行なっていたが、これに限定されない。
【0098】
例えば、図10に示すように、乾燥ユニット50の搬送方向下流側に配置された処理ユニットは、定着のみを行なう画像定着ユニット61とされると共に、この画像定着ユニット61と排出ユニット70との間に読取り検査を行なう画像検査ユニット80を備える構成の画像形成装置11であってもよい。
【0099】
そして、このような構成であっても、定着用搬送ドラム163にパウダーブレーキ200等を設けることで、画像形成用搬送ドラム142の回転速度変動が抑制されると共に、検査用搬送ドラム182の回転速度変動も抑制される。
【0100】
また、読取り手段としての画像読取センサ68は、上記実施形態ではインラインセンサとしたが、これに限定されない。インラインセンサ以外の読取手段で読み取る構成であってもよい。
【0101】
なお、回転速度変動抑制手段としてのパウダーブレーキ200、201及びはずみ車500は、定着検査用搬送ドラム162の回転速度変動を抑制するように設けられていたが、これに限定されない。画像形成用搬送ドラム142から定着検査用搬送ドラム162までのいずれか一つの搬送ドラム(画像形成用搬送ドラム142又は定着検査用搬送ドラム162、或いは、画像形成用搬送ドラム142から定着用搬送ドラム162の間に設置された少なくとも一つの搬送ドラム)の回転速度変動を抑制するように設ければよい。
【0102】
例えば、受渡用搬送ドラム160の回転速度変動を抑制するように設けてもよいし、画像形成用搬送ドラム142の回転速度変動を抑制するように設けてもよい。或いは、定着検査用搬送ドラム162と乾燥用搬送ドラム152との二つの回転速度変動を抑制するように設けてもよい。しかし、定着検査用搬送ドラム162の回転速度変動を抑制するように設けていない場合は、画像読取センサ68による読取ノイズの抑制の効果は有しない。
【0103】
また、例えば、上記実施形態では、搬送方向の最上流側に配置された受渡用搬送ドラム130を駆動モータ26(駆動手段)で回転駆動させていたがこれに限定されない。どの搬送ドラムを回転駆動させてもよい。
【0104】
また、上記実施形態では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色に対応した四つのインクジェット記録ヘッド42Y,42M,42C,42Kを備えていたが、これに限定されない。例えば、五つ以上のインクジェット記録ヘッドを備えていてもよい(例えば、ライトイエローやライトマゼンタなどに対応するインクジェット記録ヘッドを備えていてもよい)。或いは、3つ以下、例えば、一つのインクジェット記録ヘッドのみを備えていてもよい(モノクロ)。
【0105】
なお、本発明の画像形成装置において画像記録の対象となる「記録媒体」には、液滴吐出ヘッドが液滴を吐出する対象物であれば広く含まれる。言い換えると、液滴が記録媒体上に付着されることで得られる記録媒体上のドットのパターンが、本発明の記録装置で得られる「画像」或いは「記録画像」に広く含まれる。したがって、本発明の記録装置は、記録用紙上への文字や画像の記録に用いられるものに限定されない。また、記録媒体には、記録用紙以外の記録媒体、例えば、OHPシートなどが含まれるのはもちろんであるが、更にこれら以外にも、例えば、配線パターン等が形成される基板などが含まれる。また、「画像」には、一般的な画像(文字、絵、写真など)のみならず、上記したような配線パターンや有機薄膜などが含まれる。吐出する液体もインクに限定されるわけではない。例えば、高分子フィルムやガラス上に着色インクを吐出して行うディスプレイ用のカラーフィルターの作製、溶融状態のハンダを基板上に吐出して行う部品実装用のバンプの形成、有機EL溶液を基板上に吐出させて行うELディスプレイパネルの形成、溶融状態のハンダを基板上に吐出して行う電気実装用のバンプの形成など、様々な工業的用途を対象とした液滴噴射装置一般に対して、本発明を適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明に係る画像記録装置の構成を模式的に示す概略構成図である。
【図2】本発明に係る画像記録装置の駆動系の構成を説明する説明図である。
【図3】本発明に係る画像記録装置における記録用紙の搬送系を説明する説明図である。
【図4】定着検査用ユニットの要部を模式的に示す側面図である。
【図5】図4の要部を拡大した拡大図である。
【図6】インクジェット記録ヘッドのノズルの配置を説明する説明図である。
【図7】始動時に行なう慣らし運転を説明するフローチャートである。
【図8】第一変形例の要部を模式的に示す説明図である。
【図9】第二変形例の要部を模式的に示す説明図である。
【図10】他の構成の画像記録装置の構成を模式的に示す概略構成図である。
【図11】(A)は主走査方向にずれて配置された二列のノズル列を模式的に示す模式図であり、(B)はインク滴が同一直線に着弾した場合を説明する説明図であり、(C)は副走査方向の搬送速度の変動によってインク滴が同一直線に着弾しない場合を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0107】
10 画像形成装置
42Y インクジェット記録ヘッド(液滴吐出ヘッド)
42M インクジェット記録ヘッド(液滴吐出ヘッド)
42C インクジェット記録ヘッド(液滴吐出ヘッド)
42K インクジェット記録ヘッド(液滴吐出ヘッド)
62 定着ロール(定着部材)
68 インラインセンサ(読取手段)
130 受渡用搬送ドラム(搬送体)
132 前処理用搬送ドラム(搬送体)
140 受渡用搬送ドラム(搬送体)
142 画像形成用搬送ドラム(画像形成用搬送体)
150 受渡用搬送ドラム(搬送体)
152 乾燥用搬送ドラム(搬送体)
160 受渡用搬送ドラム(搬送体)
162 定着検査用搬送ドラム(定着用搬送体)
163 定着用搬送ドラム(定着用搬送体)
180 受渡用搬送ドラム(搬送体)
182 検査用搬送ドラム(搬送体)
200 パウダーブレーキ(回転速度変動抑制手段、制動機、磁性粉体制動装置)
201 パウダーブレーキ(回転速度変動抑制手段、制動機、磁性粉体制動装置)
230 ブレーキ用歯車(回転速度変動抑制手段)
280 ジャンプ台(圧接力変動部)
500 はずみ車
P 記録用紙(記録媒体)
S 搬送方向
TY インク滴(液滴)
TM インク滴(液滴)
TC インク滴(液滴)
TM インク滴(液滴)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体の搬送方向に並んで設置され、互いに回転駆動力が伝達されることで回転し、外周面に前記記録媒体を保持すると共に搬送方向下流側に受け渡して搬送する複数の搬送体と、
前記搬送体の一つを構成し、前記外周面に保持されている前記記録媒体に、一つ又は複数の液滴吐出ヘッドから吐出される液滴によって画像が形成される画像形成用搬送体と、
前記画像形成用搬送体よりも搬送方向下流側に設置された前記搬送体の一つを構成し、前記外周面に圧接され且つ回転する定着部材との間に前記記録媒体が挟まれて搬送されることで、前記記録媒体に画像が定着される定着用搬送体と、
前記定着用搬送体に設けられ、前記定着部材が前記定着用搬送体に圧接する圧接状態が変動する圧接力変動部と、
前記画像形成用搬送体又は前記定着用搬送体、或いは、前記画像形成用搬送体から前記定着用搬送体の間に設置された少なくとも一つの前記搬送体の回転速度変動を抑制する回転速度変動抑制手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記回転速度変動抑制手段が、制動機であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制動機が、磁性粉体制動装置であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記定着用搬送体が一定時間以上、回転が停止されている場合は、前記定着用搬送体が所定時間以上、回転したのち、前記記録媒体に画像形成を行なうことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記回転速度変動抑制手段が、はずみ車であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記液滴吐出ヘッドは、前記画像形成用搬送体の回転軸方向である主走査方向を長手方向として設けられると共に、前記画像形成用搬送体の前記外周面に対向して配置されたノズル面に、前記液滴を吐出する複数のノズルが、二次元的に配置されたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記回転速度変動抑制手段は、前記定着用搬送体の回転速度変動を抑制することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記定着用搬送体、又は、前記定着用搬送体よりも搬送方向下流側に設置された前記搬送体に保持されている前記記録媒体の画像を読み取る読取手段が設けられていることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2009−274776(P2009−274776A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−124974(P2008−124974)
【出願日】平成20年5月12日(2008.5.12)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】