説明

画像形成装置

【課題】 安価で簡単な構成、操作で感光体ドラム等の像担持体を傷付けることなく交換部材を抜挿可能な画像形成装置を提供すること。
【解決手段】 像担持体と、帯電手段、現像手段、及びクリーニング手段のうちの少なくともいずれか一つと、のいずれかが画像形成装置本体から抜挿可能になっており、像担持体(1)の軸方向両端には、画像形成装置本体に像担持体を回転可能に取り付けるためのフランジ12,13が設けられ、帯電手段、現像手段、及びクリーニング手段のうちの少なくともいずれか一つには、抜挿に際して、フランジの外周と接触するフランジ接触部41が像担持体の軸方向に対し平行に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子写真方式を用いた感光体や中間転写体等の像担持体を持つ画像形成装置に関し、特に画像形成装置本体から抜挿可能な像担持体を傷付けないようにした技術に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置において、画像形成部が、感光体ドラムの周囲に配設された、帯電デバイス、LEDヘッド、現像デバイス、転写ローラ、及びクリーニングデバイスと、感光体ドラムの下流側の搬送路に配設された定着デバイスとから構成され、これらのうち、感光体ドラム、帯電デバイス、現像デバイス、及びクリーニングデバイスがプロセスユニットとしてカートリッジに収容され一体化されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この構成の場合には、感光体ドラムに対し、例えばクリーニングデバイスとしてブレードのような感光体ドラムに接触する部材も感光体ドラムと合せて抜挿されることとなるため、感光体ドラムを傷付けることはない。
【0003】
また、プロセスユニットとしてカートリッジに収容されていない場合においては、例えば感光体ドラムに接触する転写ローラを支持する転写ガイドを、転写ローラと感光体ドラムとが接離する方向へ傾動可能に設けるとともに、ばね等の弾性部材により転写ローラを感光体ドラムに圧接する方向へ付勢し、転写ガイドを装置前面側からばね等の弾性部材の付勢力に反して傾動させる操作部材を設けることが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
ところで、ここ最近の画像形成装置では、大量印刷、低コスト化への要求が高まってきており、大量印刷に対しては、処理速度向上のため、プロセス速度アップ、停止時間の削減、停止頻度の削減のため、消耗品交換の容易化、消耗品の長寿命化を図り、また低コスト化に対しては、装置コスト低減のため、部品点数削減、構成簡略化を図り、またランニングコストに対しては、消耗品の長寿命化等を図るようになってきている。
【0005】
従来の画像形成装置の場合、プロセスユニット内に感光体ドラムに接触する部材が感光体ドラムとともに収納されており、感光体ドラムを含め、交換部材の抜挿時に感光体ドラムを傷付けることはないが、例えばブレードや感光体ドラム等が同時期に寿命とならずに、寿命が短いどちらか一方に合せて一体で交換が必要となる。
【0006】
この場合、どちらか一方の寿命到達前の部材も合せて交換されることとなり、寿命向上が達成できず、また画像形成装置の停止頻度も増え、更にはページコストも増加する原因となってしまう。
【0007】
また、同時期に寿命とならず、ある寿命となった部材のみ交換する場合でも、プロセスユニットを一旦画像形成装置から取り出し、寿命となった部材のみ交換する作業が必要で無駄な作業が生じ、停止時間の増加になってしまう。その上、高速化を図った場合はプロセスユニットも大型化することが考えられ、一体で交換する作業は非常に困難となる上、交換時間がかかり、画像形成装置の停止時間の増加につながってしまう。
【0008】
また、操作部材を設け、感光体ドラムに接触する部材を離間させて抜挿する場合には、同様に感光体ドラムを傷付けることはないが、抜挿前に必要な操作が増えることで、操作の手間が増え、画像形成装置の停止時間増加の原因となる。その上、操作部材を設置することで部品点数が増加し、また本操作をするための機構が必要となり装置コスト増加の原因となってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこでこの発明は、前記従来の装置がもつ問題点を解決し、安価で簡単な構成、操作で感光体ドラム等の像担持体を傷付けることなく交換部材を抜挿可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、像担持体と、前記像担持体上を均一に帯電する帯電手段と、前記帯電手段を通過後に前記像担持体を露光し静電潜像を形成し、前記静電潜像に従い、所望の画像を前記像担持体上に現像する現像手段と、前記像担持体上をクリーニングするクリーニング手段とを有する画像形成装置において、前記像担持体と、前記帯電手段、現像手段、及びクリーニング手段のうちの少なくともいずれか一つと、のいずれかが画像形成装置本体から抜挿可能になっており、前記像担持体の軸方向両端には、画像形成装置本体に像担持体を回転可能に取り付けるためのフランジが設けられ、前記帯電手段、現像手段、及びクリーニング手段のうちの少なくともいずれか一つには、前記抜挿に際して、前記フランジの外周と接触するフランジ接触部が前記像担持体の軸方向に対し平行に設けられていることを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記帯電手段、現像手段、及びクリーニング手段のうちの少なくともいずれか一つは、前記像担持体を向いた側が開口したケーシングを有するプロセスカートリッジとなっており、前記ケーシングの開口端にフランジ接触部が設けられていることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2において、前記フランジは、前記像担持体に圧入又は接着等により固定され、かつその中心部には画像形成装置本体に取り付けられたシャフトに抜挿可能に支持されて画像形成装置本体に対する回転中心を位置決めるための位置決め穴が設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記フランジの外周長は、前記像担持体の外周長より長くなっていることを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項4において、前記フランジの外周長は、前記像担持体の軸方向に対し変化するようになっていることを特徴とする。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項5において、前記フランジの外周長は、外周縁部の横断面が前記像担持体の外周側縁と接する軸方向内側縁部から軸方向外方に向けて徐々に径が大きくなった第1のテーパ面及び該第1のテーパ面の頂点から軸方向外方に向けて徐々に径が小さくなって軸方向外側縁部に至る第2のテーパ面を有する略三角形状に形成されて変化が可能になっていることを特徴とする。
【0016】
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかにおいて、前記フランジ接触部は、画像形成装置の運転時、前記像担持体の軸方向に対し、前記像担持体の外周より外側で前記フランジの外周の内側に位置していることを特徴とする。請求項8に記載の発明は、請求項7において、前記フランジ接触部は、抜挿時、前記像担持体のフランジの外周と接触して、画像形成装置の運転時の位置より後退した外側に位置することを特徴とする。請求項9に記載の発明は、請求項1ないし8のいずれかに記載の画像形成装置に用いられる感光体であって、感光体ドラムと、該感光体ドラムの軸方向両端に設けられたフランジとを有し、このフランジは、外周長が前記感光体の外周長より長くなっているとともに、感光体の軸方向に対し変化するようになっていることを特徴とする。請求項10に記載の発明は、請求項1ないし8のいずれかに記載の画像形成装置に用いられる帯電手段、現像手段、及びクリーニング手段のうちの少なくともいずれか一つのプロセスカートリッジであって、像担持体を向いた側が開口したケーシングを有し、該ケーシングの開口端部にフランジ接触部が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
この発明は、前記のようであって、請求項1に記載の発明によれば、前記像担持体と、前記帯電手段、現像手段、及びクリーニング手段のうちの少なくともいずれか一つと、のいずれかが画像形成装置本体から抜挿可能になっており、前記像担持体の軸方向両端には、画像形成装置本体に像担持体を回転可能に取り付けるためのフランジが設けられ、前記帯電手段、現像手段、及びクリーニング手段のうちの少なくともいずれか一つには、前記抜挿に際して、前記フランジの外周と接触するフランジ接触部が前記像担持体の軸方向に平行に対し設けられているので、寿命到達した交換部材の交換時に交換の必要のない他部位を取り外す必要がなくなり、また抜挿前の操作、機構を省くことが可能となり、像担持体を傷付けることなく、抜挿動作が実現できる。
【0018】
請求項2に記載の発明によれば、帯電手段、現像手段、及びクリーニング手段のうちの少なくともいずれか一つがプロセスカートリッジ化されているので、その装着を容易に行うことができる。請求項3に記載の発明によれば、フランジに位置決め穴があるので、それをシャフトに挿入することにより像担持体の回転中心を位置決めることができる。請求項4〜6に記載の発明によれば、フランジの外周長が像担持体の外周長より長くなっているため、抜挿時にこの長くなっている部位を利用して帯電手段、現像手段、及びクリーニング手段のうちの少なくともいずれか一つの位置を像担持体から接離することができる。請求項7に記載の発明によれば、画像形成装置の運転時にフランジ接触部が像担持体の外周より外側でフランジの外周の内側に位置し、請求項8に記載の発明によれば、抜挿時、像担持体のフランジの外周と接触して、画像形成装置の運転時の位置より後退した外側に位置するので、いずれの時でも像担持体と、帯電手段、現像手段、及びクリーニング手段のうちの少なくともいずれか一つが接触するようなことがなく、像担持体を傷付けることがない。請求項9に記載の発明によれば、前記のような画像形成装置に好適な感光体を提供することができる。請求項10に記載の発明によれば、前記のような画像形成装置に好適な帯電手段、現像手段、及びクリーニング手段のうちの少なくともいずれか一つのプロセスカートリッジを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明の一実施の形態を示す、画像形成装置の感光体周りの概略断面図である。
【図2】同上の感光体周りの概略横断面図である。
【図3】同上の感光体の一端部側拡大図である。
【図4】同上の感光体抜挿時の概略横断面図である。
【図5】同上の各部位離間方向を示す概略断面図である。
【図6】同上の現像機抜挿時の概略横断面図である。
【図7】同上の感光体や帯電器等が組み込まれた画像形成装置全体を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら、この発明の一実施の形態に係る画像形成装置について、説明する。なお、この実施の形態では像担持体として感光体について説明するが、例えば中間転写体などトナー像を担持する部材ならば、何れの場合も適用可能である。また、この実施の形態では単色画像形成装置について説明するが、カラー画像形成装置についても適用可能である。
【0021】
図1は、この発明の一実施の形態に係る画像形成装置の感光体周りの概略断面図である。同図において1は像担持体としての感光体、2は帯電手段としての帯電器、3は露光手段としての露光装置、4は現像手段としての現像機、5は転写手段としての転写器、6はクリーニング手段としてのクリーニング装置である。
【0022】
図2に示すように感光体1は、感光ドラム11と、該ドラムの軸方向両端に設けられたフランジ12,13とから構成されている。フランジ12,13は、感光ドラム11に対し、例えば圧入または接着等により固定されており、前記画像形成装置本体に対する回転中心の位置決めは、画像形成装置本体(図示せず)に例えば図1において実印刷時に時計方向に回転可能に取り付けられているドラム保持シャフト7によりフランジ12,13が支持され、フランジ12のボス部12aにおいて、ドラム保持シャフト7に取り付けられたギヤ8等(図3参照)に嵌合することにより決定され、ドラム保持シャフト7と一緒に回転する。前記ボス部12aが嵌合するシャフト7に沿って摺動する構成により、感光体1は前記画像形成装置本体から軸方向に抜挿可能になっている。9,10はフランジ12,13に設けられた位置決め穴で、前記画像形成装置本体に対する感光体1の回転中心を位置決める。
【0023】
フランジ12,13には図2,3に示すように、軸方向にテーパが設けられており、それぞれの最大外径D12,D13は感光ドラム11の外径D11とは、D12>D11,D13>D11という関係になっており、フランジ12,13の最大外周長は感光ドラム11の外周長より長くなっている。なお、D12とD13の関係は、D12=D13である。
【0024】
フランジ12,13の外周長について詳しく説明すると、前記のように最大外周長が感光ドラム11の外周長より長くなっているフランジ12,13の外周長は、感光ドラム11の軸方向に対し変化するようになっている。すなわち、フランジ12,13の外周長は、図3のように外周縁部の横断面が感光ドラム11の外周側縁と接する軸方向内側縁部から軸方向外方に向けて徐々に径が大きくなったテーパ面15、及び該テーパ面の頂点(最大外周長)から軸方向外方に向けて徐々に径が小さくなって軸方向外側縁部に至るテーパ面17を有する略三角形状に形成されている。
【0025】
一方、帯電器2、現像機4及びクリーニング装置6は、必要な部材をそれぞれケーシング2a,4a,6aに収容し、プロセスカートリッジとして一体化した構成となっている。そして、これらのプロセスカートリッジの感光体1を向いたケーシング2a,4a,6aの開口端部には、前記画像形成装置本体に取り付けられた際に感光体1の感光ドラム11外周よりも外側で、フランジ12の外周よりも内側に位置するフランジ接触部21,22,41,42,61,62が設けられている。
【0026】
接触部21,22,41,42,61,62の感光体1との軸方向の関係を、図2を用いて説明する。図2は図1のZ方向から見た概略横断面図である。この図及び図3から明らかなように現像機4の接触部41は軸方向に設けられ、画像形成装置の運転時の配置は感光体ドラム11の軸方向に対し、感光ドラム11の外周よりも外側で、フランジ12、13の最大外周よりも内側に配置されている。この配置位置は図示しないばね等の付勢手段により保持され設定されている。
【0027】
接触部41の感光体1に対する位置関係は以上のようになっており、現像機4の他の接触部42、帯電器2の接触部21,22、クリーニング装置6の接触部61,62も感光体1に対して同様の位置関係となっている(図1参照)。また、その配置位置の設定もそれぞれ設けた付勢手段によることは、現像機4の場合と同様である。そして、前述のようにプロセスカートリッジ化された帯電器2、現像機4及びクリーニング装置6はいずれも、感光体1と同様に軸方向にそれぞれ前記画像形成装置本体から抜挿可能になっている。
【0028】
次に感光体1の抜挿動作について説明する。図1,2の状態で使用された感光体1を交換する際には、図4に点線矢印で示すようにドラム保持シャフト7の軸方向に沿って感光体1を抜き出す。この抜き出しにより、フランジ12のボス部12aがギヤ8との嵌合から外れてシャフト7上を摺動するとともに、フランジ13のボス部13aがシャフト7の端部から外れて、徐々に抜き出されていくことになるが、その際、フランジ12のテーパ面15が接触部41にその一方の角部から接触していき、テーパ面15の頂点が接触部41に接触すると図4のように現像機4は前記付勢手段の付勢に抗して実線矢印の方向に離間する。この離間した位置は画像形成装置の運転時の位置よりも後退した位置である。
【0029】
そして、接触部41上を摺動するフランジ12のテーパ面15の頂点が接触部41の他方の角部を越えると、今度はテーパ面17が接触部41と接触し、さらに該テーパ面17が接触部41と接触しなくなると、抜き出しが完了することになる。この動作は図示していないが、現像機4の接触部42、帯電器2の接触部21,22、クリーニング装置6の接触部61,62でも同様であり、帯電器2、現像機4、クリーニング装置6はそれぞれ、図5の実線矢印の方向に離間する。なお、感光体1の抜き出しが完了すると、帯電器2、現像機4及びクリーニング装置6は、前記付勢手段によって感光体1のあった跡の内側へ前進して接近し、元の位置に復帰する。
【0030】
抜き出した感光体1に代えて新感光体を再び画像形成装置本体の所定位置に装着するには、新感光体をフランジ12側から前記とは逆向きにドラム保持シャフト7の軸方向に沿って挿し込む。この挿し込みにより、フランジ12のボス部12aがシャフト7に挿入されてそれに沿って摺動し、フランジ12のテーパ面17が接触部41にその他方の角部から接触していき、テーパ面17の頂点が接触部41に接触すると、現像機4は前記付勢手段の付勢に抗して前記と同様に離間する。そして、フランジ12のテーパ面17の頂点が接触部41の一方の角部を越えると、今度はテーパ面15が接触部41と接触し、さらに該テーパ面15が接触部41と接触しなくなると、新感光体は旧感光体の跡に装着された状態となり、現像機4をはじめ、帯電器2、クリーニング装置6も前記付勢手段の付勢力を受けて元の位置に復帰する。これにより感光体1の交換のための一連の抜挿作業が終了する。
【0031】
前記のように感光体1の抜挿時には帯電器2、現像機4、クリーニング装置6が、感光体1のフランジ12,13と接触する接触部21,22,41,42,61,62によって必ず離間するので、感光体1が傷付くことはない。そのため、寿命到達した交換部材として、感光体1を交換する時にも交換の必要のない他部位(現像機4等)を取り外す必要がない。また、抜挿前の操作、機構も省ける。
【0032】
また、感光体1以外、例えば現像機4を交換するために抜挿するときは、図6に点線矢印で示すように現像機4を抜き出す。その際、現像機4の接触部41がフランジ13のテーパ面15にその他方の角部から接触し、テーパ面15に沿って摺動してその頂点に乗り上げ、この状態で徐々に抜き出されていくことになるが、前記乗り上げまでの間に現像機4は前記付勢手段の付勢に抗して図6の実線矢印の方向に離間する。そして、現像機4の接触部41がフランジ13との接触がしなくなると、抜き出しが完了することになる。この動作は現像機4の接触部42でも同様である。また、帯電器2を交換するために抜挿するとき、クリーニング装置6を交換するために抜挿するときも、それぞれ接触部21,22,61,62も感光体1に対し同様の動作をし、帯電器2、クリーニング装置6はそれぞれ、図5の実線矢印の方向に離間する。
【0033】
前記のように現像機4、帯電器2、クリーニング装置6は、いずれの場合もその交換のために抜挿するとき、必ず図5の実線矢印の方向に離間するので、感光体1が傷付くことはない。そのため、寿命到達した交換部材として、現像機4、帯電器2、クリーニング装置6のいずれかを交換する時にも交換の必要のない他部位(感光体1等)を取り外す必要がない。また、抜挿前の操作、機構も省ける。
【0034】
図7は、前記のような感光体1や帯電器等が組み込まれた画像形成装置全体を示す。この画像形成装置の運転時の印刷動作について説明する。
【0035】
感光体1は、図示しないコントローラからの印刷動作開始信号に基づいて回転を始めると共に、画像形成装置の印刷速度に相当する速度で回転し、印刷動作が終了するまで回転を続ける。感光体1が回転を開始すると、帯電器2に高電圧が印加され、感光体1表面に例えば正の電荷が均一に帯電される。ドットイメージに変換された文字データや図形データが、露光装置3のオン/オフ信号として図示しないコントローラから画像形成装置に送られると、感光体1表面に露光装置3よりレーザ光等が照射される部分と照射されない部分とが形成される。
【0036】
露光装置3からのレーザ光等の照射により、感光体1上の電荷が消失した部分が現像機4と対向する位置に到達すると、正電荷に帯電したトナーが静電気により吸引されて感光体1上にトナー像が形成される。感光体1上に形成されたトナー像は、用紙9背面側にトナー像と逆極性の電荷を付与する転写器5の作用によって用紙9上に吸引される。なお、転写器5を通過した感光体1は、クリーニング装置6で清掃され、感光体1上の残留トナーは、図示しない回収部へ回収され、次の印刷動作に備えられる。
【0037】
その後、用紙9は定着部8に搬送され、定着部8に到達した用紙9は少なくとも1つが加熱ロールである一対の定着ロール8a、8bによって形成されるニップ部によって、加熱、加圧されながらトナー像が用紙9に溶融定着される。以上のような印刷動作を繰り返し、用紙9上に画像が形成される。印刷動作を繰り返すうちに感光体1、帯電器2、現像機4、クリーニング装置6はそれぞれ使用限界に到達し、交換が必要となってくる。また、その寿命はそれぞれ異なる場合が多い。
【0038】
この発明の画像形成装置では、交換に必要のない他部位を取り外す必要がなく、また抜挿前の操作、機構を省くことが可能となり、安価で簡単な構成、操作で感光体を傷付けることなく感光体の抜挿を可能にすることが実現できる。
【0039】
前記の実施の形態は、好ましい一例を示したにすぎず、この発明は特許請求の範囲に記載した範囲内において、さらに異なる適宜の実施の形態をも含むものである。
【符号の説明】
【0040】
1 感光体(像担持体)
2 帯電器(帯電手段)
3 露光装置(露光手段)
4 現像機(現像手段)
5 転写器(転写手段)
6 クリーニング装置(クリーニング手段)
7 ドラム保持シャフト
11 感光ドラム
12,13 フランジ
15,17 テーパ面
21,22,41,42,61,62 接触部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0041】
【特許文献1】特開2006−56065号公報
【特許文献2】特開2006−30418号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体と、前記像担持体上を均一に帯電する帯電手段と、前記帯電手段を通過後に前記像担持体を露光し静電潜像を形成し、前記静電潜像に従い、所望の画像を前記像担持体上に現像する現像手段と、前記像担持体上をクリーニングするクリーニング手段とを有する画像形成装置において、
前記像担持体と、前記帯電手段、現像手段、及びクリーニング手段のうちの少なくともいずれか一つと、のいずれかが画像形成装置本体から抜挿可能になっており、
前記像担持体の軸方向両端には、画像形成装置本体に像担持体を回転可能に取り付けるためのフランジが設けられ、
前記帯電手段、現像手段、及びクリーニング手段のうちの少なくともいずれか一つには、前記抜挿に際して、前記フランジの外周と接触するフランジ接触部が前記像担持体の軸方向に対し平行に設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記帯電手段、現像手段、及びクリーニング手段のうちの少なくともいずれか一つは、前記像担持体を向いた側が開口したケーシングを有するプロセスカートリッジとなっており、前記ケーシングの開口端部にフランジ接触部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記フランジは、前記像担持体に圧入又は接着等により固定され、かつその中心部には画像形成装置本体に取り付けられたシャフトに抜挿可能に支持されて画像形成装置本体に対する回転中心を位置決めるための位置決め穴が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記フランジの外周長は、前記像担持体の外周長より長くなっていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記フランジの外周長は、前記像担持体の軸方向に対し変化するようになっていることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記フランジの外周長は、外周縁部の横断面が前記像担持体の外周側縁と接する軸方向内側縁部から軸方向外方に向けて徐々に径が大きくなった第1のテーパ面及び該第1のテーパ面の頂点から軸方向外方に向けて徐々に径が小さくなって軸方向外側縁部に至る第2のテーパ面を有する略三角形状に形成されて変化が可能になっていることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記フランジ接触部は、画像形成装置の運転時、前記像担持体の軸方向に対し、前記像担持体の外周より外側で前記フランジの外周の内側に位置していることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記フランジ接触部は、抜挿時、前記像担持体のフランジの外周と接触して、画像形成装置の運転時の位置より後退した外側に位置することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の画像形成装置に用いられる感光体であって、感光体ドラムと、該感光体ドラムの軸方向両端に設けられたフランジとを有し、このフランジは、外周長が前記感光体の外周長より長くなっているとともに、感光体の軸方向に対し変化するようになっていることを特徴とする感光体。
【請求項10】
請求項1ないし8のいずれかに記載の画像形成装置に用いられる帯電手段、現像手段、及びクリーニング手段のうちの少なくともいずれか一つのプロセスカートリッジであって、像担持体を向いた側が開口したケーシングを有し、該ケーシングの開口端部にフランジ接触部が設けられていることを特徴とするプロセスカートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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