説明

画像形成装置

【課題】定着部が画像形成装置本体に装着されていないこと、及びサーミスターが故障等であることのそれぞれを判定する画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、被転写材に形成されたトナー画像を加熱する加熱回転体の温度を検出するためのサーミスター101と、サーミスター101に対して電気的に並列に接続された第1抵抗102と、サーミスター101及び第1抵抗102から構成される並列回路100に電気的に接続された第2抵抗105と、第2抵抗105に電気的に接続された電源部106と、並列回路100に電気的に接続された基準電位部107と、並列回路100と第2抵抗105との間の電圧値を測定し、測定した電圧値に基づいて、第1コネクター103と第2コネクター104とが非接続であること、及びサーミスター101が異常であることを判定する制御部90と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙等の被転写材に形成されたトナー画像を定着させる定着部を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンターやコピー機等の画像形成装置には、複数の用紙が収容される給紙カセットと、感光体ドラム又は中間転写ベルトにトナー画像を形成する画像形成部と、給紙カセットから1枚ずつ搬送された用紙に対して画像形成部にて形成されたトナー画像を転写する転写部と、トナー画像を用紙に定着させる定着部とを備えるものがある。さらに、画像形成装置には、定着部の温度を検出する温度検出素子(サーミスター)と、そのサーミスターを備えるサーミスターユニットが定着部に装着されているか否かを検出する検出回路とを定着部に配置して、定着部にサーミスターユニットが装着されているか否かを判定するものがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−250563号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された装置においては、サーミスターユニットが定着部に装着されていない場合に検出回路によって検出される値は、基準電位(GND)レベルとなる。しかしながら、特許文献1に記載された装置においては、サーミスターが故障して短絡した場合には、検出回路によって検出される値もGNDレベルになる。このため、特許文献1に記載された発明においては、サーミスターユニットが定着部に装着されていない場合と、サーミスターが故障して短絡した場合とを区別することができない。
【0005】
本発明は、定着部が装着されていないこと、及び温度検出素子が故障していることのそれぞれを判定する画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、被転写材にトナー画像を形成する画像形成装置本体と、前記画像形成装置本体に対して着脱可能であって、被転写材に形成されたトナー画像を被転写材に定着させる定着部と、を備える画像形成装置であって、前記定着部は、被転写材に形成されたトナー画像を加熱する加熱回転体の温度を検出するための温度検出素子と、前記温度検出素子に対して電気的に並列に接続された第1抵抗と、前記温度検出素子及び前記第1抵抗から構成される並列回路の両端に接続する第1コネクターと、を備え、前記画像形成装置本体は、前記定着部が前記画像形成装置本体に装着された場合に、前記第1コネクターと接続する第2コネクターと、前記第1コネクター及び前記第2コネクターを介して、前記並列回路の一方の端部に電気的に接続された第2抵抗と、前記第2抵抗における前記並列回路に接続する端部とは反対側の端部に電気的に接続された電源部と、前記第1コネクター及び前記第2コネクターを介して、前記並列回路の他方の端部に電気的に接続された基準電位部と、前記並列回路と前記第2抵抗との間の電圧値を測定し、測定した電圧値に基づいて、前記第1コネクターと前記第2コネクターとが非接続であること、及び前記温度検出素子が異常であることを判定する制御部と、を備える画像形成装置に関する。
【0007】
また、前記温度検出素子は、サーミスターであることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、定着部画像形成装置本体に装着されていないこと、及び温度検出素子が故障等であることのそれぞれを判定する画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】画像形成装置の一実施形態に係るコピー機の全体構成を説明するための図である。
【図2】コピー機の機能構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態を説明するための回路図である。
【図4】コピー機の動作の一例について説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の画像形成装置の一実施形態に係るコピー機について説明する。まず、コピー機1の全体構成について説明する。図1は、画像形成装置の一実施形態に係るコピー機1の全体構成を説明するための図である。
【0011】
コピー機1は、被転写材としての用紙Tにトナー画像を形成するコピー機本体(画像形成装置本体)2を備える。具体的には、コピー機1は、原稿搬送部10と、原稿読取部20と、用紙搬送部30と、画像形成部40と、転写部50と、定着部60とをコピー機本体2に備える。
原稿搬送部10は、ADF(Automatic Document Feeder)であり、原稿載置部11と、第1送りローラー12と、ガイド13と、タイミングローラー対14と、原稿排出部15とを備える。第1送りローラー12は、原稿載置部11に載置された原稿Gを1枚ずつ順にタイミングローラー対14に供給する。タイミングローラー対14は、原稿読取部20が原稿Gの画像を読み取るタイミングと、原稿Gの画像が原稿読取部20によって読み取られる位置(ガイド13が配置されている位置)に原稿Gを供給するタイミングとを合わせるために、原稿Gの搬送又は原稿Gの搬送停止を行う。ガイド13は、搬送された原稿Gを後述する第1読取面21aに導く。原稿排出部15は、原稿読取部20によって画像が読み取られた(ガイド13を通過した)原稿Gをコピー機本体2の外部に排出する。
原稿排出部15におけるコピー機本体2の外側には、原稿集積部16が形成される。原稿集積部16には、原稿排出部15から排出された原稿Gが積層して集積される。
【0012】
原稿読取部20は、第1読取面21aと、第2読取面22aとを備える。第1読取面21aは、ガイド13に対向して配置された第1コンタクトガラス21の上面に沿って形成され、原稿Gの画像を読み取る面となる。第2読取面22aは、第1読取面21aに隣接して(図1に示す場合では、第1読取面21aの右側の大部分に亘って)配置される。第2読取面22aは、原稿搬送部10を用いずに原稿Gの画像を読み取る場合に用いられる。第2読取面22aは、原稿Gが載置される第2コンタクトガラス22の上面に沿って形成され、原稿Gの画像を読み取る面となる。
【0013】
また、原稿読取部20は、照明部23と、第1ミラー24と、第2ミラー25と、第3ミラー26と、結像レンズ27と、撮像部28とをコピー機本体2の内部に備える。照明部23と第1ミラー24とは、それぞれ副走査方向Xに移動する。第2ミラー25と第3ミラー26とは、図1において照明部23及び第1ミラー24の左側に配置される。さらに、第2ミラー25及び第3ミラー26は、第1ミラー24と、第2ミラー25と、第3ミラー26と、結像レンズ27とを介した第1読取面21a又は第2読取面22aから撮像部28までの距離(光路長)を一定に保ちつつ、それぞれ副走査方向Xに移動する。
【0014】
照明部23は、原稿Gに光を照射する光源である。第1ミラー24、第2ミラー25及び第3ミラー26は、光路長を一定に保ちつつ、原稿Gによって反射された光を結像レンズ27に導くためのミラーである。結像レンズ27は、第3ミラー26から入射した光を撮像部28に結像させる。撮像部28は、入射された光を電気信号に変換することにより、結像された光像に基づいて画像データを得るための撮像素子であり、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサーである。
【0015】
用紙搬送部30は、第2送りローラー31と、第3送りローラー32と、レジストローラー対33と、用紙排出部34とを備える。第2送りローラー31は、給紙カセット36に収容される用紙T(被転写材)を転写部50に供給する。第3送りローラー32は、手差しトレイ37に載置される用紙T(被転写材)を転写部50に供給する。レジストローラー対33は、転写部50にトナー画像が到達するタイミングと、転写部50に用紙Tを供給するタイミングとを合わせるために、用紙Tの搬送又は用紙Tの搬送停止を行う。また、レジストローラー対33は、用紙Tのスキュー(斜め給紙)補正を行う。用紙排出部34は、トナー画像が定着された用紙Tをコピー機本体2の外部に排出する。
用紙排出部34におけるコピー機本体2の外側には、排紙集積部35が形成される。排紙集積部35には、用紙排出部34から排出された用紙Tが積層して集積される。
【0016】
画像形成部40は、トナー画像を形成するためのものであり、感光体ドラム41と、帯電部42と、レーザースキャナーユニット43と、現像器44と、クリーニング部45と、トナーカートリッジ46と、1次転写ローラー47と、中間転写ベルト48と、対向ローラー49とを備える。
感光体ドラム41(41a,41b,41c,41d)は、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローそれぞれのトナー画像を形成するために、感光体又は像担持体として機能する。各感光体ドラム41a,41b,41c,41dの周囲には、感光体ドラム41の回転方向に沿って上流側から下流側へ順に、帯電部42と、レーザースキャナーユニット43と、現像器44と、クリーニング部45とが配置される。帯電部42は、感光体ドラム41の表面を帯電させる。レーザースキャナーユニット43は、感光体ドラム41の表面から離れて配置され、原稿読取部20によって読み取られた原稿Gに関する画像データに基づいて感光体ドラム41の表面を走査露光する。これにより、感光体ドラム41の表面には、露光された部分の電荷が除去されて静電潜像が形成される。現像器44は、感光体ドラム41の表面に形成された静電潜像にトナーを付着させてトナー画像を形成する。クリーニング部45は、除電器(図示せず)によって感光体ドラム41の表面が除電された後のその表面に残るトナー等を除去する。
トナーカートリッジ46は、現像器44に供給される各色のトナーを収容する。トナーカートリッジ46と現像器44とは、トナー供給路(図示せず)により接続されている。
【0017】
1次転写ローラー47(47a,47b,47c,47d)は、中間転写ベルト48における各感光体ドラム41a,41b,41c,41dとは反対側にそれぞれ配置される。中間転写ベルト48は、画像形成部40及び転写部50を通過するベルトである。中間転写ベルト48の一部分は、各感光体ドラム41a,41b,41c,41dと各1次転写ローラー47a,47b,47c,47dとの間に挟み込まれ、各感光体ドラム41a,41b,41c,41dの表面に形成されたトナー画像が1次転写される。対向ローラー49は、環状形状の中間転写ベルト48の内側に配置され、中間転写ベルト48を図1に示す矢印A方向に進行させるための駆動ローラーである。
【0018】
転写部50は、2次転写ローラー51を備える。2次転写ローラー51は、中間転写ベルト48における対向ローラー49とは反対側に配置され、中間転写ベルト48の一部分を対向ローラー49との間に挟みこむ。さらに、2次転写ローラー51は、中間転写ベルト48に1次転写されたトナー画像を用紙Tに2次転写させる。
【0019】
定着部60は、用紙Tに形成されたトナー画像をその用紙Tに定着させる。具体的には、定着部60は、加熱回転体61と、加圧回転体62とを備える。加熱回転体61と加圧回転体62とは、トナー画像が2次転写された用紙Tを挟み込んで、トナーを溶融及び加圧し、そのトナーを用紙Tに定着させる。定着部60は、コピー機本体2に対して着脱可能に構成される。
【0020】
次に、コピー機1の機能構成について説明する。図2は、コピー機1の機能構成を示すブロック図である。
コピー機1は、上述した構成要素(原稿搬送部10、原稿読取部20、用紙搬送部30、画像形成部40、転写部50及び定着部60)を備える。用紙搬送部30、画像形成部40、転写部50及び定着部60によりエンジン部3が構成される。なお、図1を用いて説明した構成要素については、その説明を省略する。
さらに、コピー機1は、上述した機能構成に加えて、操作部70と、記憶部80と、制御部90とを備える。
【0021】
操作部70は、テンキー(図示せず)、タッチパネル(図示せず)及びスタートキー(図示せず)等を備える。テンキーは、印刷部数等の数字を入力するために操作される。タッチパネルは、種々の機能(一例として、印刷倍率の設定機能や、複数のページを1枚の用紙Tに割り付ける機能(2in1等))が割り当てられた複数のキー等を表示する。タッチパネルに表示されたキーは、種々の機能のうちのいずれかをコピー機1に実行させるために操作される。スタートキーは、印刷を実行させるために操作される。操作部70は、いずれかのキーが操作されることにより、このキーが操作されたことを表す信号を制御部90に供給する。
【0022】
記憶部80は、ハードディスクや半導体メモリー等から構成される。記憶部80は、原稿読取部20によって読み取られた原稿Gに基づく画像データを記憶する。また、記憶部80は、コピー機1において利用される制御プログラム、及びこの制御プログラムによって利用されるデータ等を記憶する。
【0023】
制御部90は、原稿搬送部10、原稿読取部20、エンジン部3、操作部70等を制御する。
【0024】
次に、本発明の特徴部分について説明する。図3は、本発明の一実施形態を説明するための回路図である。
【0025】
上述したように、定着部60は、コピー機本体2に対して着脱可能に構成される。着脱を可能とするために、定着部60は第1コネクター103を備え、コピー機本体2は第2コネクター104を備える。第2コネクター104は、定着部60がコピー機本体2に装着された場合に、第1コネクター103と接続する。これにより、定着部60側の回路と、コピー機本体2側の回路とは、第1コネクター103及び第2コネクター104を介して、電気的に接続される。また、定着部60がコピー機本体2から脱離された場合には、第1コネクター103と第2コネクター104とは、非接続となる。
【0026】
定着部60は、温度検出素子としてのサーミスター101と、第1抵抗102と、を備える。
サーミスター101は、用紙Tに形成されたトナー画像を加熱する加熱回転体61(図1参照)の温度を検出するためのものである。具体的には、サーミスター101は、加熱回転体61の近傍に配置され、その加熱回転体61の温度に応じて抵抗値が変化する。上述した制御部90は、サーミスター101の抵抗値によって変化する電圧値に基づいて、加熱回転体61の温度を検出する。
【0027】
第1抵抗102は、サーミスター101に対して電気的に並列に接続される。第1抵抗102の抵抗値は、定着部60がコピー機本体2に装着されていないこと、及びサーミスター101が故障等であることを検出することができるように予め実験等を行なうことにより、適宜設定される。
第1コネクター103は、サーミスター101及び第1抵抗102から構成される並列回路100の両端に接続する。
【0028】
また、コピー機本体2は、第2抵抗105と、電源部106と、基準電位部107と、上述した制御部90と、を備える。
【0029】
第2抵抗105は、サーミスター101及び第1抵抗102から構成される並列回路100の一方の端部に電気的に接続される。すなわち、第2抵抗105は、第2コネクター104及び第1コネクター103を介して、並列回路100における一方の端部に電気的に接続される。第2抵抗105の抵抗値は、定着部60がコピー機本体2に装着されていないこと、及びサーミスター101が故障等であることを検出することができるように予め実験等を行なうことにより、適宜設定される。
【0030】
電源部106は、第2抵抗105における並列回路100に接続する端部とは反対側の端部に電気的に接続される。電源部106は、例えば、3.3Vの電圧を第2抵抗105に印加する。
基準電位部(GND)107は、第1コネクター103及び第2コネクター104を介して、並列回路100の他方の端部に電気的に接続される。
【0031】
制御部90は、並列回路100と第2抵抗105との間の電圧値を測定し、測定した電圧値に基づいて、第1コネクター103と第2コネクター104とが非接続であること(定着部60がコピー機本体2から脱離していること)、及びサーミスター101が異常であることを判定する。
定着部60がコピー機本体2に装着されていない場合には、制御部90は、第2抵抗105における電圧値を検出する。例えば、制御部90は、3.3Vの電圧値を検出する。
【0032】
また、定着部60がコピー機本体2に装着されており(第1コネクター103と第2コネクター104とが接続)、且つ、サーミスター101が故障しているために電気的に開放状態になっている又はサーミスター101が並列回路100から外れている場合には、制御部90は、第1抵抗102と第2抵抗105との分圧回路の出力電圧Voutを検出する。ここで、出力電圧Voutは、入力電圧をVin、第1抵抗102の抵抗値をR1、第2抵抗105の抵抗値をR2とすると、数1により表される。
【数1】

具体的な一例としては、電源部106が3.3Vである場合には、制御部90は、約3.0V以上3.3V未満の電圧値を検出する。
【0033】
また、定着部60がコピー機本体2に装着されており(第1コネクター103と第2コネクター104とが接続)、且つ、サーミスター101が故障しているために電気的に短絡状態になっている場合には、制御部90は、0Vを検出する。
【0034】
さらに、定着部60がコピー機本体2に装着されており(第1コネクター103と第2コネクター104とが接続)、且つ、サーミスター101が故障していない場合には、制御部90は、第1抵抗102と、サーミスター101と、第2抵抗105との分圧回路の出力電圧Voutを検出する。ここで、出力電圧Voutは、サーミスター101の抵抗をR3とすると、数2により表される。
【数2】

具体的な一例としては、電源部106が3.3Vである場合には、制御部90は、約0.5V以上約3.0V未満の電圧値を検出する。
【0035】
このように、定着部60がコピー機本体2に装着されている場合(第1コネクター103と第2コネクター104とが接続している場合)、定着部60がコピー機本体2に装着されていない場合(第1コネクター103と第2コネクター104とが非接続の場合)、及びサーミスター101が故障等である場合には、制御部90によって測定される電圧値が異なるため、制御部90は、測定された電圧値に基づいて、上記のいずれの場合であるかを判定する。
【0036】
一例として、制御部90は、検出された電圧値が3.3Vの場合には、定着部60がコピー機本体2から脱離していると判定する。また、制御部90は、検出された電圧値が約3.0V以上3.3V未満の場合には、定着部60がコピー機本体2に装着されており、且つ、サーミスター101が故障しているために電気的に開放状態になっている又はサーミスター101が並列回路100から外れている(サーミスター101に異常がある)と判定する。また、制御部90は、検出された電圧値が約0.5V以上約3.0V未満の場合には、正常であると判定する。また、制御部90は、検出された電圧値が0Vの場合には、定着部60がコピー機本体2に装着されており、且つ、サーミスター101が故障しているために電気的に短絡状態になっている(サーミスター101に異常がある)と判定する。
【0037】
次に、コピー機1の動作の一例について説明する。図4は、コピー機1の動作の一例について説明するフローチャートである。
ステップST1において、制御部90は、並列回路100と第2抵抗105との間の電圧値を測定する。
【0038】
ステップST2において、制御部90は、ステップST1にて測定した電圧値が所定の値であるか否かを判断する。ここで、所定の値は、電源部106の電圧値と同じ値であり、一例として3.3Vである。なお、所定の値は、電源部106の電圧値と同じ値を含む電圧値の範囲であってもよい。電圧値が所定の値である場合(Yes)には、処理は、ステップST3に進む。電圧値が所定の値ではない場合(No)には、処理は、ステップST4に進む。
【0039】
ステップST3において、制御部90は、定着部60コピー機本体2に装着されていない(定着部60がコピー機本体2から脱離している(第1コネクター103と第2コネクター104とが非接続である))と判定する。
【0040】
ステップST2において「No」と判断された場合、ステップST4において、制御部90は、ステップST1にて測定した電圧値が第1の範囲内であるか否かを判断する。第1の範囲は、定着部60がコピー機本体2に装着されており(第1コネクター103と第2コネクター104とが接続)、且つ、サーミスター101が故障しているために電気的に開放状態になっている又はサーミスター101が並列回路100から外れていることを示す電圧値の範囲である。一例として、第1の範囲は、約3.0V以上3.3V未満の範囲である。なお、ステップST2の所定の値が電圧値の範囲を規定する場合には、第1の範囲は、その電圧値の範囲とは重複しない。電圧値が第1の範囲内である場合(Yes)には、処理は、ステップST5に進む。電圧値が第1の範囲内ではない場合(No)には、処理は、ステップST6に進む。
【0041】
ステップST5において、制御部90は、サーミスター101に異常があると判定する。具体的には、制御部90は、定着部60がコピー機本体2に装着されており(第1コネクター103と第2コネクター104とが接続)、且つ、サーミスター101が故障しているために電気的に開放状態になっている又はサーミスター101が並列回路100から外れていると判定する。
【0042】
ステップST4において「No」と判断された場合、ステップST6において、制御部90は、ステップST1にて測定した電圧値が第2の範囲内であるか否かを判断する。第2の範囲は、定着部60がコピー機本体2に装着されており(第1コネクター103と第2コネクター104とが接続)、且つ、サーミスター101が故障していないこと(正常の場合)を示す電圧値の範囲である。一例として、第2の範囲は、約0.5V以上約3.0V未満の範囲である。電圧値が第2の範囲内である場合(Yes)には、処理は、ステップST7に進む。電圧値が第2の範囲内ではない場合(No)には、処理は、ステップST8に進む。
【0043】
ステップST7において、制御部90は、定着部60は正常であると判定する。この場合には、制御部90は、サーミスター101の抵抗値に応じて変化する電圧値に基づいて、加熱回転体61の温度を測定する。
【0044】
一方、ステップST8において、制御部90は、サーミスター101に異常があると判定する。具体的には、制御部90は、定着部60がコピー機本体2に装着されており(第1コネクター103と第2コネクター104とが接続)、且つ、サーミスター101が故障しているために電気的に短絡状態になっていると判定する。
【0045】
なお、ステップST3、ステップST5、ステップST8の処理の後には、制御部90は、判定結果を上述したタッチパネルに表示させてもよい。
また、ステップST3、ステップST5、ステップST7及びステップST8の処理の後には、処理は、終了する。
【0046】
以上説明したように、本実施形態のコピー機1によれば、以下の効果が奏される。
すなわち、本実施形態のコピー機1は、用紙Tに形成されたトナー画像を加熱する加熱回転体61の温度を検出するためのサーミスター101と、サーミスター101に対して電気的に並列に接続された第1抵抗102と、サーミスター101及び第1抵抗102から構成される並列回路100に電気的に接続された第2抵抗105と、第2抵抗105に電気的に接続された電源部106と、並列回路100に電気的に接続された基準電位部107と、並列回路100と第2抵抗105との間の電圧値を測定し、測定した電圧値に基づいて、第1コネクター103と第2コネクター104とが非接続であること、及びサーミスター101が異常であることを判定する制御部90と、を備える。これにより、コピー機1は、第1コネクター103と第2コネクター104とが非接続であること(コピー機本体2から定着部60が脱離していること)、及びサーミスター101が異常であることのそれぞれを判定することができる。
【0047】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されることはなく、種々の形態で実施することができる。
本実施形態のコピー機1は、カラーコピー機であるが、この形態に限定されることはなく、モノクロコピー機であってもよい。
また、本実施形態のコピー機1は、中間転写ベルト48を介して用紙Tにトナー画像を転写している(間接転写方式)が、この形態に限定されることはなく、感光体ドラムに形成されたトナー画像を直接に用紙Tに転写してもよい(直接転写方式)。
また、本実施形態のコピー機1は、用紙Tの片面を印刷する構成であるが、これに限定されることはなく、用紙の両面を印刷する構成であってもよい。
【0048】
また、本発明の画像形成装置は、上述したコピー機1に限定されることはない。すなわち、本発明の画像形成装置は、コピー機能、ファクシミリ機能、プリンター機能及びスキャナー機能を備える複合機であってもよく、プリンターであってもよい。
また、本発明の画像形成装置によってトナー画像が定着される被転写材は用紙Tに限定されることはなく、例えば、OHP(オーバーヘッドプロジェクター)シート等のフィルムシートであってもよい。
【符号の説明】
【0049】
1…コピー機(画像形成装置)、60…定着部、90…制御部、100…並列回路、101…サーミスター(温度検出素子)、102…第1抵抗、103…第1コネクター、104…第2コネクター、105…第2抵抗、106…電源部、107…基準電位部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被転写材にトナー画像を形成する画像形成装置本体と、前記画像形成装置本体に対して着脱可能であって、被転写材に形成されたトナー画像を被転写材に定着させる定着部と、を備える画像形成装置であって、
前記定着部は、
被転写材に形成されたトナー画像を加熱する加熱回転体の温度を検出するための温度検出素子と、
前記温度検出素子に対して電気的に並列に接続された第1抵抗と、
前記温度検出素子及び前記第1抵抗から構成される並列回路の両端に接続する第1コネクターと、を備え、
前記画像形成装置本体は、
前記定着部が前記画像形成装置本体に装着された場合に、前記第1コネクターと接続する第2コネクターと、
前記第1コネクター及び前記第2コネクターを介して、前記並列回路の一方の端部に電気的に接続された第2抵抗と、
前記第2抵抗における前記並列回路に接続する端部とは反対側の端部に電気的に接続された電源部と、
前記第1コネクター及び前記第2コネクターを介して、前記並列回路の他方の端部に電気的に接続された基準電位部と、
前記並列回路と前記第2抵抗との間の電圧値を測定し、測定した電圧値に基づいて、前記第1コネクターと前記第2コネクターとが非接続であること、及び前記温度検出素子が異常であることを判定する制御部と、を備える
画像形成装置。
【請求項2】
前記温度検出素子は、サーミスターである
請求項1に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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