説明

画像形成装置

【課題】簡単かつ安価な構成で、排出された用紙がロール紙支持部のロール紙に接触することなく排紙スタック部材内に排出可能であり、かつ、ロール紙に対する塵埃等の付着を防止可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】装置本体1の下部に配置され、ロール紙4から用紙10を繰り出し可能に支持するロール紙支持部61と、ロール紙支持部61から繰り出された用紙10に画像を形成する画像形成部3と、画像形成部3よりもシート搬送方向の下流側に位置し、画像形成後の用紙10をシート排出方向Xaに排出する排紙部20と、排紙部20から排出される用紙10を装置本体1の前方へと案内する排紙ガイド板28と、排紙ガイド板28を通過した用紙10を積載する排紙バケット50とを有し、紙ガイド板28と排紙バケット50とにより、ロール紙4の上方から前方にかけてシート幅方向Yに渡り覆われている画像形成装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、詳しくは、プリンタ、複写機、ファクシミリ、プロッタ等、あるいはこれら複数の機能を備えた複合機等の画像形成装置(インクジェット方式や電子写真方式を含む)に装着されたロールシートから繰り出されるシートに画像形成後、画像形成装置から排出されるシートをスタックするスタック部を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、装置前面(正面)にロール紙支持部を配置し、ロール紙から繰り出された用紙に印字を行い、その印字後の用紙を装置前面に排出可能な画像形成装置では、印字後の用紙と印字前の用紙とが接触しないようにロール紙支持部上面に専用の排紙ガイドを設けるもの(例えば、特許文献1参照)や、ロール紙に対する塵埃の付着を防止するためにロール紙全体を覆ってしまう構成が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
また、プリンタ、複写機、読取機等から排出される処理済用紙のハンドリングを向上させるため、装置前面に用紙スタック部材を配置した構成が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
特許文献1の図18等には、装置前面の下側に配置されたロール紙支持部(ロールフィード支持体)の上方に排紙ガイド部材を設け、印字後の用紙を、ロール紙支持部のロール紙と接触させないようにした構成が開示されている。
特許文献2の図1、図11等には、装置前面からアクセス可能な給紙部が引出し式トレイ構成となっており、給紙部のロール紙を完全に覆っている構成が開示されている。また、給紙トレイ前面に、着脱可能な排紙スタック部材(排紙受け箱)が配置されている構成が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1記載の技術では、上記排紙ガイド部材により印字後の用紙との接触は防げるが、ロール紙がほぼ露出した状態であり、ロール紙を装着した状態で放置すると塵埃がロール紙に堆積し、印字・搬送品質に影響を及ぼすという問題点がある。
特許文献2記載の技術では、ロール紙の保護は万全だが、給紙部の構成が複雑であり、そのためコスト高となる問題点がある。また、給紙部に配置されたロール紙の一部が印字後の用紙排出部より装置前面側に位置する構成において、ロール紙全体を覆うようなカバーを配置すると、装置奥行き方向が大きくなり、装置が大型化してしまう。
【0006】
そこで、本発明は、上述した課題に鑑みてなされてものであり、簡単かつ安価な構成で、排出された用紙がロール紙支持部のロール紙に接触することなく、排紙スタック部材内に排出可能であり、かつ、ロール紙に対する塵埃等の付着を防止可能な画像形成装置を実現し提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するとともに上述した目的を達成するために、本発明では、以下のような特徴ある手段・発明特定事項(以下、「構成」という)を採っている。
本発明は、装置本体の下部に配置され、長尺状のシートが巻き付けられて形成されたシートロールからシートを繰り出し可能に支持するシートロール支持部と、前記シートロール支持部から繰り出されたシートに画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部よりもシート搬送方向の下流側に位置し、画像形成後のシートをシート排出方向に排出する排出部と、前記排出部から排出されるシートを装置本体前方へと案内するガイド部と、前記ガイド部を通過したシートを積載するスタック部と、を有し、前記ガイド部と前記スタック部とにより、前記シートロールの上方から前方にかけて前記シート排出方向と直交するシート幅方向に渡り覆われていることを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、前記課題を解決して新規な画像形成装置を実現し提供することができる。すなわち、本発明によれば、前記構成により、簡単かつ安価な構成で、排出されたシートがシートロール支持部のシートロールに接触することなくスタック部内に排出可能であり、かつ、シートロールに対する塵埃等の付着を未然に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す画像形成装置の簡略的な斜視図である。
【図2】第1の実施形態を示す画像形成装置全体の模式的な側面図である。
【図3】第1の実施形態におけるロール紙支持部と排紙バケットの排紙ロッドとの取り付け位置関係および取り付け方法を説明する簡略的な斜視図である。
【図4】(a)は、第1の実施形態の排紙部の構成および排紙初期の挙動を説明する図、(b)は、第1の実施形態の排紙挙動を説明する図、(c)は、排紙ガイド板が短い場合の比較例1の排紙挙動を説明する図である。
【図5】(d)は、ロール給紙部に排紙ロッド支持部が無い場合の比較例2の排紙挙動を説明する図、(e)は、排紙ガイド板が大きい場合の比較例3の排紙挙動を説明する図、(f)は、排紙バケットの排紙ロッドの取り付け位置がロール紙支持部より上方の場合であって、排紙ガイド板が短いときの比較例4の排紙挙動を説明する図である。
【図6】変形例1の排紙バケットの配置位置および形状を説明する模式的な側面図である。
【図7】変形例2の別体化した排紙バケットを説明する模式的な側面図である。
【図8】変形例3の排紙バケットを説明する模式的な正面図である。
【図9】本発明の第2の実施形態を示す画像形成装置の簡略的な斜視図である。
【図10】本発明の第2の実施形態を示す画像形成装置全体の模式的な側面図である。
【図11】第2の実施形態の排紙スタック部材の形状・構成を説明する模式的な側面図である。
【図12】(a)、(b)、(c)は、第2の実施形態の排紙スタック部材に排出された用紙の挙動・動作の推移状態を説明する模式的な側面図である。
【図13】第2の実施形態の排紙スタック部材の第1の傾斜部および第2の傾斜部の長さを説明する模式的な側面図である。
【図14】(a)は、排紙スタック部材に小サイズの用紙をスタックした際の模式的な側面図、(b)は、排紙スタック部材に大サイズの用紙をスタックした際の模式的な側面図、(c)は、排紙スタック部材に大・小サイズの用紙を混載スタックした際の模式的な側面図である。
【図15】排紙スタック部材の各傾斜部長さとスタック性の評価試験結果をまとめた図表である。
【図16】(a)は、比較例における排紙スタック部材の排紙ガイド部と第1の傾斜部との間隔および排出された用紙の先端部の挙動を説明する模式的な側面図、(b)は、第2の実施形態における排紙スタック部材の排紙ガイド部と第1の傾斜部との間隔および排出された用紙の先端部の挙動を説明する模式的な側面図である。
【図17】(a)は、第2の実施形態の変形例1における排紙部と排紙ガイド部との位置関係を示す模式的な側面図、(b)は、変形例1の排紙スタック部材に排出される小サイズの用紙の挙動を示す模式的な側面図、(c)は、第2の実施形態の排紙スタック部材に排出される小サイズの用紙の挙動を示す模式的な側面図である。
【図18】第2の実施形態の変形例2における排紙部との位置関係および排紙スタック部材の形状・構成を説明する模式的な側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図を参照して実施例を含む本発明の実施形態を詳細に説明する。各実施形態や変形例等に亘り、同一の機能および形状等を有する構成要素(部材や構成部品)等については、混同の虞がない限り一度説明した後では同一符号を付すことによりその説明を省略する。図および説明の簡明化を図るため、図に表されるべき構成要素であっても、その図において特別に説明する必要がない構成要素は適宜断わりなく省略することがある。
【0011】
(第1の実施形態)
図1、図2および図3を参照して、本発明の第1の実施形態を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態を示す画像形成装置の簡略的な斜視図、図2は、同画像形成装置の模式的な側面図、図3は、ロール給紙部へのロール紙および排紙バケットの組み付け方を示す分解斜視図である。なお、図1では、図2に示す画像読取部2、排紙バケット50、サイドロッドブラケット65およびスタンド1000等の図示を省略している。また、図1においてロール給紙部60を分かりやすく示すため、排紙ガイド板28の下方側も省略して記載しているが、排紙ガイド板は図2に示すようにロール給紙部60の前方まで延びている。
【0012】
まず、図1および図2を参照して、第1の実施形態に係る画像形成装置全体の構成とともに要部の動作を説明する。図2に示す画像形成装置は、装置本体1の上部から下部に向けて、画像読取部2と、画像形成部3と、ロール給紙部60とがこの順に配置されている。
【0013】
上下方向Zに直交する前後方向Xにおいて、図2における装置本体1の左側が前面1F(正面)側であり、右側が後(奥)側である。上下方向Zおよび前後方向Xに直交するとともに図2の紙面を貫通する方向が主走査方向Y(図1参照)であり、シート幅方向(用紙幅方向)に相当する。
【0014】
画像読取部2は、原稿の画像を読み取る機能・構成を、画像形成部3は、搬送されてくる被記録媒体・シートとしての用紙10に画像形成を行う機能・構成を有する。
ロール給紙部60は、装置本体1の前面1F側の主走査方向Yの両側に配置され、長尺状の用紙を巻き付けて形成されたシートロールとしてのロール紙4から用紙10を繰り出し可能に支持するシートロール支持部としてのロール紙支持部61を備えロール紙4を、着脱可能に支持する支持部としての機能・構成を有している。
ここで、画像読取部2は、装置本体1と別に構成されたスタンド1000に載置されている。なお、画像読取部2と装置本体1とは一体で構成してもよい。
【0015】
画像読取部2は、装置本体1の前面1Fから後側に向けて画像読取位置へ原稿(図示せず)を搬送すべく原稿をセットする原稿載置台としての原稿台11と、画像読取位置へ原稿を搬送する原稿搬送手段としての原稿給送ローラ12と、画像読取位置に配置され原稿の画像を読み取る画像読取手段としての密着イメージセンサ14と、画像読み取り終了後の原稿を排出する原稿排出手段としての原稿排出ローラ15と、排出された原稿を積載する原稿排出台16とを有する。
【0016】
原稿台11上に載置された図示しない原稿は原稿給送ローラ12により1枚ずつ原稿搬送路13に給送される。原稿給送ローラ12により給送されてきた原稿は原稿搬送路13の画像読取位置に配置された密着イメージセンサ14によりその画像が読み取られ、この画像の読み取り終了後に、原稿排出ローラ15により原稿排出台16に排出される。
密着イメージセンサ14は、全体として主走査方向Yに長い形状をしており、原稿を照明する光源およびイメージセンサを有している。密着イメージセンサ14の上記光源で原稿搬送路13において原稿を照明し、該原稿からの反射光をレンズアレイなどを通して上記イメージセンサ上に結像させて、光電変換を行うことにより画像信号を出力する。また、密着イメージセンサ14の上方近傍に設けられたコンタクトガラスに対向して、原稿を押圧する白色基準板を兼ねる圧板17が設けられている。
【0017】
画像形成部3は、インクジェット記録方式で画像形成を行う構成である。図1に示すように、本インクジェット記録装置は、シリアル型インクジェット記録装置である。
画像形成部3に対応した装置本体1の内部には、ガイドロッド18およびガイドレール19が図示しない側板に掛け渡され、これらのガイドロッド18およびガイドレール19にキャリッジ20が主走査方向Yに摺動可能に保持されている。キャリッジ20には、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色のインク滴を吐出する液体吐出ヘッドである液体記録ヘッド(図示せず、以下、「記録ヘッド」ともいう)が搭載されている。各記録ヘッドには、図示しないが、各記録ヘッドにインクを供給するサブタンクが一体的に備えられている。
【0018】
キャリッジ20を主走査方向Yに移動走査する主走査機構は、主走査方向Yの一方側(図において左斜め上方)に配置された駆動モータ21と、この駆動モータ21の出力軸に連結され駆動モータ21によって回転駆動される駆動プーリ22と、主走査方向Yの他方側(図において右斜め下方)に配置された従動プーリ23と、駆動プーリ22と従動プーリ23との間に巻き掛けられたベルト部材24とを備えている。従動プーリ23は、図示しないテンションスプリングによって外方、すなわち駆動プーリ22から離れる方向にテンションが掛けられている。
ベルト部材24は、キャリッジ20背面側に設けられたベルト固定部にその一部分が固定保持されていることで、キャリッジ20を主走査方向Yに牽引するようになっている。
【0019】
キャリッジ20の主走査方向Yに沿ってキャリッジ20の主走査位置を検知するためのエンコーダシート(図示せず)が配置され、キャリッジ20に設けられたエンコーダセンサ(図示せず)によって、上記エンコーダシートが読み取られる。このキャリッジ20における主走査領域のうち、記録領域ではロール紙4から後述するように繰り出され搬送されてきた用紙10が図示しない紙送り機構によって、キャリッジ20の移動方向である主走査方向Yと直交する副走査方向(図1の前後方向Xのうちの前方向Xaであり、シート(用紙)排出方向Xaでもある)に間欠的に搬送される。
また、主走査領域のうちの一方の端部側領域(図において右斜め下方側)には、キャリッジ20内の各記録ヘッドの維持回復を行う維持回復機構25が配置され、さらに、各記録ヘッドのサブタンクに供給する各色のインクを収容したメインカートリッジ26が装置本体1に対して着脱自在に装着される。
【0020】
図2において、画像形成部3で画像が記録された用紙を所定の長さに切断するシート切断手段としてのカッタ27が配置されている。このカッタ27は、複数のプーリ(そのうちの1つのプーリは駆動モータに連結されている)間に掛け渡されたワイヤやタイミングベルトに固定され、駆動モータによりプーリを介してワイヤやタイミングベルトが主走査方向Yに移動することで用紙を所定の長さに切断する公知のものからなる。
図2において、符号29は、画像を記録された用紙を排出するための排出部としての排紙部を示す。排紙部29は、カッタ27よりも下流側に配設されている排紙口31、排紙ガイド板28および排紙バケット50等を備えている。図1に示すように、排紙部29におけるシート排出方向Xaの前面1Fには、画像を記録された用紙(以下、画像を記録された用紙であることが明らかであるときには単に「用紙」ともいう)を装置本体1の外側へ排出するためのシート排出口としての排紙口31が形成されている。
【0021】
また、排紙口31の出口前方には、装置本体1の前面1F外側に配置され、排紙部29におけるシート排出方向Xaの下流側で排出される用紙を排紙バケット50へ案内するための排紙ガイド板28が配設されている。
排紙ガイド板28は、下方に行くにつれて前面1Fから突出する突出量が漸次大きくなる曲面状のガイド面を備えていて、図2に示すように、装置本体1内に形成されたロール紙4の収容部である開口部7の上部の一部を覆うように配置されている。
また、排紙ガイド板28は、基端部28aが前面1Fと連結される部分に設けられた支軸としてのヒンジを介して、下端28bが基端部28aを中心に上下方向Zに揺動・開閉可能となるように構成されている。これにより、操作者やユーザ(以下、「ユーザ」という)は排紙ガイド板28を開放しながらロール給紙部60のロール紙支持部61へのロール紙4の着脱操作を支障なく容易に行うことができる。
【0022】
ロール給紙部60は、図1〜図3に示すように、上記したロール紙支持部61を有する。ロール紙支持部61は、ロール紙4の長手方向に貫通するように設けられた芯材としてのスプール軸4aを着脱可能に支持する構成を備えている。図1〜図3には、凹状溝部で回転可能に支持するスプール軸方式の構成例を示しているが、適宜、軸受部材などを設けてもよい。
上述のとおり、排紙ガイド板28と排紙バケット50とは、ロール給紙部60の上方から前方にかけてシート幅方向Yに渡り覆うように配置されているとともに、排紙バケット50の上端部に設けられた排紙ロッド52の位置が、排紙ガイド板28の下端部28bの位置と水平方向から見たときに一部が重なるように支持されている。これにより、排紙ガイド板28と排紙バケット50により、装置内にセットされたロール紙4の上方から前方にかけてシート排出方向Xaと直交するシート幅方向に渡り覆われた構成となる。このような構成とすることで、簡単かつ安価な構成で、排出されたシートがロール給紙部60に侵入してロール紙4に接触し汚すことなく確実に排紙バケット50内に排出でき、かつ、ロール紙4に対する塵埃等が上方から付着することも未然に防止できる。
【0023】
ここで、「シートロール(ロール紙4)の上方から前方にかけて」の「前方」とは、図2のように排出口31から装置の最下方まで全ての「前方」を覆うものに限るものではなく、ロール紙支持部61に支持されたロール紙4の位置に対応する「前方」までが覆われていればよい。
【0024】
またこのとき、図2に示すように排紙ロッド52は、ロール給紙部60におけるロール紙支持部61の位置とほぼ同じ高さに支持されることが好ましい。これについては、後ほど図4、図5を用いて補説する。
【0025】
ここで、「シートロール(ロール紙)支持部の位置とほぼ同じ高さに支持される」とは、排紙ロッド52が、ロール給紙部60におけるロール紙支持部61の位置と同じ高さ位置で支持されている場合を含む他、排紙ロッド52とロール紙支持部61に支持されるスプール軸4aとが水平方向において一部が重なりあう程度にずれて支持されている構成も含むことを意味する。
【0026】
さらに、図2に示すように、排紙ロッド52をロール紙支持部61の位置とほぼ同じ高さに支持するロッド支持部62をロール紙支持部61とともにロール給紙部60に一体に設けることが好ましい。すなわち、支持部としてのロール給紙部60は、シートロール支持部と同一の部材に形成されていることが好ましい。このようにすることにより、ロッド支持部材を別部材で設ける必要がなく、より簡単、安価な構成とすることができる。
【0027】
またこのとき、ロッド支持部62は排紙ロッド52を着脱可能に支持する構成とすることが好ましい。図1においては、ロッド支持部62を凹状溝部とする構成例を示しているがこれに限るものではなく、着脱が可能となる構成であればよい。
【0028】
各ロール給紙部60下方の脚部台103上には、排紙バケット50を構成するフロントロッド53の両端部を取り付けるためのサイドロッド66の基端部を角度変更可能に取り付け・支持するサイドロッドブラケット65がそれぞれ固着した状態で設置されている(以下、「固設」ともいう)。各サイドロッド66は、先端部にフロントロッド53の端部を挿入させて支持するロッド支持部66aを備え、基端部がサイドロッドブラケット65により角度変更可能に取り付け・支持されている。サイドロッド66の基端部の角度を変えることにより、フロントロッド53の上下方向Zの位置が変わり、これにより排紙バケット50の排紙収納量を調整することができる。
【0029】
排紙バケット50は、図2および図3に示すように、シートスタック装置・排紙スタック部材とも呼ぶべき一種の排紙トレイである。排紙バケット50は、本体51が可撓性材料である布もしくは布を含んで構成された布部材で形成されていて、本体51の一端部が排紙ロッド52に固定・固着され、本体51の他端部がフロントロッド53に固定・固着されている。
排紙バケット50は、排紙ロッド52がロール給紙部60のロッド支持部62に、フロントロッド53がロッド支持部62よりも低い位置のサイドロッド66のロッド支持部66aに装着支持されることにより、排紙ロッド52とフロントロッド53との間に形成される本体51が、正面視上向きの開口でほぼU字形状をなす状態で保持される。
【0030】
なお、排紙バケット50の本体51は、布もしくは布部材で形成することに限らず、可撓性材料であって排出される用紙10(以下、「排紙」ともいう)の端面やコーナ端部のエッジが引っ掛からない網目・メッシュであれば、例えば網状部材などで形成してもよい。
【0031】
排紙バケット50の本体51は、布で形成された一端部が排紙ロッド52に固定されて排紙ガイド板28の下端部28bと重なる位置から自重で垂れ下がり、ロール紙支持部61の上方から下方にかけてシート幅方向Yに渡り覆うように配置されている。
【0032】
排紙バケット50は、図2に示すように、開口部7の残りの一部(排紙ガイド板28で覆った開口部7の残り)と、ロール給紙部60の下方であり、ロール紙4の下部収容部でもある開口部8をそれぞれ覆うように配置されている。上述したとおり、排紙バケット50は、排紙ガイド板28の下端28bから連続的に排紙ロッド52に繋がるように上下方向Zに配置されている。
【0033】
排紙ロッド52およびフロントロッド53は、主走査方向Yに長い丸棒状をなす部材であり、適宜の樹脂等で形成されている。排紙バケット50は、画像形成装置の装置本体1に対して、ロール給紙部60のロール紙支持部61およびロッド支持部62を介して着脱可能に構成されている。このとき、図2に示すように、排紙バケット50のフロントロッド53は、ユーザ34が装置本体1の前面(正面)1Fに立って操作・メンテナンスするときに支障や邪魔にならないようになっている。
【0034】
図1および図2において、符号5は、ロール紙4から繰り出された用紙10を案内するガイド板を、符号6は、ロール紙4から繰り出された用紙10を給送する給紙ローラを、符号7は、ロール紙4を装置本体1内のロール紙収容部に着脱・セットするための開口部を、符号9は、レジストローラ対を、符号36は、装置本体1の下部に配設された脚部台103を介して設けられたキャスタやスタンド1000の底部を載置する床面を、それぞれ示す。
【0035】
次に図1および図2を参照して、動作を説明する。
給紙ローラ6の作動により、ロール紙4から繰り出された用紙10は、カール癖を印字・画像形成面の下向きに有した状態で搬送され、用紙10の先端がレジストローラ対9のニップ部に突き当たることで一旦停止され、斜行などが修正された後、所定のタイミングで画像形成部3に搬送される。画像形成部3では上記構成によって画像の記録・形成が行われ、画像を記録された用紙(排紙)は、装置本体1の前面1Fの排紙口31から装置本体1の外側に排出され、排紙ガイド板28の上記ガイド面を案内されながら、排紙ガイド板28の下方に連続的に配置される排紙バケット50内に排出されスタック・積載される。
【0036】
なお、画像読取部2は、必須の構成ではなく、なくてもよい。本実施形態では、画像形成部3の装置本体1の上方に画像読取部2が配置されるため、ユーザが原稿を画像読取部2にセットすることを考慮し、装置全体の高さに制限が設けられることになる。
このような画像形成装置の場合、画像形成部3の下部に排紙を収納・積載する排紙スタック部材などを配置することが困難であり、図2に示すように装置本体1の前面1Fにスタック部としての排紙バケット50を配置することになる。また、装置本体1の前面1Fに排紙を収容・積載する排紙バケット50を配置することで、排出された用紙へのアクセスがよく、大判用紙のハンドリングもよいという利点がある。
【0037】
本実施形態の排紙バケット50によれば、上記構成のとおり、画像形成装置の装置本体1より容易に着脱可能であることにより、例えば切断後の用紙サイズを混載可能なワイヤで形成された排紙スタック部材に排紙したい場合や、ロール紙交換の際に手間をかけることなく排紙バケット50を着脱できる。
【0038】
図2、図4および図5を参照して、排紙バケット50に排出される排紙の挙動を説明する。図4(a)は、本発明の第1の実施形態の排紙部29の構成および排紙初期の挙動を説明する図、図4(b)は、本発明の第1の実施形態の排紙挙動を説明する図、図4(c)は、第1の実施形態の排紙部29の構成と比較して排紙ガイド板28が短い場合の比較例1の排紙挙動を説明する図である。
図5(d)は、ロール給紙部に排紙ロッド支持部が無い場合の比較例2の排紙挙動を説明する図、図5(e)、図5(f)は、本発明の別形態を示す図であり、図5(e)は第1の実施形態の排紙部29の構成と比較して排紙ガイド板28が大きい場合の排紙挙動を説明する図、図5(f)は、第1の実施形態の排紙部29の構成と比較して排紙バケット50の排紙ロッド52の取り付け位置がロール紙支持部より上方の場合であって、排紙ガイド板28Bが短いときの排紙挙動を説明する図である。なお、図4(a)〜図4(c)、図5(d)〜図5(f)においては、図の簡明化のため、図2および図3に示したロール給紙部60の図示を省略して図示している。
【0039】
図2、図4(a)および図4(b)に示すように、排紙バケット50の排紙ロッド52の図示しないロール給紙部のロッド支持部(図示せず)への取り付け位置は、排紙ガイド板28と排紙バケット50とが連続的に繋がる位置でなければならない。
図2、図4(a)および図4(b)に示すように、排紙ガイド板28の下端28bと排紙バケット50の上部にある排紙ロッド52とが連続的に繋がっていることにより、図4(a)〜図4(b)に示すように、排出された用紙(排紙)10の先端部が排紙ガイド板28から排紙バケット50内へスムーズに移動していくことで、排紙バケット50内にスタック・保持される。
【0040】
仮に、図4(c)に示すように、図2、図4(a)および図4(b)に示す排紙ガイド板28よりも短い排紙ガイド板28’であって、図示しないロール給紙部のロール紙支持部(図示せず)上方で途切れるような構成の場合、排紙10の印字面がロール紙4に接触し、印字前の用紙10を汚してしまったり、あるいは排紙10の先端部がロール紙4と排紙バケット50の間に入り込んだりすることで、排紙10の印字面がロール紙4に接触し、印字前の用紙を汚してしまう不具合が発生する。
【0041】
また、図5(d)に示すように、排紙ガイド板28の長さが十分であっても排紙バケット50との間に隙間がある場合には、排紙ガイド板28と図示しない排紙バケットとの隙間に排紙10が入り込んでしまったり、同図のように装置本体1の前面1Fに上下2段にロール紙4,4Aを支持するロール紙支持部を2つ有する構成の画像形成装置では、排出された排紙10が下段のロール紙支持部に入り込んで、排紙10の印字面が下段のロール紙4Aに接触し、印字前の用紙を汚してしまう虞がある。
以上説明した理由から、排紙ガイド板28と排紙バケット50とは、ロール紙4を塵埃から保護するだけでなく、印字後の排紙と印字前の用紙の接触を防ぐために連続的に配置されている必要がある。
【0042】
また、図2および図3に示すように、排紙バケット50の排紙ロッド52の装置本体1への取り付け位置、すなわちロール給紙部60のロッド支持部62への取り付け位置は、ロール紙支持部61と同じ高さにあることが好ましい。
【0043】
例えば、排紙ガイド板28と排紙バケット50とを連続的に配置する本発明の構成例として、図5(e)に示すように、排紙ロッド52の装置本体1への取り付け位置がロール紙4より下方とすることもできるし、図5(f)に示すように、排紙ロッド52の装置本体1への取り付け位置がロール紙4より上方とすることもできる。このどちらの構成であっても本発明の目的である排紙ガイド板28と排紙バケット50とは、ロール紙4を塵埃から保護し、印字後の排紙と印字前の用紙の接触を防ぐことは可能である。
【0044】
しかし、図5(e)の構成の場合、排紙ガイド板28Aと排紙バケット50とを上から下に向かって連続的に構成させるためには、大きい排紙ガイド板28Aにする必要がある。ロール紙4交換の際に、排紙ガイド板28Aを上方に跳ね上げて開放する構成のとき、大きい排紙ガイド板28Aであるとロール紙4を取り外す際の妨げとなる。また、ロール紙4とユーザとの距離を規制する要因にもなる。
【0045】
さらに、図5(f)の構成の場合、排紙ガイド板28Bは短くなり、排紙ガイド板28Bの操作性は向上するが、ロール紙支持部上方まで排紙バケット50を配置しなければならなくなる。排紙バケット50の本体51が布部材で構成されているとすると、本体51の布部材を同図の位置で案内するガイド部材55を新たに配置しなければならず、部品点数が増加してしまう。
このように、排紙ガイド板28と排紙バケット50との関係を考えると、排紙バケット
50の排紙ロッド52は、図5(a)、(b)に示すようにロール紙支持部と同じ高さに配置することがより好ましく、さらに部品点数を削減することを考慮すると、排紙バケット50の排紙ロッド52はロール紙4が配置されるロール給紙部60に配置することが好ましい。
【0046】
以上説明したとおり、第1の実施形態によれば、第1に、簡単かつ安価な構成で、排出された画像形成済みの用紙がロール紙支持部61のロール紙4に接触することなく、排紙バケット50内に排出可能であり、かつ、ロール紙4に対する塵埃等の付着を未然に防止可能な画像形成装置としてのインクジェット記録装置100を実現し提供することができる、という基本的な効果を奏する。
【0047】
第2に、排紙バケット50の本体51が、可撓性材料である布部材で形成されており、排紙バケット50は、本体51の一端部が排紙ロッド52に固定されて排紙ガイド板28の下端28aと重なる位置から自重で垂れ下がっていることにより、ロール紙支持部61の上方から下方にかけてシート幅方向Yに渡り覆うように配置されているので、少ない部品点数で排紙部29から排紙バケット50までの排紙経路(シート排出経路)を確保することができる。
【0048】
(変形例1)
図6を参照して、第1の実施形態の変形例1を説明する。図6は、変形例1の排紙バケット50Aの配置位置および形状を説明する図である。
変形例1は、第1の実施形態と比較して、図1および図2に示した排紙ガイド板28と排紙バケット50とを一体的に構成した排紙バケット50Aを用いる点のみ相違する。この相違点以外の変形例1の構成は、第1の実施形態と同様である。
すなわち、変形例1の排紙バケット50Aは、図6に示すように、排紙ロッド52を排紙口31の前面1Fに設けた凹溝状をなすロッド支持部(図示せず)に装着して配置し、ロール紙支持部の上方と前面を本体上下方向Zに配設された複数のガイド部材54に沿って覆うように配置することで、排紙ガイド板がなくともロール紙支持部に装着されたロール紙4を保護できるとともに、排紙経路が確保できる。
ガイド部材54は、図1および図2に示した排紙ガイド板28と同様の姿勢を形成して同様の機能を発揮するために設けており、排紙バケット50Aの本体51の布部材に一体的に設けてもよいし、装置本体1側に着脱可能に設けてもよい。排紙バケット50Aの本体51の布部材に一体的に設けた場合には、各ガイド部材54の両端部を支持する支持部や支持部材を装置本体1側に設けることが必要である。このように、ガイド部材54とガイド部材54により支持される排紙バケット50Aの本体51とによって、ロール紙4の上方から前方にかけて連続して覆われる構成としてもよい。
【0049】
(変形例2)
図7を参照して、変形例1の別の変形例2を説明する。図7は、変形例2の別体化した排紙バケットを説明する図である。
変形例2は、図6に示した変形例1と比較して、排紙バケット50Aに代えて、装置本体1とは別体で構成され、装置本体1に対して着脱可能に構成されたユニット化された排紙バケット50Bを用いる点が主に相違する。この相違点以外の変形例2の構成は、変形例1と同様である。
【0050】
図6に示したように、排紙バケット50Aの排紙ロッド52を排紙口31の前面1Fに配置し、排紙バケット50Aの本体1の布部材でロール紙支持部の上方と前面を覆う構成では、排紙バケット50Aが大型化し、ロール紙4交換の際の操作性に影響するため、変形例2を創作した。
【0051】
図7において、符号200はキャスタ付きの移動スタンドを、符号201は移動スタンド200上に配置されたユニットフレームを、符号202はユニットフレーム201の上部に設けられたロッド支持部ブラケットを、符号67、68はロッド支持部材を、それぞれ示す。排紙バケット50Bは、布部材で形成された本体51Bと、第1の被支持部としての排紙ロッド52B、第2の被支持部としてのフロントロッド53Bとを有する。排紙ロッド52Bの両端部(紙面に直交する方向の各端部)は、紙面に直交する方向の各端部に配設されているロッド支持部材67に支持され、フロントロッド53Bの両端部(紙面に直交する方向の各端部)は、紙面に直交する方向の各端部に配設されているロッド支持部材68に支持されている。ロッド支持部材67、68の各基端部は、紙面に直交する方向の各端部に配設されたロッド支持部ブラケット202によって角度変更可能に支持されており、これにより排紙バケット50Bの排紙収納量を変えることができるようになっている。
【0052】
上述のように構成された排紙バケット50Bを、移動スタンド200ごと図の右側に移動させ、排紙ロッド52Bが排紙ガイド板28の下端部28bと重なる位置で移動スタンド200を停止させて、排紙バケット50Bを図2に示したと同様に装着・セットすることができる。
なお、ユーザの操作性をそれ程望まなくてもよいのであれば、ロッド支持部材67は必須の構成ではなく、ロッド支持部材67を除去して、上述したように移動スタンド200ごと排紙バケット50Bを図の右側に移動させた後、第1の実施形態と同様のロール給紙部60を装置本体1の前面1F側に配置しておくことで、ユーザが排紙ロッド52Bをロール給紙部60のロッド支持部に装着・セットするようにしてもよい。
【0053】
変形例2では、変形例1と比較して排紙バケット50Bを装置本体1とは別体に構成し、移動可能とすることで操作性を大幅に改善することができる。すなわち、変形例2によれば、ロール紙4の交換時に、装置本体1の前面1Fに配置されるものを無くすことができ、ユーザの操作性・作業性を向上できる。
【0054】
(変形例3)
図8を参照して、第1の実施形態の変形例3を説明する。図8は、変形例3の排紙バケット50Cを説明する図である。
第1の実施形態や変形例1および2のように、ロール紙支持部の前面1Fを覆ってしまうような構成ではロール紙4の残量を把握することが困難である。そこで、ロール紙4の残量を目視で把握可能とする変形例3を創作した。
【0055】
変形例3は、図1および図2に示した第1の実施形態と比較して、排紙バケット50に代えて、排紙バケット50Cを用いる点が主に相違する。この相違点以外の変形例3の構成は、第1の実施形態と同様である。
排紙バケット50Cは、第1の実施形態の排紙バケット50と比較して、図8に示すように、画像形成装置で使用可能な最小サイズの用紙10が通過する、シート幅方向Yの本体51の範囲(最小通紙幅58)内であって、かつ、ロール紙支持部の前面1F側の範囲内に透視部の一例としての開口したスリット57を備えている点のみ相違する。変形例3は、上記の他に、変形例1、2にも適用することができる。
【0056】
図8に示すように、ロール紙4の一部が装置本体1の前面1Fから目視できるように排紙バケット50Cの本体51の布部材にスリット57を設ける場合、排出された用紙(排紙)の幅方向の端部にスリット57が位置してしまうと、用紙の端部がスリット57に引っ掛かり、用紙のシワやちぎれの原因となるのでスリット57は排出される最小サイズの用紙が通過する最小通紙幅58の範囲であって、装置本体1の前面1Fからロール紙4の残量が視認しやすいロール紙支持部の前面1Fに設けることが望ましい。また、スリット57の下端は、排出された用紙(排紙)が排紙ガイド板28から排紙バケットに最初に当接する位置よりも上方にあると、用紙(排紙)の先端がスリット57に入り込むことを防止できるのでより好ましい。
透視部は、スリット57に限らず、例えば透明材料(透明な塩化ビニール等)を視認すべき部位に貼り付け・接着したものでもよい。もちろん、視認すべき部位以外の領域にも透明材料を用いても構わない。
【0057】
変形例3によれば、ロール紙支持部全面が覆われている構成においても、排紙バケット50Cや排紙ガイド板28を取り外す作業や操作することなく、ロール紙4の残量を目視把握することができ、かつ、排紙品質を悪化させることもない。
【0058】
(第2の実施形態)
図9および図10を参照して、本発明の第2の実施形態を説明する。図9は、本発明の第2の実施形態を示す画像形成装置の簡略的な斜視図、図10は、同画像形成装置の模式的な側面図である。なお、図10では、図9に示す画像読取部およびスタンドを省略している。また、構成が分かりやすいように排紙スタック部材150は透過図で図示している。
【0059】
まず、図9および図10を参照して、第2の実施形態に係る画像形成装置全体の構成とともに要部の動作を説明する。なお第1の実施形態と共通の部分については説明を省略する。画像を記録された用紙(排紙)は、排紙ガイド板28の上記ガイド面を案内されながら、排紙ガイド板28の下方に配置されるスタック部としての排紙スタック部材150まで連続的に案内、排出されスタック・積載される。
排紙ガイド板28の下端部には、後述する排紙スタック部材150の上部一端部の被係止部151aを係止するための、断面正方形状をなす四角棒状の係止部28c(図11に2点鎖線で拡大して示す)が一体的に形成されている。被係止部151aは、下向きに開口を備え、ほぼU字形状に曲げられた形状をなす。
【0060】
排紙スタック部材150は、一種の排紙トレイであり、樹脂材料を用いて図示薄板状の形状に一体的に形成されている。排紙スタック部材150は、被係止部151aが排紙ガイド板28の係止部28cに係止され、他端部154aがシート排出方向Xaに突出する姿勢で配置されている。このとき、図10に示すように、排紙スタック部材150の他端部154aは、操作者やユーザ(以下、「ユーザ」という)が装置本体1の前面(正面)1Fに立って操作・メンテナンスするときに邪魔にならないようになっている。
なお、排紙スタック部材150は、排紙ガイド板28と別体でなく、一体的に形成してもよい。
【0061】
図9に示すように、排紙ガイド板28における主走査方向Yの両端部を除く中央部の排紙ガイド板中央28bは、排紙口31下方近傍の前面1Fに設けられた図示しない支軸(ヒンジ)を中心として揺動・開閉可能になっている。排紙ガイド板中央28bは、係止部28cと一体的に形成されておらず、排紙ガイド板中央28bの閉状態では、排紙ガイド板28における主走査方向Yの両端部に渡り挿通している係止部28cに前後方向Xにおける後方向への揺動が規制された状態にある。
【0062】
排紙スタック部材150は、画像形成装置の装置本体1に対して着脱可能になっている。すなわち、排紙スタック部材150を装置本体1へ装着するときには、図9において、ユーザが排紙ガイド板中央28bを開放した後、排紙スタック部材150の被係止部151aを露出した係止部28cに係止すればよい。この際、排紙スタック部材150のU字形状をなす被係止部151aが四角棒状の係止部28cに所定の摩擦力をもって強固に係止される。排紙スタック部材150を装置本体1から離脱するときには、上述したと逆の操作を行えばよい。このような簡単な構成および操作で、図9および図10に示す排紙スタック部材150の姿勢を排紙積載時を含めて保持することができる。
【0063】
本実施形態に記載の排紙スタック部材150によれば、上記構成のとおり、画像形成装置の装置本体1より容易に着脱可能であることにより、例えば排紙をより大量に収納可能な布材等の可撓性材料で形成された排紙バケット部材に排紙したい場合や、ロール紙交換の際に手間をかけることなく排紙スタック部材を着脱できる。
【0064】
図11を参照して、排紙スタック部材150の形状・構成を詳述する。
図11に示すように、排紙スタック部材150は、図9および図10に示した装置本体1の前面1Fの排紙口31から排出される用紙(排紙)におけるシート排出方向Xaの先端位置を規制する先端規制部152が下端部に形成され、用紙の先端を先端規制部152に案内する案内部としての排紙案内部151と、先端規制部152に連結され、先端規制部152から上方に向けて排紙案内部151とのシート排出方向Xaの間隔が広がるように傾斜して形成されるとともに、用紙の先端部の表面を載置する第1の傾斜部153と、第1の傾斜部153の上端に連結され、第1の傾斜部153の傾斜角度θ1よりも緩い傾斜角度θ2の傾斜面を形成するとともに、シート排出方向Xaの下流端としての他端部154aを支点として用紙の後端部を垂れ下げるように載置する第2の傾斜部154とを有する。
【0065】
ここで、「先端規制部152に連結され」とは、「先端規制部152から連続して形成されている」ことを意味する。第1の傾斜部153と第2の傾斜部154とは、上向きに凸になるように折れ曲がる連結部155を介して連続的に繋がって形成されている。
排紙案内部151は、鉛直・上下方向Zに沿って延びて形成されている。傾斜角度θ1は、鉛直方向Zと直交する図11に破線で示す水平線に対して第1の傾斜部153がなす角度であり、傾斜角度θ2は、水平線に対して第2の傾斜部154がなす角度である。
図9および図11に示すように、本実施形態の排紙スタック部材150は、上述したとおりの断面形状をもって主走査方向Yに延び、樹脂板で一体的に形成されている。図9に示すように、排紙スタック部材150には、用紙の先端を案内するリブ156が複数形成されている。これらのリブ156は、排紙スタック部材150の補強・形状保持も兼ねている。
なお、ここで排紙スタック部材150は樹脂材料を用いて一体的に形成したもの、あるいは樹脂板を用いて図示形状に形成したものに限られるものではなく、例えば布やフィルム等のシート状の部材を複数の支軸で支えることにより図11のような形態としてもよい。
【0066】
図12を参照して、排紙スタック部材150に排出された用紙10の挙動・動作の推移状態を説明する。
図12(a)に示すように、排紙部29の排紙口31から排出された用紙10の先端は排紙ガイド板28のガイド面に沿って案内されながら、さらに排紙スタック部材150の排紙案内部151に案内されつつ先端規制部152に到達する。次いで、用紙10の先端10aは先端規制部152に突き当たり、用紙10は排出される勢いで第1の傾斜部153側に広がり、用紙10の先端部表面(印字面)が接触する。さらに用紙10が排出されていくことで、用紙10が第1の傾斜部153と第2の傾斜部154の連結部(折れ曲がり部)155からシート排出方向Xaの下流側に図中矢印方向に膨らみ(図12(b)参照)を形成し、図12(c)に示すように、その状態で用紙10の後端10bが切断・排出されることで、用紙10の後端部が用紙のコシの強さでシート排出方向Xaの下流側で折り返り、他端部154aを支点として図中矢印方向に垂れ下げるように第2の傾斜部154に載置されることによって、排紙スタック部材150にスタック・保持される。
【0067】
図13を参照して、排紙スタック部材150の第1の傾斜部153および第2の傾斜部154と、カッタ27により切断された用紙サイズとの関係について説明する。
本実施形態の排紙スタック部材150は、装置本体1のロール紙収納部(図9および図10の開口部7、スプール軸受け台30の総称)に搭載可能な最大幅のロール紙4の幅方向を長辺とする切断後における用紙サイズのシート排出方向Xaの短辺の長さをLx(以下、「切断後の長さLx」ともいう)とし、このロール紙4と同一幅の幅方向を短辺とする切断後における用紙サイズのシート排出方向Xaの長さを2Lx(以下、「切断後の長さ2Lx」ともいう)とした2種類の用紙サイズの用紙が混載可能に構成されている。以下、切断後の長さLxの用紙10を小サイズの用紙10(Lx)ともいい、切断後の長さ2Lxの用紙10を大サイズの用紙10(2Lx)ともいう。
排紙スタック部材150が上述した構成を備えているのは、消費者・ユーザからの次のような要望に基づいている。すなわち、大判ロール紙を被記録媒体として利用する画像形成装置の場合、その利用特性として装置に搭載可能な最大幅の大判ロール紙より出力可能な用紙サイズ(例えば、A1機の場合、594mm幅のロール紙からA1縦(長辺:841mm)とA2横(短辺:420mm)が出力可能)のみを利用することがほとんどであり、シート排出方向Xaの長さが2倍異なる2サイズの用紙のみ順序性を保って混載スタックできれば装置利用上不便しないことによる。
【0068】
図13に示すように、排紙スタック部材150の第1の傾斜部153に沿うシート排出方向Xaの長さA(以下、単に「第1の傾斜部153の長さA」ともいう)が、切断後の長さLxの用紙10である小サイズの用紙10(Lx)より短く設定・形成されている。
なお、図13において、第2の傾斜部154のシート排出方向Xaに沿う長さB(以下、単に「第2の傾斜部154の長さB」ともいう)は、換言すれば、連結部155から他端部154aまでの第2の傾斜部154に沿うシート排出方向Xaの寸法でもある。
この理由は、図14(a)に示すように、小サイズの用紙10(Lx)を排紙スタック部材150にスタックするためには、ロール紙4の巻き癖であるカール癖をキャンセルする必要があり、第1の傾斜部153と第2の傾斜部154との連結部155で用紙10をカール方向と逆向きに曲げる必要があるからである。第1の傾斜部153の長さAが小サイズの用紙10(Lx)よりも長いと、小サイズの用紙10(Lx)の後端部を曲げることができない。
【0069】
また、図14(c)に示すように、小サイズの用紙10(Lx)と大サイズの用紙10(2Lx)とを混載して排紙スタック部材150にスタックさせるためには、仮に小サイズの用紙10(Lx)が先に排紙スタック部材150にスタックされていた場合に、小サイズの用紙10(Lx)の後端部(同図における上端部)が第2の傾斜部154側に折り返っていることで、後から排出されてくる大サイズの用紙10(2Lx)の後端側が先に排出された小サイズの用紙10(Lx)の後端部とぶつかり、折れ曲がってしまうことを防ぐ必要があるからである。第1の傾斜部153の長さAが切断後の長さLxの用紙10(小サイズの用紙10(Lx))よりも短いことで、これを防止することができる。このことは小サイズの用紙10(Lx)が連続排紙される場合にも当てはまる。
【0070】
図14(b)に示すように、大サイズの用紙10(2Lx)を排紙スタック部材150にスタックするためには、排紙スタック部材150に接触・載置する用紙の長さと、排紙スタック部材150外に出て垂れ下がる用紙の長さのバランスが確保され、大サイズの用紙10(2Lx)が排紙スタック部材150の第2の傾斜部154から滑り落ちないようにする必要がある。
【0071】
図15に示す図表は、排紙スタック部材150における第1の傾斜部153の長さAと第2の傾斜部154の長さBとの総和である合計長さ(A+B)と、切断後の長さ2Lxの用紙10(大サイズの用紙10(2Lx))の排紙スタック部材150に対するスタック成否を評価した結果をまとめたものである。
以下、図15の評価試験に用いた条件を列挙する。
(a)使用したロール紙の用紙の物性:70g/m(メートル坪量)
(b)本実施形態の画像形成装置に搭載可能な最大幅のロール紙の幅寸法:A0サイズ、
841mm
(c)A0サイズロール紙の幅方向を長辺とする切断後の長さLx=594mm
(d)A0サイズロール紙の幅方向を短辺とする切断後の長さ2Lx=1188mm
(e)排紙スタック部材150の傾斜角度θ1=65°±3°、傾斜角度θ2=35°±3°
【0072】
図15の評価試験結果より、第1の傾斜部153の長さAと第2の傾斜部154の長さBとの合計長さ(A+B)が、切断後の長さ4Lx/5より長く設定・形成されているとき、排紙スタック部材50にスタック可能であることが確認できた。
【0073】
また、本実施形態の排紙スタック部材150においては、第2の傾斜部154は第1の傾斜部153より上向きに傾斜を有する必要がある。仮に下向きの傾斜を有するとすると、排紙スタック部材150内に用紙を保持する機能が弱く、たとえ第1、第2の傾斜部153,154の長さA,Bが確保されていても、用紙が排紙スタック部材150の第2の傾斜部154から滑り落ちてしまう。
【0074】
また、図14(a)に示したように、第1の傾斜部153と第2の傾斜部154との連結部155で小サイズ用紙10(Lx)のカール方向と逆向きに折り返すためには、第2の傾斜部154の傾斜角度θ2が第1の傾斜部153の傾斜角度θ1より緩やかである必要がある。仮に第2の傾斜部154の傾斜角度θ2が第1の傾斜部153の傾斜角度θ1より急であるとすると、排紙スタック部材150内に排出された用紙は排紙案内部51と第1の傾斜部153との間でカール癖によって丸まってしまう。
上述したことから、傾斜角度θ1=45°以上90°未満、傾斜角度θ2=0°以上4
5°未満の範囲内に設定することが望ましい。
【0075】
図16を参照して、先端規制部における排紙ガイド部と第1の傾斜部との間隔について補説する。図16(a)は、比較例としての排紙スタック部材500の先端規制部552に案内された用紙10の先端部の挙動を、図16(b)は、本実施形態の排紙スタック部材150の先端規制部152に案内された用紙10の先端部の挙動を、それぞれ示している。排紙スタック部材500の各部は、本実施形態の排紙スタック部材150を構成する各部の符号に数値「400」を加えたもので示されている。
【0076】
図16(a)の排紙スタック部材500のように、排紙ガイド部551と第1の傾斜部553とのシート排出方向Xaの間隔が、画像形成装置に搭載可能なロール紙の最小ロール径より大きい場合、排出され先端規制部552に達した用紙10の先端部はロール紙の巻き癖によって生じたカール癖にならって丸まろうとするため、連結部555で折り返ることができなくなってしまう。
しかしながら、図16(b)に示す本実施形態の排紙スタック部材150のように、排紙案内部151と第1の傾斜部153とのシート排出方向Xaの間隔が、画像形成装置に搭載可能なロール紙の最小ロール径より小さい場合、上記間隔がカール癖のカール径より狭いので、用紙10の先端部が排紙案内部151と第1の傾斜部153とにガイドされ先端規制部152で位置規制されるとともに、用紙10のコシの強さによって丸々ことなく連結部155で折り返ることができる。なお、最小ロール径とは、巻かれている用紙が消費されて芯材に直接巻かれるほど小さくなったロール紙の外周径をいう。
ここで、排紙案内部151と第1の傾斜部153とのシート排出方向Xaの間隔が、画像形成装置に搭載可能なロール紙の最小ロール径より小さい範囲が、必ずしも第1の傾斜部153の全範囲に渡って確保されている必要はない。
【0077】
以上説明したとおり、第2の実施形態の排紙スタック部材150によれば、第1に、操作性を維持しつつ、ロール紙4が積載された場合でも滑り落ちることなくスタック・積載することができるという基本的な効果を奏する。
第2に、小サイズの用紙10(Lx)および大サイズの用紙10(2Lx)の2種類の用紙サイズの用紙を順序性を保って混載スタックすることができる。
第3に、第1の傾斜部153の長さAと第2の傾斜部154の長さBとの合計長さ(A+B)が、切断後の長さ4Lx/5より長く設定・形成されているとき、排紙スタック部材150にスタック可能となる。
第4に、排紙案内部151と第1の傾斜部153とのシート排出方向Xaの間隔が、画像形成装置に搭載可能なロール紙の最小ロール径より小さい場合、上記間隔がカール癖のカール径より狭いので、用紙10の先端部が排紙案内部151と第1の傾斜部153とにガイドされ先端規制部152で位置規制されるとともに、用紙10のコシの強さによって丸々ことなく連結部155で折り返ることができ、排紙スタック部材150にスタックすることができる。
【0078】
(変形例1)
図17を参照して、第2の実施形態の変形例1を説明する。図17(a)は、変形例1の排紙部29と排紙案内部151との位置関係を示す模式的な側面図、図17(b)は、変形例1の排紙スタック部材150に排出される小サイズの用紙10(Lx)の挙動を示す模式的な側面図、図17(c)は、第2の実施形態の排紙スタック部材150に排出される小サイズの用紙10(Lx)の挙動を示す模式的な側面図である。なお、排紙ガイド板28の下端部は、排紙スタック部材150との位置関係を明確にするため省略している。
変形例1は、第2の実施形態と比較して、図9、図10および図17(c)に示す排紙スタック部材150の配置位置を、図17(a)および図17(b)に示すように変更した点のみ相違する。この相違点以外の変形例1の構成は、第2の実施形態と同様である。
すなわち、変形例1の排紙スタック部材150は、図17(a)および図17(b)に示すように、排紙案内部151が、排紙部29の排紙ガイド板28よりもシート排出方向Xaの上流側であって、図示の例では排紙ガイド板28よりも装置本体の内側に距離cだけ偏倚した位置に配置されている。
【0079】
図17(a)〜図17(b)に示すように、排出された用紙10が排紙部29の排紙ガイド板28から排紙案内部151へ案内されつつ進入する際に、用紙10のカール癖によって、用紙10の先端10aが排紙案内部151に当接しながら先端規制部152内に進んでいく。小サイズの用紙10(Lx)が排出される場合、用紙10(Lx)の先端10aが先端規制部152に到達しない状態で小サイズの用紙10(Lx)の後端10bが切断・排出されることがある。その際に、排紙案内部151が排紙ガイド板28の先端より装置本体側に配置されていると、排出された小サイズの用紙10(Lx)の先端10aはそのカール癖によって排紙案内部151に当接ないし、排紙ガイド板28より排紙案内部151側に位置しながら排出が進行する。その状態で小サイズの用紙10(Lx)の後端10bが切断され排出されることで、排出された小サイズの用紙10(Lx)の後端10bは先端10aを支点として図17(b)中矢印で示す回転方向に倒れながら排紙スタック部材150に収まる。それによって、用紙長さが短く図12(a)〜図12(c)に示すような挙動をさせることができない場合であっても、小サイズの用紙10(Lx)を排紙スタック部材150の第1および第2の傾斜部153、154側に導き移動させ、スタックすることができる。
【0080】
変形例1に対し、図17(c)に示す第2の実施形態の排紙スタック部材150では、排紙案内部151が排紙ガイド板28のほぼ真下に位置するため、小サイズの用紙10(Lx)のコシが弱い場合、用紙10(Lx)が真っ直ぐ落ちてそのまま撓んでしまうことにより、連結部155できれいに折れ曲がらず良好にスタックできない場合がある。
【0081】
上述したとおり、変形例1によれば、排出される用紙10の先端10aが先端規制部152に到達しない状態で用紙10の後端10bが切断・排出される場合であっても、用紙10を排紙スタック部材150の第1および第2の傾斜部153、154側に導くことができる。
【0082】
(変形例2)
図18を参照して、変形例1の別の変形例2を説明する。
変形例2は、図17(a)および図17(b)に示した排紙スタック部材150に代えて、スタック部としての排紙スタック部材100を用いる点が主に相違する。排紙スタック部材100は、排紙スタック部材150と比較して、ガイド部としての排紙案内部151に代えて、ロール紙4と対向する対向部101と、対向部101の下方に形成され、ロール紙4の下方で屈曲形成された屈曲部102とを備えている点が主に相違する。この相違点以外の変形例2の構成は、変形例1と同様である。対向部101および屈曲部102以外の排紙スタック部材100の各部は、変形例1の排紙スタック部材150を構成する各部の符号に数値「100」を加えたもので示されている。
【0083】
変形例2の排紙スタック部材100によれば、屈曲部102をロール紙4の下方に配置させることで、第2の傾斜部254の装置本体1の前面1F(図9および図10参照)への突出量が少なく済む。したがって、装置本体1へのアクセス(例えば、装置本体1に開閉自在に設けられている前カバー(図示せず)の開放、装置本体1上部に配置された画像読取部2(図10参照)への原稿挿入)が容易になる。
【0084】
以上説明したとおり、本発明を特定の実施形態や変形例等について説明したが、本発明が開示する技術内容は、上述した実施形態や変形例等に例示されているものに限定されるものではなく、それらを適宜組み合わせて構成してもよく、本発明の範囲内において、その必要性および用途等に応じて種々の実施形態や変形例あるいは実施例を構成し得ることは当業者ならば明らかである。
例えば、画像形成部3は、シリアル型インクジェット記録装置に限定されず、ライン型インクジェット記録装置や電子写真方式による画像形成装置等またはそれら複数の機能を組み合わせた装置でもよい。
図1および図9に示した画像形成装置に限らず、画像読取部2に加えて、装置本体の上部の正面側に操作部としての操作パネルを設けたものであってもよい。また、画像読取部2が配設されていない、例えば専らコンピュータ等の外部入力データやコンパクトディスク等の各種記憶媒体に記録されているデータに基づいて画像形成を行う画像形成装置であってもよい。
また、ロール紙およびこれから用紙を繰り出し可能に支持する方式は、スプール軸を用いたスプール方式に限らず、フランジを用いたフランジ方式でもよい。
【符号の説明】
【0085】
1 装置本体
1F 装置本体の前面
2 画像読取部
3 画像形成部
4 ロール紙(シートロール)
7 開口部
8 開口部
9 レジストローラ対
10 用紙(シート)
11 原稿台(原稿載置台)
20 キャリッジ
27 カッタ(シート切断手段)
28 排紙ガイド板(ガイド部)
29 排紙部(排出部)
31 排紙口(シート排出口)
34 ユーザ
36 床面
50、50A、50B、50C 排紙バケット(スタック部)
51 排紙バケットの本体
52 排紙ロッド(第1の被支持部)
53 フロントロッド(第2の被支持部)
54 ガイド部材
57 スリット(透視部)
58 最小通紙幅
60 ロール給紙部(支持部)
61 ロール紙支持部(シートロール支持部)
62 ロッド支持部
100、150 排紙スタック部材(スタック部)
101 対向部(案内部)
102 屈曲部(案内部)
151 排紙案内部(案内部)
151a 被係止部
152、252 先端規制部
153、253 第1の傾斜部
154、254 第2の傾斜部
154a 他端部
X 前後方向
Xa シート排出方向
Y 主走査方向、シート幅方向
Z 鉛直・上下方向
【先行技術文献】
【特許文献】
【0086】
【特許文献1】特開平11−139632号公報
【特許文献2】特許第3612162号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体の下部に配置され、長尺状のシートが巻き付けられて形成されたシートロールからシートを繰り出し可能に支持するシートロール支持部と、
前記シートロール支持部から繰り出されたシートに画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部よりもシート搬送方向の下流側に位置し、画像形成後のシートをシート排出方向に排出する排出部と、
前記排出部から排出されるシートを装置本体前方へと案内するガイド部と、
前記ガイド部を通過したシートを積載するスタック部と、
を有し、
前記ガイド部と前記スタック部とにより、前記シートロールの上方から前方にかけて前記シート排出方向と直交するシート幅方向に渡り覆われていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、
前記スタック部の前記排出部側の一端に第1の被支持部を有し、該第1の被支持部が前記シートロール支持部の位置とほぼ同じ高さに配置された支持部に支持されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2記載の画像形成装置において、
前記支持部は、前記シートロール支持部と同一の部材に形成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項2または3記載の画像形成装置において、
第1の被支持部は、前記支持部に着脱可能に支持されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れか一つに記載の画像形成装置において、
前記ガイド部は、前記排出部側に支軸を有し、前記ガイド部の装置前方側が、前記支軸を中心として上方へと揺動することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1ないし5の何れか一つに記載の画像形成装置において、
前記スタック部は、前記装置本体とは別体で構成され、該装置本体に対して着脱可能に構成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1ないし6の何れか一つに記載の画像形成装置において、
前記スタック部の本体は、可撓性材料で形成されており、
前記スタック部は、前記本体の一端部が第1の被支持部に固定されて前記ガイド部の下端と重なる位置から自重で垂れ下がっていることにより、前記シートロール支持部の上方から前方に至るまで前記シート幅方向に渡り覆うように配置されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1ないし7の何れか一つに記載の画像形成装置において、
前記スタック部の本体は、可撓性材料で形成されており、
前記画像形成装置で使用可能な最小サイズのシートが通過する、前記シート排出方向と直交するシート幅方向の前記本体の範囲内であって、かつ、前記シートロール支持部の前面側の範囲内に透視部を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1ないし6の何れか一つに記載の画像形成装置において、
前記スタック部は、排出されたシートの先端位置を規制する、下端に設けられた先端規制部と、
前記先端規制部にシートの先端を案内する案内部と、
前記先端規制部に連結され、該先端規制部から上方に向けて前記案内部との前記シート排出方向の間隔が広がるように傾斜して形成されるとともに、シートの先端側の画像形成面を載置される第1の傾斜部と、
第1の傾斜部の上端に連結され、第1の傾斜部の傾斜角度よりも緩い角度の傾斜面を形成するとともに、排出された前記シートの後端側の画像形成面が載置される第2の傾斜部と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項9記載の画像形成装置において、
前記先端規制部における前記案内部と前記第1の傾斜部との間隔は、前記画像形成装置に搭載可能な前記シートロールの最小外周径よりも小さいことを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項10記載の画像形成装置において、
前記案内部は、前記シートロール支持部と対向する対向部と、該対向部の下方に形成され、前記先端規制部が前記シートロール支持部の下方側に屈曲形成された屈曲部とを備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項9または10記載の画像形成装置において、
前記シートロールから繰り出されたシートを所定の長さに切断するシート切断手段を有し、
前記スタック部は、前記シート切断手段で切断された複数のサイズのシートを積載し、前記複数のサイズのうち、前記シート排出方向の長さが最小となるサイズにおける前記シート排出方向の長さをLxとしたとき、
第1の傾斜部の長さが、前記Lxより短く形成されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項9または10記載の画像形成装置において、
前記シートロールから繰り出されたシートを所定の長さに切断するシート切断手段を有し、
前記スタック部は、前記シート切断手段で切断された複数のサイズのシートを積載し、前記複数のサイズのうち、前記シート排出方向の長さが最大となるサイズにおける前記シート排出方向の長さを2Lxとしたとき、
第1の傾斜部の長さと、第2の傾斜部の長さとの総和が、4Lx/5より長く形成されていることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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