説明

画像形成装置

【課題】定着装置において記録材の先端が定着ローラに1周以上巻き付くジャムが発生した場合に、ユーザが記録材を引き抜く作業を容易にする技術を提供する。
【解決手段】加圧ローラと定着ローラとを有し、加圧ローラと定着ローラとにより形成されるニップ部に記録材を狭持し加熱することにより記録材上の未定着トナー像を定着させる定着手段と、画像形成が正常に行われている場合の記録材の搬送方向を順方向として、定着手段における記録材の搬送方向を順方向とその逆方向とのいずれかに切り替えて記録材を搬送する搬送手段と、記録材のジャムの発生を検知するジャム検知手段と、ジャム検知手段によりジャムの発生が検知された場合に、記録材を逆方向に所定量搬送するよう前記搬送手段を制御する制御手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置は、用紙上に形成したトナー像を熱と圧力とによって定着させる定着装置を持つ。この定着装置は、定着ローラ、加圧ローラからなる定着ローラ対を持ち、それぞれのローラ内部にヒータを備えるのが一般的である。
印字時に、この定着ローラ対のニップ部周辺に用紙詰り(以下、ジャムと記載する)が発生する場合がある。定着装置のジャムには、用紙がアコーディオン状になってしまうアコーディオンジャムや、定着ローラに巻き付いてしまう巻き付きジャムなどがある。用紙がこの定着装置の定着ローラ対のニップを正常に通り抜けられたか否かを確認するため、定着装置の出口にセンサ(以下、排紙センサと記載する)を配置することが考えられる。ここで、定着ローラ対のニップ部近傍は定着ローラ内部のヒータの熱の影響で高温になるため、定着ローラ対のニップ部近傍には排紙センサを配置することが難しく、ニップ部から離して排紙センサを配置する必要がある。そうすると、排紙センサによって用紙が正常に定着装置を通過していないことが検知されたときには既に定着ローラに用紙が巻き付いてしまっている場合があり得る。このようなジャムが発生した場合、ユーザが用紙を引き抜くことによりジャム処理をする必要がある。特許文献1には、ジャム発生時に定着ローラと加圧ローラとを離間させることによって、ジャム処理時にユーザが用紙を引き抜くために要する力を軽減させることにより、ユーザが容易にジャム処理を行えるようにする方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−139676号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
定着ローラに用紙の先端が1周以上巻き付いてしまうと、用紙と用紙が重なった部分でトナーが融着してしまう可能性があり、その場合ユーザが用紙を引き抜く作業が容易でなくなる。定着ローラに用紙の先端が1周以上巻きついてしまう前にジャムの発生を検知するためには、次の式が成り立つように排紙センサを配置する必要がある。
定着ニップと排紙センサ間の距離<定着ローラ径×π
しかしながら、近年、定着装置の小型化が進んでおり、定着ローラ径が小さくなっているため、この式が成り立つような位置は定着ローラ対のニップ部に近くなってしまい、定着ローラの熱の影響を考慮すると排紙センサを配置することが難しい。
【0005】
本発明は、ジャムの発生が検知されたときに記録材の先端が定着ローラに1周以上巻き付いた状態になり得る画像形成装置において、ユーザによるジャム処理の作業を容易にする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、加圧ローラと定着ローラとを有し、加圧ローラと定着ローラとにより形成されるニップ部に記録材を狭持し加熱することにより記録材上の未定着トナー像を定着させる定着手段と、
画像形成が正常に行われている場合の記録材の搬送方向を順方向として、前記定着手段における記録材の搬送方向を順方向とその逆方向とのいずれかに切り替えて記録材を搬送
する搬送手段と、
記録材のジャムの発生を検知するジャム検知手段と、
前記ジャム検知手段によりジャムの発生が検知された場合に、記録材を逆方向に所定量搬送するよう前記搬送手段を制御する制御手段と、
を備える画像形成装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ジャムの発生が検知されたときに記録材の先端が定着ローラに1周以上巻き付いた状態になり得る画像形成装置において、ユーザによるジャム処理の作業を容易にすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】画像形成装置の全体構成図
【図2】画像形成装置のシステム構成を説明するためのブロック図
【図3】ジャム検知方法を説明するための図
【図4】実施例1を説明するための図
【図5】実施例1を説明するためのフローチャート
【図6】実施例2を説明するための図
【図7】実施例2を説明するためのフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施例を詳しく説明する。
(実施例1)
実施例1は、定着装置下流に配置した排紙センサによる検知結果に基づきジャムの発生が検知されたときに用紙の先端が定着ローラに1周以上巻き付いた状態になっている場合があり得る画像形成装置である。本実施例の画像形成装置は、記録材のジャムの発生を検知したときに、加圧ローラと定着ローラを離間するとともに、記録材を逆方向に所定量搬送した後記録材の搬送を停止するように定着ローラを逆転させる。所定量は、発生したジャムが記録材の定着ローラへの巻き付きであった場合に、少なくとも記録材の巻き付きが1周未満になるまでの量である。所定量記録材を逆方向に搬送した後記録材の搬送が停止されることで、発生したジャムが記録材への巻き付きであった場合でも、記録材が1周以上定着ローラへ巻き付いた状態が解消される。例えば、定着装置から排紙センサまでの距離と定着ローラの1周分の周長との差の分だけ定着ローラを逆転させることで、定着ローラに用紙が1周以上巻き付いた状態になってしまっていた場合には、その状態が解消されるようになる。これにより、定着ローラに巻き付くジャムが発生した場合でも、定着ローラに巻き付いた用紙のトナー融着部分が用紙の他の部分と重なることが抑制され、ジャム処理の作業でユーザが用紙を引き抜くために要する力が軽減される。
【0010】
なお、本実施例では、イエロー→マゼンタ→シアン→ブラックの順に画像形成を行うものとする。以下、色毎に備わる同一の構成要素には同一の符号に各色を示す添え字を付して表す。各色の添え字は、イエローをY、マゼンタをM、シアンをC、ブラックをBとする。
【0011】
図1で、本実施例における画像形成装置としてのレーザプリンタ全体の構成についての概略を説明する。
図1に示す画像形成装置は、4個の現像器20Y、20M、20C、20Bが装填された回転可能な画像形成部100で現像されたカラートナー画像が中間転写体9に多重転写される。この中間転写体9に転写されたカラートナー画像を給紙部101から給送した用紙2にさらに転写することにより、用紙2にカラートナー画像が形成される。画像形成装置は、この用紙2を定着装置25へ搬送してカラートナー画像を用紙2に定着し、排紙ロ
ーラ36によって装置本体上面の排紙トレイ37へ排紙する。なお、回転可能な現像器20Y、20M、20C、20Bは、画像形成装置本体に対して個別に着脱可能に構成されている。
【0012】
上記画像形成部100への露光は露光手段(像形成手段)としてのスキャナ部30から送られる。すなわち画像信号がレーザダイオードに与えられると、このレーザダイオードは画像信号に基づき変調されたレーザ光をポリゴンミラー31へ照射する。このポリゴンミラー31はスキャナモータ31aによって高速回転し、ポリゴンミラー31で反射したレーザ光が、結像レンズ32及び反射ミラー33を介して、一定速度で回転する感光ドラム15(像担持体)の表面を選択的に露光するように構成されている。
【0013】
以下に、上記画像形成部100の構成について詳細に説明する。
ドラムユニット13は、像担持体としてのドラム型の電子写真感光体である感光ドラム15と、感光ドラム15のホルダを兼ねるクリーニング装置の容器14と、を一体的に構成したものである。ドラムユニット13は画像形成装置本体に対して着脱自在に支持され、感光ドラム15の寿命に合わせて容易にユニット交換が可能であるように構成されている。感光ドラム15の近傍には、クリーナブレード16、一次帯電手段17が配置される。感光ドラム15の回転軸方向の一方の端部に、図示しない駆動ローラの駆動力を伝達することにより、感光ドラム15は画像形成動作に応じて矢印方向に回転する。
【0014】
一次帯電手段17は接触帯電方式を用いた帯電手段であり、感光ドラム15に当接する導電ローラを備え、この導電ローラに電圧を印加することによって感光ドラム15の表面を一様に帯電させる。一様に帯電した感光ドラム15にスキャナ部30からのレーザ光が照射されることで、感光ドラム15に静電潜像が形成される。
【0015】
クリーニング装置は、現像手段102によって感光ドラム15の静電潜像に付着したトナーが中間転写体9に転写された後、感光ドラム15上に残ったトナーを掻き落とすクリーナブレード16を有する。クリーナブレード16によって掻き落とされたトナー(廃トナー)はクリーニング容器14に蓄えられる。クリーニング容器14に蓄えられる廃トナーによって感光ドラム15の寿命より早くクリーニング容器14が満たされないように構成されている。従って、感光ドラム15の寿命によりドラムユニット13を交換する作業以外に、クリーニング容器14を空にするための作業を行う必要はない。
【0016】
現像手段102は、感光ドラム15に形成された潜像を、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色で現像することで可視化する現像器20Y、20M、20C、20Bを備える。各色の現像器は、軸22を中心として回転する現像ロータリ23にそれぞれ着脱可能に保持される。現像に際しては、各現像器が現像ロータリ23に保持された状態で軸22を中心に回転移動し、現像を行う現像器が、感光ドラム15に対向する位置に停まる。さらに現像スリーブが感光ドラム15に対し微小間隔を持って対向するように位置決めされた後、感光ドラム15に可視像が形成される。カラー現像に際しては、中間転写体9の1回転毎に、前回現像を行った色の現像器の次の色の現像器が感光ドラム15に対向する位置に来るよう現像ロータリ23が1/4回転する。イエロー現像器20Y、マゼンタ現像器20M、シアン現像器20C、ブラック現像器20Bの順に現像がなされ、中間転写体9が4回転してイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのそれぞれのトナー像が順次形成される。その結果、フルカラートナー像が中間転写体9上に形成される。
【0017】
図1ではイエロー現像器20Yがドラムユニット13に対応した位置に位置決め静止している状態を示している。イエロー現像器20Yはトナー容器内のトナーを送り機構によって塗布ローラ20YRへ送り込む。塗布ローラ20YRは図1において反時計回りに回転し、現像スリーブ20YSは図1において時計回りに回転する。現像スリーブ20YS
の外周に圧接されたブレード20YBによって、現像スリーブ20YSの外周にトナーが薄層塗布され、かつ摩擦帯電によりトナーへ電荷が付与される。潜像が形成された感光ドラム15と対向した現像スリーブ20YSに現像バイアスを印加することにより、現像スリーブ20YSから感光ドラム15上の潜像の位置へトナーが移動することによりトナー現像が行われる。マゼンタ現像器20M、シアン現像器20C、ブラック現像器20Bについても上記同様なメカニズムでトナー現像が行われる。また、各現像器20Y、20M、20C、20Bの各現像スリーブ20YS,20MS,20CS,20BSは各現像器が回転移動して感光ドラム15と対向する現像位置に位置決めされたときに画像形成装置本体に設けられた現像用高圧電源の駆動回路と接続される。すなわち、各色の現像器は各色の現像時に順次選択的に電圧が印加されて駆動回路が接続される。
【0018】
中間転写体9は回転する無端状ベルト体で、矢印方向に回転する。中間転写体9は、カラー画像形成動作時には感光ドラム15から4回の多重転写を受ける。感光ドラム15から転写を受けた中間転写体9は、電圧を印加された転写ローラ(転写機構)10と駆動ローラ5によって用紙2を挟み込み搬送することで用紙2に中間転写体9上の各色トナー像を一括して転写する。中間転写体9の外周の非画像領域には、中間転写体9の周長測定や各色の画像開始タイミングの基準とするためのホームポジションマーク9bが設けられる。また、画像形成装置には、中間転写体9のホームポジションマーク9bを検知するための光学センサ9aが設けられている。
【0019】
給紙部101は転写部103へ用紙2を給送する。給紙部101は、複数枚の用紙2を収納可能なカセット1、給紙ローラ3、レジストローラ8から構成される。画像形成時には給紙ローラ3が画像形成動作に応じて回転駆動され、カセット1内の用紙2が1枚ずつ取り出されレジストローラ8に搬送される。レジストローラ8にはシャッタ11が設けられており、レジストローラ8まで搬送された用紙2の斜行補正が行われる。また、シャッタ11に用紙2が到達したことを検出するための先端検知センサ6が設けられている。レジストローラ8は、画像形成動作中に用紙2を静止待機させる非回転の動作と、用紙2を転写部103に向けて搬送する回転の動作とを行う。レジストローラ8の非回転動作及び回転動作は、画像形成タイミング及び先端検知センサ6が用紙2を検出したタイミングをもとに行われ、これによって次工程である転写工程における画像と用紙2との位置合わせが行われる。レジストローラ8は、転写部103に対し、記録材の搬送方向が順方向の場合の記録材の搬送方向上流側に配置されている。
【0020】
転写部103は揺動可能な転写ローラ10を含む。当接手段(転写部材)としての転写ローラ10は、中間転写体9に対して当接又は離間するように図1において斜め上下方向に移動可能である。すなわち、転写ローラ10が中間転写体9に対して当接し又は用紙2を狭持する位置にある状態と、転写ローラ10が中間転写体9から離間する位置にある状態と、を切り替える位置変更機構が備わる。位置変更機構は駆動部272により駆動され、駆動部272の駆動力により上記2つの状態が切り替えられる。画像形成部100が中間転写体9上に4色のトナー像を形成している間、すなわち中間転写体9が4回転する間は、中間転写体9上に形成された画像を乱さぬよう、転写ローラ10は実線で示す下方に位置し中間転写体9から離れている。
【0021】
画像形成部100が中間転写体9上に4色のトナー像を形成し終わった後、用紙2にカラー画像を転写するタイミングに合わせて転写ローラ10は破線で示す位置において、カム部材(不図示)により、用紙2を介して中間転写体9に所定の圧で押しつけられる。このとき同時に転写ローラ10にはバイアスが印加され中間転写体9上のトナー像は用紙2に転写される。ここで中間転写体9と転写ローラ10とはそれぞれ回転駆動されているため、両者に挟まれた状態の用紙2は転写工程が行われるとともに、図1の左上方向に搬送され、次工程の定着が行われる定着装置25に向けて搬送される。
【0022】
定着装置25は、記録材上の未定着トナー像に熱及び圧力を加えて記録材に定着させる。定着装置25は、定着ローラ26と加圧ローラ27とを有する。加圧ローラ27は所定の圧力で定着ローラ26に当接し、加圧ローラ27と定着ローラ26の当接部位に所定幅の定着ニップ部Nが形成される。定着ニップ部Nが所定の温度に昇温され温調された状態において、転写部103から搬送された、未定着トナー像が転写された用紙2が定着ニップ部Nにおいて挟持搬送される。具体的には、定着ローラ26と加圧ローラ27との間の定着ニップ部Nに、用紙2の未定着トナー像が形成された画像面が定着ローラ26に対向して導入され、定着ニップ部Nにおいて画像面が定着ローラ26の外面に密着した状態で用紙2が挟持搬送されていく。この定着ニップ部Nを用紙2が挟持搬送されていく過程において、用紙2が定着ローラ26で加熱され、用紙2上の未定着トナー像が加熱定着する。加圧ローラ27の位置を、定着ローラ26と加圧ローラ27とがニップ部を形成する第1の位置と、定着ローラ26と加圧ローラ27とがニップ部を形成せず互いに離間する第2の位置と、のいずれかに切り替える位置変更機構が備わる。位置変更機構を駆動する駆動部271の駆動力により第1の位置と第2の位置が切り替えられる。
【0023】
次に、上記のように構成された画像形成装置によって画像形成を行う場合の動作について説明する。まず、図1に示す給紙ローラ3を回転させてカセット1内の用紙2を1枚分離し、レジストローラ8へ搬送する。一方、感光ドラム15と中間転写体9とが図示矢印方向に回転し、一次帯電手段17によって感光ドラム15表面を均一に帯電させるとともに、スキャナ部30によりイエロー画像信号に基づく光照射を行い、感光ドラム15上にイエロー画像の潜像を形成する。この潜像形成時にイエロー現像器20Yを駆動し、感光ドラム15上のイエロー画像の潜像にイエロートナーが付着するように感光ドラム15の帯電極性と同極性でほぼ同電位の電圧を印加してイエロー現像を行う。中間転写体9に上記トナーと逆特性の電圧を電源より印加して感光ドラム15のイエロートナーを中間転写体9上に一次転写する。
【0024】
上記のごとくイエロートナーの中間転写体9への一次転写が終了すると、現像ロータリ23が回転し、次のマゼンタ現像器20Mが感光ドラム15に対向する位置に移動して位置決めされ、イエロー画像と同様にしてマゼンタ画像の潜像が現像される。次いでシアン、ブラックの潜像形成及び現像及び中間転写体9へのトナー重ね転写を順次行ない、中間転写体9の表面にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーからなるカラー画像を形成する。そして中間転写体9表面にカラー画像が形成された後、レジストローラ8で待機させておいた用紙2を搬送し、転写ローラ10にて用紙2を中間転写体9に圧接するとともに転写ローラ10にトナーと逆特性のバイアスを印加する。これにより、中間転写体9上のカラートナー画像が用紙2に転写される。中間転写体9から用紙2へのトナー像の転写が終了後、転写ローラ10は中間転写体9から離間される。
【0025】
なお、転写ローラ10と中間転写体9との間に用紙2を狭持し搬送してトナー像転写を行っている間、次の画像(2ページ目)のイエロー画像の潜像が感光ドラム15に形成される。感光ドラム15にこのイエロー画像の潜像が形成完了後、次のマゼンタ画像の潜像が形成開始される前に転写ローラ10は、中間転写体9に対し用紙2を圧接する当接位置から離間位置へと移動する。用紙2は中間転写体9から剥離され定着装置25へ搬送され、トナー定着が行われる。トナー定着を行った後、用紙2は排紙ローラ対36を介して本体上部の排紙トレイ37上へ画像面を下向きにして排出され、画像形成動作は終了する。中間転写体9から用紙2にトナー像を転写後、帯電ローラ39(以後、「ICLローラ」と呼ぶ)が中間転写体9に当接することで、中間転写体9上に残留する残留トナーをトナーの正規の帯電極性とは逆極性に帯電させる。
【0026】
残留トナーを帯電終了後、ICLローラ39は中間転写体9から離間される。なお、連
続画像形成時、ICLローラ39が中間転写体9に当接している間、次の画像のイエロー画像の潜像が感光ドラム上に形成される。中間転写体9上に転写されたイエロー画像がICLローラ39による当接位置を通過する時は、ICLローラ39は中間転写体9から離間される。ICLローラ39により帯電された残留トナーは、1次転写位置で感光ドラム15に静電的に逆転写され、クリーナブレード16により、クリーニング容器14に回収される。この残留トナーの逆転写工程と、次の画像のイエロー画像を感光ドラム15から中間転写体9へ転写する転写工程と、を1次転写電界により同時に行うことで画像形成のスループットを向上することができる。
【0027】
図2は、画像形成装置のシステム構成を説明するためのブロック図である。
【0028】
本実施例の画像形成装置のシステムは、ホストコンピュータ200、画像形成装置のエンジン制御部202、エンジン制御部202を制御するコントローラ201、コントローラ201とエンジン制御部202を接続するビデオインターフェース部210を含む。ビデオインターフェース部210は、シリアル通信部と画像形成信号部を含む。シリアル通信部は、コントローラ201からエンジン制御部202へのコマンドの送信と、エンジン制御部202からコントローラ201へのステータスの返答と、を行う。画像形成信号部は、コントローラ201とエンジン制御部202との間で画像データの通信を行う。エンジン制御部202は、CPU211を有する。CPU211は、画像生成部212、定着制御部213、高圧制御部214、給紙制御部215、駆動部216、センサ制御部217の動作をそれぞれ制御する。
【0029】
画像生成部212は、画像形成のための垂直同期信号である/TOP信号220を生成し、スキャナモータ制御やレーザ出力制御などの画像形成に関連する制御を行う。定着制御部213は、定着ローラ26の加熱装置の制御等を行う。高圧制御部214は、一次帯電手段17等の電圧制御を行う。給紙制御部215は、給紙ローラ3やレジストローラ8の駆動制御を行う。駆動部216は、駆動ローラ5、感光ドラム15、現像ロータリ23を駆動するモータ、定着ローラ26を駆動するモータ261、レジストローラ8を駆動するモータ81等を制御する。また、駆動部216は、加圧ローラ27の位置を変更する位置変更機構を作動させる駆動部271,転写ローラ10の位置を変更する位置変更機構を作動させる駆動部272等を制御する。センサ制御部217は、用紙2がレジストローラ8に到達したことを検出するための先端検知センサ6、排紙センサ38、光学センサ9a等の各種センサの検出値の取得制御を行う。
【0030】
図3は、定着装置における用紙2のジャムを検知する方法を説明する図である。
排紙センサ38は、定着ニップ部Nに対し搬送方向が順方向の場合の搬送方向下流側の位置に設けられ、定着装置25から排出された用紙2が通過したことを検知する記録材検知手段である。画像形成装置は、用紙2の先端が定着ニップ部Nに到達した時間から、所定時間L/V以内に用紙2の先端が排紙センサ38を通過しなかった場合に、ジャムが発生したと判断する。ここで、Lは定着ニップ部Nから排紙センサ38までの用紙2の搬送経路に沿った距離、Vは正常な画像形成が行われている場合に定着装置25から排出された用紙2の搬送速度である。
【0031】
つまり、ジャムの発生の有無の判定結果が出るときには、用紙2の先端が定着ニップ部Nに到達してから既に所定時間が経過していることになる。そのため、定着ニップ部Nから排紙センサ38までの距離が長く、所定時間が長い場合、ジャムが発生したことを検知したときには、既に用紙2が定着ローラ26に1周以上巻き付いてしまっている場合があり得る。ジャムが発生した場合に、用紙2の先端が1周以上定着ローラ26に巻き付いてしまう前のタイミングでジャムの発生を検知できるためには、定着ローラ26の直径Rとして、

L<πR・・・(1)

が成り立つように、定着ニップ部Nから排紙センサ38までの距離を短くする必要がある。一方、定着ニップ部Nの近傍は定着ローラ26の熱の影響で高温となるため、排紙センサ38の正常動作のためには、定着ニップ部Nと排紙センサ38とが近接し過ぎないようにする必要もある。
【0032】
ここで、本実施例の画像形成装置は、定着ローラ径が小さく、上記の式1が成り立つように排紙センサ38を配置した場合、排紙センサ38と定着ニップ部Nとが近接し過ぎてしまう構成であるとする。つまり、L>πRが成り立つ位置に排紙センサ38を配置せざるを得ず、ジャムが発生した場合に、用紙2の先端が1周以上定着ローラ26に巻き付いてしまう前に当該ジャムの発生を検知可能な位置には排紙センサ38を配置することができない構成であるとする。従って、排紙センサ38によりジャムの発生を検知したときには、定着ローラ26に1周以上用紙2の先端が巻き付き、定着ローラ26において用紙2同士が重なった状態になる場合があり得る。また、その場合、用紙2同士が重なった部分においてトナーが融着する可能性がある。そうすると、ジャムを解消するためにユーザが用紙2を引き抜く作業が容易でなくなるという問題がある。
【0033】
そこで、本実施例の画像形成装置では、排紙センサ38による検知結果に基づきジャムの発生を検知したときには、定着ローラ26を所定時間逆転させる。これにより、ジャムによって定着ローラ26に用紙2が巻き付いた状態となっていた場合は、定着ローラ26に用紙2の先端が1周以上巻き付いた状態が解消され、用紙2同士が重なった部分でトナーが融着した状態となることが回避される。本実施例では、定着ローラ26が、搬送方向を画像形成が正常に行われている場合の順方向とその逆方向とのいずれかに切り替えて用紙を搬送している。定着ローラ26は、モータ261により、回転方向を正転又は逆転のいずれかに切り替えられて回転する。モータ261が定着ローラ26を正転させることで用紙の搬送方向が順方向に切り替えられ、モータ261が定着ローラ26を逆転させることで用紙の搬送方向が逆方向に切り替えられる。
【0034】
図4は、ジャムを検知したときに、定着ローラ26に1周以上巻き付いてしまった用紙2の重なった部分2aの重なりを解消してトナーの融着を回避する方法を説明する図である。
【0035】
本実施例の画像形成装置では、図4(A)に示すようなジャムが発生したことを検知したときに、図4(B)に示すように加圧ローラ27を定着ローラ26から離間させるとともに、転写ローラ10を中間転写体9から離間させる。更に、用紙2の搬送方向下流側の先端が定着ローラ26に1周以上巻き付いた状態が解消されるまで定着ローラ26を逆転(図において反時計回りに回転)させることで、用紙2同士が重なった部分でトナーが融着することを回避する。定着ローラ26を逆転させて用紙を逆方向に搬送する時間は、少なくとも次の式より算出される時間{(t1−t2)−πR/V}以上とする。ここで、t1はジャムを検知した時刻、t2は用紙2の先端が定着ニップ部Nを通過した時刻である。この式を書き換えて、定着ローラ26を逆転させる時間を、少なくとも(L−πR)/V以上と言うこともできる。
【0036】
上述した「ジャムが発生した場合に用紙2の先端が1周以上定着ローラ26に巻き付いてしまう前に当該ジャムの発生を検知可能な位置に、排紙センサ38を配置することができない構成」とは、L>πRが成り立つ構成と言うこともできる。
【0037】
エンジン制御部202は、ビデオインターフェース部210を介してコントローラ20
1からプリント開始命令を受けると、前述した画像形成動作により、トナー像を載せた用紙2を定着装置25に搬送する。図5はトナー像が形成された用紙2の定着装置25におけるジャムの発生を検知する処理を表すフローチャートである。定着ニップ部Nに用紙2の先端が到達すると(ステップ510)、CPU211は、ジャム検知用タイマーを開始する(ステップ511)。CPU211は、ジャム検知用タイマーを開始してから、所定時間(=定着ニップ部Nから排紙センサ38までの距離÷搬送速度)内に排紙センサ38が反応したか否かを判定する(ステップ512)。所定時間内に排紙センサ38が反応した場合(所定時間内に用紙2が排紙センサ38を通過した場合)(ステップ512:Yes)、CPU211は定着装置25において用紙2のジャムが発生していないと判断し、本フローチャートの処理を一旦終了する。新たな用紙2が転写部103から定着装置25へ供給される毎に、このフローチャートの処理が実行される。所定時間内に排紙センサ38が反応しなかった場合(ステップ512:No)、CPU211は、ジャムが発生したと判定する(ステップ513)。
【0038】
ジャムの発生を検知すると、CPU211は、定着ローラ26を逆転させる時間を算出する(ステップ514)。ここで、定着ローラ26を逆転させる時間は、定着ローラ26に用紙2が1周以上巻き付いた状態になるジャムが発生していると仮定して、その状態を解消することができるだけの時間として算出する。具体的には、CPU211は、((t1−t2)−πR/V)により、定着ローラ26の逆転時間を算出する。
【0039】
次に、CPU211は、加圧ローラ27を定着ローラ26から離間させるとともに転写ローラ10を中間転写体9から離間させる(ステップ515)。更に、CPU211は、定着ローラ26を停止させ(ステップ516)、更に定着ローラ26を逆転させる(ステップ517)。CPU211は、定着ローラ26を逆転させる時間を上記式(2)又は式(3)により計算する。
【0040】
次に、CPU211は、定着ローラ26の逆転時間が前記計算した時間以上経過したかどうかを確認する(ステップ518)。ここでは、CPU211は、定着ローラ26の逆転を開始したタイミングでタイマーを開始し、タイマーのカウント時間が前記計算した時間以上となったかどうかを判定する。定着ローラ26の逆転時間が前記計算した時間以上経過していれば(ステップ518:Yes)、CPU211は定着ローラ26を停止し(ステップ519)、処理を終了する。定着ローラ26の逆転時間が前記計算した時間以上経過していない場合(ステップ518:No)、CPU211は定着ローラ26の逆転動作を続ける。
【0041】
ここで、本実施例の画像形成装置は、装置本体の外装部品の一部をユーザが手動で取り外し、又は移動させることで、記録材の搬送経路にアクセスできるように構成されている。例えば、本実施例では、図1に示す外装部品40を図1の左側に倒すように移動させることで、転写部103より下流側かつ定着装置25より上流側の搬送経路にアクセスすることができる。ユーザは、外装部品40を移動させ、搬送経路から記録材を引き抜くことで、ジャム処理を行うことができる。なお、ユーザによるジャム処理を可能にするための構成はこの例に限らないが、高温状態になっている定着装置25からある程度離れた位置においてユーザがジャム処理の作業が行える構成となっていることが望ましい。本実施例の画像形成装置では、ジャム発生時に定着ローラ26に記録材が巻き付いた状態となっていた場合、定着ローラ26の逆転により、定着ローラ26に記録材が1周以上が巻き付いていない状態になる。この状態では、定着装置25より順方向の搬送方向下流側に記録材の先端が飛び出していたとしても定着ローラ26の1周分程度の長さしか飛び出していない。そのため、ユーザが定着装置25の下流側から記録材を引き抜く構成では高温状態の定着装置25に手を近付ける必要があり好ましくない。従って、図1の例では、ユーザは定着装置25の上流側から記録材を引き抜く構成とした。しかしながら、例えば、搬送用
のローラに当該ローラをユーザが手動で回転させることが可能な操作部を設け、記録材を搬送経路に沿ってユーザが手動で搬送することが可能な構成の画像形成装置では、定着装置25の下流側から記録材を引き抜く構成も可能である。その場合、ユーザは、定着装置25から記録材の先端が十分離れた位置に来るまで手動で記録材を搬送し、定着装置25の下流側の搬送経路にアクセスして記録材を引き抜くことができる。
【0042】
本実施例によれば、ジャムが発生した場合に、定着ローラに用紙が1周以上巻き付いた状態となっていたとしても、その状態を解消することができる。よって、ジャムの発生が検知された時に定着ローラにおいて用紙が重なった部分でトナーが融着することを抑制できるので、ユーザがジャム処理のために用紙を引き抜くために要する力を軽減することが可能となる。
【0043】
(実施例2)
実施例1では、ジャム発生を検知した場合に、加圧ローラを定着ローラから離間させ、転写ローラを中間転写体から離間させ、定着ローラを逆転させることにより、定着ローラに用紙が1周以上巻き付いた状態を解消する例を説明した。
実施例2では、ジャム発生を検知した場合に、加圧ローラを定着ローラから離間させ、転写ローラを中間転写体から離間させ、レジストローラを逆転させることにより、定着ローラに用紙が1周以上巻き付いた状態を解消する例を説明する。
【0044】
図6は、ジャム発生を検知したときに、定着ローラ26に用紙2が1周以上巻き付いてしまった状態を解消する方法を説明する図である。
本実施例の画像形成装置も、ジャムが発生した場合に用紙2の先端が1周以上定着ローラに巻き付いてしまう前に当該ジャムの発生を検知可能な位置に、排紙センサ38を配置することができない構成であるとする。そのため、排紙センサ38によりジャムの発生を検知したときには、図6(A)に示すように既に用紙2が定着ローラ26に1周以上巻き付いた状態になっている場合があり得る。このとき、画像形成装置は、図6(B)に示すように、加圧ローラ27を定着ローラ26から離間させるとともに、転写ローラ10を中間転写体9から離間させる。さらに、用紙2が定着ローラ26に1周以上巻き付いた状態になっていた場合にその状態を解消できるようにレジストローラ8を逆転させる。
【0045】
なお、レジストローラ8を逆転させる時間は、実施例1と同様、式2又は式3により算出される。本実施例では、レジストローラ8が、搬送方向を画像形成が正常に行われている場合の順方向とその逆方向とのいずれかに切り替えて用紙を搬送している。レジストローラ8は、モータ81により、回転方向を正転又は逆転のいずれかに切り替えられて回転する。モータ81がレジストローラ8を正転させることで用紙の搬送方向が順方向に切り替えられ、モータ81がレジストローラ8を逆転させることで用紙の搬送方向が逆方向に切り替えられる。
【0046】
図7は本実施例を説明するためのフローチャートである。
エンジン制御部202は、ビデオインターフェース部210を介してコントローラ201からプリント開始命令を受けると、前述した画像形成動作により、トナー像を載せた用紙2を定着装置25に搬送する。定着ニップ部Nに用紙2の先端が到達すると(710)、CPU211は、ジャム検知用タイマーを開始する(711)。ジャム検知用タイマーを開始してから、所定時間(=定着ニップ部Nから排紙センサ38までの距離÷搬送速度)内に排紙センサ38が反応していない場合(712)は、CPU211は、ジャムが発生したと判定する(713)。
【0047】
ジャムが発生したと判定すると、CPU211は、用紙2が定着ローラ26に1周以上巻き付いた状態を解消するためにレジストローラを逆転させる時間(=(t1−t2)−
πR/V)を算出する(714)。
【0048】
次に、CPU211は、加圧ローラ27を定着ローラ26から離間させるとともに転写ローラ10を中間転写体9から離間させる(715)。更に、CPU211は、定着ローラ26を停止させ(716)、更にレジストローラ8を逆転させる(717)。CPU211は、レジストローラ8を逆転させる時間を上記式(2)又は式(3)により計算する。
【0049】
次に、CPU211は、レジストローラ8の逆転時間が前記計算した時間以上経過したかどうかを確認する(518)。ここでは、CPU211は、レジストローラ8の逆転を開始したタイミングでタイマーを開始し、タイマーのカウント時間が前記計算した時間以上となったかどうかを判定する。レジストローラ8の逆転時間が前記計算した時間以上経過していれば、CPU211はレジストローラ8を停止し(719)、処理を終了する。レジストローラ8の逆転時間が前記計算した時間以上経過していない場合、CPU211はレジストローラ8の逆転動作を続ける。
【0050】
本実施例によれば、ジャムが発生した場合に、用紙の先端が1周以上定着ローラに巻き付いてしまう前に当該ジャムの発生を検知できない画像形成装置において、ジャムの発生を検知した後、定着ローラに用紙が1周以上巻き付いた状態が解消される。よって、ジャムの発生が検知された時に定着ローラにおいて用紙が重なった部分でトナーが融着することを抑制できるので、ユーザがジャム処理のために用紙を引き抜くために要する力を軽減することが可能となる。
【0051】
なお、上述の各実施例は本発明の趣旨に基づいて種々変更することが可能であり、本発明の範囲を上記の実施例に限定するものではない。例えば、上記各実施例では、ロータリ式の現像器を備えた画像形成装置に本発明を適用した例を説明したが、本発明は、複数色の現像器が並列する画像形成装置にも適用できる。また、感光ドラムから中間転写体に転写されたトナー像を用紙に転写する構成の画像形成装置の例を説明したが、感光ドラムから用紙に直接トナー像が転写される構成の画像形成装置にも本発明は適用できる。ジャム検知時には、定着ローラと加圧ローラを離間させる動作、定着ローラを逆転させる動作、レジストローラを逆転させる動作、転写ローラ10と駆動ローラ5を離間させる動作の少なくともいずれかを行っても良いし、任意の組み合わせを行っても良い。
【符号の説明】
【0052】
26:定着ローラ
261:駆動モータ
27:加圧ローラ
25:定着装置
38:排紙センサ
211:CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧ローラと定着ローラとを有し、加圧ローラと定着ローラとにより形成されるニップ部に記録材を狭持し加熱することにより記録材上の未定着トナー像を定着させる定着手段と、
画像形成が正常に行われている場合の記録材の搬送方向を順方向として、前記定着手段における記録材の搬送方向を順方向とその逆方向とのいずれかに切り替えて記録材を搬送する搬送手段と、
記録材のジャムの発生を検知するジャム検知手段と、
前記ジャム検知手段によりジャムの発生が検知された場合に、記録材を逆方向に所定量搬送した後記録材の搬送を停止するよう前記搬送手段を制御する制御手段と、
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記所定量は、発生したジャムが記録材の前記定着ローラへの巻き付きであった場合に、少なくとも記録材の巻き付きが1周未満になるまでの量である請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
加圧ローラの位置を、定着ローラと加圧ローラとがニップ部を形成する第1の位置と、定着ローラと加圧ローラとがニップ部を形成せず互いに離間する第2の位置と、のいずれかに切り替える位置変更機構を備え、
前記制御手段は、前記ジャム検知手段によりジャムの発生が検知された場合に、加圧ローラの位置が前記第2の位置になるよう前記位置変更機構を制御する請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記搬送手段は、回転方向を正転又は逆転のいずれかに切り替えて前記定着ローラを回転させる駆動手段を含み、定着ローラを正転させることで記録材の搬送方向を順方向に切り替え、定着ローラを逆転させることで記録材の搬送方向を逆方向に切り替え、
前記制御手段は、前記ジャム検知手段によりジャムの発生が検知された場合に、前記定着ローラを逆転させるよう前記駆動手段を制御する請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
トナー像を記録材に転写する転写手段に対し、記録材の搬送方向が順方向の場合の記録材の搬送方向上流側に配置されるレジストローラを備え、
前記搬送手段は、回転方向を正転又は逆転のいずれかに切り替えて前記レジストローラを回転させる駆動手段を含み、レジストローラを正転させることで記録材の搬送方向を順方向に切り替え、レジストローラを逆転させることで記録材の搬送方向を逆方向に切り替え、
前記制御手段は、前記ジャム検知手段によりジャムの発生が検知された場合に、前記レジストローラを逆転させるよう前記駆動手段を制御する請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記ジャム検知手段は、前記ニップ部に対し、記録材の搬送方向が順方向の場合の記録材の搬送方向下流側に配置され、前記定着手段から排出された記録材を検知する記録材検知手段による検知結果に基づきジャムの発生を検知するものであって、
前記制御手段は、前記ジャム検知手段によりジャムの発生が検知された場合に、少なくとも、前記ニップ部から前記記録材検知手段が記録材を検知する位置までの前記記録材の搬送経路に沿った距離から前記定着ローラの1周分の周長を引いた長さだけ、前記記録材が逆方向に搬送されるように、前記搬送手段を制御する請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記記録材検知手段は、前記ニップ部から前記記録材検知手段が記録材を検知する位置までの前記記録材の搬送経路に沿った距離をL、前記定着ローラの直径をRとして、L>πRが成り立つ位置に配置され、
前記ジャム検知手段は、画像形成が正常に行われている場合の前記定着手段から排出された記録材の搬送速度をVとして、搬送方向が順方向の場合の記録材の搬送方向下流側の先端が前記ニップ部に到達してから時間L/V以内に前記記録材検知手段により当該記録材の通過が検知されなかった場合に、ジャムの発生を検知する請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記ジャム検知手段によりジャムの発生が検知された場合に、記録材を逆方向に搬送する時間を、少なくとも(L−πR)/V以上とする請求項7に記載の画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−64961(P2013−64961A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−204830(P2011−204830)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】