説明

画像表示システム、及び携帯端末装置

【課題】画像再生装置に再生される文字情報の表示形式を指定することが可能な携帯端末装置、及びこの携帯端末装置を含む画像再生システムを提供する。
【解決手段】携帯端末装置は、所定の文字情報とこの文字情報の表示形式との対応関係を規定する第1のデータを記録している。そして、携帯端末装置は、第1のデータに記録された対応関係を画像再生装置に通知し、画像再生装置は、通知された対応関係に従って所定の文字情報を対応付けられた表示形式で再生させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信可能に接続された画像再生装置と携帯端末装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話等の携帯端末装置は、例えばネットワークを通じて他の装置と接続し、この装置と通信を行うことができる(特許文献1−4参照)。特に、特許文献1−3には、携帯端末装置とサーバーとをネットワークを通じて接続させ、携帯端末装置が保持する情報をもとにこのサーバーに記録されたコンテンツを検索することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−43474号公報
【特許文献2】特開2008−89843号公報
【特許文献3】特開2007−174245号公報
【特許文献4】特開2008−172324号公報
【特許文献5】特開2008−252746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像再生装置で再生される文字情報の表示形式を携帯端末装置側で指定したいという要望があった。例えば、画像再生装置はメディア等に記録された画像データを再生することはできても、ユーザーインタフェースは携帯端末装置に比べて未発達なものが多く、携帯端末装置側で文字情報の表示形式の指定を行う方が、表示形式の指定を柔軟性に行うことができると考えられる。しかしながら、従来の装置ではこのような要望を満たすものは存在しなかった。
【0005】
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、画像再生装置に再生される文字情報の表示形式を指定することが可能な携帯端末装置、及びこの携帯端末装置を含む画像再生システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的の少なくとも1つを達成するために、本発明では、画像再生装置と携帯端末装置とを備える画像表示システムにおいて、前記携帯端末装置は、所定の文字情報とこの文字情報の表示形式との対応関係を規定する第1のデータを記録する記録部と、前記第1のデータに記録された対応関係を前記画像再生装置に通知する第1の通知手段と、を有し、前記画像再生装置は、通知された前記対応関係に従って前記所定の文字情報を対応付けられた表示形式で再生させる再生手段とを有する構成としてある。
【0007】
上記のように構成された発明では、携帯端末装置は、記録部に所定の文字情報とこの文字情報の表示形式との対応関係を第1のデータとして記録している。そして、第1の通知手段が、第1のデータに記録された対応関係を画像再生装置に通知する。さらに、画像再生装置では、通知された対応関係に従って。再生手段が所定の文字情報を再生する。
そのため、携帯端末装置側で画像再生装置が再生する文字情報の表示形式を指定することが可能となる。
【0008】
また、前記携帯端末装置は、記録された前記第1のデータに対して、前記表示形式の編集を受け付ける編集手段を有する構成としてもよい。
画像再生装置においては、ユーザーからの文字情報の編集を受け付けるいわゆるユーザーインタフェースが未発達なものが多いため、ユーザーインタフェースが発達した携帯端末装置側で文字情報の表示形式の編集を受け付ける構成とすれば、より柔軟に表示形式をユーザーの所望のものに設定することができる。
【0009】
そして、前記画像再生装置は、前記携帯端末装置に対して前記文字情報の表示タイミングを示す時間情報を通知する第2の通知手段を有し、前記携帯端末装置は、前記第2の通知手段からの通知を受け付けた後に、前記第1の通知手段が通知を行う構成としてもよい。
上記のように構成された発明では、画像再生装置から表示タイミングの通知がなされるため、携帯端末装置側で第1の通知手段が通知するタイミングを計る必要がなく、携帯端末装置側の処理負荷を低減することができる。
【0010】
さらに、上記表示タイミングの通知を受ける具体的な構成の一例として、前記記録部は、各文字情報とこの文字情報が表示される時刻との対応関係を規定する第2のデータを記録しており、前記第1の通知手段は、前記時間情報の通知を受けると、前記第2のデータを参照して、前記通知を行う構成としてもよい。
【0011】
また、前記画像再生装置は、同画像再生装置が再生するコンテンツ毎に前記第2のデータを作成する対応関係作成手段と、作成された前記第2のデータを前記携帯端末装置に送信する対応関係送信手段と、を有し、前記編集手段は、前記第2のデータを編集することで、前記第1のデータを生成する構成としてもよい。
上記のように構成された発明では、携帯端末装置と画像再生装置とは、第2のデータを介して文字情報の再生タイミングの同期を計ることができるため、処理の同期を正確に取ることができる。
【0012】
そして、前記文字情報は、字幕情報であってもよい。
上記のように構成された発明では、字幕情報に対して表示形式の変更を行うことができる。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明では、画像再生装置に再生される文字情報の表示形式を携帯端末装置により指定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】画像表示システムにおける処理を説明するタイミングチャートである。
【図2】携帯端末装置の構成を示すブロック図である。
【図3】再生装置の構成を示すブロック図である。
【図4】字幕管理データMDを説明する図である。
【図5】コンテンツに含まれる情報を説明する図である。
【図6】画像再生装置3が字幕管理データMDの生成に必要な情報を取得する処理を説明するフローチャートである。
【図7】画像再生装置3が再生する画像のイメージ図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
1.第1の実施形態:
2.その他の実施形態:
【0016】
1.第1の実施形態:
(1)画像表示システムの構成:
以下、図を参照して、この発明に係る画像表示システムを具体化した第1の実施の形態について説明する。図1は、画像表示システムにおける処理を説明するタイミングチャートである。また、図2は、携帯端末装置の構成を示すブロック図である。そして、図3は、再生装置の構成を示すブロック図である。
【0017】
画像表示システム1は、携帯端末装置2と画像再生装置3とがネットワークNに接続されて構成されている。また画像表示システム1では、画像再生装置3はメディア又は内部の記録部に記録された所定のコンテンツを再生する装置である。また、図1に示すように、携帯端末装置2は、画像再生装置3で再生されるコンテンツに含まれる所定の文字情報に対してハイライト処理といった表示形式を通知させることができる。そのため、画像再生装置3は通知された表示形式に従ってコンテンツに含まれる文字情報を表示する。
【0018】
以下、携帯端末装置2を説明する。
携帯端末装置2は、図2に示すように、制御部11、記録部12、外部記録メディア13、画面表示部14、チューナ15、アンテナ15A、デコード部16、DAC(Digital Analog Converter)17、スピーカ18、通信部19、アンテナ19A、音声マイク20、音声スピーカ21、操作部22、バス10、とを備える。上記各部は、バス10等を通じて接続され、互いに通信可能である。
【0019】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)から構成され、記録部12に格納された動作プログラムに従って、携帯端末装置2の統合的な動作を制御する。
記録部12は、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリ、RAM(Random Access Memory)等から構成され、制御部11に所定の処理を実行させるためのプログラムや、字幕リストの字幕文を保持する字幕管理データ(第1のデータ、第2のデータ)MD等を記憶する。
【0020】
外部記録メディア13は、スマートメディア、ICカード等の着脱可能な可搬型メモリから構成され、例えば、ユーザーIDや画面表示部14に表示する映像データを格納している。
【0021】
画面表示部14は、ドットマトリクスタイプのLCD(液晶表示)パネルとドライバ回路等から構成され、任意の画像を表示する。
【0022】
チューナ15は、アンテナ15Aを介して基地局から送信された電波信号を受信して復調し、復調信号を制御部11に出力する。また、チューナ15は、基地局を通じてネットワークNに接続することで、このネットワークNに接続された他の装置(本実施形態では、画像再生装置3)からデータを受信することができる。そのため、チューナ15が受信できる電波信号に含まれる信号は音声信号に限らず、映像信号やその他の文字情報(本実施形態では字幕情報)をも含むものである。
デコード部16は、チューナ15から出力された電波信号を、映像信号、音声信号、字幕信号に分離すると共に復号し、出力する。
【0023】
DAC17は、制御部11からのディジタルオーディオ信号をアナログオーディオ信号に変換して、スピーカ18に出力する。
スピーカ18は、DAC17から供給されたアナログオーディオ信号を放音する。
音声マイク20は、通話時等に、音声信号を収集し、通信部19に供給する。
音声スピーカ21は、通話時等に、復調された音声信号を出力する。
【0024】
通信部19は、アンテナ19Aを通じ、基地局と交信し、音声信号、映像信号、データ信号を送受信する。また、通信部19は、基地局を通じてネットワークNに接続することで、このネットワークNに接続された他の装置(本実施形態では、画像再生装置3)にデータを送信することができる。
【0025】
操作部22は、ユーザーが指示やデータを入力するための各種のキー若しくはボタンを備え、制御部11への各種の指示やデータを入力する。また、操作部22には、上下方向のカーソルキーが設けられている。ユーザーは、カーソルキーを操作することにより画面上に表示されたカーソルをスクロールさせ、字幕リストから任意の字幕文を選択できる。
【0026】
図4は、字幕管理データMDを説明する図である。以下、記録部12に記録される字幕管理データMDの詳細な構成について、図4を参照して説明する。
【0027】
記録部12に記録される字幕管理データMDは、N個の字幕データSM(Mは1〜N(N:正の整数))を含む。この字幕データSMには、字幕文Stを表示する表示時刻Tdと、字幕文Stと、この字幕文Stの表示形式を指定する形式データFdとを対応付けたデータである。例えば、字幕データSMは、字幕管理データMD内において表示時刻Tdにより昇順にソートされている。
【0028】
字幕管理データMDに記録される字幕文Stは、ある時刻において画面に表示される字幕の内、単語単位で記録されている。また、字幕管理データMDに記録される字幕文Stは、コンテンツに含まれる全ての字幕(単語)を含むのではなく、ユーザーによって予め選択されたものだけが記録されている。無論、字幕文Stの構成はこれに限定されず、ある時刻において再生されるすべての字幕毎に記録するものであってもよい。
【0029】
表示時刻Tdは、字幕文Stを再生する表示時刻を示すデータである。なお、図4では、字幕管理データMDには、字幕文St1〜StNに対してそれぞれ表示時刻Td1〜TdNが対応付けて記録されている。また、表示時刻Tdは、コンテンツの再生開示時刻を0とした場合に、このコンテンツの先頭からの経過時刻に対応している。
なお、表示時刻Tdは、時分秒で示しても、PTS(Presentation Time Stamp)を用いて示してもよい。PTSにより表示時刻を示すときは、PTSの精度として90kHzのクロック周波数が用いられる。
【0030】
形式データFdは、字幕文Stを画面上に表示させる際の視覚的な形式を意味し、図4では、「ハイライト」、「文字サイズ○」(○は文字サイズを示す数字)、「文字カラー」の各表示形式に対応している。即ち、図4では、字幕管理データMDには、字幕文St1に「ハイライト」の形式データFd1が対応付けて記録されているため、画像再生装置3に字幕文St1(Hellow)を再生させた場合、この字幕文がハイライト形式で表示される。また、字幕文St3に「文字サイズ○」の形式データFd3が対応して記録されているため、画像再生装置3に再生させた場合、字幕文St3(Goodbye)の文字サイズが指定されたサイズとなる。
【0031】
上記した字幕管理データMDの編集は、ユーザーが操作部22を操作することで実行される。即ち、制御部11は、操作部22の操作を通じて入力された操作入力に基づいて、字幕管理データMDにどの字幕文を記録するか否か。また、記録する場合は、字幕管理データMDに記録された各字幕文Stに表示形式を指定するか否か。更に、表示形式を指定する場合はどの様な表示形式を指定するか等の編集を行う。そのため、携帯端末装置2は、本発明の編集手段を備える。
【0032】
また、携帯端末装置2が字幕管理データMDを取得する手法は様々なものが考えられるが、一例として、画像再生装置3からネットワークNを経由して取得する場合を例に以後の説明を行う。なお、具体的な字幕管理データMDの取得方法は、(2)字幕管理データMDの生成:の記載により説明する。
【0033】
画像再生装置3は、メディアドライブ31、大容量記録部32、ストリームコントローラー33、AVデコーダー34、AVエンコーダー35、メイン制御部36、記録部37、及びネットワークI/F38を備えて構成されている。
【0034】
メディアドライブ31は、Blu−rayディスク(Blu−rayは登録商標)等のメディアに記録された映像データの読取り又は再生を行う。
また、大容量記録部32は、例えばHDD(Hard Disk Drive)により構成される。
そして、ストリームコントローラー33は、メディアドライブ31や大容量記録部32との間でデータの入・出力を管理する。
【0035】
さらに、AVデコーダー34は、ストリームコントローラー33から出力された映像データや音声データをデコードし、図示しないビデオ出力端子を通じて接続された表示装置4に出力する。また、AVエンコーダー35は、図示しないビデオ入力端子を通じて接続された表示装置4から入力したデータをエンコードし、ストリームコントローラー33に出力する。
【0036】
メイン制御部36は、例えば、CPU(Central Processing Unit)を備えて構成され、画像再生装置3の駆動を統合的に制御する。
また、記録部37は、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリ、RAM(Random Access Memory)等から構成され、メイン制御部36に所定の処理を実行させるためのプログラム等を記憶する。
【0037】
そして、ネットワークI/F38は、画像再生装置3をネットワークNに接続させる各種処理を実行する。そのため、このネットワークI/F38を通じて、メイン制御部36は、ネットワークNに接続された携帯端末装置2と通信を行うことができる。
【0038】
(2)字幕管理データMDの生成:
次に、字幕管理データMDの生成及び携帯端末装置2がこの字幕管理データMDを取得する方法について、図5、図6を参照して説明する。
図5は、コンテンツに含まれる情報を説明する図である。また、図6は、画像再生装置3が字幕管理データMDの生成に必要な情報を取得する処理を説明するフローチャートである。なお、コンテンツの一例としてテレビジョン信号SGを例に説明を行うが、コンテンツの種別はこれに限定されず、大容量記録部32に記録された又はメディアドライブ31で再生可能なメディアに記録されたデータであればどのようなものであってもよい。
【0039】
先ず、図5に示す録画されたテレビジョン信号SGに含まれる情報について、以下に説明する。
テレビジョン信号SGには、パケット化された字幕の圧縮符号化データである字幕PES(Packetized Elementary Stream)、映像信号、等が含まれ、映像信号には、テレビジョン信号SGの先頭にある映像を再生する再生タイミングTfが情報として含まれる。なお、再生タイミングTfは、PTS単位で表されている。
【0040】
字幕PESには、字幕文Stを再生する再生タイミングTM、区切情報CS、等の情報が含まれる。
再生タイミングTMは、字幕を再生するタイミングをPTSによって表したタイミング情報である。再生タイミングTMは、複数の再生タイミングTM(Mは1〜Nであり、Nは整数)を含んでもよい。
【0041】
区切情報CSは、字幕文を所定の単位にまとめて区切ることを示す符号である。区切情報CSは、複数の区切情報CS1からCSN(N:整数)の総称である。
制御部11は、字幕PESに区切情報CSが含まれているときは、最初の区切情報CS1の直前で字幕情報に含まれる文字列を区切る。
【0042】
次に、図6のフローチャートを参照して、画像再生装置3側での処理を説明する。ここで、メイン制御部36はテレビジョン信号SGに含まれる区切情報CSと同数だけ、字幕管理データMD内の字幕データを作成する。なお、図6のフローチャートは、メイン制御部36がテレビジョン信号SGを受け取って、大容量記録部32への格納が完了した後に実行される処理である。
【0043】
先ず、メイン制御部36は、テレビジョン信号SGから字幕PESの抽出を試みて、字幕PESが抽出できたか否かを判別する(ステップS1)。字幕PESが抽出できずにファイル終端になれば(ステップS1:NO)、メイン制御部36は字幕管理データMDの生成処理を終了する。
【0044】
字幕PESが抽出できたならば(ステップS1:Yes)、メイン制御部36は、抽出した字幕PESに含まれる情報が字幕文であるか否かを判別する(ステップS2)。情報が字幕文でなければ(ステップS2:No)、メイン制御部36は、次の字幕PESを抽出するため、処理をステップS1に戻す。
字幕文であれば(ステップS2:Yes)、メイン制御部36は、字幕PESを解析し、字幕PESに含まれる字幕再生タイミングTMと、字幕文Stに格納するべき字幕文と、を取り出す(ステップS3)。
【0045】
メイン制御部36は、字幕PESより抽出した字幕文の再生タイミングTMから、テレビジョン信号SGの先頭にある映像の再生タイミングTfを差し引き、映像の先頭から再生したときの経過時刻(PTS単位)を求める。
メイン制御部36は、経過時刻(PTS単位)を通常の時分秒単位に換算し、換算した経過時刻(字分秒単位)を、該当する字幕文Stの表示時刻Tdとして格納する(ステップS4)。
例えば、図5の字幕文St1「おはよう」に対応する示時刻Td1として、00:00:00が格納される。
【0046】
また、図5において、例えば、区切情報CS1直前までの字幕文(おはよう。)を、字幕管理データMDに格納する(ステップS5)。
【0047】
メイン制御部36は、以下、区切情報CSN(N:整数)がなくなるまで、テレビジョン信号SGから字幕再生タイミングTMN(N:整数)を抽出して、字幕管理データMDの生成処理を繰り返す(ステップS6:NO)。
なお、ここで生成される字幕管理データMDは、携帯端末装置2の記録部12に記録される字幕管理データMDに対して、形式データFdが記録されない点で異なる。何故なら、字幕管理データMDに記録される形式データFdは、携帯端末装置2の処理により記録されるからである。
【0048】
そして、ステップS7では、メイン制御部36は字幕管理データMDを識別するためのタイトル情報を字幕管理データMDに付与する。例えば、このタイトル情報は、テレビジョン信号SGの先頭パケットに含まれるコンテンツの名称等を識別するものである。以上ステップS1からS7までの処理により、本発明にかかる対応関係作成手段を実現する。
【0049】
ステップS8では、メイン制御部36は、作成した字幕管理データMDをネットワークI/Fを用いて、ネットワークNに接続された携帯端末装置2に送信する。そのため、携帯端末装置2は、受信した字幕管理データMDを記録部12に格納する。
そして、ユーザー等の操作入力に基づいて、格納された字幕管理データMDの各字幕文Stに形式データFdを対応付けつつ字幕管理データMDの編集を行うことで、表示時刻Td、字幕文St、形式データFdが対応付けられた字幕管理データMDを作成する。
以上ステップS8の処理により、本発明にかかる対応関係送信手段を実現する。
【0050】
(3)字幕文の再生について:
以下、図1、図7を参照して、画像表示システム1における画像及び字幕文の表示について説明を行う。ここで、図7は、画像再生装置3が再生する画像のイメージ図である。
【0051】
まず、図1のステップSS1において、携帯端末装置2から画像再生装置3へ再生に係るコンテンツを識別するためのタイトル情報が送信される。このタイトル情報は、各字幕管理データMDに付与されたものと同一のものである。
【0052】
画像再生装置3では、ステップSC1で、メイン制御部36がこのタイトル情報を受信すると、ステップSC2においてタイトル情報に一致するコンテンツの再生を開始する。即ち、メイン制御部36はストリームコントローラー33にコンテンツ情報に対応した映像データを大容量記録部32から読み出すよう命令する。そして、読み出された映像データは、ストリームコントローラー33からAVデコーダー34を経由して表示装置4に出力される。
【0053】
そして、所定期間の経過毎に、画像再生装置3から携帯端末装置2へ、STCの定期送信が行われる(ステップSC3、SC4)。このSTCの定期送信の目的の1つとして、画像再生装置3と携帯端末装置2との間で処理の同期を取るために行われる。なお、画像再生装置3によるステップSC3、SC4の処理により、本発明の第2の通知手段を実現する。
【0054】
ステップSS2において、携帯端末装置2では、制御部11が画像再生装置3から送信されたSTCを受信し、SS3においてSTCの解析を行う。即ち、制御部11はSTCに含まれる時刻情報と字幕管理データMDとを照らし合わせて、再生時刻が近い字幕文を判断する。
【0055】
そして、携帯端末装置2では、ステップSS4において、制御部11は字幕管理データMDにおける表示時刻Tdの開始付近で、再生させる字幕文Stの通知を行う。即ち、制御部11は、通信部19を制御して、画像再生装置3に表示を行わせる字幕文及びその表示形式を通知する。そのため、ステップSS4の処理において、制御部11は第1の通知手段を実現する。
【0056】
そのため、画像再生装置3では、ステップSC5において、メイン制御部36は携帯端末装置2からの通知を受けると、SC6では、通知に従って所定の字幕文を所定の表示形式で再生させる。即ち、メイン制御部36は、通知された字幕文St及び形式データFdに従って、今から再生を行うテレビジョン信号SGの字幕文Stの表示形式を編集する。例えば、通知された字幕文Stが「airport」であり、形式データFdが「ハイライト」である場合は、字幕文St(airport)の前にハイライト表示を示すタグ「<Highlight>」が入力される(図7A)。そして、編集されたテレビジョン信号SGを表示装置4に出力し、映像として表示(再生)させる。
【0057】
その結果、図7Bに示すように、表示装置4の画面には、「airport」の文字がハイライト表示された字幕文が表示される。
なお、上記した表示形式の設定は一例であり、字幕文が作成される言語使用等に応じて適宜最適なものを使用すればよい。以上SC5の処理により、本発明の再生手段を実現する。
【0058】
以上説明したように、本実施形態では、携帯端末装置は、所定の文字情報とこの文字情報の表示形式とを対応づける字幕管理データMD(第1のデータ)を記録しており、記録された文字情報と表示形式との対応関係を画像再生装置に通知する。そして、画像再生装置では、通知された対応関係に従って所定の文字情報を対応付けられた表示形式で再生する。
そのため、携帯端末装置側で画像再生装置が再生する文字情報の表示形式を指定することが可能となる。
【0059】
また、画像再生装置においては、ユーザーからの文字情報の編集を受け付けるいわゆるユーザーインタフェースが未発達なものが多いため、ユーザーインタフェースが発達した携帯端末装置側で文字情報の表示形式の編集を受け付ける構成とすれば、より柔軟に表示形式をユーザーの所望のものに設定することができる。
【0060】
そして、画像再生装置から携帯端末装置へ文字情報の表示タイミングの通知がなされるため、携帯端末装置側で画像再生装置へ通知するタイミングを計る必要がなく、携帯端末装置側の処理負荷を低減することができる。
【0061】
さらに、携帯端末装置と画像再生装置とは、表示タイミングの同期を計ることができるため、処理の同期を正確に取ることができる。
【0062】
2.その他の実施形態:
本実施形態は様々な変形例が存在する。
画像再生装置3は、表示機能を備えないものに限定されない。即ち、画像再生装置3が表示機能を備えるものであってもよい。
また、字幕文と表示時刻と表示形式とを1つの字幕管理データMDにより管理することは一例であり、これに限定されない。例えば、複数の管理データを備える構成としてもよい。
そして、字幕管理データMDを携帯端末装置以外の装置が管理する構成であってもよい。例えば、字幕管理データMDをネットワークに接続されたサーバー上に管理しておき、携帯端末装置が使用する際、サーバーにアクセスすることで使用する構成としてもよい。 さらに、携帯端末装置の例として、携帯電話を用いることは一例であり、これ以外にもモバイルPC等であってもよい。
【0063】
上記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用することや、上記実施例の中で開示されていないが、公知技術であって上記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること、更に、上記実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が上記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること、は本発明の一実施例として開示されるものである。
【符号の説明】
【0064】
1…画像表示システム、2…携帯端末装置、3…画像再生装置、4…表示装置、10…バス、11…制御部、12…記録部、13…外部記録メディア、14…画面表示部、15…チューナ、15A…アンテナ、16…デコード部、17…DAC、18…スピーカ、19…通信部、19A…アンテナ、20…音声マイク、21…音声スピーカ、22…操作部、31…メディアドライブ、32…大容量記録部、33…ストリームコントローラー、34…AVデコーダー、35…AVエンコーダー、36…メイン制御部、37…記録部、38…ネットワークI/F

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像再生装置と携帯端末装置とを備える画像表示システムにおいて、
前記携帯端末装置は、
所定の文字情報とこの文字情報の表示形式との関係を規定する第1のデータを記録する記録部と、
前記第1のデータに記録された対応関係を前記画像再生装置に通知する第1の通知手段と、を有し、
前記画像再生装置は、
通知された前記対応関係に従って前記所定の文字情報を対応付けられた表示形式で再生させる再生手段とを有することを特徴とする画像表示システム。
【請求項2】
前記携帯端末装置は、記録された前記第1のデータに対して、前記表示形式の編集を受け付ける編集手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像表示システム。
【請求項3】
前記画像再生装置は、前記携帯端末装置に対して前記文字情報の表示タイミングを示す時間情報を通知する第2の通知手段を有し、
前記携帯端末装置は、前記第2の通知手段からの通知を受け付けた後に、前記第1の通知手段が通知を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の画像表示システム。
【請求項4】
前記記録部は、各文字情報とこの文字情報が表示される時刻との対応関係を規定する第2のデータを記録しており、
前記第1の通知手段は、前記時間情報の通知を受けると、前記第2のデータを参照して、前記通知を行うことを特徴とする請求項3に記載の画像表示システム。
【請求項5】
前記画像再生装置は、同画像再生装置が再生するコンテンツ毎に前記第2のデータを作成する対応関係作成手段と、
作成された前記第2のデータを前記携帯端末装置に送信する対応関係送信手段と、を有し、
前記編集手段は、前記第2のデータを編集することで、前記第1のデータを生成することを特徴とする請求項4に記載の画像表示システム。
【請求項6】
前記文字情報は、字幕情報であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の画像表示システム。
【請求項7】
画像再生装置と通信可能な携帯端末装置において、
所定の文字情報とこの文字情報の表示形式との対応関係を規定する第1のデータを記録する記録部と、
前記第1のデータに記録された対応関係を前記画像再生装置に通知する第1の通知手段と、を有することを特徴とする携帯端末装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−115511(P2013−115511A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258061(P2011−258061)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】