説明

画像読取装置および画像形成装置

【課題】原稿の位置ズレを低減すること。
【解決手段】原稿(Gi)を原稿台(PG,TG3′)側に吸着する吸着部材(7,7″)と、接触板(TG3,PG′)が離隔位置から接触位置への移動を開始したことを検出する接触開始検出手段(C4,C4′)と、接触開始検出手段(C4,C4′)によって接触板(TG3,PG′)が離隔位置から接触位置への移動を開始したことが検出された場合に、吸着部材(7,7″)を制御して、原稿(Gi)を原稿台(PG,TG3′)側に吸着させる吸着制御手段(C7)とを備えた画像読取装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原稿読取面に置かれた原稿の画像を読み取る画像読取装置、いわゆる、スキャナについて、下記の特許文献1〜3に記載の技術が知られている。
【0003】
特許文献1としての特開2000−235235号公報には、原稿が置かれるコンタクトガラス(2)と、前記コンタクトガラス(2)の上方に開閉可能に配置されて前記原稿をコンタクトガラス(2)側に上方から押し付ける圧板(3)と、前記コンタクトガラス(2)と圧板(3)との間に開閉可能に配置されて前記原稿の上方をカバーする透明圧板(4)とを有するスキャナ装置についての技術が記載されている。特許文献1には、各圧板(3,4)を開いた状態で原稿をコンタクトガラス(2)に置いた後、透明圧板(4)を閉じて原稿とコンタクトガラス(2)とを密着させ、原稿がズレていないことを目視によって確認してから圧板(3)を閉じることにより、圧板(3)で原稿をコンタクトガラス(2)側に押し付けた際の原稿のズレを低減する技術が記載されている。
【0004】
また、特許文献2としての特開2004−20804号公報には、原稿載置ガラス(21)と、原稿載置ガラス(21)上の原稿を上方から押し付ける原稿押え部材(2)とを有する画像形成装置のスキャナについての技術が記載されている。特許文献2には、モータ(M)の駆動力によって、原稿押え部材(2)を下面に支持する自動原稿送り装置(ADF)を自動開閉させて、原稿押え部材(2)を原稿載置ガラス(21)上の原稿に自動で押し付ける技術が記載されている。
すなわち、特許文献1、2には、開閉する際に空気の流れを伴う圧板によって、原稿を原稿ガラスに押し付ける技術が記載されている。
【0005】
また、特許文献3としての特開2007−124356号公報には、原稿台(2)上に置かれる原稿(4)を上方から押し付ける圧板(3)の下面に粘着部(5)を設けたスキャナ(21)についての技術が記載されている。特許文献3には、反り返った感熱ロール紙等の原稿(4)を前記粘着部(5)に貼り付けてから圧板(3)を閉じて原稿(4)を原稿台(2)側に押さえつけることにより、原稿(4)がズレたり、折れてしまったりすることを防止する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−235235号公報(要約書、「0011」〜「0013」、図1)
【特許文献2】特開2004−20804号公報(「0012」〜「0017」、図2)
【特許文献3】特開2007−124356号公報(要約書、「0018」、「0019」、図5)
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】"太平化学製品|特品部門|静電吸着板"、「online」、太平化学製品株式会社、「2009年9月1日検索」、インターネット<URL:http://www.taihei-chemicals.com/products/tokuhin02.shtml>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、原稿の位置ズレを低減することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記技術的課題を解決するために、請求項1記載の発明の画像読取装置では、
原稿が配置される原稿台と、
前記原稿台上の前記原稿に接触可能な接触板であって、前記原稿から離隔する離隔位置と、前記原稿に接触する接触位置と、の間を移動可能に支持された前記接触板と、
前記接触位置に移動した前記接触板と前記原稿台との間に挟持された前記原稿表面の画像を読み取る画像読取部と、
前記原稿を前記原稿台側に吸着する吸着部材と、
前記接触板が前記離隔位置から前記接触位置への移動を開始したことを検出する接触開始検出手段と、
前記接触開始検出手段によって前記接触板が前記離隔位置から前記接触位置への移動を開始したことが検出された場合に、前記吸着部材を制御して、前記原稿を前記原稿台側に吸着させる吸着制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像読取装置において、
前記原稿台側に配置され、電圧が付与された場合に前記原稿台上の原稿を静電吸着する電極によって構成された前記吸着部材、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の画像読取装置において、
前記接触板が前記離隔位置から前記接触位置に向けて移動したことを検出する移動検出部材と、
前記移動検出部材の検出信号に基づいて、前記接触板が前記離隔位置から前記接触位置への移動を開始したことを検出する前記接触開始検出手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像読取装置において、
前記接触板が前記接触位置から前記離隔位置への移動を開始したことを検出する離隔開始検出手段と、
前記離隔開始検出手段によって前記接触板が前記接触位置から前記離隔位置への移動を開始したことが検出された場合に、前記吸着部材を制御して、前記原稿の前記原稿台側への吸着を停止させる前記吸着制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の画像読取装置において、
前記接触板側に配置され、前記接触位置に移動した前記接触板と前記原稿台との間に挟持された前記原稿の前記接触板側の表面の画像を読み取る前記画像読取部、
を備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の画像読取装置において、
前記接触板を前記接触位置と前記離隔位置との間で移動させる接触板移動体と、
作業者による入力が可能な移動入力部材に対する入力がされた場合に、前記接触板移動体を制御して、前記接触板を前記離隔位置から前記接触位置に移動させる移動制御手段と、
前記移動入力部材に対する入力がされた場合に、前記接触板が前記離隔位置から前記接触位置への移動を開始したことを検出する前記接触開始検出手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0015】
前記技術的課題を解決するために、請求項7記載の発明の画像形成装置では、
原稿の画像を読み取る請求項1ないし6のいずれかに記載の画像読取装置と、
読み取られた前記画像を媒体に記録する画像記録装置と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1、7に記載の発明によれば、接触板を原稿側に移動させる際に原稿が原稿台側に吸着されない構成に比べて、原稿の位置ズレを低減することができる。
請求項2に記載の発明によれば、原稿を原稿台側に静電吸着することができる。
請求項3に記載の発明によれば、接触板の原稿側への移動を自動で検知することができる。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、原稿を原稿台から取り出す際に原稿に対する原稿台側への吸着力を解除することができ、原稿台側への吸着力を解除せずに原稿台に貼り付いた原稿を手動で剥離する構成に比べ、原稿を取り出し易くすることができる。
請求項5に記載の発明によれば、原稿の接触板側の表面の画像を読み取ることができる。
請求項6に記載の発明によれば、原稿を原稿台側に吸着させた状態で接触板を原稿側に自動的に移動させることができ、接触板を原稿側に自動的に移動させる際に原稿が原稿台側に吸着されない構成に比べて、原稿の位置ズレを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は実施例1の複写機の斜視図である。
【図2】図2は実施例1の複写機の全体説明図である。
【図3】図3は実施例1の複写機の要部拡大説明図である。
【図4】図4は実施例1のスキャナ部の要部拡大説明図であり、図4Aは自動原稿搬送部とプラテンガラスとの間の回転軸部分の断面図であり、図4Bは図4Aを矢印IVB方向から見た移動検出センサの斜視図であり、図4Cは図4Bを矢印IVC方向から見たリングの説明図である。
【図5】図5は実施例1の透明電極の説明図であり、スキャナ部の枠体上面を上方から見た状態の説明図である。
【図6】図6は実施例1の複写機の制御部が備えている各機能を機能ブロック図で示した図である。
【図7】図7は実施例1の吸着制御処理のフローチャートである。
【図8】図8は実施例2のスキャナ部の要部拡大説明図であり、図8Aは実施例1の図4Aに対応する実施例2の自動原稿搬送部とプラテンガラスとの間の回転軸部分の断面図であり、図8Bは実施例1の図5に対応する実施例2のスキャナ部の枠体上面を上方から見た状態の説明図である。
【図9】図9は実施例1の図6に対応する実施例2の複写機の制御部が備えている各機能を機能ブロック図で示した図である。
【図10】図10は実施例1の図7に対応する実施例2の吸着制御処理のフローチャートである。
【図11】図11は実施例2の図8Aに対応する実施例3のスキャナ部の要部拡大説明図であり、自動原稿搬送部とプラテンガラスとの間の回転軸部分の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例である実施例を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0020】
図1は実施例1の複写機の斜視図である。
図1において、本発明の実施例1の画像形成装置としての複写機Uは、上端部に配置された画像読取装置の一例としてのスキャナ部U1と、スキャナ部U1を支持する画像記録装置の一例としてのプリンタ部U2と、を有する。前記プリンタ部U2の下部には、媒体収容部の一例として、媒体の一例としてのシートを収容する複数の給紙トレイTR1〜TR4が着脱可能に装着されている。
【0021】
図2は実施例1の複写機の全体説明図である。
図2において、前記スキャナ部U1は、自動原稿搬送部U1aを有する。前記自動原稿搬送部U1aは、複写しようとする複数の原稿Giが重ねて収容される原稿収容部TG1と、原稿収容部TG1から供給されて透明な原稿台の一例であって、原稿読取り面の一例としてのプラテンガラスPG上の原稿読取位置を通過して搬送される原稿Giが排出される原稿排出部TG2とを有する。また、前記自動原稿搬送部U1aの底面には、前記プラテンガラスPG上の原稿Giに接触可能な接触板の一例としての圧板TG3が支持されている。
また、前記スキャナ部U1には、作業者が画像形成動作開始等の作動指令信号を入力操作する操作部UIと、前記プラテンガラスPGの下方に順次配置された画像読取部U1bを有する。前記画像読取部U1bは、原稿読取り位置に配置された露光系位置検出部材の一例としての露光系レジセンサSpと、露光光学系Aと、固体撮像素子CCDと、画像情報変換部IPS等とを有している。
【0022】
前記露光光学系Aは、その移動および停止が露光系レジセンサSpの検出信号により制御され、通常時には、画像読取位置の一例としての初期位置、いわゆる、ホームポジションに停止している。
前記自動原稿搬送部U1aを使用して自動的に原稿Giを搬送して複写を行う自動原稿搬送動作時には、前記露光光学系Aは初期位置に停止した状態で、前記プラテンガラスPG上の複写位置F1を順次通過する各原稿Giを露光する。
また、原稿Giを作業者が手で前記プラテンガラスPG上に置いて複写を行う原稿手動設置動作時には、露光光学系Aは移動しながら前記プラテンガラスPG上の原稿Giを露光走査する。
露光された前記原稿Giからの反射光は、前記露光光学系Aを通って固体撮像素子CCD上に収束される。前記固体撮像素子CCDは、その撮像面上に収束された反射光を赤:R、緑:G、青:Bの電気信号に変換する。
【0023】
画像情報変換部IPSは、固体撮像素子CCDから入力される前記RGBの電気信号をイエロー:Y、マゼンタ:M、シアン:C、黒:Kの画像情報に変換して一時的に記憶し、前記画像情報を予め設定された時期に潜像形成用の画像情報として潜像形成回路DLに出力する。なお、原稿画像が単色画像、いわゆる、モノクロの場合は、K:黒のみの画像情報が潜像形成回路DLに入力される。
前記潜像形成回路DLは、図示しない各色Y,M,C,Kの各駆動回路を有し、入力された画像情報に応じた信号を予め設定された時期に、各色毎に配置された潜像形成装置LHy,LHm,LHc,LHkに出力する。
【0024】
図3は実施例1の複写機の要部拡大説明図である。
図2、図3において、前記プリンタ部U2の重力方向中央部に配置された可視像形成装置Uy,Um,Uc,Ukはそれぞれ、Y,M,C,Kの各色の可視像を形成する装置である。
潜像形成装置LHy〜LHkの各潜像書込光源から出射したY,M,C,Kの潜像書込光は、それぞれ、回転する像保持体の一例としての感光体PRy,PRm,PRc,PRkに入射する。なお、実施例1では、前記潜像形成装置LHy〜LHkは、いわゆる、LEDアレイにより構成されている。
前記Yの可視像形成装置Uyは、回転する感光体PRy、帯電器CRy、潜像形成装置LHy、現像装置Gy、転写器T1y、清掃器の一例としての感光体クリーナCLyを有している。なお、実施例1では、感光体PRy、帯電器CRy、感光体クリーナCLyが、プリンタ部U2に対して一体的に着脱可能な像保持体ユニットとして構成されている。
前記可視像形成装置Um,Uc,Ukはいずれも前記Yの可視像形成装置Uyと同様に構成されている。
【0025】
前記各感光体PRy,PRm,PRc,PRkは各帯電器CRy,CRm,CRc,CRkにより帯電された後、画像書込位置Q1y,Q1m,Q1c,Q1kにおいて、潜像形成装置LHy,LHm,LHc,LHkにより表面に静電潜像が形成される。前記感光体PRy,PRm,PRc,PRk表面の静電潜像は、現像領域Q2y,Q2m,Q2c,Q2kにおいて、現像装置Gy,Gm,Gc,Gkの現像剤保持体の一例としての現像ロールR0y,R0m,R0c,R0kに保持された現像剤により可視像の一例としてのトナー像に現像される。
その現像されたトナー像は、中間転写体の一例としての中間転写ベルトBに接触する1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kに搬送される。前記1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kにおいて中間転写ベルトBの裏面側に配置された1次転写器T1y,T1m,T1c,T1kには、制御部Cにより制御される電源回路Eから所定の時期にトナーの帯電極性と逆極性の1次転写電圧が印加される。
【0026】
前記各感光体PRy〜PRk上のトナー像は前記1次転写器T1y〜T1kにより中間転写ベルトBに1次転写される。1次転写後の感光体PRy〜PRk表面の残留物、付着物は、感光体クリーナCLy〜CLkにより清掃される。清掃された前記感光体PRy〜PRk表面は、帯電器CRy〜CRkにより再帯電される。
前記感光体PRy〜PRkの上方には、上下移動可能且つ前方に引き出し可能な中間転写装置の一例としてのベルトモジュールBMが配置されている。前記ベルトモジュールBMは、前記中間転写ベルトBと、駆動部材の一例としてのベルト駆動ロールRd、張架部材の一例としてのテンションロールRt、蛇行防止部材の一例としてのウォーキングロールRw、従動部材の一例としてのアイドラロールRfおよび転写対向部材の一例としてのバックアップロールT2aと、前記1次転写器T1y〜T1kとを有している。そして、前記中間転写ベルトBは、前記各ロールRd,Rt,Rw,Rf,T2aにより構成される中間転写支持系の一例としてのベルト支持ロールRd,Rt,Rw,Rf,T2aにより回転移動可能に支持されている。
【0027】
前記バックアップロールT2aに接する中間転写ベルトBの表面に対向して2次転写部材の一例としての2次転写ロールT2bが配置されており、各ロールT2a,T2bにより2次転写器T2が構成されている。また、2次転写ロールT2bおよび中間転写ベルトBの対向する領域には2次転写領域Q4が形成される。前記1次転写領域Q3y〜Q3kで1次転写器T1y〜T1kにより中間転写ベルトB上に順次重ねて転写された単色または多色のトナー像は、前記2次転写領域Q4に搬送される。
前記可視像形成装置Uy〜Ukの下方には、容器案内部材の一例としての左右一対のガイドレールGRが4段設けられており、前記ガイドレールGRには、給紙トレイTR1〜TR4が前後方向に出入可能に支持されている。前記給紙トレイTR1〜TR4に収容されたシートSは、媒体取出し部材の一例としてのピックアップロールRpにより取り出され、媒体捌き部材の一例としてのさばきロールRsにより1枚ずつ分離される。
【0028】
そして、シートSは、媒体搬送路の一例であるシート搬送路SH1に沿って媒体搬送部材の一例としての複数の搬送ロールRaにより搬送され、2次転写領域Q4のシート搬送方向上流側に配置された時期調節部材の一例としてのレジロールRrに搬送される。
前記シート搬送路SH1、シート搬送ロールRa、レジロールRr等により媒体搬送装置の一例としてのシート搬送装置SH1+Ra+Rrが構成されている。
また、手差し給紙部の一例としての手差トレイTR0から給紙された記録シートSも、手差し用の媒体搬送路の一例としての手差しシート搬送路SH0から手差し用の搬送部材の一例としての手差シート搬送ロールRp0によりプリンタ本体U1内に搬送され、前記シート搬送路SHに沿って配置されたシート搬送ロールRa、レジロールRrにより前記2次転写領域Q4に搬送される。
【0029】
レジロールRrは、前記中間転写ベルトBに形成されたトナー像が2次転写領域Q4に搬送されるのに時期を合わせて、前記シートSを2次転写領域Q4に搬送する。シートSが前記2次転写領域Q4を通過する際、前記バックアップロールT2aは接地され、2次転写ロールT2bには前記制御部Cにより制御される電源回路Eからトナーの帯電極性と逆極性の2次転写電圧が印加される。このとき、前記中間転写ベルトB上のトナー像は、前記2次転写器T2によりシートSに転写される。
2次転写後の前記中間転写ベルトBは、中間転写体清掃器の一例としてのベルトクリーナCLbにより清掃される。また、2次転写ロールT2b表面に付着した紙粉や現像剤等の残留物は、2次転写器清掃装置の一例としての2次転写クリーナCLtにより除去されて2次転写ロールT2bが清掃される。
したがって、実施例1のプリンタ部U2では、1次転写器T1y〜T1k、中間転写ベルトB、2次転写器T2等により、感光体PRy〜PRk表面のトナー像をシートSに転写する転写装置T1+B+T2が構成されている。
【0030】
前記トナー像が2次転写されたシートSは、定着装置Fの加熱用定着部材の一例としての加熱ロールFhおよび加圧用定着部材の一例としての加圧ロールFpの接触領域である定着領域Q5に搬送され、前記定着領域Q5を通過する際に加熱定着される。
なお、前記加熱ロールFh表面には、シートSの前記加熱ロールからの離型性を良くするための離型剤が離型剤塗布装置Faにより塗布されている。
前記定着装置Fの搬送方向下流側である上方には、第1の媒体排出路の一例としての排紙路SH3と、反転や画像記録面を上側にして排出される記録シートSが搬送される分岐搬送路の一例としての上方接続路SH4が配置されている。前記排紙路SH3と上方接続路SH4とが接続されている分岐部には、記録シートSの搬送先に応じて搬送路を切り替える搬送路切り替え部材の一例としての第1ゲートGT1が配置されている。したがって、記録シートSが第1の媒体積載部の一例としての排紙トレイTRhに排出される場合には、定着された記録シートSが排紙路SH3を搬送され、第1の媒体排出部材の一例としての排紙ロールRhにより排紙トレイTRhに排出される。
【0031】
図1、図2において、前記定着装置Fの上方には、媒体排出装置の一例としてのオプション排出ユニットU3が支持されており、前記オプション排出ユニットU3は、前記排紙トレイTRhの上方に配置され、排紙トレイTRhと同様に画像記録面が下側になる状態で積載される第2の媒体排出部の一例としてのフェイスダウントレイTRh2と、画像記録面が上側になる状態で積載される第3の媒体排出部の一例としてのフェイスアップトレイTRh3とを有する。
前記オプション排出ユニットU3内部には、上側接続路SH4に接続される搬送路の一例としての反転・排出共通路SH5と、前記反転・排出共通路SH5に接続され且つフェイスダウントレイTRh2に記録シートSを送る第2の媒体排出路の一例としてのフェイスダウン排出路SH6と、前記反転・排出共通路SH5に接続され且つフェイスアップトレイTRh3に記録シートSを送る第3の媒体排出路の一例としてのフェイスアップ排出路SH7とを有する。前記フェイスダウン排出路SH6には、第2の媒体排出部材の一例であって媒体反転部材の一例として、正逆回転可能な反転ロールRh2が配置されており、前記フェイスアップ排出路SH7には、第3の媒体排出部材の一例としてのフェイスアップ排紙ロールRh3が配置され、各排出路SH6,SH7の記録シートSを搬送する。
【0032】
前記反転・排出共通路SH5、フェイスダウン排出路SH6およびフェイスアップ排出路SH7の分岐部には、記録シートSの搬送路を切り替える搬送路切り替え部材の一例としての第2ゲートGT2が配置されている。前記第2ゲートGT2は、記録シートSがフェイスダウントレイTRh2に排出される場合と両面印刷のために反転される場合にフェイスダウン排出路SH6に搬送路を切り替え、記録シートSがフェイスアップトレイTRh3に排出される場合にはフェイスアップ排出路SH7に搬送路を切り替える。
ここで、前記上方接続路SH4、反転・排出共通路SH5及びフェイスダウン排出路SH6により、実施例1の第2の排紙路SH4+SH5+SH6が構成されている。
また、前記上方接続路SH4、反転・排出共通路SH5及びフェイスアップ排出路SH7により、実施例1の第3の排紙路SH4+SH5+SH7が構成されている。
【0033】
前記プリンタ部U2の左側部には、追加ユニットの一例としての反転ユニットU4が設置されている。前記反転ユニットU4には、反転・排出共通路SH5の下端部に接続され、両面印刷時に記録シートSが搬送される搬送路の一例としての反転路SH8が設けられている。前記反転路SH8は、重力方向に沿って直線上に延びる主反転路SH8aと、前記主反転路SH8aと反転・排出共通路SH5とを接続する上流側反転路SH8bと、前記主反転路SH8aとレジロールRrとを接続する下流側反転路SH8cと、を有する。前記上流側反転路SH8bと反転・排出共通路SH5との接続部には、記録シートSが反転時に上方接続路SH4に搬送されないよう搬送路を切り替える搬送路切り替え部材の一例としての第3ゲートGT3が配置されている。前記反転・排出共通路SH5やフェイスダウン排出路SH6の搬送方向下流側の搬送路である反転路SH8には、反転路SH8内の記録シートSを搬送する反転路搬送部材の一例としての反転路搬送ロールRa2が配置されている。
【0034】
したがって、両面印刷がされる記録シートSは、前記反転・排出共通路SH5を搬送されて、反転ロールRh2により記録シートSの後端部が挟まれた状態になるまでフェイスダウントレイTRh2に排出された後、反転ロールRh2が逆回転し、記録シートSが反転路SH8に搬送される。前記反転路SH8を搬送された記録シートSは、反転路搬送ロールRa2により搬送され、表裏が反転した状態で、レジロールRrに搬送される。
前記ベルトモジュールBMの上方にはイエローY,マゼンタM,シアンC,黒Kの各現像剤を収容し、内部の現像剤をプリンタ部U2に搬送して補給する現像剤収容容器の一例であって、着脱体の一例としてのトナーカートリッジKy,Km,Kc,Kkが配置されている。各トナーカートリッジKy〜Kkに収容された現像剤は、前記現像装置Gy〜Gkの現像剤の消費に応じて、図示しない現像剤補給路から前記各現像装置Gy〜Gkに補給される。
【0035】
(実施例1の各検出センサ4,6の説明)
図4は実施例1のスキャナ部の要部拡大説明図であり、図4Aは自動原稿搬送部とプラテンガラスとの間の回転軸部分の断面図であり、図4Bは図4Aを矢印IVB方向から見た移動検出センサの斜視図であり、図4Cは図4Bを矢印IVC方向から見たリングの説明図である。
図4Aにおいて、実施例1の前記スキャナ部U1は、前記プラテンガラスPG、前記操作部UI、前記画像読取部U1b等を支持する枠体1を有する。前記枠体1の上面後端部の左右両側には、上方に延びる軸受部1a,1aが形成されている。
また、前記自動原稿搬送部U1aの下側後端部の左右両側には、前記軸受部1a,1aに回転可能に支持される回転軸2,2が支持されている。すなわち、前記自動原稿搬送部U1aは、前記回転軸2,2を回転中心として、前記枠体1に対して回転可能に支持されている。
【0036】
よって、実施例1では、前記自動原稿搬送部U1aは、枠体1の上面に対して、図4Aの実線に示す閉塞位置と、図4Aの破線に示す開放位置との間を開閉可能に支持されている。このため、前記自動原稿搬送部U1aに支持された圧板TG3は、前記自動原稿搬送部U1aが閉塞位置に移動すると、プラテンガラスPG上の原稿Giに接触する接触位置に移動し、前記自動原稿搬送部U1aが開放位置に移動すると、プラテンガラスPG上の原稿Giから離隔する離隔位置に移動する。
前記軸受部1a,1aと前記回転軸2,2とによって、前記枠体1と前記自動原稿搬送部U1aとを連結する連結部の一例としてのヒンジ(1a+2)が構成されている。
また、図4Bにおいて、左側の回転軸2の軸方向中央部には、環状部材の一例としてのリング3が前記回転軸2と一体的に回転可能に支持されている。実施例1の前記リング3の外周面には、図4Cに示すように、前記自動原稿搬送部U1aが接触位置に移動した場合に下端に配置される第1切欠部3aと、前記自動原稿搬送部U1aが離隔位置に移動した場合に下端に配置される第2切欠部3bとが形成されている。
【0037】
また、前記リング3の下方には、前記自動原稿搬送部U1aの移動を検出する移動検出部材の一例としての移動検出センサ4が配置されている。前記移動検出センサ4は、前記リング3の下端部を挟んで左右方向に配置され、検出光を発光する発光部4aと、前記検出光を受光する受光部4bとを有する。実施例1の前記移動検出センサ4は、前記各切欠部3a,3bが下端に配置された場合に、前記受光部4bが前記各切欠部3a,3bを通過した検出光を受光する。よって、実施例1では、前記受光部4bが検出光を受光した状態であるオンの状態から、前記リング3に検出光が遮光された状態であるオフの状態になった場合に、作業者が前記自動原稿搬送部U1aの閉塞位置と開放位置との間の移動を開始したことを検出できる。
また、図4Aにおいて、前記枠体1の上面の後側左端部には、前記自動原稿搬送部U1aの開閉を検出する開閉検出部材の一例としての開閉検出センサ6が配置されている。
【0038】
(実施例1の透明電極7の説明)
図5は実施例1の透明電極の説明図であり、スキャナ部の枠体上面を上方から見た状態の説明図である。
図5において、実施例1の前記プラテンガラスPGは、電圧の一例としての直流電圧に対して電気を通さない誘電体として構成されており、プラテンガラスPGの内部には、吸着部材の一例としての透明電極7が配置されている。実施例1の前記透明電極7は、プラテンガラスPGの全面を蛇行させて配線されており、数[KV]程度の直流電圧が付与された場合に、前記プラテンガラスPG上に静電気を帯びさせて原稿Giを静電吸着する。
したがって、実施例1の前記プリンタ部U1では、高電圧の直流電圧が印加される透明電極7が誘電体としてのプラテンガラスPGに覆われており、透明電極7が原稿Giを静電吸着する際に、透明電極7に作業者が直接触れて感電することが防止されている。
また、前記透明電極7に対する直流電圧の印加が停止された場合には、前記プラテンガラスPG上の静電気が減少し、原稿Giに対する吸着力が弱くなる。すなわち、原稿Giに対する静電吸着が解除される。
【0039】
なお、実施例1では、前記プラテンガラスPGを、例えば、アクリル等の透明樹脂によって構成でき、前記透明電極7を、例えば、酸化インジウムスズ、いわゆる、ITO:Indium Tin Oxide等の透明導電材によって構成できる。
ここで、実施例1のように、透明電極7を利用した吸着部材としては、例えば、高抵抗の透明導電シートに高電圧の直流電圧を印加することにより、人体に悪影響を与えない程度の静電気で掲示物を透明導電シートに静電吸着する透明静電吸着掲示板が実開平5−96882号公報に記載されており、従来公知である。また、静電吸着を利用したその他の静電吸着装置についても、例えば、特公昭58−18239号公報や特開2005−245157号公報や非特許文献1等に記載されている。
【0040】
(実施例1の制御部Cの説明)
図6は実施例1の複写機の制御部が備えている各機能を機能ブロック図で示した図である。
図6において、実施例1の複写機Uの制御部Cは、小型の情報処理装置、いわゆるマイクロコンピュータにより構成されており、外部との信号の入出力、および、入出力信号レベルの調節等を行うI/O、必要な処理を実行するためのプログラム、および、データ等が記憶されたROM、必要なデータを一時的に記憶するためのRAMや、HDD、前記ROMや、前記HDDに記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU、ならびにクロック発振器等を有しており、前記ROMに記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
【0041】
(実施例1の制御部Cに接続された信号入力要素)
前記制御部Cには、次の信号出力要素UI,4,6等の出力信号が入力されている。
UI:操作部
操作部UIは、表示部UI1、印刷実行釦の一例であり読取り開始釦の一例としてのコピー開始釦UI2、方向入力釦の一例としての矢印釦UI3等を有し、前記各釦UI2,UI3の入力信号を制御部Cに入力する。
【0042】
4:移動検出センサ
移動検出センサ4は、自動原稿搬送部U1aが、図4Aの実線に示す閉塞位置と、図4Aの破線に示す開放位置との間で移動を開始したか否かの検出信号を制御部Cに入力する。実施例1の移動検出センサ4は、発行部4aによって発行されて各切欠部3a,3bを通過した検出光を受光部4bが受光したか否かのオン・オフの出力信号としての前記検出信号を制御部Cに入力する。
6:開閉検出センサ
開閉検出センサ6は、自動原稿搬送部U1aの開閉を検出し、その検出信号を制御部Cに入力する。実施例1の開閉検出センサ6は、自動原稿搬送部U1aが閉塞位置に配置されているか否かのオン・オフの出力信号としての前記検出信号を制御部Cに入力する。
【0043】
(実施例1の制御部Cに接続された被制御要素)
制御部Cは、次の被制御要素D1,E等の制御信号を出力している。
D1:メインモータ駆動回路
主駆動源駆動回路の一例としてのメインモータ駆動回路D1は、主駆動源の一例としてのメインモータM1を駆動することにより、感光体PRy〜PRk、現像装置Gy〜Gkの現像ロールR0y〜R0k、定着装置Fの加熱ロールFh、搬送ロールRa,Ra2等を回転駆動する。
【0044】
E:電源回路
電源回路Eは、現像用電源回路E1、帯電用電源回路E2、転写用電源回路E3、定着用電源回路E4、吸着用電源回路E5等を有している。
E1:現像用電源回路
現像用電源回路E1は、現像装置Gy〜Gkの現像ロールR0y〜R0kに現像電圧を印加する。
E2:帯電用電源回路
帯電用電源E2は、帯電器CRy〜CRkそれぞれに感光体PRy〜PRk表面を帯電させるための帯電電圧を印加する。
E3:転写用電源回路
転写用電源回路E3は、1次転写装置T1y〜T1kや2次転写ロールT2bに転写電圧を印加する。
E4:定着用電源回路
定着用電源回路E4は、定着装置Fの加熱ロールFhにヒータ加熱用の電流を供給する。
E5:吸着用電源回路
吸着用電源回路E5は、プラテンガラスPG内部の透明電極7に直流電圧を印加する。
【0045】
(実施例1の制御部Cの機能)
前記制御部Cは、前記信号出力要素UI,4,6からの入力信号に応じた処理を実行して、前記各制御要素D1,Eに制御信号を出力する機能等を有している。すなわち、制御部Cは次の機能を有している。
C1:ジョブ制御手段
画像形成制御手段の一例としてのジョブ制御手段C1は、スキャナU1で読み込まれた原稿画像の情報に応じて、前記帯電器CRy〜CRk、1次転写装置T1y〜T1k、定着装置F等の動作を制御して画像形成動作の一例としてのジョブを実行する。
【0046】
C2:メインモータ駆動制御手段
主駆動源駆動制御手段の一例としてのメインモータ駆動制御手段C2は、前記メインモータ駆動回路D1を介して前記メインモータM1の駆動を制御して、感光体PRy〜PRk、現像装置Gy〜Gkの現像ロールR0y〜R0k、定着装置Fの加熱ロールFh、搬送ロールRa,Ra2等の駆動を制御する。
C3:電源回路制御手段
電源回路制御手段C3は、前記電源回路Eの作動を制御して、前記現像装置Gy〜Gkの現像電圧や前記帯電器CRy〜CRkの帯電電圧、前記1次転写装置T1y〜T1kの1次転写電圧、前記加熱ロールFhのヒータの加熱用電流、前記透明電極7の直流電圧等の電圧・電流の供給を制御する。
【0047】
C4:接触開始検出手段
接触開始検出手段C4は、離隔位置検出手段C4Aを有し、各検出センサ4,6の検出信号に基づいて、自動原稿搬送部U1aの底面に支持された圧板TG3が図4Aの破線に示す離隔位置から図4Aの実線に示す接触位置への移動を開始したことを検出する。実施例1の前記接触開始検出手段C4は、前記離隔位置検出手段C4Aによって離隔位置に移動した圧板TG3が検出されてから、移動検出センサ4がオンの状態からオフの状態に変化した場合に、圧板TG3が離隔位置から接触位置への移動を開始したことを検出する。
C4A:離隔位置検出手段
離隔位置検出手段C4Aは、開閉検出センサ6がオフの状態であることを検出することにより、自動原稿搬送部U1aの底面に支持された圧板TG3が離隔位置に移動したことを検出する。
【0048】
C5:離隔開始検出手段
離隔開始検出手段C5は、接触位置検出手段C5Aを有し、各検出センサ4,6の検出信号に基づいて、圧板TG3が接触位置から離隔位置への移動を開始したことを検出する。実施例1の離隔開始検出手段C5は、前記接触位置検出手段C5Aによって接触位置に移動した圧板TG3が検出されてから、移動検出センサ4がオンの状態からオフの状態に変化した場合に、圧板TG3が接触位置から離隔位置への移動を開始したことを検出する。
C5A:接触位置検出手段
接触位置検出手段C5Aは、開閉検出センサ6がオンの状態であることを検出することにより、自動原稿搬送部U1aの底面に支持された圧板TG3が接触位置に移動したことを検出する。
【0049】
C6:吸着制御手段
吸着制御手段C6は、吸着開始手段C6Aと、吸着停止手段C6Bとを有し、前記電源回路制御手段C3を介して、透明電極7に対する直流電圧の印加を制御して、原稿GiのプラテンガラスPG側への吸着を制御する。
C6A:吸着開始手段
吸着開始手段C6Aは、前記接触開始検出手段C4によって圧板TG3が離隔位置から接触位置への移動を開始したことが検出された場合に、透明電極7に直流電圧を印加して、原稿GiをプラテンガラスPG側に吸着させる。
C6B:吸着停止手段
吸着停止手段C6Bは、前記離隔開始検出手段C5によって圧板TG3が接触位置から離隔位置への移動を開始したことが検出された場合に、透明電極7への直流電圧の印加を停止して、原稿GiのプラテンガラスPG側への吸着を停止させる。
【0050】
(実施例1の流れ図の説明)
次に、実施例1の複写機Uの処理の流れを流れ図、いわゆるフローチャートを使用して説明する。
(実施例1の吸着制御処理のフローチャートの説明)
図7は実施例1の吸着制御処理のフローチャートである。
図7のフローチャートの各ST:ステップの処理は、複写機Uの制御部Cのハードディスク等に記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理は複写機Uの他の各種処理と並行して並列処理で実行される。
図7に示すフローチャートは複写機の電源が投入された時に開始される。
【0051】
図7のST1において、開閉検出センサ6がオフの状態であるか否かを判別することにより、図4の破線に示す離隔位置に移動した圧板TG3を検出したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST2に移り、ノー(N)の場合はST1を繰り返す。
ST2において、移動検出センサ4がオンの状態からオフの状態に変化したか否かを判別することにより、圧板TG3の離隔位置から図4の実線に示す接触位置への移動開始を検出したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST3に移り、ノー(N)の場合はST2を繰り返す。
ST3において、図5に示す透明電極7に対して直流電圧の印加を開始して、原稿GiのプラテンガラスPG側への静電吸着を開始する。そして、ST4に移る。
【0052】
ST4において、開閉検出センサ6がオンの状態であるか否かを判別することにより、接触位置に移動した圧板TG3を検出したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST5に移り、ノー(N)の場合はST4を繰り返す。
ST5において、移動検出センサ4がオンの状態からオフの状態に変化したか否かを判別することにより、圧板TG3の接触位置から離隔位置への移動開始を検出したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST6に移り、ノー(N)の場合はST5を繰り返す。
ST6において、透明電極7に対する直流電圧の付与を停止して、原稿GiのプラテンガラスPGへの静電吸着を停止する。そして、ST1に戻る。
【0053】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1の前記複写機Uでは、スキャナ部U1で読み取られた原稿Giの下面の画像がプリンタ部U2でシートSに複写される。ここで、プラテンガラスPG上に置かれた原稿Giの下面の画像を複写する場合には、まず、作業者が自動原稿搬送部U1aを図4Aの実線に示す閉塞位置から図4Aの破線に示す開放位置まで移動させ、圧板TG3を接触位置から離隔位置まで移動させる。次に、原稿GiがプラテンガラスPG上に置かれて位置合わせされた後、自動原稿搬送部U1aが開放位置から閉塞位置まで移動され、圧板TG3が離隔位置から接触位置まで移動される。このとき、圧板TG3とプラテンガラスPGとの間には、圧板TG3の接近に伴う空気の流れが発生する。そして、操作部UIのコピー開始釦UI2が押下されて、原稿Giの画像が読み取られてシートSに複写される。
【0054】
したがって、プラテンガラスPG上に置かれた原稿Giの下面の画像を複写する場合には、自動原稿搬送部U1aを閉じて圧板TG3をプラテンガラスPG上の原稿Gi側に移動させようとすると、圧板TG3の移動に伴い、圧板TG3とプラテンガラスPGとの間に空気の流れが発生してしまう。
この場合、特許文献1、2等の従来のスキャナでは、プラテンガラスPG上の原稿Giが前記空気に流されて位置ズレする可能性があった。また、特許文献3の従来のスキャナでは、原稿Giが位置ズレしないようにするために、原稿GiをプラテンガラスPG上に置かずに、原稿Giを圧板TG3に予め貼り付けてから圧板TG3を接触位置に移動させていた。このため、特許文献3の従来のスキャナでは、一旦貼り付けた原稿Giの位置を修正したり、次の原稿Giに交換したりする際に、原稿Giを圧板TG3に対して着脱する煩わしさが発生する等の問題があった。
【0055】
これに対して、実施例1の前記スキャナ部U1では、自動原稿搬送部U1aを閉じようとすると、各検出センサ4,6の検出信号によって圧板TG3の接触位置への移動開始が検出される。そして、図7のST3の処理が実行されて、図5に示す透明電極7に対して直流電圧が印加され、原稿GiがプラテンガラスPG側に静電吸着される。
したがって、実施例1の前記スキャナ部U1は、圧板TG3を原稿Gi側に移動させる際に空気の流れが発生しても、プラテンガラスPG上の原稿Giが、静電吸着されない場合に比べ、位置ズレし難くなっている。
この結果、実施例1の前記複写機Uは、原稿GiがプラテンガラスPG側に吸着されない場合に比べ、圧板TG3を原稿Gi側に移動させる際の位置ズレが低減される。また、実施例1の前記複写機Uは、自動原稿搬送部U1aを閉じる前に原稿GiをプラテンガラスPGや圧板TG3に予め貼り付ける構成に比べ、プラテンガラスPG上に置かれた原稿Giの位置合わせが容易になっている。
【0056】
また、前記構成を備えた実施例1の前記複写機Uでは、複写された原稿Giを取り出す場合には、自動原稿搬送部U1aを閉塞位置から開放位置まで移動させ、圧板TG3を接触位置から離隔位置まで移動させる。このとき、実施例1の前記スキャナ部U1では、各検出センサ4,6の検出信号によって自動原稿搬送部U1aを開いて圧板TG3の離隔位置への移動開始が検出される。そして、図7のST6の処理が実行されて、透明電極7に対する直流電圧の印加が停止され、原稿Giに対する静電吸着が解除される。
この結果、実施例1の前記複写機Uは、複写された原稿Giを取り出す際に、プラテンガラスPGや圧板TG3に吸着した原稿Giを手動で剥離する構成に比べ、原稿Giを取り出し易くなっている。
【実施例2】
【0057】
次に、本発明の実施例2の説明をするが、この実施例2の説明において、前記実施例1の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例2は、下記の点で前記実施例1と相違しているが、他の点では前記実施例1と同様に構成されている。
【0058】
(実施例2のスキャナ部U1′の説明)
図8は実施例2のスキャナ部の要部拡大説明図であり、図8Aは実施例1の図4Aに対応する実施例2の自動原稿搬送部とプラテンガラスとの間の回転軸部分の断面図であり、図8Bは実施例1の図5に対応する実施例2のスキャナ部の枠体上面を上方から見た状態の説明図である。
図8において、実施例2の複写機Uは、実施例1の前記スキャナ部U1に替えて、上端部に配置された画像読取装置の一例としてのスキャナ部U1′を有する。実施例2の前記スキャナ部U1′は、実施例1と同様の原稿収容部TG1と原稿排出部TG2とを有し、底面に実施例1と同様の圧板TG3を支持する自動原稿搬送部U1a′を有する。前記自動原稿搬送部U1a′の下方には、圧板TG3と対向する位置に、実施例1と同様の透明電極7を有する原稿台の一例としてのプラテンガラスPGが配置されている。
また、実施例2の前記スキャナ部U1′は、実施例1の前記操作部UIおよび前記画像読取部U1bに替えて、操作部UI′および画像読取部U1b′を有する。実施例2の前記画像読取部U1b′は、実施例1と同様の露光系レジセンサSpと露光光学系Aと固体撮像素子CCDと画像情報変換部IPS等とを有している。
【0059】
(実施例2の自動開閉機構U1cの説明)
また、実施例2の前記スキャナ部U1′は、実施例1の枠体1に替えて、プラテンガラスPG、操作部UI′、画像読取部U1b′等を支持する枠体1′を有する。前記枠体1′の上側左端部の前後両側には、上方に延びる軸受部1a′,1a′が支持されている。
また、前記自動原稿搬送部U1a′の下側左端部には、前後方向に延びて前記軸受部1a′,1a′に回転可能に支持される回転軸2′が支持されている。すなわち、前記自動原稿搬送部U1a′は、回転軸2′を回転中心として、枠体1′に対して回転可能に支持されている。
前記軸受部1a′,1a′と前記回転軸2′とにより、連結部の一例としてのヒンジ(1a′+2′)が構成されている。
【0060】
前記回転軸2′の後端には、過負荷保護機構付き歯車の一例としてのトルクリミッタ付きギアG0が支持されており、前記トルクリミッタ付きギアG0の下方には、第1の駆動伝達歯車の一例としての第1ギアG1が噛み合っている。前記第1ギアG1は、後方に延びる第1の駆動伝達軸部の一例としての第1シャフト3′によって支持されており、前記第1シャフト3′の後端部は、前記枠体1′によって回転可能に支持されている。また、前記第1ギアG1は、右斜め下方に配置された第2の駆動伝達歯車の一例としての第2ギアG2に噛み合っている。前記第2ギアG2は、後方に延びる第2の駆動伝達軸部の一例としての第2シャフト4′に支持されている。前記第2シャフト4′の後端部は、前記枠体1′によって回転可能に支持されている。前記第2シャフト4′の中央部には、駆動力伝達機構の一例としての電磁クラッチが設けられた第1の駆動力伝達機構付き歯車の一例であって、第3の駆動伝達歯車の一例としての第1クラッチギアG3が支持されている。
また、前記第1クラッチギアG3の右方には、第4の駆動伝達歯車の一例としての駆動ギアG4が噛み合っている。前記駆動ギアG4には、正逆回転可能な読取用駆動源の一例としての読取用モータ6′からの駆動力が伝達されている。
【0061】
また、前記駆動ギアG4は、右方に配置され、電磁クラッチが設けられた第2の駆動力伝達機構付き歯車の一例であって、第5の駆動伝達歯車の一例としての第2クラッチギアG5に噛み合っている。前記第2クラッチギアG5は、前後方向に延びる第3の駆動伝達軸部の一例としての第3シャフト7′の中央部に支持されている。前記第3シャフト7′の後端部は、前記枠体1′によって回転可能に支持されており、前記第3シャフト7′の前端部には、第6の駆動伝達歯車の一例としての第6ギアG6が支持されている。前記第6ギアG6は、右斜め下方に配置された第7の駆動伝達歯車の一例としての第7ギアG7に噛み合っている。前記第7ギアG7は、前後方向に延びて前記枠体1に回転可能に支持された第4の駆動伝達軸部の一例としての第4シャフト8′に支持されている。
また、前記枠体1′の上側左端部には、前記第4シャフト8′に対向する第5の駆動伝達軸部の一例としての第5シャフト9′が回転可能に支持されている。前記各シャフト8′,9′の前後両端部には、前記露光光学系Aを左右方向に移動、走査させる露光系移動部材の一例としてのワイヤ11′,11′が張架されている。
【0062】
実施例2では、前記自動原稿搬送部U1a′を開閉する場合には、第1クラッチギアG3の図示しない第1電磁クラッチをオン、第2クラッチギアG5の図示しない第2電磁クラッチをオフにした状態で、読取用モータ6′を正逆回転させることにより、各ギアG4,G3,G2,G1,G0を介して、回転軸2′を回転させる。この結果、実施例2の前記自動原稿搬送部U1a′は、図8Aの実線に示す閉塞位置と、図8Aの破線に示す開放位置との間を移動でき、前記圧板TG3は、接触位置と離隔位置との間を移動できる。
【0063】
なお、実施例2の前記自動原稿搬送部U1a′は、開放位置まで移動すると、左端部が軸受部1a′,1a′に支持されて物理的に回転不能となるように構成されている。このため、前記自動原稿搬送部U1a′が閉塞位置や開放位置を超えて回転しようとすると、過負荷がかかり、前記トルクリミッタ付きギアG0の図示しないトルクリミッタによって回転軸2′が回転しないようになっている。
前記ヒンジ(1a′+2′)、前記各ギアG0〜G4、前記各シャフト3′,4′、前記読取用モータ6′等により、圧板TG3を接触位置と離隔位置との間で移動させる接触板移動体の一例としての自動開閉機構U1cが構成されている。
【0064】
また、実施例2では、前記プラテンガラスPG上の原稿Giを露光走査する場合には、第1電磁クラッチをオフ、第2電磁クラッチをオンにした状態で、読取用モータ6′を正逆回転させることにより、各ギアG4,G5,G6,G7を介して、各シャフト8′,9′およびワイヤ11′,11′を回転させる。この結果、前記露光光学系Aを左右方向に移動させながらプラテンガラスPG上の原稿Giを露光走査できる。
さらに、実施例2の前記スキャナ部U1′は、実施例1の前記各検出センサ4,6が省略されており、前記枠体1の上面の後側右端部に開閉検出部材の一例としての開閉検出センサ12′が配置されている。
【0065】
(実施例2の制御部Cの説明)
図9は実施例1の図6に対応する実施例2の複写機の制御部が備えている各機能を機能ブロック図で示した図である。
(実施例2の制御部Cに接続された信号入力要素)
図9において、実施例2の複写機Uの制御部Cには、次の信号出力要素UI′,12′等の出力信号が入力されている。
UI′:操作部
操作部UI′は、実施例1と同様の表示部UI1、実施例1と同様のコピー開始釦UI2、矢印釦UI3等を有し、且つ、自動原稿搬送部U1a′を開放位置に移動させる開放釦UI4と、自動原稿搬送部U1a′を閉塞位置に移動させる移動入力部材の一例としての閉塞釦UI5とを有し、前記各釦UI2〜UI5の入力信号を制御部Cに入力する。
12′:開閉検出センサ
開閉検出センサ12′は、実施例1の開閉検出センサ6と同様に、自動原稿搬送部U1a′の開閉を検出し、その検出信号を制御部Cに入力する。
【0066】
(実施例2の制御部Cに接続された被制御要素)
また、実施例2の前記制御部Cには、実施例1の前記制御部Cに対して、次の被制御要素D2への制御信号の出力が追加されている。
D2:読取用モータ駆動回路
読取用駆動源駆動回路の一例としての読取用モータ駆動回路D2は、読取用モータ6′を正逆回転駆動することにより、各ギアG0〜G7を介して、自動原稿搬送部U1a′を開閉させたり、露光光学系Aを左右方向に移動させたりする。
【0067】
(実施例2の制御部Cの機能)
また、実施例2の前記制御部Cは、移動制御手段C7を有し、実施例1の前記接触開始検出手段C4、前記離隔開始検出手段C5、前記吸着開始手段C6A、前記吸着停止手段C6Bに替えて、接触開始検出手段C4′、離隔開始検出手段C5′、吸着開始手段C6A′、吸着停止手段C6B′を有する。
C7:移動制御手段
移動制御手段C7は、接触制御手段C7Aと、離隔制御手段C7Bとを有し、自動開閉機構U1cを制御して、自動原稿搬送部U1a′の開閉を制御して、圧板TG3の図8Aの実線に示す接触位置と図8Aの破線に示す離隔位置との間の移動を制御する。実施例2の移動制御手段C7は、読取用モータ駆動回路D2を介して読取用モータ6′の正逆回転駆動を制御したり、各クラッチギアG3,G5の電磁クラッチのオン・オフを制御したりして、自動原稿搬送部U1a′の開閉や、露光光学系Aの左右方向への移動を制御する。
【0068】
C7A:接触制御手段
接触制御手段C7Aは、離隔位置検出手段C7A1と、操作部UI′の閉塞釦UI5に対する入力がされたか否かを判別する閉塞釦入力判別手段C7A2とを有し、自動開閉機構U1cを制御して、自動原稿搬送部U1a′を図8Aの破線に示す開放位置から図8Aの実線に示す閉塞位置まで移動させ、圧板TG3を離隔位置から接触位置に移動させる。実施例2の前記接触制御手段C7Aは、前記離隔位置検出手段C7A1によって離隔位置に移動した圧板TG3が検出されてから、前記閉塞釦入力判別手段C7A2によって操作部UI′の閉塞釦UI5に対する入力があったと判別された場合に、第1クラッチギアG3の電磁クラッチをオン、第2クラッチギアG5の電磁クラッチをオフにした状態で、読取用モータ6′を逆回転駆動させて、圧板TG3を離隔位置から接触位置に移動させる。
C7A1:離隔位置検出手段
離隔位置検出手段C7A1は、開閉検出センサ12′がオフの状態であることを検出することにより、自動原稿搬送部U1a′の底面に支持された圧板TG3が離隔位置に移動したことを検出する。
【0069】
C7B:離隔制御手段
離隔制御手段C7Bは、接触位置検出手段C7B1と、操作部UI′の開放釦UI4に対する入力がされたか否かを判別する開放釦入力判別手段C7B2とを有し、自動開閉機構U1cを制御して、自動原稿搬送部U1a′を閉塞位置から開放位置まで移動させ、圧板TG3を接触位置から離隔位置に移動させる。実施例2の前記離隔制御手段C7Bは、前記接触位置検出手段C7B1によって離隔位置に移動した圧板TG3が検出されてから、前記開放釦入力判別手段C7B2によって操作部UI′の開放釦UI4に対する入力があったと判別された場合に、第1クラッチギアG3の電磁クラッチをオン、第2クラッチギアG5の電磁クラッチをオフにした状態で、読取用モータ6′を正回転駆動させて、圧板TG3を接触位置から離隔位置に移動させる。
C7B1:接触位置検出手段
接触位置検出手段C7B1は、開閉検出センサ12′がオンの状態であることを検出することにより、自動原稿搬送部U1a′の底面に支持された圧板TG3が接触位置に移動したことを検出する。
【0070】
C4′:接触開始検出手段
接触開始検出手段C4′は、圧板TG3が離隔位置から接触位置への移動を開始したことを検出する。実施例2の前記接触開始検出手段C4′は、前記離隔位置検出手段C7A1によって離隔位置に移動した圧板TG3が検出されてから、前記閉塞釦入力判別手段C7A2によって操作部UI′の閉塞釦UI5に対する入力があったと判別された場合に、圧板TG3が離隔位置から接触位置への移動を開始したことを検出する。
C5′:離隔開始検出手段
離隔開始検出手段C5′は、圧板TG3が接触位置から離隔位置への移動を開始したことを検出する。実施例2の離隔開始検出手段C5′は、前記接触位置検出手段C7B1によって離隔位置に移動した圧板TG3が検出されてから、前記開放釦入力判別手段C7B2によって操作部UI′の開放釦UI4に対する入力があったと判別された場合に、圧板TG3が接触位置から離隔位置への移動を開始したことを検出する。
【0071】
C6A′:吸着開始手段
吸着開始手段C6A′は、前記接触開始検出手段C4′によって圧板TG3が離隔位置から接触位置への移動を開始したことが検出された場合に、透明電極7に直流電圧を印加して、原稿GiをプラテンガラスPG側に吸着させる。
C6B′:吸着停止手段
吸着停止手段C6B′は、前記離隔開始検出手段C5′によって圧板TG3が接触位置から離隔位置への移動を開始したことが検出された場合に、透明電極7への直流電圧の印加を停止して、原稿GiのプラテンガラスPG側への吸着を停止させる。
【0072】
(実施例2の流れ図の説明)
次に、実施例2の複写機Uの処理の流れをフローチャートを使用して説明する。
(実施例2の吸着制御処理のフローチャートの説明)
図10は実施例1の図7に対応する実施例2の吸着制御処理のフローチャートである。
図10において、実施例2の吸着制御処理のフローチャートでは、実施例1の吸着制御処理のフローチャートのST1〜ST6の処理に替えて、以下のST101〜ST109の処理が実行される。
【0073】
図10のST101において、開閉検出センサ12′がオンの状態であるか否かを判別することにより、接触位置に移動した圧板TG3を検出したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST102に移り、ノー(N)の場合はST101を繰り返す。
ST102において、操作部UIの開放釦UI4に対する入力がされたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST103に移り、ノー(N)の場合はST102を繰り返す。
ST103において、第1クラッチギアG3の電磁クラッチをオン、第2クラッチギアG5の電磁クラッチをオフにした状態で、読取用モータ6′を正回転駆動させて、自動原稿搬送部U1a′を図8の実線に示す閉塞位置から図8の破線に示す開放位置まで移動させ、圧板TG3を図8の実線に示す接触位置から図8の破線に示す離隔位置に移動させる。そして、ST104に移る。
【0074】
ST104において、操作部UIの閉塞釦UI5に対する入力がされたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST105に移り、ノー(N)の場合はST104を繰り返す。
ST105において、以下の(1),(2)の処理を実行し、ST106に移る。
(1)図8Bに示す透明電極7に対して直流電圧の印加を開始して、原稿GiのプラテンガラスPG側への静電吸着を開始する。
(2)第1クラッチギアG3の電磁クラッチをオン、第2クラッチギアG5の電磁クラッチをオフにした状態で、読取用モータ6′を逆回転駆動して、自動原稿搬送部U1a′の開放位置から閉塞位置への移動を開始させ、圧板TG3の離隔位置から接触位置への移動を開始する。
【0075】
ST106において、開閉検出センサ12′がオンの状態であるか否かを判別することにより、接触位置に移動した圧板TG3を検出したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST107に移り、ノー(N)の場合はST106を繰り返す。
ST107において、読取用モータ6′を逆回転駆動を停止して、自動原稿搬送部U1a′の移動、すなわち、圧板TG3の移動を停止する。そして、ST108に移る。
ST108において、操作部UIの開放釦UI4に対する入力がされたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST109に移り、ノー(N)の場合はST108を繰り返す。
ST109において、透明電極7に対する直流電圧の付与を停止して、原稿GiのプラテンガラスPGへの静電吸着を停止する。そして、ST103に戻る。
【0076】
(実施例2の作用)
前記構成を備えた実施例2の前記複写機Uでは、開放釦UI4の入力がされると、第1クラッチギアG3の電磁クラッチがオン、第2クラッチギアG5の電磁クラッチがオフにされ、読取用モータ6′が正回転する。このため、自動原稿搬送部U1a′が図8Aの実線に示す閉塞位置から図8Aの破線に示す開放位置まで移動され、圧板TG3が接触位置から離隔位置まで移動される。次に、原稿GiがプラテンガラスPG上に置かれて位置合わせされ、閉塞釦UI5の入力がされる。このとき、図8Bに示す透明電極7に直流電圧が印加されて原稿GiがプラテンガラスPG側に静電吸着された状態で読取用モータ6′が逆回転する。このため、自動原稿搬送部U1a′が開放位置から閉塞位置まで移動され、圧板TG3を離隔位置から接触位置まで移動される。そして、コピー開始釦UI2が押下されると、第1クラッチギアG3の電磁クラッチがオフ、第2クラッチギアG5の電磁クラッチがオンにされ、読取用モータ6′によって露光光学系Aが走査され、原稿Giの下面の画像が読み取られてシートSに複写される。
【0077】
したがって、実施例2の前記スキャナ部U1′は、実施例1の前記スキャナ部U1が作業者に自動原稿搬送部U1a′を手動で開閉させていたのに対して、操作部UIの各釦UI4,UI5に対する作業者の入力によって自動原稿搬送部U1a′を自動で開閉することが可能になっている。
なお、実施例2のように自動原稿搬送部U1a′が自動で閉じる場合でも、圧板TG3の移動に伴い、圧板TG3とプラテンガラスPGとの間に空気の流れが発生してしまう。
これに対して、実施例2の前記スキャナ部U1′では、自動原稿搬送部U1a′を自動で閉じようとすると、透明電極7に直流電圧が印加されて原稿GiがプラテンガラスPG側に静電吸着される。
【0078】
したがって、実施例2の前記スキャナ部U1′は、圧板TG3をプラテンガラスPG上の原稿Gi側に移動させる際に空気の流れが発生しても、プラテンガラスPG上の原稿Giが、静電吸着されない場合に比べ、位置ズレし難くなっている。
この結果、実施例2の前記複写機Uは、原稿GiがプラテンガラスPG側に吸着されない場合に比べ、圧板TG3を原稿Gi側に移動させる際の位置ズレが低減される。
その他、実施例2の前記複写機Uは、実施例1の前記複写機Uと同様の作用効果を奏する。
【実施例3】
【0079】
次に、本発明の実施例3の説明をするが、この実施例3の説明において、前記実施例2の構成要素に対応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
この実施例3は、下記の点で前記実施例2と相違しているが、他の点では前記実施例2と同様に構成されている。
【0080】
(実施例3のスキャナ部U1″の説明)
図11は実施例2の図8Aに対応する実施例3のスキャナ部の要部拡大説明図であり、自動原稿搬送部とプラテンガラスとの間の回転軸部分の断面図である。
図11において、実施例3の複写機Uは、実施例2の前記スキャナ部U1′に替えて、上端部に配置された画像読取装置の一例としてのスキャナ部U1″を有する。実施例3の前記スキャナ部U1″は、実施例2の前記自動原稿搬送部U1a′および前記画像読取部U1b′に替えて、原稿Giを下方から支持する原稿支持部U1a″と、前記原稿支持部U1a″の上方に配置された画像読取部U1b″とを有する。
【0081】
(実施例3の電極7″の説明)
実施例3の前記原稿支持部U1a″の上面には、原稿Giが配置される原稿台の一例としての圧板TG3′が支持されている。実施例3の前記圧板TG3′は、直流電圧に対して電気を通さない誘電体として構成されており、前記圧板TG3′の内部には、吸着部材の一例としての電極7″が配置されている。実施例3の前記電極7″は、実施例1、2の前記透明電極7と同様に、前記圧板TG3′の全面を蛇行させて配線されており、電圧の一例としての直流電圧が付与された場合に、前記圧板TG3′上に静電気を帯びさせて原稿Giを静電吸着する。また、前記電極7″に対する直流電圧の印加が停止された場合には、前記圧板TG3′の静電気が減少し、原稿Giに対する吸着力が弱くなり、原稿Giに対する静電吸着が解除される。
【0082】
また、前記原稿支持部U1a″の上方には、前記圧板TG3′と対向する位置に、接触板の一例としてのプラテンガラスPG′が配置されている。また、前記原稿支持部U1a″の前方には、実施例2と同様の操作部UI′が配置されており、前記原稿支持部U1a″の上面の後側右端部には、実施例2と同様の開閉検出センサ12′が配置されている。また、前記原稿支持部U1a″の上側左端部の前後両側には、実施例2と同様の軸受部1a′,1a′が支持されている。
また、実施例3の前記画像読取部U1b″は、前記プラテンガラスPG′の上方に配置されており、実施例2と同様の露光系レジセンサSpと露光光学系Aと固体撮像素子CCDと画像情報変換部IPS等とを有する。
【0083】
(実施例3の自動開閉機構U1c′の説明)
また、実施例3の前記スキャナ部U1″は、実施例2の枠体1′に替えて、プラテンガラスPG′、画像読取部U1b″等を支持する枠体1″を有する。前記枠体1″の下側左端部には、実施例2と同様の回転軸2′が支持されており、前記回転軸2′は前記軸受部1a′,1a′によって回転可能に支持されている。すなわち、前記スキャナ部U1″は、枠体1″と原稿支持部U1a″とを連結する実施例2と同様のヒンジ(1a′+2′)を有し、前記枠体1″は、回転軸2′を回転中心として、原稿支持部U1a″に対して回転可能に支持されている。
前記回転軸2′の後端には、実施例2と同様のトルクリミッタ付きギアG0が支持されている。また、実施例3では、実施例2の前記第1ギアG1が省略されており、且つ、前記枠体1″に実施例2と同様の各部材G2〜G7,3′〜11′が上下反転した状態で配置されている。このため、実施例3の前記トルクリミッタ付きギアG0は、右斜め上方に配置された第2ギアG2に噛み合っている。
【0084】
この結果、実施例3では、実施例2と同様に、前記枠体1″が、図11の実線に示す閉塞位置と、図11の破線に示す開放位置との間を移動でき、前記プラテンガラスPGが、圧板TG3上の原稿Giに接触する接触位置と、前記原稿Giから離隔する離隔位置との間を移動できる。
前記ヒンジ(1a′+2′)、前記各ギアG0,G2〜G4、前記各シャフト3′,4′、前記読取用モータ6′等により、プラテンガラスPG′を接触位置と離隔位置との間で移動させる接触板移動体の一例としての自動開閉機構U1c′が構成されている。
なお、実施例3の制御部Cの説明および吸着制御処理のフローチャートの説明については、「自動原稿搬送部U1a′」を「枠体1″」、「U1c」を「U1c′」、「圧板TG3」を「プラテンガラスPG′」、「プラテンガラスPG」を「圧板TG3′」、「透明電極7」を「電極7″」、「正回転」を「逆回転」、「逆回転」を「正回転」と読み替えることにより、図9、図10に示す実施例2の制御部Cの説明および吸着制御処理のフローチャートと同様の説明となるため、図示および詳細な説明を省略する。
【0085】
(実施例3の作用)
前記構成を備えた実施例3の前記複写機Uは、実施例2の前記複写機UがプラテンガラスPG上に置かれた原稿Giの下面の画像を複写するのに対して、圧板TG3′上に置かれた原稿Giの上面の画像を複写している。実施例3の前記複写機Uでは、開放釦UI4の入力がされると、第1クラッチギアG3の電磁クラッチがオン、第2クラッチギアG5の電磁クラッチがオフにされ、読取用モータ6′が逆回転する。このため、枠体1″が図11の実線に示す閉塞位置から図11の破線に示す開放位置まで移動され、プラテンガラスPG′が接触位置から離隔位置まで移動される。次に、原稿Giが圧板TG3′上に置かれて位置合わせされ、閉塞釦UI5の入力がされると、図11に示す電極7″に直流電圧が印加されて原稿Giが圧板TG3′側に静電吸着された状態で読取用モータ6′が正回転する。このため、枠体1″が開放位置から閉塞位置まで移動され、プラテンガラスPG′が離隔位置から接触位置まで移動される。そして、コピー開始釦UI2が押下されると、第1クラッチギアG3の電磁クラッチがオフ、第2クラッチギアG5の電磁クラッチがオンにされ、読取用モータ6′によって露光光学系Aが走査され、原稿Giの下面の画像が読み取られてシートSに複写される。
【0086】
したがって、実施例3の前記スキャナ部U1″は、実施例2の前記スキャナ部U1′と同様に、操作部UIの各釦UI4,UI5に対する作業者の入力によって枠体1″を自動で開閉することが可能になっている。
また、実施例3のように枠体1″が自動で閉じる場合でも、プラテンガラスPG′の移動に伴い、プラテンガラスPG′と圧板TG3′との間に空気の流れが発生してしまう。
これに対しても、実施例3の前記スキャナ部U1″では、実施例2の前記スキャナ部U1′と同様に、枠体1″を自動で閉じようとすると、電極7″に直流電圧が印加され、原稿Giが圧板TG3′側に静電吸着される。
したがって、実施例3の前記スキャナ部U1″は、プラテンガラスPG′を圧板TG3′上の原稿Gi側に移動させる際に空気の流れが発生しても、圧板TG3′上の原稿Giが、静電吸着されない場合に比べ、位置ズレし難くなっている。
この結果、実施例3の前記複写機Uは、原稿Giが圧板TG3′側に吸着されない場合に比べ、プラテンガラスPG′を原稿Gi側に移動させる際の位置ズレが低減される。
その他、実施例3の前記複写機Uは、実施例1、2の前記複写機Uと同様の作用効果を奏する。
【0087】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H07)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、画像形成装置の一例として複写機Uを例示したが、これに限定されず、例えば、スキャナ部U1,U1′,U1″のみ、すなわち、単体のスキャナ装置にも適用可能である。
【0088】
(H02)前記実施例では、図5、図8B、図11に示す線状の各電極7,7″を、原稿台PG,TG3′内の全面を蛇行させて配線したが、各電極7,7″の形状についてはこれに限定されず、例えば、実施例1、2において、薄膜状の透明電極をプラテンガラスPG内の全面に配置することも可能である。この場合、屈折率がプラテンガラスPGの全面において均一な状態で露光走査して原稿Giの画像を読み取ることが可能となる。また、各電極7,7″を原稿台PG,TG3′内の全面に配置することに限定されず、例えば、実施例1、2において、透明電極7をプラテンガラスPG内の中央部にのみ配置したり、プラテンガラスPG内の四隅に配置したりすることも可能である。また、例えば、プラテンガラスPGの後側左端部を基準に原稿Giの位置合わせをする構成の場合には、透明電極7を、基準となる後側左端部にのみ配置したり、左端部の前後方向全域等に配置したりして、原稿Giを確実に吸着可能な範囲にのみ配置することも可能である。この場合、原稿Giを吸着しつつ、透明電極7の影が読み取り画像に写り込むことが低減可能となる。
【0089】
(H03)前記実施例では、吸着部材の一例として、透明電極7および電極7″を適用したが、これに限定されず、例えば、原稿Giの下面の空気を原稿台PG,TG3′側の下方に吸引する吸引部材を適用することも可能である。
(H04)前記実施例では、図6のST4〜ST6、図10のST108,ST109に示すように、接触板TG3,PG′が接触位置から離隔位置への移動を開始した場合に、電極7,7″に対する直流電圧の印加を停止していたが、直流電圧の印加を停止するタイミングについてはこれに限定されず、例えば、接触板TG3,PG′が離隔位置から接触位置への移動を完了した場合に、電極7,7″に対する直流電圧の印加を停止することも可能である。この場合、空気の流れによって原稿Giが位置ズレする可能性がある期間のみ電極7,7″に直流電圧を印加することができる。
【0090】
(H05)前記実施例では、原稿台PG,TG3′上に原稿Giが置かれていなくても、接触板TG3,PG′が接触位置から離隔位置への移動を開始した場合に、電極7,7″に直流電圧を印加していたが、これに限定されず、例えば、原稿台PG,TG3′上の原稿Giを検出する媒体検出センサを配置して、前記媒体検出センサが原稿Giを検出した状態で、接触板TG3,PG′が接触位置から離隔位置への移動を開始した場合にのみ、電極7,7′に対する直流電圧の印加を制御することも可能である。
(H06)前記実施例では、図6のST1,ST2、ST4,ST5、図10のST101,ST102,ST104,ST106,ST108に示すように、圧板TG3の離隔位置から接触位置への移動開始する時期を検出して、電極7,7″に対する直流電圧のオン・オフを自動で制御しているが、これに限定されず、例えば、作業者が入力可能な吸着入力部材の一例としてのスイッチを配置して、電極7,7″に対する直流電圧のオン・オフを、作業者のスイッチのオン・オフによって手動で制御することも可能である。
【0091】
(H07)前記実施例では、図10のST104,ST105に示すように、操作部UIの閉塞釦UI5に対する入力がされた場合に、圧板TG3の離隔位置から接触位置への移動開始と同時に透明電極7に対して直流電圧の印加を開始して、原稿GiのプラテンガラスPG側への静電吸着を開始したが、これに限定されず、例えば、コピー開始釦UI2に入力があった場合に、圧板TG3を離隔位置から接触位置へ移動させて原稿Giの下面の画像を読み取る構成とし、コピー開始釦UI2に対する入力がされた場合に、接触板TG3,PG′の離隔位置から接触位置への移動開始と同時に透明電極7に直流電圧の印加を開始して、原稿Giの原稿台PG,TG3′側への静電吸着を開始することも可能である。
【符号の説明】
【0092】
4…移動検出部材、
7,7″…吸着部材、電極、
C4,C4′…接触開始検出手段、
C5,C5′…離隔開始検出手段、
C6…吸着制御手段、
Gi…原稿、
PG,TG3′…原稿台、
TG3,PG′…接触板、
U…画像形成装置、
UI5…移動入力部材、
U1,U1′,U1″…画像読取装置、
U1b,U1b′,U1b″…画像読取部、
U1c,U1c′…接触板移動体、
U2…画像記録装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿が配置される原稿台と、
前記原稿台上の前記原稿に接触可能な接触板であって、前記原稿から離隔する離隔位置と、前記原稿に接触する接触位置と、の間を移動可能に支持された前記接触板と、
前記接触位置に移動した前記接触板と前記原稿台との間に挟持された前記原稿表面の画像を読み取る画像読取部と、
前記原稿を前記原稿台側に吸着する吸着部材と、
前記接触板が前記離隔位置から前記接触位置への移動を開始したことを検出する接触開始検出手段と、
前記接触開始検出手段によって前記接触板が前記離隔位置から前記接触位置への移動を開始したことが検出された場合に、前記吸着部材を制御して、前記原稿を前記原稿台側に吸着させる吸着制御手段と、
を備えたことを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記原稿台側に配置され、電圧が付与された場合に前記原稿台上の原稿を静電吸着する電極によって構成された前記吸着部材、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記接触板が前記離隔位置から前記接触位置に向けて移動したことを検出する移動検出部材と、
前記移動検出部材の検出信号に基づいて、前記接触板が前記離隔位置から前記接触位置への移動を開始したことを検出する前記接触開始検出手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記接触板が前記接触位置から前記離隔位置への移動を開始したことを検出する離隔開始検出手段と、
前記離隔開始検出手段によって前記接触板が前記接触位置から前記離隔位置への移動を開始したことが検出された場合に、前記吸着部材を制御して、前記原稿の前記原稿台側への吸着を停止させる前記吸着制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記接触板側に配置され、前記接触位置に移動した前記接触板と前記原稿台との間に挟持された前記原稿の前記接触板側の表面の画像を読み取る前記画像読取部、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記接触板を前記接触位置と前記離隔位置との間で移動させる接触板移動体と、
作業者による入力が可能な移動入力部材に対する入力がされた場合に、前記接触板移動体を制御して、前記接触板を前記離隔位置から前記接触位置に移動させる移動制御手段と、
前記移動入力部材に対する入力がされた場合に、前記接触板が前記離隔位置から前記接触位置への移動を開始したことを検出する前記接触開始検出手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の画像読取装置。
【請求項7】
原稿の画像を読み取る請求項1ないし6のいずれかに記載の画像読取装置と、
読み取られた前記画像を媒体に記録する画像記録装置と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−66854(P2011−66854A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−218017(P2009−218017)
【出願日】平成21年9月18日(2009.9.18)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】