説明

画像読取装置

【課題】温度変動に伴う画質劣化を抑制しつつ装置小型化を図れる画像読取装置を提供すること。
【解決手段】基台51上に、レンズ60を保持する保持部材270がX方向(光軸方向)に沿って移動自在に保持され、固体撮像素子80が基板81、保持部材51aを介して保持される。基台51上の、レンズ60と固体撮像素子80の間には、位置ずれ軽減部290が配されている。この軽減部290は、Y方向に長い長尺部材291と、長尺部材291の両端部を保持する保持部材292を備える。長尺部材291は、温度上昇によりY方向に伸びようとするが保持部材292によりその伸びが規制され、X´方向に反る。この反りの力により保持部材270がX´方向に移動し、これによりレンズ60もX´方向に移動する。レンズ60を移動させるための長尺部材291がY方向に平行に配置されるので、長尺部材を光軸に平行配置する構成より光軸方向に装置小型化を図れる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿面からの反射光を集光レンズを介して固体撮像素子の受光面上で受光して画像データを生成する画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機やファクシミリ装置などに用いられる画像読取装置は、露光ランプからの光を原稿に照射し、その反射光を結像レンズを介してCCD(Charge Coupled Device)などの固体撮像素子の受光面で受光して光電変換することにより、原稿の画像データを生成する構成になっている。このような構成の画像読取装置では、露光ランプや固体撮像素子から発せられる熱により装置内部の温度が上昇し易い。
【0003】
装置内部の温度が上昇すると、結像レンズや固体撮像素子を保持する基台の熱膨張により結像レンズと固体撮像素子間の光軸方向の距離が変動したり、熱の影響による結像レンズの屈折率の変化などにより結像レンズの焦点距離が変動したりする。
この変動により、結像レンズによる結像位置と固体撮像素子の受光面の位置との間にずれ(以下、単に「位置ずれ」という。)が生じ、この位置ずれが大きくなると読取画像の画質が劣化してしまう。
【0004】
このような温度変化による画質劣化を防止する技術として、特許文献1には、図9に示すように板状の基台1001の一方端側に結像レンズ1004を保持し、他方端側にL字状の保持部材1002を介して固体撮像素子1003を保持する構成が開示されている。
保持部材1002は、基台1001とは線膨張係数の異なる素材からなり、底板部1002aとこれに垂直であり固体撮像素子1003が取着される直立部1002bを有する。底板部1002aは、基台1001の上面に面接触しつつ、先端に設けられた凸部1002cが基台1001に設けられた凹部1001aに固定される構成になっている。
【0005】
温度上昇により基台1001が熱膨張により伸びて基台1001と保持部材1002の固定位置が同図の右方向に移動しても、保持部材1002の底板部1002aが熱膨張により同図左方向に伸びて、基台1001の伸びが底板部1002aの伸び量でキャンセルされるようになり、結像レンズ1004と固体撮像素子1003間の距離の変動を抑制して、位置ずれを軽減しようとするものである。
【特許文献1】特開2007−148047号公報(第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1の構成は、基台1001の熱膨張による光軸方向の伸びを底板部1002aの伸びでキャンセルしようとするものなので、そのキャンセルに必要な分、底板部1002aの光軸方向長さを長くとらなければならず、装置の大型化を招いてしまう。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、装置小型化を図りつつ温度変動に伴う画質劣化を抑制できる画像読取装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る画像読取装置は、原稿面からの反射光を集光レンズを介して固体撮像素子の受光面上で受光して画像データを生成する画像読取装置であって、前記集光レンズを保持する第1保持部材と、前記固体撮像素子を保持する第2保持部材と、前記第1保持部材及び/又は第2保持部材を、前記原稿面に対し前記集光レンズの光軸に沿って相対的に変位させて、温度変化に起因する集光レンズの結像位置と前記固体撮像素子の受光面との光軸方向における位置ずれを軽減する位置ずれ軽減手段と、を備え、前記位置ずれ軽減手段は、前記光軸に直交する方向とほぼ平行に配設された第1の部材と、当該第1の部材を前記直交する方向に所定間隔をおいた一方端側と他方端側の各位置で保持し、当該第1の部材の熱膨張による前記直交する方向における伸張を規制することにより当該第1の部材を前記光軸に平行な所定の方向に反らせる第2の部材と、を有し、温度上昇に伴って生じる前記第1の部材の反りを利用して、前記変位を発生させることを特徴とする。
【0008】
また、前記第2の部材は、前記光軸方向に前記第1保持部材と前記第2保持部材の間の位置に配され、前記第1の部材の反りが生じたときにその反りにより生じる力が前記第1保持部材または第2保持部材に付与されることにより当該第1保持部材または第2保持部材の変位が生じることを特徴する。
さらに、板状の基台を備え、前記第1保持部材は、前記基台上を前記光軸方向に沿って移動可能に支持されており、前記第2保持部材は、前記基台上の、前記第1保持部材よりも前記反射光の進行方向下流側の位置に設けられており、前記第2の部材は、前記基台上に配され、前記第1の部材の反りが生じたときの力が前記第1保持部材に付与されることにより当該第1保持部材の変位が生じることを特徴する。
【0009】
また、前記第2の部材は、前記反射光の進行方向において前記第1保持部材よりも上流側の位置に配されており、前記第1の部材の反りが生じたときにその反りにより生じる力が前記第1保持部材に付与されることにより当該第1保持部材の変位が生じることを特徴する。
さらに、板状の基台を備え、前記第1保持部材は、前記基台上を前記光軸方向に沿って移動可能に支持されており、前記第2保持部材は、前記基台上の、前記第1保持部材よりも前記反射光の進行方向下流側の位置に設けられており、前記第2の部材は、前記基台上に配されていることを特徴する。
【0010】
また、板状の基台と、前記基台上を前記光軸方向に沿って移動可能に支持された可動部材と、を備え、前記第1保持部材と第2保持部材は、この順に前記反射光の進行方向に沿って前記可動部材上に設けられており、前記第2の部材は、前記基台上の、前記可動部材よりも前記反射光の進行方向上流側または下流側の位置に配され、前記第1の部材の反りが生じたときにその反りにより生じる力が前記可動部材に付与されることにより、当該可動部材が変位することを特徴する。
【0011】
また、前記第2の部材は、前記基台上の、前記第1の部材の一方端側と他方端側のそれぞれに対応する位置に立設されており、前記第1の部材の線膨張係数が前記基台の線膨張係数よりも大きいことを特徴する。
さらに、前記固体撮像素子は、一方向に連続して配列された複数の受光素子により前記受光面が形成されてなり、前記第1の部材は、前記固体撮像素子における複数の受光素子の配列方向に平行に延伸されてなる長尺状の部材であることを特徴する。
【0012】
また、前記第1の部材は、線膨張係数の異なる第1と第2の金属製の部材を貼着してなる積層部材であることを特徴する。
さらに、前記第1の部材は、光軸に直交する方向に長尺の板状または棒状の部材であることを特徴する。
【発明の効果】
【0013】
画像読取装置は、通常、載置または搬送される原稿を読み取るために原稿の幅方向(光軸に直交する方向で主走査方向に相当)長さが原稿よりも大きく構成されており、幅方向にはある程度の余裕がある。この余裕のある幅方向のスペースに、集光レンズおよび/または固体撮像素子を光軸に沿って変位させるための第1の部材を当該幅方向とほぼ平行に配設する構成をとっているので、従来のように固体撮像素子を保持する保持部材の長さを光軸方向に長くする必要がなく、装置小型化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係る画像読取装置の実施の形態を図面を参照して説明する。
<実施の形態1>
図1は、画像読取装置8の概略構成を示す図である。
同図に示すように、画像読取装置8は、原稿押さえ板11と画像読取部12からなる。
原稿押さえ板11は、画像読取部12のプラテンガラス31上に載置された原稿を上方から押さえるためのものであり、開閉自在に画像読取部12の上部に支持されている。
【0015】
画像読取部12は、上部の開口にプラテンガラス31が嵌め込まれた筐体32内に、光源ユニット38と、ミラーユニット43と、駆動モータMと、レンズユニット60および固体撮像素子80を有する画像読取ユニット50と、これらを制御する制御部47などを収納してなり、光源ユニット38とミラーユニット43を移動させて原稿を読み取る、いわゆるミラースキャン方式によるものである。
【0016】
光源ユニット38は、光源となるランプ40とミラー42などを備え、ミラーユニット43は、折り返しミラー44、46などを備えてなる。
光源ユニット38とミラーユニット43は、矢印Aの方向に沿って筐体32に移動自在に支持されている。プラテンガラス31上に載置された原稿を読み取る場合には、ランプ40が点灯して、当該原稿を照射しつつ光源ユニット38とミラーユニット43が駆動モータMの駆動力により矢印A方向に移動する。
【0017】
原稿面からの反射光は、ミラー42、折り返しミラー44、46により光路変更され、レンズユニット60によって固体撮像素子80の受光面に受光される。この際、ミラーユニット43が光源ユニット38と同方向にその移動速度の半分の速度で移動するようになっており、これにより読取時における光路長が一定に保たれるようになっている。
固体撮像素子80の受光面で受光された原稿面からの反射光は、固体撮像素子80において電気信号に変換され、制御部47においてA/D変換されて多値のデジタル信号になり、更にシェーディング補正や濃度変換などの公知の画像処理が施された後、不図示の画像メモリに格納される。
【0018】
〔画像読取ユニット50の構成〕
図2(a)は、画像読取ユニット50の構成を示す縦断面図であり、図2(b)は、画像読取ユニット50の構成を示す水平断面図である。両図は、環境温度がほぼ室温t0(例えば、約25℃)になっているときの画像読取ユニット50の状態を示している。
両図に示すように、画像読取ユニット50は、基台51と、遮光カバー52と、レンズユニット60と、保持部材70と、固体撮像素子80と、結像位置ずれ軽減部90などを備える。
【0019】
基台51は、例えば金属や樹脂などの板体であって、図2(b)に示すように、平面視における外郭が略T字状になっている。
遮光カバー52は、遮光性を有する樹脂または金属などからなり、原稿からの反射光が入射される側の側面に、当該反射光を入射させるための開口52aが設けられている。
レンズユニット60は、複数枚のガラスまたは樹脂などからなる集光レンズが光軸Lに平行な方向(光軸方向:同図のX方向に平行な方向)に積層された積層レンズ61をレンズホルダ62で固定してなり、保持部材70の上面にネジまたは接着剤などで固定(保持)される。
【0020】
固体撮像素子80は、CCDセンサやCMOSセンサなどからなり、Y方向に沿って複数の受光素子が配列されてなる長尺形状をしており、その受光面がレンズユニット60と対向する向きになるように基板81上に実装されている。基板81は、Y方向に沿って伸びる長尺の部材であり、その長手方向両端部が基台51上にZ方向に向かって立設された2つの保持部材51a、51aにネジ82により固定(保持)されている。このように同じ保持部材70上にレンズユニット60と固体撮像素子80を保持する構成をとれば、レンズユニット60と固体撮像素子80の位置決めを行い易い。
【0021】
可動部材としての保持部材70は、樹脂または金属性の板状部材であり、基台51上に重ねられるようにして配置される。保持部材70の下面(裏面)は、略平面であり、3箇所に凸部72が設けられており、3つの凸部72の頂部が基台51の上面に当接して、いわゆる3点支持により基台51に支持される構成になっている。
保持部材70のY方向に平行な方向(光軸Lに直交する方向)両端側それぞれには、光軸方向に伸びる2つの貫通孔73が光軸方向に間隔をおいて並ぶように穿設されており、それぞれの貫通孔73には、基台51上に光軸方向に間隔をおいて立設された2本のピン68が嵌挿されている。
【0022】
2本のピン68が並ぶ方向、すなわち光軸方向に沿って、保持部材70(レンズユニット60と固体撮像素子80)が基台51上を貫通孔73の長さから2本のピン68の間隔を差し引いた距離だけ自在に移動できるようになっている。
このように保持部材70を基台51に対して光軸方向に移動自在に支持する構成をとっているのは、温度上昇に起因する位置ずれが生じようとしたときに、これを軽減させる方向にレンズユニット60と固体撮像素子80を一緒に移動させるためである。温度上昇時にどのように移動されるのかの具体的な説明については、後述する。なお、保持部材70を光軸方向に沿って移動自在に支持する構成は、上記のものに限られず、例えばレール上を摺動するような構成をとるとしても良い。
【0023】
保持部材70のY方向両端部それぞれには、光軸方向に間隔をおいて2つの板バネ69が配設されている。板バネ69は、保持部材70を基台51に押し付ける方向に、例えば40G程度の重力加速度が保持部材70に作用しても移動しないように必要な力で付勢して、基台51と保持部材70の凸部72との間に所定の摩擦力を発生させる。この板バネ69の付勢力により、通常の読取時や装置輸送時の振動などでレンズユニット60が光軸方向に容易に移動してしまうといったことが防止される。
【0024】
積層レンズ61と固体撮像素子80は、室温t0時において、いわゆる下記のレンズの結像公式(1)を満たす、または近似的に満たすようにその位置関係が予め決められており、その決められた位置に配置される。
1/a+1/b=1/f・・・(1)
ここで、aは、原稿面から積層レンズの前側主点までの距離(以下、「レンズ前距離」という。)、bは、積層レンズの後側主点から固体撮像素子の受光面までの距離(以下、「レンズ後距離」という。)、fは、積層レンズの焦点距離を示す。
【0025】
〔位置ずれ軽減部90の構成〕
位置ずれ軽減部90は、長尺部材91と、2つの保持部材92と、2つの逆反り防止部材94などからなり、基台51上の、X方向上流側の端部に配設され、温度上昇に伴う位置ずれが発生しようとするときに、長尺部材91がX方向に反り、その反りの力で保持部材70をX方向に押して、すなわちレンズユニット60と固体撮像素子80を一緒に移動させることにより、温度が上昇したときでも上記結像公式(1)ができるだけ満たされるようにして、位置ずれを軽減させるものである。
【0026】
なお、温度上昇によりレンズユニット60による原稿画像の結像位置が固体撮像素子80の受光面よりもX方向よりにずれるか、X’方向よりにずれるかは、使用するレンズユニットの設計や使用する材料、保持部材70の長さやその線膨張係数などにより機種ごとに決まっており、本実施の形態では、結像位置が、固体撮像素子80の受光面よりもX方向側にずれる特性を有する機種における位置ずれを是正する構成について説明する。
【0027】
図3は、位置ずれ軽減部90を図2(b)の矢印Dで示す方向から見たときの分解斜視図であり、レンズユニット60などの一部の部材については省略している。以下、図3も参照しながら位置ずれ軽減部90の構成を説明する。
長尺部材91(第1の部材)は、Y方向に平行な方向に延伸された、例えば150〔mm〕の長さを有する長尺状かつ板状の部材であり、線膨張係数が基台51よりも大きな素材、例えば樹脂、より具体的にはポリカーボネートや金属などから形成される。
【0028】
2つの保持部材92(第2の部材)は、基台51にY方向に間隔をおいた位置に立設されており、長尺部材91の長手方向(Y方向)両端部を保持する。ここでは、長尺部材91の両端部が長尺部材91のY方向における中心位置を基準として対称となる位置で、ネジ93により保持部材92に固定されるようになっている。
なお、保持部材92は、基台51に接着やネジなどで固定される構成でも良いし、基台51と一体成形される構成であっても良い。
【0029】
長尺部材91の長手方向中央部は、ネジ93により、保持部材70の長尺部材91側の端部に設けられた連結部71に固定されている。長尺部材91と保持部材70と積層レンズ61は、それぞれのY方向における中央の位置が略一致するように配設されている。
逆反り防止部材94は、長尺部材91がX´方向に反るのを防止するための部材であり、基台51上に立設されている。逆反り防止部材94の長尺部材91側の面は、保持部材92の長尺部材91側の面と同一平面上にある。
【0030】
このような構成において、装置内の温度が上昇して基台51と長尺部材91が熱膨張する場合、長尺部材91は、基台51よりも線膨張係数が大きいので、Y方向について見ると、その伸び量は基台51よりも大きくなる。
ところが、長尺部材91は、その両端部が基台51に立設された保持部材92により固定されているので、Y方向に伸びようとしてもその伸張が規制される。同様にX´方向にも逆反り防止部材94により反りが規制されるので、この規制により長尺部材91では、その内部応力が長尺部材91の中央部を逆反り防止部材94の位置する側のX´方向ではなくその反対のX方向に向けて反らせる方向に作用するようになり、長尺部材91は、図4に示すようにX方向に反った姿勢になる。
【0031】
長尺部材91がX方向に反るようになると、その反りにより生じるX方向の力が保持部材70に作用する。上記の板バネ69による保持部材70と基台51間に生じる所定の摩擦力は、長尺部材91の反りによる保持部材70の変位を許容する程度に抑えられているので、保持部材70は、長尺部材91の反りによる力によりその反り量に応じた距離だけX方向に移動する。これにより保持部材70に保持されているレンズユニット60と固体撮像素子80もX方向に一緒に移動する。
【0032】
これにより、レンズ前距離aが徐々に大きくなるので、上掲の結像公式(1)により、レンズ後距離bが小さくなり、その結果、結像位置がX’方向に移動して固体撮像素子80の受光面と一致するか、もしくは極めて接近し、画質の劣化が発生しないようにすることができる。
図5は、温度変化量(横軸)に対する長尺部材91の反り量(縦軸)の関係をシミュレーションにより求めたグラフである。
【0033】
同図の縦軸の反り量は、長尺部材91の中央部における光軸方向の反り量(いわゆるサグ量に相当)を、縮小光学系の倍率の二乗倍で縮小して、レンズ後距離側の変位量に換算した値(以下、単に「反り量」という。本例では、投影倍率を約0.22として、実際のサグ量に、当該投影倍率の二乗の0.0484を乗じて換算している。)を示しており、組立時(室温:約25℃)における反り量を0として調整されている。このようにして計算された反り量は、結像位置のX方向における相対的な変位量とみなすことができる。
【0034】
また、横軸は、上記組立時の室温からの温度上昇時の変化量を示す。同図の太い実線G1が反り量の変化を示し、細い実線G2は、温度変化が生じたときの固体撮像素子80の受光面に対する積層レンズ61の結像位置の光軸方向の相対変位量を示している。
相対変位量は、温度上昇に伴ってほぼ線形比例して増加することが経験的に判っており、直線で示される。
【0035】
同図に示すように、反り量と相対変位量は、温度変化が小さいときには、反り量の方が大きく、温度変化が30℃のときに同じになり、温度変化が30℃を超えると、相対変位量の方が大きくなっていることが判る。ここで反り量G1は、上記のように長尺部材91の反りによる積層レンズ61の結像位置の変位量に相当し、相対変位量G2は、積層レンズ61の結像位置と固体撮像素子80の受光面の位置とのずれ量に相当するので、このずれ量が少なくなる方向に、長尺部材91の反りによる積層レンズ61の結像位置の変位が生じれば、温度上昇に伴う位置ずれを軽減できることになる。
【0036】
反り量G1と相対変位量G2の双方のグラフが完全に一致すれば、どの温度でもずれ量が反り量と同じになって位置ずれを解消できることになるが、図5に示すように長尺部材91による反り量が線形比例しないために一致しないことが多い。本実施の形態では、同図に示すように温度変化量が約30℃のときに両者が一致するように設計されている。
このように反り量と相対変位量にはある程度の差が生じることになるが、このような差が生じても、それが許容範囲(読取画像の画質を予め決められた最低限の画質以上の画質を維持できる範囲)内に収まれば、必要な画質を得られることになる。この許容範囲は、積層レンズ61におけるMTF深度の範囲(この分野における積層レンズでは、約−0.05mm〜+0.05mm程度)にほぼ等しい。
【0037】
本シミュレーションによれば、図5に示すように反り量G1と相対変位量G2の差分は、上限を+0.025〔mm〕、下限を−0.025〔mm〕の範囲内に収まるように設計されており、十分上記許容範囲内とすることができる。
従って、長尺部材91の長さや線膨張係数などを適正に設定すれば、上記結像公式(1)が厳密に満たされなくても、位置ずれを軽減して画質劣化を防止することができる。
【0038】
そして、位置ずれを軽減するための機構として、上述のように長尺部材91をY方向、すなわち光軸方向に直交する方向にほぼ平行に配設し、その反りを利用する機構を採用している。画像読取装置8は、読取対象の原稿を載置または搬送するために原稿の幅方向(Y方向:主走査方向に相当)長さが原稿よりも長く、幅方向にはある程度の余裕があるので、その余裕のあるスペースに長尺部材91として必要な長さの部材を配設することにより、温度上昇に伴う位置ずれの軽減を図りつつ、従来のように光軸に平行に長尺の保持部材を配置する構成よりも光軸方向における装置の小型化を図ることができる。
【0039】
画像読取ユニット50の温度が上昇している状態から下降して行く場合には、温度低下に応じて長尺部材91が元の室温のときの長さに戻ろうとして長手方向に縮み始める。長尺部材91が縮み始めると、その反り量が小さくなり、保持部材70にX´方向への引張力が作用して、保持部材70がX´方向に移動し、室温t0まで低下するとレンズユニット60が図2に示す位置に戻る。
【0040】
なお、上記保持部材70を移動させるべき方向と位置ずれを軽減するのに適した移動量とが予め求められ、実際の温度上昇時に、その求められた方向に求められた距離だけ保持部材70が移動するように、基台51、保持部材70、長尺部材91の材料、大きさ、位置、長尺部材91の反りの方向などが設計により決められる。
温度上昇によりレンズユニット60による原稿画像の結像位置が固体撮像素子80の受光面よりもX’方向にずれるような機種においては、保持部材70が温度上昇と共にX’方向に変位するように、長尺部材91等は、保持部材70に対して図2に示すのと対称的な位置(保持部材70のX側)に配設されることになる。
【0041】
また、本実施の形態のように、温度上昇によりレンズユニット60と固体撮像素子80を共に光軸方向に移動して、レンズ前位置aを変化させて位置ずれ量を補正するようにしているため、位置ずれ補正の精度を高めることができる。すなわち、縮小光学系であるので、レンズ前距離aの変化量が大きくても、実際に結像位置の是正に寄与するレンズ後距離bの変化量を微小にすることができ、それだけ微調整が容易になるからである。
【0042】
特に、ガラスレンズを用いる場合は、樹脂レンズを用いる場合よりも焦点距離の変動が少ないために位置ずれ量も微小になることが多く、この意味で本実施の形態は、ガラスレンズを用いる場合に好適な構成例であるといえる。
<実施の形態2>
上記実施の形態では、レンズユニット60と固体撮像素子80を同じ保持部材70に保持し、保持部材70を基台51に対し光軸方向に移動自在に支持する構成例を説明したが、本実施の形態では、固体撮像素子80については基台51に保持しておき、レンズユニット60について基台51に対し光軸方向に移動自在に支持するとしており、この点が実施の形態1と異なっている。装置構成によっては、温度上昇時にレンズユニット60だけを移動させる構成をとった方が上記結像公式(1)を満たす、または近似的に満たすことができる場合もあり、本実施の形態は、このような場合の構成例を示すものである。以下、説明の重複を避けるため、実施の形態1と同じ内容についてはその説明を省略し、同じ構成要素については、同符号を付すものとする。
【0043】
図6は、本実施の形態に係る画像読取ユニット150の構成を示す図であり、図6(a)は縦断面図を、図6(b)は水平断面図をそれぞれ室温t0の状態を示している。
図6に示すようにレンズユニット60は、保持部材170上に保持され、固体撮像素子80は、基板81、保持部材151aを介して基台51上に固定される。保持部材170は、基台51に対して、光軸方向に移動自在に支持されている。この支持方法は、実施の形態1と基本的に同じである。すなわち、凸部72による3点支持であると共に、貫通孔73と2本のピン68と板バネ69からなる支持機構が2つ設けられてなる。
【0044】
位置ずれ軽減部190は、長尺部材191と、2つの保持部材192、2つの逆反り防止部材194を備え、基台51上のX方向(原稿の反射光の進行方向)上流側の端部に配設されている。
長尺部材191の長手方向中央部は、保持部材170の、原稿の反射光の進行方向上流側の端部に設けられた連結部171に固定されている。
【0045】
このような構成において、環境温度が上昇すると、長尺部材191が光軸Lに平行な所定の方向、ここではX方向に反り、これによりレンズユニット60が基台51に対しX方向に移動するようになる。このようにレンズユニット60を移動させることでも、温度上昇に伴う位置ずれの軽減を図ることができる。
本実施の形態のように縮小側である積層レンズ61から固体撮像素子80までの距離を可変させる構成にすれば、実施の形態1のように長尺部材の反り量が縮小換算されないので、縮小換算される構成よりも少ない反り量で、縮小換算の構成と同程度の位置ずれ軽減効果を得ることができ、長尺部材の長さをより短くできるなど位置ずれ軽減部の小型化を図れる。具体的に、例えば温度変化に伴う焦点距離の変動が大きいレンズを用いたために積層レンズ61の結像位置と固体撮像素子80の受光面とのずれが大きくなるような場合に、縮小換算の構成をとれば、そのずれを軽減するのに必要な量だけ、長尺部材を長くして反り量を大きく確保する必要が生じるが、本実施の形態の構成では、それほどまでに長尺部材を長くしなくても、そのずれを軽減することができる。上記のように通常、樹脂レンズは、ガラスレンズよりも焦点距離の変動が大きいことからすると、このような焦点距離の変動が大きい樹脂レンズを用いる構成に好適であるといえる。
【0046】
<実施の形態3>
上記実施の形態2では、位置ずれ軽減部をレンズユニット60よりも原稿の反射光の進行方向上流側の位置に配設する構成としたが、本実施の形態3では、レンズユニット60と固体撮像素子80の間の位置に配設する構成としており、この点で異なっている。また、基台51などの部材の素材や大きさ等の相違から温度上昇時での結像位置のずれる方向が実施の形態2に対して逆方向になっており、この点も異なっている。
【0047】
図7は、本実施の形態に係る画像読取ユニット250の構成を示す図であり、図7(a)は縦断面図を、図7(b)は水平断面図をそれぞれ室温t0の状態を示している。また、図8は、温度上昇時に位置ずれ軽減部に設けられた長尺部材が反った状態を示す水平断面図である。
両図に示すように、位置ずれ軽減部290は、長尺部材291と、2つの保持部材292と、2つの逆反り防止部材294を備え、基台51上の、レンズユニット60と固体撮像素子80の間の位置に配設されており、長尺部材291の長手方向中央が保持部材270の固体撮像素子80の位置する側に設けられた連結部271に固定されている。
【0048】
環境温度が上昇すると、図8に示すように長尺部材291がX´方向に反り、これにより保持部材270が基台51に対しX´方向に移動する。保持部材270の移動により、レンズユニット60がX´方向に移動することになる。
装置構成によっては、本実施の形態の構成でも、実施の形態2と同様に温度上昇に伴う位置ずれの軽減を図ることができる。
【0049】
<変形例>
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施の形態では、長尺部材91として1枚の長尺部材を用いた例を説明したが、これに限られない。例えば、図9に示すように長尺部材391として、線膨張係数の異なる金属製の長尺の板状の部材391a、391bを貼り合わせてバイメタルとして機能するものを用いる構成をとるとしても良い。同図に示す例では、温度上昇時に長尺部材391が所定の方向としてX方向に反っている様子を示している。部材391aと391bの線膨張係数の値とその差分の大きさにより、長尺部材391の反る方向と反り量(レンズユニット60に移動方向と移動量)を予め決めることができる。この構成では、逆反り防止部材を設ける必要がない。なお、上記実施の形態でも長尺部材の保持構成によって逆反りが発生しないような場合には逆反り防止部材を設けない構成をとるとしても良い。
【0050】
(2)上記実施の形態1では、温度上昇に伴ってレンズユニット60と固体撮像素子80をX方向に移動させる構成例を、実施の形態2、3ではレンズユニット60を移動させる構成例をそれぞれ説明したが、集光レンズを保持する第1保持部材および/または固体撮像素子を保持する第2保持部材を、原稿面に対し集光レンズの光軸に沿って相対的に変位させて、温度変化に起因する集光レンズの結像位置と固体撮像素子の受光面との光軸方向における位置ずれを軽減させる構成であれば、上記の構成に限られない。例えば、固体撮像素子を光軸方向に変位させる構成をとるとしても良い。また、移動方向が上記の方向に限られることはなく、装置構成によっては、上記とは逆の方向に移動させることにより位置ずれ軽減を図れる場合もある。
【0051】
さらに、上記では、実施の形態1はガラスレンズを用いる場合に好適であり、実施の形態2、3は樹脂レンズを用いる場合に好適であるとしたが、もちろん実施の形態1の構成において樹脂レンズなどを用いるとしても良いし、実施の形態2、3の構成においてガラスレンズなどを用いるとしても良い。
(3)また、位置ずれ軽減部90としては、長尺部材91を光軸に直交する方向に所定間隔をおいた一方端側と他方端側の各位置で保持し、長尺部材91の熱膨張による当該直交する方向における伸張を規制することにより、長尺部材91を光軸Lに平行な所定の方向(XまたはX´方向)に反らせ、温度上昇に伴って生じる長尺部材91の反りを利用して、積層レンズ61および/または固体撮像素子80の変位を発生させることが可能な構成であれば良い。
【0052】
例えば、長尺部材91の形状は、板状に限られず、棒状などでも良い。また、光軸に直交する方向にある程度の長さを有し、その長さ方向の伸びが拘束(規制)された状態で、温度上昇したときに、その規制により光軸方向に反る部材であれば、必ずしも長尺状でなくても構わない。さらに、板状とする場合に、平板に限られず、例えば弧状などであっても良い。
【0053】
(4)また、長尺部材の一方端側と他方端側を保持部材で保持する機構としては、上記のネジによる固定に限られない。長尺部材91をその長手方向の伸びを規制して反らせることができる保持方法であれば良く、例えば双方の保持部材それぞれに平面視でコの字状となる凹入部を、両凹入部の開口が向き合うように形成し、その凹入部に長尺部材の両端部を上方から嵌め込み、室温時にガタが生ぜず、温度上昇時にはY方向における伸びを規制できるように保持する構成をとるとしても良い。
【0054】
さらに、長尺部材91をその長手方向の伸びを規制して反らせることができる保持方法であれば、長尺部材91の長手方向両端を保持する構成に限られない。例えば、長尺部材91の両端よりも中央よりの、光軸に直交する方向に所定距離をおいた2箇所の位置それぞれで保持する構成としても良い。
また、2つの保持部材92を基台51上に立設する構成例としたが、これに限られない。例えば、長尺部材91よりも長いまたは略同じ長さの水平部の両端側それぞれに、水平部から垂直方向に延出する直立部を設けてなるコの字状部材を配置し、各直立部において長尺部材91の両端を保持する構成をとることもできる。この構成の場合、長尺部材91の方が水平部よりも線膨張係数の大きな素材が用いられる。
【0055】
(5)上記実施の形態では、画像読取装置としてミラースキャン方式を用いた例を説明したが、読取方式がこれに限られないことはいうまでもなく、少なくとも集光レンズおよび固体撮像素子を有し、原稿面からの反射光を集光レンズを介して固体撮像素子の受光面で受光する画像読取装置一般に適用することができる。
また、画像データに基づきシート上に画像を形成する画像形成装置、例えば複写機、ファクシミリ装置、多機能複合機(MFP:Multiple Function Peripheral)などに、原稿画像を読み取る画像読取部が備えられている場合に、当該画像読取部として上記の画像読取装置を適用することも可能である。さらに、上記実施の形態および上記変形例の内容をそれぞれ組み合わせるとしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、原稿面からの反射光を集光レンズを介して固体撮像素子の受光面上で受光して画像データを生成する画像読取装置に広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】実施の形態1に係る画像読取装置の概略構成を示す図である。
【図2】(a)は、上記画像読取装置に備えられる画像読取ユニットの構成を示す縦断面図であり、(b)は、画像読取ユニットの構成を示す水平断面図である。
【図3】画像読取ユニットに備えられる位置ずれ軽減部を、図2(b)の矢印Dで示す方向から見たときの分解斜視図である。
【図4】温度上昇時に位置ずれ軽減部に設けられた長尺部材がX方向に反った状態を示す水平断面図である。
【図5】温度変化量(横軸)に対する長尺部材の反り量(縦軸)の関係を示すグラフである。
【図6】(a)は、実施の形態2に係る画像読取ユニットの構成を示す縦断面図であり、(b)は、水平断面図である。
【図7】(a)は、実施の形態3に係る画像読取ユニットの構成を示す縦断面図であり、(b)は、水平断面図である。
【図8】実施の形態3において温度上昇時に位置ずれ軽減部に設けられた長尺部材が反った状態を示す水平断面図である。
【図9】変形例に係る長尺部材の構成例を示す水平断面図である。
【図10】従来の画像読取装置の構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0058】
8 画像読取装置
40 ランプ
50、150、250 画像読取ユニット
51 基台
51a、70、92、170、192、270、292 保持部材
60 レンズユニット
61 積層レンズ
80 固体撮像素子
90、190、290 位置ずれ軽減部
91、191、291、391 長尺部材
94 逆反り防止部材
391a、391b 板状の部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿面からの反射光を集光レンズを介して固体撮像素子の受光面上で受光して画像データを生成する画像読取装置であって、
前記集光レンズを保持する第1保持部材と、
前記固体撮像素子を保持する第2保持部材と、
前記第1保持部材及び/又は第2保持部材を、前記原稿面に対し前記集光レンズの光軸に沿って相対的に変位させて、温度変化に起因する集光レンズの結像位置と前記固体撮像素子の受光面との光軸方向における位置ずれを軽減する位置ずれ軽減手段と、を備え、
前記位置ずれ軽減手段は、
前記光軸に直交する方向とほぼ平行に配設された第1の部材と、
当該第1の部材を前記直交する方向に所定間隔をおいた一方端側と他方端側の各位置で保持し、当該第1の部材の熱膨張による前記直交する方向における伸張を規制することにより当該第1の部材を前記光軸に平行な所定の方向に反らせる第2の部材と、を有し、
温度上昇に伴って生じる前記第1の部材の反りを利用して、前記変位を発生させることを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記第2の部材は、
前記光軸方向に前記第1保持部材と前記第2保持部材の間の位置に配され、
前記第1の部材の反りが生じたときにその反りにより生じる力が前記第1保持部材または第2保持部材に付与されることにより当該第1保持部材または第2保持部材の変位が生じることを特徴する請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
板状の基台を備え、
前記第1保持部材は、
前記基台上を前記光軸方向に沿って移動可能に支持されており、
前記第2保持部材は、
前記基台上の、前記第1保持部材よりも前記反射光の進行方向下流側の位置に設けられており、
前記第2の部材は、
前記基台上に配され、
前記第1の部材の反りが生じたときの力が前記第1保持部材に付与されることにより当該第1保持部材の変位が生じることを特徴する請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記第2の部材は、
前記反射光の進行方向において前記第1保持部材よりも上流側の位置に配されており、
前記第1の部材の反りが生じたときにその反りにより生じる力が前記第1保持部材に付与されることにより当該第1保持部材の変位が生じることを特徴する請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項5】
板状の基台を備え、
前記第1保持部材は、
前記基台上を前記光軸方向に沿って移動可能に支持されており、
前記第2保持部材は、
前記基台上の、前記第1保持部材よりも前記反射光の進行方向下流側の位置に設けられており、
前記第2の部材は、
前記基台上に配されていることを特徴する請求項4に記載の画像読取装置。
【請求項6】
板状の基台と、
前記基台上を前記光軸方向に沿って移動可能に支持された可動部材と、を備え、
前記第1保持部材と第2保持部材は、
この順に前記反射光の進行方向に沿って前記可動部材上に設けられており、
前記第2の部材は、
前記基台上の、前記可動部材よりも前記反射光の進行方向上流側または下流側の位置に配され、
前記第1の部材の反りが生じたときにその反りにより生じる力が前記可動部材に付与されることにより、当該可動部材が変位することを特徴する請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記第2の部材は、前記基台上の、前記第1の部材の一方端側と他方端側のそれぞれに対応する位置に立設されており、
前記第1の部材の線膨張係数が前記基台の線膨張係数よりも大きいことを特徴する請求項3、5または6に記載の画像読取装置。
【請求項8】
前記固体撮像素子は、
一方向に連続して配列された複数の受光素子により前記受光面が形成されてなり、
前記第1の部材は、
前記固体撮像素子における複数の受光素子の配列方向に平行に延伸されてなる長尺状の部材であることを特徴する請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項9】
前記第1の部材は、
線膨張係数の異なる第1と第2の金属製の部材を貼着してなる積層部材であることを特徴する請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項10】
前記第1の部材は、
光軸に直交する方向に長尺の板状または棒状の部材であることを特徴する請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−130297(P2010−130297A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−302335(P2008−302335)
【出願日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】