説明

番号表示装置

【課題】 就職面接等の順番待ちの番号を表示するために好適な番号表示装置を提供する。
【解決手段】 番号表示部を具備する番号表示板と、番号表示板に接続コードで接続され、番号の前進及び後退スイッチを具備した本体部からなる番号表示装置であり、本体部に番号表示部に表示された番号と同じ番号を表示し得る補助番号表示部と、経過時間を表示し得る経過時間表示部とからなる補助表示部を設け、前進又は後退スイッチの操作に基づいて補助表示部と番号表示部への表示制御を行う制御部を設け、制御部は前進又は後退スイッチの操作に基づいて番号表示部に表示される番号のインクリメント等を行って番号の更新を行うと共に、補助番号表示部にも番号表示部に表示された番号と同じ番号を表示させ、前進又は後退スイッチの操作により経過時間表示部の表示時間をリセットして番号更新後の経過時間を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は例えば面接会場等において面接待機者等に対して順番を表示するために用いて好適な番号表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば病院の待合室等において使用される順番待ちの番号表示装置が各種提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1のものは、端末装置のテンキーで入力した数字が表示器に表示されるシステムであり、その表示器を待合室にあるテレビの近傍位置に設置したものである。
【0004】
また、特許文献2のものは、ディスプレイ装置とコントロールボードとから構成され、コントロールボードのテンキーによって登録番号を入力すると、制御回路内において予め記憶されている当該登録番号に対応する情報、例えば「診察中・次の方は24番です」等の情報をディスプレイ装置に表示するものである。
【0005】
【特許文献1】実開平1−176886
【特許文献2】実開昭62−71680
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記特許文献1のものは、端末装置のテンキーで入力した数字が表示器に表示される機能を有するのみであるから、端末装置側で時間経過等が把握できず、また、端末機側の信号を無線送信機で表示器側に送信する構成であるため、表示器側に無線用の受信機、及びデコーダ等が必要となり、装置構成が複雑化するし、病院等においては使用可能な電波は制限されるため、使用に際して電波を自由に使用できる場所に設置場所が限定されるという課題がある。
【0007】
また、特許文献2のものは、制御回路内において予め記憶されている情報に対応する登録番号を指定する必要があるため、登録されている情報とその登録番号を把握していなければ表示すべき情報が不明となるという問題がある。
【0008】
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、例えば就職面接会場等において求職者に対して順番待ちの番号を表示するのに最適な番号表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため本発明は、
第1に、少なくとも一面側に番号表示部を具備する番号表示板と、該番号表示板に接続コードで電気的に接続され、番号の前進及び後退スイッチを具備した本体部からなる番号表示装置であって、上記本体部に、上記番号表示部に表示された番号と同じ番号を表示し得る補助番号表示部と、経過時間を表示し得る経過時間表示部とからなる補助表示部を設けると共に、上記前進又は後退スイッチの操作に基づいて上記補助表示部と上記番号表示部への表示制御を行う制御部を設け、該制御部は、上記前進又は後退スイッチの操作に基づいて上記番号表示部に表示される番号のインクリメント又はデクリメントを行って番号の更新を行うと共に、上記補助番号表示部にも上記番号表示部に表示された番号と同じ番号を表示させるものであり、かつ上記前進又は後退スイッチの操作に基づいて上記経過時間表示部の表示時間をリセットして該経過時間表示部に番号更新後の経過時間を表示するものであることを特徴とする番号表示装置により構成されるものである。
【0010】
従って、例えば就職面接等において、面接者(操作者)は手元の前進スイッチ又は後退スイッチを操作すると番号表示部及び補助番号表示部に表示される番号が例えば「02」から「03」にインクリメントされる等の番号の更新が行われる。また、制御部は番号が更新されると経過時間表示部の表示のリセットを行い、かつ番号が更新されてからの経過時間を表示する。よって、番号表示板により求職者には順番を表示し得るし、面接者は手元の補助表示部にて番号表示板に表示されている番号と、番号が更新されてからの経過時間を確認することができる。
【0011】
第2に、上記番号表示板を上記本体部上面に起立状態で立設支持し得る係合手段を、上記本体部と上記番号表示板に設けると共に、上記番号表示板を上記本体部から切り離し可能に構成し、かつ上記本体部から切り離した上記番号表示板をパネル体に掛止し得る係合フックを上記番号表示板に設けたものであることを特徴とする上記第1記載の番号表示装置により構成されるものである。
【0012】
従って、通常は番号表示板を本体部に起立状態で立設支持することにより、求職者に対して順番を表示することができるし、広い会場等の場合は番号表示板を本体部から切り離しパーテーション等の高い位置に掛止して使用することができる。ここで上記係合手段としては、例えば本体側の係合用突起(2a)及び番号表示板の係合孔(11b)等により構成することができる。また上記係合フックはパネル係合用フック(12)等により構成することができる。
【0013】
第3に、上記番号表示板の一面を上記本体部上面に合わせた状態で当該番号表示板を上記本体部に保持し得る係合手段を設けたものであること特徴とする上記第1又は2記載の番号表示装置により構成されるものである。
【0014】
従って、番号表示板の一面を本体部上面に合わせて収納することで、全体をコンパクトに収納し得て、持ち運びにも便利な番号表示装置を提供し得る。ここで、上記係合手段は例えば本体側の係合用突起(2a)及び番号表示板の係合孔(11a)等により構成することができる。
【0015】
第4に、上記本体部にバッテリーを設けて、該バッテリーから本体部内各部に電源を供給すると共に、当該バッテリーの電源を上記接続コードを介して上記番号表示板の番号表示部を含む各部に供給するように構成したものであることを特徴とする第1乃至3の何れかに記載の番号表示装置により構成されるものである。
【0016】
従って、本体部及び番号表示板共に本体部のバッテリーで駆動することができ、設置場所の自由度を高めることができる。
【0017】
第5に、上記番号表示板は、上記本体部から指示される番号を番号表示部に表示する表示制御回路と、不揮発性メモリとを備え、該表示制御回路は上記番号表示部に表示している番号を上記不揮発性メモリに記憶するものであり、かつ上記表示制御回路は、給電停止後の復旧時において、上記不揮発性メモリから給電停止時に記憶されていた番号を読み出して当該番号を番号表示部に表示させると共に、当該番号を本体部の制御部に通知するものであることを特徴とする上記第1〜4の何れかに記載の番号表示装置により構成されるものである。
【0018】
従って、接続コードの外れ等により番号表示板への給電が停止したとしても、復旧後には不揮発性メモリに記憶していた給電停止時の番号を番号表示部に表示し得る。また、同時に本体部へも当該番号の通知が行われるので、本体部においても当該番号を補助番号表示部に表示することができ、復旧後も何等支障なく面接等を継続することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の番号表示装置によると、操作者の手元の補助番号表示部に、番号表示板に表示される番号と同一の番号が表示されると共に、番号が更新される度に更新後の経過時間が表示されるため、例えば面接等に使用して極めて操作性の良い番号表示装置を実現し得るものである。
【0020】
また、番号表示板を本体部から切り離して各種場所に設置し得るし、バッテリー駆動であるため設置の自由度が大きいという効果がある。
【0021】
さらに、何らかの原因により給電が停止しても、給電停止前の状態に容易に復旧し得るという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1及び図2は本発明に係る番号表示装置1の第1実施形態を示すものであり、当該装置はバッテリー21、制御部(CPU)23等を収容する直方体形状の本体部2と、該本体部2上面に着脱自在に設けられた板状の番号表示板3とから構成されている。
【0023】
上記本体部2の上面には補助表示部4と、番号の前進スイッチ5a及び番号の後退スイッチ5bが設けられており、前進スイッチ5aを1回押すと上記番号表示板3に表示されている数字がインクリメント(+1)され、後退スイッチ5bを1回押すと上記番号表示板3に表示されている数字がデクリメント(−1)されるように構成されている。
【0024】
上記補助表示部4には、図6に示すように、現在、番号表示板3に表示されている数字と同じ数字を表示する補助番号表示部4aと、上記番号表示板3に表示されている番号が更新されてからの経過時間を表示する経過時間表示部4bとが構成されている。上記補助番号表示部4a及び経過時間表示部4bは、何れも7セグメントLED或は7セグメントLCDを用いることができる。
【0025】
上記本体部2において、2a,2aは、上記番号表示板3の逆L字状の係合用突起であり、上記本体部2上面の一側縁に沿う両端部に一対に設けられ、上記番号表示板3の収納時と起立時の各々において該表示板3に係合して該表示板3を収納状態又は起立状態に保持するものである。
【0026】
6はリモコンスイッチであり、上記前進スイッチ5a及び後退スイッチ5bと同様の機能を有する前進スイッチ6a、後退スイッチ6bを有しており、操作者が上記本体部2から離れた位置にいる場合の操作に用いられるものである。このリモコンスイッチ6はコネクターC1によって本体部2のコネクターC1’に接続される。尚、当該リモコンスイッチ6に上記表示部4と同様の情報を表示し得る補助表示部を設けても良い。
【0027】
7はACアダプターであり、通常は本体部2に内蔵するバッテリー21を充電するために用いられるものであり、コネクターC2によって本体部2のコネクターC2’に接続される。
【0028】
8は上記本体部2上面に設けられた収納凹部であり、未使用時の上記リモコン6、ACアダプター7、接続コード9等を収納するものである。
【0029】
上記番号表示板3は、上記本体部2と接続ケーブル9で接続されている。尚、該接続ケーブル9はその両端のコネクターC3、C3によって各々上記表示板3及び本体部2に接続される。上記番号表示板3は、その表面3aに7セグメントLED又は7セグメントLCDによる2桁の番号表示部10を有している。この表示部10の数字の高さdは比較的遠い位置から数字を視認できるように70mm以上とすることが好ましい。
【0030】
11,11は上記番号表示板3の前面3a下方両側に一対に設けられた係合孔であり、何れも表示板3a前面3a側から底面3c側に向けて貫通形成されている(図3参照)。この係合孔11,11は、図3に示すように、前面3a側に開口する収納用係合孔11aと、底面3c側に開口する収納用係合孔11bとから構成されており、何れも上記係合用突起2a,2aが係合し得る断面L字形状をなしている。
【0031】
これにより、番号表示板3の収納時は、上記前面3aを上記本体部2上面に宛がい、上記係合用突起2a,2aを上記収納用係合孔11a,11a内に係合し(図3参照)、図3二点鎖線に示すように該番号表示板を本体部2と一体的に収納する。また、番号表示板3の起立時(使用時)は上記番号表示板3の底面3cを上記本体部2上面に宛がい(図4参照)、上記係合用突起2a,2aを上記起立用係合孔11b,11b内に係合することにより、上記本体部2上に上記番号表示板3を起立した状態で使用し得るように構成されている(図5参照)。尚、上記係合孔11a又は11bと上記係合突起2a,2aとの接続固定は、図11(a)に示すように係合突起2a,2aを係合孔11bに挿入後に表示板3を矢印方向にスライドさせることにより確実に行うことができる。
【0032】
図7において、12,12はパネル係合用フックであり、L字形状に折曲した金属片からなるものである。この係合用フック12,12は上記番号表示部3の裏面3b側の上側2箇所に設けられた係合孔3d,3d(図1参照)に該フック12,12の先端部を挿入係止した状態で、図7に示すように、当該番号表示部3を上記パネル係合用フック12,12によってパーテーション等のパネル体Pに掛止し得るように構成されている。このようにすることで、例えば面接会場において求職者に見やすい高い位置に番号表示板3を設置することができる。尚、上記フック12,12と上記係合孔3d,3dとの接続固定は、図11(b)に示すようにフック12,12の先端部12a,12aをL型に折り曲げ、上記係合用フック3d,3d内にこれに係合し得る凹部3d’を設け、上記先端部12a,12aを上記係合孔3d,3d内に挿入して上記先端部12aと上記凹部3d’を係合することにより確実に行うことができる。
【0033】
図8乃至図10に示すものは、本発明の第2実施形態を示すものであり、上記第1実施形態と同一部分には同一符号を付して便宜上その説明を省略する。同図において、番号表示板3は、上記本体部2の軸係合部2b,2bに回動軸15,15を挿入することで、当該回動軸15,15を支軸として矢印A、B方向に開閉自在に設けられている。
【0034】
かかる第2実施形態においては、上記番号表示板3の閉鎖時において、その表示部10が上面側となるように構成されており(図9)、上記番号表示板3を上記回動軸15、15を支軸として回動起立させることにより、容易に表示状態とすることができる(図10)。尚、かかる第2の実施形態においても、番号表示板3と本体部2とを着脱可能として図7に示すように番号表示板3をパネル体Pに掛止可能とすることができる。
【0035】
次に、本発明の電気的構成を図12に基づいて説明する。同図において、20は本体部2の充電回路であり、上記ACアダプター7から入力するAC電源を直流に変換してバッテリー21に供給するものである。22は電源回路であり、上記バッテリー21に充電された電力に基づいて本体部2内の各部に電源を供給すると共に、当該本体部2にケーブル9で接続される番号表示板3にも電源を供給するものである。
【0036】
23はCPUを含む制御部であり、図13、図14に示す動作手順に基づいて表示部10への番号の表示指令等の各種動作を行うものである。かかる制御部23は、予め設定された初期値(数字2桁からなる例えば「00」)を表示するように番号表示板3の表示制御回路27及び本体部2の表示制御回路24に指示すると共に、前進スイッチ5aが押されると、同様に両表示制御回路27、24に表示番号のインクリメント(+1)指示を行い、後退スイッチ5bが押されると両表示制御回路27、24に表示番号のデクリメント(−1)指示を行うものである。また、上記制御部23は番号の更新後は経過時間をリセットすると共に、内臓するタイマTからの計時信号に基づいて更新後の経過時間の表示指令を表示制御回路24に指令する。
【0037】
さらに、上記制御部23は、接続コード9が外れる等して番号表示板3に対する給電が停止した後、復旧が行われた場合は、番号表示板3の表示制御回路27から通知される番号を補助番号表示部4aに表示するように表示制御回路24に指示するものである。
【0038】
24は本体部2側の表示制御回路であり、上記制御部23からの指令に基づいて上記番号表示板3に表示されている番号と同一の番号を補助番号表示部4aに表示すると共に、同じく上記制御部23からの指令に基づいて番号がデクリメント又はインクリメントされると、経過時間表示部4bの経過時間をリセットしてデクリメント又はインクリメントされた時点からの経過時間を同時間表示部4bに表示するものである。尚、上記経過時間の表示は上記制御部23に内臓するタイマTからの計時信号に基づいて行われる。
【0039】
尚、25は番号表示部10の番号表示を所定時間間隔で自動的にデクリメント又はインクリメントしていく自動表示モードにおいて、デクリメント又はインクリメントの間隔(タイミング)を設定するためのクロック回路である。
【0040】
上記番号表示板3は図12に示すように、コネクターC3及び接続ケーブル31を以って複数の番号表示板3を並列に接続することができる。このように構成すると、1つの本体部2によって複数の番号表示板3を使用することができる。尚、この場合、各番号表示板3に同一の番号を表示することができるし、本体部2において各番号表示板3を区別し得るようにして各々の表示板3において異なる番号を表示し得るように構成することもできる。
【0041】
26は番号表示板3の表示電源回路であり、上記本体部2からケーブル9を介して供給される電源を番号表示部10等の番号表示板3の各部回路に供給するものである。
【0042】
27は番号表示板3の表示制御回路であり、CPUを具備しており、図15、図16に示す動作手順に基づいて各種動作を行うものである。この表示制御回路27は、本体部2の制御部23からの指令に基づいて表示部10に番号を表示し、さらにその番号のインクリメント又はデクリメントを行うと共に、現在表示中の番号を不揮発性メモリ28に記憶するものである。また、当該番号表示板3への給電停止後の復旧時は、上記不揮発性メモリ28に記憶されていた番号を読み込んで、その番号を表示部10に表示し、さらに当該番号を本体部2の制御部23への通知を行うものである。
【0043】
28は番号表示部10に表示されている番号を記憶するための不揮発性メモリであり、誤ってケーブル9が本体部2から外れて本体部2から番号表示板3への給電が停止した場合において、復旧時に不揮発性メモリ28からの値(番号)を読み込んで、表示を継続し得るように構成している。尚、30は電池駆動クロック回路であり、上記自動表示モードにおいて給電停止後においても、表示制御回路27において番号の表示間隔のカウントを継続可能とするものである。
【0044】
本発明は上述のように構成されるものであるから、以下その動作を説明する。
(1)通常モード
まず、面接会場等において当該装置1を設置する。このとき、本体部2から番号表示板3を取り外し、図5に示すように番号表示部10を本体部2の外側を向けた状態で係合用突起2a,2aと番号表示板3底面3cの起立用係合孔11b,11bを係合し、当該表示板3を本体部2上に起立保持する。或は、番号表示板3を本体部2から分離してその係合孔3d,3dにパネル係合用フック12,12を挿入係合し、当該フック12、12を以って当該番号表示板3を図7に示すようにパネル体Pに掛止する。
【0045】
その後、本体部2の電源をオンして動作状態に設定すると、電源回路22から本体部2各部に電源が供給されると共に、該電源回路22から接続コード9を介して番号表示板3の表示電源回路26にも電源が供給され、該電源回路26から番号表示板3内の各部にも電源が供給される。
【0046】
その後、制御部23は予め設定されていた初期値(この場合「00」とする)を表示するように表示制御回路24及び表示制御回路27に指示する。すると、表示制御回路24により本体側の補助表示部4の補助番号表示部4aに「00」が表示されると共に(図13P1)、番号表示板3の番号表示部10に「00」が表示される(図15P1)。尚、面接会場を訪れた求職者には予め「01」から始まる番号札を順番に渡しておくものとする。このとき、操作者は面接人数に応じて前進スイッチ5a又は後退スイッチ5bを操作して表示番号を増減調整することができる。
【0047】
面接が始まり1人目の面接者の面接が始まると、前進スイッチ5aを1回オンすれば良い。すると、制御部23は当該前進スイッチ5aのオンを検出し、表示制御回路24、27にインクリメントの指令を出すので(図13P2,3)、これにより本体部2の補助表示部4の補助番号表示部4aの表示が「01」になると共に、番号表示板3の表示制御回路27も上記指令に基づいて番号表示部10の表示を「01」に更新し(図15P2)、これにより「01」の番号札を持つ求職者に順番が回ってきたことを知らせることができる。
【0048】
同時に、制御部23は表示制御回路24に補助表示部4の経過時間表示部4bの経過時間をリセット及び経過時間の表示指令を行う(図13P4、P5)。すると、表示制御回路24により補助表示部4の経過時間表示部4bにはそれまでに表示されていた時間がリセットされ、「01」を表示した時点からの経過時間が表示される。従って、面接者は番号が更新されてからの経過時間を知ることができる。よって、面接者は、例えば面接時間が「10分」であれば10分経過した時点で面接を終了して前進スイッチ5aを押して表示番号をインクリメントする等の操作を容易に行うことができる。
【0049】
次に制御部23は電源がオフされたか否かを検出し、オフされていなければステップP2に戻って次のスイッチ5a,5bの操作待機状態となる(図13P6)。
【0050】
また、番号表示板3の表示制御回路27は番号「01」を表示部10に表示した後、不揮発性メモリ28に現在表示している番号である「01」を記憶する(図15P3)。これにより、番号表示板3が誤って本体部2から外れて電源の給電が停止しても、当該メモリ28に現在の表示番号を記憶しているため、電源の復旧時に速やかに復旧前の番号を表示し得る。次に、表示制御回路27は本体部2から前進又は後退指令の待機状態となる(図15P4、P5)。
【0051】
このように、通常モードでは操作者が前進スイッチ5aをオンする度に、表示番号をインクリメントすることができ、又補助表示部4に表示番号がインクリメントされてからの経過時間が繰り返し表示されるため、面接者(操作者)においては表示番号が更新されてからの経過時間を容易に確認することができる。
【0052】
(2)復旧モード
次に、面接会場において、何らかの原因で接続コード9が本体部2又は番号表示板3から外れて番号表示板3への給電が停止した場合の動作について説明する。
【0053】
この場合、番号表示板3への給電が停止するため、表示部10の番号表示は消滅し、番号が表示されない状態となる。この給電停止状態は、接続コード9を本体部2及び番号表示板3に接続することで復旧することができる。
【0054】
かかる復旧動作後、表示制御回路27は図16の復旧モードの動作を実行する。即ち、表示制御回路27は不揮発性メモリ28に記憶されていた番号を読み込んで(図16P1,P2)、当該番号を表示部10に表示する(図16P3)。これにより、電源遮断時に表示されていた番号(例えば「05」とする)が番号表示部10に表示される(図16P3)。また、表示制御回路27は表示番号「05」を本体部2の制御部23に通知する(図16P4)。これにより、本体側制御部23は表示制御回路24に番号表示板3から通知されてきた番号である「05」を表示するように指令する(図14P1、P2、図13P4以降参照)。
【0055】
この結果、表示制御回路24により補助番号表示部4aには「05」が表示される。このように、番号表示板3への給電が停止する事態が生じても、電源復旧後、何等支障なく面接を継続することができる。
【0056】
以上のように、本発明の番号表示装置1によると、操作者の手元の補助番号表示部4aに番号表示板3に表示される番号と同一の番号が表示されると共に、番号が更新される度に経過時間表示部4bに更新後の経過時間が表示されるため、極めて操作性の良い番号表示装置を実現し得るものである。
【0057】
また、番号表示板3を本体部2から切り離してパーテーションP等に掛止可能であるため、各種の広さの会場に対応し得る。
【0058】
また、バッテリー駆動であるため設置の自由度があるし、何らかの原因により番号表示板3への給電が停止しても、容易に復旧して給電停止前の番号を番号表示板3及び本体部2にて表示することができる。
【0059】
尚、経過時間表示部4bにおける経過時間が予め設定した時間(例えば10分)に近づくと、警報ブザーを鳴らすように構成しても良い。
【0060】
上記実施形態では、面接会場において使用する例を示したが、本発明に係る番号表示装置は、これに限らず、銀行の待合室、その他各種イベント会場等、広範な用途に使用し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の第1実施形態の番号表示装置の斜視図である。
【図2】同上表示装置の斜視図である。
【図3】同上表示装置の番号表示板を収納する状態を示す側面図である。
【図4】同上表示装置の番号表示板を起立する状態を示す側面図である。
【図5】同上表示装置の番号表示板の起立状態の斜視図である。
【図6】同上表示装置の補助表示部を示す図である。
【図7】同上表示装置の番号表示板をパーテーションに設置する状態を示す斜視図である。
【図8】本発明の番号表示装置の第2実施形態の斜視図である。
【図9】同上表示装置の番号表示板の収納状態の斜視図である。
【図10】同上表示装置の番号表示板の起立状態の斜視図である。
【図11】(a)は番号表示板と本体部との係合関係を示す側面断面図、(b)は番号表示板とパネル係合フックとの係合関係を示す側面断面図である。
【図12】同上表示装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図13】同上表示装置の制御部の動作手順を示すフローチャートである。
【図14】同上表示装置の制御部の動作手順を示すフローチャートである。
【図15】同上表示装置の番号表示板の表示制御回路の動作手順を示すフローチャートである。
【図16】同上表示装置の番号表示板の表示制御回路の動作手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0062】
1 番号表示装置
2 本体部
2a 係合用突起
3 番号表示板
3d 係合孔
4 補助表示部
4a 補助番号表示部
4b 経過時間表示部
5a 前進スイッチ
5b 後退スイッチ
9 接続コード
10 番号表示部
11 係合孔
11a 収納用係合孔
11b 起立用係合孔
12 パネル用係合フック
12a 先端部
21 バッテリー
23 制御部
27 表示制御回路
28 不揮発性メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一面側に番号表示部を具備する番号表示板と、該番号表示板に接続コードで電気的に接続され、番号の前進及び後退スイッチを具備した本体部からなる番号表示装置であって、
上記本体部に、上記番号表示部に表示された番号と同じ番号を表示し得る補助番号表示部と、経過時間を表示し得る経過時間表示部とからなる補助表示部を設けると共に、
上記前進又は後退スイッチの操作に基づいて上記補助表示部と上記番号表示部への表示制御を行う制御部を設け、
該制御部は、
上記前進又は後退スイッチの操作に基づいて上記番号表示部に表示される番号のインクリメント又はデクリメントを行って番号の更新を行うと共に、上記補助番号表示部にも上記番号表示部に表示された番号と同じ番号を表示させるものであり、
かつ上記前進又は後退スイッチの操作に基づいて上記経過時間表示部の表示時間をリセットして該経過時間表示部に番号更新後の経過時間を表示するものであることを特徴とする番号表示装置。
【請求項2】
上記番号表示板を上記本体部上面に起立状態で立設支持し得る係合手段を、上記本体部と上記番号表示板に設けると共に、上記番号表示板を上記本体部から切り離し可能に構成し、
かつ上記本体部から切り離した上記番号表示板をパネル体に掛止し得る係合フックを上記番号表示板に設けたものであることを特徴とする請求項1記載の番号表示装置。
【請求項3】
上記番号表示板の一面を上記本体部上面に合わせた状態で当該番号表示板を上記本体部に保持し得る係合手段を設けたものであること特徴とする請求項1又は2記載の番号表示装置。
【請求項4】
上記本体部にバッテリーを設けて、該バッテリーから本体部内各部に電源を供給すると共に、当該バッテリーの電源を上記接続コードを介して上記番号表示板の番号表示部を含む各部に供給するように構成したものであることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の番号表示装置。
【請求項5】
上記番号表示板は、上記本体部から指示される番号を番号表示部に表示する表示制御回路と、不揮発性メモリとを備え、
該表示制御回路は上記番号表示部に表示している番号を上記不揮発性メモリに記憶するものであり、
かつ上記表示制御回路は、給電停止後の復旧時において、上記不揮発性メモリから給電停止時に記憶されていた番号を読み出して当該番号を番号表示部に表示させると共に、当該番号を本体部の制御部に通知するものであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の番号表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−195828(P2006−195828A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−8036(P2005−8036)
【出願日】平成17年1月14日(2005.1.14)
【出願人】(504035917)三光電子株式会社 (4)
【Fターム(参考)】