発光標識システム及び無線電力送出装置
【課題】車両側から送電された無線電力により、インフラ側の発光素子を発光させる。
【解決手段】高周波電力を発生させる電力発生器121と、発生させた高周波電力を無線電力として照射する送出アンテナ130とを有する車両側10の無線電力送出装置100と、照射された無線電力を受電する受電アンテナ320と受電した無線電力を直流電力に整流する整流素子340とを含むレクテナ310と、この整流された直流電流により発光する発光素子360とを有するインフラ側30の発光標識装置300とを備える。
【解決手段】高周波電力を発生させる電力発生器121と、発生させた高周波電力を無線電力として照射する送出アンテナ130とを有する車両側10の無線電力送出装置100と、照射された無線電力を受電する受電アンテナ320と受電した無線電力を直流電力に整流する整流素子340とを含むレクテナ310と、この整流された直流電流により発光する発光素子360とを有するインフラ側30の発光標識装置300とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光標識システムに関し、特にインフラ(インフラストラクチャー infrastructure)側に設けられた発光標識装置に対し、車両側からマイクロ波送電により電力を供給して発光標識を発光させる発光標識システムに関する。
【背景技術】
【0002】
インフラ側に設けられたガイドライトシステムとしては、特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1には、道路の進行方向に沿って配置された複数の発光素子と、その発光状態を個別に制御できる制御部と、道路に沿って配置された車両の存在を検出する検知部とを備え、例えば車両がカーブに近づくと上記検知部からの信号により上記制御部が上記発光素子を順次発光させるガイドライトシステムが示されている。このシステムによれば、カーブに関する情報、対向車、先行車の情報をガイドライトの点灯により得ることができる。
【0003】
しかしながら、このガイドライトシステムは、インフラ側の車両検知部と制御部と全発光素子とを相互にケーブルで接続させるとともに電力供給を行わなければならず、インフラ整備にかかる労力・費用等のコストが大きいという問題があった。この種のガイドライトシステムは特に山間部の道路において需要が見込まれるが、インフラ整備のコスト及びランニングコストの負担が大きく、実現が困難であるという問題があった。
【特許文献1】特開2001−283393号公報
【発明の開示】
【0004】
本発明は、以上の課題を鑑みてなされたものであり、システム全体の設備コストを低減させることを目的とする。
本発明によれば、発生させた高周波電力を無線電力として照射する車両側の無線電力送出装置と、車両側から照射された無線電力を受電し、この無線電力を直流電力に整流し、整流された直流電流により発光素子を発光させるインフラ側の発光標識装置とを備えた発光標識システムが提供される。
【0005】
本発明の発光標識システムは、車両側が道路等に設けられたインフラ側の装置を検出し、検出したインフラ側の装置に車両側から電力供給を行うため、インフラ側の設備コストを大幅に低減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
<第1実施形態>
以下、図面に基づいて、本発明に係る第1実施形態の発光標識システム1000を説明する。本実施形態の発光標識システム1000は路車間において電力の供給を行うマイクロ波電力伝送機能を有する。図1に発光標識システムの全体概要図を示した。図1に示すように、車両側10に搭載され、前方に向けて電磁波無線電力を送出する無線電力送出装置100と、道路沿いに設けられた複数のインフラ30a〜30eに搭載され、電磁波無線電力を受電して発光する発光標識装置300とを有する。本実施形態の発光標識装置300は、例えば、ガードレールに設置される自発光式の誘導標識、道路のセンターラインなどに埋め込まれている自発光式のキャッツアイ、路側に設置される自発光式の道路標識などである。
【0007】
図2に車両側10の無線電力送出装置100のブロック構成を示した。図2に示すように、車両側10の車載装置は、無線電力送出装置100とスイッチ190とを有する。無線電力送出装置100は、高周波電力を発生させる高周波電力発生手段として機能する電力発生器120と、電力発生器120が発生した高周波電力を無線電力として照射する送出アンテナ130と、発生させた無線電力の送出を制御する制御装置110とを有する。無線電力送出装置100の制御装置110は、スイッチ190から入力された起動(ON)指令に呼応して、システムを起動させ、電力発生器120に高周波電力を発生させ、所望の指向性を持つ送出アンテナ130から無線電力を照射させる。本実施形態の無線電力は例えば2.45GHzの周波数の電磁波である。ここで送出アンテナ130は1素子のアンテナでも良いし、複数素子を用いたアレイアンテナでも良い。スイッチ190は、無線電力送出装置100のON/OFF入力を受け付ける。本実施形態では、ヘッドランプ、スモールランプ、フォグランプ等の車両用照明装置のスイッチをスイッチ190として用いた。
【0008】
図3にインフラ側30の発光標識装置300のブロック構成を示した。図3に示すように、発光標識装置300は、レクテナ310と発光素子360とを有する。発光素子360は、レクテナ310の整流素子340により整流された直流電流により発光する素子であり、例えばLED等である。
【0009】
レクテナ310は、車両側10の無線電力送出装置100から照射された無線電力を受電する受電アンテナ320と、受電した無線電力を送出された無線電力を直流電力に整流する整流素子340とを少なくとも有する。具体的に、本実施形態のレクテナ310は、無線電力を受電し高周波電力として回路に取り込む受電アンテナ320と、低域通過型あるいは帯域通過型の入力フィルタ330と、ダイオード等の整流素子340と、低域通過型の出力フィルタ(整流フィルタ)350とを有する。
【0010】
受電アンテナ320で受電した高周波電力は入力フィルタ330を通過して整流素子340に入力される。整流素子340では、例えばダイオード1つを使った半波整流が行われ直流成分が取り出される。なお、整流素子340としてダイオードを用いた場合、入力された高周波電力の周波数の整数倍の周波数を示す高調波成分が発生するが、入力フィルタ330によりカットされるため、高調波の再放射は抑制される。整流素子340により整流された電力は、出力フィルタ350でさらに整流されて直流電力として出力される。この直流電流を用いて発光素子360を発光させる。
【0011】
本実施形態では、キャパシタや二次電池等の蓄電素子370を設けた。蓄電素子370は必要に応じて設置すればよい。蓄電素子370を設けることにより、受電した電力を蓄電することができ、無線電力が途切れた後もしばらくの間、発光素子370を発光させることができる。
【0012】
本実施形態に係る発光標識システム1000の動作を、図4のフローチャートに基づいて説明する。スイッチ190に起動命令が入力されたら(S110でY)、システムを起動する(S111)。車両側10の無線電力送出装置100の電力発生器120は高周波電力を発生させ、送出アンテナ320は発生した高調波電力を無線電力としてインフラ側30へ向けて照射する(S130)。無線電力の照射強度は、インフラ側30の発光標識装置300を駆動させる強度であることが好ましい。インフラ側30の発光標識装置300は、受電した無線電力を用いて発光素子360を発光させる(S140)。
【0013】
本実施形態の発光標識システム1000は、車両側が道路等に設けられたインフラ側の装置を検出し、検出した装置に向けて電力供給を行う。このため、インフラ側30に車両検知装置、制御装置、電源を設ける必要がなく、構成を簡素化することができ、インフラの整備コスト、管理運営コストを低減させることができる。発光素子を無線電力で動作させるため、電源を併設する必要がなく、既存のガードレール等に簡単に付加的に設置することができる。特に需要が見込まれる山間部等においても低コストでインフラを整備することができる。
【0014】
<第2実施形態>
第2実施形態の発光標識システム1100は、車両側10の無線電力送出装置101が、インフラ側30のレクテナ311から放射された高調波の検出結果に基づいて無線電力の照射を制御する点を特徴とする。本実施形態の基本的な構成は第1実施形態と共通するので、ここでは異なる点を中心に説明する。
【0015】
図5に本実施形態の車両側11の無線電力送出装置101のブロック構成を示した。図5に示すように、本実施形態の無線電力送出装置101は、第1の実施形態の構成に加えて、インフラ側31のレクテナ311から放出される高調波成分を検出する高調波検出手段140と、高調波を受信する第2のアンテナ132とを備えている。また、本実施形態の制御装置111は、高調波検出手段140による検出結果に基づいて無線電力の照射を制御する。制御手法は特に限定されないが、制御装置111は、高調波成分を検出した場合は無線電力の送出を開始させ、高調波成分を検出しない場合は無線電力の送出を停止させて、高調波検出の有無に応じて無線電力の送出のオンオフを制御してもよい。制御手段は、高調波成分を検出した場合は無線電力の出力強度を強め、高調波成分を検出しない場合は無線電力出力強度を弱め、高調波検出の有無に応じて無線電力の出力強度を制御してもよい。制御装置111は、高調波成分を検出した場合は無線電力の出力間隔を短時間とし、高調波成分を検出しない場合は無線電力出力間隔を長くして、高調波検出の有無に応じて無線電力の出力のタイミングを制御してもよい。
【0016】
本実施形態の制御装置111は、まず、強度の弱い無線電力を放射させ、インフラ側のレクテナから放射された高調波成分を検出した場合は無線電力の出力強度を強める。
【0017】
図6にインフラ側31の発光標識装置301のブロック構成を示した。本実施形態の発光標識装置301は、受電する無線電力の周波数の略2倍の高調波成分を通過させる、第1実施形態のとは通過特性が異なる入力フィルタ331と、無線電力を受電して高周波電力として回路に取り込む第1のアンテナ321と、整流素子340にて発生した高調波を再放射する第2のアンテナ322とを備える。これら2つのアンテナは1のアンテナで構成してもよい。なお、本実施形態では、2つのアンテナを効率よく動作させるためにサーキュレータ380を設けた。
【0018】
発光標識装置301の第1のアンテナ321が無線電力を受電し、高周波電力として回路に取り込む。高周波電力はショットキバリヤダイオード等の整流素子340に給電され、直流電力に整流されるとともに高周波電力の一部は整流素子にて高調波となる。受電した高周波電力の周波数の2倍の周波数の高調波成分は、入力フィルタ331を通過して第2のアンテナ322から再び放射される。
【0019】
通常、無線電力伝送システムに用いられるレクテナは、整流ダイオードによって発生する高調波の再放射を防ぐために低域通過型乃至は帯域通過型の入力フィルタを備える。これに対し、本実施形態の発光標識装置301は、受電する無線電力の周波数の2倍の周波数の高調波成分を通過させる特性を備えた入力フィルタ331を有する。このように、本実施形態のレクテナ311は高調波をあえて再放射させるので、高調波の検出によりレクテナ311又はこれを有する発光標識装置301の存在を検出することができる。
【0020】
本実施形態の発光標識システムの動作手順を図7のフローチャートに基づいて説明する。S100〜S111までは、図4に示す処理と共通する。システム起動後、制御装置111は、まず、強度の弱い無線電力を送出する(S120)。この無線電力の強度は、レクテナの検出には十分であるが、発光標識の駆動には足らない程度の弱いものである。本実施形態のレクテナ311が無線電力を受電した場合、無線電力の周波数の略2倍の高調波成分が入力フィルタ331を通過して再放射され、無線電力送出装置101の高調波検出手段140がこれを検出する。
【0021】
S121において、高調波検出手段140が第2のアンテナ132を介して高調波を検出した場合(S121でY)、制御装置111は、本システムの発光標識装置301が存在すると判断して発光標識装置301を駆動するに足る強電力の高周波電力を電力発生器121に発生させ、第1のアンテナ131を介して無線電力として送出する(S130)。他方、高調波が検出できない場合(S121でN)、本実施形態の発光標識装置301が存在しないと判断してS120に戻り、強度の弱い無線電力を送出する(S120)。送出される無線電力は、発光標識装置301を駆動することはできないが、高調波検出手段140が高調波成分を検出できる程度の弱い無線電力である。高調波が検出された場合は、強度の強い無線電力を送出する(S130)。この送出された無線電力を用いてインフラ側31の発光素子を発光させる。
【0022】
高調波検出手段140は第2のアンテナ132を介して高調波成分が検出されるか否かを継続してモニタし(S131)、高調波成分が検出されている間(S131でYesの間)は強度の強い無線電力の送出を継続し、高調波成分が検出されなくなったら(131がNoになったら)S120に戻る。なお、本フローチャートには終了を記述しなかったが、スイッチ190がOffあるいは車両側10の電源Offによって、いかなる段階にあっても処理を終了する。
【0023】
本実施形態によれば、車両側10は、高調波の検出結果に基づいて電力供給対象となる発光標識装置301が無線電力送出範囲内に存在するか否かを確認することができる。これにより、車両側10の無線電力送出装置101は、常に強電力の無線電力を送出する必要がなく、電力供給対象が存在する場合にのみ発光用の無線電力を照射することができる。
【0024】
本実施形態では、起動後、強度の弱い無線電力を送出し、この無線電力を受電したレクテナ311から再放射された高調波を検出した場合(本システムの発光標識装置301が存在すると推測できる場合)に限って強度の強い無線電力を送出するため、不要なエネルギー放出を抑えることができ、システムのエネルギー効率を向上させることができる。
【0025】
<第3実施形態>
第3実施形態は、無線電力送出装置100から照射される無線電力の照射パターンを切換える点を特徴とする。本実施形態は、無線電力の送出範囲を、図8に示す第1の無線電力照射パターン200と第2の無線電力照射パターン210の2段階で切換える。基本的な構成及び動作は、第1実施形態又は第2実施形態と共通するので、ここでは異なる点を中心に説明する。
【0026】
図8に指向性を絞った第1の無線電力照射パターン200と、比較的指向性が絞られていない無線電力照射パターン210とを示した。自車両100から離隔した(遠くにある)インフラ側の受電アンテナに所望の電力を供給する電磁波を送出するためには、指向性を絞った、第1の無線電力照射パターン200が適している。しかし、第1の無線電力照射パターンでは、車両10に近い位置にある発光標識装置31が照射範囲外となり、給電することができずに、発光標識装置31を発光させることができない。本実施形態では、指向性の鋭い第1の無線電力照射パターン200と指向性の比較的鋭くない第2の無線電力照射パターン210とを順次切換えることにより、自車両から離隔した位置にある発光標識装置30a〜30dと、自車両の周辺近くに存在する発光標識装置31の両方に電力を供給して、広い範囲に存在する発光標識装置300,301を動作させることができる。
【0027】
図9に本実施形態の無線電力送出装置102のブロック構成を示した。図9に示すように、無線電力送出装置102は、第1の無線電力照射パターン200で無線電力を照射する第1のアンテナ131と、第2の無線電力照射パターン210で無線電力を照射する第2のアンテナ132と、これら2つのアンテナを切換えて照射パターンを切り換える照射パターン切換手段150とを備える。照射パターン切換手段150は、制御装置110の照射パターン切換え指令に基づいて2つのアンテナ131,132を切換えて無線電力を送出する。これにより、2つの照射パターン200及び210をカバーする範囲に無線電力を送出することができる。
【0028】
本実施形態の処理手順を図10に示した。図10のS200〜S214は図7に示すS100〜S130と共通する。高調波の送出後、照射パターン切換手段150は、制御装置110の指令に従い、アンテナを切り換えてS212に戻る。
【0029】
本実施形態によれば、広い範囲に無線電力を照射することができるため、多くの発光標識装置300に給電することができ、利便性の高い標識をユーザに示すことができる。
【0030】
<第4実施形態>
第4実施形態は、第3実施形態と同様に、無線電力送出装置100から照射される無線電力の照射パターンを切換える点を特徴とする。本実施形態は、指向性を絞った無線電力を走査させることにより、自車両から離隔した位置にある発光標識装置30及び自車両の周囲近くにある発光標識装置31の両方に電力供給を行い、無線電力の送出範囲の拡大を図る。基本的な構成及び動作は、第1実施形態又は第2実施形態と共通するので、ここでは異なる点を中心に説明する。
【0031】
本実施形態の送出アンテナ133は、図11に示すように、鋭く絞った無線電力照射パターン220を220a、220b、220c、220d、220e、220f、220gのように照射範囲を順次走査する。このように照射範囲を走査させることによって、自車両から離隔した位置にある発光標識装置30及び自車両周辺に位置する発光標識装置31のいずれをも照射可能となる。
【0032】
本実施形態の無線電力送出装置103は1又は2以上の送出アンテナ133を備え、送出アンテナ133に照射範囲を走査させるアンテナ走査手段160を有する。
【0033】
図12に本実施形態の2つの無線電力送出装置103a及び103bのブロック構成を示した。図12(A)に示した無線電力出力装置103aは、鋭い指向性を持つアンテナ133と、このアンテナ133の向きを機械的に変える駆動機構と、駆動機構を制御する駆動制御部とを有するアンテナ走査手段160aとを備える。アンテナ走査手段160aは、制御装置110からの信号に従い、ローテータのように機械的にアンテナ133の向きを変えて各無線電力照射パターン220a〜220gを順次走査する。図12(B)に示した無線電力送出装置103bは、アンテナ素子133a〜133gからなるアレイアンテナに対し、それぞれのアンテナ素子に出力する高周波電力の位相を変化させて電子的に無線電力照射パターン220a〜220gを走査させるアンテナ走査手段150bを有する。なお、鋭い指向性を持つアンテナを所望の数備え、それぞれのアンテナを切換えて照射してもよい。
【0034】
本実施形態の処理手順を図13に示した。図13のS200〜S214は図7に示すS100〜S130と共通する。高調波の送出後、アンテナ走査手段160a,160bは、制御装置110の指令に従い、アンテナを走査させて、S212以降を繰り返す。
【0035】
本実施形態によれば、広い範囲に無線電力を照射することができるため、多くの発光標識装置300に給電することができ、利便性の高い標識をユーザに示すことができる。
【0036】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】第1実施形態の発光標識システムの概要を示す図である。
【図2】第1実施形態の車両側の無線電力送出装置のブロック構成図である。
【図3】第1実施形態のインフラ側の発光標識装置のブロック構成図である。
【図4】第1実施形態に発光標識システムの制御手順を示す図である。
【図5】第2実施形態の車両側の無線電力送出装置のブロック構成図である。
【図6】第2実施形態のインフラ側の発光標識装置のブロック構成図である。
【図7】第2実施形態に発光標識システムの制御手順を示す図である。
【図8】第3実施形態の発光標識システムの概要を示す図である。
【図9】第3実施形態の車両側の無線電力送出装置のブロック構成図である。
【図10】第3実施形態に発光標識システムの制御手順を示す図である。
【図11】第4実施形態の発光標識システムの概要を示す図である。
【図12】(A)は第4実施形態の車両側の無線電力送出装置の第1のブロック構成図、 (B)は第4実施形態の車両側の無線電力送出装置の第2のブロック構成図である。
【図13】第4実施形態に発光標識システムの制御手順を示す図である。
【符号の説明】
【0038】
10・・・車両
100,101,102,102a,103b・・・無線電力送出装置
110・・・制御装置
120・・・高周波電力発生器
130,131,132,133a〜g・・・送出アンテナ
140・・・高調波検出手段
150・・・照射パターン切換手段
160a,160b・・・アンテナ走査手段
30・・・インフラ側の発光標識装置
310・・・レクテナ
320・・・受電アンテナ
330・・・入力フィルタ
340・・・整流素子
350・・・出力フィルタ
360・・・発光素子
380・・・サーキュレータ
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光標識システムに関し、特にインフラ(インフラストラクチャー infrastructure)側に設けられた発光標識装置に対し、車両側からマイクロ波送電により電力を供給して発光標識を発光させる発光標識システムに関する。
【背景技術】
【0002】
インフラ側に設けられたガイドライトシステムとしては、特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1には、道路の進行方向に沿って配置された複数の発光素子と、その発光状態を個別に制御できる制御部と、道路に沿って配置された車両の存在を検出する検知部とを備え、例えば車両がカーブに近づくと上記検知部からの信号により上記制御部が上記発光素子を順次発光させるガイドライトシステムが示されている。このシステムによれば、カーブに関する情報、対向車、先行車の情報をガイドライトの点灯により得ることができる。
【0003】
しかしながら、このガイドライトシステムは、インフラ側の車両検知部と制御部と全発光素子とを相互にケーブルで接続させるとともに電力供給を行わなければならず、インフラ整備にかかる労力・費用等のコストが大きいという問題があった。この種のガイドライトシステムは特に山間部の道路において需要が見込まれるが、インフラ整備のコスト及びランニングコストの負担が大きく、実現が困難であるという問題があった。
【特許文献1】特開2001−283393号公報
【発明の開示】
【0004】
本発明は、以上の課題を鑑みてなされたものであり、システム全体の設備コストを低減させることを目的とする。
本発明によれば、発生させた高周波電力を無線電力として照射する車両側の無線電力送出装置と、車両側から照射された無線電力を受電し、この無線電力を直流電力に整流し、整流された直流電流により発光素子を発光させるインフラ側の発光標識装置とを備えた発光標識システムが提供される。
【0005】
本発明の発光標識システムは、車両側が道路等に設けられたインフラ側の装置を検出し、検出したインフラ側の装置に車両側から電力供給を行うため、インフラ側の設備コストを大幅に低減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
<第1実施形態>
以下、図面に基づいて、本発明に係る第1実施形態の発光標識システム1000を説明する。本実施形態の発光標識システム1000は路車間において電力の供給を行うマイクロ波電力伝送機能を有する。図1に発光標識システムの全体概要図を示した。図1に示すように、車両側10に搭載され、前方に向けて電磁波無線電力を送出する無線電力送出装置100と、道路沿いに設けられた複数のインフラ30a〜30eに搭載され、電磁波無線電力を受電して発光する発光標識装置300とを有する。本実施形態の発光標識装置300は、例えば、ガードレールに設置される自発光式の誘導標識、道路のセンターラインなどに埋め込まれている自発光式のキャッツアイ、路側に設置される自発光式の道路標識などである。
【0007】
図2に車両側10の無線電力送出装置100のブロック構成を示した。図2に示すように、車両側10の車載装置は、無線電力送出装置100とスイッチ190とを有する。無線電力送出装置100は、高周波電力を発生させる高周波電力発生手段として機能する電力発生器120と、電力発生器120が発生した高周波電力を無線電力として照射する送出アンテナ130と、発生させた無線電力の送出を制御する制御装置110とを有する。無線電力送出装置100の制御装置110は、スイッチ190から入力された起動(ON)指令に呼応して、システムを起動させ、電力発生器120に高周波電力を発生させ、所望の指向性を持つ送出アンテナ130から無線電力を照射させる。本実施形態の無線電力は例えば2.45GHzの周波数の電磁波である。ここで送出アンテナ130は1素子のアンテナでも良いし、複数素子を用いたアレイアンテナでも良い。スイッチ190は、無線電力送出装置100のON/OFF入力を受け付ける。本実施形態では、ヘッドランプ、スモールランプ、フォグランプ等の車両用照明装置のスイッチをスイッチ190として用いた。
【0008】
図3にインフラ側30の発光標識装置300のブロック構成を示した。図3に示すように、発光標識装置300は、レクテナ310と発光素子360とを有する。発光素子360は、レクテナ310の整流素子340により整流された直流電流により発光する素子であり、例えばLED等である。
【0009】
レクテナ310は、車両側10の無線電力送出装置100から照射された無線電力を受電する受電アンテナ320と、受電した無線電力を送出された無線電力を直流電力に整流する整流素子340とを少なくとも有する。具体的に、本実施形態のレクテナ310は、無線電力を受電し高周波電力として回路に取り込む受電アンテナ320と、低域通過型あるいは帯域通過型の入力フィルタ330と、ダイオード等の整流素子340と、低域通過型の出力フィルタ(整流フィルタ)350とを有する。
【0010】
受電アンテナ320で受電した高周波電力は入力フィルタ330を通過して整流素子340に入力される。整流素子340では、例えばダイオード1つを使った半波整流が行われ直流成分が取り出される。なお、整流素子340としてダイオードを用いた場合、入力された高周波電力の周波数の整数倍の周波数を示す高調波成分が発生するが、入力フィルタ330によりカットされるため、高調波の再放射は抑制される。整流素子340により整流された電力は、出力フィルタ350でさらに整流されて直流電力として出力される。この直流電流を用いて発光素子360を発光させる。
【0011】
本実施形態では、キャパシタや二次電池等の蓄電素子370を設けた。蓄電素子370は必要に応じて設置すればよい。蓄電素子370を設けることにより、受電した電力を蓄電することができ、無線電力が途切れた後もしばらくの間、発光素子370を発光させることができる。
【0012】
本実施形態に係る発光標識システム1000の動作を、図4のフローチャートに基づいて説明する。スイッチ190に起動命令が入力されたら(S110でY)、システムを起動する(S111)。車両側10の無線電力送出装置100の電力発生器120は高周波電力を発生させ、送出アンテナ320は発生した高調波電力を無線電力としてインフラ側30へ向けて照射する(S130)。無線電力の照射強度は、インフラ側30の発光標識装置300を駆動させる強度であることが好ましい。インフラ側30の発光標識装置300は、受電した無線電力を用いて発光素子360を発光させる(S140)。
【0013】
本実施形態の発光標識システム1000は、車両側が道路等に設けられたインフラ側の装置を検出し、検出した装置に向けて電力供給を行う。このため、インフラ側30に車両検知装置、制御装置、電源を設ける必要がなく、構成を簡素化することができ、インフラの整備コスト、管理運営コストを低減させることができる。発光素子を無線電力で動作させるため、電源を併設する必要がなく、既存のガードレール等に簡単に付加的に設置することができる。特に需要が見込まれる山間部等においても低コストでインフラを整備することができる。
【0014】
<第2実施形態>
第2実施形態の発光標識システム1100は、車両側10の無線電力送出装置101が、インフラ側30のレクテナ311から放射された高調波の検出結果に基づいて無線電力の照射を制御する点を特徴とする。本実施形態の基本的な構成は第1実施形態と共通するので、ここでは異なる点を中心に説明する。
【0015】
図5に本実施形態の車両側11の無線電力送出装置101のブロック構成を示した。図5に示すように、本実施形態の無線電力送出装置101は、第1の実施形態の構成に加えて、インフラ側31のレクテナ311から放出される高調波成分を検出する高調波検出手段140と、高調波を受信する第2のアンテナ132とを備えている。また、本実施形態の制御装置111は、高調波検出手段140による検出結果に基づいて無線電力の照射を制御する。制御手法は特に限定されないが、制御装置111は、高調波成分を検出した場合は無線電力の送出を開始させ、高調波成分を検出しない場合は無線電力の送出を停止させて、高調波検出の有無に応じて無線電力の送出のオンオフを制御してもよい。制御手段は、高調波成分を検出した場合は無線電力の出力強度を強め、高調波成分を検出しない場合は無線電力出力強度を弱め、高調波検出の有無に応じて無線電力の出力強度を制御してもよい。制御装置111は、高調波成分を検出した場合は無線電力の出力間隔を短時間とし、高調波成分を検出しない場合は無線電力出力間隔を長くして、高調波検出の有無に応じて無線電力の出力のタイミングを制御してもよい。
【0016】
本実施形態の制御装置111は、まず、強度の弱い無線電力を放射させ、インフラ側のレクテナから放射された高調波成分を検出した場合は無線電力の出力強度を強める。
【0017】
図6にインフラ側31の発光標識装置301のブロック構成を示した。本実施形態の発光標識装置301は、受電する無線電力の周波数の略2倍の高調波成分を通過させる、第1実施形態のとは通過特性が異なる入力フィルタ331と、無線電力を受電して高周波電力として回路に取り込む第1のアンテナ321と、整流素子340にて発生した高調波を再放射する第2のアンテナ322とを備える。これら2つのアンテナは1のアンテナで構成してもよい。なお、本実施形態では、2つのアンテナを効率よく動作させるためにサーキュレータ380を設けた。
【0018】
発光標識装置301の第1のアンテナ321が無線電力を受電し、高周波電力として回路に取り込む。高周波電力はショットキバリヤダイオード等の整流素子340に給電され、直流電力に整流されるとともに高周波電力の一部は整流素子にて高調波となる。受電した高周波電力の周波数の2倍の周波数の高調波成分は、入力フィルタ331を通過して第2のアンテナ322から再び放射される。
【0019】
通常、無線電力伝送システムに用いられるレクテナは、整流ダイオードによって発生する高調波の再放射を防ぐために低域通過型乃至は帯域通過型の入力フィルタを備える。これに対し、本実施形態の発光標識装置301は、受電する無線電力の周波数の2倍の周波数の高調波成分を通過させる特性を備えた入力フィルタ331を有する。このように、本実施形態のレクテナ311は高調波をあえて再放射させるので、高調波の検出によりレクテナ311又はこれを有する発光標識装置301の存在を検出することができる。
【0020】
本実施形態の発光標識システムの動作手順を図7のフローチャートに基づいて説明する。S100〜S111までは、図4に示す処理と共通する。システム起動後、制御装置111は、まず、強度の弱い無線電力を送出する(S120)。この無線電力の強度は、レクテナの検出には十分であるが、発光標識の駆動には足らない程度の弱いものである。本実施形態のレクテナ311が無線電力を受電した場合、無線電力の周波数の略2倍の高調波成分が入力フィルタ331を通過して再放射され、無線電力送出装置101の高調波検出手段140がこれを検出する。
【0021】
S121において、高調波検出手段140が第2のアンテナ132を介して高調波を検出した場合(S121でY)、制御装置111は、本システムの発光標識装置301が存在すると判断して発光標識装置301を駆動するに足る強電力の高周波電力を電力発生器121に発生させ、第1のアンテナ131を介して無線電力として送出する(S130)。他方、高調波が検出できない場合(S121でN)、本実施形態の発光標識装置301が存在しないと判断してS120に戻り、強度の弱い無線電力を送出する(S120)。送出される無線電力は、発光標識装置301を駆動することはできないが、高調波検出手段140が高調波成分を検出できる程度の弱い無線電力である。高調波が検出された場合は、強度の強い無線電力を送出する(S130)。この送出された無線電力を用いてインフラ側31の発光素子を発光させる。
【0022】
高調波検出手段140は第2のアンテナ132を介して高調波成分が検出されるか否かを継続してモニタし(S131)、高調波成分が検出されている間(S131でYesの間)は強度の強い無線電力の送出を継続し、高調波成分が検出されなくなったら(131がNoになったら)S120に戻る。なお、本フローチャートには終了を記述しなかったが、スイッチ190がOffあるいは車両側10の電源Offによって、いかなる段階にあっても処理を終了する。
【0023】
本実施形態によれば、車両側10は、高調波の検出結果に基づいて電力供給対象となる発光標識装置301が無線電力送出範囲内に存在するか否かを確認することができる。これにより、車両側10の無線電力送出装置101は、常に強電力の無線電力を送出する必要がなく、電力供給対象が存在する場合にのみ発光用の無線電力を照射することができる。
【0024】
本実施形態では、起動後、強度の弱い無線電力を送出し、この無線電力を受電したレクテナ311から再放射された高調波を検出した場合(本システムの発光標識装置301が存在すると推測できる場合)に限って強度の強い無線電力を送出するため、不要なエネルギー放出を抑えることができ、システムのエネルギー効率を向上させることができる。
【0025】
<第3実施形態>
第3実施形態は、無線電力送出装置100から照射される無線電力の照射パターンを切換える点を特徴とする。本実施形態は、無線電力の送出範囲を、図8に示す第1の無線電力照射パターン200と第2の無線電力照射パターン210の2段階で切換える。基本的な構成及び動作は、第1実施形態又は第2実施形態と共通するので、ここでは異なる点を中心に説明する。
【0026】
図8に指向性を絞った第1の無線電力照射パターン200と、比較的指向性が絞られていない無線電力照射パターン210とを示した。自車両100から離隔した(遠くにある)インフラ側の受電アンテナに所望の電力を供給する電磁波を送出するためには、指向性を絞った、第1の無線電力照射パターン200が適している。しかし、第1の無線電力照射パターンでは、車両10に近い位置にある発光標識装置31が照射範囲外となり、給電することができずに、発光標識装置31を発光させることができない。本実施形態では、指向性の鋭い第1の無線電力照射パターン200と指向性の比較的鋭くない第2の無線電力照射パターン210とを順次切換えることにより、自車両から離隔した位置にある発光標識装置30a〜30dと、自車両の周辺近くに存在する発光標識装置31の両方に電力を供給して、広い範囲に存在する発光標識装置300,301を動作させることができる。
【0027】
図9に本実施形態の無線電力送出装置102のブロック構成を示した。図9に示すように、無線電力送出装置102は、第1の無線電力照射パターン200で無線電力を照射する第1のアンテナ131と、第2の無線電力照射パターン210で無線電力を照射する第2のアンテナ132と、これら2つのアンテナを切換えて照射パターンを切り換える照射パターン切換手段150とを備える。照射パターン切換手段150は、制御装置110の照射パターン切換え指令に基づいて2つのアンテナ131,132を切換えて無線電力を送出する。これにより、2つの照射パターン200及び210をカバーする範囲に無線電力を送出することができる。
【0028】
本実施形態の処理手順を図10に示した。図10のS200〜S214は図7に示すS100〜S130と共通する。高調波の送出後、照射パターン切換手段150は、制御装置110の指令に従い、アンテナを切り換えてS212に戻る。
【0029】
本実施形態によれば、広い範囲に無線電力を照射することができるため、多くの発光標識装置300に給電することができ、利便性の高い標識をユーザに示すことができる。
【0030】
<第4実施形態>
第4実施形態は、第3実施形態と同様に、無線電力送出装置100から照射される無線電力の照射パターンを切換える点を特徴とする。本実施形態は、指向性を絞った無線電力を走査させることにより、自車両から離隔した位置にある発光標識装置30及び自車両の周囲近くにある発光標識装置31の両方に電力供給を行い、無線電力の送出範囲の拡大を図る。基本的な構成及び動作は、第1実施形態又は第2実施形態と共通するので、ここでは異なる点を中心に説明する。
【0031】
本実施形態の送出アンテナ133は、図11に示すように、鋭く絞った無線電力照射パターン220を220a、220b、220c、220d、220e、220f、220gのように照射範囲を順次走査する。このように照射範囲を走査させることによって、自車両から離隔した位置にある発光標識装置30及び自車両周辺に位置する発光標識装置31のいずれをも照射可能となる。
【0032】
本実施形態の無線電力送出装置103は1又は2以上の送出アンテナ133を備え、送出アンテナ133に照射範囲を走査させるアンテナ走査手段160を有する。
【0033】
図12に本実施形態の2つの無線電力送出装置103a及び103bのブロック構成を示した。図12(A)に示した無線電力出力装置103aは、鋭い指向性を持つアンテナ133と、このアンテナ133の向きを機械的に変える駆動機構と、駆動機構を制御する駆動制御部とを有するアンテナ走査手段160aとを備える。アンテナ走査手段160aは、制御装置110からの信号に従い、ローテータのように機械的にアンテナ133の向きを変えて各無線電力照射パターン220a〜220gを順次走査する。図12(B)に示した無線電力送出装置103bは、アンテナ素子133a〜133gからなるアレイアンテナに対し、それぞれのアンテナ素子に出力する高周波電力の位相を変化させて電子的に無線電力照射パターン220a〜220gを走査させるアンテナ走査手段150bを有する。なお、鋭い指向性を持つアンテナを所望の数備え、それぞれのアンテナを切換えて照射してもよい。
【0034】
本実施形態の処理手順を図13に示した。図13のS200〜S214は図7に示すS100〜S130と共通する。高調波の送出後、アンテナ走査手段160a,160bは、制御装置110の指令に従い、アンテナを走査させて、S212以降を繰り返す。
【0035】
本実施形態によれば、広い範囲に無線電力を照射することができるため、多くの発光標識装置300に給電することができ、利便性の高い標識をユーザに示すことができる。
【0036】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】第1実施形態の発光標識システムの概要を示す図である。
【図2】第1実施形態の車両側の無線電力送出装置のブロック構成図である。
【図3】第1実施形態のインフラ側の発光標識装置のブロック構成図である。
【図4】第1実施形態に発光標識システムの制御手順を示す図である。
【図5】第2実施形態の車両側の無線電力送出装置のブロック構成図である。
【図6】第2実施形態のインフラ側の発光標識装置のブロック構成図である。
【図7】第2実施形態に発光標識システムの制御手順を示す図である。
【図8】第3実施形態の発光標識システムの概要を示す図である。
【図9】第3実施形態の車両側の無線電力送出装置のブロック構成図である。
【図10】第3実施形態に発光標識システムの制御手順を示す図である。
【図11】第4実施形態の発光標識システムの概要を示す図である。
【図12】(A)は第4実施形態の車両側の無線電力送出装置の第1のブロック構成図、 (B)は第4実施形態の車両側の無線電力送出装置の第2のブロック構成図である。
【図13】第4実施形態に発光標識システムの制御手順を示す図である。
【符号の説明】
【0038】
10・・・車両
100,101,102,102a,103b・・・無線電力送出装置
110・・・制御装置
120・・・高周波電力発生器
130,131,132,133a〜g・・・送出アンテナ
140・・・高調波検出手段
150・・・照射パターン切換手段
160a,160b・・・アンテナ走査手段
30・・・インフラ側の発光標識装置
310・・・レクテナ
320・・・受電アンテナ
330・・・入力フィルタ
340・・・整流素子
350・・・出力フィルタ
360・・・発光素子
380・・・サーキュレータ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高周波電力を発生させる高周波電力発生手段と、発生させた高周波電力を無線電力として照射する送出アンテナとを有する車両側の無線電力送出装置と、
前記無線電力送出装置から照射された無線電力を受電する受電アンテナと受電した無線電力を直流電力に整流する整流素子とを含むレクテナと、前記整流素子により整流された直流電流により発光する発光素子とを有するインフラ側の発光標識装置とを備えた発光標識システム。
【請求項2】
前記車両側の無線電力送出装置は、前記インフラ側のレクテナから放射される高調波成分を検出する高調波検出手段と、前記高調波検出手段による検出結果に基づいて無線電力の照射を制御する制御手段とを、さらに備えた請求項1に記載の発光標識システム。
【請求項3】
前記発光標識装置のレクテナは、受電する無線電力の周波数の略2倍の高調波成分を通過させるフィルタを備えた請求項2に記載の発光標識システム。
【請求項4】
前記制御手段は、前記高調波検出手段による検出結果に基づいて前記無線電力の出力強度を制御する請求項2又は3に記載の発光標識システム。
【請求項5】
前記制御手段は、まず強度の弱い無線電力を照射させ、前記インフラ側のレクテナから放射された高調波成分を検出した場合は無線電力の出力強度を強める請求項4に記載の発光標識システム。
【請求項6】
前記インフラ側の発光標識装置は、蓄電器をさらに備えた請求項1〜5のいずれかに記載の発光標識システム。
【請求項7】
前記車両側の無線電力送出装置は、無線電力の照射範囲パターンを切換える照射パターン切換手段をさらに有する請求項1〜6のいずれかに記載の発光標識システム。
【請求項8】
前記車両側の無線電力送出装置は1又は2以上の送出アンテナを備え、前記送出アンテナに照射範囲を走査させるアンテナ走査手段を有する請求項1〜6のいずれかに記載の発光標識システム。
【請求項9】
前記アンテナ走査手段は、前記送出アンテナの向きを変える駆動機構と、前記駆動機構を制御する駆動制御部とを有する請求項8に記載の発光標識システム。
【請求項10】
前記アンテナ走査手段は、前記2以上の走査アンテナに照射させる無線電力の位相を制御することにより、照射範囲を走査させる請求項8に記載の発光標識システム。
【請求項11】
車両に搭載された無線電力送出装置であって、
高周波電力を発生させる高周波電力発生手段と、
発生させた高周波電力を無線電力として照射する送出アンテナと、
前記送出アンテナから照射された無線電力を受電し、受電した無線電力を直流電力に整流する整流素子を含むレクテナを有するインフラ側から放射される高調波成分を検出する高調波検出手段と、
前記高調波検出手段による検出結果に基づいて無線電力の出力強度を制御する制御手段と、を有する無線電力送出装置。
【請求項12】
前記制御手段は、まず強度の弱い無線電力を照射させ、前記インフラ側のレクテナから放射された高調波成分を検出した場合は無線電力の出力強度を強める請求項11に記載の無線電力送出装置。
【請求項1】
高周波電力を発生させる高周波電力発生手段と、発生させた高周波電力を無線電力として照射する送出アンテナとを有する車両側の無線電力送出装置と、
前記無線電力送出装置から照射された無線電力を受電する受電アンテナと受電した無線電力を直流電力に整流する整流素子とを含むレクテナと、前記整流素子により整流された直流電流により発光する発光素子とを有するインフラ側の発光標識装置とを備えた発光標識システム。
【請求項2】
前記車両側の無線電力送出装置は、前記インフラ側のレクテナから放射される高調波成分を検出する高調波検出手段と、前記高調波検出手段による検出結果に基づいて無線電力の照射を制御する制御手段とを、さらに備えた請求項1に記載の発光標識システム。
【請求項3】
前記発光標識装置のレクテナは、受電する無線電力の周波数の略2倍の高調波成分を通過させるフィルタを備えた請求項2に記載の発光標識システム。
【請求項4】
前記制御手段は、前記高調波検出手段による検出結果に基づいて前記無線電力の出力強度を制御する請求項2又は3に記載の発光標識システム。
【請求項5】
前記制御手段は、まず強度の弱い無線電力を照射させ、前記インフラ側のレクテナから放射された高調波成分を検出した場合は無線電力の出力強度を強める請求項4に記載の発光標識システム。
【請求項6】
前記インフラ側の発光標識装置は、蓄電器をさらに備えた請求項1〜5のいずれかに記載の発光標識システム。
【請求項7】
前記車両側の無線電力送出装置は、無線電力の照射範囲パターンを切換える照射パターン切換手段をさらに有する請求項1〜6のいずれかに記載の発光標識システム。
【請求項8】
前記車両側の無線電力送出装置は1又は2以上の送出アンテナを備え、前記送出アンテナに照射範囲を走査させるアンテナ走査手段を有する請求項1〜6のいずれかに記載の発光標識システム。
【請求項9】
前記アンテナ走査手段は、前記送出アンテナの向きを変える駆動機構と、前記駆動機構を制御する駆動制御部とを有する請求項8に記載の発光標識システム。
【請求項10】
前記アンテナ走査手段は、前記2以上の走査アンテナに照射させる無線電力の位相を制御することにより、照射範囲を走査させる請求項8に記載の発光標識システム。
【請求項11】
車両に搭載された無線電力送出装置であって、
高周波電力を発生させる高周波電力発生手段と、
発生させた高周波電力を無線電力として照射する送出アンテナと、
前記送出アンテナから照射された無線電力を受電し、受電した無線電力を直流電力に整流する整流素子を含むレクテナを有するインフラ側から放射される高調波成分を検出する高調波検出手段と、
前記高調波検出手段による検出結果に基づいて無線電力の出力強度を制御する制御手段と、を有する無線電力送出装置。
【請求項12】
前記制御手段は、まず強度の弱い無線電力を照射させ、前記インフラ側のレクテナから放射された高調波成分を検出した場合は無線電力の出力強度を強める請求項11に記載の無線電力送出装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図8】
【図11】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図8】
【図11】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−163609(P2006−163609A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−351595(P2004−351595)
【出願日】平成16年12月3日(2004.12.3)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月3日(2004.12.3)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
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