説明

発光素子駆動装置

【課題】複数の発光素子列のVfにばらつきが生じた場合であっても、消費電力の低減を実現しつつ、画像表示装置の表示画像に応じた所望の画質及び動画性能を得ることができる発光素子駆動装置を提供すること。
【解決手段】1の発光素子又は直列に接続される複数の発光素子からなる複数の発光素子列と、前記複数の発光素子列に電圧を供給する電源回路と、各発光素子列に定電流を供給する複数の定電流駆動回路と、各定電流駆動回路内のパラメーターに基づいて各発光素子列の順方向電圧の差を検出する順方向電圧差分回路と、画像データから求められる標準電流量及び標準デューティー値と、各発光素子列の順方向電圧の差とに基づいて、各発光素子列に供給する電流量及びデューティー値を制御する制御回路と、を備えることとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)等の発光素子の駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)やプラズマディスプレイ(Plasma Display Panel)に代表されるようにディスプレイの薄型化が進んできている。
【0003】
ところで液晶ディスプレイにおいては、液晶パネル自体は発光しないため光源装置、いわゆるバックライトが必要である。従来において液晶ディスプレイのバックライトの多くは蛍光管を用いたCCFL(Cold Cathode Fluorescent Lamp)タイプが主流であった。しかしながら、近年では、環境的側面から水銀を必要とするCCFLよりも、水銀を使用しないLEDを光源として用いることが望まれている。また、LEDをバックライトとして用いることにより、寿命の長期化、省電力化、薄膜化を実現することが可能となる。
【0004】
さらに、LEDをバックライトとして用いることのメリットとして、複数のLEDの輝度を個別に調整することが可能となる、いわゆるエリアアクティブ方式のバックライトが可能になることが挙げられる。エリアアクティブ方式は液晶表示装置の表示画像に応じてバックライトの光の強度を変化させるものであり、例えば黒色に近い画像を表示する箇所ではその領域のバックライトの光強度を弱くし、白色や明るい色の画像を表示する箇所ではその領域のバックライトの光強度を強くすることで高コントラストの画像表示を実現することが可能となる。
【0005】
しかし、LEDは生産時における順方向電圧(以下、「順方向電圧」を「Vf」という場合もある。)のばらつきや温度依存が大きく、LEDのアノードに印加する電圧をVfの値に応じて決定することが必要となる。そして、ある一定電圧を常にLEDのアノードに印加する場合には、生産上考慮されるべき最も高いVfをもつLEDを想定してアノード電圧が設定される。このような高いアノード電圧が、Vfが低いLEDのアノードに印加されると、消費電力の増大、発熱量の増加、輝度の低下が顕著になる。
【0006】
また、一般的にLEDは複数個直列に接続されて列が形成され、列ごとに点灯及び消灯を制御することが多く、この場合、各列のVfのばらつきは、複数個のLEDを直列接続しない場合に比べて大きくなり、さらなる消費電力の増大、発熱量の増加が懸念されることになる。なお、本明細書においてVfは、各発光素子(LED)の順方向電圧のみを指すものではなく、複数個の発光素子(LED)を直列接続した場合において、各発光素子の順方向電圧の和(すなわち、複数個の発光素子(LED)を直列接続してなる発光素子列(LED列)の順方向電圧)も指すものとする。
【0007】
そこで使用されるLEDのVfのばらつきに応じて各LED又はLED列のアノードに印加する電圧を変化することで、消費電力の増大や発熱量の増加を抑えることが望ましい。しかし、各LED又はLED列のアノードに印加する電圧を同一の電源から生成している場合には、各LEDやLED列の個々のVfのばらつきに対応することができず、消費電力の増大や発熱量の増加を抑えることが困難である。
【0008】
そこで特許文献1には、LED列のうちVfが最も大きいLED列では設定された規定電流を連続的に流し、それ以外のLED列では設定された規定電流より多くの電流を断続的に流すことで、LEDの輝度を変化させずに消費電力の増大を抑える発光素子駆動回路が開示されている。すなわち、LEDは、LEDに流れる電流が大きくなるとVfが大きくなる性質を有するので、Vfが小さなLED列において、規定電流よりも大きな電流を流すことでVfを、Vfが最も大きいLED列のVfに近づけることで消費電力の増大を防ぐことができる。また、規定電流よりも大きな電流を流すことでLEDの輝度が上昇するが、規定電流より大きな電流を断続的に流すことで平均電流を規定電流と同一とし、輝度を調整することができる。
【0009】
また特許文献2には、1個または複数個の発光素子を含み、液晶パネルに光を照射する複数個の光源回路を備え、1フィールド期間において発光期間及び消灯期間を設けるインパルス型点灯方式を実現することで、動画画質劣化を改善する発光装置が開示されている。
【0010】
また特許文献3には、電圧検出回路の検出信号に基づいて電流の電力を発光素子群の駆動電力に変換して発光素子群に供給可能な電力変換回路を備える発光装置が開示されている。すなわち、複数の発光素子群を異なる電流駆動回路で各々駆動する構成において、共通の電圧変換部で適切な駆動電圧に変換することで、各発光素子群のVfにばらつきがあっても適切な駆動電力を印加できるので発熱量の増加を抑えることができる。加えて、複数の電流駆動回路において共通の電力変換回路を使用しているため消費電力の増大を抑えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第7777704号公報
【特許文献2】特開2008−096902号公報
【特許文献3】特開2007−242477号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記特許文献のように、各LED又はLED列毎に電源回路を設けることで各LEDやLED列の個々のVfのばらつきに対応することは、コストの増大を招くことになるため望ましくない。また、各LED又はLED列のVfのばらつきのみに基づいて各LED又はLED列に流す電流と各LED又はLED列の消灯点灯制御が決定されるため、画像表示装置の表示画像や動作特性要求に応じた電流を流すこと及び消灯点灯制御ができなくなり、所望の画質や動作性能が得られないという問題があった。
【0013】
本発明は、上述した問題点に鑑み、複数の発光素子列のVfにばらつきが生じた場合であっても、消費電力の低減を実現しつつ、画像表示装置の表示画像に応じた所望の画質及び動画性能を得ることができる発光素子駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために本発明の発光素子駆動装置は、1の発光素子又は直列に接続される複数の発光素子からなる複数の発光素子列と、前記複数の発光素子列に電圧を供給する電源回路と、各発光素子列に定電流を供給する複数の定電流駆動回路と、各定電流駆動回路内のパラメーターに基づいて各発光素子列の順方向電圧の差を検出する順方向電圧差分回路と、画像データから求められる標準電流量及び標準デューティー値と、各発光素子列の順方向電圧の差とに基づいて、各発光素子列に供給する電流量及びデューティー値を制御する制御回路と、を備えることを特徴としている。
【0015】
上記目的を達成するために本発明の発光素子駆動装置は、前記制御回路は、各発光素子列の順方向電圧の差を縮小するように各発光素子列に供給する電流量及びデューティー値を制御することが望ましい。
【0016】
上記目的を達成するために本発明の発光素子駆動装置は、前記制御回路は、各発光素子列の順方向電圧の差に基づいて電流比及びデューティー比を算出し、当該電流比及びデューティー比と、表示装置に所望の画像を表示するときの電流量及びデューティー値とを乗ずることによって各発光素子列に供給する電流量及びデューティー値を算出し、制御することが望ましい。
【0017】
上記目的を達成するために本発明の発光素子駆動装置は、前記制御回路は、各発光素子列の点灯及び消灯をパルス幅変調信号により制御することが望ましい。
【0018】
上記目的を達成するために本発明の発光素子駆動装置は、前記パルス幅変調信号の周期は、前記画像表示装置の垂直同期信号の周期に同期することが望ましい。
【0019】
上記目的を達成するために本発明の発光素子駆動装置は、前記パルス幅変調信号の周期は、前記画像表示装置の垂直同期信号の周期よりも短いことが望ましい。
【0020】
上記目的を達成するために本発明の発光素子駆動装置は、前記制御回路は、前記画像表示装置の画像切り替え期間において、各発光素子列を消灯することが望ましい。
【0021】
上記目的を達成するために本発明の発光素子駆動装置は、前記制御回路によって制御された各発光素子列の点灯タイミングが等しいことが望ましい。
【0022】
上記目的を達成するために本発明の発光素子駆動装置は、前記制御回路によって制御された各発光素子列の消灯タイミングが等しいことが望ましい。
【0023】
上記目的を達成するために本発明の発光素子駆動装置は、前記制御回路によって制御された各発光素子列の点灯タイミングと消灯タイミングとの中心が等しいことが望ましい。
【0024】
上記目的を達成するために本発明の発光素子駆動装置は前記制御回路によって点灯消灯制御された各発光素子列において、前記標準電流量及び前記標準デューティー値で駆動するLED列の点灯回数と消灯回数よりも、前記標準電流量以外の電流量及び前記標準デューティー値以外のデューティー値で駆動するLED列の点灯回数と消灯回数のほうが多いことが望ましい。
【0025】
上記目的を達成するために本発明の発光素子駆動装置は、前記電源回路が出力する電圧は、各発光素子列の順方向電圧に応じて可変であることが望ましい。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、複数の発光素子列のVfにばらつきが生じた場合であっても、消費電力の低減を実現しつつ、画像表示装置の表示画像に応じた所望の画質及び動画性能を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】は、本発明の一実施形態による液晶表示装置のバックライト(バックライトの内部)を示した平面図である。
【図2】は、本発明の一実施形態による発光素子駆動装置の構成を示すブロック図である。
【図3】は、本発明の一実施形態におけるLED列の特性を示す図である。
【図4】は、第1実施形態の発光素子駆動装置が備えるLED列の電流量及び点灯消灯制御を示す第1の模式図である。
【図5】は、第1実施形態の発光素子駆動装置が備えるLED列の電流量及び点灯消灯制御を示す第2の模式図である。
【図6】は、第1実施形態の発光素子駆動装置が備えるLED列の電流量及び点灯消灯制御を示す第3の模式図である。
【図7】は、第1実施形態の発光素子駆動装置が備える複数のLED列においてLED列毎の電流量及び点灯消灯制御を示す模式図である。
【図8】は、第2実施形態の発光素子駆動装置が備える複数のLED列においてLED列毎の電流量及び点灯消灯制御を示す模式図である。
【図9】は、第3実施形態の発光素子駆動装置が備える複数のLED列においてLED列毎の電流量及び点灯消灯制御を示す模式図である。
【図10】は、第4実施形態の発光素子駆動装置が備える複数のLED列においてLED列毎の電流量及び点灯消灯制御を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下の説明においては、本発明の発光素子駆動装置を備える画像表示装置として、液晶パネルを備え、LEDをバックライトとして用いた画像表示装置を例に説明する。図1に示すように液晶パネル200はその表示範囲が5個のエリア(201〜205)に分割され、各エリアに対応するように5列のLED列(図示せず)が割り当てられており、LED列毎に電流量と点灯消灯タイミングが制御される。つまり、以下の実施形態における画像表示装置はエリアアクティブ方式の画像表示装置である。なお、分割された液晶パネルの表示範囲のエリアの数とLED列の数は必ずしも同数である必要はなく、異なる数としてもよい。また、液晶表示パネルの表示範囲を5個のエリアに分割する場合を例に説明するが、エリアの分割個数は2以上であれば特に限定されるものではない。
【0029】
[第1実施形態]
以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するために本発明の発光素子駆動装置を示すものであって、本発明をこの発光素子駆動装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の発光素子駆動装置にも等しく適応し得るものである。また、本実施形態及び以降の実施形態においてはLED(発光ダイオード)を発光素子として使用することとするが、発光素子はLEDに限られるものではなく、例えばレーザダイオード(LD)やエレクトロルミネッセンス(EL)等の半導体発光素子やその他の発光素子であっても良い。
【0030】
図2は本発明の一実施形態による発光素子駆動装置の構成を示すブロック図である。一実施形態による発光素子駆動装置は、図2に示すように、発光ダイオード列(LED列)11〜15と、LED列11〜15に夫々定電流を供給する定電流駆動回路21〜25と、LED列11〜15に電圧を供給する電源回路30と、定電流駆動回路21〜25内のパラメーターに基づいてLED列11〜15の夫々の順方向電圧(Vf)の差を検出する順方向電圧差分検出回路40と、LED列11〜15の夫々に供給する電流量とLED列の点灯消灯タイミングとを制御する制御回路50と、を備えている。
【0031】
LED列11〜15は夫々少なくとも2以上のLEDを直列接続して構成されている。そしてこのようなLED列をバックライトとして使用する際には、十分な明るさを確保するために各LED列をさらに並列に接続し、LEDの集合体10として画像表示装置内に配置される。LED列11〜15夫々のアノード側入力端には、電源回路30の出力端が接続されることで、出力電圧Voutが供給されている。一方、LED列11〜15カソード側出力端には、各LED列に対応して配置されている定電流駆動回路21〜25の入力端に接続されている。
【0032】
定電流駆動回路21〜25は後述する制御回路50が設定する定電流値でLED列11〜15を駆動する。定電流駆動回路21〜25の一端は上述したようにLED列11〜15のカソード側出力端に接続されている。
【0033】
電源回路30は交流電源AC若しくは直流電源DCから入力した電力をLED列11〜15(LEDの集合体10)に供給する電力に変換する。LED列11〜15は電源回路30が変換した電力の供給を受けて点灯する。
【0034】
順方向電圧差分検出回路40は定電流駆動回路21〜25内のパラメーターに基づいてLED列11〜15の夫々の順方向電圧(Vf)の差(差分)を検出する。本実施形態においては、LED列11〜15の夫々のカソード側出力端に接続されている定電流駆動回路21〜25の電流シンク端子電圧をパラメーターとしてVfの差を検出しているが、検出方法はこれに限られるものではない。
【0035】
以下に本実施形態におけるLED列11〜15の夫々の順方向電圧(Vf)の差を検出する方法について詳細に説明する。LED列11〜15の夫々のVfの差は順方向電圧差分検出回路40によって検出される。順方向電圧差分検出回路40がVfの差を検出するタイミングは特に限定されるものではなく、例えば画像表示装置の電源投入時(発光素子駆動装置の立ち上がり時)や、画像表示装置の動作中において常時或いは一定の間隔毎に検出することとしてもよい。但し、LED列の温度変化等によるVfの変化に対応するために画像表示装置(発光素子駆動装置)の動作中において常時検出することが望ましい。
【0036】
発光素子駆動装置の立ち上がり時における順方向電圧差分検出回路40によるLED列11〜15のVfの差の検出動作の一例について以下に説明する。発光素子駆動装置の立ち上がり時において、まず、電源回路30の出力電圧Voutを予め設定された規定値まで変化させる。次に、定電流駆動回路21〜25により、LED列11〜15に電流を供給する。この時、定電流駆動回路21〜25からLED列11〜15に供給される電流量は同一量となるように制御される。すなわち言い換えれば定電流駆動回路21〜25はそれぞれ同一量の電流量をLED列11〜15に供給し、LED列11〜15を点灯させる。なお、定電流駆動回路21〜25からLED列11〜15に供給される電流量は特に限定されるものではなく、LED列のVfの差分を検出するのに適した値であれば適宜設定することができる。
【0037】
なお、電源回路30の出力電圧Voutを予め設定された規定値まで変化させるまでの期間に、定電流駆動回路21〜25からLED列11〜15に電流を供給することとしてもよい(すなわち、LED列11〜15が点灯していてもよい)。また、電源回路30の出力電圧VoutはLED列11〜15を点灯させるためにLED列11〜15の順方向電圧よりも高い電圧とする必要があるが、出力電圧Voutは予め設定されたものでなくてもよく、例えば複数のLED列のカソード電圧等を検出し、各LEDに所望の電流を流すことができるアノード電圧まで電源回路30の出力を調整することとしてもよい。
【0038】
このように同一量の電流量によって全てのLED列が点灯している状態において、定電流駆動回路21〜25における電流シンク端子電圧は、LED列11〜15の順方向電圧のばらつきに応じて異なる。そこで順方向電圧差分検出回路40は、電流シンク端子電圧の差異に基づいてLED列11〜15の順方向電圧の差を検出することができる。
【0039】
制御回路50は上述したようにLED列11〜15に供給する定電流を設定する。また、画像表示装置が備える、例えば画像処理部(図示せず)から出力される画像データを取得し、標準電流量及び標準デューティー値を算出する。標準電流量及び標準デューティー値とは、表示画面に表示される画像や画像の切り替えに応じて算出されるLED列に供給されるべき標準の電流量及び標準のデューティー値(所定のPWM周期中における点灯期間の割合を定める値であり、オンデューティー値と言い換えることとしてもよい)である。なお、画像処理部に入力される画像信号は、たとえば、チューナによる受信信号や、光ディスク装置などからの映像信号などである。
【0040】
さらに、制御回路50は順方向電圧差分検出回路40によって検出されたLED列11〜15の順方向電圧の差を取得する。そして、標準電流量と、標準デューティー値と、順方向電圧の差とに基づいてLED列11〜15の電流量とデューティー値を制御する。
【0041】
以下に、LED列11〜15の電流量とデューティー値の制御について図3を用いて詳説する。図3は本発明の一実施形態におけるLED列の特性を示す図であり、各LED列11〜15に例えば60mAの電流を供給したときの順方向電圧は、ばらつきがない場合(Typical Case)には6.15V、ばらつきがある場合において最小値は6V、最大値は6.30Vとなっている。
【0042】
ここで、60mAの電流を供給したときのLED列11〜14の順方向電圧がそれぞれ6.15Vであり、LED列15の順方向電圧が6.30Vであり、また、この場合において、電源回路30からLED列11〜15に7Vの電圧を供給すると、LED列11〜14に接続される定電流駆動回路21〜24における電流シンク端子電圧は0.85Vになるのに対して、LED列15に接続される定電流駆動回路25における電流シンク端子電圧は0.70Vとなるものとして説明する。
【0043】
上述のように、同一量の電流を複数のLED列に供給したときにおいて順方向電圧にばらつきがある場合には、順方向電圧の差を縮小するための制御を行う必要がある。ここで図3を参照すると、順方向がTypical CaseであるLED列11〜14の順方向電圧を、60mAの電流を供給したときのLED列15の順方向電圧(すなわち6.30V)とするには、LED列11〜14に80mAの電流を供給すればよいことが分かる。従って、LED列11〜14に供給される電流量において、順方向電圧の差に応じた割合は1.333・・・・(80mA/60mA)である。
【0044】
一方、電流量を増加させると、LED列の輝度が上昇することとなるため、LED列11〜15を同じ輝度で光らせる場合には、電流量の増加に反比例してデューティー値を減少させることで輝度を調整する必要がある。従って、LED列11〜14のデューティー値において、順方向電圧の差に応じた割合は0.75(60mA/80mA)である。制御回路50は、このようにして、LED列11〜15の順方向電圧の差に応じて電流比とデューティー比(オンデューティー比)を算出し、LED列11〜15の電流量とデューティー値を制御する。すなわち表示画像装置の1フレームの間において、LED列11〜15を同じ輝度で光らせる場合には、後述する、制御後のLED列11〜14の電流量αILEDと制御後のLED列11〜14の点灯時間βTLEDにおいてα×β=1の式が成立し、また、ILED×TLED=αILED×βTLEDの式が成立する。
【0045】
なお、上述のようにLED列11〜15の電流量とデューティー値を制御するか否か(順方向電圧の差を縮小させるか否か)による消費電力を比較すると、順方向電圧の差を縮小させる前において、定電流駆動回路21〜25で消費される電力は、LED列11〜15のディーティー比が100%の場合、(0.060A×0.85V)×1×4+(0.060A×0.70V)×1×1=0.246Wであるのに対し、順方向電圧の差を縮小させるようにLED列11〜15(本実施形態ではLED列11〜14)の電流量とデューティー値を制御した後において、定電流駆動回路21〜25で消費される電力は、(0.060A×1.333・・・×0.85V)×1×4+(0.060A×0.70V)×1×1=0.210Wとなり、定電流駆動回路21〜25で消費される電力が低減していることが分かる。
【0046】
なお、本実施形態では、順方向電圧の差に基づいて、順方向電圧の差を縮小するための電流量を特定し、定電流駆動回路21〜25の立ち上げ時における電流量(標準電流量)と、順方向電圧の差を縮小するための電流(両者の電流量)の比に基づいて電流比とデューティー比を算出しているが、電流比とデューティー比を算出する方法はこれに限られず、例えば順方向電圧の差に応じた算出テーブルをメモリ等に記憶しておき、当該算出テーブルを参照してもよい。また、実際に電流量を増加或いは減少させて、順方向電圧の差が縮小する電流量を検出し、電流比とデューティー比を算出し、或いは標準電流量と当該検出された順方向電圧の差が縮小する電流量に基づいてデューティー比を算出することとしてもよい。
【0047】
また、本実施形態では順方向電圧が最も大きいLED列15の順方向電圧を基準とし、その他のLED列11〜14の順方向電圧がLED列15の順方向電圧と同一となるように制御したが、順方向電圧の差を縮小させるために供給される電流量がLED列に許容される電流量である限り、順方向電圧の差を縮小させるものであれば、複数のLED列のうちどのLED列の順方向電圧を基準として制御するかは特に限定されるものではない。
【0048】
また、本実施形態では、発光素子駆動装置の立ち上がり時に順方向電圧の差に応じた電流比とデューティー比を算出し、電流量とデューティー値を制御することとしたが、上述したように、LED列の温度変化等によるVfの変化に対応するために発光素子駆動装置の動作中に、定電流駆動回路21〜25の電流シンク端子電圧を順方向電圧差分検出回路40で検出して順方向電圧の差に応じた電流比とデューティー比を算出し、電流量とデューティー値を制御することとしてもよい。これによって常に低消費電力動作可能な発光素子駆動装置を実現することができる。
【0049】
次に、LED列の点灯及び消灯制御について説明する。上述のように制御回路50は複数のLED列において順方向電圧の差を縮小するために1又は2以上のLED列のデューティー値を制御することとしているが、その際、点灯及び消灯をパルス幅変調信号により制御することが望ましい。これによって、画像表示装置の1フレーム毎の画像切り替えにあわせてLED列の点灯及び消灯制御を行うことができ、画質の低下を防ぐことができる。
【0050】
また、LED列の点灯及び消灯制御を行うパルス幅変調信号と、画像表示装置の表示タイミングを規定する垂直同期信号とを同期化し、LED列の点灯及び消灯タイミングを画像表示装置の1フレーム毎の画像切り替えタイミングに合致させることで、画質を高画質化することができる。
【0051】
図4は、本実施形態の発光素子駆動装置が備えるLED列の電流量及び点灯消灯制御を示す第1の模式図である。図4(a)は画像表示装置の表示フレームを示し、図4(b)は画像表示装置の垂直同期信号を示し、図4(c)はLED列の電流量(ILED)及び点灯期間(TLED)を示している。図4に示すように、LED列のパルス幅変調信号と画像表示装置の垂直同期信号とを同期化することで、画質を高画質化することができる。なお、図4においてLED列の点灯タイミング(LED列に電流が流れ始めるタイミング)は、画像表示装置の1フレームの後半となっているが、所望の画質が得られる限りにおいてこれに限定されるものではない。また、図4において画像表示装置の1フレームの開始タイミングとLED列のパルス幅変調信号の開始タイミングとが同一であるが、両者の開始タイミングは一致しなくてもよい。
【0052】
図5は、本実施形態の発光素子駆動装置が備えるLED列の電流量及び点灯消灯制御を示す第2の模式図である。図5(a)は画像表示装置の表示フレームを示し、図5(b)は画像表示装置の垂直同期信号を示し、図5(c)はLED列の電流量(ILED)及び点灯期間(TLED)を示している。図5に示すように、LED列のパルス幅変調信号の周期を画像表示装置の垂直同期信号の周期よりも短くすることとしてもよい。このように制御することにより、より確実に表示画像や画像の切り替え内容に沿ったバックライトの制御が可能となり、また、ホールド型表示方式である画像表示装置においてはインパルス型表示方式に近づけることが可能となるので、画質の高画質化、動画性能向上を実現することができる。なお、図5において画像表示装置の1フレーム周期に対して、LED列のパルス幅変調信号の周期を2倍としているが、所望の画質が得られる限りにおいてこれに限定されるものではなく、任意の倍数とすることができる。
【0053】
図6は、本実施形態の発光素子駆動装置が備えるLED列の電流量及び点灯消灯制御を示す第3の模式図である。図6(a)は画像表示装置の表示フレームを示し、図6(b)はLED列の電流量(ILED)及び点灯期間(TLED)を示している。図6に示すように、画像表示装置の画像切り替わり期間T1においてはLED列を消灯制御することが望ましい。特に液晶パネルでは、液晶の光学応答時間が比較的遅く、その期間にバックライトを点灯させると画質のぼけや動作表示時の輪郭ぼけが見えるためである。なお、図6において画像表示装置の画像切り替わり期間T1の全期間においてLED列を消灯制御することとしているが、画質のぼけや動作表示時の輪郭ぼけを防ぐことができる限り画像切り替わり期間T1の少なくとも一部の期間において消灯制御することとしてもよい。
【0054】
次に順方向電圧の差に基づくLED列の電流量とデューティー値の制御について説明する。図7は、本実施形態の発光素子駆動装置が備える複数のLED列においてLED列毎の電流量及び点灯消灯制御を示す模式図である。図7(a)画像表示装置の表示フレームを示し、図7(b)は順方向電圧が最も高いLED列(本実施形態におけるLED列15)の電流量(ILED)及び点灯期間(TLED)を示し、図7(c)はその他のLED列(本実施形態におけるLED列11〜14)の電流量(αILED)及び点灯期間(βTLED)を示している(詳細は後述)。
【0055】
以下の説明において、上述したように順方向電圧が最も大きいLED列(LED列15)の順方向電圧を基準とし、その他のLED列(LED列11〜14)の順方向電圧が最も大きいLED列(LED列15)の順方向電圧と同一となるように制御する場合を例に説明する。なお、表示装置に表示される画像や画像の切り替えに応じて算出されるLED列の電流量(標準電流量)をILED、LED列の点灯時間(標準デューティー値に基づいて算出される点灯時間)をTLEDとし、説明の便宜上、TLEDは画像表示装置の1フレームの後半としている。
【0056】
よって、複数のLED列において、全てのLED列の順方向電圧が同一であれば(順方向電圧の差がなければ)電流量ILED、点灯時間TLEDで各LED列を点灯させることとなる。一方、複数のLED列において全てのLED列の順方向電圧が同一でなければ(順方向電圧の差があれば)順方向電圧の差を縮小するために、順方向電圧の差に基づいて電流比とデューティー比を算出する。ここで、電流比がα、デューティー比がβとすると、その他のLED列(LED列11〜14)の電流量とデューティー値にそれぞれα、βを乗じて算出される電流量αILED、点灯時間βTLEDでその他のLED列(LED列11〜14)を点灯させるように制御する。
【0057】
具体的には図7に示すように、順方向電圧が高いLED列15に供給される電流量(ILED)よりも、その他のLED列11〜14に供給される電流量(αILED)を多くすることによってLED列11〜14の順方向電圧をLED列15の順方向電圧に近づけると共に、LED列11〜14の点灯時間(βTLED)をLED列15の点灯時間(TLED)よりも所定時間((1−β)TLED)短くすることで輝度を調整している。
【0058】
また、図7に示すように順方向電圧が高いLED列(LED列15)の点灯タイミングは、その他のLED列(LED列11〜14)の点灯タイミング、及び、表示される画像や画像の切り替え時に応じて設定されているLED列の点灯(発光)タイミングと等しくなるように設定されており、その他のLED列のデューティー値を制御する場合には消灯タイミングを変更することとしているので、所望の画質を得ることができる。特に、画像表示装置において、画像切り替え応答時間が完了した後に素早くバックライトを点灯することで画像の画質が向上するような特性を有する場合には本実施形態のように制御することが望ましい。
【0059】
本実施形態によれば、複数の発光素子列のVfにばらつきが生じた場合であっても、消費電力の低減を実現しつつ、画像表示装置の表示画像に応じた所望の画質及び動画性能を得ることができる。
【0060】
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、順方向電圧の差に基づくLED列の電流量とデューティー値の制御において特にデューティー値の制御に関し、各LED列の点灯タイミングを同一とした状態でデューティー値を制御する(言い換えれば消灯タイミングを制御する)こととしたが、本実施形態では、各LED列の消灯タイミングを同一とした状態でデューティー値を制御することとする。
【0061】
図8は本実施形態の発光素子駆動装置が備える複数のLED列においてLED列毎の電流量及び点灯消灯制御を示す模式図である。図8(a)画像表示装置の表示フレームを示し、図8(b)は順方向電圧が最も高いLED列(本実施形態におけるLED列15)の電流量(ILED)及び点灯期間(TLED)を示し、図8(c)はその他のLED列(本実施形態におけるLED列11〜14)の電流量(αILED)及び点灯期間(βTLED)を示している。
【0062】
本実施形態による電流量及びデューティー値の制御は第1実施形態と同様に、順方向電圧が高いLED列15に供給される電流量(ILED)よりも、その他のLED列11〜14に供給される電流量(αILED)を多くすることによってLED列11〜14の順方向電圧をLED列15の順方向電圧に近づけると共に、LED列11〜14の点灯時間(βTLED)をLED列15の点灯時間(TLED)よりも所定時間((1−β)TLED)短くすることで輝度を調整している。
【0063】
一方、順方向電圧が高いLED列(LED列15)の消灯タイミングは、図8に示すように、その他のLED列(LED列11〜14)の消灯タイミング、及び、表示される画像や画像の切り替え時に応じて設定されているLED列の消灯タイミングと等しくなるように設定されており、その他のLED列のデューティー値を制御する場合には点灯(発光)タイミングを変更することとしているので、所望の画質を得ることができる。特に、画像表示装置において、あるフレームから次のフレームへ移行する際に素早くバックライトを消灯することで画質のぼけや動作表示時の輪郭ぼけが軽減されるような特性を有する場合には本実施形態のように制御することが望ましい。
【0064】
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0065】
[第3実施形態]
上記第1実施形態及び第2実施形態では、順方向電圧の差に基づくLED列の電流量とデューティー値の制御において特にデューティー値の制御に関し、各LED列の点灯タイミング又は消灯タイミングを同一とした状態でデューティー値を制御することとしたが、本実施形態では、各LED列の点灯タイミング及び消灯タイミングのいずれもが同一とならないようにデューティー値を制御することとする。
【0066】
図9は本実施形態の発光素子駆動装置が備える複数のLED列においてLED列毎の電流量及び点灯消灯制御を示す模式図である。図9(a)画像表示装置の表示フレームを示し、図9(b)は順方向電圧が最も高いLED列(本実施形態におけるLED列15)の電流量(ILED)及び点灯期間(TLED)を示し、図9(c)はその他のLED列(本実施形態におけるLED列11〜14)の電流量(αILED)及び点灯期間(βTLED)を示している。
【0067】
本実施形態による電流量及びデューティー値の制御は第1実施形態と同様に、順方向電圧が高いLED列15に供給される電流量(ILED)よりも、その他のLED列11〜14に供給される電流量(αILED)を多くすることによってLED列11〜14の順方向電圧をLED列15の順方向電圧に近づけると共に、LED列11〜14の点灯時間(βTLED)をLED列15の点灯時間(TLED)よりも所定時間((1−β)TLED/2×2=(1−β)TLED)短くすることで輝度を調整している。
【0068】
一方、順方向電圧が高いLED列(LED列15)の点灯タイミングと消灯タイミングとの中心(中心線L1)は、図9に示すように、その他のLED列(LED列11〜14)の点灯タイミングと消灯タイミングとの中心(中心線L1)、及び、表示される画像や画像の切り替え時に応じて設定されているLED列の点灯タイミングと消灯タイミングとの中心(中心線L1)と等しくなるように設定されており、その他のLED列のデューティー値を制御する場合には点灯タイミングと消灯タイミングを変更することとしているので、所望の画質を得ることができる。特に、画像表示装置において、複数のLED列の順方向電圧のばらつきに基づいて、複数のLED列の少なくとも1以上のLED列について電流量及びデューティー値を制御する場合に、その制御による電流量及びデューティー値の変化を極力低減することで画質の劣化が低減されるような特性を有する場合には本実施形態のように制御することが望ましい。
【0069】
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0070】
[第4実施形態]
上記第1実施形態〜第3実施形態では、順方向電圧の差に基づくLED列の電流量とデューティー値の制御において特にデューティー値の制御に関し、各LED列の少なくとも点灯タイミング又は消灯タイミングのいずれかを変更するようにデューティー値を制御することとしたが、本実施形態では、全てのLED列において点灯タイミング及び消灯タイミングを変更することなくデューティー値を制御することとする。
【0071】
図10は本実施形態の発光素子駆動装置が備える複数のLED列においてLED列毎の電流量及び点灯消灯制御を示す模式図である。図10(a)画像表示装置の表示フレームを示し、図10(b)は順方向電圧が最も高いLED列(本実施形態におけるLED列15)の電流量(ILED)及び点灯期間(TLED)を示し、図10(c)はその他のLED列(本実施形態におけるLED列11〜14)の電流量(αILED)及び点灯期間(βTLED)を示している。
【0072】
本実施形態による電流量及びデューティー値の制御は第1実施形態と同様に、順方向電圧が高いLED列15に供給される電流量(ILED)よりも、その他のLED列11〜14に供給される電流量(αILED)を多くすることによってLED列11〜14の順方向電圧をLED列15の順方向電圧に近づけると共に、LED列11〜14の点灯時間(βTLED1+βTLED2+βTLED3=βTLED)をLED列15の点灯時間(TLED)よりも所定時間(rTLED1+rTLED2=(1−β)TLED)短くすることで輝度を調整している。
【0073】
一方、本実施形態では図10に示すように、その他のLED列の点灯回数及び消灯回数が1フレームあたり複数回(本実施形態では3回ずつ)あり、1フレームにおける順方向電圧が高いLED列(LED列15)の点灯タイミングと消灯タイミングとは、その他のLED列(LED列11〜14)の最初の点灯タイミングと最後の消灯タイミング、及び、表示される画像や画像の切り替え時に応じて設定されているLED列の点灯タイミングと消灯タイミングと等しくなるように設定されており、その他のLED列のデューティー値を制御する場合には点灯回数と消灯回数を変更することとしているので、所望の画質を得ることができる。特に、上記第3実施形態と同様に、画像表示装置において、複数のLED列の順方向電圧のばらつきに基づいて、複数のLED列の少なくとも1以上のLED列について電流量及びデューティー値を制御する場合に、その制御による電流量及びデューティー値の変化を極力低減することで画質の劣化が低減されるような特性を有する場合には本実施形態のように制御することが望ましい。
【0074】
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0075】
[その他]
上記各実施形態の発光素子駆動装置において電源回路30からLED列に供給される電圧は、複数のLED列の順方向電圧に応じて可変であることが望ましい。これにより、低消費電力化が可能となる。
【0076】
また、上記各実施形態において、発光素子駆動装置が備える複数のLED列においてLED列毎の電流量及び点灯消灯制御を説明するにあたり、説明の便宜上、全てのLED列について、表示装置に表示される画像や画像の切り替えに応じて算出されるLED列の電流量をILED、LED列の点灯時間をTLEDとしたが、LED列毎に異なる場合にも本発明を適用することができる。すなわち、複数のLED列において順方向電圧が同一でない場合に、電流比及びデューティー比を算出し、算出された電流量及びデューティー値で制御を行ったときに、低消費電力動作が可能であって、且つ、所望の画質が得られるものであればよい。
【0077】
また、上記各実施形態において、LED列11〜15は夫々少なくとも2以上のLEDを直列接続して構成されることとしているが、2以上のLEDを夫々単一のLEDに置き換え、LED列11〜15は夫々単一のLEDからなることとしてもよく、それらLED(LED列11〜15)を並列接続してLEDの集合体10として画像表示装置内に配置することとしてもよい。
【0078】
また、上記第1実施形態〜第3実施形態(図7〜図9)において、LED列11〜14の点灯タイミング及び/又は消灯タイミングと、LED列15の点灯タイミング及び/消灯タイミングとの関係について説明しているが、各実施形態においてLED列11〜14は標準電流量及び標準デューティー値を駆動されており(すなわち電流比及びデューティー比が1)、そのような場合には、LED列11〜14の点灯タイミング及び/又は消灯タイミングは、標準電流量及び標準デューティー値で駆動されるLED列の点灯タイミング及び/又は消灯タイミングと言い換えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、LED等の発光素子の駆動装置に利用できる。
【符号の説明】
【0080】
11〜15 LED(発光ダイオード)列
21〜25 定電流駆動回路
30 電源回路
40 順方向電圧(Vf)差分検出回路
50 制御回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1の発光素子又は直列に接続される複数の発光素子からなる複数の発光素子列と、
前記複数の発光素子列に電圧を供給する電源回路と、
各発光素子列に定電流を供給する複数の定電流駆動回路と、
各定電流駆動回路内のパラメーターに基づいて各発光素子列の順方向電圧の差を検出する順方向電圧差分回路と、
画像データから求められる標準電流量及び標準デューティー値と、各発光素子列の順方向電圧の差とに基づいて、各発光素子列に供給する電流量及びデューティー値を制御する制御回路と、
を備えることを特徴とする発光素子駆動装置。
【請求項2】
前記制御回路は、各発光素子列の順方向電圧の差を縮小するように各発光素子列に供給する電流量及びデューティー値を制御することを特徴とする請求項1に記載の発光素子駆動装置。
【請求項3】
前記制御回路は、各発光素子列の順方向電圧の差に基づいて電流比及びデューティー比を算出し、当該電流比及びデューティー比と、表示装置に所望の画像を表示するときの電流量及びデューティー値とを乗ずることによって各発光素子列に供給する電流量及びデューティー値を算出し、制御することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発光素子駆動装置。
【請求項4】
前記制御回路は、各発光素子列の点灯及び消灯をパルス幅変調信号により制御することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発光素子駆動装置。
【請求項5】
前記パルス幅変調信号の周期は、前記画像表示装置の垂直同期信号の周期に同期することを特徴とする請求項4に記載の発光素子駆動装置。
【請求項6】
前記パルス幅変調信号の周期は、前記画像表示装置の垂直同期信号の周期よりも短いことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の発光素子駆動装置。
【請求項7】
前記制御回路は、前記画像表示装置の画像切り替え期間において、各発光素子列を消灯することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の発光素子駆動装置。
【請求項8】
前記制御回路によって制御された各発光素子列の点灯タイミングが等しいことを特徴とする請求項3〜請求項7のいずれか1項に記載の発光素子駆動装置。
【請求項9】
前記制御回路によって制御された各発光素子列の消灯タイミングが等しいことを特徴とする請求項3〜請求項7のいずれか1項に記載の発光素子駆動装置。
【請求項10】
前記制御回路によって制御された各発光素子列の点灯タイミングと消灯タイミングとの中心が等しいことを特徴とする請求項3〜請求項7のいずれか1項に記載の発光素子駆動装置。
【請求項11】
前記制御回路によって点灯消灯制御された各発光素子列において、前記標準電流量及び前記標準デューティー値で駆動するLED列の点灯回数と消灯回数よりも、前記標準電流量以外の電流量及び前記標準デューティー値以外のデューティー値で駆動するLED列の点灯回数と消灯回数のほうが多いことを特徴とする請求項3〜請求項10のいずれか1項に記載の発光素子駆動装置。
【請求項12】
前記電源回路が出力する電圧は、各発光素子列の順方向電圧に応じて可変であることを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の発光素子駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−89777(P2013−89777A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229145(P2011−229145)
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】