説明

発光表示ユニット及びそれを備えた電子機器

【課題】電子機器の厚みを小さくすることを可能にする発光表示ユニットを提供する。
【解決手段】発光表示ユニットは、複数の発光素子6と、透光性を有する弾性材料からなる弾性体フィルム11と、透光性を有し弾性体フィルム11を支持する第1のフィルム12と、透光性を有し第1のフィルム12に対して対向配置された第2のフィルム14とを備え、弾性体フィルム11が複数の発光素子6と相対する向きに配置されたシートユニット10と、を有し、第2のフィルム14の少なくとも各発光素子6に対向する領域に光散乱膜14aが形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光表示ユニット及びそれを備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
図8は本発明に関連する携帯端末機器を示す図であり、図8(a)はその携帯端末機器の全体を示す斜視図、図8(b)はその携帯端末機器の表示部の図8(a)におけるX−X線に沿った断面を示す断面図である。
【0003】
図8に示す携帯端末機器50は、ユーザーによって操作される操作キー(不図示)を備えた本体部50aと、表示ディスプレイ(不図示)を備えた表示部50bとを有している。本体部50aと表示部50bとはヒンジ部50cを介して互いに回動可能であり、携帯端末機器50は、本体部50aと表示部50bとが開いた状態(不図示)と、図8(a)に示すように閉じた状態とに変形可能である。
【0004】
図8(a)に示すように閉じた状態のときに携帯端末機器50の外側に配置される表示部50bのカバー51には、マトリクス状に配置された複数の導光孔52が形成されている。図8(a)に示す例では、縦に7つ、横に7つで合計49つの導光孔52が形成されている。
【0005】
図8(b)を参照すると、表示部50bの内部には、複数のLED(Light-Emitting Diode)54が搭載されたフレキシブル基板55と、そのフレキシブル基板55が接続された基板56とが収容されている。フレキシブル基板55上の各LED54の周囲には、各LED54の高さよりも高く形成された弾性体53が設けられている。さらに、フレキシブル基板55上の弾性体53とカバー51の裏面との間には、透明なポリカーボネート樹脂からなり射出成形によって成形された導光部材57が設けられている。これらのLED54と導光部材57とによって、発光表示ユニットが構成されている。
【0006】
基板56には、複数のLED54の点灯駆動制御を行うとともに、表示部50bに備えられた表示ディスプレイの画面表示の駆動制御を行う制御回路(不図示)が構成されている。なお、図8(b)では表示ディスプレイの図示を省略している。
【0007】
フレキシブル基板55上の複数のLED54は、カバー51にマトリクス状に配置された複数の導光孔52にそれぞれ対向する位置に配置されている。したがって、本例では、フレキシブル基板55上には導光孔52と同じ数の49個のLED54が搭載されている。また、導光部材57のカバー51に対向する面には、カバー51の複数の導光孔52にはめ込まれる複数の凸部57aが形成されている。
【0008】
上述した携帯端末機器50によれば、LED54から発せられた光は、導光部材57によってそのLED54に対向配置された導光孔52へ導かれ、その導光孔52を通ってカバー51の外に出射される。このように、各導光孔52は、カバー51の表面に文字や記号等を表示するための画素として機能する。そして、基板56の制御回路(不図示)によって各LED54の駆動制御を行い、各導光孔52から出射される光の強度や色を調節することにより、マトリクス状に配置された複数の導光孔52によってカバー51の表面に文字や記号等が表示される。
【0009】
上述した携帯端末機器は、例えば特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2007−206577号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述したように、図8(b)に示した導光部材57は透明なポリカーボネート樹脂からなり、通常は射出成形によって作製される。ポリカーボネート樹脂を射出成形によって成形する場合、一般に成形品の厚みは0.5mm程度が限界であるとされている。そのため、実際上、ポリカーボネート樹脂を射出成形することで作製される導光部材57の厚みを0.5mmよりも薄くすることはできない。
【0012】
そこで本発明は、電子機器の厚みを小さくすることを可能にする発光表示ユニット及びそれを備えた電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の発光表示ユニットは、透光性を有する弾性材料からなる弾性体フィルムと、透光性を有し前記弾性体フィルムを支持する第1のフィルムと、透光性を有し前記第1のフィルムに対して対向配置された第2のフィルムとを備え、前記弾性体フィルムが前記複数の発光素子と相対する向きに配置されたシートユニットと、を有し、前記第2のフィルムの少なくとも前記各発光素子に対向する領域に光散乱膜が形成されている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、電子機器の厚みを小さくすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施例に係る携帯端末機器の外観を示す図である。
【図2】図(a)は図1に示した携帯端末機器の表示部の図1(b)におけるA−A線に沿った断面を示す断面図であり、図(b)は図(a)に示した表示部の内部構造を拡大して示す断面図である。
【図3】本発明の第2の実施例の携帯端末機器における表示部を示す断面図である。
【図4】図3に示したシートユニットにおける第2のフィルムの上面に複数の導光部材を設ける工程を示す模式図である。
【図5】図3に示したシートユニットにおける第2のフィルムの上面に複数の導光部材を設ける他の工程を示す模式図である。
【図6】本発明の第3の実施例の携帯端末機器における表示部を示す断面図である。
【図7】図6に示したシートユニットの変形例を示す図である。
【図8】本発明に関連する携帯端末機器を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【0017】
(第1の実施例)
図1は本発明の第1の実施例に係る携帯端末機器の外観を示す図であり、図1(a)はその携帯端末機器の開いた状態を示す斜視図、図1(b)はその携帯端末機器の閉じた状態を示す斜視図である。
【0018】
図1に示す本実施例の携帯端末機器1は、ユーザーによって操作される操作キー2aを備えた本体部2と、表示ディスプレイ3aを備えた表示部3とを有している。本体部2と表示部3とはヒンジ部4を介して互いに回動可能であり、携帯端末機器1は、本体部2と表示部3とが開いた状態(図1(a))と、本体部2と表示部3とが閉じた状態(図1(b))とに変形可能である。このように、携帯端末機器1はいわゆる折り畳み式の携帯端末機器である。
【0019】
図1(b)に示すように閉じた状態のときに携帯端末機器1の外側に配置される表示部3のカバー5には、マトリクス状に配置された複数の導光孔5aが形成されている。図1(b)に示す例では、縦に7つ、横に7つで合計49つの導光孔5aが形成されている。ただし、図1(b)に示す例では、図8に示した構成に比べて導光孔5a同士の配置間隔が狭くなっている。
【0020】
図2(a)は、図1に示した携帯端末機器の表示部の、図1(b)におけるA−A線に沿った断面を示す断面図である。図2(b)は、図2(a)に示した表示部の内部構造を拡大して示す断面図である。
【0021】
図2(a)を参照すると、表示部3の内部には、発光素子として複数のLED6が搭載されたフレキシブル基板7と、そのフレキシブル基板7が接続された基板8とが収容されている。フレキシブル基板7上の複数のLED6は、カバー5にマトリクス状に配置された複数の導光孔5aにそれぞれ対向する位置に配置されている。したがって、本例では、導光孔5aと同じ数の49個のLED6がフレキシブル基板7上に搭載されている。さらに、フレキシブル基板7上に搭載された複数のLED6とカバー5の裏面との間には、LED6から出射される光を導光孔5aを通じてカバー5の外部に導くシートユニット10が配置されている。これらのLED6とシートユニット10とによって、発光表示ユニットが構成されている。
【0022】
基板8には、複数のLED6の点灯駆動制御を行うとともに、表示部3に備えられた表示ディスプレイ3aの画面表示の駆動制御を行う制御回路(不図示)が構成されている。なお、図2(a)及び図2(b)では表示ディスプレイ3aの図示を省略している。
【0023】
続いて、図2(b)を参照してシートユニット10の構成について説明する。
【0024】
シートユニット10は、フレキシブル基板7上に配置されたLED6に近い方から、透光性を有する弾性材料で構成された弾性体フィルム11と、弾性体フィルム11を支持するために弾性体フィルム11に一体的に設けられた第1のフィルム12と、第1のフィルム12に対向配置された第2のフィルム14とを備えている。第1及び第2のフィルム12,14は透光性を有する材料で構成されている。シートユニット10は、弾性体フィルム11がフレキシブル基板7上のLED6に相対する向きで表示部3のカバー5内に配置されている。
【0025】
第2のフィルム14の下面のうち、少なくとも各々のLED6に対向する領域には光散乱膜14aが形成されている。第1のフィルム12と第2のフィルム14とは、それらの周囲縁の一部あるいは全周が第1の両面テープ13によって互いに貼り合わされている。さらに、第2のフィルム14は、その周囲縁の一部あるいは全周が第2の両面テープ15によってカバー5の裏面に貼り付けられている。
【0026】
なお、第1及び第2のフィルム12,14は、例えば透明なポリカーボネートからなるシート材によって構成することができる。弾性体フィルム11は、例えばシリコーンゴムからなるシート材によって構成することができる。また、光散乱膜14aは、白色や灰色などの透光性を有する塗料を第2のフィルム14に印刷したり、あるいは、第2のフィルム14の表面に粗面化処理を施したりすることによって構成することができる。本例では、第1のフィルム12及び弾性体フィルム11の厚さがそれぞれ0.1mm、第2のフィルム14の厚さが0.1mm、各両面テープ13,15の厚さがそれぞれ0.03mmであり、それらを合わせたシートユニット10の全体の厚さは0.36mmである。
【0027】
上述した本実施例の携帯端末機器1によれば、LED6から発せられた光は、弾性体フィルム11及び第1のフィルム12を透過し、さらに第2のフィルム14の下面に形成された光散乱膜14を透過する。LED6からの光は、光散乱膜14aを透過する際に光散乱膜14aによって散乱させられて散乱光となる。そして、光散乱膜14aを透過して散乱光となったLED6からの光は、第2のフィルム14を透過し、そのLED6に対向するカバー5の導光孔5aを通ってカバー5の外に出射される。したがって、基板8の制御回路(不図示)によって各LED6の発光駆動制御を行い、マトリクス状に配置された導光孔5aの各々から出射される光の強度や色を調節することにより、カバー5の表面に文字や記号等が表示される。
【0028】
また、上述したように本実施例におけるシートユニット10の全体の厚さは0.36mmであり、これは図8を参照して説明した導光部材57の厚み(0.5mm)よりも薄い。したがって、本実施例によれば、カバー5の厚みをシートユニット10が図7に示した導光部材57よりも薄くなった分だけ薄くすることが可能になり、ひいては携帯端末機器1のさらなる薄型化に寄与することができる。
【0029】
さらに、上述したように、シートユニット10の複数のLED6に対向する側には弾性体フィルム11が配置されている。そのため、携帯端末機器1に衝撃が加えられたり、携帯端末機器1の本体部2に内蔵されたバイブレーションモータ(不図示)によって携帯端末機器1が振動させられたりしたときには、弾性体フィルム11がLED6に対する緩衝部材として機能する。したがって、そのような衝撃や振動によってLED6やフィルム12が損傷することを防ぐことができる。さらには、バイブレーションモータ(不図示)による振動によってシートユニット10がLED6に小刻みに衝突していわゆるビビリ音が発生することを防ぐことができる。
【0030】
加えて、本実施例ではシートユニット10の第1のフィルム12に弾性体フィルム11が一体的に備えられているため、図8に示した構成のようにフレキシブル基板7の各LED6の周囲に弾性体を設ける必要がない。そのため、LED6同士の配置間隔を小さくすることが可能である。したがって、LED6の数が図7に示した構成と同じであれば、LED6の配置スペースをその配置スペースよりも小さくすることができるため、表示部3内におけるLED6以外の電気部品の実装スペースをより広く確保することができる。あるいは、表示部3内におけるLED6以外の電気部品の実装スペースが図8に示した構成と同じであれば、より多くのLED6を表示部3に備えることができるため、より詳細な文字や記号等をカバー5の表面に表示することが可能になる。さらに、各LED6の周囲に弾性体を設ける必要がないので、発光表示ユニットの組み立てに要する手間を少なくすることができる。
【0031】
なお、上述した各フィルム11,12,14や各両面テープ13,15の厚さは上記の寸法に限定されるものではなく、それらの強度評価などにおいて不都合がなければさらに薄くすることも可能である。また、上記では第2のフィルム14の下面に光散乱膜14aが形成されている例について説明したが、光散乱膜14aは第2のフィルム14の上面に形成されていてもよい。
【0032】
さらに、上記ではLED及び導光孔5aをマトリクス状に配置する例を説明したが、それらを他の任意の形態に配置してもよい。さらには、上記では発光素子としてLED6を用いる例を挙げて説明したが、他の光源手段を発光素子として用いることもできる。
【0033】
(第2の実施例)
図3は、本発明の第2の実施例に係る携帯端末機器における表示部を示す断面図である。
【0034】
図3に示すように、表示部3の内部にはシートユニット20が設けられている。本実施例では、第2のフィルム24の上面に、透光性を有する複数の導光部材26が設けられている。導光部材26は、UV硬化性樹脂27(図4参照)や、ポリカーボネートの成形品(図5参照)等によって構成することができる。各々の導光部材26は、カバー5にマトリクス状に配置された複数の導光孔5aにそれぞれ対向する位置に配置され、各導光孔5a内に挿入されている。各導光部材26の上面、言い換えれば各導光部材26の第2のフィルム24に対する遠位端に形成される面は、カバー5の表面と実質的に同一な面を形成している。
【0035】
なお、図3に示すシートユニット20における弾性体フィルム21、第1のフィルム22および第1及び第2の両面テープ23,25の構成は、図2を参照して説明した第1の実施例の構成と同様であるため、それらに関する説明は省略する。
【0036】
ここで、図4及び図5を参照して、第2のフィルム24の上面に複数の導光部材26を設ける工程について説明する。
【0037】
<第1の工程>
図4は、第2のフィルムの上面に複数の導光部材を設ける工程を示す図である。
【0038】
まず、図4(a)に示すように、下面に光散乱膜24aが形成された第2のフィルム24を用意する。なお、光散乱膜24aは、第2のフィルム24が表示部3内に配置されたときにLED6に対向する領域に形成されている。
【0039】
次に、図4(b)に示すように、第2のフィルム24の上面に型枠28を配置する。型枠28は、第2のフィルム24の上面に形成すべき複数の導光部材26に対応する位置に、導光部材26を形成する際の型となるキャビティ28aが複数形成されている。
【0040】
続いて、図4(c)に示すように、型枠28の複数のキャビティ28a内にUV硬化性樹脂27を流し込み、各々のキャビティ28aをUV硬化性樹脂27で満たす。UV硬化性樹脂27は、紫外線(UV光)が照射されるまでは液状であるが、紫外線が照射されると硬化する性質を有している。そして、各キャビティ28a内のUV硬化性樹脂27に向けて紫外線(UV光)を照射し、UV硬化性樹脂27を硬化させる。
【0041】
その後、型枠28を第2のフィルム24の上方に取り除くことにより、図4(d)に示すように、第2のフィルム24の上面に、UV硬化性樹脂27からなる導光部材26が設けられる。
【0042】
<第2の工程>
図5は、第2のフィルムの上面に複数の導光部材を設ける他の工程を示す図である。
【0043】
まず、図5(a)に示すように、下面に光散乱膜24aが形成された第2のフィルム24を用意する。なお、光散乱膜24aは、第2のフィルム24が表示部3内に配置されたときにLED6に対向する領域に形成されている。
【0044】
次に、図5(b)に示すように、第2のフィルム24の上面の各光散乱膜24aに対向する位置に、透明なUV硬化性樹脂27を塗布あるいは滴下させて付着させる。上記と同様に、UV硬化性樹脂27は、紫外線(UV光)が照射されるまでは液状であるが、紫外線が照射されると硬化する性質を有している。
【0045】
続いて、図5(c)に示すように、UV硬化性樹脂27を付着させた位置に導光部材26を位置合わせして、ポリカーボネートの成形品である導光部材26を第2のフィルム24の上面に密着させる。このとき、第2のフィルム24と導光部材26との間に空気層が形成されないように留意する。その後、第2のフィルム24と導光部材26との接合部に向けて紫外線(UV光)を照射し、その接合部にあるUV硬化性樹脂27を硬化させる。以上の工程により、導光部材26が第2のフィルム24の上面に一体的に固定される。
【0046】
再び図3を参照すると、上述したように、本実施例では、第2のフィルム24に一体的に設けられた透明な導光部材26がカバー5の導光孔5aの中に挿入され、導光部材26の上面がカバー5の表面と実質的に同一な面を形成している。そのため、LED6から出射された光を導光部材26によってカバー5の表面まで導くことができ、LED6から発せられる光をカバー5の外部から見たときの視認性を向上させることができる。
【0047】
なお、図3では第2のフィルム24の下面に光散乱膜24aが形成されている例について示したが、光散乱膜24aは第2のフィルム24の上面に形成されていてもよい。この場合、光散乱膜24aは第2のフィルム24の上面と導光部材26との間に位置する。
【0048】
また、第2のフィルム24の上面に複数の導光部材26を設ける方法は上述した方法に限定されるものではない。例えば、上述の方法とは逆に、導光部材26の第2のフィルム24に取り付けられる面にUV硬化性樹脂27を付着させた後に、その導光部材26を導光部材26の所定の位置に密着させてもよい。
【0049】
(第3の実施例)
図6は、本発明の第3の実施例に係る携帯端末機器における表示部を示す断面図である。
【0050】
図6に示すように、本実施例におけるシートユニット30は、フレキシブル基板7上に配置されたLED6に近い方から、透光性を有する弾性体材料で構成された弾性体フィルム31と、弾性体フィルム31を支持するために弾性体フィルム31に一体的に設けられた透光性を有するフィルム32とを備えている。シートユニット30は、弾性体フィルム31がフレキシブル基板7上のLED6に相対する向きで表示部3のカバー5内に配置されている。フィルム32は、その周囲縁の一部あるいは全周が両面テープ33によってカバー5の裏面に貼り付けられている。さらに、フィルム32の上面のうち、少なくとも各々のLED6に対向する領域には光散乱膜32aが形成されている。
【0051】
本実施例におけるシートユニット30は、図2に示した第2のフィルム14及び第1の両面テープ13が省略され、かつ光散乱膜32aがフィルム32の上面に形成されている点において、図2に示したシートユニット10と相違している。本実施例におけるシートユニット30は、第2のフィルム14及び第1の両面テープ13が省略されている分だけ図2に示したシートユニット10よりも薄く構成することができるため、携帯端末機器1の薄型化により一層寄与することが可能である。
【0052】
なお、図6ではフィルム32の上面に光散乱膜32aが形成されている例について示したが、光散乱膜32aはフィルム32の下面に形成されていてもよい。この場合、光散乱膜32aはフィルム32と弾性体フィルム31との間に位置する。
【0053】
さらに、フィルム32の上には、図3等を参照して説明した第2の実施例と同様に複数の導光部材が設けられていてもよい。
【0054】
また、上記ではフィルム32の少なくとも各々のLED6に対向する領域に光散乱膜32aが形成されている例を示したが、図7に示すように、フィルム32には光散乱膜32aが必ずしも形成されていなくてもよい。
【0055】
(その他)
上記の各実施例では電子機器の一例として携帯端末機器を例に挙げて説明したが、本発明は、そのような携帯端末機器のみならず、PDA(Personal Digital Assistants)、ノート型パーソナルコンピュータ等を含む種々の電子機器に適用することができる。
【符号の説明】
【0056】
1 携帯端末機器
2 本体部
2a 操作キー
3 表示部
3a 表示ディスプレイ
4 ヒンジ部
5 カバー
5a 導光孔
6 LED
7 フレキシブル基板
8 基板
10,20,30 シートユニット
11,21,31 弾性体フィルム
12,22 第1のフィルム
13,23 第1の両面テープ
14,24 第2のフィルム
15,25 第1の両面テープ
14a,24a,32a 光散乱層
26 導光部材
27 UV硬化性樹脂
32 フィルム
33 両面テープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光素子と、
透光性を有する弾性材料からなる弾性体フィルムと、透光性を有し前記弾性体フィルムを支持する第1のフィルムと、透光性を有し前記第1のフィルムに対して対向配置された第2のフィルムとを備え、前記弾性体フィルムが前記複数の発光素子と相対する向きに配置されたシートユニットと、
を有し、前記第2のフィルムの少なくとも前記各発光素子に対向する領域に光散乱膜が形成されている、発光表示ユニット。
【請求項2】
前記複数の発光素子はマトリクス状に配置されている、請求項1に記載の発光表示ユニット。
【請求項3】
複数の発光素子と、
透光性を有する弾性材料からなる弾性体フィルムと、透光性を有し前記弾性体フィルムを支持する第1のフィルムと、透光性を有し前記第1のフィルムに対して対向配置された第2のフィルムとを備え、前記弾性体フィルムが前記複数の発光素子と相対する向きに配置されたシートユニットと、
を有する発光表示ユニットを内部に収容し、かつ前記各発光素子に対向する位置に複数の導光孔が形成されたカバーを有し、前記第2のフィルムの少なくとも前記各発光素子に対向する領域に光散乱膜が形成されている電子機器。
【請求項4】
前記第2のフィルムの前記カバーに対向する面の上には、透光性を有し各々の前記導光孔内に挿入された複数の導光部材が設けられている、請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記各導光部材の前記第2のフィルムに対する遠位端に形成された面は、前記カバーの表面と実質的に同一な面を形成している、請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記複数の発光素子はマトリクス状に配置されている、請求項3から5のいずれか1項に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−11895(P2013−11895A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−179432(P2012−179432)
【出願日】平成24年8月13日(2012.8.13)
【分割の表示】特願2007−321937(P2007−321937)の分割
【原出願日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】