説明

発光装置

【課題】ねじを使用することなく外郭部材を光源側ユニットへ固定することのできる発光装置を提供する。
【解決手段】LED光源2を備えた発光装置1において、LED光源2から発せられる光が入射するレンズ3と、レンズ3に取り付けられLED光源2を覆うカバー部材4と、レンズ3とカバー部材4とを係合させ係合後にカバー部材4をレンズ3から離脱不能とする第1係合機構9と、カバー部材4に取り付けられカバー部材4を覆うキャップ部材5と、カバー部材4とキャップ部材5とを係脱自在に係合させる第2係合機構10と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED光源から発せられる光を、レンズを介して外部へ出射する発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の発光装置として、電路板及び該電路板に設置する少なくとも一つの発光ダイオードを備えるLEDランプをシェード本体の第1空間内に配置し、発光ダイオードを囲む形状の反射カバーと、反射カバーに設置し発光ダイオードの前に設置する透明カバーを設けた発光装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この発光装置では、電源ジョイントはシェード本体の第二空間の上に設置され、ねじにより電源ジョイント、シェード及び反射カバーが一体にされている。
【0003】
また、他の発光装置として、4つの白色発光ダイオードを固定した円形基板と、この円形基板の前側にロッド状スペーサにより一定距離離して配置したレンズ固定板と、このレンズ固定板に前記発光ダイオードに対応する状態で嵌着されるレンズと、前記レンズ固定板の前側に位置してこのレンズ固定板と協働して前記各レンズを固定保持する前カバーと、前記円形基板の背面側に連結固定されている放熱ブラケットと、この放熱ブラケットを内面部分に固定するランプシェードとで形成されたものが知られている(例えば、特許文献2参照)。この発光装置では、ランプシェードは、放熱ブラケットによりねじで固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3146696号公報
【特許文献2】特開2006−294526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1及び2に記載の発光装置では、装置の外郭部材をなすシェードをねじにより固定している。このように、シェード、キャップ部材等の外郭部材をねじにより固定すると、ねじの緩みに起因して外郭部材から光源側のユニットが脱落するおそれがある。
【0006】
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ねじを使用することなく外郭部材を光源側ユニットへ固定することのできる発光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、LED光源と、前記LED光源から発せられる光が入射するレンズと、前記レンズに取り付けられ前記LED光源を覆うカバー部材と、前記レンズと前記カバー部材とを係合させ、係合後に前記カバー部材を前記レンズから離脱不能とする第1係合機構と、前記カバー部材に取り付けられ前記カバー部材を覆うキャップ部材と、前記カバー部材と前記キャップ部材とを、係脱自在に係合させる第2係合機構と、を備える発光装置が提供される。
【0008】
この発光装置において、前記第1係合機構は、前記レンズ及び前記カバー部材の一方に設けられた突部と、前記レンズ及び前記カバー部材の他方に設けられ前記突部と係合する凹部と、を有していてもよい。
【0009】
この発光装置において、前記カバー部材は、前記LED光源を覆う筒状に形成された本体と、前記本体の内周面に形成された複数の前記突部と、を有し、前記レンズは、前記本体の内部に配置される突出部と、前記突出部の基端側に形成され複数の前記突部を受容可能な凹部と、を有していてもよい。
【0010】
この発光装置において、前記カバー部材は、前記本体の内周面に形成され前記LED光源の位置決めを行うリブ部を有していてもよい。
【0011】
この発光装置において、前記LED光源は、基板と、前記基板に実装されるLED装置と、を有し、前記レンズは、前記突出部の先端に前記LED装置を受容する受容孔を有し、前記基板は、前記レンズの前記突出部の先端と当接していてもよい。
【0012】
この発光装置において、前記第2係合機構は、前記カバー部材及び前記キャップ部材の一方に設けられた爪部と、前記カバー部材及び前記キャップ部材の他方に設けられ前記爪部と係脱自在な被係合部と、を有していてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ねじを使用することなく、キャップ部材を、LED光源、レンズ及びカバー部材を含む光源側ユニットへ固定することができる。また、レンズと係合したカバー部材はレンズから離脱不能であることから、カバー部材により覆われるLED光源を的確に保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の一実施形態を示す発光装置の縦断面図である。
【図2】図2は、発光装置の分解斜視図である。
【図3】図3は、カバー部材を説明するための図であり、(a)がカバー部材の平面図であり、(b)がカバー部材の縦断面図であり、(c)がカバー部材の底面図である。
【図4】図4は、発光装置の外観斜視図である。
【図5】図5は、変形例を示す発光装置の縦断面図である。
【図6】図6は、変形例を示す発光装置の縦断面図である。
【図7】図7は、変形例を示す発光装置の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1から図4は本発明の一実施形態を示すものであって、図1は本発明の一実施形態を示す発光装置の縦断面図、図2は発光装置の分解斜視図である。
図1に示すように、発光装置1は、LED光源2とLED光源2から発せられる光が入射するレンズ3と、レンズ3に取り付けられLED光源2を覆うカバー部材4と、カバー部材4に取り付けられカバー部材4を覆うキャップ部材5と、を備えている。また、発光装置1は、LED光源2に電力を供給するためのハーネス6と、ハーネス6が収容されるパイプ7と、を備えている。さらに、発光装置1は、レンズ3とカバー部材4とを係合させ、係合後にカバー部材4をレンズ3から離脱不能とする第1係合機構9と、カバー部材4とキャップ部材5とを、係脱自在に係合させる第2係合機構10と、を備えている。以下、発光装置1の各部について詳述する。
【0016】
LED光源2は、LED装置21と、LED装置21が表面に搭載される基板22と、を有している。また、基板22の裏面には、ハーネス6のコネクタ61と接続されるコネクタ23が配置されている。
【0017】
LED装置21は、LED素子が配置される凹部を有するケースを有し、凹部内が樹脂により封止される表面実装型のLEDパッケージである。LED素子はGaN系材料を含む青色光を発し、封止樹脂には青色光により励起されると黄色光を発する蛍光体が含まれている。LED装置21は、青色光と黄色光の組み合わせにより白色光を発する。
【0018】
基板22は、矩形状に形成され、表面に実装されるLED装置21と、裏面に配置されるコネクタ23とを電気的に接続する。基板22の基材となる材質は任意であるが、表面には基材よりも反射率の高い反射層が形成されていることが望ましい。例えば、基板22としてガラスエポキシ基板を用いた場合、表面の反射層として白色樹脂を形成することが好ましい。
【0019】
コネクタ23は、基板22の裏面に立設されており、直方体形状を呈する。コネクタ23は、基板22と反対側の面に開口を有し、ハーネス6側のコネクタと電気的に接続可能となっている。
【0020】
レンズ3は、樹脂、ガラス等の透明材からなり、略卵形の外形を呈する。レンズ3は、所定方向の一端側にLED装置21を受容する受容孔31を有する。図1においては、所定方向は上下方向であり、一端側は上端側となっている。ここからは、図1に合わせて、所定方向を上下方向として説明する。本実施形態においては、レンズ3は、LED装置21の光軸と一致する中心軸Mを中心とした回転対称体である。
【0021】
レンズ3は、中実に形成され、カバー部材4の本体41の内部に配置される突出部37と、突出部37の基端側に形成される凹部36と、を有している。本実施形態においては、突出部37は、レンズ3の上端に半球状に形成される。レンズ3の表面は、突出部37の表面をなす突出面32と、突出面32の下端から径方向外側へ延びる当接面33と、当接面33の径方向外縁から径方向外側へ傾斜して下方へ延びる傾斜面34と、傾斜面34の下端から径方向内側へ傾斜して下方へ延びる下端面35と、を有する。
【0022】
図2に示すように、受容孔31は、突出部37の上端からレンズ3下方へ向かって形成される。本実施形態においては、受容孔31は、略円柱状に形成され、下端が平坦面31aをなしている。この平坦面31aは、LED装置21から発せられた光を下方へ導くのに効果的である。
【0023】
突出面32の上端には、受容孔31の形成部分を包囲する平坦面32aが形成される。この平坦面32aは、基板22との当接面をなしており、基板22のレンズ3に対する上下位置が一義的に定まるようになっている。また、突出面32の下端には、径方向内側に凹んだ凹部36が形成されている。本実施形態においては、凹部36は、周方向にわたって形成され、カバー部材4の突部45を受容可能に構成されている。
【0024】
当接面33は、平坦に形成され、カバー部材4及びキャップ部材5の下端が当接する。本実施形態においては、当接面33は、水平に形成され、平面視にて、突出面32を包囲するドーナツ型を呈している。
【0025】
傾斜面34は、上から下へ向かって拡径するよう形成され、LED装置21から発せられた光のうち、中心軸Mに対するなす角が15°から30°までの光が入射する。本実施形態においては、傾斜面34は、縦断面にて直線的に形成されている。LED装置21から直接的に傾斜面34へ入射した光は、傾斜面34にて下端面35へ向けて反射される。
【0026】
下端面35は、下方へ窄むよう形成され、LED装置21から発せられた光のうち、中心軸Mに対するなす角が15°までの光が入射する。本実施形態においては、下端面35は、中心軸Mを中心とした回転放物面が集合した形状である。LED装置21から直接的に下端面35へ入射する光のうち、中心軸Mに対するなす角が6°までの光は、下端面35で屈折した後にレンズ3から下方へ放射される。LED装置21から直接的に下端面35へ入射する光のうち、中心軸Mに対するなす角が6°から15°までの光は、下端面35にてレンズ3の下端へ向けて反射される。下端面35へ向けて反射された光は、下端面35で屈折した後にレンズ3から径方向外側へ放射される。
【0027】
図3はカバー部材を説明するための図であり、(a)がカバー部材の平面図であり、(b)がカバー部材の縦断面図であり、(c)がカバー部材の底面図である。
図3に示すように、カバー部材4は、下方へ向かって拡径する中心軸Mを中心とした円筒状に形成される。カバー部材4の材質は任意であるが、本実施形態においてはポリアセタールが用いられ、黒色を呈している。図3(a)に示すように、カバー部材4は、下方へ向かって拡開する本体41と、本体41の上端を閉塞するよう形成された上面部42と、上面部42に形成された挿通孔43と、本体41の上下中央に形成されキャップ部材5と係合する爪部44と、本体41の内面下端に形成されレンズ3の凹部36に嵌合する突部45と、本体41の内面から上面部42の下面にかけて形成されLED装置2を位置決めするリブ部46と、を有している。本体41及び上面部42は、一定の厚さで形成されている。
【0028】
図3(b)に示すように、挿通孔43は、LED装置21のコネクタ23を挿通するよう形成される。コネクタ23の上端とカバー部材4の上端とは同じ高さに形成され、ハーネス6のコネクタ61が外された状態で、コネクタ23がカバー部材4の上面部42から露出する。
【0029】
爪部44は、本体41の上下中央部に、周方向に等間隔で複数形成される。本実施形態においては、爪部44は、周方向に60°間隔で3箇所形成されている。爪部44は、本体41に形成された孔部47の内部に配置され、孔部47の上端から下方へ向かって延びる延在部44aと、延在部44aの下端に形成され径方向外側へ突出する突出部44bと、を有している。延在部44aは、上下に延びていることから弾性変形しやすく、突出部44bの径方向内側への変位を許容する。
【0030】
図3(c)に示すように、突部45は、本体41の内面下端に、周方向に等間隔で複数形成される。本実施形態においては、突部45は、周方向に60°間隔で3箇所形成されている。本体41の下端開口は、切り込み等が形成されておらず、閉断面をなしていることから、変形し難くなっており、各突部45の径方向への変位は許容されていない。突部45は、レンズ3の凹部36と隙間なく嵌合する。本実施形態においては、第1係合機構9は、カバー部材4に設けられた突部45と、レンズ3に設けられ突部45と係合する凹部36と、を有している。
【0031】
リブ部46は、本体41の内面にて上下に延び、上端が上面部42の下面と一体となっている。リブ46は上下にわたって一定の厚さであり、LED装置21の基板22と垂直に形成される。リブ46の端面は、下端から上方へ向かって径方向内側へ傾斜する案内部46aと、案内部46aの上端から上方へ延びる垂直部46bと、垂直部46bの上端から径方向内側へ延びる水平部46cと、水平部46cの径方向内端から上方へ延びる接続部46dと、を有している。
【0032】
本実施形態においては、リブ部46は、LED装置21の前側及び後側に1箇所ずつ、LED装置21の左側及び右側に2箇所ずつ形成される。LED装置21をカバー部材4の内部に挿入して上方へ移動させると、各リブ部46の案内部46aにより前後左右に案内され、基板22の上面が水平部46cと当接したところで、LED装置21が前後左右に位置決めされる。本実施形態においては、垂直部46bの上下寸法と、基板22の厚さ寸法とが等しくなっている。
【0033】
図1に示すように、キャップ部材5は、上方へ向かって縮径する中心軸Mを中心とした中空の円錐状に形成される。キャップ部材5の材質は任意であるが、本実施形態においてはABS(Acr ylonitrile_Butadiene_Styrene)樹脂が用いられ、外表面にはクロムメッキが施されている。キャップ部材5の外表面は、レンズ3の外表面をなす傾斜面34と面一に形成されている。
【0034】
キャップ部材5は、下方へ向かって拡開する本体51と、本体51の上端に形成された挿通孔52と、本体51の内面に形成された凹溝53と、を有している。挿通孔52は、ハーネス6を内包するパイプ7を挿通する。被係合部としての凹溝53は、本体51の内面下側に形成され、周方向にわたって形成される。キャップ部材5は、カバー部材4の爪部44を凹溝53にて受容することにより、カバー部材4に係脱自在に取り付けられる。本実施形態においては、第2係合機構10は、カバー部材4に設けられた爪部44と、キャップ部材5に設けられた凹溝53と、を有している。
【0035】
ハーネス6は、可撓性を有し、LED装置21と外部電源とを電気的に接続している。ハーネス6は、一端にLED装置21のコネクタ23と接続可能なコネクタ61を有し、他端側はパイプ7を通じて外部電源側に接続されている。
【0036】
パイプ7は、断面が円形に形成される。パイプ7の材質は任意であるが、本実施形態においてはステンレスが用いられる。パイプ7の先端には、孔部71が形成されている。パイプ7は先端に円筒状のカラー部材8が固定され、カラー部材8がキャップ部材5の内面と当接することにより、パイプ7のキャップ部材5からの脱落が阻止される。カラー部材8は、パイプ7の孔部71と係脱自在な爪部81を有している。
【0037】
以上のように構成された発光装置1は、以下の工程を経て製造される。
まず、基板22にLED素子及びコネクタ23を実装してLED装置21を作製する。そして、LED装置21をカバー部材4の内部に挿入し、LED装置21がカバー部材4に対して前後左右に位置決めされた状態で、カバー部材4をレンズ3に取り付ける。これにより、カバー部材4の各突部45がレンズ3の凹部36と嵌合し、カバー部材4はレンズ3に対して離脱不能となる。これにより、光源側ユニットが完成する。
【0038】
一方、パイプ7にハーネス6を挿通しておき、キャップ部材5の挿通孔52にパイプ7の一端側を挿通する。そして、カラー部材8をパイプ7の一端に取り付けた後、ハーネス6にコネクタ61を取り付ける。この後、ハーネス6のコネクタ61と、光源側ユニットのコネクタ23とを接続する。次いで、キャップ部材5をレンズ3側に近接させて、キャップ部材5の凹溝53とカバー部材4の各爪部44とを係合させて、キャップ部材5とカバー部材4を固定し、発光装置1が完成する。パイプ7は、他端側が天井側に吊されて使用される。
【0039】
本実施形態の発光装置1によれば、ねじを使用することなく、キャップ部材5を、LED光源2、レンズ3及びカバー部材4を含む光源側ユニットへ固定することができる。従って、振動等によって固定箇所が緩んでいくようなことはなく、光源側ユニットがキャップ部材5から脱落することを防止できる。
【0040】
また、従来の発光装置に対し、ねじ等の締結部材を省略して部品点数を削減することができる。さらに、締結工程を省略することにより、光源側ユニットとキャップ部材5との組み付け時間を短縮することができ、製造コストの低減に効果的である。
【0041】
また、カバー部材4をレンズ3と係合可能とし、レンズ3と係合後には離脱不能としたので、製造時にLED光源2及びカバー部材4をレンズ3側に簡単容易に取り付けることができるし、使用時にカバー部材4により覆われるLED光源2を的確に保護することができる。特に、使用者等が誤ってカバー部材4を取り外し、LED光源2を損壊することを防止することができる。
【0042】
また、カバー部材4をキャップ部材5と係脱自在としたので、LED光源2が不灯状態となったり光量が低下したりしても、カバー部材4、レンズ3とともにLED光源2を交換することにより、発光装置1を引き続き使用することができる。また、発光装置1の使用用途に応じて、カバー部材4、レンズ3及びLED光源2を異なる仕様のものに交換することができ、LED光源2の色彩や光量を変更したり、レンズ3の形状を変更して光の出射状態を変更したりすることができる。また、本実施形態においては、カバー部材4がレンズ3の下端に写りこんで意匠の一部をなしているため、カバー部材4の色彩を変更することにより、発光装置1を意匠的に変更することもできる。
【0043】
また、LED光源2とレンズ3とは、基板22と突出面32とが当接することにより上下方向に位置決めされる。そして、LED光源2はカバー部材4に対して基板22とリブ部46とが当接することにより前後左右に位置決めされ、カバー部材4がレンズ3の突出面32を平面視にて包囲してレンズ3に対して前後左右に位置決めされることから、LED光源2はカバー部材4を介してレンズ3に対して前後左右に位置決めされる。これにより、LED光源2をレンズ3に対して的確に位置決めすることができる。また、カバー部材4の突部45とレンズ3の凹部36とが隙間なく嵌合することにより、カバー部材4をレンズ3に取り付けた後に、カバー部材4及びLED光源2がレンズ3に対してガタつくようなことはない。
【0044】
また、カバー部材4及びキャップ部材5の下端がレンズ3の当接面33と当接するようにしたので、塵埃等がカバー部材4及びキャップ部材5とレンズ3との間隙からLED光源2側に侵入することはなく、LED光源2及び電気的接続部位を的確に保護することができる。
また、図4に示すように、キャップ部材5とレンズ3とが当接するとともに、キャップ部材5の外表面がレンズ3の外表面と面一であるので、キャップ部材5とレンズ3が一体であるとの印象を看者に与えることができる。ここで、図4は、発光装置の外観斜視図である。
【0045】
また、受容孔31を円柱形状とし、LED光源2の下側を平坦面31aとしたので、LED光源2から出射される光の多くを、レンズ3の中心軸Mとのなす角が小さくなるようレンズ3内へ導くことができる。これにより、レンズ3の下端へより多くの光を導くことができ、レンズ3の下端の発光量を増大させることができる。
【0046】
尚、前記実施形態においては、略卵形のレンズ3を例示したが、レンズ3の形状は任意に変更することができる。例えば、図5に示すように、レンズ103の傾斜面134が下方へ向かって径方向内側に傾斜するようにし、下端面135の曲率が比較的小さい発光装置101としてもよい。また、例えば、図6に示すように、レンズ203が、水平面33の径方向外縁から中心軸と平行に延びる側面236と、側面236の下端から径方向内側へ傾斜して下方へ延びる傾斜面234と、傾斜面234の下端から径方向内側へ傾斜して下方へ延びる下端面235と、を有する発光装置201としてもよい。さらに、例えば、図7に示すように、レンズ303が、水平面33の径方向外縁から中心軸と平行に延びる側面336と、側面336の下端から径方向内側へ傾斜して下方へ延びる下端面335と、を有する発光装置301としてもよい。
【0047】
また、前記実施形態においては、第1係合機構9が、カバー部材4の本体41に形成された突部45と、レンズ3の突出部37に形成された凹部36と、を有するものを示したが、カバー部材4側に凹部を形成し、レンズ3側に突部を形成するようにしてもよい。また、第1係合機構9として、突部と凹部以外の組み合わせを用いることもでき、要は、カバー部材4がレンズ3と係合可能で係合後にレンズ3から離脱不能となればよい。
【0048】
また、前記実施形態においては、第2係合機構10が、カバー部材4の本体41に形成された爪部44と、キャップ部材5に形成された凹溝53と、を有するものを示したが、カバー部材4側に凹溝を形成し、キャップ部材5側に爪部を形成するようにしてもよい。また、第2係合機構10として、爪部と凹溝以外の組み合わせを用いることもでき、要は、カバー部材4とキャップ部材5とが係脱自在に係合すればよい。
【0049】
また、前記実施形態においては、受容孔31にてLED装置21とレンズ3が離隔しているものを示したが、LED装置21をレンズ3と接触させるようにしてもよい。これにより、LED装置21とレンズ3との間に空気が介在せず、光学的な制御が容易となる。また、受容孔31内に、LED装置21とレンズ3の間に可撓性の拡散シートを設け、LED装置21とレンズ3の間に空気が入り込まないようにしてもよい。
【0050】
また、前記実施形態においては、受容孔31が円柱形状であるものを示したが、多角柱状や半球状であってもよい。
また、カバー部材4の本体41を円筒状に形成したが、例えば角筒状のような他の筒状としてもよい。さらに、カバー部材4は、例えば半球状であってもよく、その形状を任意に変更することができる。
【0051】
また、LED光源2の構成も任意であり、例えば基板を設けない構成としたり、例えば砲弾型のLED装置を用いた構成としてもよい。また、LED光源2の発光色も任意であり、前記実施形態のように白色としてもよいし、赤色、橙色、緑色、青色等としてもよい。
【0052】
また、前記実施形態においては、レンズ3が無色透明であるものを示したが、有色のレンズ3としてもよいことは勿論である。また、レンズ3として、下端に発光が集中するものを例示したが、全体的に均一に発光するレンズ3を用いてもよく、その他の細部構成についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0053】
1 発光装置
2 LED光源
3 レンズ
4 カバー部材
5 キャップ部材
6 ハーネス
7 パイプ
8 カラー部材
9 第1係合機構
10 第2係合機構
21 LED装置
22 基板
23 コネクタ
31 受容孔
31a 平坦面
32 突出面
32a 平坦面
33 当接面
34 傾斜面
35 下端面
41 本体
42 上端面
43 挿通孔
44 爪部
44a 延在部
44b 突出部
45 突部
46 リブ部
51 本体
52 挿通孔
53 凹溝
71 孔部
81 突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LED光源と、
前記LED光源から発せられる光が入射するレンズと、
前記レンズに取り付けられ前記LED光源を覆うカバー部材と、
前記レンズと前記カバー部材とを係合させ、係合後に前記カバー部材を前記レンズから離脱不能とする第1係合機構と、
前記カバー部材に取り付けられ前記カバー部材を覆うキャップ部材と、
前記カバー部材と前記キャップ部材とを、係脱自在に係合させる第2係合機構と、を備える発光装置。
【請求項2】
前記第1係合機構は、
前記レンズ及び前記カバー部材の一方に設けられた突部と、
前記レンズ及び前記カバー部材の他方に設けられ前記突部と係合する凹部と、を有する請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記カバー部材は、前記LED光源を覆う筒状に形成された本体と、前記本体の内周面に形成された複数の前記突部と、を有し、
前記レンズは、前記本体の内部に配置される突出部と、前記突出部の基端側に形成され複数の前記突部を受容可能な凹部と、を有する請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記カバー部材は、前記本体の内周面に形成され前記LED光源の位置決めを行うリブ部を有する請求項3に記載の発光装置。
【請求項5】
前記LED光源は、基板と、前記基板に実装されるLED装置と、を有し、
前記レンズは、前記突出部の先端に前記LED装置を受容する受容孔を有し、
前記基板は、前記レンズの前記突出部の先端と当接する請求項4に記載の発光装置。
【請求項6】
前記第2係合機構は、
前記カバー部材及び前記キャップ部材の一方に設けられた爪部と、
前記カバー部材及び前記キャップ部材の他方に設けられ前記爪部と係脱自在な被係合部と、を有する請求項5に記載の発光装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2010−225507(P2010−225507A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−73470(P2009−73470)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【Fターム(参考)】