説明

発光装置

【課題】発光装置を提供する。
【解決手段】発光装置は、第1の長さを持つ上面を有する内側カバーと、内側カバーの上に位置し且つ第2の長さを持つ上面を有する基部と、基部を支持する載置体とを含み、第1の長さは第2の長さより大きい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置に係り、特に、突出する外側カバーを有する発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
固体照明装置に用いられる発光ダイオード(LED:light-emitting diode)は、低エネルギー消費、低放熱、長い動作寿命、防振、小体積、速い反応速度、及び出力された光の波長が安定であるという良好な光電気的性質を有するため、発光ダイオードは家庭用照明及び機器表示ランプ等の光電気製品に広く適用されている。光電機技術の発展に伴い、固定照明は照明の効率、動作寿命及び輝度において、進歩が顕著だったため、近年発光ダイオードは一般の照明用途に適用されている。しかし、或る用途、例えば全方向の光学場(光照射野)の発光ダイオード灯器が必要である場合は、従来の発光ダイオードはこのような要求を満足していない。
【0003】
また、発光ダイオードは他の装置と結合して発光装置を形成することができる。例えば、発光ダイオードを基板上に設置して、載置体の一方側に接続される、或いは、載置体と発光ダイオードとの間にはんだ接点又は接合物などの材料を形成することで発光装置を形成する。それ以外は、載置体には、発光ダイオードの電極に電気的接続される回路を含んでもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一の態様によれば、第1の長さを持つ上面を有する内側カバーと、前記内側カバーの上に位置し、且つ第2の長さを持つ上面を有する基部と、前記基部を支持する載置体と、を含み、前記第1の長さは前記第2の長さより大きい、発光装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の第1実施例に係る発光装置の透視図。
【図2A】本発明の第1実施例に係る発光装置の外側カバー及び内側カバーの断面図。
【図2B】本発明の第1実施例に係る発光装置の外側カバー、内側カバー及び接続装置の断面図。
【図3】本発明に係る発光装置から出射する光の光学場の分布座標システムを示す図。
【図4A】形状の異なる各種の外側カバーを示す図。
【図4B】形状の異なる各種の外側カバーを示す図。
【図4C】形状の異なる各種の外側カバーを示す図。
【図4D】形状の異なる各種の外側カバーを示す図。
【図4E】形状の異なる各種の外側カバーを示す図。
【図4F】形状の異なる各種の外側カバーを示す図。
【図5】本発明の第2実施例に係る発光装置の外側カバーの断面図。
【図6】本発明の第1実施例に係る発光装置及び接続装置の透過斜視図。
【図7】本発明の第1実施例に係る発光装置の回路図。
【図8A】本発明の第3実施例に係る外側カバー及び内側カバーの断面図。
【図8B】本発明の第4実施例に係る外側カバー及び内側カバーの断面図。
【図8C】本発明の第5実施例に係る外側カバー及び内側カバーの断面図。
【図8D】本発明の第6実施例に係る外側カバー及び内側カバーの断面図。
【図9A】本発明の第7実施例に係る外側カバーの断面図。
【図9B】本発明の第7実施例に係る、異なる粗化密度を有する外側カバーの断面図。
【図10A】本発明の第8実施例に係る外側カバー及び内側カバーの断面図。
【図10B】本発明の第9実施例に係る外側カバー及び内側カバーの断面図。
【図10C】本発明の第10実施例に係る外側カバー及び内側カバーの断面図。
【図10D】本発明の第11実施例に係る外側カバー及び内側カバーの断面図。
【図11】内側カバーの断面図。
【図12A】異なる距離(D)における発光強度の分布をシミュレートすることを示す図。
【図12B】異なる距離(D)における発光強度の分布をシミュレートすることを示す図。
【図12C】異なる距離(D)における発光強度の分布をシミュレートすることを示す図。
【図12D】異なる距離(D)における発光強度の分布をシミュレートすることを示す図。
【図12E】異なる距離(D)における発光強度の分布をシミュレートすることを示す図。
【図13A】形状の異なる各種の内側カバーを示す図。
【図13B】形状の異なる各種の内側カバーを示す図。
【図13C】形状の異なる各種の内側カバーを示す図。
【図14A】発光強度の分布をシミュレートすることを示す図。
【図14B】発光強度の分布をシミュレートすることを示す図。
【図14C】発光強度の分布をシミュレートすることを示す図。
【図15A】形状の異なる各種の内側カバーを示す図。
【図15B】形状の異なる各種の内側カバーを示す図。
【図15C】形状の異なる各種の内側カバーを示す図。
【図15D】形状の異なる各種の内側カバーを示す図。
【図15E】形状の異なる各種の内側カバーを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明を適切且つ簡潔に解釈、説明するため、明細書の異なる部分又は異なる図面において同様な名称及び符号が登場している。従って、一旦定義された名称又は符号は、明細書の如何なる部分に現れると、一致する又は同一の意味を持つと見なされる。
【0008】
次に、図面を参照しながら、本発明を実施するための各実施例を説明する。
【0009】
図1及び図2Aは、本発明の第1実施例に係る発光装置100を示している。発光装置100は一つの電球である。発光装置100は、外側カバー(外カバー)11、光源14、光源14を制御するように光源14に電気的接続されている回路部30、及び光源14により生じる熱を発光装置100から発散させるように外側カバーと回路部30との間に設置される放熱装置20を含む。
【0010】
図2Aに示すように、外側カバー11は第1の部分111及び第2の部分112を含み、内部にチャンバー113を形成し、光源14がチャンバー113の内部に設けられている。第1の部分111は外側カバー11の中心位置に配置され、第2の部分112は第1の部分111を取り囲んでおり、且つ第1の部分111と反対の方向に沿って対称的に延出する。第1実施例では、第1の部分111と第2の部分112とは、同じ材料を含む。本実施例では、外側カバー11の第1の部分111は、第1の部分111から光源14への方向に沿って延伸する突出部13を有することで、第1の部分111は第2の部分112より厚い平均厚さを有する。第1実施例では、第1の部分111の平均厚さは、少なくとも第2の部分112の平均厚さより2倍厚い。第1の部分111の突出部13は、内部表面と定義され、且つ光源14に向かう曲面134を有し、この内部表面が光源14に比べて、より広い平面上の投影面積を有する。本実施例では、突出部13は、第1の部分111が不均一の厚さを有するように半円形の断面を有し、第1の部分111の中間部131が第1の部分111の周辺部132より厚い。一方、第2の部分は実質的に一致する厚さを有する。第1の部分111の平均厚さが第2の部分112の平均厚さより厚いため、第1の部分111の透過率が第2の部分112の透過率よりも低い。このため、光源14から発する光の一部が第1の部分111により反射される。第1の部分111と第2の部分112とは厚さが異なるため、全方向の光学場(光照射野)が形成される。第1実施例では、光源14から発する光のうち80%未満の部分は第1の部分111を透過することができ、光源14から発する光のうち80%を超えた光は第2の部分112を透過する。なお、第1の部分111及び第2の部分112はその内に拡散された複数の拡散粒子、例えばTiO、SiO又は空気を含み、拡散粒子が多ければ多いほど、第1の部分111及び第2の部分112の透過率が低くなる。
【0011】
発光装置100は光源14を支持する載置体15を更に含み、載置体15の外周部分151が外側カバー11に接続される。載置体15は外側カバー11と放熱装置20との間に位置しており、光源14は載置体15上又はその上方に直接設置されている。他の実施例では、光源14はチャンバー113の中心に位置し、且つ支柱(図示せず)を介して載置体15により支持される。載置体15及び支柱は放熱の特性を有することで、光源14により生じる熱を放熱装置20へ伝導することができる。載置体15及び支柱の材料は、石英、ガラス、ZnO、Al、Cu、又はNiであってもよい。
【0012】
本実施例では、突出部13と外側カバー11(第1の部分111及び第2の部分112)とは同じ材料を含み、成形の方式で製作され、例えば射出成形であり、一体成形の方式で単一の物を形成する。ここで、「一体成形」とは、突出部13と外側カバー11との間に継ぎ目がないことを意味する。図2Bに示すように、第2の部分112は、第1の部分111から延伸する上部1121、及び上部1121から下へ延伸する下部1122を有し、載置体15は下部1122に接続される。一の実施例では、図2Bに示すように、第2の部分112の上部1121及び下部1122は、二つの分けられる部分を形成し、載置体15に接近して設置される接続装置19を介して接続される。また、接続装置19は外側カバー11(図示せず)の中間部分に位置してもよく、接続装置19は、ねじ、固く係止させる係止部材、係止部材、又はクリップを含む。他の実施例では、上部1121と下部1122とは単一シートの部材を構成する。外側カバー11の材料は、ガラス、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリウレタン(PU)、ポリエチレン(PE)等の重合体を含み、突出部13は中が詰まっている構造又は中空の構造であってもよい。
【0013】
図2Aに示すように、突出部113は内部表面に形成される反射膜133を更に含む。このため、光源14から発する光が図2Aにおける矢印Lに示す各種の方向に沿った場合は、一部の第2の部分112を経て外側カバー11から離れた光、及び一部の突出部13への光は、反射膜133で実質的に反射されて下へ外側カバー11を透過することで、一部の光が平面Pの下方に透過する。光源14は図3のθ=0°の方向に位置する光軸Axを有する。平面Pは、図3のθ=90°の方向に位置し、光軸Axに垂直する水平面であり、光源14が配置される載置体15と同じ平面になる。具体的には、図3に示される座標システムは、光源14又は発光装置100から出射する光により形成される光学場の分布座標システムを示すためのものであり、光照明の方向は0°〜180°の座標θで示される。上に反射膜133が形成される突出部13、又は形成された第1の部分111と第2の部分との厚さの差により、発光装置100により発する光の照明方向が135°〜−135°の範囲にあり(Ψ1=270°)、全方向の光学場となる。ここで、「全方向の光学場」とは、光源14から発する光のうち5%を超えた光がー135°〜135°の範囲(Ψ2=90°)に存在することを意味する。「反射膜133で実質的に反射され」とは、光源14から発する光のうち90%を超えた光が反射膜133で反射され、且つ10%未満の光が第1の部分111を透過することを意味する。一の実施例では、反射膜133は、内部表面に相対する外部表面に設置されてもよく、反射膜133の成分はアルミニウム又は銀を含む。また、反射膜133は反射層(図示せず)であってもよく、分布Bragg反射器を形成する複数のサブ層を含む。他の実施例では、突出部13は、光を散乱させるため、例えばナノメートル構造の粗化表面を含んでもよい。
【0014】
図4A乃至図4Fは、形状の異なる各種の外側カバーを示している。図4Aに示すように、突出部23は、方形の断面を有し、その上に形成される反射膜233を有する。図4Bに示すように、突出部33は、断面が方形の第1の部分331、及び第1の部分331から光源方向に向けて延伸する第2の部分332を有し、第2の部分332は横断面において頭を切る接平面を有する。また、反射膜333は突出部33の第1の部分331及び第2の部分332に形成されている。図4Cに示すように、突出部43は、2つの断面が梯形の傾斜側壁431を含み、突出部43はその上に形成される反射膜433を更に含む。図4Dに示すように、突出部53は断面が方形の第1の部分531、及び第1の部分531から光源に向かう方向に沿って延伸し且つ断面が円形となる第2の部分532を有し、突出部53は同じようにその上に形成される反射膜533を含む。図4Eに示すように、突出部63は、第1の部分111の中心位置に位置する尖端631、及び尖端631から外へ発散するように延伸する2つの曲面632を含み、突出部63はその上に形成される反射膜633を更に含む。図4Fに示すように、突出部73は、図4Eに類似する構造を有し、突出部73は第1の部分111の中心位置に位置する平面731を有する以外に、突出部73はその上に形成される反射膜733を更に含む。
【0015】
図5は、本発明の第2実施例に係る発光装置200の外側カバーを示している。第2実施例に係る発光装置200は、第1実施例に係る発光装置100と似ている構造を有する。本実施例では、外側カバー81の第2の部分812は光線を散乱させるための粗化表面8121を有し、粗化表面8121はナノメートル構造であり、且つ第2の部分812の複数の領域に形成されてもよい。
【0016】
図6は、本発明の第1実施例に係る発光装置100を示す透過斜視図である。図6に示すように、光源14は載置体15に配置される載置板16に電気的接続されており、載置板16はプリント回路板であってもよい。図7は、回路部30を示す回路図である。回路部30は、交流信号を提供する電源に電気的接続されるブリッジ整流器(図示せず)を含み、交流信号を受信して、交流信号を直流信号に整流する。本実施例では、光源14は互いに直列する複数の発光ダイオードを含む。なお、複数の発光ダイオードは、互いに並列する、或いは直列−並列されてもよい。光源14は同じ波長を発する発光ダイオードを含んでもよい。他の実施例では、光源14は、混光の効果を達成するように、異なる波長を発する発光ダイオード、例えば赤色光、緑色光、又は青色光の発光ダイオードを含んでもよく、或いは、複数の発光ダイオードに波長変換装置を設け、波長変換装置により変換後の光が光源14により発する光と異なる波長を有してもよい。また、他の実施例では、光源14は点光源、平面光源、又は複数の発光ダイオードを一列に並べた線光源であってもよい。
【0017】
図8Aは、本発明の第3実施例に係る発光装置300の外側カバーを示している。第3実施例に係る発光装置300は、第1実施例に係る発光装置100と類似する構造を有する。発光装置300は、チャンバー113内に配置される内側カバー(内カバー)18を含み、内側カバー18は光源14の上方に配置され、且つ光源14を覆う。内側カバー18の内部は内側チャンバー183とされ、光源14は内側チャンバー183の内部に配置される。本実施例では、内側カバー18は、2つの傾斜側壁181と凹部182とを有し、凹部182は、2つの傾斜側壁181の間で延伸し、且つ傾斜側壁181と一体成形されている。凹部182は三角形の断面を有し、本実施例では、光源14から発する光のうち80%を超えた光が内側カバー18を透過して外側カバー11の突出部13へ照射して、突出部13により反射されて、全方向の光学場が形成される。また、第1の部分111は、平面上において内側カバーよりも大きい面積を有する。内側カバー18は中空であり且つ光源14と隔てられており、内側カバー18の材料は、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリウレタン(PU)、ポリエチレン(PE)、又は酸化物であってもよく、例えば石英、ガラス、又はZnOであってもよい。一の実施例では、傾斜側壁181は、過熱輻射の伝導効果を増加するように、その上に形成される、複数のZnO材質のナノメートル線を有してもよい。
【0018】
図8Bは、本発明の第4実施例に係る発光装置400の外側カバーを示している。第4実施例に係る発光装置400は、第3実施例に係る発光装置300と類似する構造を有する。内側カバー28は一つの凹部282、凹部282に相対する位置にある平面283、及び凹部282と平面283との間で延伸する2つの傾斜側壁281とを含む。内側カバー28は、中が詰まっており、且つ内側カバー28と光源14との間に空気隙間29を含む。また、内側カバー28と光源14との間には、熱伝導係数がエポキシ樹脂又は0.2W/m*Kより低い断熱材料を有し、断熱材料はナノシリコン(nano meter silicon)又はナノメートル構造の材料を含む。他の実施例では、平面283及び/又は2つの傾斜側壁281には波長変換装置(図示せず)が形成されている。
【0019】
図8Cは、本発明の第5実施例に係る発光装置500の外側カバーを示している。第5実施例に係る発光装置500は、第3実施例に係る発光装置300と類似する構造を有する。内側カバー38は、チャンバー113の中に配置され、且つ光源14の上方に位置する。内側カバー38の内部は一つの内側チャンバー313とされ、光源14は内側チャンバー313の内部に配置される。外側カバー11及び内側カバー38はその中に複数の拡散粒子(図示せず)を含み、拡散粒子が多ければ多いほど透過率がより低い。従って、外側カバー11及び内側カバー38における拡散粒子の濃度は、全方向の光学場を形成するように、異なる濃度に調整されてもよく、拡散粒子の材料はTiO、SiO又は空気を含む。本実施例では、内側カバー38は、光線を変換して光源14から発する光を異なる波長の光線にさせるように、外部表面上に形成され且つ突出部13に向かう波長変換装置381を更に含む。一の実施例では、内側チャンバー313は、熱伝導係数がガラス又は0.8W/m*Kより低い断熱材料を有してもよい。又は、好適な一の実施例では、波長変換装置381により生じる熱が光源14に伝導して戻られて、光源14の発光効率が減少することを回避するため、断熱材料の熱伝導係数は、エポキシ樹脂又は0.2W/m*Kより低くてもよい。断熱材料はナノシリコン(nano meter silicon)又はナノメートル構造の材料を含む。
【0020】
図8Dは、本発明の第6実施例に係る発光装置600の外側カバーを示している。第6実施例に係る発光装置600は、第3実施例に係る発光装置300と類似する構造を有する。内側カバー48は、一つの球形断面の第1の部分481及び第2の部分482を有する。内側カバー48は中空であり且つ内部が内側チャンバー483とされ、光源14は内側チャンバー483の内部に配置される。第2の部分482は、光源14からの光を反射するように銀(Ag)又はアルミニウム(Al)の材料により構成される、或いは銀又はアルミニウムの反射膜を第2の部分482の上を覆う材料とする。
【0021】
図9Aは、本発明の第7実施例に係る発光装置700の外側カバーを示している。外側カバー41は内面411に形成される粗化構造、及び内面411に対向する位置にある平滑な外面412を有する。外側カバー41の材料はガラス又はプラスチックを含み、プラスチックは、例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリウレタン(PU)、ポリエチレン(PE)であってもよい。本実施例では、粗化構造は、砂吹き、射出成形、表面研磨、又はアセトン、酢酸エチル若しくは酢酸モノメチルエーテルなどのエッチング剤でウェットエッチングの方式により形成される。本実施例では、内面411における粗化構造の全ては、均一な粗化密度を有する。一方、図9Bに示すように、内面41の粗化密度は異なる、即ち粗化構造は、中心部分4111から外側カバー41の外周部分4112まで次第に変化する粗化密度を有する。粗化密度が異なるため、光源14から発する光が外周部分4112により散乱されるが、より多くの部分が中心部分4111により散乱される。粗化密度は曇り価度(Haze value、又はH value)で評価され、曇り価度は光全体(total light)に対する散乱された光(scattering light又はS)の比率と定義され、光全体とは、散乱された光(scattering light又はS)に透過した光(transmitted light又はT)を加えるものを指す。中心部分4111の曇り価度は0.5〜0.9の間にあり、外周部分4112の曇り価度は0.3〜0.6の間にある。
【0022】
図10Aは、本発明の第8実施例に係る発光装置800の外側カバー示している。第8実施例に係る発光装置800は第6実施例に係る発光装置600と類似する構造を有する。内側カバー58は第1の導光部581及び第2の導光部582を有する。第1の導光部581は筒状の断面を有し、光源14から生じる光を第2の導光部582へ効率的に導く。内側カバー58は、第2の導光部582の上に設置される波長変換装置583を更に含むことで、波長変換装置583により変換された光と光源14により生じた光とは異なる波長を有する。第2の導光部582は、梯形の断面を有し、第1の導光部581からの光を波長変換装置583へ反射する。光源14から発する光は、第1の導光部581及び第2の導光部582を経て波長変換装置583への方向に沿って進行して、光線が波長変換装置583内に散布された粒子により変換されて散乱されることで、光線が上又は下に向けて第1の導光部581及び第2の導光部582を透過して、外側カバー11を透過して、全方向の光学場を形成する。本実施例では、第1の導光部581及び第2の導光部582は同様の材料、例えばPMMA、PC、シリコン又はガラスを有する。一の実施例では、内側カバー58は、熱伝導係数がガラス又は0.8W/m*Kより低い断熱材料を有してもよい。又は、好適な一の実施例では、波長変換装置583により生じる熱が光源14に伝導して戻られて、光源14の発光効率が減少することを回避するため、断熱材料の熱伝導係数は、エポキシ樹脂又は0.2W/m*Kより低くてもよい。断熱材料はナノシリコン又はナノメートル構造の材料を含む。
【0023】
図10Bは、本発明の第9実施例に係る発光装置900外側カバーを示している。第9実施例に係る発光装置900は、第8実施例に係る発光装置800と類似する構造を有する。内側カバー68は、波長変換装置683の上に形成される第3の導光部684を更に含み、波長変換装置683は第2の導光部682と第3の導光部684との間に挟まれている。第3の導光部684は光線を横方向に反射する2つの曲面を含む。第1の導光部681、第2の導光部682、及び第3の導光部684は何れも、中が詰まっている構造又は中空の構造であってもよい。
【0024】
図10Cは、本発明の第10実施例に係る発光装置1000の外側カバーを示している。第10実施例に係る発光装置1000は、第9実施例に係る発光装置900と類似する構造を有し、外側カバー71、内側カバー78、第1の導光部781、第2の導光部782、及び第3の導光部784を含む。第1の導光部781は梯形の断面を有し、光線を第2の導光部782へ導き、第2の導光部782及び第3の導光部784は共に半円形の断面を有している。波長変換装置783は、第2の導光部782と第3の導光部784との間に挟まれている。第2の導光部782及び第3の導光部784の形状により、第2の導光部782、第3の導光部784と空気との間で発生する全反射が軽減する。同様に、光源14から発する光は、第1の導光部781及び第2の導光部782を経て波長変換装置783への方向に沿って進行して、光線が波長変換装置783内に散布された粒子により変換されて散乱されることで、光線が上又は下へ外側カバー71を透過して、全方向の光学場を形成する。一の実施例では、第1の導光部781及び第2の導光部782は、熱伝導係数がガラス又は0.8W/m*Kより低い断熱材料を有してもよい。又は、好適な一の実施例では、波長変換装置783により生じる熱が光源14に伝導して戻られて、光源14の発光効率が減少することを回避するため、断熱材料の熱伝導係数は、エポキシ樹脂又は0.2W/m*Kより低くてもよい。断熱材料はナノシリコン又はナノメートル構造の材料を含む。
【0025】
図10Dは、本発明の第11実施例に係る発光装置1100の外側カバーを示している。発光装置1100は、外側カバー81内のチャンバー113まで延伸された放熱装置20、及びチャンバー113内に配置される光源14を有する。内側カバー88は、光源14の上方に形成され、且つ導光部881と導光部の上方に位置する波長変換装置883とを含む。光源14がチャンバー113の中心に位置するため、光源14から発する光線が波長変換装置883の方向に進行する場合は、光線が波長変換装置883に散布された粒子により変換されて散乱され、光線が上及び下へ外側カバー81を透過して全方向の光学場を形成する。一の実施例では、導光部881は、熱伝導係数がガラス又は0.8W/m*Kより低い断熱材料を有してもよい。又は、好適な一の実施例では、波長変換装置883により生じる熱が光源14に伝導して戻られて、光源14の発光効率が減少することを回避するため、断熱材料の熱伝導係数は、エポキシ樹脂又は0.2W/m*Kより低くてもよい。断熱材料はナノシリコン又はナノメートル構造の材料を含む。
【0026】
図11は、本発明の第12実施例に係る発光装置1200を示している。図11に示すように、発光装置1200は基部21を含み、内側カバー98の形状は、上面221の長さが第1の長さ(L1)であり、下面222の長さが第2の長さ(L2)であり、高さが高さ(H)である梯形となる。本実施例では、基部21は外側カバー91のチャンバー113内に延伸し、光源14は基部21の上に設置される。言い換えれば、基部21及び光源14は共に外側カバー91のチャンバー113内に配置される。チャンバー113は、光源14から発する光に対して透明又は半透明の材料が選択的に充填されてもよく、また、外側カバー91内の温度、特に光源14の温度の降下に寄与する。特に、外側カバー91内に充填される材料は、低導電性及び高透明性を有する流体又は固体であってもよく、流体は例えば水、アルコール、メタノール、又は油を含む。
【0027】
基部21は、一種類又は複数種類の熱伝導材料を適宜選択して構成され、光源14により生じる熱を放熱装置20へ伝導する(図1参照)。熱伝導材料は、セラミック、重合体、又は金属を含み、ここで、金属は、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄を含み、放熱装置20と基部21とは同じ材料で構成されている。また、基部21の上面211の長さは第3の長さ(L3)となり、載置体15の長さは第4の長さ(L4)となる。第2の長さ(L2)に対する第1の長さ(L1)の比率は2よりも大きく、第2の長さ(L2)に対する高さ(H)の比率は1〜1.5にあり、高さ(H)は3〜9mmにあり、下面と高さとの夾角(α)は106°〜132.5°にある。一の実施例では、第1の長さ(L1)と第2の長さ(L2)と第3の長さ(L3)と第4の長さ(L4)との関係は、L4>L1>L3及びL4>L1>L2となり、第3の長さは第2の長さより大きくてもよく、第3の長さと第2の長さと同じであってもよく、又は、第3の長さは第2の長さより小さくてもよい。第1の長さ(L1)が第2の長さ(L2)、第3の長さ(L3)よりも大きい場合は、光源14から発する光線が基部21により阻止されず、側壁981を経ることで、全方向の光学場が形成される。図12A乃至図12Eは、異なる距離(D)における発光強度の分布をシミュレートすることを示している。距離(D)は、図11に示すように、光源14から載置体15までの距離を指す。図12A乃至図12Eは、距離(D)が0、5、10、15、又は20センチメートルの模擬図を示しており、距離(D)が大きければ大きいほど、光の出射方向が0°〜90°の範囲における光の強度が大きい。
【0028】
図13A乃至図13Cは、形状の異なる各種の内側カバーを示し、図14A乃至図14Cは、形状の異なる各種の内側カバーの場合において、発光強度の分布をシミュレートすることを示している。図13Bに示すように、内側カバー208が2つの曲面2081を有する場合は、発光強度は、角度の範囲が110°〜130°にある方向において、図13Aに示す内側カバー108の場合より高い。また、内側カバー308が導光部3081を有する場合は、発光強度は、全ての方向において図13Aに示す内側カバー108より高いため、全方向の光学場という効果が達成される。
【0029】
他の実施例では、図15Aは、図13Bにおける内側カバー208と類似する内側カバー408を示す断面図である。内側カバー408は、2つの表面領域4081、2つの側壁4082、及び一つの下面4083を有する。表面領域4081と下面4083との間には、20°〜40°の夾角をなし、側壁4082が下面4083に対して30°〜60°の夾角をなしている。図15Bに示すように、表面領域4081と側壁4082とは、直線に形成し、且つ一点で交わって尖端4085を形成している。内側カバー408は、尖端4085全てが被覆されるように、一部の表面領域4081及び/又は一部の側壁4082に位置する波長変換装置4086により選択的に被覆される。図15Cに示すように、曲がっている表面領域4081’及び側壁4082’により尖端4085を構成しており、波長変換装置4086が尖端4085の全てを完全に覆う。他の実施例では、側壁4082’は曲面であって、表面領域4081’と接続して、曲面を有する尖端4085’を形成してもよい。図15Dに示すように、内側カバー408の上面は、2つの斜面領域4081と、2つの斜面領域4081の間にある平面領域4084とを有する。波長変換装置4086は2つの斜面領域4081及び平面領域4084の上に形成され、一致する厚さを有する。図15Eに示すように、波長変換装置4086’の厚さは、尖端4085から平面領域4084への方向において次第に変わる。一のの実施例では、波長変換装置4086’は、一致する色温度を生じるように、尖端4085に接近する部分における厚さが平面領域4084に接近する部分における厚さより厚い。
【0030】
上記の説明は、本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明の実施の範囲がこれらに限定されず、本発明の特許請求の範囲及び明細書の内容に基づいて、当業者によって何れの変更及び修飾が可能であり、本発明の保護範囲は特許請求の範囲を基準とする。
【符号の説明】
【0031】
100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200 発光装置
11、41、71、81、91 外側カバー
14 光源
20 放熱装置
30 回路部
111 第1の部分
112、812 第2の部分
113 チャンバー
13、23、33、43、53、63、73 突出部
131 中間部
132 周辺部
133、233、333、433、533、633、733 反射膜
134、2081 曲面
15 載置体
151 外周部分
21 基部
221、211 上面
222 下面
1121 上部
1122 下部
331、531、481 第1の部分
332、532、482 第2の部分
431、981、4082、4082’ 側壁
631、4085 尖端
632、4085’ 曲面
731 平面
8121 粗化表面
16 載置板
18、28、38、48、58、68、78、88、98、108、208、308、408 内側カバー
183、313、483 内側チャンバー
181、281 傾斜側壁
182、282 凹部
19 接続装置
29 空気隙間
283 平面
381、583、683、783、883、4086、4086’ 波長変換装置
411 内面
412 外面
4111 中心部分
4112 外周部分
881、3081 導光部
581、681、781 第1の導光部
582、682、782 第2の導光部
684、784 第3の導光部
4081、4081’ 表面領域
4083 下面
4084 平面領域
L1 第1の長さ
L2 第2の長さ
L3 第3の長さ
L4 第4の長さ
H 高さ
α 夾角
D 距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の長さを持つ上面を有する内側カバーと、
前記内側カバーの上に位置し、且つ第2の長さを持つ上面を有する基部と、
前記基部を支持する載置体と、を含み、
前記第1の長さは前記第2の長さより大きい、発光装置。
【請求項2】
前記載置体の長さは前記第1の長さより大きい請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記内側カバーは、第3の長さを持つ下面を有し、且つ前記第3の長さは前記第2の長さより小さい請求項1に記載の発光装置。
【請求項4】
前記基部の上に位置し、且つ前記内側カバーで被覆される光源を更に含む請求項1に記載の発光装置。
【請求項5】
前記光源により生じた熱を前記発光装置から伝導して発散させるように前記載置体に接続される放熱装置を更に含む請求項4に記載の発光装置。
【請求項6】
前記基部と前記放熱装置とは同じ材料を含む請求項5に記載の発光装置。
【請求項7】
前記材料は、セラミック、重合体、又は金属を含み、前記金属は、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄を含む請求項6に記載の発光装置。
【請求項8】
前記載置体の外周に接続される外側カバーを更に含む請求項1に記載の発光装置。
【請求項9】
前記内側カバーは、前記上面の2つの斜面とが20°以上40°以下の夾角をなす下面を有する請求項1に記載の発光装置。
【請求項10】
前記2つの斜面の一部領域の上に形成される波長変換装置を更に含む請求項9に記載の発光装置。
【請求項11】
前記内側カバーは、前記上面の2つの斜面領域とが尖端を形成する側壁を有する請求項1に記載の発光装置。
【請求項12】
前記尖端を被覆する波長変換装置を更に含む請求項1に記載の発光装置。
【請求項13】
前記内側カバーは下面と斜面とを有し、前記下面と前記斜面とは30°以上60°以下の夾角をなす請求項1に記載の発光装置。
【請求項14】
前記内側カバーは曲がっている側壁を有し、該側壁と前記上面の2つの曲面領域とは一つの曲面を形成する請求項1に記載の発光装置。
【請求項15】
前記内側カバーの前記上面は、2つの斜面領域と、該2つの斜面領域の間に接続される一つの平坦領域とを有する請求項1に記載の発光装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【図12E】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図15D】
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【図15E】
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【公開番号】特開2013−105748(P2013−105748A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−247053(P2012−247053)
【出願日】平成24年11月9日(2012.11.9)
【出願人】(598061302)晶元光電股▲ふん▼有限公司 (44)
【Fターム(参考)】