説明

皮膚洗條具

【課題】細かい肌の凹凸にも適切に対応することができ、古い角質や老廃物等を確実に除去することができる皮膚洗條具を提供する。
【解決手段】形状保持用クッション部材と、クッション部材の表面の一部を被覆した表面織布とを有する皮膚洗條具に於て、表面織布を構成する糸5が、横断面放射線状の複数の放射線部6を有する芯用主繊維7と、隣り合う放射線部6間に配設された横断面略扇型の副繊維8を、有する。糸5の繊度を 0.1デニール以上 1.0デニール以下に設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚洗條具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗顔の際に、化粧品、薬用品、肌の角質等を除去するために皮膚洗條具が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかし、糸の断面が円形であって、かつ、糸の太さが1μmより太いので、細かい肌の凹凸に適切に対応しきれていないという欠点があった。また、使用回数を重ねるにつれて、菌が増えたり、カビが増えたり、悪臭がしたり、汚染されたりするという欠点があった。
【特許文献1】特開2005−103249号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする課題は、肌の凹凸に適切に対応できない点である。また、使用回数を重ねるにつれて、菌が増えたり、カビが増えたり、悪臭がしたり、汚染されたりする点である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明に係る皮膚洗條具は、形状保持用クッション部材と、該クッション部材の表面の一部を被覆した表面織布とを有する皮膚洗條具に於て、上記表面織布を構成する糸が、横断面放射線状の複数の放射線部を有する芯用主繊維と、隣り合う上記放射線部間に配設された横断面略扇型の副繊維を、有するものである。
また、糸の繊度を 0.1デニール以上 1.0デニール以下に設定したものである。
また、光触媒を含有するものである。
また、光触媒が酸化チタンから成るものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の皮膚洗條具によれば、細かい肌の凹凸にも適切に対応することができ、古い角質や老廃物等を確実に除去することができる。また、菌の繁殖、カビの繁殖、悪臭、汚染等を半永久的に確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1は、本発明の第1の実施の形態を示し、図2は図1のA−A拡大断面図を示す。この皮膚洗條具は、形状保持用クッション部材1と、クッション部材1の表面2の一部を被覆した表面織布3とを有する皮膚洗條具であって、洗顔後の拭き取り専用として使用される。すなわち、皮膚(肌)の表面を軽くこすることにより、肌表面の古い角質や老廃物等を除去するものである。クッション部材1は、発泡樹脂から成る。例えば、ウレタン水中発泡連続気泡体───株式会社伏見製薬所製「テクノポーラスブロック」等───から成る。ウレタン水中発泡連続気泡体は、吸水性・保水性・発水性が良い。クッション部材1が、補強用クッション部材4を内包する。補強用クッション部材4は、発泡樹脂から成る。補強用クッション部材4が連続気泡体であることが好ましい。
【0008】
図3に示すように、表面織布3(図1・図2参照)を構成する糸5が、横断面菊花紋様に形成されている。具体的には、表面織布3を構成する糸5が、横断面放射線状の複数の放射線部6を有する芯用主繊維7と、隣り合う放射線部6間に配設された横断面略扇型の副繊維8を、有する。糸5は合成樹脂から成る。例えば、芯用主繊維7がナイロンから成り、副繊維8はポリエステルから成る。糸5として、例えば、KBセーレン株式会社製の「ベリーマX」「ベリーマB」「ベリーマT」「ベリーマSX」等を用いることができる。
【0009】
糸5の繊度(平均繊度)が 0.1デニール以上 1.0デニール以下に設定されている。糸5の繊度が 0.1デニール未満のものは、製造するのが困難である。糸5の繊度が 1.0デニールを越えるものは、特にきめが細かい肌の古い角質等を除去しきれない。
【0010】
芯用主繊維7の放射線部6の本数は、6本以上に設定されている。放射線部6の本数が、5本未満の場合、適切な角質除去を行えない虞れがある。
【0011】
図2に戻って、クッション部材1が、酸化チタンから成る光触媒Sを含有する。例えば、伏見株式会社製の光触媒コーティング液「チターナルW」を用いることができる。
【0012】
なお、本発明は、設計変更可能であって、例えば、光触媒Sを省略するも良い。また、補強用クッション部材4を省略するも良い。
【0013】
以上のように、本発明は、形状保持用クッション部材1と、クッション部材1の表面2の一部を被覆した表面織布3とを有する皮膚洗條具に於て、表面織布3を構成する糸5が、横断面放射線状の複数の放射線部6を有する芯用主繊維7と、隣り合う放射線部6間に配設された横断面略扇型の副繊維8を、有するので、細かい肌の凹凸にも適切に対応することができ、古い角質や老廃物等を確実に除去することができる。つまり、芯用主繊維7の放射線部6の先端、及び、副繊維8の円弧部両端角部が、細かい肌の凹凸に入り込み、角質等を掻き出すことができる。すなわち、本発明の皮膚洗條具は、従来のように化粧品や薬用品を除去することを主な目的としたものとは異なり、従来の皮膚洗條具よりも飛躍的に角質除去能力を高めた発明である。また、肌触りが良い。つまり、芯用主繊維7と副繊維8の間に隙間があるので、収縮性があり、クッション性が優れる。
また、糸5の繊度を 0.1デニール以上1.0 デニール以下に設定したので、容易に製造できるとともに、細かい肌の凹凸にも適切に対応することができ、古い角質や老廃物等を確実に除去することができる。また、ヌバックのような肌触りの良いものとすることができる。
【0014】
また、光触媒Sを含有するので、菌の繁殖、カビの繁殖、悪臭、汚染等を半永久的に確実に防止することができる。すなわち、半永久的に、抗菌作用、防カビ作用、消臭作用、汚染防止作用を得ることができ、発水性が良いことから洗條効果も高く、衛生的に優れる。そして、快適に使用することができる。
また、光触媒Sが酸化チタンから成るので、菌の繁殖、カビの繁殖、悪臭、汚染等を半永久的に確実に防止することができる。すなわち、半永久的に、抗菌作用、防カビ作用、消臭作用、汚染防止作用を得ることができ、衛生的に優れる。そして、快適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の一形態を示す平面図である。
【図2】図1のA−A拡大断面図である。
【図3】糸の横断面を示す要部拡大図である。
【符号の説明】
【0016】
1 (形状保持用)クッション部材
2 表面
3 表面織布
5 糸
6 放射線部
7 (芯用)主繊維
8 副繊維
S 光触媒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
形状保持用クッション部材(1)と、該クッション部材(1)の表面(2)の一部を被覆した表面織布(3)とを有する皮膚洗條具に於て、上記表面織布(3)を構成する糸(5)が、横断面放射線状の複数の放射線部(6)を有する芯用主繊維(7)と、隣り合う上記放射線部(6)間に配設された横断面略扇型の副繊維(8)を、有することを特徴とする皮膚洗條具。
【請求項2】
糸(5)の繊度を 0.1デニール以上 1.0デニール以下に設定した請求項1記載の皮膚洗條具。
【請求項3】
光触媒(S)を含有する請求項1又は2記載の皮膚洗條具。
【請求項4】
光触媒(S)が酸化チタンから成る請求項3記載の皮膚洗條具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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