説明

監視用テレビカメラ装置

【課題】使用目的に応じて、設置した状態のまま保護カバーを着脱できる監視用テレビカメラ装置を提供する。
【解決手段】設置面Bに設置した監視用テレビカメラ装置1の基台2に対して、カメラ7を覆うドームカバー11を着脱可能に取り付けることができるから、使用目的に応じてドームカバー11を取り付けたり取り外したりして使い勝手を向上できる。また、ドームカバー11を取り外したとき、基台2と基盤3間を、該基台2に対して着脱可能なカバーにより覆うから、浮遊する塵埃等の侵入を防止できるとともに、基台2と基盤4間に段差を生じることなく連続して外観意匠上見栄えが良くなる。チルト軸6の回動角の切り換えは、ドームカバー11の着脱に基づいて自動的に行なわれ、ドームカバー11を取り外してカバー21を取り付けたときには撮像範囲が広がる大きな回動角に切り換わる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視用テレビカメラ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
設置面に設置する基台に回動可能に基盤を取り付け、該基盤に監視用テレビカメラを保持するチルト軸を取り付けて、基盤及びチルト軸の回動を遠隔制御できるようにした監視用テレビカメラ装置は、基台に対して監視用テレビカメラを保護するため保護カバーを取り付けたり、テレビカメラのレンズの指向方向を目立たなくするためいわゆるスモークカバーを取り付けたりできるようにしている。一方、撮像範囲を広げるため保護カバーを基台から取り外して使用することもある。
【0003】
しかしながら、従来の監視用テレビカメラ装置は、基台を設置面に設置した取り付け状態のまま、上記保護カバーやスモークカバーを取り外したり取り付けたりすることはできなかった。従って、監視用テレビカメラ装置全体を設置面から取り外さなければ、保護カバー等を基台から取り外したり取り付けたりすることはできないといういう問題点があった。
【特許文献1】なし
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする問題点は、使用目的に応じて、設置した状態のまま保護カバーを着脱できる監視用テレビカメラ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題点を解決するための請求項1に記載の監視用テレビカメラ装置は、設置面に設置する基台に回動可能に基盤を取り付け、該基盤に監視用テレビカメラを保持するチルト軸を取り付けて、前記基盤及びチルト軸の回動を遠隔制御できるようにした監視用テレビカメラ装置において、前記設置面に設置した基台に対して、前記監視用テレビカメラを覆う保護カバーを着脱できるようにしたことを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の監視用テレビカメラ装置は、請求項1に記載の構成において、前記保護カバーを取り外したとき、前記基台と基盤間を該基台に対して着脱可能なカバーにより覆うことを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の監視用テレビカメラ装置は、請求項1又は請求項2に記載の構成において、前記保護カバーの着脱を検出するセンサを設け、該センサの検出信号により前記チルト軸の回動角を、予め設定した回動角に切り換えるようにしたことを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の監視用テレビカメラ装置は、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の構成において、前記保護カバー及びカバーの基台に対する着脱は、バヨネット方式により行なうことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の監視用テレビカメラ装置によれば、設置面に設置した状態の監視用テレビカメラ装置の基台に対して、監視用テレビカメラを覆う保護カバーを着脱できるから、使用目的に応じて保護カバーを取り付けたり取り外したりして使い勝手を向上できる。
【0010】
請求項2に記載の監視用テレビカメラ装置によれば、保護カバーを取り外したとき、基台と基盤間を、該基台に対して着脱可能なカバーにより覆うから、塵埃等の侵入を防止できるとともに、基台と基盤間が段差なく連続して外観意匠上見栄えが良くなる。
【0011】
請求項3に記載の監視用テレビカメラ装置によれば、保護カバーの着脱を検出するセンサを設け、該センサの検出信号により前記チルト軸の回動角を、予め設定した回動角に切り換えることができる。従って、保護カバーを取り外してカバーを取り付けたときには撮像範囲が広がる大きな回動角に切り換え、カバーを取り外して保護カバーを取り付けたときには撮像範囲が狭まる小さな回動角に切り換えて、保護カバーの曲率により撮像画像が歪むのを回避して、監視用テレビカメラ装置を効率的に使用することができる。
【0012】
請求項4に記載の監視用テレビカメラ装置によれば、保護カバー及びカバーの基台に対する着脱はバヨネット方式により行なうから、着脱操作を簡単かつ容易に行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
使用目的に応じて保護カバーを着脱できる監視用テレビカメラ装置の使い勝手を向上するという目的を、設置面に設置した状態で保護カバーを着脱できるように監視用テレビカメラ装置を構成することで実現した。
【実施例】
【0014】
本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は実施例に係る監視用テレビカメラ装置1の正面図である。天井等に設けられた設置面Bに円筒形の基台2が設置されている。該基台2の内部には、回動軸3が設けられている。該回動軸3は、ステッピングモータを用いた駆動機構(図示せず)により駆動され所定角度範囲を正逆回動する。回動軸3には、基盤4が固定されている。該基盤4には、一対の軸支ブラケット5,5が設けられている。
【0015】
軸支ブラケット5,5間には、上記回動軸3に対して直角にチルト軸6が軸支されている。チルト軸6には、監視用テレビカメラ(以下、単にカメラという。)7が固定されている。チルト軸6は、ステッピングモータを用いた駆動機構(図示せず)により駆動され所定角度範囲を正逆回動する。これにより、カメラ7のチルト方向の撮像範囲が規定される。上記回動軸3及びチルト軸6を駆動する各ステッピングモータは、図示しないリモートコントローラの制御信号を受信する受信部8を備えた制御回路9により制御される。また、カメラ7が撮像したテレビ画像は、図示しない信号ケーブルを介して監視用モニタに表示される。
【0016】
上記監視用テレビカメラ装置1は、図1に示す保護カバーであるドームカバー11を取り外して撮像範囲を広げた形態と、図2に示すドームカバー11を取り付けた形態で使用される。ドームカバー11の基部の円筒部12は半透明に形成され、ドーム形状部13は透明に形成されている。ドームカバー11をスモークカバーとして、カメラ7のレンズの指向方向を目立たなくするすることもある。
【0017】
図3に示すように、ドームカバー11の円筒部12の端面12aには、120度角間隔で3個の係合片14が一体成形されている。各係合片14には、係入溝15が円筒部12の端面12aと平行に形成されている。係合片14の円周方向の先端部には、係止凹部16が形成されている。また、各係合片14には突起14aが一体成形されている。該突起14aは、ドームカバー11の着脱を検出するリミットスイッチLSをオン若しくはオフさせる。
【0018】
一方、図4に示すように、基台2のドームカバー装着面2aには、ドームカバー11の係合片14を係合する係合孔17が120度角間隔で3個形成されている。その内の2個の係合孔17には、上記受信部8を避けて円弧形の嵌入溝18がそれぞれ連成されている。また、各係合孔17には、嵌入溝18と逆方向にドームカバー装着面2aの下面に、係合片14が係合する係合溝19が形成されている。係合溝19の奥端部には、係止凹部16に嵌まる係止突部20が形成されている。そして、何れか1個の係合孔17の係合溝19に対応する部位に、上記リミットスイッチLSが基台2に固定されて配設されている。
【0019】
基台2のドームカバー装着面2aに対するドームカバー11の取り付けは、上記係合孔17に係合片14を係合させてドームカバー11を回動させ、該係合片14の係入溝15にドームカバー装着面2aを係入させるとともに、係合片14を係合溝19に係合させるバヨネット方式により行なう。このとき、係合片14の係止凹部16に係合溝19の係止突部20が嵌まって、係合片14の抜け外れが阻止される。
【0020】
そして、リミットスイッチLSが配設された係合溝19に係合する係合片14の突起14aにより、リミットスイッチLSがオン若しくはオフして、ドームカバー11の基台2に対する着脱が検出される。リミットスイッチLSのオン・オフ信号は、制御回路9に入力され、これに基づいて制御回路9はチルト軸6の回動角を予め設定した回動角に切り換える。
【0021】
チルト軸6の回動角は、ドームカバー11を取り付けた場合は、ドームカバー11を取り外してカバー21を取り付けた場合よりも小さく設定されている。これは、ドームカバー11のドーム形状部13の曲率により撮像画像が歪むのを回避するためである。ドームカバー11を取り外した場合は、撮像範囲が広がる回動角に設定されている。このように、チルト軸6の回動角の切り換えは、ドームカバー11の着脱により自動的に行なわれる。
【0022】
基台2からドームカバー11を取り外した状態では、該基台2と基盤3間にドームカバー装着面2aに形成した係合孔17及び円弧形の嵌入溝18が露出してしまう。また、基台2と基盤4間に段差を生じる。このため、図5に示すようなリング形のカバー21を取り付ける。カバー21は、ドームカバー装着面2aに形成した係合孔17に対応する3個の係合片22が形成されている。係合片22は突起が形成されていない点以外は、ドームカバー11の係合片14と同一形状で係入溝23及び係止凹部24が形成され、その内の2個には円弧形の嵌入溝18に嵌入する円弧形の嵌入突条25が連成されている。
【0023】
基台2のドームカバー装着面2aに対するカバー21の取り付けは、上記ドームカバー11と同様、基台2の係合孔17に係合片22を係合させてカバー21を回動させ、該係合片22の係入溝23にドームカバー装着面2aを係入させるとともに、係合片22を係合溝19に係合させるバヨネット方式により行なう。カバー21には、基台2に対する回動操作を容易にする指掛け突起26が形成されている。
【0024】
上記に説明した監視用テレビカメラ装置1は、設置面Bに設置した状態で基台2に対して、カメラ7を覆うドームカバー11を着脱できるから、使用目的に応じてドームカバー11を取り付けたり取り外したりして使い勝手を向上できる。また、ドームカバー11を取り外したとき、基台2と基盤3間を、該基台2に対して着脱可能なカバー21により覆うから、露出した係合孔17及び円弧形の係入溝18から塵埃等の侵入を防止できるとともに、基台2と基盤4間が段差を生じることなく連続して、外観意匠上見栄えが良くなる。
【0025】
さらに、チルト軸6の回動角の切り換えは、ドームカバー11の着脱に基づいて自動的に行なわれ、ドームカバー11を取り外してカバー21を取り付けたときには撮像範囲が広がる大きな回動角に切り換わる。また、カバー21を取り外してドームカバー11を取り付けたときには撮像範囲が狭まる小さな回動角に切り換わるから、ドームカバー11の曲率により撮像画像が歪むのを回避して、監視用テレビカメラ装置1を効率的に使用することができる。そして、ドームカバー11及びカバー21の基台2に対する取り付け取り外しはバヨネット方式により行なうから、その操作を簡単かつ容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】カバーを取り付けた状態の監視用テレビカメラ装置の正面図である。
【図2】ドームカバーを取り付けた状態の監視用テレビカメラ装置の斜視図である。
【図3】ドームカバーの斜視図である。
【図4】カバーを取り外した状態の監視用テレビカメラ装置の底面図である。
【図5】カバーの裏面図である。
【符号の説明】
【0027】
1 監視用テレビカメラ装置
2 基台
4 基盤
6 チルト軸
7 カメラ
11 ドームカバー
14,22 係合片
14a 突起
15,23 係入溝
17 係合孔
19 係合溝
21 カバー
LS リミットスイッチ
B 設置面


【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置面に設置する基台に回動可能に基盤を取り付け、該基盤に監視用テレビカメラを保持するチルト軸を取り付けて、前記基盤及びチルト軸の回動を遠隔制御できるようにした監視用テレビカメラ装置において、
前記設置面に設置した基台に対して、前記監視用テレビカメラを覆う保護カバーを着脱できるようにしたことを特徴とする監視用テレビカメラ装置。
【請求項2】
前記保護カバーを取り外したとき、前記基台と基盤間を該基台に対して着脱可能なカバーにより覆うことを特徴とする請求項1に記載の監視用テレビカメラ装置。
【請求項3】
前記保護カバーの着脱を検出するセンサを設け、該センサの検出信号により前記チルト軸の回動角を、予め設定した回動角に切り換えるようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の監視用テレビカメラ装置。
【請求項4】
前記保護カバー及びカバーの基台に対する着脱は、バヨネット方式により行なうことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の監視用テレビカメラ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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