説明

目立ち画像生成装置及び目立ち画像生成プログラム

【課題】評価対象の目立ちを色の差異を反映して定量的に評価する。
【解決手段】評価対象を撮像した撮像画像に対し、前記評価対象と周囲との色差が無い場合に目立ちが無いと評価し、前記評価対象と前記周囲との色差対比量が大の場合に、その大きさの度合いに応じて前記評価対象の目立ちを高く評価する色差目立ち評価部29と、前記色差目立ち評価部29の評価結果に基づいて、前記撮像画像の色差による目立ちの分布を示す目立ち画像を生成する画像化部25とを備える目立ち画像生成装置11を構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物の目立ちの度合いを評価する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、照明や自然光によって作り出される光環境を評価する技術として、評価対象の光環境を撮像した撮像画像に基づいて、光環境の輝度分布を示す輝度分布画像を生成し、この輝度分布画像を参照して光環境を評価する技術が知られている。
近年では、光環境について、人間が感じる明るさ知覚の分布を定量的に示した明るさ画像を輝度分布画像から生成し、明るさ知覚の画像に基づいて光環境を評価する技術も知られている。この技術では、予め定めた輝度と明るさ知覚との対応関係に基づいて、輝度分布画像の輝度を明るさ知覚に変換して評価対象の明るさ知覚を定量的に示す画像を生成している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開2006/132014号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、光環境において、評価対象が人間に知覚されやすいかどうか、すなわち、光環境の中で評価対象が目立っているかどうかは、評価対象の明るさ知覚だけで判別することはできない。
例えば、評価対象の輝度が低い場合であっても、評価対象の色が周囲と異なっているときには、その色の異なりによっては、当該評価対象が目立っていると知覚され得る。
より具体的には、均一高輝度を有する、同一色の面が視野全体に広がっている場合、明るさは知覚されうるが、目立ち知覚は検出されない。なぜなら、目立ちにおいては、輝度の絶対量は重視されず、あくまで対比の有無が重要だからである。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、評価対象の目立ちを色の差異を反映して定量的に評価できる目立ち画像生成装置及び目立ち画像生成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、評価対象を撮像した撮像画像に対し、前記評価対象と周囲との色差が無い場合に目立ちが無いと評価し、前記評価対象と前記周囲との色差対比量が大の場合に、その大きさの度合いに応じて前記評価対象の目立ちを高く評価する色差目立ち評価部と、前記色差目立ち評価部の評価結果に基づいて、前記撮像画像の色差による目立ちの分布を示す目立ち画像を生成する画像化部とを備えることを特徴とする目立ち画像生成装置を提供する。
【0006】
また本発明は、上記目立ち画像生成装置において、前記色差目立ち評価部は、前記評価対象と前記周囲との色差を、Wavelet解析により均等色度図上、或いは均等色空間での座標成分ごとの対比量を求めて座標間のユークリッド距離として算出した後、Wavelet解析により前記色差対比量を示す前記ユークリッド距離対比量を求め、当該ユークリッド距離対比量に基づいて目立ちを評価することを特徴とする。
【0007】
また本発明は、上記目立ち画像生成装置において、前記評価対象を撮像した撮像画像に対し、前記評価対象と周囲の輝度が等しい場合に目立ちが無いと評価し、前記評価対象と前記周囲の輝度対比量が大の場合に、その大きさの度合いに応じて前記評価対象の目立ちを高く評価する輝度目立ち評価部を備え、前記画像化部は、前記色差目立ち評価部と前記輝度目立ち評価部の評価結果に基づいて、前記撮像画像の色差及び輝度の目立ちの分布を示す目立ち画像を生成することを特徴とする。
【0008】
また本発明は、上記目的を達成するために、コンピューターを、評価対象を撮像した撮像画像に対し、前記評価対象と周囲の色差が無い場合に目立ちが無いと評価し、前記評価対象と前記周囲の色差対比量が大の場合に、その大きさの度合いに応じて前記評価対象の目立ちを高く評価する手段、及び、前記色差目立ち評価部の評価結果に基づいて、前記撮像画像の色差による目立ちの分布を示す目立ち画像を生成する手段として機能させることを特徴とする目立ち画像生成プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、評価対象を撮像した撮像画像に対し、前記評価対象と周囲の色差が無い場合に目立ちが無いと評価し、前記評価対象と前記周囲の色差対比量が大の場合に、その大きさの度合いに応じて前記評価対象の目立ちを高く評価し、この評価結果に基づいて、撮像画像から目立ちを反映した目立ち画像を生成する構成としたため、評価対象が周囲に対して、色の違いにより、どの程度目立っているかを目立ち画像から定量的に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る目立ち評価システムの構成を示す図である。
【図2】目立ち画像生成装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図3】色差目立ち評価部の機能的構成を示すブロック図である。
【図4】画素と周囲画素の関係を示す図である。
【図5】Δu’中間画像、Δv’中間画像、並びにΔu'v'色差画像の説明図である。
【図6】輝度目立ち評価部の機能的構成を示すブロック図である。
【図7】画像化部の機能的構成を示すブロック図である。
【図8】マグニチュード推定法に用いた刺激のサンプルを示す図である。
【図9】ターゲット領域のサイズ及び色度を可変したときのマグニチュード推定法による評価結果の一例を示す図であり、(A)はターゲット領域のサイズを可変した場合、(B)は色度を可変した場合を示す。
【図10】ターゲット領域のサイズ及び輝度比を可変したときのマグニチュード推定法による評価結果の一例を示す図であり、(A)はターゲット領域のサイズを可変した場合、(B)は輝度比を可変した場合を示す。
【図11】試験に用いた色のxy色度図の座標と輝度である。
【図12】目立ち画像生成処理のフローチャートである。
【図13】ウェーブレット分解を説明するための図である。
【図14】ウェーブレット分解を用いた周囲画素との対比の一例を示す図である。
【図15】ウェーブレット分解のレベルに応じた目立ち画像の生成を説明するための図である。
【図16】一色の背景に円板を配置した光環境を撮影した撮像画像データを模したサンプル図であり、円板のサイズ、及び色を可変して示すとともに、各撮像画像データの輝度分布を示す図である。
【図17】図16における撮像画像データを対象に目立ちを評価した目立ち画像のサンプル図である。
【図18】本発明の変形例に係る目立ち画像生成処理のフローチャートである。
【図19】本発明の他の変形例に係る目立ち画像生成処理のフローチャートである。
【図20】本発明の他の変形例に係る目立ち画像生成処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る目立ち評価システム1の構成を示す図である。
目立ち評価システム1は、カメラ7と、目立ち画像生成装置11と、表示装置13とを備えている。
カメラ7は、目立ちの評価対象を含む光環境3を撮像し、撮像画像のデジタルデータ(以下、「撮像画像データ5」と言う)を目立ち画像生成装置11に入力する。この撮像画像データ5には、光環境3の撮像画像の印刷画をスキャナー装置で読み取ってデジタルデータ化したデータを用いることもできる。または、撮像画像データ5には、光環境3をコンピュータグラフィックス(CG)で再現し、レンダリングしたデータを用いることもできる。
【0012】
目立ち画像生成装置11は、撮像画像データ5に基づいて目立ち画像データ9を生成し表示装置13に出力する。目立ち画像データ9は、光環境3に含まれる評価対象の目立ちを定量化して示す目立ち画像のデータである。この目立ち画像には、人が評価対象を視認したときに感じられる目立ちの程度を、擬似カラーを用いて領域ごとに色づけして表現したカラーマッピング画像が用いられる。
表示装置13は、目立ち画像データ9に基づく目立ち画像を表示するものであり、この表示により、ユーザーは、光環境3の評価対象の目立ちを定量的に把握できる。なお、この目立ち画像データ9をプリンター装置に出力して画像化しても良い。
【0013】
図2は、目立ち画像生成装置11の機能的構成を示すブロック図である。
目立ち画像生成装置11は、画像入力部21と、目立ち評価部23と、画像化部25と、画像出力部27とを備えている。画像入力部21は、撮像画像データ5を出力するカメラ7に接続され、このカメラ7から出力された撮像画像データ5を目立ち評価部23に出力する。この画像入力部21には、カメラ7の他にも、撮像画像データ5を出力する任意の機器を接続できる。目立ち評価部23は、撮像画像データ5に基づいて評価対象の目立ちを評価し、目立ち評価結果を画像化部25に出力する。画像化部25は、目立ち評価結果に基づいて、評価対象の目立ちを画像化した目立ち画像データ9を生成し、画像出力部27に出力する。画像出力部27は、目立ち画像データ9を表示装置13に出力する。
また、目立ち評価部23は、評価対象の色と周囲の色との色差に基づいて目立ちを評価する色差目立ち評価部29と、評価対象の輝度と周囲の輝度の輝度対比に基づいて目立ちを評価する輝度目立ち評価部30とを備え、評価対象の色及び輝度の両方を用いて総合的に目立ちを評価する。
なお、この目立ち画像生成装置11は、CPUやRAM、ROMを備えた、いわゆるコンピューターに、上記の各機能ブロックを実現するための目立ち画像生成プログラム15(図1)を実行させることで実施される。
【0014】
図3は、色差目立ち評価部29の機能的構成を示す図である。
色差目立ち評価部29は、評価対象と周囲との色差に基づいて目立ちを評価するために、カラー画像(RGB情報)である撮像画像の各画素の値を色座標情報に変換して目立ちを評価する。色座標情報には、座標間の2点間の距離が知覚的な色差に対応するよう設計された均等色度図或いは均等色空間の座標情報が用いられる。本実施形態では均等色度図であるu’v’色度図の座標情報を用いる。
【0015】
かかる色差目立ち評価部29の機能的構成について説明すると、図3に示すように、色差目立ち評価部29は、u’画像生成部31及びv’画像生成部33と、第1Wavelet(ウェーブレット)分解部35と、Δu’中間画像生成部36及びΔv’中間画像生成部37と、Δu’v’色差画像生成部38と、第2Wavelet分解部39と、係数処理部40と、を備えている。
u’画像生成部31は撮像画像データ5からu’画像を生成し、またv’画像生成部33は撮像画像データ5からv’画像を生成し、第1Wavelet分解部35に出力する。これらu’画像生成部31及びv’画像生成部33は、それぞれカメラ7から取得されるRGB情報を色度座標(u’,v’)に変換する近似マトリクス情報に基づいて撮像画像データ5の各画素のRGB値をu’色度成分及びv’色度成分のそれぞれに分解した画像に変換する。近似マトリクス情報は較正実験により求められ、色差目立ち評価部29に予め格納されている。
【0016】
第1Wavelet分解部35は、u’画像及びv’画像のそれぞれの各画素について、該画素(以下、「対象画素」と言う)を取り囲む画素(以下、「周囲画素」と言う)との各々との色度成分差を反映した色度成分対比量(u’対比量、及びv’対比量)を算出する。周囲画素Pは、図4に示すように、対象画素Oを中心とする半径Rの円の円周上に位置する画素として定義される。すなわち、対象画素Oを取り囲む周囲画素Pから成る色度成分と対象画素Oの色度成分対比が色度成分対比量として求められる。このとき、u’色度成分及びv’色度成分のそれぞれにおいて、対象画素Oが周囲画素Pよりも値が大きい場合(正対比)に色度成分対比量の符号が正となり、値が小さい場合(逆対比)に色度成分対比量の符号が負となる。また、この色度成分対比量は、周囲画素Pの全てに対して対象画素Oの色度成分対比が大きい場合に、その絶対値は最大となり、対象画素Oとの色度成分対比が小さい画素が周囲画素Pに含まれるほど、絶対値は小さくなる。また、周囲画素Pの全てが対象画素Oと値が同じ場合には、色度成分対比量の絶対値が最小となる。
【0017】
さらに色度成分対比量(u’対比量、及びv’対比量)は、対象画素Oと周囲画素Pの間の距離によっても値が変わる。例えば、対象画素Oの周囲に同じ値の画素が連続している状態を想定すると、この連続範囲内の画素が周囲画素Pに設定されたときには、色度成分対比量の絶対値は小さくなる。これとは逆に、連続範囲外に周囲画素Pが設定されたときには、色度成分対比量の絶対値は大きくなる。かかる対象画素Oと周囲画素Pまでの距離の違いを色度成分対比量に反映すべく、本実施形態では、半径Rの大きさをレベル1〜N(本実施形態ではN=9)の多段階に定義し、これらのレベルごとに、色度成分対比量を求めることとしている。なお、同じ画素値が連続している範囲は、撮像画像に写った一つの物体と推定される。すなわち、半径Rをレベル1〜Nに分けて色度成分対比量を求めることは、評価対象のサイズに応じた色度成分対比量を求めているとも言える。
【0018】
第1Wavelet分解部35は、Wavelet解析を用いてレベルごとの対比量を算出し、レベルごとのWavelet分解画像(細部画像)を、u’画像及びv’画像ごとにN枚ずつ生成する。この細部画像では、各画素の値が色度成分対比量に相当する。
【0019】
ところで、色度座標においては、輝度とは異なり正対比及び逆対比の違いによる目立ちの符号分けが意味をなさない。すなわち、輝度対比においては、対象画素Oの輝度が周囲画素Pの輝度よりも大きい場合には対象画素Oが明るくて目立ち(正対比)、これとは逆に、対象画素Oの輝度が周囲画素Pの輝度よりも小さい場合には対象画素Oが暗くて目立つ(逆対比)こととなる。このため、輝度対比においては、目立ちが正対比と逆対比のいずれに依るものかを正負の符号によって区別することは十分に意味がある。これに対し、u’色度成分及びv’色度成分のそれぞれにおいては、正対比及び逆対比の違いは対象画素Oと周囲画素Pの色度座標上の位置関係を表しているだけで、目立ちの評価に直接影響する違いではない。換言すれば、色度座標においては、対象画素Oと周囲画素Pの対比量に正負の符号を付したままであると、同じ目立ち知覚であっても異なる目立ちの評価になることから、対比量の絶対値に基づいて目立ちを評価する必要がある。
そこで、色度成分対比量として、u’画像及びv’画像のそれぞれにおいて、対象画素Oと周囲画素Pの間の差の絶対値を算出し、この色度対比量Qに基づいて、細部画像を生成する手法が考えられる。
【0020】
しかしながら、Wavelet解析においては、細部画像における負の値を全て正の値に変換してしまうと、その後にWavelet合成しても、Wavelet分解前の画像(本実施形態ではu’画像、及びv’画像)には戻らない。すなわち、全て正の値に変換した細部画像に基づいて色の目立ちを評価すると、撮像画像データ5における色の目立ちを評価しているとは言い難く、正確な評価結果が得られない。
【0021】
そこで、本実施形態では、u’画像、及びv’画像のそれぞれの色度成分対比量(u’対比量、及びv’対比量)に基づいて色の目立ちを評価するのではなく、対象画素Oと周囲画素Pの色差を示すu’v’色度図上でのユークリッド距離Dに基づいて色の目立ちを評価することとしている。
このユークリッド距離Dは、対象画素Oと周囲画素Pのu’画像における差Δu’、及びv’画像における差Δv’を用いて、次式(1)で求められる。

なお、式(1)において、添字i、jは、それぞれu’画像及びv’画像における画素の位置座標(図5)を示す変数である。
【0022】
式(1)から明らかなように、ユークリッド距離Dは符号が負になることはない。このため、u’画像、及びv’画像の負の値を含む細部画像を正符号に変換し、目立ちを評価する必要が無いことから、正確に色差による目立ちを評価できる。
【0023】
ユークリッド距離Dを用いた目立ち評価のための構成について説明すると、図3において、色差目立ち評価部29のΔu’中間画像生成部36は、第1Wavelet分解部35でWavlet変換されたu’画像の1〜Nレベルの細部画像を、近似画像(バイアス)を除いてWavelet再合成し、Δu’v’色差画像生成部38に出力する。またΔv’中間画像生成部37は、同様に、v’画像の1〜Nレベルの細部画像を、近似画像(バイアス)を除いてWavelet再合成し、Δu’v’色差画像生成部38に出力する。Wavelet変換は、多重解像度解析といわれるように、各解像度(周波数)での信号の変化量を解析する処理であることから、1〜Nレベルの細部画像から近似画像(バイアス)を除いて再合成することで、各レベルでの信号の変化分のみの抽出が可能になる。具体的には、図5(A)に示すように、u’画像、及びv’画像のそれぞれにおいて、周囲画素Pの値が異なる場合でも、近似画像(バイアス)を除いてWavelet再合成することで、図5(B)に示すように、周囲画素Pの値を共に所定の一定値(本実施形態ではゼロ)にして対象画素Oと周囲画素Pとの差Δu’、Δv’を表現した画像をΔu’中間画像、及びΔv’中間画像として生成することができる。
Δu’v’色差画像生成部38は、図5(C)に示すように、Δu’中間画像、及びΔv’中間画像の各画素の差Δu’、Δv’と(1)式とに基づいて、対象画素Oの値を上述のユークリッド距離Dで表示したΔu’v’色差画像81を生成し、このΔu’v’色差画像81に基づいてWavelet解析により色の目立ちを評価すべく、第2Wavelet分解部39に出力する。
【0024】
第2Wavelet分解部39は、第1Wavelet分解部35と同様にして、Δu’v’色差画像81に対するWavelet解析により、1〜NレベルのWavelet分解画像を生成し、これらN枚のWavelet分解画像を係数処理部40に出力する。各レベルのWavelet分解画像の各画素値は、そのレベルでのユークリッド距離対比量Qを示す。このユークリッド距離対比量Qは、そのレベルでの対象画素Oと周囲画素Pの色差の対比量を示すものである。また、後に詳述するが、かかるWavelet分解を用いてユークリッド距離対比量Qを算出することで、対象画素Oと周囲画素Pとのユークリッド距離の対比に加え、対象画素Oと周囲画素Pとの間に存在する各画素と、対象画素Oとのユークリッド距離の対比をも反映した値がユークリッド距離対比量Qとして求められる。
【0025】
係数処理部40は、第2Wavelet分解部39から出力されたN枚のWavelet分解画像データの各画素のユークリッド距離対比量Qを目立ちの程度を示す値に変換する係数処理を行いWavelet合成し、色差目立ち画像85として画像化部25に出力する。係数処理としては、1〜Nの各レベルのWavelet分解画像において、各画素のユークリッド距離対比量Q1〜QNのそれぞれに、そのレベルに応じた重回帰係数α1〜αNを乗じる。これにより、レベルごとに、Wavelet分解画像の各画素の値を、ユークリッド距離対比量Qの中間生成値IQ1〜IQNに変換した画像データが生成される。
中間生成値IQ1〜IQNは、各画素のユークリッド距離対比量Qの目立ちの程度を示す値であり、マグニチュード推定法により得られた値である。なお、重回帰係数α及びマグニチュード推定法の詳細については後述する。
そして係数処理部40は、係数処理したN枚のWavelet分解画像データをWavelet合成し、色目立ち画像85として画像化部25に出力する。この色目立ち画像85は、Δu’v’色差画像の各画素の値を、各レベルの中間生成値IQ1〜IQNを合算した値(以下、「色差目立ち予測値MQ」と言う)に変換した画像に相当する。
【0026】
このように、対象画素Oと周囲画素Pの色差を、u’v’色度図上でのユークリッド距離Dで表したΔu’v’色差画像81を生成し、このΔu’v’色差画像81に対してWavlet分解、及び再合成を含むWavelet解析を施して色の目立ちを評価する構成とした。これにより、対象画素Oと周囲画素Pの色度座標上の正対比及び逆対比の違いによる符号の違いを解消するために符号を揃える(絶対値をとる)必要がないため、色の目立ちを正確に評価することができる。
【0027】
また、u’画像及びv’画像のそれぞれごとに、Wavelet解析して色差目立ち画像85を生成する場合、u’画像のu’色度成分対比量及びv’画像のv’色度成分対比量のそれぞれごとに上記重回帰係数αが必要となる。このため、色の目立ちは、分解レベル数の2倍の数の重回帰係数αを説明変数に用いて評価される。
これに対して、ユークリッド距離Dを用いることで、Wavelet解析対象の画像をΔu’v’色差画像81のみとすることができ、重回帰係数αの数は分解レベル数分となるから、説明変数の数を半減でき、説明変数の1つ当たりの信頼度を高めることができる。
【0028】
図6は、輝度目立ち評価部30の機能的構成を示すブロック図である。
輝度目立ち評価部30は、対数輝度分布画像生成部45と、Wavelet分解部47と、係数処理部49とを備えている。
対数輝度分布画像生成部45は、撮像画像データ5に基づいて光環境3の輝度分布を示す輝度分布画像を生成し、該輝度分布画像の各画素の輝度値の対数をとって対数輝度分布画像を生成し、Wavelet分解部47に出力する。
【0029】
輝度分布画像の生成には、幅広い輝度レンジにて輝度値を生成できるように、例えば写真測光法(photographic photometry)が用いられる。すなわち、対数輝度分布画像生成部45は、露出条件(例えばシャッタースピード)を異ならせて光環境3を撮像した複数の撮像画像データ5を取得し、各撮像画像データ5について、撮像画像の各画素値の階調値を輝度値に変換して輝度データを生成し、各撮像画像データ5の輝度データを合成して輝度分布画像を生成する。
【0030】
Wavelet分解部47は、色差目立ち評価部29の第1Wavelet分解部35と同様にWavelet分解を用いて、対数輝度分布画像の各画素について、該画素の周囲画素Pの各々との輝度対比を反映した輝度対比量Lを、周囲画素Pまでの距離に相当する複数のレベル1〜N(本実施形態ではN=9)のそれぞれについて算出する。この輝度対比量Lの値は、対象画素Oの輝度が周囲画素Pよりも高い場合(正対比)に正となり、輝度が低い場合(逆対比)には負となる。また、輝度対比量Lの値は、周囲画素Pの全てに対して対象画素Oの輝度対比が大きい場合に、その絶対値が最大となり、対象画素Oとの輝度対比が小さい画素が周囲画素Pに含まれるほど、絶対値が小さくなる。また、周囲画素Pの全てが対象画素Oと輝度が同じ場合には、輝度対比の絶対値が最小となる。
【0031】
係数処理部49は、Wavelet分解部47から出力されたN枚の画像データをWavelet合成し、輝度目立ち画像86として画像化部25に出力する。
係数処理部49は、Wavelet分解部47から出力されたN枚のWavelet分解画像データの各画素の輝度対比量Lを目立ちの程度を示す数値に変換する係数処理を行いWavelet合成し、輝度目立ち画像86として画像化部25に出力する。この係数処理としては、1〜Nの各レベルのWavelet分解画像において、各画素の輝度対比量L1〜LNのそれぞれに、そのレベルに応じた輝度対比量Lについての重回帰係数β1〜βNを乗じる。これにより、レベルごとに、Wavelet分解画像の各画素の値を、輝度対比の中間生成値IL1〜ILNに変換した画像データが生成される。
中間生成値IL1〜ILNは、各画素の輝度対比量Lの目立ちの程度を示す値でありマグニチュード推定法により得られた値である。なお、重回帰係数β及びマグニチュード推定法の詳細については後述する。
そして係数処理部49は、係数処理したN枚のWavelet分解画像データをWavelet合成し、輝度目立ち画像86として画像化部25に出力する。この輝度目立ち画像86は、Wavelet分解画像データの各画素の値を、各レベルの中間生成値IL1〜ILNを合算した値(以下、「輝度目立ち予測値ML」と言う)に変換した画像に相当する。
【0032】
図7は、画像化部25の機能的構成を示すブロック図である。
画像化部25は、色差目立ち評価部29から出力された色目立ち画像85と、輝度目立ち評価部30から出力された輝度目立ち画像86とを合成して、対象画素Oと周囲画素Pの色差及び輝度差の両方を統合的に判断した目立ち度を示す目立ち画像を生成し、画像出力部27に出力する。具体的には、画像化部25は、輝度目立ち予測値符号変換部65と、色差・輝度目立ち合成部67と、多段階評価値変換部69と、評価値符号変換部71とを備えている。
【0033】
輝度目立ち予測値符号変換部65は、負符号を取らない色差目立ちと輝度目立ちとの合算を可能にするため、輝度目立ち画像の各画素で輝度目立ち予測値MLの絶対値をとり、負符号の輝度目立ち予測値MLを正符号に変化し、輝度・色差目立ち合成部67に出力する。
色差・輝度目立ち合成部67は、輝度目立ち画像の輝度目立ち予測値MLと、色目立ち画像85の色差目立ち予測値MQとを画素ごとに合算して、色及び輝度を反映した目立ち値Uに変換し、多段階評価値変換部69に出力する。
【0034】
なお、本実施形態では、画像化部25が色差目立ち予測値MQと輝度目立ち予測値MLとを加算して目立ち値Uを求めているが、これに限らない。すなわち、目立ち値U≒f(色差目立ち予測値MQ、輝度目立ち予測値ML)を十分に満たす関数fであれば、任意の関数fを用いることができる。
【0035】
多段階評価値変換部69は、目立ち画像の各画素の目立ち値Uを多段階評価値(本実施形態では13段階)に変換し、各評価値に擬似カラーを対応付けて目立ちの程度を色づけして表現したカラーマッピング画像たる目立ち画像を生成し、評価値符号変換部71に出力する。
評価値符号変換部71は、輝度目立ち予測値符号変換部65で正符号化した画素の多段階評価値に負符号を付与して、輝度の正対比及び逆対比を区別した目立ち画像を生成し、画像出力部27に出力する。これにより、撮像画像について目立ちの分布を示した目立ち画像の目立ち画像データ9が画像出力部27から例えば表示装置13等の外部出力装置に出力される。
【0036】
ここで、目立ち値Uから多段階評価値への変換は、予め実験により求められた関係が用いられる。より具体的には、被験者に対して評価刺激を提示し、その評価刺激から感じられる目立ちを、「非常に良く目立つ」、「良く目立つ」、「目立つ」、「やや目立つ」、「かろうじて目立つ」、「目立たない」、「視認できない」の7つの評価語句、及び、これら評価語句の各々の中間の13段階で評価させた。この評価刺激は、上記輝度目立ち予測値ML及び色差目立ち予測値MQ(すなわち、目立ち値U)が既知の刺激である。このような評価試験を多数の被験者に対し多数の評価刺激を用いて行い、これらの評価刺激の目立ち値Uと13段階の評価との相関関係を求めている。この相関関係が多段階評価値変換部69による目立ち値Uから13段階評価値への変換に用いられる。
【0037】
次いで、ユークリッド距離対比量Qと色差目立ち予測値MQの相関関係、及び、輝度対比量Lと輝度目立ち予測値MLの相関関係を求めるために本実施形態で採用した上述のマグニチュード推定法について説明する。
マグニチュード推定法においては、はじめに、被験者に基準刺激を観察させる。被験者には、この基準刺激の目立ちの度合いを100点とするよう、予め指示する。次いで、被験者に対して評価刺激を提示し、この評価刺激の目立ちの程度を点数で評価させた。このとき、評価0点は、評価刺激のターゲットが視認できなかった場合に限り応答するものとし、負の値は評価には用いないものとした。また、評価点数の上限は特に設けなかった。係るマグニチュード推定法により得られた点数が評価刺激に対する目立ち予測値となる。
【0038】
基準刺激には、図8(A)に示すように、視野角が一辺90.0[deg]の正方形(17[cd/m2])の背景領域70の中心に、視野角が直径20.0[deg](輝度50[cd/m2])の円形のターゲット領域72を描画したサンプルを用いた。背景領域70及びターゲット領域72の色はともに無彩色とした。
ユークリッド距離対比量Qと色差目立ち予測値MQの相関関係を求める実験においては、背景領域70とターゲット領域72との色差(ユークリッド距離)と、ターゲット領域72のサイズの違いが目立ちに与える影響を調べるべく、ターゲット領域72の色度(例えば図8(B))やサイズを可変したものを評価刺激として被験者に提示した。このとき、輝度対比の影響を除くべく、基準刺激及び評価刺激のいずれも、背景領域70及びターゲット領域72が共に20.0[cd/m2]となるように輝度を調整した。
また輝度対比量Lと輝度目立ち予測値MLの相関関係を求める実験においては、背景領域70とターゲット領域72との輝度比と、ターゲット領域72のサイズの違いが目立ちに与える影響を調べるべく、ターゲット領域72の輝度やサイズを可変したもの(例えば図8(C))を評価刺激として被験者に提示した。このとき、色差の影響を除くべく、基準刺激及び評価刺激のいずれも、背景領域70及びターゲット領域72の色はともに無彩色(図11の色7)とした。
【0039】
このマグニチュード推定法による評価試験は、被験者が座位した位置から160[mm]離れたPCモニタに基準刺激及び評価刺激を映し出し、これを被験者が観察することで行われている。このとき、暗幕により被験者の周囲を遮蔽することで、被験者の周囲を暗室環境としている。
【0040】
図9は、ターゲット領域72のサイズ及び色度を可変したときのマグニチュード推定法による評価結果の一例を示す図であり、図9(A)はターゲット領域72のサイズを可変した場合、図9(B)は色差を示すユークリッド距離Dを可変した場合を示す。図9(A)の実験結果は、図11にxy色度図の座標で示した色2を背景領域70の色とし、ターゲット領域72の色を、色1、色3〜色6としたときの結果である。なお、図11においてYは輝度[cd/m2]を示す。
同図に示す結果から、ターゲット領域72の色に拘わらず、ターゲット領域72のサイズが大きくなるほど評価点が高くなる傾向が読み取れる。この傾向は、背景領域70の色が色2以外の他の色1〜7でも同じであった。
【0041】
図9(B)は、ターゲット領域72と背景領域70との色差を上記ユークリッド距離Dで表し、このユークリッド距離Dを横軸、評価点の平均値を縦軸としてターゲット領域のサイズごとにプロットしたものである。この図からは、ユークリッド距離Dが大きくなるほど評価点が高くなる傾向が認められる。なお、例えば背景領域70を色1、ターゲット領域72を色2とした場合と、背景領域70を色2、ターゲット領域72を色1とした場合など、背景領域70とターゲット領域72とで色を入れ替えた場合、それぞれユークリッド距離Dは同一となる。このため同図では、ユークリッド距離D及びターゲットサイズが同一でも、それぞれのユークリッド距離Dについて複数の評価点がプロットされている。
【0042】
図10は、ターゲット領域72のサイズ及び輝度比を可変したときのマグニチュード推定法による評価結果の一例を示す図であり、図10(A)はターゲット領域72のサイズを可変した場合、図10(B)は輝度比を可変した場合を示す。
同図に示す結果から、ターゲット領域72のサイズが大きくなるほど、或いは、輝度比が大きくなるほど評価点が高くなることが読み取れる。
【0043】
ユークリッド距離対比量Qについての重回帰係数α、及び、輝度についての重回帰係数βは、上記のマグニチュード推定法による評価結果に対して重回帰分析を行うことで導出される。
すなわちユークリッド距離対比量Qの重回帰係数αを導出する場合は、マグニチュード推定法において、t番目に被験者に与えた評価刺激をDQt、この評価刺激DQtに対する評価点の平均点をCQtとする。そして、色差目立ち評価部29と同様にして、u’画像及びv’画像をそれぞれ生成した後、Δu’v’色差画像を生成し、これをレベル9までWavelet分解して9枚の画像(細部画像)を得る。そして、細部画像の中心の画素の値(ユークリッド距離対比量)を説明変数とし、評価平均点CQtを被説明変数として重回帰分析を実行する。これにより、レベルごとに人間の知覚を反映したα1〜α9の9個の重回帰係数が得られる。これらレベルは、同一色差(もしくは同一ユークリッド距離Dもしくは同一画素値)が連続する範囲(サイズ)を示しており、該サイズ及びユークリッド距離対比量Qと目立ちとが上記重回帰係数αにより対応付けられると言える。
【0044】
また、輝度の重回帰係数βを導出する場合は、輝度についてのマグニチュード推定法において、t番目に被験者に与えた評価刺激をDLt、この評価刺激DLtに対する評価点の平均点をCLtとする。ここで、ターゲット領域輝度/背景領域輝度が1.00以下となるような評価刺激DLtに対する評価平均点CLtについては負符号を加えた。評価平均点CLtに負符号を加えることで、ターゲット領域輝度/背景領域輝度が1.00以上となる刺激(正対比刺激)及びその対比(正対比)により生じる目立ち(正対比目立ち)と、ターゲット領域輝度/背景領域輝度が1.00以下となる刺激(逆対比刺激)及びその対比(逆対比)により生じる目立ち(逆対比目立ち)との違いが符号により表現される。
【0045】
そして、輝度目立ち評価部30の対数輝度分布画像生成部45と同様にして、評価刺激DLtの対数輝度分布画像を生成し、また、Wavelet分解部47と同様にして、対数輝度分布画像をレベル9までWavelet分解し、計9枚の画像(細部画像)を得る。そして、細部画像の中心の画素の値(対数輝度対比量)を説明変数とし、評価平均点CLtを被説明変数として重回帰分析を実行する。これにより、各レベルについて、人間の知覚を反映したβ1〜β9までの9個の重回帰係数が得られる。なお、これらレベルは、上記のように、同一輝度が連続する範囲(サイズ)を示しており、該サイズ及び輝度対比量Lと目立ちとが上記重回帰係数βにより対応付けられると言える。
【0046】
次いで、目立ち画像生成装置11による目立ち画像生成処理を説明する。
図12は、目立ち画像生成処理のフローチャートである。
目立ち画像生成装置11は、撮像画像データ5が入力されると(ステップS1)、色差についての目立ちと輝度についての目立ちとを、それぞれ個別に評価する。
すなわち、色差の目立ち評価においては、色差目立ち評価部29のu’画像生成部31及びv’画像生成部33のそれぞれが撮像画像データ5に基づいてu’画像及びv’画像を生成する(ステップS2、S3)。次に、第1Wavelet分解部35がu’画像及びv’画像のそれぞれを9レベルまでWavelet分解し(ステップS4、S5)、Δu’中間画像生成部36、及びΔv’中間画像生成部37が近似画像(バイアス)を除いてWavelet再合成し、それぞれΔu’中間画像、及びΔv’中間画像を生成する(ステップS6、S7)。次いで、Δu’v’色差画像生成部38は、Δu’中間画像、及びΔv’中間画像の各画素Δu’、Δv’と(1)式とに基づいて、各画素の色差をユークリッド距離Dで表示したΔu’v’色差画像81を生成する(ステップS8)。
【0047】
次いで、第2Wavelet分解部39がΔu’v’色差画像81に対するWavelet解析により、9レベルのWavelet分解画像を生成する(ステップS9)。
第1Wavelet分解部35及び第2Wavelet分解部39によるWavelet分解には、例えばsymlet6などの略対称な形状の関数が直交系のWaveletとして用いられ、図5(A)に示すu’画像及びv’画像、図5(C)に示すΔu’v’色差画像81それぞれに対し、レベルを1つずつ上げながらレベルN(本実施形態ではN=9)までWavelet分解が行われる。
例えば第2Wavelet分解部39において、レベル1のWavelet分解では、図13に示すように、Δu’v’色差画像81が、LL(Lv1)(L:Low-pass components)、HL(Lv1)(H:High-pass components)、LH(Lv1)、HH(Lv1)の4つのサブバンド画像(細部画像)83LL、83HL、83LH、及び83HHに分解される。
LL(Lv1)のサブバンド画像83LLは、Δu’v’色差画像81におけるユークリッド距離Dの変化の低周波数成分を抽出したものであり、Δu’v’色差画像81の画像サイズを1/4倍に縮小したような粗い画像に相当する。
また、HL(Lv1)、LH(Lv1)、HH(Lv1)のサブバンド画像83HL、83LH、83HHは、それぞれΔu’v’色差画像81におけるユークリッド距離Dの変化のうち、垂直方向の高周波成分、水平方向の高周波成分、斜め方向の高周波成分を抽出したものである。これらのサブバンド画像83HL、83LH、83HHは、それぞれの画素の値が、Δu’v’色差画像81の各画素についての垂直方向、水平方向、及び斜め方向のレベル1におけるユークリッド距離対比量Q1を与えている。
さらに、例えば図14(A)に示すように、ドーナツ形状(但し半径<R)にユークリッド距離Dの画素が分布している場合には、該ドーナツ形状の中心の対象画素Oと、この対象画素Oから半径R離れた、ドーナツ形状の外側の周囲画素Pとの間には、ユークリッド距離Dの対比がないものの、対象画素Oから周囲画素Pを含む範囲にはドーナツ形状により対比が発生している。この場合でも、symlet6のような関数を用いたWavelet分解によれば、分解後のユークリッド距離対比量Qが単純にゼロにはならず、図14(B)に示すように、コンボリューションにより対象画素Oと周囲画素Pとのユークリッド距離対比量Qが算出されるため、あるレベルで相当量の対比が算出される。
ユークリッド距離D以外にも、例えば色度成分や輝度の信号値がドーナツ形状(但し半径<R)に分布している場合、symlet6のような関数を用いたWavelet分解によれば、あるレベルで相当量の対比が算出される。
【0048】
次のレベル2のWavelet分解では、図13に示すように、LL(Lv1)のサブバンド画像83LLに関してWavelet分解が施され、LL(Lv2)、HL(Lv2)、LH(Lv2)、及びHH(Lv2)の4つのサブバンド画像83LL、83HL、83LH、及び83HHに分解される。
以降同様にして、レベル1からレベルを1つずつ上げながらレベルNに達するまで、次々とLL(Lvn(n=1〜N))のサブバンド画像83LLのみにWavelet分解が施され、これにより、各レベルについてサブバンド画像83LL、83HL、83LH、及び83HHが生成される。
【0049】
このとき、LL(Lvn(n=1〜N))のサブバンド画像83LLに対してWavelet分解が繰り返されることで、Wavelet分解のたびに、Δu’v’色差画像81を順次1/4倍に縮小したような粗いサブバンド画像83LLが生成される。この結果、Wavelet分解のレベルが上がるほど、Waveletの関数に対して画像が相対的に大きくなることから、Δu’v’色差画像81の各画素については、レベルが上がるほど、より遠くの周囲画素Pとのユークリッド距離Dの対比が求められる。
【0050】
前掲図12に戻り、ステップS9において、NレベルまでのWavelet分解が行われると、係数処理部40は、Δu’v’色差画像81の全画素について各レベルの水平方向、垂直方向、及び斜め方向のユークリッド距離対比量Qと、そのレベルに対応した重回帰係数αに基づいて、Δu’v’色差画像81の全画素について、各レベルのユークリッド距離対比量Qの中間生成値IQ1〜IQNを求める(ステップS10)。
例えば、レベル3のWavelet分解で得られたサブバンド画像83LL、83HL、83LH、及び83HHを対象とした場合、図15に示すように、LL(Lv3)のサブバンド画像83LLの全画素値を「0」とし、また、斜線で示したHL(Lv3)、LH(Lv3)及びHH(Lv3)の全画素に対し、それぞれレベル3に対応する重回帰係数α3が乗じられる。
そして、レベル3の各サブバンド画像83LL、83HL、83LH、及び83HHが、Wavelet分解に用いられた直交ウェーブレット(例えばsymlet6)によりWavelet合成される。
以降、原画像レベル(0レベル)まで1つずつレベルを下げながらWavelet合成が繰り返されるが、このとき、各レベルにおけるサブバンド画像83HL、83LH、及び83HHの全画素の値を「0」として合成が繰り返される。
この結果、Δu’v’色差画像81の全画素に、レベル3相当のユークリッド距離対比量Qについての中間生成値IQ3が格納されたレベル3相当の色差目立ち画像85が得られる。
これと同様にして、1〜Nレベルについて、各レベル相当の色差目立ち画像を生成し、それぞれのレベル相当の色差目立ち画像を合成することで(各目立ち画像の対応する画素の値を加算することで)、Δu’v’色差画像81の全画素に中間生成値IQが格納された色差目立ち画像85のデータが生成される(ステップS11)。
【0051】
次いで輝度目立ち評価について説明すると、輝度目立ち評価部30の対数輝度分布画像生成部45が撮像画像データ5に基づいて対数輝度分布画像を生成する(ステップS12)。次いで、Wavelet分解部47が、色差目立ち評価部29の第2Wavelet分解部39と同様にして、対数輝度分布画像を、symlet6を用いてレベル9までWavelet分解し、各レベルでの輝度対比量Lを求める(ステップS13)。
次いで、係数処理部49が各レベルでのサブバンド画像83に、レベルに対応する重回帰係数β1〜β9を乗じることで中間生成値IL1〜IL9を求め、Wavelet合成部51が、これら各レベルのサブバンド画像83をWavelet合成して(ステップS14)、対数輝度分布画像の全画素に輝度目立ち予測値MLが格納された輝度目立ち画像を生成する(ステップS15)。
【0052】
次いで、画像化部25の輝度目立ち予測値符号変換部65により、輝度目立ち画像において、負符号の輝度目立ち予測値MLを全て正にした輝度目立ち画像を生成し(ステップS16)、また、符号変換前の輝度目立ち画像の各画素の正負符号を示した輝度目立ち画像の符号マトリクスを生成する(ステップS17)
その後、色差・輝度目立ち合成部67により、符号変換された輝度目立ち予測値MLと色差目立ち予測値MQとを加算して目立ち値Uを算出し、多段階評価値変換部69により、目立ち値Uを13段階評価値に変換して目立ち画像を生成する(ステップS18)。次いで、輝度の正対比と逆対比による目立ちの違いを明示すべく、評価値符号変換部71がステップS17において生成した符号マトリクスを目立ち画像に積算し、輝度目立ち予測値MLが負符号だった画素の13段階評価値に負符号を加える(ステップS19)。これにより、撮像画像の全画素に、「+13」から「−13」までの多段階評価値が格納された目立ち画像生成され、係る目立ち画像のデータが画像出力部27から出力される(ステップS20)。この目立ち画像においては、評価値ごとに擬似カラーに色分けされる。これにより、撮像画像に写した評価対象の目立ちを定量的に把握することが可能となる。
【0053】
図16は、一色の背景91に円板92を配置した光環境3を撮影した撮像画像データ5を模したサンプル図であり、円板92のサイズ、及び色度を可変して示すとともに、各撮像画像データ5の輝度分布を示す図である。また、図17は、各撮像画像データ5の目立ちを評価した目立ち画像のサンプル図である。
これらの図において、円板92が上記評価対象の対象画素Oに相当し、背景91が周囲画素Pに相当する。これらの図に示すように、円板92と背景91の色差が一定の場合には、円板92のサイズが大きくなるほど円板92が目立つと評価され、また円板92のサイズが同じ場合には、円板92と背景91の色差が大きくなるほど目立つと評価されることが分る。すなわち、この目立ち評価によれば、評価対象の円板92と背景91の色差と、円板92のサイズとの両方を加味した目立ちが統合的に評価されていることが分る。
【0054】
以上説明したように本実施形態によれば、評価対象を撮像した撮像画像に対し、評価対象と周囲の色差が無い場合に目立ちが無いと評価し、評価対象と周囲の色差対比量たるユークリッド距離対比量Qが大の場合に、その大きさの度合いに応じて評価対象の目立ちを高く評価し、この評価に基づいて、撮像画像から色差目立ち画像85を生成する構成とした。
この構成により、評価対象と周囲との色の対比に基づいた目立ちを、色差目立ち画像85から定量的に評価することができる。
【0055】
特に本実施形態によれば、評価対象及び周囲の色差を、Wavelet解析によりu’v’色度図上での座標成分ごとの対比量を求め、座標間のユークリッド距離Dとして算出した後、Wavelet解析により色差対比量を示すユークリッド距離対比量Qを求め、当該ユークリッド距離対比量Qに基づいて目立ちを評価する構成とした。
この構成により、撮像画像データ5を色度成分ごとのu’画像及びv’画像に分け、それぞれについてWavelet解析により目立ちを評価する場合に比べ、色の目立ちを説明する説明変数及び重回帰係数αの数を減らすことができるため、説明変数1つあたりの信頼性を高めることができる。また、u’画像、及びv’画像の負の値を含む細部画像を正の値に変換する必要がない。このため、Wavelet合成による元の画像の復元性を損なうことは無く、撮像画像データ5に含まれる評価対象の色の目立ちを正確に評価できる。
【0056】
また本実施形態によれば、評価対象を撮像した撮像画像に対し、評価対象と周囲の輝度が等しい場合に目立ちが無いと評価し、評価対象と周囲の輝度対比が大の場合に、その大きさの度合いに応じて評価対象の目立ちを高く評価し、色差の目立ちと輝度の目立ちの評価結果に基づいて、撮像画像の色度及び輝度の目立ちの分布を示す目立ち画像を生成した。これにより、色度及び輝度のそれぞれの違いによる目立ちを定量的に評価することができる。
特に、従来技術においては、評価対象を輝度により評価する際、その明るさによって目立ちを評価しているため、評価対象が暗いほど目立たないと評価される。しかし実際には、評価対象の周囲が明るい場合、評価対象が暗いほど逆対比により目立っており、このように従来技術では実際とは異なる評価結果がでてしまうことがある。また、評価対象が明るい場合でも、周囲が同等に明るい場合には、評価対象は目立たなくなるものの、従来技術では目立つという評価結果がでてしまう。このような従来技術に対して本実施形態によれば、周囲との輝度対比により輝度の目立ちが評価されるため、評価対象の目立ちを正確に評価することができる。
【0057】
また、本実施形態では、輝度の逆対比による目立ちを負符号で示し、輝度の正対比による目立ちを正符号で示すことで、これらを分けて目立ち画像に画像化している。これにより、評価対象が正対比及び逆対比のいずれによって目立っているのかを判別することができる。
【0058】
なお、上述した各実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
【0059】
例えば、上述した実施形態では、評価対象の色と周囲の色との色差にu’v’色度図上のユークリッド距離Dを用いる構成としたが、例えばuv色度図等の他の均等色度図を用いても良い。
さらに、均等色度図に代えて、均等色空間での座標を用いても良い。
詳述すると、通常、光環境3の輝度分布は複雑であり、評価対象と周囲の輝度が同じでない場合が多々あるが、このu’v’色度図は、輝度が異なる色の比較については、考慮されていない。すなわち、色度図上の2点間の距離が知覚的な色の差に等しいことが保証されていない。
そこで、輝度が異なる色の比較においても、その色空間の2点間の距離が知覚的な色の差に等しいように設計された均等色空間での座標をu’v’色度図に代えて用いる構成とし、色の目立ちを正確に表示し、目立ち評価の精度を高めるようにしても良い。
【0060】
図18は、均等色空間としてL***表色系(JIS Z8729)を用いたときの目立ち画像生成処理のフローチャートである。均等色空間としてL***表色系を用いた場合、色度座標(u’、v’)を知覚色度指数a*、b*とし、また、輝度Lを知覚明度指数L*として処理が行われる。
すなわち、図18に示すように、撮像画像データ101が入力された後(ステップS101)、色差の目立ち評価においては、色差目立ち評価部29は、a*画像及びb*画像を生成し(ステップS102、S103)、それぞれを9レベルまでWavelet分解した後(ステップS104、S105)、近似画像(バイアス)を除いてWavelet再合成することでΔa*中間画像、及びΔb*中間画像を生成する(ステップS106、S107)。次いで、色差目立ち評価部29は、Δa*中間画像、及びΔb*中間画像の各画素の値Δa*、Δb*に基づいて、対象画素Oと周囲画素PとのL***表色系での色差をユークリッド距離Dで表示したΔa**色差画像を生成する(ステップS108)。
【0061】
そして、このΔa**色差画像に基づいて、色の目立ちを評価すべく、色差目立ち評価部29は、Δa**色差画像に対するWavelet解析により、9レベルのWavelet分解画像を生成し(ステップS109)、Δa**色差画像の全画素について各レベルの水平方向、垂直方向、及び斜め方向のユークリッド距離対比量Qと、そのレベルに対応した重回帰係数に基づいて、各レベルのユークリッド距離対比量Qの中間生成値IQ1〜IQNを求める(ステップS110)。
そして、色差目立ち評価部29は、それぞれのレベルの画像を合成することで(各目立ち画像の対応する画素の値を加算することで)、Δa**色差画像の全画素に中間生成値IQが格納された色目立ち画像のデータを生成する(ステップS111)。
【0062】
一方、輝度目立ち評価部30は、撮像画像データ5に基づいて明度L*画像を生成し(ステップS112)、上記ステップS105、S106と同様にして、9レベルまでWavelet分解した後(ステップS113)、近似画像(バイアス)を除いてWavelet再合成することでΔL*中間画像を生成する(ステップS114)。なお、これらステップS113、S114の処理は省略することもできる。
次いで、輝度目立ち評価部30は、ΔL*中間画像を、symlet6を用いてレベル9までWavelet分解し、各レベルでの輝度対比量に相当する明度対比量を求め(ステップS115)、各レベルでのサブバンド画像83に、レベルに対応する重回帰係数を乗じることで中間生成値IL1〜IL9を求めた後、これら各レベルのサブバンド画像83をWavelet合成して(ステップS116)、明度L*画像の全画素に明度目立ち予測値が格納された明度目立ち画像を生成する(ステップS117)。
【0063】
そして、画像化部25が、明度目立ち画像において、負符号の明度目立ち予測値を全て正にした明度目立ち画像を生成し(ステップS117)、また、符号変換前の明度目立ち画像の各画素の正負符号を示した符号マトリクスを生成する(ステップS118)
その後、画像化部25は、符号変換された明度目立ち予測値と色差目立ち予測値とを単純に加算して目立ち値を算出し、この目立ち値を13段階評価値に変換して目立ち画像を生成する(ステップS119)。次いで、画像化部25は、明度の正対比と逆対比による目立ちの違いを明示すべく、ステップS118において生成した符号マトリクスを目立ち画像に積算し、明度目立ち予測値が負符号だった画素の13段階評価値に負符号を加える(ステップS120)。これにより、撮像画像の全画素に、「+13」から「−13」までの多段階評価値が格納された目立ち画像生成され、係る目立ち画像のデータが画像出力部27から出力される(ステップS121)。
【0064】
なお、この図18に示す目立ち画像処理において、L***色空間を用いた場合、色度と明度を分ける必要はなく、知覚色度指数a*、b*に、知覚明度指数L*を加えた3つを変数としたユークリッド距離Dを算出して色差画像を生成しても良い。
図19は、かかる目立ち画像処理のフローチャートである。なお、この図において、図18と同一の処理については同じ符号を付して、その説明を省略する。
この図に示すように、ステップS208において、色差目立ち評価部29は、Δa*中間画像、Δb*中間画像、並びに、ΔL*明度差画像の各画素の値Δa*、Δb*、ΔL*に基づいて、対象画素Oと周囲画素PとのL***色空間での色差をユークリッド距離Dで表示したΔE*ab色差画像を生成し(ステップS208)、このΔE*ab色差画像に基づいてWavelet解析を用いて色の目立ちを評価する。
このΔE*ab色差画像に基づいて生成された色目立ち画像には、既に明度の目立ちが反映されているため、正の値のみの明度目立ち画像(図18のステップS118)、単純加算で正の値のみの目立ち画像生成(図18のステップS120)は、それぞれ不要となる。
【0065】
なお、均等色空間としてL***表色系を例示したが、例えばL***表色系等の均等色空間に分類される他の表色系を用いても良いことは勿論である。
【0066】
また、均等色空間の座標に基づいて、鮮やかさを示す彩度、色合いを示す色相、及び明るさを示す明度を算出し、これらのユークリッド距離を色差として目立ちを評価しても良い。
図20は、かかる目立ち画像処理のフローチャートである。なお、この図において、図18、図19と同一の処理については同じ符号を付して、その説明を省略する。
この図に示すように、撮像画像データが入力されると、色差目立ち評価部29は、均等色空間の座標に基づいて、C*彩度画像及びH*色相画像を生成し(ステップS302、S303)、それぞれをWavelet分解し(ステップS304、S305)、近似画像(バイアス)を除いてWavelet再合成することでΔC*彩度差画像、及びΔH*色相差画像を生成する(ステップS306、S307)。
そして、これらΔC*彩度差画像、ΔH*色相差画像、並びにΔL*明度差画像の各画素の値ΔC*、ΔH*、ΔL*に基づいて、均等色空間から求められた彩度、色相及び明度の3次元空間での色差をユークリッド距離Dで表示したΔE*色差画像を生成し(ステップS308)、このΔE*色差画像に基づいてWavelet解析を用いて色の目立ちを評価することとなる。
【0067】
上述した実施形態では、ウェーブレット変換を用いて、対数輝度分布画像の各画素について輝度対比量Lを求める場合を例示したが、これに限らず、例えば、対数輝度分布画像に対する大きさ(フィルターの適用範囲(画素数))を各レベルに応じて異ならせた複数のNフィルターを用いてもレベルごとの輝度対比量Lを求めることができる。
【0068】
また本発明の目立ち評価システム1の応用例としては、広告や看板、道路交通標識、視線誘導灯などの周囲に対して目立たせる事が望まれる対象物が、その設置環境で目立っているかを評価する事が可能になる。
他にも、例えば、液晶ディスプレイの色むらを利用者から見たときの目立ちを評価することで、利用者が許容できる液晶ディスプレイの色むらの判定に利用でき、過度の品質を防ぐことも可能である。
【0069】
上述した目立ち画像生成プログラム15を、例えばCDやDVDなどのコンピューター読み取り可能な記録媒体に記録して実施しても良く、また、インターネットなどの電気通信回線を介して配布するなどの実施をすることも可能である。
【符号の説明】
【0070】
1 評価システム
3 光環境
5 撮像画像データ
9 目立ち画像データ
11 目立ち画像生成装置
15 目立ち画像生成プログラム
23 目立ち評価部
25 画像化部
29 色差目立ち評価部
30 輝度目立ち評価部
35 第1Wavelet分解部
38 Δu’v’色差画像生成部
39 第2Wavelet分解部
40、49 係数処理部
47 Wavelet分解部
43 加算部
67 色差・輝度目立ち合成部
69 目立ち画像生成部
81 Δu’v’色差画像
83 サブバンド画像
85 目立ち画像
L 輝度対比量
Q ユークリッド距離対比量(色差対比量)
P 周囲画素
U 目立ち値
ML 輝度目立ち予測値
MQ 色差目立ち予測値
α、β 重回帰係数

【特許請求の範囲】
【請求項1】
評価対象を撮像した撮像画像に対し、前記評価対象と周囲との色差が無い場合に目立ちが無いと評価し、前記評価対象と前記周囲との色差対比量が大の場合に、その大きさの度合いに応じて前記評価対象の目立ちを高く評価する色差目立ち評価部と、
前記色差目立ち評価部の評価結果に基づいて、前記撮像画像の色差による目立ちの分布を示す目立ち画像を生成する画像化部と
を備えることを特徴とする目立ち画像生成装置。
【請求項2】
前記色差目立ち評価部は、
前記評価対象及び前記周囲の色差を、Wavelet解析により均等色度図上、或いは均等色空間の座標成分ごとの対比量を求めて座標間のユークリッド距離として算出した後、Wavelet解析により前記色差対比量を示す前記ユークリッド距離対比量を求め、当該ユークリッド距離対比量に基づいて目立ちを評価する
ことを特徴とする請求項1に記載の目立ち画像生成装置。
【請求項3】
前記評価対象を撮像した撮像画像に対し、前記評価対象と周囲の輝度が等しい場合に目立ちが無いと評価し、前記評価対象と前記周囲の輝度対比量が大の場合に、その大きさの度合いに応じて前記評価対象の目立ちを高く評価する輝度目立ち評価部を備え、
前記画像化部は、
前記色差目立ち評価部と前記輝度目立ち評価部の評価結果に基づいて、前記撮像画像の色差及び輝度の目立ちの分布を示す目立ち画像を生成する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の目立ち画像生成装置。
【請求項4】
コンピューターを、
評価対象を撮像した撮像画像に対し、前記評価対象と周囲の色差が無い場合に目立ちが無いと評価し、前記評価対象と前記周囲の色差対比量が大の場合に、その大きさの度合いに応じて前記評価対象の目立ちを高く評価する手段、及び、
前記色差目立ち評価部の評価結果に基づいて、前記撮像画像の色差による目立ちの分布を示す目立ち画像を生成する手段
として機能させることを特徴とする目立ち画像生成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図16】
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【図17】
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