省力化軌道のリフトアップ装置及びリフトアップ方法
【目的】省力化軌道の地盤沈下修復工を掘削作業やバラストの埋め戻し作業なしで行なえるようにする。
【構成】省力化軌道をリフトアップして空隙部を生成し、該空隙部に注入材を填充する際、省力化軌道のリフトアップを、1)枕木を介して填充層に複数本のボルト材を打設し、2)省力化軌道の両側にそれぞれ複数の支持部を設置し、3)該支持部により軌道上方において反力用架台を支持し、4)反力用架台に各ボルト材と連結されて省力化軌道を引き上げる引き上げ部を取り付け、5)引き上げ部に引き上げ力を発生し、6)該引き上げ力の反力を、反力用架台を介して支持部で受け止めて省力化軌道を引き上げる。
【構成】省力化軌道をリフトアップして空隙部を生成し、該空隙部に注入材を填充する際、省力化軌道のリフトアップを、1)枕木を介して填充層に複数本のボルト材を打設し、2)省力化軌道の両側にそれぞれ複数の支持部を設置し、3)該支持部により軌道上方において反力用架台を支持し、4)反力用架台に各ボルト材と連結されて省力化軌道を引き上げる引き上げ部を取り付け、5)引き上げ部に引き上げ力を発生し、6)該引き上げ力の反力を、反力用架台を介して支持部で受け止めて省力化軌道を引き上げる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は省力化軌道のリフトアップ装置及びリフトアップ方法に係り、特に地盤上に形成された填充層を備え、該填充層に設けられた枕木によりレールを支持する省力化軌道のリフトアップ装置及びリフトアップ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バラスト軌道の上部50cm程度のバラスト(レールの下に敷き詰められている砕石)をセメント注入材で固結して填充層とした省力化軌道は、バラストの抜け出しを防ぐことができる。また、省力化軌道は、バラスト上に直接枕木を設置したバラスト軌道より道床劣化や軌道狂いが生じにくい等の利点があり、さらには、バラストの補充等の作業を低減することができる利点がある。
しかし、バラスト軌道より軌道狂いが生じにくいとはいえ、軌道下の地盤は殆どがN値自沈(構造物自体の重みで沈んでしまう)からN値が5以下程度のローム層の軟弱な盛土(軟弱地盤)となっており、列車の振動加重等で省力化軌道毎に異なる地盤沈下(不同沈下)を起こしている。
従来、レール面での許容沈下量は2cm程度であり、この許容沈下量を超えた部分では、軌道両サイドの掘削を行い、ジャッキを差し込み、省力化軌道全体をリフトアップさせ、リフトアップ状態において省力化軌道底盤部の間隙にセメント系注入材を填充材として補充し、補充後レールを許容高さに調整して列車を通している(特許文献1)。図12は、地盤沈下対策の工程を示す断面図であり、バラスト軌道1の上部50cm程度のバラスト部分がセメント注入材で固結されて填充層2が形成されており、該填充層2上に枕木3の一部が埋設、固定され、その上にレール4a、4bが取り付けられて省力化軌道5が形成されている。
図12(A)に示すように、沈下量が許容沈下量を超えると、図12(B)に示すように、省力化軌道5の両サイドのバラスト部分1a、1bを掘削し、掘削部にジャッキ6a、6bを差し込み、省力化軌道全体を所定の高さまでリフトアップさせ、かかる状態で軌道底盤部の間隙7にセメント系注入材8を填充材として補充し(A矢印参照)、補充完了後レールを許容高さに調整し、最後に図12(C)に示すように、軌道両サイドの掘削部にバラストを埋め込んで地盤沈下対策を完了する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−247356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、かかる従来方法では、1)軌道両サイドの掘削とジャッキの差込作業、2)軌道のリフトアップと填充材の注入作業、3)バラストの埋め戻しと軌道整備作業、という3つの工程が必要となり、地盤沈下対策、特にリフトアップ作業が大掛かりになると共に、修復工期が長くなる問題がある。しかも、従来方法の填充材の注入は基本的な地盤沈下対策でないため、軌道が許容沈下量を超えるたびに大掛かりなリフトアップ作業を行なわなければならない問題がある。
以上から、本発明の目的は、掘削作業やバラストの埋め戻し作業無しでレール高さを効率的に調整可能にすることである。
本願発明の別の目的は、ジャッキを用いずに省力化軌道をリフトアップしてレール高さを調整可能にすることである。
本願発明の別の目的は、地盤沈下の修復工と同時に基本的な地盤沈下対策工を行なえるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、地盤上に形成された填充層を備え、該填充層に設けられた枕木によりレールを支持する省力化軌道のリフトアップ装置および省力化軌道のリフトアップ方法である。
・省力化軌道のリフトアップ装置
本願発明の省力化軌道のリフトアップ装置は、省力化軌道の両側にそれぞれ設置される複数の支持部、該支持部により軌道上方において支持される反力用架台、該反力用架台に取り付けられると共に、前記省力化軌道の前記填充層に打設された複数本のボルト材とそれぞれ連結されて該省力化軌道を引き上げる引き上げ部を備え、前記引き上げ部に引き上げ力を発生し、該引き上げ力の反力を、前記反力用架台を介して前記支持部で受け止めて前記省力化軌道を引き上げる。
・省力化軌道のリフトアップ方法
本発明の省力化軌道のリフトアップ方法では、枕木を介して前記填充層に複数本のボルト材を打設し、省力化軌道の両側にそれぞれ複数の支持部を設置し、該支持部により軌道上方において反力用架台を支持し、前記反力用架台に前記各ボルト材と連結されて省力化軌道を引き上げる引き上げ部を取り付け、前記引き上げ部に引き上げ力を発生し、該引き上げ力の反力を、前記反力用架台を介して前記支持部で受け止めて前記省力化軌道を引き上げる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、枕木を介して前記填充層に複数本のボルト材を打設し、省力化軌道の両側にそれぞれ複数の支持部を設置し、該支持部により軌道上方において反力用架台を支持し、前記反力用架台に前記各ボルト材と連結されて省力化軌道を引き上げる引き上げ部を取り付け、前記引き上げ部に引き上げ力を発生し、該引き上げ力の反力を、前記反力用架台を介して前記支持部で受け止めて前記省力化軌道を引き上げるようにしたから、掘削作業やバラストの埋め戻し作業が不要であり、しかも、ジャッキを用いずに省力化軌道をリフトアップしてレール高さを効率的に調整することができる。
本願発明によれば、省力化軌道のリフトアップ前後に、枕木および填充層を貫通して地中に孔あき鋼管を打設する工程を容易に追加でき、該孔あき鋼管より、孔あき鋼管周囲の地中、及びリフトアップにより生じた省力化軌道との空隙部に注入材を注入することにより、地盤沈下の修復工と同時に基本的な地盤沈下対策工を行なうことできる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本願発明の省力化軌道のリフトアップ装置の構成図である。
【図2】リフトアップ装置の平面図、側面図である。
【図3】ボルト材の省力化軌道への打設説明図である。
【図4】孔あき鋼管の打設説明図である。
【図5】孔あき鋼管である注入管併用マイクロパイルを、マイクロパイル設置用削孔機を用いて打設する説明図である。
【図6】リフトアップ装置の設置説明図である。
【図7】リフトアップ装置による省力化軌道の引き上げ説明図である。
【図8】地盤強化工程説明図である。
【図9】図8の一部拡大図である。
【図10】省力化軌道下の地盤修復工程説明図である。
【図11】省力化軌道下の地盤修復と地盤補強完了後の断面図である。
【図12】従来の地盤沈下対策の工程を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0008】
(A)省力化軌道のリフトアップ装置
図1は本発明の省力化軌道のリフトアップ装置の構成図である。
図1において、バラスト軌道11の上部50cm程度のバラスト部分がセメント注入材で固結されて填充層12が形成されており、該填充層12上にコンクリート製の枕木13が埋設、固定され、その上にレール14a、14bが取り付けられて省力化軌道15が構成されている。バラスト軌道11は路盤(地盤)16上に設置され、省力化軌道15を除いたバラスト部11aは透水層を形成する。
枕木13を介して填充層12に複数本のボルト材17a、17b、17cが打設されており、また、枕木13、填充層12、透水層11aを貫通して地盤16に2本の孔あき鋼管(注入管)18が貫入され、注入口に防護蓋19が設置されている。孔あき鋼管18の周辺部の適所にはセメント系注入材を周囲の地中(地盤)16及びリフトアップにより生じる省力化軌道15と地盤16間の空隙部(図示せず)に注入材を注入するための孔18aが多数設けられている。ボルト材17a〜17cや孔あき鋼管18は予め取り付けておいてもよいし、あるいは地盤沈下修復に際して打設してもよい。
【0009】
リフトアップ装置は省力化軌道15の両側それぞれ2箇所ずつに設置された支持部21a〜21b、該支持部により軌道上方において支持される反力用架台22、該反力用架台の適所に固定され、後述の引き上げ部を取り付けて牽引手段となるI型鋼23a〜23c、引き上げ用PC鋼材24a〜24c、I型鋼23a〜23cにそれぞれ取り付けられると共に、引き上げ用PC鋼材24a〜24cを介してボルト材17a〜17cと接続され、油圧により省力化軌道15を引き上げる引き上げ部25a〜25cを備えている。
各支持部21a、21bは、例えば耐力1000KN、質量75Kgのリフト用ジャッキ(キリンジャッキ)であり、反力用架台22は、仮設山留め材H鋼である。図2(A)、(B)の平面図、側面図に示すように反力用架台22は、省力化軌道の周囲4箇所に設置された支持部(リフト用ジャッキ)21a〜21b上にボルト止め(図示せず)により固定され、該反力用架台22の設置高さはリフト用ジャッキ21a〜21bにより調整可能となっている。牽引手段としてのI型鋼23a〜23cは、引き上げ部25a〜25cがボルト材17a〜17cの真上になるように反力用架台22上に万力固定される。引き上げ部25a〜25cは油圧センターホールジャッキであり、それぞれがボルト材17a〜17cの真上位置となるようにI型鋼23a〜23cに設置される。また、引き上げ部(油圧センターホールジャッキ)25a〜25cはそれぞれ引き上げ用PC鋼材24a〜24cを介してボルト材17a〜17cと接続され、かつ、個別に油圧ユニット(図示せず)に接続され、油圧により引き上げ力を発生する。なお、引き上げ用PC鋼材24a〜24cの一旦にはネジ部が形成され、該ネジ部により後述するナットを介してボルト材17a〜17cと接続される。
リフトアップ装置は通常設置されておらず、地盤沈下により省力化軌道をリフティングする際に省力化軌道周辺に設置される。
【0010】
(B)地盤修復工程
地盤沈下が許容沈下量を超えて地盤修復を行なうには、まず、ボルト材17a〜17cを打設する。なお、既にボルト材17a〜17cの打設がなされている場合にはこの工程は不要である。
ボルト材17a〜17cは例えばケミカルアンカーである。図3(A)に示すように、(1)ハンマードリルにより枕木13を介して填充層12の所定深さまで削孔し、(2)削孔後、削孔部にボルト材17a〜17cを打設すると共に、各アンカー材の手元側ボルト部に接続ナット17dを設置し、(3)打設後、ナット17dに防護蓋17eをはめ込む。図3(B)は詳細なボルト材の打設手順説明図であり、(1)枕木13を介して填充層12を削孔し、孔内を清掃し、(2)削孔・清掃後、削孔部に定着材カプセル
17fを挿入し、(3)カプセル挿入後、手元側にネジ部を有するボルト材17aを挿入すると共に、該ネジ部にナット17dをはめ込み、(4)最後に防護蓋17eを被せる。なお、省力化軌道のリフティングに際して、(5)各ボルト材17a〜17cの防護蓋17eを外し、引き上げ用PC鋼材24a〜24c(図1参照)を各ボルト材17a〜17cに設置してあるナット17dにねじ込んで、ボルト材17a〜17cと引き上げ部25a〜25c間をそれぞれ接続する。
【0011】
ボルト材17a〜17cの打設が終了すれば、地盤沈下の修復工と同時に地盤沈下対策工(地盤補強工)を行なうために、図4に示すように孔あき鋼管18を枕木13および填充層12を貫通して地中16に打設する。孔あき鋼管18は、例えば注入管併用マイクロパイルであり、注入管併用マイクロパイルを打設するには、図5に示すように枕木13上に削孔機用鋼製架台31を設置し、その上に公知のマイクロパイル設置用削孔機32を載せ、(1)該マイクロパイル設置用削孔機32により枕木13、填充層12、透水層11aを貫通して地盤16まで削孔し、(2)削孔完了後、注入管併用マイクロパイル18を貫入し、その注入口に防護蓋19を設置する。なお、打設に際して、少なくも1つの孔18aが、省力化軌道をリフティングすることにより発生する空隙部(図示せず)に位置するように注入管併用マイクロパイル18を打設する必要がある。また、注入管併用マイクロパイル18の下方には後述する布袋(図示せず)が被せられている。
孔あき鋼管(注入管併用マイクロパイル)18の貫入が完了すれば、削孔機用鋼製架台31およびマイクロパイル設置用削孔機32を撤去し、リフトアップ装置をセットする。すなわち、図6に示すように、省力化軌道15の両側4箇所にそれぞれ支持部(リフト用ジャッキ)21a〜21bを設置し、該支持部に反力用架台22を載せてボルト止め固定し、架台を軌道上方に作成する。ついで、反力用架台22に牽引手段としてのI型鋼23a〜23cを反力用架台22上に万力固定し、しかる後、支持部(リフト用ジャッキ)21a〜21bにより反力用架台22の設置高さを調整する。
【0012】
設置高さの調整が完了すれば、ボルト材17a〜17cの防護蓋17eを外し、引き上げ用PC鋼材24a〜24cの先端ネジ部をナット17dにねじ込んでボルト材17a〜17cと接続する。ついで、ボルト材17a〜17cの真上位置において、各油圧センターホールジャッキ25a〜25cをI型鋼23a〜23cに万力固定すると共に、引き上げ用PC鋼材24a〜24cの他端をセンターホールジャッキ25a〜25cに設置する。また、各油圧センターホールジャッキ25a〜25cを個別に油圧ユニット(図示せず)に接続する。
以上により、リフトアップ装置のセットが完了し、図1に示す状態になる。
かかる状態において、油圧ユニットより引き上げ部である油圧センターホールジャッキ25a〜25cに省力化軌道の引き上げ力を発生すると、該引き上げ力の反力が反力用架台22を介して支持部21a、21bに受け止められて、図7に示すように省力化軌道15が引き上がり、該省力化軌道15の底盤部と地盤間に空隙部20が発生する。
【0013】
ついで、一端が注入プラント(図示せず)に接続された注入パイプ41を、図8の(1)に示すように、注入管併用マイクロパイル18にスキングラウト用高圧パッカー42が空隙部20辺りに位置するまで挿入し、該パッカー42に水圧3Mpを加えて加圧膨張する。図9は図8のA部分の拡大図であり、43は注入管併用マイクロパイル18を被覆する布製パッカー43である。
(2)かかる状態で、セメントミルク(地盤改良用グラウト)を注入パイプ41より注入する。注入されたセメントミルクは注入管併用マイクロパイル18に形成された多数の孔18aから吐き出される。この結果、注入管併用マイクロパイル18を被覆する布製パッカー43が吐き出されたセメントミルクにより周辺地盤16及び透水層11aにおいて加圧膨張し、地盤を強化改良する。なお、注入管併用マイクロパイル18の内部もセメントミルクで満たされる。
布製パッカー43により、透水層11aへのセメントミルク(地盤改良用グラウト)の逸走が防止されて限定的な地盤改良を図ることが可能となり、より確実な地盤補強効果を得ることができる。しかし、布製パッカー43は必須ではない。布製パッカー43がない場合には、セメントミルクが直接注入管併用マイクロパイル18の周辺地盤16及び透水層11aに注入されてゆき地盤を強化改良する。
【0014】
周辺地盤へのセメントミルクの注入が完了すれば、パッカー42を収縮させ、該パッカー42が填充部12の中間部辺りに位置するまで引き上げ、ついで、該パッカー42に水圧3Mpを加えて加圧膨張する。この状態で、セメントミルクを注入パイプ41より注入する。注入されたセメントミルクは、注入管併用マイクロパイル18に形成された孔18aから省力化軌道15の底盤部と地盤間に生成された空隙部20に注入され、図10に示すように該空隙部20を充填する。しかる後、パッカー42を口元まで引き上げて注入管併用マイクロパイル18の内部をセメントミルクで満たし、注入装置やリフトアップ装置を撤去すれば、省力化軌道下の地盤修復と地盤補強が完了する。図11は省力化軌道下の地盤修復と地盤補強完了後の断面図である。
【0015】
以上のように、本発明によれば、リフトアップ装置により省力化軌道を引き上げるようにしているため、掘削作業やバラストの埋め戻し作業が不要となる。また、省力化軌道をリフトアップしてレール高さを効率的に調整することができる。さらに、地盤沈下の修復工と同時に基本的な地盤沈下対策工(地盤補強工)を行なうことができる。
以上の説明では、孔あき鋼管の外側を布製パッカーで覆った場合について説明したが、布製パッカーは必ずしも必要ではない。
また、以上の説明では、バラスト軌道の上部50cm程度のバラストをセメント注入材で固結して填充層とした軌道を省力化軌道として説明したが、省力化軌道は、かかる構成に限らない。例えば、幅は実施例と同等で、全深さのバラストをセメント注入材で固結して填充層とする省力化軌道のリフトアップにも本発明は適用可能である。
【符号の説明】
【0016】
11 バラスト軌道
12 填充層
13 枕木
14a、14b レール
15 省力化軌道
16 路盤(地盤)
17a、17b、17c ボルト材
18 孔あき鋼管
20 空隙部
21a〜21b 支持部(リフト用ジャッキ)
22 反力用架台
23a〜23c I型鋼
24a〜24c 引き上げ用PC鋼材
25a〜25c 引き上げ部(センターホールジャッキ)
【技術分野】
【0001】
本発明は省力化軌道のリフトアップ装置及びリフトアップ方法に係り、特に地盤上に形成された填充層を備え、該填充層に設けられた枕木によりレールを支持する省力化軌道のリフトアップ装置及びリフトアップ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バラスト軌道の上部50cm程度のバラスト(レールの下に敷き詰められている砕石)をセメント注入材で固結して填充層とした省力化軌道は、バラストの抜け出しを防ぐことができる。また、省力化軌道は、バラスト上に直接枕木を設置したバラスト軌道より道床劣化や軌道狂いが生じにくい等の利点があり、さらには、バラストの補充等の作業を低減することができる利点がある。
しかし、バラスト軌道より軌道狂いが生じにくいとはいえ、軌道下の地盤は殆どがN値自沈(構造物自体の重みで沈んでしまう)からN値が5以下程度のローム層の軟弱な盛土(軟弱地盤)となっており、列車の振動加重等で省力化軌道毎に異なる地盤沈下(不同沈下)を起こしている。
従来、レール面での許容沈下量は2cm程度であり、この許容沈下量を超えた部分では、軌道両サイドの掘削を行い、ジャッキを差し込み、省力化軌道全体をリフトアップさせ、リフトアップ状態において省力化軌道底盤部の間隙にセメント系注入材を填充材として補充し、補充後レールを許容高さに調整して列車を通している(特許文献1)。図12は、地盤沈下対策の工程を示す断面図であり、バラスト軌道1の上部50cm程度のバラスト部分がセメント注入材で固結されて填充層2が形成されており、該填充層2上に枕木3の一部が埋設、固定され、その上にレール4a、4bが取り付けられて省力化軌道5が形成されている。
図12(A)に示すように、沈下量が許容沈下量を超えると、図12(B)に示すように、省力化軌道5の両サイドのバラスト部分1a、1bを掘削し、掘削部にジャッキ6a、6bを差し込み、省力化軌道全体を所定の高さまでリフトアップさせ、かかる状態で軌道底盤部の間隙7にセメント系注入材8を填充材として補充し(A矢印参照)、補充完了後レールを許容高さに調整し、最後に図12(C)に示すように、軌道両サイドの掘削部にバラストを埋め込んで地盤沈下対策を完了する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−247356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、かかる従来方法では、1)軌道両サイドの掘削とジャッキの差込作業、2)軌道のリフトアップと填充材の注入作業、3)バラストの埋め戻しと軌道整備作業、という3つの工程が必要となり、地盤沈下対策、特にリフトアップ作業が大掛かりになると共に、修復工期が長くなる問題がある。しかも、従来方法の填充材の注入は基本的な地盤沈下対策でないため、軌道が許容沈下量を超えるたびに大掛かりなリフトアップ作業を行なわなければならない問題がある。
以上から、本発明の目的は、掘削作業やバラストの埋め戻し作業無しでレール高さを効率的に調整可能にすることである。
本願発明の別の目的は、ジャッキを用いずに省力化軌道をリフトアップしてレール高さを調整可能にすることである。
本願発明の別の目的は、地盤沈下の修復工と同時に基本的な地盤沈下対策工を行なえるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、地盤上に形成された填充層を備え、該填充層に設けられた枕木によりレールを支持する省力化軌道のリフトアップ装置および省力化軌道のリフトアップ方法である。
・省力化軌道のリフトアップ装置
本願発明の省力化軌道のリフトアップ装置は、省力化軌道の両側にそれぞれ設置される複数の支持部、該支持部により軌道上方において支持される反力用架台、該反力用架台に取り付けられると共に、前記省力化軌道の前記填充層に打設された複数本のボルト材とそれぞれ連結されて該省力化軌道を引き上げる引き上げ部を備え、前記引き上げ部に引き上げ力を発生し、該引き上げ力の反力を、前記反力用架台を介して前記支持部で受け止めて前記省力化軌道を引き上げる。
・省力化軌道のリフトアップ方法
本発明の省力化軌道のリフトアップ方法では、枕木を介して前記填充層に複数本のボルト材を打設し、省力化軌道の両側にそれぞれ複数の支持部を設置し、該支持部により軌道上方において反力用架台を支持し、前記反力用架台に前記各ボルト材と連結されて省力化軌道を引き上げる引き上げ部を取り付け、前記引き上げ部に引き上げ力を発生し、該引き上げ力の反力を、前記反力用架台を介して前記支持部で受け止めて前記省力化軌道を引き上げる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、枕木を介して前記填充層に複数本のボルト材を打設し、省力化軌道の両側にそれぞれ複数の支持部を設置し、該支持部により軌道上方において反力用架台を支持し、前記反力用架台に前記各ボルト材と連結されて省力化軌道を引き上げる引き上げ部を取り付け、前記引き上げ部に引き上げ力を発生し、該引き上げ力の反力を、前記反力用架台を介して前記支持部で受け止めて前記省力化軌道を引き上げるようにしたから、掘削作業やバラストの埋め戻し作業が不要であり、しかも、ジャッキを用いずに省力化軌道をリフトアップしてレール高さを効率的に調整することができる。
本願発明によれば、省力化軌道のリフトアップ前後に、枕木および填充層を貫通して地中に孔あき鋼管を打設する工程を容易に追加でき、該孔あき鋼管より、孔あき鋼管周囲の地中、及びリフトアップにより生じた省力化軌道との空隙部に注入材を注入することにより、地盤沈下の修復工と同時に基本的な地盤沈下対策工を行なうことできる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本願発明の省力化軌道のリフトアップ装置の構成図である。
【図2】リフトアップ装置の平面図、側面図である。
【図3】ボルト材の省力化軌道への打設説明図である。
【図4】孔あき鋼管の打設説明図である。
【図5】孔あき鋼管である注入管併用マイクロパイルを、マイクロパイル設置用削孔機を用いて打設する説明図である。
【図6】リフトアップ装置の設置説明図である。
【図7】リフトアップ装置による省力化軌道の引き上げ説明図である。
【図8】地盤強化工程説明図である。
【図9】図8の一部拡大図である。
【図10】省力化軌道下の地盤修復工程説明図である。
【図11】省力化軌道下の地盤修復と地盤補強完了後の断面図である。
【図12】従来の地盤沈下対策の工程を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0008】
(A)省力化軌道のリフトアップ装置
図1は本発明の省力化軌道のリフトアップ装置の構成図である。
図1において、バラスト軌道11の上部50cm程度のバラスト部分がセメント注入材で固結されて填充層12が形成されており、該填充層12上にコンクリート製の枕木13が埋設、固定され、その上にレール14a、14bが取り付けられて省力化軌道15が構成されている。バラスト軌道11は路盤(地盤)16上に設置され、省力化軌道15を除いたバラスト部11aは透水層を形成する。
枕木13を介して填充層12に複数本のボルト材17a、17b、17cが打設されており、また、枕木13、填充層12、透水層11aを貫通して地盤16に2本の孔あき鋼管(注入管)18が貫入され、注入口に防護蓋19が設置されている。孔あき鋼管18の周辺部の適所にはセメント系注入材を周囲の地中(地盤)16及びリフトアップにより生じる省力化軌道15と地盤16間の空隙部(図示せず)に注入材を注入するための孔18aが多数設けられている。ボルト材17a〜17cや孔あき鋼管18は予め取り付けておいてもよいし、あるいは地盤沈下修復に際して打設してもよい。
【0009】
リフトアップ装置は省力化軌道15の両側それぞれ2箇所ずつに設置された支持部21a〜21b、該支持部により軌道上方において支持される反力用架台22、該反力用架台の適所に固定され、後述の引き上げ部を取り付けて牽引手段となるI型鋼23a〜23c、引き上げ用PC鋼材24a〜24c、I型鋼23a〜23cにそれぞれ取り付けられると共に、引き上げ用PC鋼材24a〜24cを介してボルト材17a〜17cと接続され、油圧により省力化軌道15を引き上げる引き上げ部25a〜25cを備えている。
各支持部21a、21bは、例えば耐力1000KN、質量75Kgのリフト用ジャッキ(キリンジャッキ)であり、反力用架台22は、仮設山留め材H鋼である。図2(A)、(B)の平面図、側面図に示すように反力用架台22は、省力化軌道の周囲4箇所に設置された支持部(リフト用ジャッキ)21a〜21b上にボルト止め(図示せず)により固定され、該反力用架台22の設置高さはリフト用ジャッキ21a〜21bにより調整可能となっている。牽引手段としてのI型鋼23a〜23cは、引き上げ部25a〜25cがボルト材17a〜17cの真上になるように反力用架台22上に万力固定される。引き上げ部25a〜25cは油圧センターホールジャッキであり、それぞれがボルト材17a〜17cの真上位置となるようにI型鋼23a〜23cに設置される。また、引き上げ部(油圧センターホールジャッキ)25a〜25cはそれぞれ引き上げ用PC鋼材24a〜24cを介してボルト材17a〜17cと接続され、かつ、個別に油圧ユニット(図示せず)に接続され、油圧により引き上げ力を発生する。なお、引き上げ用PC鋼材24a〜24cの一旦にはネジ部が形成され、該ネジ部により後述するナットを介してボルト材17a〜17cと接続される。
リフトアップ装置は通常設置されておらず、地盤沈下により省力化軌道をリフティングする際に省力化軌道周辺に設置される。
【0010】
(B)地盤修復工程
地盤沈下が許容沈下量を超えて地盤修復を行なうには、まず、ボルト材17a〜17cを打設する。なお、既にボルト材17a〜17cの打設がなされている場合にはこの工程は不要である。
ボルト材17a〜17cは例えばケミカルアンカーである。図3(A)に示すように、(1)ハンマードリルにより枕木13を介して填充層12の所定深さまで削孔し、(2)削孔後、削孔部にボルト材17a〜17cを打設すると共に、各アンカー材の手元側ボルト部に接続ナット17dを設置し、(3)打設後、ナット17dに防護蓋17eをはめ込む。図3(B)は詳細なボルト材の打設手順説明図であり、(1)枕木13を介して填充層12を削孔し、孔内を清掃し、(2)削孔・清掃後、削孔部に定着材カプセル
17fを挿入し、(3)カプセル挿入後、手元側にネジ部を有するボルト材17aを挿入すると共に、該ネジ部にナット17dをはめ込み、(4)最後に防護蓋17eを被せる。なお、省力化軌道のリフティングに際して、(5)各ボルト材17a〜17cの防護蓋17eを外し、引き上げ用PC鋼材24a〜24c(図1参照)を各ボルト材17a〜17cに設置してあるナット17dにねじ込んで、ボルト材17a〜17cと引き上げ部25a〜25c間をそれぞれ接続する。
【0011】
ボルト材17a〜17cの打設が終了すれば、地盤沈下の修復工と同時に地盤沈下対策工(地盤補強工)を行なうために、図4に示すように孔あき鋼管18を枕木13および填充層12を貫通して地中16に打設する。孔あき鋼管18は、例えば注入管併用マイクロパイルであり、注入管併用マイクロパイルを打設するには、図5に示すように枕木13上に削孔機用鋼製架台31を設置し、その上に公知のマイクロパイル設置用削孔機32を載せ、(1)該マイクロパイル設置用削孔機32により枕木13、填充層12、透水層11aを貫通して地盤16まで削孔し、(2)削孔完了後、注入管併用マイクロパイル18を貫入し、その注入口に防護蓋19を設置する。なお、打設に際して、少なくも1つの孔18aが、省力化軌道をリフティングすることにより発生する空隙部(図示せず)に位置するように注入管併用マイクロパイル18を打設する必要がある。また、注入管併用マイクロパイル18の下方には後述する布袋(図示せず)が被せられている。
孔あき鋼管(注入管併用マイクロパイル)18の貫入が完了すれば、削孔機用鋼製架台31およびマイクロパイル設置用削孔機32を撤去し、リフトアップ装置をセットする。すなわち、図6に示すように、省力化軌道15の両側4箇所にそれぞれ支持部(リフト用ジャッキ)21a〜21bを設置し、該支持部に反力用架台22を載せてボルト止め固定し、架台を軌道上方に作成する。ついで、反力用架台22に牽引手段としてのI型鋼23a〜23cを反力用架台22上に万力固定し、しかる後、支持部(リフト用ジャッキ)21a〜21bにより反力用架台22の設置高さを調整する。
【0012】
設置高さの調整が完了すれば、ボルト材17a〜17cの防護蓋17eを外し、引き上げ用PC鋼材24a〜24cの先端ネジ部をナット17dにねじ込んでボルト材17a〜17cと接続する。ついで、ボルト材17a〜17cの真上位置において、各油圧センターホールジャッキ25a〜25cをI型鋼23a〜23cに万力固定すると共に、引き上げ用PC鋼材24a〜24cの他端をセンターホールジャッキ25a〜25cに設置する。また、各油圧センターホールジャッキ25a〜25cを個別に油圧ユニット(図示せず)に接続する。
以上により、リフトアップ装置のセットが完了し、図1に示す状態になる。
かかる状態において、油圧ユニットより引き上げ部である油圧センターホールジャッキ25a〜25cに省力化軌道の引き上げ力を発生すると、該引き上げ力の反力が反力用架台22を介して支持部21a、21bに受け止められて、図7に示すように省力化軌道15が引き上がり、該省力化軌道15の底盤部と地盤間に空隙部20が発生する。
【0013】
ついで、一端が注入プラント(図示せず)に接続された注入パイプ41を、図8の(1)に示すように、注入管併用マイクロパイル18にスキングラウト用高圧パッカー42が空隙部20辺りに位置するまで挿入し、該パッカー42に水圧3Mpを加えて加圧膨張する。図9は図8のA部分の拡大図であり、43は注入管併用マイクロパイル18を被覆する布製パッカー43である。
(2)かかる状態で、セメントミルク(地盤改良用グラウト)を注入パイプ41より注入する。注入されたセメントミルクは注入管併用マイクロパイル18に形成された多数の孔18aから吐き出される。この結果、注入管併用マイクロパイル18を被覆する布製パッカー43が吐き出されたセメントミルクにより周辺地盤16及び透水層11aにおいて加圧膨張し、地盤を強化改良する。なお、注入管併用マイクロパイル18の内部もセメントミルクで満たされる。
布製パッカー43により、透水層11aへのセメントミルク(地盤改良用グラウト)の逸走が防止されて限定的な地盤改良を図ることが可能となり、より確実な地盤補強効果を得ることができる。しかし、布製パッカー43は必須ではない。布製パッカー43がない場合には、セメントミルクが直接注入管併用マイクロパイル18の周辺地盤16及び透水層11aに注入されてゆき地盤を強化改良する。
【0014】
周辺地盤へのセメントミルクの注入が完了すれば、パッカー42を収縮させ、該パッカー42が填充部12の中間部辺りに位置するまで引き上げ、ついで、該パッカー42に水圧3Mpを加えて加圧膨張する。この状態で、セメントミルクを注入パイプ41より注入する。注入されたセメントミルクは、注入管併用マイクロパイル18に形成された孔18aから省力化軌道15の底盤部と地盤間に生成された空隙部20に注入され、図10に示すように該空隙部20を充填する。しかる後、パッカー42を口元まで引き上げて注入管併用マイクロパイル18の内部をセメントミルクで満たし、注入装置やリフトアップ装置を撤去すれば、省力化軌道下の地盤修復と地盤補強が完了する。図11は省力化軌道下の地盤修復と地盤補強完了後の断面図である。
【0015】
以上のように、本発明によれば、リフトアップ装置により省力化軌道を引き上げるようにしているため、掘削作業やバラストの埋め戻し作業が不要となる。また、省力化軌道をリフトアップしてレール高さを効率的に調整することができる。さらに、地盤沈下の修復工と同時に基本的な地盤沈下対策工(地盤補強工)を行なうことができる。
以上の説明では、孔あき鋼管の外側を布製パッカーで覆った場合について説明したが、布製パッカーは必ずしも必要ではない。
また、以上の説明では、バラスト軌道の上部50cm程度のバラストをセメント注入材で固結して填充層とした軌道を省力化軌道として説明したが、省力化軌道は、かかる構成に限らない。例えば、幅は実施例と同等で、全深さのバラストをセメント注入材で固結して填充層とする省力化軌道のリフトアップにも本発明は適用可能である。
【符号の説明】
【0016】
11 バラスト軌道
12 填充層
13 枕木
14a、14b レール
15 省力化軌道
16 路盤(地盤)
17a、17b、17c ボルト材
18 孔あき鋼管
20 空隙部
21a〜21b 支持部(リフト用ジャッキ)
22 反力用架台
23a〜23c I型鋼
24a〜24c 引き上げ用PC鋼材
25a〜25c 引き上げ部(センターホールジャッキ)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤上に形成された填充層を備え、該填充層に設けられた枕木によりレールを支持する省力化軌道のリフトアップ装置において、
省力化軌道の両側にそれぞれ設置される複数の支持部、
該支持部により軌道上方において支持される反力用架台、
該反力用架台に取り付けられると共に、前記省力化軌道の前記填充層に打設された複数本のボルト材とそれぞれ連結されて該省力化軌道を引き上げる引き上げ部、
を有し、前記引き上げ部に引き上げ力を発生し、該引き上げ力の反力を、前記反力用架台を介して前記支持部で受け止めて前記省力化軌道を引き上げる、
ことを特徴とする省力化軌道のリフトアップ装置。
【請求項2】
地盤上に形成された填充層を備え、該填充層に設けられた枕木によりレールを支持する省力化軌道のリフトアップ方法において、
枕木を介して前記填充層に複数本のボルト材を打設し、
省力化軌道の両側にそれぞれ複数の支持部を設置し、
該支持部により軌道上方において反力用架台を支持し、
前記反力用架台に前記各ボルト材と連結されて省力化軌道を引き上げる引き上げ部を取り付け、
前記引き上げ部に引き上げ力を発生し、
該引き上げ力の反力を、前記反力用架台を介して前記支持部で受け止めて前記省力化軌道を引き上げる、
ことを特徴とする省力化軌道のリフトアップ方法。
【請求項1】
地盤上に形成された填充層を備え、該填充層に設けられた枕木によりレールを支持する省力化軌道のリフトアップ装置において、
省力化軌道の両側にそれぞれ設置される複数の支持部、
該支持部により軌道上方において支持される反力用架台、
該反力用架台に取り付けられると共に、前記省力化軌道の前記填充層に打設された複数本のボルト材とそれぞれ連結されて該省力化軌道を引き上げる引き上げ部、
を有し、前記引き上げ部に引き上げ力を発生し、該引き上げ力の反力を、前記反力用架台を介して前記支持部で受け止めて前記省力化軌道を引き上げる、
ことを特徴とする省力化軌道のリフトアップ装置。
【請求項2】
地盤上に形成された填充層を備え、該填充層に設けられた枕木によりレールを支持する省力化軌道のリフトアップ方法において、
枕木を介して前記填充層に複数本のボルト材を打設し、
省力化軌道の両側にそれぞれ複数の支持部を設置し、
該支持部により軌道上方において反力用架台を支持し、
前記反力用架台に前記各ボルト材と連結されて省力化軌道を引き上げる引き上げ部を取り付け、
前記引き上げ部に引き上げ力を発生し、
該引き上げ力の反力を、前記反力用架台を介して前記支持部で受け止めて前記省力化軌道を引き上げる、
ことを特徴とする省力化軌道のリフトアップ方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−31698(P2012−31698A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−174180(P2010−174180)
【出願日】平成22年8月3日(2010.8.3)
【出願人】(000129758)株式会社ケー・エフ・シー (120)
【出願人】(595006762)株式会社アレン (11)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月3日(2010.8.3)
【出願人】(000129758)株式会社ケー・エフ・シー (120)
【出願人】(595006762)株式会社アレン (11)
【Fターム(参考)】
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