説明

磁気化券読み取り対応機器

【課題】磁気化券読み取り装置の媒体搬送に用いるモータは、モータからの磁束の影響による磁気ヘッドの読み取り不良を防ぐため、磁気ヘッドと十分に距離を離す必要があり、そのため、磁気化券読み取り対応機器の読み取り機構には実装条件に制限があった。
【解決手段】モータからの磁束の影響による磁気ヘッドの読み取り不良を防ぎ、磁気ヘッドとモータを狭空間に実装することを可能とした小型の磁気化券読み取り対応機器を提供する。磁気ヘッド7近くのモータ9の鋼板周りに磁性シート8を巻くことによって、モータ9からの磁束漏れ11による読み取り不良を防ぐ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気券読み取り対応機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、磁気化券読み取り対応機器は、磁気ヘッドの近くにモータが設置されている場合、モータからの磁束を磁気ヘッドが受けることによって、読取不良を起こしていた。
【0003】
磁気ヘッドとモータとの距離を十分に放し、モータ周りを珪素鋼板等で覆うことによって、モータからの磁束漏れによる読み取り不良を防ぐことは可能である。
しかし、読み取り対応機器の実装条件によっては上述の機構が適用出来ない場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−149524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
磁気ヘッドの近くにモータを設置すると、モータからの磁束漏れにより読み取り不良が発生する。
また、読み取り不良の場合、係員が読み取り処理を繰り返したり、新たに磁気化券を発行したりする手間がかかるため、時間的な損失や信頼の低下を伴う恐れがある。
【0006】
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、モータからの磁束の影響による磁気ヘッドの読み取り不良を防ぎ、磁気ヘッドとモータを狭空間に実装することを可能とした小型の磁気化券読み取り対応機器を供給することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明によれば、 磁気ヘッド(7)近接部に配置されたモータ(9)の鋼板周りに磁性シート(8)を巻くことによって、該モータ(9)からの磁束漏れ(11)による読み取り不良を防ぐことを特徴とする磁気化券読取装置。
【0008】
すなわち、本発明においては、磁気券読み取り部の磁気ヘッド近くのモータの鋼板にさらに磁性シートを周囲に巻くことにより、上記課題を解決する。
本発明は、磁気券読み取り対応機器の磁気券読み取り部のモータからの磁束の漏れを、磁気ヘッドとの距離が極めて近い場合でも受けないようにすることを最も重要な特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の構造は、上記のとおり磁気化券の読み取り不良を防ぐので、読み取り処理を繰り返したり、新たに磁気化券を発行したりすることを回避し、利用者および事業者の金銭的損失や時間的損失を無くし、磁気化券読み取り対応機器の利用者および事業者に対する信頼性の向上と利便性向上に寄与する。
モータ周りを珪素鋼板で覆う場合等に比べ、安価で小型の磁気化券読み取り対応機器の作出を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】磁気化券読み取り機構部側面図
【図2】小型の磁気化券読み取り対応機器外観図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施例として、磁気化券読み取り部の磁気ヘッドとモータが極めて近い小型の磁気化券読み取り対応機器について説明する。図2は本発明の小型の磁気化券読み取り対応機器の外観図であり、図1はその内部の磁気化券読み込み機構部の側面図である。
【実施例1】
【0012】
図2において、小型の磁気化券読み取り対応機器1は、上部に磁気化券読み取り対応機器の動作の制御と電源の供給を行う上位機器2との結合部3、電源供給部4及び通信部5を実装している。
【0013】
図1において、同機器の内部の磁気化券読み取り部は磁気化券6の読み取りを行う磁気ヘッド7と磁性シート8を巻いているモータ9を実装している。磁気化券6は搬送ローラ10と磁気ヘッド7との隙間を通り読み取り処理を行う。磁気ヘッド7とモータ9は極めて近くに実装されておりモータからの磁束の漏れ11を磁性シート8が防いでいる。
【0014】
磁気ヘッドとモータが極めて近い場合でも、モータからの磁束漏れは磁性シートによって防いでいるので磁気化券の正常な読み取りを行うことが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0015】
これまで、磁気化券読み取り装置の媒体搬送に用いるモータは、モータからの磁束の影響による磁気ヘッドの読み取り不良を防ぐため、磁気ヘッドと十分に距離を離す必要があった。そのため、磁気化券読み取り対応機器の読み取り機構には実装条件に制限があった。
本発明により前述の課題を解消し、モータと磁気ヘッドの実装距離を近づけることができる。
よって、本発明は磁気化券読み取り対応機器の小型化・低価格化・作出の簡易化・信頼性の向上の観点より有効である。
【符号の説明】
【0016】
1 小型の磁機化券読み取り対応機器
2 上位機器
3 磁気化券読み取り対応機器結合部
4 磁気化券読み取り対応機器電源供給部
5 磁気化券読み取り対応機器電源通信部
6 磁気化券
7 磁気ヘッド
8 磁性シート
9 モータ
10 搬送ローラ
11 磁束漏れ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気ヘッド(7)近接部に配置されたモータ(9)の鋼板周りに磁性シート(8)を巻くことによって、該モータ(9)からの磁性漏れ(11)による読み取り不良を防ぐことを特徴とする磁気化券読取装置。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−165268(P2011−165268A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−26648(P2010−26648)
【出願日】平成22年2月9日(2010.2.9)
【出願人】(000003115)東洋電機製造株式会社 (380)