説明

祈念先地点登録装置

【課題】 利用者が祈念先地点を登録することのできる祈念先地点登録装置を提供すること
【解決手段】 登録利用者が操作可能とされた情報端末4a,4bから、該登録利用者を個々に識別可能な登録者識別情報と、当該登録利用者が登録を希望する祈念先地点の位置を特定可能な位置特定情報とを少なくとも含む祈念先地点登録要求を受信し、該受信した要求に含まれる登録者識別情報と位置特定情報とを対応付けて記憶するともに、参拝者が操作可能とされた情報端末から、参拝の対象となる登録利用者の登録者識別情報を含む祈念要求を受信したことにより、該祈念要求に含まれる登録者識別情報に対応付けて記憶されている位置特定情報から特定される祈念先地点に関する祈念先地点情報を生成して配信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者が、利用者自身あるいは自身の家族や親類等の関係者が祈りを向ける祈念先地点を登録することで、利用者自身あるいは関係者が祈る際等において、その祈念先地点の情報を利用者自身あるいは関係者が操作可能な情報端末に対して配信する祈念先地点登録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、人口の増加とともに墓園用地も少なくなってきていること等から、首都圏等をはじめとする都市近郊の墓所の取得費用が高額となってきて、墓所が自宅から遠方にある墓所が増えているとともに、インターネット等の普及により、いつでも家庭のコンピュータや携帯電話からインターネット網を通じてサーバにアクセスできる利便性を利用して、サーバに仮想の墓地を設けて、これら仮想の墓地にアクセスして参拝することで、気軽にお参りすることのできる墓参システムが実用化されている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平10−105615号公報(第3〜5頁、第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これら特許文献1に示すような墓参システムを利用する利用者にあっては、自分のお気に入りの土地、あるいは故人のお気に入りの土地、たとえば、自身や故人が幼少期を過ごした田舎や、その風景や景色がとても気に入っているゆかりのある地点を、参拝する際において祈りを向ける祈念先として登録しておくことで、参拝等において、これら祈念先の地点の情報、地名やその地点の風景等を配信されるようにすることで、より深く故人等を偲んでの祈りができるようにしたいという要望があるが、これら特許文献1に示すような墓参システムにあっては、祈念先地点を登録することのできる機能を備えておらず、これら利用者の要望に応えることができないという問題があった。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、利用者が祈念先地点を登録することのできる祈念先地点登録装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の祈念先地点登録装置は、
オープンコンピュータネットワークに接続されているサーバコンピュータにより形成され、予め利用登録した登録利用者からの受付けに基づいて登録した祈念先地点に関する情報を参拝者の情報端末に対して配信する祈念先地点登録装置であって、
前記登録利用者が操作可能とされた情報端末から、該登録利用者を個々に識別可能な登録者識別情報と、当該登録利用者が登録を希望する祈念先地点の地球上の位置を特定可能な位置特定情報とを少なくとも含む祈念先地点登録要求を受信する祈念先地点受信手段と、
該受信した前記祈念先地点登録要求に含まれる登録者識別情報と位置特定情報とを対応付けて記憶する祈念先地点情報記憶手段と、
参拝者が操作可能とされた情報端末から、参拝の対象となる登録利用者の登録者識別情報を含む祈念要求を受信する祈念要求受信手段と、
該受信した祈念要求に含まれる登録者識別情報に対応付けて前記祈念先地点情報記憶手段により記憶されている位置特定情報から特定される祈念先地点に関する祈念先地点情報を生成して、前記祈念要求の送信元の情報端末に配信する祈念先地点情報配信手段と、
を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、祈りを向ける地点として所望する地点を登録したいという登録利用者の要望に応えることができるとともに、これら祈念先地点を登録することで、参拝者に対して該登録した祈念先地点に関する情報が配信されるようになるので、参拝者は、例えば、当該祈念先地点にゆかりのある故人等を偲んでの祈りができる。
【0007】
本発明の請求項2に記載の祈念先地点登録装置は、請求項1に記載の祈念先地点登録装置であって、
前記登録利用者が操作可能とされた情報端末から、祈念先地点を含む地域を特定可能な地域特定情報を受信する地域特定情報受信手段と、
該地域特定情報受信手段にて受信した地域特定情報から特定される地域に該当する地図を該地域特定情報の送信元の情報端末において表示可能な地図データを送信する地図データ送信手段と、
を備え、
前記祈念先地点受信手段は、前記地図データを送信した情報端末から、該登録利用者により選択された前記地図上の祈念先地点の位置を特定可能な情報を、前記位置特定情報として受信することを特徴としている。
この特徴によれば、祈念先地点を登録する際に、地域特定情報、例えば郵便番号等を受付けて、該郵便番号から特定される地域の地図を配信し、当該地図上の位置を祈念先地点として受付けるので、広域の地図から登録する祈念地点周辺の地図を選択するための手間を省くことができ、祈念先地点の登録における手間を低減できるとともに、祈念先地点の位置を地図上において直感的に確認して登録することができる。
【0008】
本発明の請求項3に記載の祈念先地点登録装置は、請求項1または2に記載の祈念先地点登録装置であって、
前記祈念先地点受信手段は、前記登録利用者が操作可能とされた情報端末から、前記位置特定情報に加えて、当該祈念先地点の画像情報を含む祈念先地点登録要求を受信し、
前記祈念先地点情報記憶手段は、受信した前記祈念先地点登録要求に含まれる登録者識別情報と位置特定情報並びに画像情報とを対応付けて記憶し、
前記祈念先地点情報配信手段は、前記祈念先地点情報記憶手段にて記憶されている画像情報を含む祈念先地点情報を配信することを特徴としている。
この特徴によれば、登録利用者は、祈念先地点の位置に加えて画像も登録でき、参拝者に対しては、該登録した祈念先地点の画像情報も配信されるようになるので、該祈念先地点の様子を視覚的に認識して当該地点に祈りを向けることができ、より一層深く祈りを向けることができる。
【0009】
本発明の請求項4に記載の祈念先地点登録装置は、請求項3に記載の祈念先地点登録装置であって、
前記登録利用者が操作可能とされた情報端末が、該登録利用者が携行可能な携帯端末であって、さらに撮像手段を有しており、
前記祈念先地点受信手段は、前記画像情報として前記撮像手段にて撮像された画像情報を少なくとも含む祈念先地点登録要求を受信することを特徴としている。
この特徴によれば、登録利用者は、携帯端末を携行して登録したい地点に赴くことで該登録したい地点の画像を容易に撮像できるとともに、撮像した登録したい地点の画像を他の情報端末に転送することなく該携帯端末から簡便に登録することができる。
【0010】
本発明の請求項5に記載の祈念先地点登録装置は、請求項1〜4のいずれかに記載の祈念先地点登録装置であって、
前記登録利用者が操作可能とされた情報端末が、該登録利用者が携行可能な携帯端末であって、さらに当該携帯端末の現在位置を特定可能な現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段を有しており、
前記祈念先地点受信手段または前記地域特定情報受信手段は、前記位置特定情報として前記現在位置情報を少なくとも含む祈念先地点登録要求または前記地域特定情報として前記現在位置情報を受信することを特徴としている。
この特徴によれば、登録利用者は、携帯端末を携行して登録したい地点に赴くことで該登録したい地点の現在位置情報を容易に取得して、該取得した現在位置情報を位置特定情報または前記地域特定情報として使用することができ、これら位置特定情報または前記地域特定情報の入力や取得に伴う手間を大幅に削減することができ、登録利用者の利便性を向上できる。
【0011】
本発明の請求項6に記載の祈念先地点登録装置は、請求項1〜5のいずれかに記載の祈念先地点登録装置であって、
前記祈念先地点受信手段は、前記登録利用者が操作可能とされた情報端末から、祈念先地点登録要求を、少なくとも前記登録者識別情報と前記位置特定情報とを含む電子メールにて受信することを特徴としている。
この特徴によれば、登録利用者は、祈念先地点登録装置にアクセスして登録操作を行うことなく電子メールの送信操作を行うのみで、祈念先地点の位置を簡便に登録できるとともに、祈念先地点登録装置側においても、受信したメールによる登録を適宜に実施すれば良く、例えば、登録のために多数のアクセスされた際に同時的に登録処理を実施することにより処理負荷が大きくなることを回避することもできる。
【0012】
本発明の請求項7に記載の祈念先地点登録装置は、請求項1〜6のいずれかに記載の祈念先地点登録装置であって、
前記祈念先地点受信手段にて受信した祈念先地点登録要求に含まれる位置特定情報から特定される祈念先地点が、前記祈念先地点記憶手段に既に記憶されている位置特定情報から特定される祈念先地点の周囲の所定領域内の地点であるか否かを判定する判定手段を備え、
前記祈念先地点記憶手段は、前記判定手段による判定結果が所定領域内の地点ではないとの判定結果であることを条件として受信した前記祈念先地点情報に含まれる登録者識別情報と位置特定情報とを対応付けて記憶することを特徴としている。
この特徴によれば、ほぼ同一地点を複数の登録利用者が祈念先地点として登録することを回避でき、これら祈念先地点が重複登録されることによる登録利用者間のトラブルの発生を回避することができる。
【0013】
本発明の請求項8に記載の祈念先地点登録装置は、請求項7に記載の祈念先地点登録装置であって、
前記祈念先地点記憶手段により記憶された祈念先地点の配信履歴を記憶するための配信履歴記憶手段と、
該配信履歴記憶手段における配信履歴に基づいて、参拝者の情報端末に対して所定期間配信されなかったことを条件として、当該所定期間配信されなかった祈念先地点に対応する登録者識別情報と位置特定情報とを削除する祈念先地点削除手段と、
を備える特徴としている。
この特徴によれば、所定期間参拝されていない祈念先地点が削除され、登録利用者は、削除された祈念先地点に対して、新たに祈念先地点を登録できるようになり、限られた祈念先地点を有効に活用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の実施例を以下に説明する。
【実施例】
【0015】
図1は、本発明を適用した本実施例の祈念先地点登録装置としての墓参サーバ1により構成される祈念先地点登録システム(以下、システムと略称する)の構成を示す図である。
【0016】
本実施例のシステムは、オープンコンピュータネットワークとしてのインターネット網3に接続された本発明の情報端末としてのコンピュータ端末4aと、携帯電話通信事業者の管理コンピュータ5及び基地局6を介して無線通信にてインターネット網3に接続された本発明の情報端末としての携帯電話機4bと、コンピュータネットワークとしてのLAN(Local Area Network、構内通信網)7に接続された管理者端末2と、インターネット網3を介して受信したコンピュータ端末4aまたは携帯電話機4bからの祈念先地点登録要求や、LAN7を介して受信した管理者端末2からの祈念先地点登録要求に基づいて祈念先地点を登録する墓参サーバ1と、から主に構成されている。尚、以下では、コンピュータ端末4aおよび携帯電話機4bを情報端末4とも総称する。
【0017】
本実施例の利用者は、本発明の登録利用者としての登録者、または、参拝者のいずれかとされており、登録者は、墓参サーバ1を運営する事業者と利用契約を結び、当該墓参サーバ1が提供する仮想の墓地の所有者として登録されることで、当該墓参サーバ1が提供する仮想の墓地を取得できる。また、参拝者は、墓参サーバ1にアクセスすることで、登録者が取得している仮想の墓地に参拝できるようになっている。
【0018】
本実施例の墓参サーバ1は、図1に示すように、CPUの制御プログラム等を格納するROM、祈念先地点登録要求を受信する処理や、祈念先地点を登録する登録処理等を実施するための各種処理プログラムを実行するCPU、必要なデータの書き込み及び読み出しを行うRAMを備える制御部101と、前述の各種処理プログラムや、後述する各種データテーブル(図2参照)を記憶する記憶部102と、インターネット網3を介して情報端末4とデータの送受信を行うための通信インタフェースとしての通信部103と、LAN7を介して管理者端末2とデータの送受信を行うための通信インタフェースとしての通信部104とから構成されており、比較的高速の演算処理が可能な通常のサーバコンピュータとされている。
【0019】
また、墓参サーバ1の記憶部102には、図2(a)に示すように、墓参サーバ1に登録している登録者を個々に識別可能な本発明の登録者識別情報としての登録者IDに対応付けて、当該登録者の氏名、戒名、没年月日、享年、肖像画像データのファイル名である肖像画像と、家系図画像データのファイル名である家系図画像と、登録者から参拝者へのメッセージを記録した音声データのファイル名である音声等からなる登録者情報を登録するための登録者情報テーブルが記憶されている。
【0020】
また、墓参サーバ1の記憶部102には、図2(b)に示すように、参拝者が墓参サーバ1にアクセスすることで、登録者が所有している仮想の墓地に参拝した日付である参拝日付と、参拝者に参拝された登録者の登録者ID等、を対応付けて登録するための参拝履歴テーブルが記憶されている。
【0021】
また、墓参サーバ1の記憶部102には、図2(c)に示すように、登録者に祈りを向けようとする参拝者がアクセスしてきたときに、該参拝者に祈念対象として提示する地点である祈念先地点を登録するための祈念先地点テーブルが記憶されている。この祈念先地点テーブル(図2(c)参照)は、祈念先地点を特定可能な祈念先地点IDに対応付けて、該祈念先地点を祈念対象として登録した登録者の登録者IDと、祈念先地点の緯度/経度と、祈念先地点を撮像した地点画像データのファイル名である地点画像等からなる。尚、登録者(同一の登録者ID)ごとに1つの祈念先地点が登録可能とされている。
【0022】
つまり、祈念先地点テーブル(図2(c)参照)に記憶されている緯度/経度により、祈念先地点の地球上の位置を特定可能とされており、本実施例の祈念先地点テーブル(図2(c)参照)に記憶されている緯度/経度は、本発明の位置特定情報に該当する。
【0023】
つまり、本実施例の祈念先地点テーブル(図2(c)参照)は、登録者識別情報(登録者ID)と位置特定情報(緯度/経度)とを対応付けて記憶しており、本発明の祈念先地点情報記憶手段を形成している。
【0024】
また、墓参サーバ1の記憶部102には、図2(d)に示すように、参拝者が墓参サーバ1にアクセスして祈念先地点に祈念した日付である祈念日付と、当該祈念された祈念先地点の祈念先地点ID等、を対応付けた祈念履歴を登録するための祈念履歴テーブルが記憶されている。この祈念履歴テーブルにより、祈念先地点が祈念された日付を特定可能とされている。
【0025】
つまり、本実施例の祈念履歴テーブル(図2(b)参照)は、祈念先地点記憶手段(祈念先地点テーブル、図2(c)参照)により記憶された祈念先地点の配信履歴(祈念履歴)を記憶しており、本発明の配信履歴記憶手段を形成している。
【0026】
また、本実施例のコンピュータ端末4a、管理者端末2は、インターネット網3へのアクセス機能を備えた通常のコンピュータとされている。
【0027】
また、本実施例の携帯電話機4bは、撮像部及びGPS(Global Positioning System)機能を備えるとともに、一般的な電子メールや、撮像部で撮像した画像を含む電子メールや、現在位置を特定可能な情報として、GPS機能により測位した緯度/経度、もしくは、当該携帯電話機4bと無線通信を行っている基地局6の緯度/経度の送信指示のいずれかを含む電子メールの送信機能を備えた比較的高機能な携帯電話機とされている。
【0028】
つまり、本実施例の携帯電話機4bは、携行可能な携帯端末であって、さらに撮像手段(撮像部)を有しており、本発明の請求項4における情報端末に該当する。
【0029】
つまり、本実施例の携帯電話機4bは、携行可能な携帯端末であって、さらに当該携帯端末の現在位置を特定可能な現在位置情報(GPS機能により測位した緯度/経度、もしくは、当該携帯電話機4bと無線通信を行っている基地局6の緯度/経度の送信指示のいずれか)を取得する現在位置情報取得手段(GPS機能、もしくは、基地局6との通信機能)を有しており、本発明の請求項5における情報端末に該当する。
【0030】
また、本実施例の携帯電話通信事業者の管理コンピュータ5及び基地局6は、携帯電話機4bから当該携帯電話機4bと無線通信を行っている基地局6の緯度/経度の送信指示を含む電子メールを受信すると、当該携帯電話機4bを通話エリア内に含み、無線通信を行っている基地局6の緯度/経度、すなわち現在地域を特定可能な情報を電子メールに追加して、当該電子メールの宛先アドレスに送信する機能を有している。この機能を用いれば、墓参サーバ1は、携帯電話機4bの所在地域を特定可能な地域特定情報(基地局6の緯度/経度)を受信することができる。
【0031】
次いで、本実施例のシステムにおいて、参拝者の参拝要求に基づいて、登録者が所有する仮想の墓地への参拝が実施される流れについて、図3(a)〜(d)に基づいて以下に説明する。尚、参拝はコンピュータ端末4aからのみ実施される。
【0032】
参拝者は、まず、コンピュータ端末4aに表示されている参拝受付画面(図3(b)参照)に対して、参拝を所望する登録者の登録者IDを入力して、「Enter」ボタンを操作する。
【0033】
「Enter」ボタンの操作を受付けたコンピュータ端末4aは、入力された登録者IDを含む参拝要求を墓参サーバ1に送信する。
【0034】
参拝要求を受信した墓参サーバ1は、参拝要求に含まれる登録者IDが、登録者情報テーブル(図2(a)参照)に登録されているか否かを判定し、未登録の場合には処理を終了する。
【0035】
つまり、本実施例の墓参サーバ1が行う、参拝者が操作可能とされた情報端末(コンピュータ端末4a)から、参拝の対象となる登録者の登録者識別情報(登録者ID)を含む祈念要求(参拝要求)を受信する処理は、本発明の請求項1における祈念要求受信手段に該当する。
【0036】
登録者IDが登録者情報テーブル(図2(a)参照)に登録されている場合に、墓参サーバ1は、該登録者IDに対応付けて登録者情報テーブルに登録されている登録者情報を特定する。更に、登録者IDに対応付けて祈念先地点テーブル(図2(c)参照)に登録されている祈念先地点を特定する。
【0037】
そして、墓参サーバ1は、特定した登録者情報と、この登録者情報に登録されている肖像画像、音声、家系図にて特定される肖像画像ファイル、音声ファイル、家系図画像ファイル、さらには、特定した祈念先地点と、この祈念先地点に登録されている地点画像ファイルと、及び、祈念先地点の周辺地図画像と、からなる仮想墓地情報を、参拝要求の送信元であるコンピュータ端末4aに送信する仮想墓地情報送信処理を実施する。
【0038】
つまり、本実施例の墓参サーバ1が行う、受信した祈念要求(参拝要求)に含まれる登録者識別情報(登録者ID)に対応付けて祈念先地点情報記憶手段(祈念先地点テーブル、図2(c)参照)により記憶されている位置特定情報(緯度/経度)から特定される祈念先地点に関する祈念先地点情報(仮想墓地情報)を生成して、前記祈念要求の送信元の情報端末(コンピュータ端末4a)に配信する仮想墓地情報送信処理は、本発明の請求項1における祈念先地点情報配信手段に該当する。
【0039】
つまり、本実施例の墓参サーバ1が行う、祈念先地点情報記憶手段(祈念先地点テーブル、図2(c)参照)にて記憶されている画像情報(地点画像ファイル)を含む祈念先地点情報(仮想墓地情報)を配信する仮想墓地情報送信処理は、本発明の請求項3における祈念先地点情報配信手段に該当する。
【0040】
仮想墓地情報を受信したコンピュータ端末4aは、この仮想墓地情報に基づいて図3(c)に示す参拝画面を表示する。
【0041】
ここで、参拝画面(図3(c)参照)の構成について説明する。本実施例の参拝画面は、仮想墓地情報に含まれる登録者情報(図2(a)参照)である戒名、氏名(俗名)、没年、享年、さらには肖像画像の表示部と、音声や家系図にアクセスするためのリンク部を含んでおり、参拝者により音声や家系図にアクセスするためのリンク部が操作されると、音声や家系図が出力されるようになっている。
【0042】
また、参拝画面(図3(c)参照)は、仮想墓地情報に含まれる祈念先地点(図2(c)参照)にアクセスするためのリンク部を含んでおり、参拝者により、祈念先地点にアクセスするためのリンク部が操作されると、図3(d)に示す祈念先地点画面が表示されるようになっている。
【0043】
次いで、祈念先地点画面(図3(d)参照)の構成について説明する。本実施例の祈念先地点画面は、仮想墓地情報に含まれる祈念先地点(図2(c)参照)を含む地点画像の表示部と、祈念先地点の周辺地図にアクセスするためのリンク部を含んでおり、参拝者により周辺地図にアクセスするためのリンク部が操作されると、祈念先地点の周辺地図画像が出力されるようになっている。
【0044】
尚、受信した仮想墓地情報において、祈念先地点が該当する地図画像を含まない場合には、祈念先地点画面(図3(d)参照)の地点画像の表示部には、祈念先地点の周辺地図画像が出力されるようになっている。
【0045】
また、コンピュータ端末4aにて、参拝画面(図3(c)参照)が表示されたときには、この参拝画面に表示されている登録者の登録者IDを含む参拝情報が墓参サーバ1に送信されて、墓参サーバ1において、当日の日付と登録者IDとが参拝履歴テーブル(図2(b)参照)に登録される。
【0046】
また、コンピュータ端末4aにて、祈念先地点画面(図3(d)参照)が表示されたときには、この祈念先地点画面に表示されている祈念先地点の祈念先地点IDを含む祈念情報が墓参サーバ1に送信されて、墓参サーバ1において、当日の日付と祈念先地点IDとが祈念履歴テーブル(図2(d)参照)に登録される。
【0047】
ここで、本実施例のシステムにおいて、登録者もしくは管理者の祈念先地点登録要求に基づいて、祈念先地点の登録が実施される流れについて説明する。
【0048】
本実施例では、登録者による祈念先地点の登録は、コンピュータ端末4aまたは携帯電話機4bから実施され、管理者による祈念先地点の登録は、管理者端末2から実施される。
【0049】
登録者によるコンピュータ端末4aを用いた祈念先地点の登録、及び、管理者による管理者端末2を用いた祈念先地点の登録、すなわち通常のコンピュータ端末からの祈念先地点の登録について、図4(a)〜(d)に基づいて以下に説明していく。
【0050】
登録者/管理者は、まず、コンピュータ端末4a/管理者端末2に表示されている祈念先地点受付画面(図4(b)参照)に対して、祈念先地点の登録を所望する登録者の登録者IDを入力して、「Enter」ボタンを操作する。
【0051】
「Enter」ボタンの操作を受付けたコンピュータ端末4a/管理者端末2は、入力された登録者IDを含む祈念先地点メニュー要求を墓参サーバ1に送信する。
【0052】
祈念先地点メニュー要求を受付けた墓参サーバ1は、祈念先地点メニュー要求に含まれる登録者IDが、登録者情報テーブル(図2(a)参照)に登録されているか否かを判定し、未登録の場合には処理を終了する。
【0053】
登録者IDが登録者情報テーブル(図2(a)参照)に登録されている場合に、墓参サーバ1は、該登録者IDに対応付けて登録者情報テーブルに登録されている登録者情報を特定する。更に、登録者IDに対応付けて祈念先地点テーブル(図2(c)参照)に登録されている祈念先地点を特定する。
【0054】
そして、墓参サーバ1は、特定した祈念先地点と、祈念先地点に登録されている地点画像ファイルと、からなる祈念先地点情報を、祈念先地点メニュー要求の送信元であるコンピュータ端末4a/管理者端末2に送信する。
【0055】
祈念先地点情報を受信したコンピュータ端末4a/管理者端末2は、祈念先地点情報に基づいて、図4(c)に示す祈念先地点メニュー画面を表示する。
【0056】
ここで、祈念先地点メニュー画面(図4(c)参照)の構成について説明する。祈念先地点メニュー画面は、祈念先地点情報に含まれる祈念先地点を個別に表示する表示部と、祈念先地点を新規登録するための入力部とを含んでいる。さらに、祈念先地点を個別に表示する表示部は、祈念先地点の地点画像の表示部と、祈念先地点の周辺地図画像にアクセスするためのリンク部と、該祈念先地点を変更するための「変更する」ボタン部とを含んでいる。また、祈念先地点を新規登録するための入力部は、地域を特定するための郵便番号を入力するための郵便番号入力部と、新規登録ボタン部とを含んでいる。
【0057】
祈念先地点メニュー画面(図4(c)参照)において、登録者/管理者が、郵便番号入力部に郵便番号を入力して、新規登録ボタン部を選択すると、コンピュータ端末4aは郵便番号を墓参サーバ1に送信する。郵便番号を受信した墓参サーバ1は、郵便番号に該当する地点の周辺地図画像をコンピュータ端末4a/管理者端末2に送信し、コンピュータ端末4a/管理者端末2は、祈念先地点(1地点)を登録するための祈念先地点登録画面(図4(d)参照)を表示する。
【0058】
つまり、本実施例の墓参サーバ1が行う、情報端末(コンピュータ端末4a)から、祈念先地点を含む地域を特定可能な地域特定情報(郵便番号)を受信する処理は、本発明の地域特定情報受信手段に該当する。
【0059】
尚、本実施例では、地域特定情報として郵便番号を入力する構成としているが、住所等の地名や、建物名、電話番号の市外局番等、地域を特定可能な情報であれば、本発明が適用できるのは言うまでもない。
【0060】
つまり、本実施例の墓参サーバ1が行う、地域特定情報受信手段にて受信した地域特定情報(郵便番号)から特定される地域に該当する地図を該地域特定情報の送信元の情報端末(コンピュータ端末4a)において表示可能な地図データ(周辺地図画像)を送信する処理は、本発明の地図データ送信手段に該当する。
【0061】
また、祈念先地点メニュー画面(図4(c)参照)において、祈念先地点を変更するための「変更する」ボタン部を選択すると、コンピュータ端末4aは、該選択された祈念先地点に対応する祈念先地点IDを墓参サーバ1に送信する。祈念先地点IDを受信した墓参サーバ1は、祈念先地点IDに対応付けて祈念先地点テーブル(図2(c)参照)に記憶されている祈念先地点情報をコンピュータ端末4aに送信し、祈念先地点情報を受信したコンピュータ端末4aは、祈念先地点を変更するための祈念先地点登録画面(図4(d)参照)を表示する。
【0062】
次いで、祈念先地点登録画面(図4(d)参照)の構成について説明する。祈念先地点登録画面は、祈念先地点の地点画像の表示部と、祈念先地点の緯度/経度を中心とする周辺地図画像の表示部と、緯度/経度の直接入力部と、地点画像を登録するためのボタン部とを含んでいる。尚、新規登録時においては、前述のように祈念先地点の緯度/経度を中心とする周辺地図画像の表示部には、地域を特定可能な情報として入力された郵便番号に該当する地点の周辺地図画像が表示される。
【0063】
祈念先地点登録画面(図4(d)参照)の周辺地図画像の表示部は、表示対象とする地図画像を上下左右に変移させるための操作部を含んでおり、これら操作部が登録者/管理者に操作されることにより、表示対象とする周辺地図画像が変化する。また、表示部に表示されている周辺地図画像上で、マウスのクリック操作を行うと、該クリックした周辺地図画像上の緯度/経度が特定されて、緯度/経度の直接入力部に設定される。尚、緯度/経度は周辺地図画像を利用せずに、緯度/経度の直接入力部に直接入力しても良い。
【0064】
また、祈念先地点登録画面(図4(d)参照)の地点画像を登録するためのボタン部は、登録者/管理者に操作されることにより、地点画像とするための画像ファイルのファイル名を取得する。
【0065】
また、登録者/管理者が、祈念先地点登録画面(図4(d)参照)の地点画像を登録するためのボタン部を選択すると、当該登録者の登録者IDと、この時点で設定されている緯度/経度、地点画像のファイル名を含む祈念先地点登録要求(1地点)が墓参サーバ1に送信されて、墓参サーバ1は、該祈念先地点登録要求を受信する。
【0066】
つまり、本実施例の墓参サーバ1が行う、情報端末(コンピュータ端末4a)から登録者識別情報(登録者ID)と位置特定情報(緯度/経度)とを少なくとも含む祈念先地点登録要求を受信する処理は、本発明の請求項1における祈念先地点受信手段に該当する。
【0067】
つまり、本実施例の墓参サーバ1が行う、地図データ(周辺地図画像)を送信した情報端末(コンピュータ端末4a)から、登録者により選択された前記地図上の祈念先地点の位置を特定可能な情報(選択位置)を、前記位置特定情報(緯度/経度)として受信する
処理は、本発明の請求項2における祈念先地点受信手段に該当する。
【0068】
つまり、本実施例の墓参サーバ1が行う、情報端末(コンピュータ端末4a)から、位置特定情報(緯度/経度)に加えて、当該祈念先地点の画像情報を含む祈念先地点登録要求を受信する処理は、本発明の請求項3における祈念先地点受信手段に該当する。
【0069】
そして、祈念先地点登録要求を受信した墓参サーバ1は、祈念先地点登録要求に含まれる緯度/経度と、祈念先地点テーブル(図2(c)参照)に登録されているすべての祈念先地点の緯度/経度との間の距離を算出し、祈念先地点間の距離が所定の距離(例えば、100m)以上であるかを確認する。
【0070】
祈念先地点間の距離が所定の距離(例えば、100m)を超えない場合には、墓参サーバ1は、新しい祈念先地点が既存の祈念先地点に近すぎると判定し、新しい祈念先地点を登録できない旨を、コンピュータ端末4a/管理者端末2に表示させるための処理を行う。
【0071】
祈念先地点間の距離が所定の距離(例えば、100m)を超える場合には、墓参サーバ1は、新しい祈念先地点として、受信した祈念先地点登録要求に含まれる登録者ID、緯度/経度、地点画像のファイル名を祈念先地点テーブル(図2(c)に登録する祈念先地点登録処理を実施する。
【0072】
つまり、本実施例の墓参サーバ1が行う、受信した祈念先地点登録要求に含まれる登録者識別情報(登録者ID)と位置特定情報(緯度/経度)とを対応付けて記憶する祈念先地点登録処理は、本発明の請求項1における祈念先地点情報記憶手段を形成する。
【0073】
つまり、本実施例の墓参サーバ1が行う、受信した祈念先地点登録要求に含まれる登録者識別情報(登録者ID)と位置特定情報(緯度/経度)並びに画像情報(地点画像)とを対応付けて記憶する祈念先地点登録処理は、本発明の請求項3における祈念先地点情報記憶手段を形成する。
【0074】
ここで、登録者による携帯端末機4bを用いた祈念先地点の登録について、図5(a)〜(d)に基づいて以下に説明していく。
【0075】
登録者は、携帯電話機4bを携行して祈念先地点として登録しようとする地点に実際に移動する。
【0076】
祈念先地点として登録しようとする地点において、登録者は、携帯電話機4bの電子メール作成機能を実行して、図5(b)に示すように、宛先として墓参サーバ1にて受信可能とされたメールアドレスを入力し、件名として登録者の登録者IDを入力する。
【0077】
その後、登録者は、携帯電話機4bに対して、例えば図5(b)に示すように、電子メールとともに現在の地点、すなわち祈念先地点として登録しようとする地点の緯度/経度を特定可能な位置情報を、墓参サーバ1にて受信可能とされたメールアドレスに送信するための操作を実施する。
【0078】
ここで、本実施例における携帯電話機4bから墓参サーバ1への位置情報の送信について説明すると、本発明においては、墓参サーバ1にて携帯電話機4bの位置情報を特定できれば良く、例えば、携帯電話機4bが有するGPS機能を用いて取得した現在位置の位置情報(緯度/経度)や、携帯電話機4bが無線通信を行っている基地局6の位置情報である地域特定情報(緯度/経度)を墓参サーバ1に送信させる送信指示等を含む電子メールを墓参サーバ1に送信すればよい。
【0079】
つまり、本実施例の情報端末(携帯電話機4b)が、GPS機能を用いて現在位置の位置情報を取得する処理は、本発明の現在位置情報取得手段に該当する。
【0080】
また、登録者は、例えば図5(c)に示すように、祈念先地点として登録しようとする地点の緯度/経度に対応付けた地点画像として登録するための画像データを、墓参サーバ1にて受信可能とされたメールアドレスに送信するための操作を実施する。尚、地点画像は必ずしも送信しなくても良い。
【0081】
そして、登録者は、例えば、図5(d)に示すように、祈念先地点として登録しようとする地点の現在位置の位置情報(GPS機能により測位した緯度/経度)もしくは地域特定情報(基地局6の緯度/経度)、及び、地点画像として登録するための画像データを含む電子メールを送信するための操作を行う。
【0082】
携帯電話機4bから電子メールが送信されると、墓参サーバ1は、これら祈念先地点の登録を要求するための情報(祈念先地点登録要求)を含む電子メールを受信する処理を実施する。
【0083】
つまり、本実施例の墓参サーバ1が行う、情報端末(携帯電話機4b)から、画像情報として撮像手段(携帯電話機4bの撮像部)にて撮像された画像情報を少なくとも含む祈念先地点登録要求を受信する処理は、本発明の請求項4における祈念先地点受信手段に該当する。
【0084】
つまり、本実施例の墓参サーバ1が行う、位置特定情報として現在位置情報(GPS機能により測位した緯度/経度)を少なくとも含む祈念先地点登録要求または地域特定情報(基地局6の緯度/経度)として現在位置情報を受信する処理は、本発明の請求項5における祈念先地点受信手段または地域特定情報受信手段を形成する。
【0085】
尚、墓参サーバ1において、位置特定情報として現在地域情報(基地局6の緯度/経度)を少なくとも含む祈念先地点登録要求を受信する処理は、本発明の請求項5における祈念先地点受信手段に該当する。
【0086】
つまり、本実施例の墓参サーバ1が行う、情報端末(携帯電話機4b)から、祈念先地点登録要求を、少なくとも登録者識別情報(登録者ID)と位置特定情報(緯度/経度)とを含む電子メールにて受信する処理は、本発明の請求項6における祈念先地点受信手段に該当する。
【0087】
そして、電子メールを受信した墓参サーバ1は、件名から登録者IDを特定し、該特定した登録者IDが、登録者情報テーブル(図2(a)参照)に登録されているか否かを判定し、未登録の場合には処理を終了する。
【0088】
登録者IDが登録者情報テーブル(図2(a)参照)に登録されている場合に、墓参サーバ1は、電子メールに含まれる位置特定情報(緯度/経度)が、現在位置情報(GPS機能により測位した緯度/経度)と地域特定情報(基地局6の緯度/経度)のいずれであるかを判定し、現在位置情報(GPS機能により測位した緯度/経度)と判定した場合には、該登録者IDに対応付けて、電子メールに含まれる緯度/経度と、祈念先地点テーブル(図2(c)参照)に登録されているすべての祈念先地点の緯度/経度との間の距離を算出し、祈念先地点間の距離が所定の距離(例えば、100m)以上であるかを判定する距離判定処理を実施する。
【0089】
また、墓参サーバ1は、電子メールに含まれる位置特定情報(緯度/経度)が地域特定情報(基地局6の緯度/経度)と判定した場合には、当該基地局6の緯度/経度の周辺地図画像の表示部を含む祈念先地点を選択するためのアプリケーションプログラムを、電子メールを送信してきた携帯電話機4bに配信するための処理を行い、該アプリケーションプログラムに基づいて、祈念先地点として登録する現在位置情報(周辺地図画像上の選択位置)を受付ける。そして、この受付けた現在位置情報に対して、前記距離判定処理を実施する。
【0090】
つまり、本実施例の墓参サーバ1が行う、祈念先地点受信手段にて受信した祈念先地点登録要求に含まれる位置特定情報(緯度/経度)から特定される祈念先地点が、祈念先地点記憶手段(登録者情報テーブル、図2(a)参照)に既に記憶されている位置特定情報(緯度/経度)から特定される祈念先地点の周囲の所定領域(半径100mの円)内の地点であるか否かを判定する距離判定処理は、本発明の請求項7における判定手段に該当する。
【0091】
祈念先地点間の距離が所定の距離(例えば、100m)を超えない場合には、墓参サーバ1は、新しい祈念先地点が既存の祈念先地点に近すぎると判定し、新しい祈念先地点を登録できない旨を、電子メールを送信してきたメールアドレスに返信する。
【0092】
祈念先地点間の距離が所定の距離(例えば、100m)を超える場合には、墓参サーバ1は、新しい祈念先地点として、電子メールに含まれる緯度/経度、地点画像のファイル名を祈念先地点テーブル(図2(c)に登録する。
【0093】
つまり、本実施例の墓参サーバ1が行う、判定手段(距離判定処理)による判定結果が所定領域(半径100mの円)内の地点ではないとの判定結果であることを条件として受信した祈念先地点情報に含まれる登録者識別情報(登録者ID)と位置特定情報(緯度/経度)とを対応付けて記憶する距離判定処理は、本発明の請求項7における祈念先地点記憶手段に該当する。
【0094】
尚、上述したように本実施例では、既存の祈念先地点と所定の距離(例えば、100m)離れていない祈念先地点を新しく登録できないが、本実施例の墓参サーバ1の制御部101は、祈念履歴テーブル(図2(d)参照)に基づいて、祈念先地点が所定期間(例えば、1年)祈念されていないことを判定し、この判定の結果に基づいて、所定期間(例えば、1年)祈念されていない祈念先地点(祈念先地点ID)の登録を、祈念先地点テーブル(図2(c)参照)から削除する削除処理を実施するようになっている。すなわち、所定期間(例えば、1年)祈念されていない祈念先地点は、削除されて新たに祈念先地点として登録できるようになる。
【0095】
つまり、本実施例の墓参サーバ1が行う削除処理においては、配信履歴記憶手段(祈念履歴テーブル、図2(d)参照)における配信履歴(祈念履歴)に基づいて、参拝者の情報端末4に対して所定期間(例えば、1年)配信されなかったことを条件として、当該所定期間配信されなかった祈念先地点に対応する登録者識別情報(登録者ID)と位置特定情報(緯度/経度)とを削除しており、該削除処理は本発明の請求項8における祈念先地点削除手段に該当する。
【0096】
以上、本実施例の祈念先地点登録装置としての墓参サーバ1によれば、祈りを向ける地点として所望する地点を登録したいという登録者の要望に応えることができるとともに、これら祈念先地点を登録することで、参拝者に対して該登録した祈念先地点に関する情報が配信されるようになるので、参拝者は、例えば、当該祈念先地点にゆかりのある故人等を偲んでの祈りができる。
【0097】
また、本実施例の祈念先地点登録装置としての墓参サーバ1によれば、祈念先地点を登録する際に、地域特定情報となる郵便番号を受付けて、該郵便番号から特定される地域の地図を配信し、当該地図上の位置を祈念先地点として受付けるので、広域の地図から登録する祈念地点周辺の地図を選択するための手間を省くことができ、祈念先地点の登録における手間を低減できるとともに、祈念先地点の位置を地図上において直感的に確認して登録することができる。
【0098】
また、本実施例の祈念先地点登録装置としての墓参サーバ1によれば、登録者は、祈念先地点の位置に加えて画像も登録でき、参拝者に対しては、該登録した祈念先地点の画像も配信されるようになるので、該祈念先地点の様子を視覚的に認識して当該地点に祈りを向けることができ、より一層深く祈りを向けることができる。
【0099】
また、本実施例の祈念先地点登録装置としての墓参サーバ1によれば、登録者は、携帯端末となる携帯電話機4bを携行して登録したい地点に赴くことで該登録したい地点の画像を容易に撮像できるとともに、撮像した登録したい地点の画像を他の情報端末に転送することなく該携帯電話機4bから簡便に登録することができる。
【0100】
また、本実施例の祈念先地点登録装置としての墓参サーバ1によれば、登録者は、携帯電話機4bを携行して登録したい地点に赴くことで該登録したい地点の現在位置情報を容易に取得して、該取得した現在位置情報を位置特定情報または前記地域特定情報として使用することができ、これら位置特定情報または前記地域特定情報の入力や取得に伴う手間を大幅に削減することができ、登録利用者の利便性を向上できる。
【0101】
また、本実施例の祈念先地点登録装置としての墓参サーバ1によれば、登録者は、墓参サーバ1にアクセスして登録操作を行うことなく電子メールの送信操作を行うのみで、祈念先地点の位置を簡便に登録できるとともに、墓参サーバ1側においても、受信したメールによる登録を適宜に実施すれば良く、例えば、登録のために多数のアクセスがなされた際に同時的に登録処理を実施することにより処理負荷が大きくなることを回避することもできる。
【0102】
また、本実施例の祈念先地点登録装置としての墓参サーバ1によれば、ほぼ同一地点を複数の登録者が祈念先地点として登録することを回避でき、これら祈念先地点が重複登録されることによる登録者間のトラブルの発生を回避することができる。
【0103】
また、本実施例の祈念先地点登録装置としての墓参サーバ1によれば、所定期間(一年)参拝されていない祈念先地点が削除され、登録者は、削除された祈念先地点に対して、新たに祈念先地点を登録できるようになり、限られた祈念先地点を有効に活用することができる。
【0104】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0105】
例えば、前記実施例では、位置特定情報として緯度/経度を用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら位置特定情報として住所や、あるいは、登録可能な各エリアに予め付与された登録位置識別番号等であっても良い。
【0106】
例えば、前記実施例では、コンピュータ端末4a並びに携帯電話機4bのいずれからでも祈念先地点の登録を実施できるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらのいずれか一方のみから登録を受付けるようにしても良い。
【0107】
また、前記実施例では、墓参サーバ1により提供される墓参のメニューの一部として祈念先地点を登録できるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら祈念先地点の登録を、墓参のメニューから切り離して、祈念先地点の登録を行う単独のサーバにより祈念先地点登録装置を形成しても良い。
【0108】
また、前記実施例では、登録者に対して1つの祈念先地点の登録を行うようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら祈念先地点を、同一の登録者が複数登録するようにしても良い。
【0109】
また、前記実施例では、祈念先地点の画像を配信するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら画像に加えて、その地点の音、例えば、その地点が海岸であれば潮騒の音等を画像とともに登録しておき、画像とともに配信するようにしても良い。尚、画像としては、静止画のみではなく動画であっても良い。
【0110】
また、前記実施例では、祈念先地点の重複登録をしないようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、特定の地点、具体的には、寺院や本山等の霊場等においては、予め限られた所定の登録数のみ重複登録を許諾するようにしても良い。
【0111】
また、前記実施例では、所定期間として1年間参拝されない祈念先地点の登録を削除するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの削除を実施しないようにしても良いし、あるいは、これらの祈念先地点の登録を、登録者の利用登録が解消されたことにより削除するようにしても良い。また、所定期間は、適宜に設定すれば良く、その期間も1つではなく、登録者の種別、例えば永代会員であれば長期とし、通常会員であれば短期とする等のように、複数の期間を個別に適用するようにしても良い。
【0112】
また、前記実施例では、携帯電話機4bからの祈念先地点の登録を電子メールにて受付けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの登録をアクセスにより受付け(受信)するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本発明の本実施例における祈念先地点登録システムの構成を示す図である。
【図2】(a)〜(d)は墓参サーバが記憶するテーブルを示す図であり、(a)は登録者情報テーブル、(b)は参拝履歴テーブル、(c)は祈念先地点テーブル、(d)は祈念履歴テーブルを示す図である。
【図3】(a)は墓参サーバにおける参拝処理の流れを示す図であり、(b)〜(c)は参拝処理における画面表示の一例を示す図である。
【図4】(a)は墓参サーバにおけるコンピュータ端末からの祈念先地点登録処理の流れを示す図であり、(b)〜(c)は祈念先地点登録処理における画面表示の一例を示す図である。
【図5】(a)は墓参サーバにおける携帯電話機からの祈念先地点登録処理の流れを示す図であり、(b)〜(c)は祈念先地点登録処理における画面表示の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0114】
1 墓参サーバ
2 管理者端末
3 インターネット網
4a コンピュータ端末(情報端末4)
4b 携帯電話機(情報端末4)
5 基地局(携帯電話通信事業者)
6 管理コンピュータ(携帯電話通信事業者)
7 LAN
101 制御部(墓参サーバ)
102 記憶部(墓参サーバ)
103 通信部(墓参サーバ)
104 通信部(墓参サーバ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オープンコンピュータネットワークに接続されているサーバコンピュータにより形成され、予め利用登録した登録利用者からの受付けに基づいて登録した祈念先地点に関する情報を参拝者の情報端末に対して配信する祈念先地点登録装置であって、
前記登録利用者が操作可能とされた情報端末から、該登録利用者を個々に識別可能な登録者識別情報と、当該登録利用者が登録を希望する祈念先地点の地球上の位置を特定可能な位置特定情報とを少なくとも含む祈念先地点登録要求を受信する祈念先地点受信手段と、
該受信した前記祈念先地点登録要求に含まれる登録者識別情報と位置特定情報とを対応付けて記憶する祈念先地点情報記憶手段と、
参拝者が操作可能とされた情報端末から、参拝の対象となる登録利用者の登録者識別情報を含む祈念要求を受信する祈念要求受信手段と、
該受信した祈念要求に含まれる登録者識別情報に対応付けて前記祈念先地点情報記憶手段により記憶されている位置特定情報から特定される祈念先地点に関する祈念先地点情報を生成して、前記祈念要求の送信元の情報端末に配信する祈念先地点情報配信手段と、
を備えることを特徴とする祈念先地点登録装置。
【請求項2】
前記登録利用者が操作可能とされた情報端末から、祈念先地点を含む地域を特定可能な地域特定情報を受信する地域特定情報受信手段と、
該地域特定情報受信手段にて受信した地域特定情報から特定される地域に該当する地図を該地域特定情報の送信元の情報端末において表示可能な地図データを送信する地図データ送信手段と、
を備え、
前記祈念先地点受信手段は、前記地図データを送信した情報端末から、該登録利用者により選択された前記地図上の祈念先地点の位置を特定可能な情報を、前記位置特定情報として受信することを特徴とする請求項1に記載の祈念先地点登録装置。
【請求項3】
前記祈念先地点受信手段は、前記登録利用者が操作可能とされた情報端末から、前記位置特定情報に加えて、当該祈念先地点の画像情報を含む祈念先地点登録要求を受信し、
前記祈念先地点情報記憶手段は、受信した前記祈念先地点登録要求に含まれる登録者識別情報と位置特定情報並びに画像情報とを対応付けて記憶し、
前記祈念先地点情報配信手段は、前記祈念先地点情報記憶手段にて記憶されている画像情報を含む祈念先地点情報を配信することを特徴とする請求項1または2に記載の祈念先地点登録装置。
【請求項4】
前記登録利用者が操作可能とされた情報端末が、該登録利用者が携行可能な携帯端末であって、さらに撮像手段を有しており、
前記祈念先地点受信手段は、前記画像情報として前記撮像手段にて撮像された画像情報を少なくとも含む祈念先地点登録要求を受信することを特徴とする請求項3に記載の祈念先地点登録装置。
【請求項5】
前記登録利用者が操作可能とされた情報端末が、該登録利用者が携行可能な携帯端末であって、さらに当該携帯端末の現在位置を特定可能な現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段を有しており、
前記祈念先地点受信手段または前記地域特定情報受信手段は、前記位置特定情報として前記現在位置情報を少なくとも含む祈念先地点登録要求または前記地域特定情報として前記現在位置情報を受信することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の祈念先地点登録装置。
【請求項6】
前記祈念先地点受信手段は、前記登録利用者が操作可能とされた情報端末から、祈念先地点登録要求を、少なくとも前記登録者識別情報と前記位置特定情報とを含む電子メールにて受信することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の祈念先地点登録装置。
【請求項7】
前記祈念先地点受信手段にて受信した祈念先地点登録要求に含まれる位置特定情報から特定される祈念先地点が、前記祈念先地点記憶手段に既に記憶されている位置特定情報から特定される祈念先地点の周囲の所定領域内の地点であるか否かを判定する判定手段を備え、
前記祈念先地点記憶手段は、前記判定手段による判定結果が所定領域内の地点ではないとの判定結果であることを条件として受信した前記祈念先地点情報に含まれる登録者識別情報と位置特定情報とを対応付けて記憶することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の祈念先地点登録装置。
【請求項8】
前記祈念先地点記憶手段により記憶された祈念先地点の配信履歴を記憶するための配信履歴記憶手段と、
該配信履歴記憶手段における配信履歴に基づいて、参拝者の情報端末に対して所定期間配信されなかったことを条件として、当該所定期間配信されなかった祈念先地点に対応する登録者識別情報と位置特定情報とを削除する祈念先地点削除手段と、
を備える特徴とする請求項7に記載の祈念先地点登録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−331208(P2006−331208A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−155964(P2005−155964)
【出願日】平成17年5月27日(2005.5.27)
【出願人】(596151157)
【Fターム(参考)】