説明

積付装置

【課題】効率よく積付作業ができる積付装置を提供する。
【解決手段】積付装置1は、物品Wを搬送部2上に載せて搬送する供給用搬送手段3と、突出位置および退避位置との間で昇降可能で突出位置への上昇により搬送部2上の物品Wを持ち上げる昇降手段4とを備えている。積付装置1は、供給用搬送手段3に近接して設けたパターン配列用搬送手段5と、物品Wを保持して移送するロボット8とを備える。ロボット8は、供給用搬送手段3の上方の保持位置とパターン配列用搬送手段5の上方の保持解除位置との間で水平方向にのみ移動する水平移動部66を有する。水平移動部66に昇降手段4上の物品Wを保持する物品保持部67を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、効率よく積付作業ができる積付装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の積付装置として、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。この従来の積付装置は、物品を搬送部上に載せて搬送する供給用搬送手段と、供給用搬送手段に近接して設けられ物品を搬送するパターン配列用搬送手段と、パターン配列用搬送手段上に位置する積付パターンに配列された物品を積付姿勢に整形する整形手段と、整形手段にて整形された積付姿勢の物品が複数段に積み付けられるパレットを昇降させるパレット昇降手段と、供給用搬送手段上からパターン配列用搬送手段上に物品を保持して移送するロボットとを備えている。
【0003】
また、ロボットは、架台上に設置された基台と、基台上に水平回動可能に設けられた水平回動部と、水平回動部に対して基端側から先端側に順次連続して上下回動可能に連結された第1ないし第3のアームと、第3のアームの先端部に設けられたハンド等の物品保持部とを有している。
【特許文献1】特開2002−114372号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の積付装置では、ロボットの物品保持部を水平回動部の水平回動および第1ないし第3のアームの上下回動により水平方向および垂直方向に動かして物品を移送するため、ロボットによる物品の移送能力を高めることができないおそれがある。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、ロボットによる物品の移送能力を高めることができ、効率よく積付作業ができる積付装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の積付装置は、物品を搬送部上に載せて搬送する供給用搬送手段と、この供給用搬送手段の搬送部から上方に突出する突出位置とその搬送部から上方に突出しない退避位置との間で昇降可能で、前記突出位置への上昇により前記搬送部上の物品を持ち上げる昇降手段と、物品を搬送するパターン配列用搬送手段と、このパターン配列用搬送手段上に位置する積付パターンに配列された物品を積付姿勢に整形する整形手段と、この整形手段にて整形された積付姿勢の物品が複数段に積み付けられるパレットを昇降させるパレット昇降手段と、物品を保持して移送するロボットとを備え、前記ロボットは、前記供給用搬送手段の上方の保持位置と前記パターン配列用搬送手段の上方の保持解除位置との間で所定面に沿ってのみ移動する移動部と、この移動部に設けられ、前記移動部が前記保持位置に位置した状態で前記昇降手段上の物品を保持し、前記移動部が前記保持解除位置に位置した状態で物品の保持を解除する物品保持部とを有するものである。
【0007】
請求項2記載の積付装置は、請求項1記載の積付装置において、ロボットの物品保持部は、移動部に上下回動可能に設けられ下方回動により物品を保持する保持状態になり上方回動により物品の保持を解除する保持解除状態になる対をなす回動保持体を有し、昇降手段は、互いに間隔をおいて並んで位置する複数の昇降体を有し、前記各回動保持体には、突出位置に位置した互いに隣合う前記昇降体間の間隔に挿入され物品の下面を支持する下面支持部が形成されているものである。
【0008】
請求項3記載の積付装置は、請求項2記載の積付装置において、ロボットの両回動保持体を保持解除状態にしたまま移動部を保持位置まで所定面に沿って移動させる前に、搬送部上の物品を昇降手段にて持ち上げて待機させるものである。
【0009】
請求項4記載の積付装置は、請求項1ないし3のいずれか一記載の積付装置において、ロボットは、パターン配列用搬送手段の搬送始端部を跨ぐ門型のフレーム部と、このフレーム部に回動可能に設けられた第1アーム部と、この第1アーム部に回動可能に設けられ、移動部を回動可能に支持する第2アーム部とを有するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、物品を保持して移送するロボットが、供給用搬送手段の上方の保持位置とパターン配列用搬送手段の上方の保持解除位置との間で所定面に沿ってのみ移動する移動部と、この移動部に設けられ移動部が保持位置に位置した状態で昇降手段上の物品を保持し移動部が保持解除位置に位置した状態で物品の保持を解除する物品保持部とを有する構成であるから、物品を保持した物品保持部を昇降させる必要がなく、ロボットによる物品の移送能力を高めることができ、効率よく積付作業ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の積付装置の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0012】
図1および図2において、1は積付装置で、この積付装置1は、物品W、例えば内容物を袋内に収容した袋物をパレットP上に1段ずつ所定の積付パターンで複数段に積み付ける袋物用高速パレタイザである。
【0013】
積付装置1は、物品Wを搬送部2上に載せて水平な搬送方向A1に搬送する供給用搬送手段3と、供給用搬送手段3の搬送部2から上方に突出する突出位置とその搬送部2から上方に突出しない退避位置との間で昇降可能で、退避位置から突出位置への上昇により搬送部2上の物品Wをその搬送部2から離して設定高さHまで持ち上げる昇降手段4とを備えている。
【0014】
また、積付装置1は、供給用搬送手段3の側部に近接してこの供給用搬送手段3に対して直交状に設けられ、物品Wを搬送方向A1に対して直交する水平な搬送方向A2に搬送するパターン配列用搬送手段5と、パターン配列用搬送手段5上に位置する積付パターンに配列された物品WをパレットP上に積み付ける積付姿勢に整形する整形手段6とを備えている。
【0015】
さらに、積付装置1は、整形手段6にて整形された積付姿勢の物品Wが複数段に積み付けられるパレットPを昇降させるパレット昇降手段7と、昇降手段4上の物品Wを保持してパターン配列用搬送手段5の上方位置まで設定高さHを維持したまま水平に移送、例えば水平移載する移送手段としての移載用のロボット(移載ロボット)8とを備えている。
【0016】
供給用搬送手段3は、図3および図4に示すように、例えばローラコンベヤで、互いに離間対向する対をなすコンベヤフレーム11を有している。両コンベヤフレーム11間には、モータ等の駆動源12からの動力に基づいて回転して物品Wを搬送方向A1に載置搬送する複数の搬送ローラ13が回転可能に設けられている。複数の搬送ローラ13は、互いに間隔14をおいて搬送方向A1に並んでいる。複数の搬送ローラ13の上端部にて搬送部2が構成されている。コンベヤフレーム11の端部には、物品Wの落下を防止するストッパ板15が設けられている。なお、供給用搬送手段3の搬送部2上にはベルトコンベヤ等にて構成された搬入手段17から物品Wが順次搬入され、この搬送部2上には例えば2個の物品Wが載置される(図1参照)。
【0017】
昇降手段4は、図3および図4に示すように、突出位置および退避位置間で一斉に昇降する矩形板状の複数の持上体である昇降体21にて構成されている。複数の昇降体21は、互いに間隔22をおいて搬送方向A1に2列で並んでいる。各昇降体21は、垂直面に沿って配設され、互いに隣合う搬送ローラ間の間隙14に挿通されている。また、複数の昇降体21は、図4に示されるように、ベース体23に固着され、このベース体23は伸縮手段であるシリンダ24のロッド25に固定されている。シリンダ24およびベース体23にて、昇降手段4つまり昇降体21を突出位置および退避位置間で昇降させる昇降駆動手段26が構成されている。
【0018】
パターン配列用搬送手段5は、図1、図2および図9に示すように、複数の搬送部、すなわち例えば第1ないし第4搬送部31,32,33,34を有している。これら第1ないし第4搬送部31,32,33,34は、いずれも物品Wを無端状の搬送ベルト35の上面の搬送面36に載せて搬送するベルトコンベヤ37にて構成されている。各搬送ベルト35は、複数のローラ38に巻き掛けられ、モータ等の駆動源からの動力に基づいて回行して物品Wを搬送方向A2に搬送する。
【0019】
また、第1搬送部31、第2搬送部32および第3搬送部33は、互いに近接して搬送方向A2に並んで位置し、これら第1ないし第3搬送部31,32,33の各搬送面36は、同じ高さに配置されている。第4搬送部34は、駆動源からの動力に基づいて、第3搬送部33の下方の退避位置と第3搬送部33から搬送方向A2に向って突出する進出位置との間で水平方向に延びるガイドレール39上をスライド移動する。第4搬送部34は、進出位置に位置した状態時には、パレット昇降手段7にて支持されたパレットPまたはこのパレットP上に積み付けられた物品Wの上方に位置する。第4搬送部34の搬送面36は、第3搬送部33の搬送面36より若干低い高さに配置されている。
【0020】
整形手段6は、進出位置に位置した第4搬送部34の搬送面36上の積付パターンに配列された物品W、すなわち例えば所定の積付パターンの5個の物品Wからなる物品群を押圧してずれを修正し、パレットP上に積み付ける積付姿勢に整形するものである。整形手段6は、図2および図9に示すように、物品Wの搬送方向A2を向いた側面と当接する固定板41と、物品Wの搬送方向A2に対して側方を向いた側面と当接してこの側面を押圧する可動板42と、物品Wの反搬送方向A2を向いた側面と当接してこの側面を押圧する回動板43とを有している。可動板42は、シリンダ等の駆動源からの動力に基づいて、物品Wの側面から側方に離れた離間位置と物品Wの側面を押圧する押圧位置との間で水平移動する。回動板43は、シリンダ等の駆動源からの動力に基づいて、物品Wを載せた第4搬送部34の進出位置への移動を許容するように物品Wの側面から上方に離れた離間位置と、物品Wの側面を押圧する押圧位置との間で上下方向に回動する。
【0021】
また、整形手段6は、物品Wの上面と当接してこの上面を押圧する昇降部材44を有している。この昇降部材44は、シリンダ等の駆動源からの動力に基づいて、物品Wの上面から上方に離れた離間位置と物品Wの上面を押圧する押圧位置との間で昇降する。
【0022】
パレット昇降手段7は、図2に示すように、機枠51と、この機枠51に昇降可能に設けられパレットPを支持する昇降台52と、この昇降台52を昇降させる駆動手段53とを有している。そして、積付パターンに配列されかつ積付姿勢に整形された物品Wが、昇降台52上に載置されたパレットP上に1段ずつ順次積み付けられる。つまり、昇降台52は、予め設定された設定段数の物品Wが積み付けられるまで、1段分の物品Wが積み付けられる毎に下降する。また、パレット供給手段から昇降台52上に空パレットPが供給され、昇降台52上の設定段数の物品Wが積み付けられた実パレットPはパレット搬出手段にて搬出される。
【0023】
ロボット8は、図5ないし図8に示すように、例えばスカラロボット(水平多関節ロボット)にて構成されている。ロボット8は、互いに離間対向する一対の柱61とこれら一対の柱61の上端部間に掛け渡された梁62とにて構成されパターン配列用搬送手段5の搬送始端部を跨ぐ門型のフレーム部63を有している。
【0024】
フレーム部63の梁62の長手方向中央部には、第1アーム部64の基端部が上下方向の第1回動中心軸線X1を中心として回動可能に取り付けられている。第1アーム部64の先端部には、第2アーム部65の基端部が上下方向の第2回動中心軸線X2を中心として回動可能に取り付けられている。第2アーム部65の先端部には、所定面、すなわち例えば水平面に沿ってのみ移動する移動部である水平移動部66が第3回動中心軸線X3を中心として回動可能に取り付けられ、この水平移動部66は第2アーム部65の先端部にて水平回動可能に支持されている。そして、この水平移動部66には、複数個の物品W、例えば2個の物品Wを同時に保持可能なハンド等の物品保持部67が設けられている。なお、第1アーム部64および第2アーム部65にてアーム60が構成され、このアーム60の作動により水平移動部66が保持位置および保持解除位置間で水平移動する。
【0025】
そして、水平移動部66は、第1アーム部64のフレーム部63に対する水平回動および第2アーム部65の第1アーム部64に対する水平回動に基づいて、供給用搬送手段3の搬送部2の上方の保持位置とパターン配列用搬送手段5の第1搬送部31および第2搬送部32の上方の保持解除位置との間で、水平面に沿ってのみ、つまり水平方向にのみ移動する。また、物品保持部67は、水平移動部66が保持位置に位置した状態で昇降手段4の昇降体21上で設定高さHに位置する物品Wを保持し、水平移動部66が積付パターンに対応して水平移動して保持解除位置に位置した状態で物品Wの保持を解除してその物品Wを設定高さHからパターン配列用搬送手段5上に落下させる。
【0026】
ここで、物品保持部67は、水平移動部66に水平方向の支軸70を中心として上下回動可能に設けられた側面視略L字の対をなす回動保持体71にて構成されている。これら両回動保持体71は、シリンダ等の駆動源からの動力に基づいて互いに接近するように支軸70を中心として下方に回動して物品Wを保持する保持状態になり、シリンダ等の駆動源からの動力に基づいて互いに離間するように支軸70を中心として上方に回動して物品Wの保持を解除する保持解除状態になる。
【0027】
各回動保持体71は、基端側の支軸70を中心として上下回動するアーム部72と、アーム部72の先端部に固着された櫛状部73と、アーム部72の先端部に固着された板状部74とを有している。
【0028】
そして、櫛状部73には、突出位置に位置した互いに隣合う昇降体21間の間隔22に側方から挿入されて昇降体21上の物品Wの下方に入り込み、その後に昇降体21が退避位置まで下降することにより物品Wの下面を支持する下面支持部75が形成されている。下面支持部75は、複数本の棒状部材76にて構成されている。この下面支持部75は、回動保持体71の保持状態時には水平面に沿った水平姿勢になり、回動保持体71の保持解除状態時には垂直面に沿った垂直姿勢になる(図8参照)。
【0029】
そして、この回動保持体71の保持解除状態時には、垂直姿勢の下面支持部75の下端は、昇降体21にて持ち上げられ設定高さHに位置する物品Wの上面より少し上方に位置する(図10(c)参照)。このため、ロボット8の両回動保持体71を保持解除状態にしたまま水平移動部66を保持解除位置から搬送部2の上方の保持位置まで水平移動させる前に、搬送部2上の物品Wを昇降体21にて設定高さHまで持ち上げて待機させておくことが可能である。また、回動保持体71の板状部74は、回動保持体71の保持状態時には、昇降体21上の物品Wの側面に面状に当接してこの物品Wを両側方から挟持する。
【0030】
次に、上記積付装置1の動作等について説明する。
【0031】
図10(a)に示すように、積付対象物である物品Wは、搬入手段17にて供給用搬送手段3の搬送部2上に搬入されこの搬送部2にて搬送されて所定位置で停止する。
【0032】
次いで、図10(b)に示すように、シリンダ24が作動して複数の昇降体21が退避位置から突出位置まで一斉に上昇すると、搬送部2上に載置された物品Wは、複数の昇降体21にて設定高さHまで持ち上げられ、搬送部2から離れる。
【0033】
その後、図10(c)に示すように、ロボット8の水平移動部66が保持解除位置から保持位置まで水平移動してくる。このとき、物品保持部67の両回動保持体71は、保持解除状態になっており、昇降体21上の物品Wに衝突しない。
【0034】
次いで、図10(d)に示すように、物品保持部67の両回動保持体71が支軸70を中心に下方回動して保持状態になると、両回動保持体71の下端側の櫛状部73の下面支持部75が、突出位置に位置した互いに隣合う昇降体21間の間隔22に側方から挿入されて昇降体21上の物品Wの下方に入り込む。また、両回動保持体71の板状部74が、昇降体21上の物品Wの側面に面状に当接してこの物品Wを両側方から挟持する。
【0035】
その後、図10(e)に示すように、シリンダ24が作動して複数の昇降体21が突出位置から退避位置まで一斉に下降すると、物品Wは、下面支持部75にて下面が支持されかつ板状部74にて左右両側面が支持された状態となって、物品保持部67の両回動保持体71にて保持される。
【0036】
次いで、ロボット8の水平移動部66が物品Wを保持した両回動保持体71とともに第1アーム部64の回動等に基づいて積付パターンに対応した所望の保持解除位置まで水平移動した後、両回動保持体71が支軸70を中心に上方回動して保持解除状態になると、物品Wは設定高さHから少し落下してパターン配列用搬送手段5上に載置される。
【0037】
図9(a)および(b)に示すように、最初は、パターン配列用搬送手段5の第1搬送部31上に2個の物品Wが搬送方向A2に対して直交する方向に並んだ状態で載置される。
【0038】
次いで、図9(c)に示すように、2個の物品Wは、第1搬送部31および第2搬送部32にて搬送方向A2に搬送され、第2搬送部32の搬送終端側上で停止する。
【0039】
その後、図9(d)に示すように、次の2個の物品Wは、第1搬送部31および第2搬送部32上に搬送方向A2に並んだ状態で載置される。つまり、1つの物品Wが第1搬送部31の幅方向一端側上に載置され、もう1つの物品Wが第2搬送部32の幅方向一端側上に載置される。
【0040】
そして、図9(e)に示すように、供給搬送手段3側においては、続く2個の物品Wが、昇降体21にて設定高さHまで持ち上げられて待機している。
【0041】
次いで、図9(f)ないし(h)に示すように、続く2個の物品Wは、搬送部31,32の幅方向中央部上および幅方向他端側上に載置され、第2搬送部32上に積付パターンが形成される。つまり、積付パターンに配列された5個の物品Wが第2搬送部32上に載置された状態になる。
【0042】
すると、図9(i)に示すように、積付パターンに配列された物品Wは搬送方向A2に搬送されて第3搬送部33上に乗り移り、搬送方向A2に対して直交する方向に並んだ3個の物品Wは搬送方向A2に搬送されて第3搬送部33上に乗り移る。積付パターンに配列された物品Wは、第3搬送部33の下方の退避位置から進出位置に移動する第4搬送部34上に乗り移り、この第4搬送部34上で整形手段6によって押圧されて積付姿勢に整形される。この整形された積付姿勢の物品Wは、第4搬送部34が進出位置から退避位置に移動することにより、パレット昇降手段7の昇降台52に載置されたパレットP上に積み付けられる。
【0043】
次いで、図9(j)に示すように、次の2個の物品Wは、図9(b)と同様、第1搬送部31上に2個の物品Wが搬送方向A2に対して直交する方向に並んだ状態で載置され、積付パターンが形成される。
【0044】
続いて、図9(k)に示すように、積付パターンに配列された5個の物品Wは、搬送方向A2に向って搬送され第3搬送部33上に載置された状態になり、その後、整形手段6にて積付姿勢に整形されてから、パレットP上に先行して積み付けられた物品W上に積み付けられる。
【0045】
こうしてパレットP上には積付パターンに配列され積付姿勢に整形された物品Wが2段積み付けられる。そして、この動作の繰り返しによりパレットP上に設定段数の物品Wが積み付けられると、実パレットPとしてパレット搬出手段にて搬出される。
【0046】
そして、この積付装置1によれば、物品Wを保持して移送するロボット8が、供給用搬送手段3の搬送部2の上方の保持位置とパターン配列用搬送手段5の上方の保持解除位置との間で水平方向にのみ移動する水平移動部66と、この水平移動部66に回動可能に設けられ水平移動部66が保持位置に位置した状態で下方回動により保持状態になって昇降手段4上の物品Wを保持し水平移動部66が保持解除位置に位置した状態で上方回動により保持解除状態になって物品Wの保持を解除する物品保持部67とを有する構成であるから、物品Wを保持した保持状態の物品保持部67を昇降させる必要がなく、ロボット8による物品Wの移送能力を高めることができ、よって効率よく積付作業ができる。
【0047】
また、ロボット8の両回動保持体71を保持解除状態にしたまま水平移動部66を保持解除位置から搬送部2の上方の保持位置まで水平移動させる前に、搬送部2上の物品Wを昇降体21にて設定高さHまで持ち上げて待機させておくことができるため、より一層効率よく積付作業ができる。
【0048】
さらに、パターン配列用搬送手段5の搬送始端部に門型のロボット8を配置するため、アーム60の長さを比較的短くでき、ロボット8のコンパクト化、簡素化および軽量化等を図ることができる。
【0049】
なお、積付対象物である物品W、袋物以外に、内容物を箱内に収容した箱物等でもよい。
【0050】
また、ロボット8の物品保持部67は、対をなす回動保持体71にて構成されたものには限定されず、物品Wを吸着保持するもの等でもよい。
【0051】
さらに、ロボット8の移動部は、水平面に沿ってのみ移動する水平移動部66には限定されず、水平面に対してやや傾斜した傾斜面に沿ってのみ移動するもの等でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の一実施の形態に係る積付装置の平面図である。
【図2】同上積付装置の側面図である。
【図3】同上積付装置の供給搬送手段の平面図である。
【図4】同上積付装置の供給搬送手段の側面図である。
【図5】同上積付装置のロボットの斜視図である。
【図6】同上積付装置のロボットの平面図である。
【図7】同上積付装置のロボットの側面図である。
【図8】同上積付装置のロボットの側面図である。
【図9】(a)ないし(k)は、ロボットで積付パターンを形成する場合の動作説明図である。
【図10】(a)ないし(e)は、ロボットで昇降体上の物品を保持する場合の動作説明図である。
【符号の説明】
【0053】
1 積付装置
2 搬送部
3 供給用搬送手段
4 昇降手段
5 パターン配列用搬送手段
6 整形手段
7 パレット昇降手段
8 ロボット
21 昇降体
22 間隔
63 フレーム部
64 第1アーム部
65 第2アーム部
66 移動部である水平移動部
67 物品保持部
71 回動保持体
75 下面支持部
W 物品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を搬送部上に載せて搬送する供給用搬送手段と、
この供給用搬送手段の搬送部から上方に突出する突出位置とその搬送部から上方に突出しない退避位置との間で昇降可能で、前記突出位置への上昇により前記搬送部上の物品を持ち上げる昇降手段と、
物品を搬送するパターン配列用搬送手段と、
このパターン配列用搬送手段上に位置する積付パターンに配列された物品を積付姿勢に整形する整形手段と、
この整形手段にて整形された積付姿勢の物品が複数段に積み付けられるパレットを昇降させるパレット昇降手段と、
物品を保持して移送するロボットとを備え、
前記ロボットは、
前記供給用搬送手段の上方の保持位置と前記パターン配列用搬送手段の上方の保持解除位置との間で所定面に沿ってのみ移動する移動部と、
この移動部に設けられ、前記移動部が前記保持位置に位置した状態で前記昇降手段上の物品を保持し、前記移動部が前記保持解除位置に位置した状態で物品の保持を解除する物品保持部とを有する
ことを特徴とする積付装置。
【請求項2】
ロボットの物品保持部は、移動部に上下回動可能に設けられ下方回動により物品を保持する保持状態になり上方回動により物品の保持を解除する保持解除状態になる対をなす回動保持体を有し、
昇降手段は、互いに間隔をおいて並んで位置する複数の昇降体を有し、
前記各回動保持体には、突出位置に位置した互いに隣合う前記昇降体間の間隔に挿入され物品の下面を支持する下面支持部が形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の積付装置。
【請求項3】
ロボットの両回動保持体を保持解除状態にしたまま移動部を保持位置まで所定面に沿って移動させる前に、搬送部上の物品を昇降手段にて持ち上げて待機させる
ことを特徴とする請求項2記載の積付装置。
【請求項4】
ロボットは、
パターン配列用搬送手段の搬送始端部を跨ぐ門型のフレーム部と、
このフレーム部に回動可能に設けられた第1アーム部と、
この第1アーム部に回動可能に設けられ、移動部を回動可能に支持する第2アーム部とを有する
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の積付装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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