空気ジェット支援のビード偏向を用いるマイクロ押し出しシステム
【課題】ターゲット基材の上面上に複数の押し出し材料のビードを生成するためのマイクロ押し出しシステムを提供する。
【解決手段】入口ポートと、関連する複数のノズル開口部との間を連通させ、1つ又はそれ以上の流路とを含む押し出しプリントヘッド・アセンブリと、押し出し材料が1つ又はそれ以上の流路を通って押し出され、かつ、複数のノズル開口部を出て複数の押し出し材料のビードが生成されるように押し出し材料を入口ポートに給送する材料給送システムと、押し出しプリントヘッド・アセンブリ及びターゲット基材を支持し、かつ、押し出しプリントヘッド・アセンブリをターゲット基材に対して移動させ、複数のノズル開口部を出ていく押し出し材料により、複数のビードが、ターゲット基材の上面上に押し出し材料の平行線を形成するようにするための手段と、ガスが複数のビードをターゲット基材に向けて押すようにするための手段とを備えるシステム。
【解決手段】入口ポートと、関連する複数のノズル開口部との間を連通させ、1つ又はそれ以上の流路とを含む押し出しプリントヘッド・アセンブリと、押し出し材料が1つ又はそれ以上の流路を通って押し出され、かつ、複数のノズル開口部を出て複数の押し出し材料のビードが生成されるように押し出し材料を入口ポートに給送する材料給送システムと、押し出しプリントヘッド・アセンブリ及びターゲット基材を支持し、かつ、押し出しプリントヘッド・アセンブリをターゲット基材に対して移動させ、複数のノズル開口部を出ていく押し出し材料により、複数のビードが、ターゲット基材の上面上に押し出し材料の平行線を形成するようにするための手段と、ガスが複数のビードをターゲット基材に向けて押すようにするための手段とを備えるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ押し出しシステムの改善に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【特許文献1】米国特許出願番号第12/267,147号
【特許文献2】米国特許出願番号第12/267,069号
【発明の概要】
【0003】
以下の説明は、当業者が、特定の用途及びその要件との関連において提供されるように本発明を製造し利用することができるように提示される。ここで用いられる「上方(upper)」、「上部(top)」、「下方(lower)」、「下部(bottom)」、「前部(front)」、「後部(rear)」、「横方向(lateral)」といった方向の用語は、説明のための相対的位置を与えることを意図しており、絶対的な準拠枠を示すことを意図するものではない。当業者には、好ましい実施形態に対する種々の変更が明らかであり、ここで定められる一般的原理を他の実施形態に適用することができる。従って、本発明は、図示され説明される特定の実施形態に限定されることを意図するものではなく、ここに開示される原理及び新規な特徴と合致した最も広い範囲が与えられるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、入口ポートと、複数のノズル開口部と、各々が、入口ポートと、関連する複数のノズル開口部との間を連通させる、1つ又はそれ以上の流路とを含む、押し出しプリントヘッド・アセンブリと、押し出し材料が1つ又はそれ以上の流路を通って押し出され、かつ、複数のノズル開口部を通って出ていき、複数の押し出し材料のビードが生成されるようにする、押し出し材料を入口ポートに給送するための材料給送システムと、押し出しプリントヘッド・アセンブリ及びターゲット基材を支持し、かつ、押し出しプリントヘッド・アセンブリをターゲット基材に対して移動させ、複数のノズル開口部を出ていく押し出し材料により、複数のビードが、ターゲット基材の上面上に押し出し材料の平行線を形成するようにするための手段と、ガスを複数のビードに対して向け、ガスが複数のビードをターゲット基材に向けて押すようにするための手段とを備える、ターゲット基材の上面上に複数の押し出し材料のビードを生成するためのマイクロ押し出しシステムを提供する。
本発明はまた、押し出しプリントヘッド・アセンブリの入口ポートに、押し出し材料を給送するステップであって、押し出しプリントヘッド・アセンブリは、複数のノズル開口部と、各々が、入口ポートと、関連する複数のノズル開口部との間を連通させるように配置された、1つ又はそれ以上の流路とを有する、ステップを含み、押し出し材料が流路の1つ又はそれ以上を通って押し出され、かつ、複数のノズル開口部を通って出ていき、押し出し材料の複数のビードが生成されるように、押し出し材料が前記入口ポートに給送され、押し出しプリントヘッド・アセンブリ及びターゲット基材を支持し、かつ、押し出しプリントヘッド・アセンブリをターゲット基材に対して移動させ、複数のノズル開口部を出ていく押し出し材料により、複数のビードが、ターゲット基材の上面上に押し出し材料の平行線を形成するステップと、ガスを複数の線に対して向け、ガスが複数のビードをターゲット基材に向けて押すようにするステップとを含む、ターゲット基材の上面上に押し出し材料を押し出す方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】マイクロ押し出しシステム50の一部分を示す簡略化された側面図である。
【図2】材料給送システム60、X−Y−Z軸位置決め機構70、及び基部80をさらに詳細に示す図である。
【図3】層状のマイクロ押し出しプリントヘッド・アセンブリ100の分解図である。
【図4】作動中のプリントヘッド・アセンブリ100の一部分を示す簡略化された側断面図である。
【図5】「飛行」ビード部分55Aを偏向させるのに用いられる主要な力を示す図である。
【図6】第1の特定の実施形態によるマイクロ押し出しシステム50Aの一部分を示す側面図である。
【図7】第2の特定の実施形態によるマイクロ押し出しシステム50Bの一部分を示す側面図である。
【図8】ガスジェット・アレイ90B及びプリントヘッド・アセンブリ100Bをより詳細に示す、部分的に分解された斜視図である。
【図9】本発明の実施形態による、図8に示されるアレイの例示的なジェット・ノズル96B−1を示す拡大図である。
【図10】本発明のさらに別の実施形態による、マイクロ押し出しシステム50Cの一部分を示す分解斜視図である。
【図11】本発明の別の実施形態による、マイクロ押し出しシステム50Dの一部分を示す簡略化された側面図である。
【図12】H型太陽電池40の生産における動作中のマイクロ押し出しシステム50Dの一部分を示す変更された斜視図である。
【図13】図12に示される構成を用いる、本発明の実施形態に従って平坦化されたH型太陽電池40のグリッド線終点44Aを示す拡大された部分斜視図である。
【図14】母線45上のトポグラフィを平坦化することを示す図である。
【図15】代替的なグリッド線平坦化操作を示す部分斜視図である。
【図16(A)】従来技術の裏面構造体を示す図である。
【図16(B)】従来技術の裏面構造体を示す図である。
【図17】従来技術を示す図である。
【図18】従来技術を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1は、基材51の上面52上に平行な押し出し材料線(extruded material line)55を形成するための一般化されたマイクロ押し出しシステム50の一部分を示す簡略化された側面図である。マイクロ押し出しシステム50は、少なくとも1つの給送管68及び関連したファスナ69を介して材料給送システム60に作動可能に連結された押し出しプリントヘッド・アセンブリ100を含む。材料が押し出しプリントヘッド・アセンブリ100を通って押し出され(例えば、搾り出され)及び/又は引き込まれ(例えば、真空等を介して)、それぞれプリントヘッド・アセンブリ100の下部に定められた1つ又はそれ以上の出口オリフィス(ノズル開口部)169から出ていく、押し出し及び/又は引き込み技術(例えば、熱間及び冷間)によって、材料が適用される。マイクロ押し出しシステム50はまた、基材51に対してプリントヘッド・アセンブリ100を剛に支持し位置決めするための取り付けプレート76を含むX−Y−Z軸位置決め機構70と、プリントヘッド・アセンブリ100が基材51の上の所定の(例えば、Y軸)方向に移動されたとき、基材51を固定位置に支持するためのプラットフォーム82を含む基部80とをさらに含む。代替的な実施形態(図示せず)においては、プリントヘッド・アセンブリ100は固定されており、基部80は、プリントヘッド・アセンブリ100の下方の基材51を移動させるためのX−Y軸位置決め機構を含む。
【0007】
本発明によると、マイクロ押し出しシステム50はまた、ノズル開口部169より下流に配置され、ガス95(例えば、空気又は乾燥窒素)を、プリントヘッド・アセンブリ100を出た直後のビード55(すなわち、ノズル開口部169と基材51との間に位置する部分55A)又はビード55が基材51上に着地した直後のビード55(すなわち、基材51上に位置する部分55B)のいずれかに配向する働きをする空気流/ガスジェット源90も含む。下記にさらに詳細に説明されるように、どちらの場合も、ガス95はビード55を基材51の方向に押し出す働きをし、これにより、加圧ガスを用いてビード55を基材51の方向に押し出すこと又はビード55を基材表面52に対して平坦化することによる、上述のビード配向の問題に対処する。
【0008】
図2は、マイクロ押し出しシステム50の材料給送システム60、X−Y−Z軸位置決め機構70、及び基部80をさらに詳細に示す。図2に示されるアセンブリは、小規模な太陽電池を生成するために用いられる実験装置を表しており、当業者であれば、一般に、大規模な太陽電池を生成するために、他の装置が用いられることを理解するであろう。図2の右上部分を参照すると、材料給送システム60は、空気圧シリンダ64を支持するハウジング62を含み、このハウジング62は、カートリッジ66に作働可能に連結されているので、材料はカートリッジ66から給送管68を通ってプリントヘッド・アセンブリ100内に押し出される。図2の左側を参照すると、X−Y−Z軸位置決め機構70は、周知の技術を用いてハウジング/アクチュエータ74によりターゲット基材51に対してZ軸(垂直)方向に移動可能であるZ軸ステージ72を含む。取り付けプレート76は、Z軸ステージ72の下端部に剛結合され、プリントヘッド・アセンブリ100を支持し、取り付けフレーム78は、Z軸ステージ72に剛結合され、そこから上向き延び、空気圧シリンダ64及びカートリッジ66を支持する。図2の下部を参照すると、基部80は、X−Y機構が、プリントヘッド・アセンブリ100を周知の技術を用いて基材51の上面の上でX軸方向及びY軸方向(並びに2つの回転軸)に移動させるとき、ターゲット基材51を支持する支持プラットフォーム82を含む。
【0009】
図2の下部を参照すると、本発明の実施形態によると、空気流/ガスジェット源90は、ガス95をビード55の上に配向しながら、該空気流/ガスジェット源90が押し出しプリントヘッド・アセンブリ100に対して一定の関係で保持されるように、Z軸ステージ72に固定して取り付けられる。代替的な実施形態(図示せず)においては、空気流/ガスジェット源90は、Z軸ステージ72から分離した構造体によって支持することができるが、この装置は、不必要に複雑なものになり得る。
【0010】
図1及び図3の分解図に示されるように、層状のマイクロ押し出しプリントヘッド・アセンブリ100が、第1の(後部)プレート構造体110と、第2の(前部)プレート構造体130と、これらの間に結合された層状ノズル構造体150とを含む。後部プレート構造体110及び前部プレート構造体130は、押し出し材料を入口ポート116から層状ノズル構造体150に案内し、かつ、層状ノズル構造体150を剛に支持する働きをするので、層状ノズル構造体150内に定められた押し出しノズル163は所定の傾斜角θ1(例えば、45°)で基材51の方向に向けられ、それにより、その対応するノズル・オリフィス169に向けて各々の押し出しノズル163を下向きに移動する押し出し材料が、ターゲット基材51の方向に配向される。
【0011】
後部プレート構造体110及び前部プレート構造体130の各々は、1つ又はそれ以上の一体成型された又は機械加工された金属部品を含む。開示される実施形態においては、後部プレート構造体110は、傾斜した後部プレート111と、後部プレナム120とを含み、前部プレート構造体130は、一体成形の金属プレートを含む。傾斜した後部プレート111は、前面112と、側面113と、後面114とを含み、前面112及び後面114は、所定の角度θ2(例えば、図1に示される45°)を形成する。傾斜した後部プレート111はまた、側面113内に定められたねじ付き皿頭(countersunk bore inlet)ボア入口116から、後面114内に定められたボア出口117まで延びるボア115も定める。後部プレナム120は、平行な前面122及び後面124を含み、前面122を通って定められた入口126と、後面124内に定められた出口127とを有する導管125を定める。下記に述べられるように、ボア115及びプレナム120は、協働して押し出し材料を層状ノズル構造体150に給送する。前部プレート構造体130は、前面132と、所定の角度θ2(図1に示される)を形成する傾斜した下面134とを含む。
【0012】
層状ノズル構造体150は、組み合わせて1つ又はそれ以上の押し出しノズル163を形成する、(例えば、アルミニウム、鋼のような金属、又はプラスチックなどの)2つ又はそれ以上の積層プレートを含む。図3に示される実施形態においては、層状ノズル構造体150は、上部ノズル・プレート153と、下部ノズル・プレート156と、上部ノズル・プレート153と下部ノズル・プレート156との間に挟まれたノズル出口プレート160とを含む。上部ノズル・プレート153は、入力ポート(貫通孔)155を定め、かつ、(第1の)前縁部158−1を有する。下部ノズル・プレート156は、(第3の)前縁部158−2を有する実質的に中実の(すなわち、連続的な)プレートである。ノズル出口プレート160は、(第2の)前縁部168を含み、かつ、閉鎖端165から、前縁部168を通って定められたノズル・オリフィス169まで所定の第1の流れ方向F1に延びる細長いノズル・チャネル162を定める。作動可能に組み立てられたとき(例えば、図4に示されるように)、ノズル出口プレート160は、上部ノズル・プレート153と下部ノズル・プレート156との間に挟まれているので、細長いノズル・チャネル162、上部ノズル・プレート153の前部154、及び下部ノズル・プレート156の前部157が組み合わされて、閉鎖端165からノズル・オリフィス169まで延びる細長い押し出しノズル163を定める。さらに、上部ノズル・プレート153は、ノズル出口プレート160上に取り付けられるので、入口ポート155が細長いチャネル162の閉鎖端165と位置合わせされ、それにより、入力ポート155を通って押し出された押し出し材料が押し出しノズル163に沿って方向F1に流れ、ノズル・オリフィス169を介して層状ノズル構造体150から出ていき、基材51上にビード55を形成する。
【0013】
再び図1を参照すると、作動可能に組み立てられ、マイクロ押し出しシステム50の上に取り付けられたとき、プリントヘッド・アセンブリ100の傾斜した後部プレート111は、1つ又はそれ以上のファスナ(例えば、小ねじ)142によって取り付けプレート76に剛結合されるので、前部プレート構造体130の斜面134がターゲット基材51の上面52に対してほぼ平行に位置決めされる。1つ又はそれ以上の第2のファスナ144が、層状ノズル構造体150が前部プレート構造体130の前面と後部プレナム120の後面との間に押し付けられた状態で、前部プレート構造体130を後部プレート構造体110に結合させるために用いられる。さらに、材料給送システム60が、周知の技術を用いて給送管68及びファスナ69を介してボア115に作動可能に連結され、ボア115内に押し出された押し出し材料が、導管125を介して層状ノズル構造体150に通される。
【0014】
好ましい実施形態においては、図1に示すように、その全体が引用によりここに組み入れられる「DEAD VOLUME REMOVAL FROM AN EXTRUSION PRINTHEAD」という名称の同一出願人による同時係属中の特許文献1に記載されるように、硬化可能材料が、プリントヘッド・アセンブリ100のボア115及び導管125内に注入される。この硬化可能材料は、他の場合には押し出し材料を捕捉し、目詰まりさせることがある、導管125のいずれかのデッドゾーンを充填する部分170を形成する。
【0015】
図4は、作動中のプリントヘッド・アセンブリ100の一部分を示す簡略化された側断面図である。図4に示すように、導管125を出る押し出し材料は、チャネル162の入口155及び閉鎖端165(どちらも図3に示される)を介してノズル163の閉鎖端に入り、出口169に向けてノズル163を下って方向F1に流れる。図4を参照すると、ノズル163に流入する押し出し材料は、ノズル開口部169を通って配向される。ここで説明されるように、射出(ejection)」直後に(すなわち、基材51の上面52に当たる前に)配置されるビード55の「飛行(flying)」部分55Aは、下記に述べられる理由で上面52上に配置されるビード55の「着地(landed)」部分55Bとは別個に識別される。再び図1を参照すると、押し出し材料は、ノズル・オリフィス169から出るとき、傾斜角θ2で案内され、よって大容量の太陽電池の生産を容易にする方法で基材51の方向に配向される。
【0016】
第1の一連の実施形態によると、本発明は、具体的には、分配ノズルから出るとき、ビード55が基材51の上に確実に下方に偏向されるように、ビード55の部分55Aの上に空気流及び/又はガスジェットを生成するための技術に向けられる。図5を参照すると、「飛行」ビード部分55Aを偏向させるのに用いられる主要な力は、空気の流路においてビード部分55Aに遭遇する空気の空気力学的抗力(drag force)である。この抗力は空気流の方向に生じる。作用を示し始め得る二次的な力が揚力(lift force)であり、この揚力は下記の推定には考慮されていない。物体にかかる抗力Fdの大まかな近似値は、式1:
に定められるように表される。
式1において、ρは空気の密度であり、vは気流速度であり、Cdは抗力係数であり、Aは物体の断面積である。物体(例えば、「飛行」ビード部分55A)の背後の伴流(wake)が乱流であるとき、式1は有効である。長さl、厚さt、及び幅wの弾性カンチレバーとしてビード部分55Aを考えることによって、ビード部分55Aの偏向の大まかな推定値が与えられる。この場合、ビード部分55Aがノズル・オリフィスから突出する際のビード部分55Aのばね定数kは、式2:
によって表すことができる。
ここで、Yは、ビード部分55Aの弾性率であり、これは1000Paのオーダーである。典型的なビード幅及び厚さは、それぞれ250ミクロン及び100ミクロンである。ビード部分55Aが100ミクロンだけノズル・オリフィスから出て来るとき、ビード部分55Aを50ミクロンだけ偏向させることを望む場合、上記の関係から、10m/秒のオーダーの気流速度が必要とされるという推定が与えられる。この空気流のレベルは、適度な気圧及び容易に製造される空気送出装置によって容易に達成され、それらの例が下記に与えられる。
【0017】
図6は、ビード55が、プリントヘッド・アセンブリ100から出て来るときに基材51の上に確実に押し出されるように、遠隔の空気流(破線95Aで示される)を「飛行」ビード部分55Aに対して配向するためにエア・ナイフ90Aが用いられる、第1の特定の実施形態によるマイクロ押し出しシステム50Aの一部分を示す側面図である。エア・ナイフ90Aは、曲面93Aが基材51の上方に支持されるように、ブラケット92Aを介してZ軸ステージ72に取り付けられたブロック91Aを含む。エア・ナイフ90Aは、圧縮空気流(図示せず)を取り込み、曲面93Aの真上に位置する狭いスロット(図示せず)を通して空気を送り出す。ブロック91Aが基材51の上面に対してY軸方向に移動される際、スロットから出てくる空気流が、付加的な周囲空気を吸い込み、空気をプリントヘッド・アセンブリ100の方向に配向し、これにより各ビード55の「飛行」部分55Aの上に所望の空気流95Aが配向される。一実施形態においては、エア・ナイフ90Aは、単一の翼状エア・フォイルと置き換えられ、そこで、プリントヘッド・アセンブリ100が基材51に対して移動されるときに、曲面93Aが空気をプリントヘッド・アセンブリ100に向けて下向きに押し出す。
【0018】
図7は、加圧ガス(例えば、乾燥窒素)が管(pipe)91Bを介して給送源(図示せず)からガスジェット・アレイ90B内に導入され、そこで、プリントヘッド・アセンブリ100Bがターゲット基材51に対してY軸方向に移動される間、ガスジェット・アレイ90Bが加圧ガス(例えば、図7の破線の矢印95Bで示されるような)を各ビード55の「飛行」部分55Aに再指向させる、第2の特定の実施形態によるマイクロ押し出しシステム50Bの一部分を示す側面図である。開示される実施形態においては、プリントヘッド・アセンブリ100Bは、他の場合には上述したように機能する後部プレナム120Bが変更されて、ガスジェット・アレイ90Bを固定的に支持し、かつ、加圧ガスを管91Bからガスジェット・アレイ90B上に与えられるガスジェット(下記に述べられる)まで通すという点で、上述の構造体からわずかに変更されている。
【0019】
図8は、ガスジェット・アレイ90B及びプリントヘッド・アセンブリ100Bをより詳細に示す、部分的に分解された斜視図である。示されるように、後部プレナム120Bは、管91B(図7を参照されたい)から加圧ガスを受け取るねじ付き入口123Bを含む。加圧空気は、1つ又はそれ以上の細長い出口129Bと連通するチャネル(図示せず)を通過する。ガスジェット・アレイ90Bは、後部プレート構造体97Bによって後面128Bに対してクランプされた材料シート(例えば、金属又はポリイミドの形態であるCirlex)を含み、空気ジェット(air jet)が正確な位置合わせでノズル・オリフィスと交差するように位置合わせされることを保証するように、位置合わせピンが用いられる。ジェットを出る空気流の方向がプリントヘッドを出るインク流の方向に対して大きい角度であり、そのことは、抗力が最大化されることを保証する助けとなることに留意されたい。ビードの下方の空気流は、ビードが基材に着地し、これにくっ付くのを防止することができるので、この構成は、より少ないガスが用いられ、より少ないガス流が基材(図示せず)の上に配向されるという利点を有する。
【0020】
図9は、本発明の実施形態による、図8に示されるアレイの例示的なジェット・ノズル96B−1を示す拡大図である。ジェット・ノズル96B−1は、その閉鎖端96−1において細長い開口部129Bから加圧ガスを受け取り、閉鎖端96−1と、関連した空気ジェット部分95B−1が放出される出口開口部96−3との間に収束(converging)/散開(diverging)ネック領域96−2を含む。この収束/発散アーキテクチャは、出ていく空気流をコリメートする働きをする。
【0021】
図10は、本発明のさらに別の実施形態による、プレナム120C及びガスジェット・アレイ90Cを含むマイクロ押し出しシステム50Cの一部分を示す分解斜視図である。上述の実施形態と同様に、加圧空気は、開口部123Cを通って入り、細長い出口129C−1及び129C−2と連通するチャネル(図示せず)を通過する。この実施形態においては、ガスジェット・アレイ90Cは、クランプ接合97Cを介して後部プレナム120Cの表面128Cに対してクランプされた、スペーサ層95C−1、ノズル対アレイ層95C−2、及び結合チャネル層95C−3を含むジェット・アセンブリ95Cを含む。ガスジェット・アレイ90Cはまた、押し出しビードの制御可能な横方向の偏向及びねじれ偏向をもたらすように、空気ジェット96Cの関連した対が、各ノズル開口部(図示せず)に向けられるという点で、図7及び図8を参照して上述された実施形態とは異なる。空気ジェット対96Cは、スペーサ層95C−1と結合チャネル層95C−2との間に挟まれたノズル対アレイ層(金属シート)95C−2上に形成される。作動中、加圧ガスは、出口129C−1及びスペーサ層95C−1内に定められた開口部99−11を介して各ジェット・ノズル対96Cの第1のジェットに給送され、出口129C−2、スペーサ層95C−1内に定められた開口部99−12、ノズル対アレイ層95C−2内に定められた開口部99−22、及び結合チャネル層95C−3内に定められる垂直方向スロット98を介して各ジェット・ノズル対96Cの第2のジェットに給送される。
【0022】
図11は、本発明の別の実施形態による、マイクロ押し出しシステム50Dの一部分を示す簡略化された側面図である。マイクロ押し出しシステム50Dは、Z軸位置決め機構70Dと、プリントヘッド・アセンブリ100と、上述したものと類似しているが、Z軸位置決め機構70Dの上に取り付けられたガスジェット・アレイ90Dも含み、部分55Bがターゲット基材51の上面52に接触した直後(すなわち、押し出し材料が依然として「ウエットである」間)、ガスジェット・アレイ90Dが加圧ガス(例えば、空気、乾燥窒素、又は他のガス相流体)95Dを押し出されたビード(線)55の部分55Bの上に下方に配向するという点で異なっている他の構造部とを含む。ガスジェット・アレイ90Dは、図8及び図10を参照して上述した空気ジェット構成と同様に形成された1つ又はそれ以上の金属空気ジェット・プレート95Dの両側上に配置されたクランプ部分98D−1及び98D−2を含み、かつ、ねじ99DによってZ軸位置決め機構70Dに固定される。示されるように、後部クランプ部分98D−2は、管91Dを介して加圧ガスを受け取るねじ付き入口93Dを含む。加圧ガスは、1つ又はそれ以上の細長いノズル出口96Dと連通するチャネル(図示せず)を通過する。加圧ガス95Dを、部分55Bの上に下向きに配向することによって、システム50Dは、基材51上への薄く低アスペクト比の線55の高処理量の印刷を容易にする。すなわち、加圧ガス95Dは、基材表面52の方向に部分55Bを平坦化する(スランプする(slump))のに十分な力を加え、これにより、比較的細く縦長の押し出しノズルを用いて幅広く平坦な材料の線を形成することが容易になる。この技術を用いて、単一のビードをその付着幅になるまで何度も拡張させることができる。例えば、この構成を用いる場合、発明者は、押し出し材料線55を、約0.4mmの幅から2mmより広い幅に、かつ、0.010mmのウエット厚から0.020mmまでのウエット厚に平坦化する(スランプする)ことが可能であることを見出した。押し出し印刷に用いられるインクの荷重及び粘度を用いる場合、重力及びウエット力の下でインクをスランプするのに膨大な時間を許容することによってさえも、これらの寸法の線を直接生成することは不可能である(この点で、実際的な考察は、母線(buss bar)45の印刷とグリッド線(gridline)44の印刷との間の標準的な生産フローは、母線の印刷とグリッド線の印刷との間で約3秒未満しか許容しないということである)。さらに、下記に述べられるように、この技術を選択的に用いて、H型太陽電池においてグリッド線の終点と基材との間に信頼できる結合を生成し、さらにこの技術を用いて、電池のトポグラフィを選択的に平坦化し、母線と金属リボンとの間のより強力なはんだ接合部を容易にする。
【0023】
図12は、背景セクションにおいて上述されたものと類似したH型太陽電池40の生産における動作中のマイクロ押し出しシステム50Dの一部分を示す変更された斜視図である。本発明の別の態様によると、マイクロ押し出しシステム50Dは、プリントヘッド100を介する基材41の上への選択的な材料の押し出しを容易にするための制御押し出し材料源60Dと、ガスジェット・アレイ90Dを介するガスジェットの生成を選択的に制御するように加圧ガス源220に連結された1つ又はそれ以上の高速弁210との両方にプログラムされるコントローラ200(例えば、マイクロプロセッサ)を含む。下記に述べられるように、高速弁210を用いて、ガス圧を選択された回数でパルス制御し、押し出し材料構造体(線)の選択されたセクションを平坦化する。
【0024】
図13は、図12に示される構成を用いる、本発明の実施形態に従って平坦化された(スランプされた)H型太陽電池40のグリッド線終点44Aを示す拡大された部分斜視図である。グリッド線44の付着力は、終点44Aの接触面積を増大することによって強化することができる。ガスジェットを用いて、グリッド線44の終点44Aを積極的にスランプし、より大きな接触面積をもたらすことが、本発明の態様である。この点で、図12に示される方法でプリントヘッド・アセンブリ100が基材41の上を通過するとき、基材41上へのグリッド線材料を押し出し開始するための周知の技術に従って、コントローラ200から送られる制御信号を用いて、押し出し材料源60Dが作動される。時間T1から時間T2までの時間(すなわち、ガスジェット・アレイ90Dが終点44Aの上でY軸方向に移動されてから少しして)、コントローラ200は、作動制御信号を高速弁210に送り、ガスジェットの下で終点44Aの適切な位置決めと一致する加圧ガス源220から高圧ガスのパルス(短いバースト)を送るように、高速弁210が短時間開くようにし、これにより、図13に示される平坦化(スランプ)がもたらされる。
【0025】
本発明の別の実施形態によると、上述したガスジェット支援のスランプを用いて、母線45とグリッド線44との間の頂点における母線45上のトポグラフィを平坦化する。図14を参照すると、上述したようにシステム50D(図12を参照されたい)を用いて、時間T3とT4との間に加圧ガスのパルスを生成し、各グリッド線44のセクション44B(すなわち、母線45上に位置する部分)の上のガスジェット・アレイの配置と一致させる。上述のように、プリントヘッド・アセンブリ100のすぐ後ろにガスジェット・アレイ90Dを取り付けることによって、押し出されたグリッド線の材料(インク)がウエット状態にある間、トポグラフィを平坦化するように(すなわち、セクション44Bの最上面が、「スランプされていない」セクション44−1及び44−2の上面と実質的に等しくなるように)、ガス・パルスが母線−グリッド線の頂点の上に伝えられる。このように、広い面積の電池におけるグリッド線44の望ましくないスランプが回避される。
【0026】
図15は、グリッド線44が印刷された後に基材41の向きが変えられ(すなわち、プリントヘッド・アセンブリ100のY軸の移動方向が母線45と平行になるように)、母線45の上に位置するガスジェットだけが作動され、これにより図14に示されるものと類似した所望の平坦化されたトポグラフィがもたらされた、代替的なグリッド線平坦化操作を示す部分斜視図である。
【0027】
別の実施形態によると、上述した押し出し技術を用いて後面特徴部を生成するために、上述したものと類似したグリッド線平坦化操作が用いられる(すなわち、従来のスクリーン印刷技術とは対照的に)。焼成後、裏面のメタライゼーションについてのターゲット厚は、0.005mmから0.030mmまでの範囲の厚さである。本発明の実施形態によると、裏面構造体(例えば、図16(B)に示されるものと類似した)は、最初に、銀及びアルミニウム・ペーストの多くの別個のビードを付着させ、次いで、1つ又はそれ以上のガスジェット又はガス・カーテンを用いて、基材上にビードをスランプして互いに併合させ、結合された構造体を生成することによって製造される。好ましい実施形態においては、銀及びアルミニウムの別個のビードは、押し出し印刷によって付着される。好ましい実施形態において、銀及びアルミニウム・インクのビードは、アルミニウム・インク及び銀インクの両方を同時に印刷することができる単一の共押し出し(co−extrusion)印刷装置上に付着され、2つの別個のプリンタ及び現在実施されている介在する乾燥ステップに対する必要性をなくす。
【0028】
好ましい実施形態によると、上述した種々のガスジェット構成は、その全体が引用により本明細書に組み入れられる「DIRECTIONAL EXTRUDED BEAD CONTROL」という名称の同一出願人による同時係属中の特許文献2に記載されたもののような、指向性の押し出されたビードの制御用いる単一の押し出し及び共押し出しプリントヘッド・アセンブリと組み合わせて用いられる。
【0029】
代替的な実施形態において、インク・ビードが静電気力によって基材に引き付けることができる材料を含む構成を用いて、上述の実施形態の1つ又はそれ以上を強化することができる。プリントヘッド間隔dの両端にかかる電圧Vを基材とプリントヘッド・アセンブリとの間に印加することによって、インク・ビードの幅w及び長さlは、式3:
によって表される力Fを経験することになる。
ここで、ε0は、空隙(真空)の誘電率である。電圧Vは、約1000ボルトまでの空気の破壊強度(3kV/mm)によって制限される。10nmのオーダーの偏向は、このレベルの静電作動によって実現可能である。
【0030】
本発明は、特定の具体的な実施形態に関して説明されたが、当業者であれば、本発明の新規な特徴は他の実施形態にも適用可能であることが明らかであり、その全てが本発明の範囲内にあることが意図される。例えば、空気ジェット上の分散抗力を減少させるために、空気ジェット・ノズルとプリントヘッド面との間にスペーサを配置することができる。
【符号の説明】
【0031】
40:太陽電池
44:グリッド線
44A:終点
45:母線
50、50A、50B、50C、50D:マイクロ押し出しシステム
51:基材
55:ビード
55A、55B:ビードの部分
60:材料給送システム
60D:制御押し出し材料源
68:給送管
69、144:ファスナ
70:X−Y−Z軸位置決め機構
70D:Z軸位置決め機構
72:Z軸ステージ
76:取り付けプレート
78:取り付けフレーム
80:基部
82:プラットフォーム
90:空気流/ガスジェット源
90A:エア・ナイフ
90B、90C、90D:ガスジェット・アレイ
95C:ジェット・アセンブリ
100、100B:プリントヘッド・アセンブリ
115:ボア
120、120B、120C:プレナム
125:導管
130:前部プレート構造体
150:層状ノズル構造体
162:ノズル・チャネル
163:ノズル
169:ノズル開口部
200:コントローラ
210:高速弁
220:加圧ガス源
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ押し出しシステムの改善に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【特許文献1】米国特許出願番号第12/267,147号
【特許文献2】米国特許出願番号第12/267,069号
【発明の概要】
【0003】
以下の説明は、当業者が、特定の用途及びその要件との関連において提供されるように本発明を製造し利用することができるように提示される。ここで用いられる「上方(upper)」、「上部(top)」、「下方(lower)」、「下部(bottom)」、「前部(front)」、「後部(rear)」、「横方向(lateral)」といった方向の用語は、説明のための相対的位置を与えることを意図しており、絶対的な準拠枠を示すことを意図するものではない。当業者には、好ましい実施形態に対する種々の変更が明らかであり、ここで定められる一般的原理を他の実施形態に適用することができる。従って、本発明は、図示され説明される特定の実施形態に限定されることを意図するものではなく、ここに開示される原理及び新規な特徴と合致した最も広い範囲が与えられるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、入口ポートと、複数のノズル開口部と、各々が、入口ポートと、関連する複数のノズル開口部との間を連通させる、1つ又はそれ以上の流路とを含む、押し出しプリントヘッド・アセンブリと、押し出し材料が1つ又はそれ以上の流路を通って押し出され、かつ、複数のノズル開口部を通って出ていき、複数の押し出し材料のビードが生成されるようにする、押し出し材料を入口ポートに給送するための材料給送システムと、押し出しプリントヘッド・アセンブリ及びターゲット基材を支持し、かつ、押し出しプリントヘッド・アセンブリをターゲット基材に対して移動させ、複数のノズル開口部を出ていく押し出し材料により、複数のビードが、ターゲット基材の上面上に押し出し材料の平行線を形成するようにするための手段と、ガスを複数のビードに対して向け、ガスが複数のビードをターゲット基材に向けて押すようにするための手段とを備える、ターゲット基材の上面上に複数の押し出し材料のビードを生成するためのマイクロ押し出しシステムを提供する。
本発明はまた、押し出しプリントヘッド・アセンブリの入口ポートに、押し出し材料を給送するステップであって、押し出しプリントヘッド・アセンブリは、複数のノズル開口部と、各々が、入口ポートと、関連する複数のノズル開口部との間を連通させるように配置された、1つ又はそれ以上の流路とを有する、ステップを含み、押し出し材料が流路の1つ又はそれ以上を通って押し出され、かつ、複数のノズル開口部を通って出ていき、押し出し材料の複数のビードが生成されるように、押し出し材料が前記入口ポートに給送され、押し出しプリントヘッド・アセンブリ及びターゲット基材を支持し、かつ、押し出しプリントヘッド・アセンブリをターゲット基材に対して移動させ、複数のノズル開口部を出ていく押し出し材料により、複数のビードが、ターゲット基材の上面上に押し出し材料の平行線を形成するステップと、ガスを複数の線に対して向け、ガスが複数のビードをターゲット基材に向けて押すようにするステップとを含む、ターゲット基材の上面上に押し出し材料を押し出す方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】マイクロ押し出しシステム50の一部分を示す簡略化された側面図である。
【図2】材料給送システム60、X−Y−Z軸位置決め機構70、及び基部80をさらに詳細に示す図である。
【図3】層状のマイクロ押し出しプリントヘッド・アセンブリ100の分解図である。
【図4】作動中のプリントヘッド・アセンブリ100の一部分を示す簡略化された側断面図である。
【図5】「飛行」ビード部分55Aを偏向させるのに用いられる主要な力を示す図である。
【図6】第1の特定の実施形態によるマイクロ押し出しシステム50Aの一部分を示す側面図である。
【図7】第2の特定の実施形態によるマイクロ押し出しシステム50Bの一部分を示す側面図である。
【図8】ガスジェット・アレイ90B及びプリントヘッド・アセンブリ100Bをより詳細に示す、部分的に分解された斜視図である。
【図9】本発明の実施形態による、図8に示されるアレイの例示的なジェット・ノズル96B−1を示す拡大図である。
【図10】本発明のさらに別の実施形態による、マイクロ押し出しシステム50Cの一部分を示す分解斜視図である。
【図11】本発明の別の実施形態による、マイクロ押し出しシステム50Dの一部分を示す簡略化された側面図である。
【図12】H型太陽電池40の生産における動作中のマイクロ押し出しシステム50Dの一部分を示す変更された斜視図である。
【図13】図12に示される構成を用いる、本発明の実施形態に従って平坦化されたH型太陽電池40のグリッド線終点44Aを示す拡大された部分斜視図である。
【図14】母線45上のトポグラフィを平坦化することを示す図である。
【図15】代替的なグリッド線平坦化操作を示す部分斜視図である。
【図16(A)】従来技術の裏面構造体を示す図である。
【図16(B)】従来技術の裏面構造体を示す図である。
【図17】従来技術を示す図である。
【図18】従来技術を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1は、基材51の上面52上に平行な押し出し材料線(extruded material line)55を形成するための一般化されたマイクロ押し出しシステム50の一部分を示す簡略化された側面図である。マイクロ押し出しシステム50は、少なくとも1つの給送管68及び関連したファスナ69を介して材料給送システム60に作動可能に連結された押し出しプリントヘッド・アセンブリ100を含む。材料が押し出しプリントヘッド・アセンブリ100を通って押し出され(例えば、搾り出され)及び/又は引き込まれ(例えば、真空等を介して)、それぞれプリントヘッド・アセンブリ100の下部に定められた1つ又はそれ以上の出口オリフィス(ノズル開口部)169から出ていく、押し出し及び/又は引き込み技術(例えば、熱間及び冷間)によって、材料が適用される。マイクロ押し出しシステム50はまた、基材51に対してプリントヘッド・アセンブリ100を剛に支持し位置決めするための取り付けプレート76を含むX−Y−Z軸位置決め機構70と、プリントヘッド・アセンブリ100が基材51の上の所定の(例えば、Y軸)方向に移動されたとき、基材51を固定位置に支持するためのプラットフォーム82を含む基部80とをさらに含む。代替的な実施形態(図示せず)においては、プリントヘッド・アセンブリ100は固定されており、基部80は、プリントヘッド・アセンブリ100の下方の基材51を移動させるためのX−Y軸位置決め機構を含む。
【0007】
本発明によると、マイクロ押し出しシステム50はまた、ノズル開口部169より下流に配置され、ガス95(例えば、空気又は乾燥窒素)を、プリントヘッド・アセンブリ100を出た直後のビード55(すなわち、ノズル開口部169と基材51との間に位置する部分55A)又はビード55が基材51上に着地した直後のビード55(すなわち、基材51上に位置する部分55B)のいずれかに配向する働きをする空気流/ガスジェット源90も含む。下記にさらに詳細に説明されるように、どちらの場合も、ガス95はビード55を基材51の方向に押し出す働きをし、これにより、加圧ガスを用いてビード55を基材51の方向に押し出すこと又はビード55を基材表面52に対して平坦化することによる、上述のビード配向の問題に対処する。
【0008】
図2は、マイクロ押し出しシステム50の材料給送システム60、X−Y−Z軸位置決め機構70、及び基部80をさらに詳細に示す。図2に示されるアセンブリは、小規模な太陽電池を生成するために用いられる実験装置を表しており、当業者であれば、一般に、大規模な太陽電池を生成するために、他の装置が用いられることを理解するであろう。図2の右上部分を参照すると、材料給送システム60は、空気圧シリンダ64を支持するハウジング62を含み、このハウジング62は、カートリッジ66に作働可能に連結されているので、材料はカートリッジ66から給送管68を通ってプリントヘッド・アセンブリ100内に押し出される。図2の左側を参照すると、X−Y−Z軸位置決め機構70は、周知の技術を用いてハウジング/アクチュエータ74によりターゲット基材51に対してZ軸(垂直)方向に移動可能であるZ軸ステージ72を含む。取り付けプレート76は、Z軸ステージ72の下端部に剛結合され、プリントヘッド・アセンブリ100を支持し、取り付けフレーム78は、Z軸ステージ72に剛結合され、そこから上向き延び、空気圧シリンダ64及びカートリッジ66を支持する。図2の下部を参照すると、基部80は、X−Y機構が、プリントヘッド・アセンブリ100を周知の技術を用いて基材51の上面の上でX軸方向及びY軸方向(並びに2つの回転軸)に移動させるとき、ターゲット基材51を支持する支持プラットフォーム82を含む。
【0009】
図2の下部を参照すると、本発明の実施形態によると、空気流/ガスジェット源90は、ガス95をビード55の上に配向しながら、該空気流/ガスジェット源90が押し出しプリントヘッド・アセンブリ100に対して一定の関係で保持されるように、Z軸ステージ72に固定して取り付けられる。代替的な実施形態(図示せず)においては、空気流/ガスジェット源90は、Z軸ステージ72から分離した構造体によって支持することができるが、この装置は、不必要に複雑なものになり得る。
【0010】
図1及び図3の分解図に示されるように、層状のマイクロ押し出しプリントヘッド・アセンブリ100が、第1の(後部)プレート構造体110と、第2の(前部)プレート構造体130と、これらの間に結合された層状ノズル構造体150とを含む。後部プレート構造体110及び前部プレート構造体130は、押し出し材料を入口ポート116から層状ノズル構造体150に案内し、かつ、層状ノズル構造体150を剛に支持する働きをするので、層状ノズル構造体150内に定められた押し出しノズル163は所定の傾斜角θ1(例えば、45°)で基材51の方向に向けられ、それにより、その対応するノズル・オリフィス169に向けて各々の押し出しノズル163を下向きに移動する押し出し材料が、ターゲット基材51の方向に配向される。
【0011】
後部プレート構造体110及び前部プレート構造体130の各々は、1つ又はそれ以上の一体成型された又は機械加工された金属部品を含む。開示される実施形態においては、後部プレート構造体110は、傾斜した後部プレート111と、後部プレナム120とを含み、前部プレート構造体130は、一体成形の金属プレートを含む。傾斜した後部プレート111は、前面112と、側面113と、後面114とを含み、前面112及び後面114は、所定の角度θ2(例えば、図1に示される45°)を形成する。傾斜した後部プレート111はまた、側面113内に定められたねじ付き皿頭(countersunk bore inlet)ボア入口116から、後面114内に定められたボア出口117まで延びるボア115も定める。後部プレナム120は、平行な前面122及び後面124を含み、前面122を通って定められた入口126と、後面124内に定められた出口127とを有する導管125を定める。下記に述べられるように、ボア115及びプレナム120は、協働して押し出し材料を層状ノズル構造体150に給送する。前部プレート構造体130は、前面132と、所定の角度θ2(図1に示される)を形成する傾斜した下面134とを含む。
【0012】
層状ノズル構造体150は、組み合わせて1つ又はそれ以上の押し出しノズル163を形成する、(例えば、アルミニウム、鋼のような金属、又はプラスチックなどの)2つ又はそれ以上の積層プレートを含む。図3に示される実施形態においては、層状ノズル構造体150は、上部ノズル・プレート153と、下部ノズル・プレート156と、上部ノズル・プレート153と下部ノズル・プレート156との間に挟まれたノズル出口プレート160とを含む。上部ノズル・プレート153は、入力ポート(貫通孔)155を定め、かつ、(第1の)前縁部158−1を有する。下部ノズル・プレート156は、(第3の)前縁部158−2を有する実質的に中実の(すなわち、連続的な)プレートである。ノズル出口プレート160は、(第2の)前縁部168を含み、かつ、閉鎖端165から、前縁部168を通って定められたノズル・オリフィス169まで所定の第1の流れ方向F1に延びる細長いノズル・チャネル162を定める。作動可能に組み立てられたとき(例えば、図4に示されるように)、ノズル出口プレート160は、上部ノズル・プレート153と下部ノズル・プレート156との間に挟まれているので、細長いノズル・チャネル162、上部ノズル・プレート153の前部154、及び下部ノズル・プレート156の前部157が組み合わされて、閉鎖端165からノズル・オリフィス169まで延びる細長い押し出しノズル163を定める。さらに、上部ノズル・プレート153は、ノズル出口プレート160上に取り付けられるので、入口ポート155が細長いチャネル162の閉鎖端165と位置合わせされ、それにより、入力ポート155を通って押し出された押し出し材料が押し出しノズル163に沿って方向F1に流れ、ノズル・オリフィス169を介して層状ノズル構造体150から出ていき、基材51上にビード55を形成する。
【0013】
再び図1を参照すると、作動可能に組み立てられ、マイクロ押し出しシステム50の上に取り付けられたとき、プリントヘッド・アセンブリ100の傾斜した後部プレート111は、1つ又はそれ以上のファスナ(例えば、小ねじ)142によって取り付けプレート76に剛結合されるので、前部プレート構造体130の斜面134がターゲット基材51の上面52に対してほぼ平行に位置決めされる。1つ又はそれ以上の第2のファスナ144が、層状ノズル構造体150が前部プレート構造体130の前面と後部プレナム120の後面との間に押し付けられた状態で、前部プレート構造体130を後部プレート構造体110に結合させるために用いられる。さらに、材料給送システム60が、周知の技術を用いて給送管68及びファスナ69を介してボア115に作動可能に連結され、ボア115内に押し出された押し出し材料が、導管125を介して層状ノズル構造体150に通される。
【0014】
好ましい実施形態においては、図1に示すように、その全体が引用によりここに組み入れられる「DEAD VOLUME REMOVAL FROM AN EXTRUSION PRINTHEAD」という名称の同一出願人による同時係属中の特許文献1に記載されるように、硬化可能材料が、プリントヘッド・アセンブリ100のボア115及び導管125内に注入される。この硬化可能材料は、他の場合には押し出し材料を捕捉し、目詰まりさせることがある、導管125のいずれかのデッドゾーンを充填する部分170を形成する。
【0015】
図4は、作動中のプリントヘッド・アセンブリ100の一部分を示す簡略化された側断面図である。図4に示すように、導管125を出る押し出し材料は、チャネル162の入口155及び閉鎖端165(どちらも図3に示される)を介してノズル163の閉鎖端に入り、出口169に向けてノズル163を下って方向F1に流れる。図4を参照すると、ノズル163に流入する押し出し材料は、ノズル開口部169を通って配向される。ここで説明されるように、射出(ejection)」直後に(すなわち、基材51の上面52に当たる前に)配置されるビード55の「飛行(flying)」部分55Aは、下記に述べられる理由で上面52上に配置されるビード55の「着地(landed)」部分55Bとは別個に識別される。再び図1を参照すると、押し出し材料は、ノズル・オリフィス169から出るとき、傾斜角θ2で案内され、よって大容量の太陽電池の生産を容易にする方法で基材51の方向に配向される。
【0016】
第1の一連の実施形態によると、本発明は、具体的には、分配ノズルから出るとき、ビード55が基材51の上に確実に下方に偏向されるように、ビード55の部分55Aの上に空気流及び/又はガスジェットを生成するための技術に向けられる。図5を参照すると、「飛行」ビード部分55Aを偏向させるのに用いられる主要な力は、空気の流路においてビード部分55Aに遭遇する空気の空気力学的抗力(drag force)である。この抗力は空気流の方向に生じる。作用を示し始め得る二次的な力が揚力(lift force)であり、この揚力は下記の推定には考慮されていない。物体にかかる抗力Fdの大まかな近似値は、式1:
に定められるように表される。
式1において、ρは空気の密度であり、vは気流速度であり、Cdは抗力係数であり、Aは物体の断面積である。物体(例えば、「飛行」ビード部分55A)の背後の伴流(wake)が乱流であるとき、式1は有効である。長さl、厚さt、及び幅wの弾性カンチレバーとしてビード部分55Aを考えることによって、ビード部分55Aの偏向の大まかな推定値が与えられる。この場合、ビード部分55Aがノズル・オリフィスから突出する際のビード部分55Aのばね定数kは、式2:
によって表すことができる。
ここで、Yは、ビード部分55Aの弾性率であり、これは1000Paのオーダーである。典型的なビード幅及び厚さは、それぞれ250ミクロン及び100ミクロンである。ビード部分55Aが100ミクロンだけノズル・オリフィスから出て来るとき、ビード部分55Aを50ミクロンだけ偏向させることを望む場合、上記の関係から、10m/秒のオーダーの気流速度が必要とされるという推定が与えられる。この空気流のレベルは、適度な気圧及び容易に製造される空気送出装置によって容易に達成され、それらの例が下記に与えられる。
【0017】
図6は、ビード55が、プリントヘッド・アセンブリ100から出て来るときに基材51の上に確実に押し出されるように、遠隔の空気流(破線95Aで示される)を「飛行」ビード部分55Aに対して配向するためにエア・ナイフ90Aが用いられる、第1の特定の実施形態によるマイクロ押し出しシステム50Aの一部分を示す側面図である。エア・ナイフ90Aは、曲面93Aが基材51の上方に支持されるように、ブラケット92Aを介してZ軸ステージ72に取り付けられたブロック91Aを含む。エア・ナイフ90Aは、圧縮空気流(図示せず)を取り込み、曲面93Aの真上に位置する狭いスロット(図示せず)を通して空気を送り出す。ブロック91Aが基材51の上面に対してY軸方向に移動される際、スロットから出てくる空気流が、付加的な周囲空気を吸い込み、空気をプリントヘッド・アセンブリ100の方向に配向し、これにより各ビード55の「飛行」部分55Aの上に所望の空気流95Aが配向される。一実施形態においては、エア・ナイフ90Aは、単一の翼状エア・フォイルと置き換えられ、そこで、プリントヘッド・アセンブリ100が基材51に対して移動されるときに、曲面93Aが空気をプリントヘッド・アセンブリ100に向けて下向きに押し出す。
【0018】
図7は、加圧ガス(例えば、乾燥窒素)が管(pipe)91Bを介して給送源(図示せず)からガスジェット・アレイ90B内に導入され、そこで、プリントヘッド・アセンブリ100Bがターゲット基材51に対してY軸方向に移動される間、ガスジェット・アレイ90Bが加圧ガス(例えば、図7の破線の矢印95Bで示されるような)を各ビード55の「飛行」部分55Aに再指向させる、第2の特定の実施形態によるマイクロ押し出しシステム50Bの一部分を示す側面図である。開示される実施形態においては、プリントヘッド・アセンブリ100Bは、他の場合には上述したように機能する後部プレナム120Bが変更されて、ガスジェット・アレイ90Bを固定的に支持し、かつ、加圧ガスを管91Bからガスジェット・アレイ90B上に与えられるガスジェット(下記に述べられる)まで通すという点で、上述の構造体からわずかに変更されている。
【0019】
図8は、ガスジェット・アレイ90B及びプリントヘッド・アセンブリ100Bをより詳細に示す、部分的に分解された斜視図である。示されるように、後部プレナム120Bは、管91B(図7を参照されたい)から加圧ガスを受け取るねじ付き入口123Bを含む。加圧空気は、1つ又はそれ以上の細長い出口129Bと連通するチャネル(図示せず)を通過する。ガスジェット・アレイ90Bは、後部プレート構造体97Bによって後面128Bに対してクランプされた材料シート(例えば、金属又はポリイミドの形態であるCirlex)を含み、空気ジェット(air jet)が正確な位置合わせでノズル・オリフィスと交差するように位置合わせされることを保証するように、位置合わせピンが用いられる。ジェットを出る空気流の方向がプリントヘッドを出るインク流の方向に対して大きい角度であり、そのことは、抗力が最大化されることを保証する助けとなることに留意されたい。ビードの下方の空気流は、ビードが基材に着地し、これにくっ付くのを防止することができるので、この構成は、より少ないガスが用いられ、より少ないガス流が基材(図示せず)の上に配向されるという利点を有する。
【0020】
図9は、本発明の実施形態による、図8に示されるアレイの例示的なジェット・ノズル96B−1を示す拡大図である。ジェット・ノズル96B−1は、その閉鎖端96−1において細長い開口部129Bから加圧ガスを受け取り、閉鎖端96−1と、関連した空気ジェット部分95B−1が放出される出口開口部96−3との間に収束(converging)/散開(diverging)ネック領域96−2を含む。この収束/発散アーキテクチャは、出ていく空気流をコリメートする働きをする。
【0021】
図10は、本発明のさらに別の実施形態による、プレナム120C及びガスジェット・アレイ90Cを含むマイクロ押し出しシステム50Cの一部分を示す分解斜視図である。上述の実施形態と同様に、加圧空気は、開口部123Cを通って入り、細長い出口129C−1及び129C−2と連通するチャネル(図示せず)を通過する。この実施形態においては、ガスジェット・アレイ90Cは、クランプ接合97Cを介して後部プレナム120Cの表面128Cに対してクランプされた、スペーサ層95C−1、ノズル対アレイ層95C−2、及び結合チャネル層95C−3を含むジェット・アセンブリ95Cを含む。ガスジェット・アレイ90Cはまた、押し出しビードの制御可能な横方向の偏向及びねじれ偏向をもたらすように、空気ジェット96Cの関連した対が、各ノズル開口部(図示せず)に向けられるという点で、図7及び図8を参照して上述された実施形態とは異なる。空気ジェット対96Cは、スペーサ層95C−1と結合チャネル層95C−2との間に挟まれたノズル対アレイ層(金属シート)95C−2上に形成される。作動中、加圧ガスは、出口129C−1及びスペーサ層95C−1内に定められた開口部99−11を介して各ジェット・ノズル対96Cの第1のジェットに給送され、出口129C−2、スペーサ層95C−1内に定められた開口部99−12、ノズル対アレイ層95C−2内に定められた開口部99−22、及び結合チャネル層95C−3内に定められる垂直方向スロット98を介して各ジェット・ノズル対96Cの第2のジェットに給送される。
【0022】
図11は、本発明の別の実施形態による、マイクロ押し出しシステム50Dの一部分を示す簡略化された側面図である。マイクロ押し出しシステム50Dは、Z軸位置決め機構70Dと、プリントヘッド・アセンブリ100と、上述したものと類似しているが、Z軸位置決め機構70Dの上に取り付けられたガスジェット・アレイ90Dも含み、部分55Bがターゲット基材51の上面52に接触した直後(すなわち、押し出し材料が依然として「ウエットである」間)、ガスジェット・アレイ90Dが加圧ガス(例えば、空気、乾燥窒素、又は他のガス相流体)95Dを押し出されたビード(線)55の部分55Bの上に下方に配向するという点で異なっている他の構造部とを含む。ガスジェット・アレイ90Dは、図8及び図10を参照して上述した空気ジェット構成と同様に形成された1つ又はそれ以上の金属空気ジェット・プレート95Dの両側上に配置されたクランプ部分98D−1及び98D−2を含み、かつ、ねじ99DによってZ軸位置決め機構70Dに固定される。示されるように、後部クランプ部分98D−2は、管91Dを介して加圧ガスを受け取るねじ付き入口93Dを含む。加圧ガスは、1つ又はそれ以上の細長いノズル出口96Dと連通するチャネル(図示せず)を通過する。加圧ガス95Dを、部分55Bの上に下向きに配向することによって、システム50Dは、基材51上への薄く低アスペクト比の線55の高処理量の印刷を容易にする。すなわち、加圧ガス95Dは、基材表面52の方向に部分55Bを平坦化する(スランプする(slump))のに十分な力を加え、これにより、比較的細く縦長の押し出しノズルを用いて幅広く平坦な材料の線を形成することが容易になる。この技術を用いて、単一のビードをその付着幅になるまで何度も拡張させることができる。例えば、この構成を用いる場合、発明者は、押し出し材料線55を、約0.4mmの幅から2mmより広い幅に、かつ、0.010mmのウエット厚から0.020mmまでのウエット厚に平坦化する(スランプする)ことが可能であることを見出した。押し出し印刷に用いられるインクの荷重及び粘度を用いる場合、重力及びウエット力の下でインクをスランプするのに膨大な時間を許容することによってさえも、これらの寸法の線を直接生成することは不可能である(この点で、実際的な考察は、母線(buss bar)45の印刷とグリッド線(gridline)44の印刷との間の標準的な生産フローは、母線の印刷とグリッド線の印刷との間で約3秒未満しか許容しないということである)。さらに、下記に述べられるように、この技術を選択的に用いて、H型太陽電池においてグリッド線の終点と基材との間に信頼できる結合を生成し、さらにこの技術を用いて、電池のトポグラフィを選択的に平坦化し、母線と金属リボンとの間のより強力なはんだ接合部を容易にする。
【0023】
図12は、背景セクションにおいて上述されたものと類似したH型太陽電池40の生産における動作中のマイクロ押し出しシステム50Dの一部分を示す変更された斜視図である。本発明の別の態様によると、マイクロ押し出しシステム50Dは、プリントヘッド100を介する基材41の上への選択的な材料の押し出しを容易にするための制御押し出し材料源60Dと、ガスジェット・アレイ90Dを介するガスジェットの生成を選択的に制御するように加圧ガス源220に連結された1つ又はそれ以上の高速弁210との両方にプログラムされるコントローラ200(例えば、マイクロプロセッサ)を含む。下記に述べられるように、高速弁210を用いて、ガス圧を選択された回数でパルス制御し、押し出し材料構造体(線)の選択されたセクションを平坦化する。
【0024】
図13は、図12に示される構成を用いる、本発明の実施形態に従って平坦化された(スランプされた)H型太陽電池40のグリッド線終点44Aを示す拡大された部分斜視図である。グリッド線44の付着力は、終点44Aの接触面積を増大することによって強化することができる。ガスジェットを用いて、グリッド線44の終点44Aを積極的にスランプし、より大きな接触面積をもたらすことが、本発明の態様である。この点で、図12に示される方法でプリントヘッド・アセンブリ100が基材41の上を通過するとき、基材41上へのグリッド線材料を押し出し開始するための周知の技術に従って、コントローラ200から送られる制御信号を用いて、押し出し材料源60Dが作動される。時間T1から時間T2までの時間(すなわち、ガスジェット・アレイ90Dが終点44Aの上でY軸方向に移動されてから少しして)、コントローラ200は、作動制御信号を高速弁210に送り、ガスジェットの下で終点44Aの適切な位置決めと一致する加圧ガス源220から高圧ガスのパルス(短いバースト)を送るように、高速弁210が短時間開くようにし、これにより、図13に示される平坦化(スランプ)がもたらされる。
【0025】
本発明の別の実施形態によると、上述したガスジェット支援のスランプを用いて、母線45とグリッド線44との間の頂点における母線45上のトポグラフィを平坦化する。図14を参照すると、上述したようにシステム50D(図12を参照されたい)を用いて、時間T3とT4との間に加圧ガスのパルスを生成し、各グリッド線44のセクション44B(すなわち、母線45上に位置する部分)の上のガスジェット・アレイの配置と一致させる。上述のように、プリントヘッド・アセンブリ100のすぐ後ろにガスジェット・アレイ90Dを取り付けることによって、押し出されたグリッド線の材料(インク)がウエット状態にある間、トポグラフィを平坦化するように(すなわち、セクション44Bの最上面が、「スランプされていない」セクション44−1及び44−2の上面と実質的に等しくなるように)、ガス・パルスが母線−グリッド線の頂点の上に伝えられる。このように、広い面積の電池におけるグリッド線44の望ましくないスランプが回避される。
【0026】
図15は、グリッド線44が印刷された後に基材41の向きが変えられ(すなわち、プリントヘッド・アセンブリ100のY軸の移動方向が母線45と平行になるように)、母線45の上に位置するガスジェットだけが作動され、これにより図14に示されるものと類似した所望の平坦化されたトポグラフィがもたらされた、代替的なグリッド線平坦化操作を示す部分斜視図である。
【0027】
別の実施形態によると、上述した押し出し技術を用いて後面特徴部を生成するために、上述したものと類似したグリッド線平坦化操作が用いられる(すなわち、従来のスクリーン印刷技術とは対照的に)。焼成後、裏面のメタライゼーションについてのターゲット厚は、0.005mmから0.030mmまでの範囲の厚さである。本発明の実施形態によると、裏面構造体(例えば、図16(B)に示されるものと類似した)は、最初に、銀及びアルミニウム・ペーストの多くの別個のビードを付着させ、次いで、1つ又はそれ以上のガスジェット又はガス・カーテンを用いて、基材上にビードをスランプして互いに併合させ、結合された構造体を生成することによって製造される。好ましい実施形態においては、銀及びアルミニウムの別個のビードは、押し出し印刷によって付着される。好ましい実施形態において、銀及びアルミニウム・インクのビードは、アルミニウム・インク及び銀インクの両方を同時に印刷することができる単一の共押し出し(co−extrusion)印刷装置上に付着され、2つの別個のプリンタ及び現在実施されている介在する乾燥ステップに対する必要性をなくす。
【0028】
好ましい実施形態によると、上述した種々のガスジェット構成は、その全体が引用により本明細書に組み入れられる「DIRECTIONAL EXTRUDED BEAD CONTROL」という名称の同一出願人による同時係属中の特許文献2に記載されたもののような、指向性の押し出されたビードの制御用いる単一の押し出し及び共押し出しプリントヘッド・アセンブリと組み合わせて用いられる。
【0029】
代替的な実施形態において、インク・ビードが静電気力によって基材に引き付けることができる材料を含む構成を用いて、上述の実施形態の1つ又はそれ以上を強化することができる。プリントヘッド間隔dの両端にかかる電圧Vを基材とプリントヘッド・アセンブリとの間に印加することによって、インク・ビードの幅w及び長さlは、式3:
によって表される力Fを経験することになる。
ここで、ε0は、空隙(真空)の誘電率である。電圧Vは、約1000ボルトまでの空気の破壊強度(3kV/mm)によって制限される。10nmのオーダーの偏向は、このレベルの静電作動によって実現可能である。
【0030】
本発明は、特定の具体的な実施形態に関して説明されたが、当業者であれば、本発明の新規な特徴は他の実施形態にも適用可能であることが明らかであり、その全てが本発明の範囲内にあることが意図される。例えば、空気ジェット上の分散抗力を減少させるために、空気ジェット・ノズルとプリントヘッド面との間にスペーサを配置することができる。
【符号の説明】
【0031】
40:太陽電池
44:グリッド線
44A:終点
45:母線
50、50A、50B、50C、50D:マイクロ押し出しシステム
51:基材
55:ビード
55A、55B:ビードの部分
60:材料給送システム
60D:制御押し出し材料源
68:給送管
69、144:ファスナ
70:X−Y−Z軸位置決め機構
70D:Z軸位置決め機構
72:Z軸ステージ
76:取り付けプレート
78:取り付けフレーム
80:基部
82:プラットフォーム
90:空気流/ガスジェット源
90A:エア・ナイフ
90B、90C、90D:ガスジェット・アレイ
95C:ジェット・アセンブリ
100、100B:プリントヘッド・アセンブリ
115:ボア
120、120B、120C:プレナム
125:導管
130:前部プレート構造体
150:層状ノズル構造体
162:ノズル・チャネル
163:ノズル
169:ノズル開口部
200:コントローラ
210:高速弁
220:加圧ガス源
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲット基材の上面上に複数の押し出し材料のビードを生成するためのマイクロ押し出しシステムであって、前記マイクロ押し出しシステムは、
入口ポートと、複数のノズル開口部と、各々が、前記入口ポートと、関連する前記複数のノズル開口部との間を連通させる、1つ又はそれ以上の流路とを含む、押し出しプリントヘッド・アセンブリと、
前記押し出し材料を前記入口ポートに給送するための材料給送システムであって、該押し出し材料が前記1つ又はそれ以上の流路を通って押し出され、かつ、前記複数のノズル開口部を通って出ていき、前記複数の押し出し材料のビードが生成されるようにする、前記材料給送システムと、
前記押し出しプリントヘッド・アセンブリ及び前記ターゲット基材を支持し、かつ、該押し出しプリントヘッド・アセンブリを該ターゲット基材に対して移動させ、前記複数のノズル開口部を出ていく押し出し材料により、前記複数のビードが、該ターゲット基材の前記上面上に押し出し材料の平行線を形成するようにするための手段と、
ガスを前記複数のビードに対して向け、前記ガスが該複数のビードを前記ターゲット基材に向けて押すようにするための手段と、
を備えることを特徴とするマイクロ押し出しシステム。
【請求項2】
ターゲット基材の上面上に押し出し材料を押し出す方法であって、
押し出しプリントヘッド・アセンブリの入口ポートに、前記押し出し材料を給送するステップであって、該押し出しプリントヘッド・アセンブリは、複数のノズル開口部と、各々が、入口ポートと、関連する前記複数のノズル開口部との間を連通させるように配置された、1つ又はそれ以上の流路とを有する、前記ステップを含み、
該押し出し材料が前記流路の1つ又はそれ以上を通って押し出され、かつ、前記複数のノズル開口部を通って出ていき、該押し出し材料の複数のビードが生成されるように、前記押し出し材料が前記入口ポートに給送され、
前記押し出しプリントヘッド・アセンブリ及び前記ターゲット基材を支持し、かつ、該押し出しプリントヘッド・アセンブリを該ターゲット基材に対して移動させ、前記複数のノズル開口部を出ていく押し出し材料により、前記複数のビードが、該ターゲット基材の前記上面上に押し出し材料の平行線を形成するステップと、
ガスを前記複数の線に対して向け、前記ガスが該複数のビードを前記ターゲット基材に向けて押すようにするステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項1】
ターゲット基材の上面上に複数の押し出し材料のビードを生成するためのマイクロ押し出しシステムであって、前記マイクロ押し出しシステムは、
入口ポートと、複数のノズル開口部と、各々が、前記入口ポートと、関連する前記複数のノズル開口部との間を連通させる、1つ又はそれ以上の流路とを含む、押し出しプリントヘッド・アセンブリと、
前記押し出し材料を前記入口ポートに給送するための材料給送システムであって、該押し出し材料が前記1つ又はそれ以上の流路を通って押し出され、かつ、前記複数のノズル開口部を通って出ていき、前記複数の押し出し材料のビードが生成されるようにする、前記材料給送システムと、
前記押し出しプリントヘッド・アセンブリ及び前記ターゲット基材を支持し、かつ、該押し出しプリントヘッド・アセンブリを該ターゲット基材に対して移動させ、前記複数のノズル開口部を出ていく押し出し材料により、前記複数のビードが、該ターゲット基材の前記上面上に押し出し材料の平行線を形成するようにするための手段と、
ガスを前記複数のビードに対して向け、前記ガスが該複数のビードを前記ターゲット基材に向けて押すようにするための手段と、
を備えることを特徴とするマイクロ押し出しシステム。
【請求項2】
ターゲット基材の上面上に押し出し材料を押し出す方法であって、
押し出しプリントヘッド・アセンブリの入口ポートに、前記押し出し材料を給送するステップであって、該押し出しプリントヘッド・アセンブリは、複数のノズル開口部と、各々が、入口ポートと、関連する前記複数のノズル開口部との間を連通させるように配置された、1つ又はそれ以上の流路とを有する、前記ステップを含み、
該押し出し材料が前記流路の1つ又はそれ以上を通って押し出され、かつ、前記複数のノズル開口部を通って出ていき、該押し出し材料の複数のビードが生成されるように、前記押し出し材料が前記入口ポートに給送され、
前記押し出しプリントヘッド・アセンブリ及び前記ターゲット基材を支持し、かつ、該押し出しプリントヘッド・アセンブリを該ターゲット基材に対して移動させ、前記複数のノズル開口部を出ていく押し出し材料により、前記複数のビードが、該ターゲット基材の前記上面上に押し出し材料の平行線を形成するステップと、
ガスを前記複数の線に対して向け、前記ガスが該複数のビードを前記ターゲット基材に向けて押すようにするステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16(A)】
【図16(B)】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16(A)】
【図16(B)】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2010−110756(P2010−110756A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−249850(P2009−249850)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(504407000)パロ アルト リサーチ センター インコーポレイテッド (65)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(504407000)パロ アルト リサーチ センター インコーポレイテッド (65)
【Fターム(参考)】
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