説明

空気清浄加湿器

【課題】残水の排水が確実に行える空気清浄加湿器を提供するものである。
【解決手段】回転体16と共に駆動モータ12の駆動で回転しこの回転による遠心力で、押し上げられた水を飛散させてぶつけられる円筒状の多孔体19と、この多孔体19の外周に位置し該多孔体19から飛散される水がぶつかる送風筒6と、前記多孔体19及び送風筒6で水が破砕されることで生成するナノミストと負イオンを室内に放出するもので、前記貯水室8の下方には該貯水室8内の残水を一旦収容してから排水する排水トレイ28を備え、この排水トレイ28は給水タンク9を器具本体1から抜き取らないと移動出来ないようにロック体34にロックされ、排水栓36は排水トレイ28の移動軌跡途中に設けられているので、誤った操作をすることなく確実な排水作業を行うことが出来るものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、貯水室に残る残水を安全に排出出来るようにした空気清浄加湿器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よりこの種の加湿装置に於いては、ナノミスト及び負イオンの生成時に、室内空気が飛散する水の中を通過することで、空気中に浮遊している塵や雑菌が水中に混入したり、または水道水中のカルシウムや塩素等のカルキが水中に混在するので、定期的に貯水室の残水を捨てる必要があり、排水専用の排水用タンクを用意するものであった。(例えば、特許文献1参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3−168546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところでこの従来のものでは、給水タンク内にまだ水ある状態で、フロートスイッチが誤動作して排水栓を開けた場合、排水用タンクは貯水室内の残水分の容積しかないので、増分が排水用タンクから溢れ出て床面を汚してしまうものであり、又これを防止するには、排水用タンクへの排水時には給水タンクを取り外しておけば良いものであった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は上記課題を解決するために、特にその構成を、送風機の駆動により空気が通過する処理室と、該処理室の下部に設けられ給水タンクからの給水を一定水位で貯水する貯水室と、この貯水室の貯水に下端を水没させた筒状の回転体と、この回転体の外周に間隔を有して位置し、該回転体と共に駆動モータの駆動で回転しこの回転による遠心力で、押し上げられた水を飛散させてぶつけられる円筒状の多孔体と、この多孔体の外周に位置し該多孔体から飛散される水がぶつかる送風筒と、前記多孔体及び送風筒で水が破砕されることで生成するナノミストと負イオンを室内に放出するものに於いて、前記貯水室の下方には該貯水室内の残水を一旦収容してから排水する排水トレイを備え、この排水トレイは給水タンクを器具本体から抜き取らないと移動出来ないようにロック体にロックされ、排水栓は排水トレイの移動軌跡途中に設けられているものである。
【発明の効果】
【0006】
以上のようにこの発明によれば、給水タンクを器具本体から抜き取らないと排水トレイへの排水が出来ないので、排水トレイが満水となって溢れ出る心配がなく、床面を汚すこともなく常に安心して使用出来るものであり、又排水栓が排水トレイの移動軌跡途中に設けられているので、排水トレイを移動させないと排水栓を開栓出来ず、誤った操作をすることなく確実に排水作業を行うことが出来るものである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】この発明の一実施形態の空気清浄加湿器の概略構成図。
【図2】同駆動軸を途中で切断したカバー体の平面図。
【図3】同水流阻止手段の斜視図。
【図4】同空気清浄加湿器の排水準備状態を示す概略構成図。
【図5】同空気清浄加湿器の排水状態を示す概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次にこの発明の一実施形態の空気清浄加湿器について図面に基づいて説明する。
1は加湿器の器具本体で、中央部には蓋体2に固定され吸引口3から吸引された室内空気を、中央で回転駆動するシロッコファンからなる送風機4まで案内する円筒状の案内筒5が備えられ、この案内筒5には送風機4を覆い該送風機4下方まで垂下した送風筒6が設けられている。
【0009】
7は前記案内筒5を覆った処理室で、該処理室7の下部には円形椀状の貯水室8が設けられており、この貯水室8には給水タンク9がセットされた定水位室10が通水路11を介して連通し、給水タンク9からの給水を落差方式で供給され、常時所定水位の給水を貯水しているものである。
【0010】
12は貯水室8下方で該貯水室8を支持する駆動モータで、全周をカバー体13で覆われ器具本体1の底部を構成する基板14に固定されており、更にカバー体13の外周壁には外方へ突出した樋状の流水溝15を一周形成している。
【0011】
16は貯水室8の貯水に下部を水没させ、この貯水室8を貫通して送風機4を回転させる駆動軸17に軸支された円筒状の回転体で、この回転体16は中空状で上方に向かって径が徐々に拡大するものであり、又回転体16は回転することによりこの回転の遠心力で水を押し上げ、上端に形成された複数の飛散口18から外周に飛散させるものである。
【0012】
19は前記回転体16の上部外周に所定間隔を保持して位置し、該回転体16と共に回転する円筒状の多孔体で、この回転による遠心力で水及び空気を飛散させ、そして全周壁に形成した多数のスリットや金網やパンチングメタル等からなる多孔部20を、通過させたり、ぶつけて破砕させることで、水の粒子を微細化してナノミストを生成すると共に、この水の粒子の微細化によるレナード効果で負イオンを発生させるものであり、又多孔部20を通過した水の粒子は、更に外周の送風筒6の内壁に衝突して微細化されるものである。
【0013】
21は貯水室8の貯水中に水没し該貯水を寒さを感じない所定温度、ここでは40℃前後まで加熱保温する加熱ヒータで、貯水全体を短時間に所定温度まで加熱するために貯水室8より小径の円形とし、貯水室8外壁に取り付けられた貯水の温度センサ22により、貯水温度が40℃に達すると制御回路(図示せず)を介して加熱ヒータ21をOFFしたり、通電ワット数を少なくしこれでも温度上昇した時に初めてOFFし、その後貯水温度が39℃に低下すると再びONさせるなどの制御を行い、貯水温度を40℃に保持するようにするものである。
【0014】
23は送風筒6や多孔体19の下端と対向して貯水室8上面を覆った皿状の水流阻止手段で、中央部には回転体16の挿通穴24が形成されており、この挿通穴24から外周に放射状に延びる複数の支持片25の先端部25aによって水面が複数に区画されることで、回転体16の回転で回転しょうとする水流を阻止し、該回転体16の回転による遠心力の作用で容易に水流が回転体16内外周を上昇出来ようにしたものであり、又この水流阻止手段23は、上方の送風筒6や多孔体19にぶつかり微細化されなかった比較的大粒の水滴の受けることで、この水滴が直接貯水室8の水面に落下することで発生するバシャ、バシャと言う落下音をも阻止することが出来るものであり、そのために外周から中央部の挿通穴24に向かって緩やかに下り傾斜しており、水滴を確実で自然なかたちで貯水室8に戻すことが出来るものである。
【0015】
26は回転体16と多孔体19の回転駆動により発生したナノミストと負イオンとを、送風機4の駆動で処理室7上部の吹出口27から放出させる流通路で、この流通路26は送風筒6と水流阻止手段23との隙間から、処理室7と案内筒5、送風筒6間を上昇して吹出口27に向かう流路から構成されている。
【0016】
28は貯水室8の底部に連通した排水管29からの排水を受ける上面開放の排水トレイで、器具本体1内に出し入れ自在に備えられ、表面には手掛け部30が形成され、運転を終了する毎に貯水室8内の残水の排出が行われるものであり、この排水トレイ28の容積は貯水室8の残水は十分に収容出来る大きさとしているが、給水タンク9内の給水まで収容する容積まではなく、コンパクトにしているものであり、又この排水トレイ28のほぼ中央部から立設したパイプ状の係止部31に、常時バネ32の力で上方に押し上げられ給水タンク9の定水位室10へのセットで押し下げられる係止ロッド33の下端が挿入されて係止することで、係止部31と係止ロッド33とで給水タンク9のセット時は排水トレイ28をロックし、給水タンク9を器具本体1から抜き取ることでロックを解除するロック体34が構成されるものであり、又この排水トレイ28の上方開放と対向するカバー体13の流水溝15には、貯水室8を貫通した駆動軸17部分からの水漏れで、流水溝15に集められた漏れ水を排水トレイ28内に案内する流出口35が設けられている。
【0017】
36は排水管29を開閉するネジ式の排水栓で、排水トレイ28の出し入れの移動軌跡途中で該排水トレイ28が器具本体1に収納されている時は、排水トレイ28内に突出して備えられており、排水トレイ28を半分位器具本体1から引き出した状態で、排水栓36を取り外して排水管29を開口し貯水室8の汚れた残水を排水トレイ28に移して捨てた後に、再び排水トレイ28を半分位器具本体1に収納してから排水栓36を排水管29に取り付けて、排水トレイ28を最後まで押し込めば排水は終了するものであり、従って、この排水トレイ28が上記のロック体34でロックされた状態、即ち、給水タンク9が器具本体1にセットされている時には、排水トレイ28は移動出来ないので、排水栓36を勝手に操作することが出来ず、給水タンク9を抜かずに排水することで発生していた排水の溢れを確実に防止することが出来るものである。
【0018】
37は駆動軸17が貫通した貯水室8とカバー体13との間の該駆動軸17途中に備えられた傘状の遮蔽板で、貯水室8から漏れた水が駆動軸17部分を伝わって駆動モータ12に内に侵入するのを防止すると共に、漏れた水を流水溝15に案内するものである。
【0019】
38は給水タンク9の給水口キャップで、内装した弁機構(図示せず)を固定された支持部39で押し上げられることで、落差式の定水位室10を形成するものである。
40は給水タンク9を出し入れするタンク蓋、41は蓋体2を着脱するための持ち手である。
【0020】
次にこの一実施形態を示す空気清浄加湿器の作動を説明する。
今運転スイッチ(図示せず)をONすることで、加熱ヒータ21がONされ貯水室8内の一定水位の貯水を直接加熱するものであり、そして貯水室8内の貯水が所定温度ここでは40℃に達したことを温度センサ22が検知し、制御回路を介して加熱ヒータ21の通電をOFFすると共に駆動モータ12を駆動開始させる。
【0021】
この駆動モータ12の駆動開始により駆動軸17に同軸で固定された送風機4及び回転体16が回転され、送風機4の回転では、吸引口3から吸引される室内空気を案内筒5を案内として吸引した後、処理室7下方に放出する。
【0022】
一方回転体16の回転では、所定温度に加熱された貯水室8内の貯水が、回転体16下端の回転による遠心力で該回転体16の外壁及び内壁を伝って押し上げられて上昇し、上端に形成された複数の飛散口18から外周に向けて飛散され、そして外周に飛散された貯水は、回転体16の上部外周に所定間隔を保持して位置し、該回転体16と共に回転する多孔体19の多孔部20に、ぶつかって破砕したり、多孔部20を通過したものはこの外周の送風筒6の内壁に衝突して微細化される。
【0023】
この時、回転体16の回転によって円形で抵抗がない貯水室8内の貯水が、該回転体16と同方向に回転する水流を形成しようとするが、水流阻止手段23の放射状の支持片25の各先端部25aがそれぞれ水面に没して抵抗となり、回転する水流の形成が阻止されるので、遠心力が十分に作用して貯水が回転体16の周壁上を押し上げられて、上記したように良好に破砕されるものである。
【0024】
そしてこの加熱された貯水の破砕と微細化により、ナノミストを生成すると共に、レナード効果で負イオンを発生させ、そしてこの発生したナノミストと負イオンを上記した送風機4の処理室7下方へ向かう送風で一旦水流阻止手段23にぶつけて、大きくて重いミストを水流阻止手段23に落下させて除去した後、微細なナノミストのみと負イオンを、流通路26を介して上部の吹出口27から放出して室内の加湿を行うものである。
【0025】
又この水流阻止手段23は、上方の送風筒6や多孔体19にぶつかり微細化されなかった比較的大粒の水滴の落下を受けることで、この水滴が直接貯水室8の水面に落下することで発生するバシャ、バシャと言う落下音をも阻止することが出来るものであり、しかもこの水流阻止手段23は、外周から中央部の挿通穴24に向かって緩やかに下り傾斜しているので、落下した水滴は挿通穴24から確実に貯水室8に戻されるものであり、戻される時の音も静かで済むものである。
【0026】
更にこの放出されるナノミストは、元々加熱された貯水から生成されているので、肌寒くなく温かいナノミストと負イオンの放出が得られ、直接肌で触れることができると共に冬季でも関係なく使用されるものであり、更に供給されるナノミストは、40℃前後の高温でも低温でもない丁度良い中間温度であるから、カルキの析出や器具転倒による火傷の危険もなく、安全であり安心して使用されるものである。
【0027】
又肺から吸引された負イオンは血液中に入り、その還元作用で血液の酸化を阻止し血液サラサラ状態とすると共に、その循環を良くし、末梢血管まで血液を行き渡らせることにより、痛みや懲りを緩和することが出来ると考えられている。
【0028】
又負イオンにより、疲労回復効果、精神安定効果、血液の浄化効果、抵抗力の増進効果、自律神経調整効果等があり、更にナノミストによって、空気中の隅々まで行き渡り汚れた空気や細菌を抑制し、臭いまでも分解するもので、脱臭効果、除塵効果、除菌効果、勿論加湿効果があるものであり、この加湿はベトツキがないサラサラで潤いのある空気で、毛穴からの浸透でお肌と髪の潤いを保つ効果を有するものであり、これらの効果が得られる負イオンとナノミストを大量に放出されると言うことは、これらの効果も増大するものである。
【0029】
次に貯水室8内の加熱された貯水が、回転体16と多孔体19によって次々とナノミストとして放出されて減少すると、貯水室8の水位が低下し、この低下した水位分の水が給水タンク9から自動的に補水されるものであり、そしてこの補水によって貯水温度が低下すれば、加熱ヒータ21がONされて貯水温度を常に所定温度に保温するものであり、常に肌に心地良い温度のナノミストを継続して供給出来るものである。
【0030】
更に給水タンク9内の給水が空になった場合は、タンク蓋40を開口して給水タンク9を器具本体1から取り出して、台所の蛇口から水道水を補給して元に戻せば、再び同じように使用出来るもので、極めて使用勝手が良いものである。
【0031】
又ナノミストや負イオンを室内に放出する為に、送風機4の駆動で吸引口3から吸引される室内空気は、処理室7内で飛散した貯水と交わることにより、空気中の塵や雑菌が最終的には貯水内に混入するので、加湿運転の終了毎にこの貯水の残水を排水する必要があり、手掛け部30を持って排水トレイ28を半分位引き出そうとするが、該排水トレイ28の係止部31には給水タンク9がセット状態であるので、係止ロッド33が挿入されてロック状態であり、排水トレイ28を移動させることが出来ないので、排水栓36の操作も出来ず安全である。
【0032】
そこで先ず給水タンク9を器具本体1から抜き取ることで、係止ロッド33がバネ32の反発力で上方へ押し上げられて、排水トレイ28の係止部31から係止ロッド33の下端が抜けてロック体34のロックが解除されるので、排水トレイ28を手掛け部30を持って半分位引き出して置き、手を排水トレイ28内に入れて排水栓36を回して取り去ることにより、排水管29が開口して貯水室8内の残水が排水トレイ28内にに排水されるので、この残水が入った排水トレイ28のみを持って流しに行き残水を捨てれば良いものであり、そして空の排水トレイ28を器具本体1の収納部分に半分位収納した状態で、排水栓36を元に戻して排水管29を閉口した後、排水トレイ28完全に収納してから給水タンク9をセットすれば排水作業は終了するものである。
【0033】
このように給水タンク9を器具本体1から抜かないと排水栓36の操作が出来ないようにしたことで、排水時には確実に給水タンク9が抜かれることとなり、排水トレイ28内に給水タンク9の給水まで排水されることで起きる、排水の溢れにより床面を汚す不具合を防止出来、常に誤った操作をすることなく確実な排水作業を行うことが出来るものである。
【符号の説明】
【0034】
1 器具本体
4 送風機
6 送風筒
7 処理室
8 貯水室
9 給水タンク
12 駆動モータ
16 回転体
19 多孔体
28 排水トレイ
34 ロック体
36 排水栓

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送風機の駆動により空気が通過する処理室と、該処理室の下部に設けられ給水タンクからの給水を一定水位で貯水する貯水室と、この貯水室の貯水に下端を水没させた筒状の回転体と、この回転体の外周に間隔を有して位置し、該回転体と共に駆動モータの駆動で回転しこの回転による遠心力で、押し上げられた水を飛散させてぶつけられる円筒状の多孔体と、この多孔体の外周に位置し該多孔体から飛散される水がぶつかる送風筒と、前記多孔体及び送風筒で水が破砕されることで生成するナノミストと負イオンを室内に放出するものに於いて、前記貯水室の下方には該貯水室内の残水を一旦収容してから排水する排水トレイを備え、この排水トレイは給水タンクを器具本体から抜き取らないと移動出来ないようにロック体にロックされ、排水栓は排水トレイの移動軌跡途中に設けられている事を特徴とする空気清浄加湿器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−21677(P2012−21677A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−158511(P2010−158511)
【出願日】平成22年7月13日(2010.7.13)
【出願人】(000000538)株式会社コロナ (753)
【Fターム(参考)】