説明

空気調和機および外気冷房運転方法

【課題】熱交換器の設置数を減らし、風量バランス制御を容易に行うことができ、消費エネルギーを低減できる空気調和機および外気冷房方法を提供する。
【解決手段】上流側に還気系2と外気系3が接続して下流側に給気系4が接続し、還気と外気の混合空気が流れる通気路をなすハウジング1と、ハウジング1の内部に配置し、断熱加湿および飽和加湿を行う水噴霧式加湿器6を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は空気調和機および外気冷房運転方法に関し、特に冬期や中間期において外気を利用して冷房する技術に係るものである。
【背景技術】
【0002】
近年においては、オフィスビル、デパート、大型量販店、スーパーマーケット等の商業ビルで空気調和に伴うCO発生量の削減が求められている。これらの商業ビルでは、外壁に断熱カーテンウォールや断熱パネルを使用し、窓ガラスに熱線吸収ガラスや熱線反射ガラスを使用した二重ガラスを採用するなどして建物の内外間で熱の出入りが少なくなっている。その反面において、オフィスビルの室内では、照度がアップし、コンピュータ、FAX、コピーマシン、プリンター等の事務機器の多様化が進み、量販店では多くの展示品に電源が投入され、照明も非常に明るくなり、それらからの発熱量が増大している。さらに、室内、店内に居る人から発する熱が加わり、冬期、中間期においても冷房が必要になった。
【0003】
従来の空気調和機には、例えば特許文献1に記載するものがある。この空気調和機は、還気系に接続する還気通路と、外気系に接続する外気通路と、給気系に接続するとともに、還気通路と外気通路がそれぞれの下流端で連通する給気通路と、空調対象空間から還気系を通して還気の一部を排気させる排気ファン装置と、外気通路を通して外気を給気通路に供給する外気ファン装置と、給気通路から空調対象空間に給気系を通して給気を供給する給気ファン装置とを備え、還気通路に水加湿器と水加湿器の上流側に配置する還気冷却コイルを設けたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−349276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した従来の構成では、還気通路と外気通路を分離した構造をなし、還気通路に配置した加湿器により還気を加湿し、加湿した還気に還気より低温の外気を加湿することなく混合し、混合した空気を給気として供給するので、風量バランス制御には排気ファン装置、外気ファン装置、給気ファン装置を駆動し、その個々の風量を調整する必要があり、さらには還気通路と外気通路のそれぞれに熱交換器を設置する必要がある。このため、エネルギーの消費量が多くなる。
【0006】
本発明は上記課題を解決するものであり、熱交換器の設置数を減らし、風量バランス制御を容易に行うことができ、消費エネルギーを低減できる空気調和機および外気冷房運転方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の空気調和機は、上流側に還気系と外気系が接続して下流側に給気系が接続し、還気と外気の混合空気が流れる通気路をなすハウジングと、ハウジング内に配置し、混合空気中に噴霧水を噴霧して断熱加湿および飽和加湿を行う水噴霧式加湿器と、混合空気を加湿後に集水した噴霧水の温度を、ハウジングに供給する還気風量及び外気風量を制御するための制御指標として検知する噴霧水温度センサーを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の空気調和機において、水噴霧式加湿器は、噴霧水をハウジング内で混合空気に噴霧する噴霧ノズルと、混合空気を加湿後に集水した噴霧水を受け止める噴霧水貯留槽と、噴霧水貯留槽の噴霧水を噴霧ノズルに供給する噴霧水供給系を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の空気調和機において、水噴霧式加湿器は、ハウジング内に混合空気の空気流を横切って配置し、噴霧ノズルから混合空気中に噴霧した噴霧水を受け止めて集水するとともに、混合空気を通過させるワッシャメディアを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の空気調和機において、還気系はハウジング内に供給する還気風量を調整する還気ダンパーを有し、外気系はハウジング内に供給する外気風量を調整する外気ダンパーを有し、噴霧水温度センサーで検知する噴霧水の温度を制御指数として還気ダンパーにより還気風量を制御し、かつ外気ダンパーにより外気風量を制御することを特徴とする。
【0011】
本発明の空気調和機において、還気系は、水噴霧式加湿器の下流側に還気を供給する還気系バイパスと、還気系バイパスからハウジング内に供給するバイパス還気風量を調節する第2還気ダンパーと、バイパス還気風量を制御するための制御指標である還気の乾球温度を検知する還気温度センサーを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の空気調和機において、ハウジング内に上流側から下流側へ順次に、水噴霧式加湿器、熱交換器および送風機を配置することを特徴とする。
本発明の外気冷房運転方法は、通気路をなすハウジングに接続する還気系と外気系からそれぞれ還気と外気をハウジング内に供給し、ハウジング内を流れる還気と外気の混合空気にハウジング内の水噴霧式加湿器により噴霧水を噴霧して断熱加湿および飽和加湿を行うとともに、混合空気を加湿後に集水した噴霧水の温度を噴霧水温度センサーにより検知し、検知した噴霧水の温度を制御指標として還気系の還気ダンパーによりハウジング内に供給する還気風量を調節し、かつ外気系の外気ダンパーによりハウジング内に供給する外気風量を調節することにより混合空気の湿球温度を一定に制御し、湿球温度が制御された混合空気をハウジングに接続する給気系から空気調和対象室に供給して冷房することを特徴とする。
【0013】
本発明の外気冷房運転方法において、冷房能力が不足した場合は、ハウジング内を流れる飽和加湿後の混合空気を熱交換器で冷却するとともに、混合空気温度センサーで検知する冷却後の混合空気の乾球温度を制御指標として熱交換器を調節することにより、混合空気の露点温度を一定に制御することを特徴とする。
【0014】
本発明の外気冷房運転方法において、湿度が調整された混合空気に還気系から還気系バイパスを通して還気を供給し、還気系の還気温度センサーで検知する還気の乾球温度を制御指標として還気系バイパスの第2還気ダンパーにより、ハウジング内に供給するバイパス還気風量を調節することにより、空気調和対象室から戻る還気の乾球温度を一定に制御することを特徴とする。
【0015】
本発明の外気冷房運転方法において、運転開始時は、外気ダンパーを閉じるとともに水噴霧加湿器の動作を停止し、還気温度が所定の温度になるまでハウジング内に配置した熱交換器によりハウジング内を流れる還気を加温することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
以上のように本発明によれば、ハウジング内において還気と外気の混合空気に断熱加湿および飽和加湿を行うことで、混合空気に十分な湿度を与えながら混合空気の温度を下げることができ、冷凍機を使用することなく冷房を行えるので省エネルギーを実現できる。
【0017】
加湿後の噴霧水の温度を計測することで、加湿前の通風路に流れる還気と外気の混合空気の通風路断面上の温度にバラツキがあっても、加湿後の平均的な温度を検知することができるので、安定した空調制御を行うことができる。
【0018】
ワッシャメディアを備えた水噴霧式加湿器により加湿することで、気液接触時間が長くなり、飽和効率が向上するため、冷却とともに空気中の塵埃およびガスを除去することが可能であり、且つ加湿後の噴霧水の温度が混合空気の温度により近くなるため、より安定した空調制御を行うことができる。
【0019】
ダンパーにより風量制御することで、従来のように送風機による風量制御を必要とせずに、容易に風量制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の空気調和機の構成を示す模式図
【図2】冬期の冷房モードを示す空気線図
【図3】夏期の冷房モードを示す空気線図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、空気調和機は1つの通気路をなすハウジング1を有し、還気系2が還気風量を調整する還気ダンパー21を介してハウジング1の上流側に接続し、外気系3が外気風量を調整する外気ダンパー31を介してハウジング1の上流側に接続し、給気系4がハウジング1の下流側に接続しており、還気系2から流入する還気と外気系3から流入する外気の混合空気がハウジング1の通気路を上流側から下流側に流れる。
【0022】
ハウジング1の内部には、上流側から下流側へ順次に、フィルター5、水噴霧式加湿器6、熱交換器7および送風機8を配置し、熱交換器7として冷却コイル71および加熱コイル72を配置している。冷却コイル71は冷水循環路711に冷水バルブ712を有し、加熱コイル72は温水循環路721に温水バルブ722を有している。
【0023】
水噴霧式加湿器6の下流側に配置する冷却コイル71の下流側には還気系2から分岐する還気系バイパス22がバイパス還気風量を調整する第2還気ダンパー23を介して接続しており、送風機8が給気系4に接続している。
【0024】
水噴霧式加湿器6は、断熱加湿および飽和加湿を行うものであり、噴霧ノズル61とワッシャメディア62と噴霧水貯留槽63と噴霧水供給系64を備えている。噴霧ノズル61はハウジング1の通気路を流れる混合空気に噴霧水を噴霧するものであり、本実施の形態では通気路の上流側から下流側に向けて噴霧水を噴霧するが、混合空気の空気流に対向するように下流側から上流側に向け噴霧することも可能である。
【0025】
ワッシャメディア62は、ハウジング1の内部に混合空気の空気流を横切って配置し、噴霧ノズル61から混合空気中に噴霧した噴霧水を受け止めて集水するとともに、混合空気が通過する。ワッシャメディア62は、ハウジング1の通気路の流路断面とほぼ等しい形状を有しており、本実施の形態ではポリ塩化ビニルデン系繊維やステンレスの線材等からなり、たとえば25mm〜50mm程度の厚みを有するマット状のものである。しかしながら、ワッシャメディア62の構成は上述したものに限らず、素材および形状は変更可能である。
【0026】
本実施の形態では、水噴霧式加湿器6は噴霧ノズル61とワッシャメディア62を備えて混合空気中に噴霧水を噴霧する形態であるが、ワッシャメディア62に替えて複数の波板やパンチングメタル等の邪魔板を並べたエリミネータであってもよく、また、断熱加湿および飽和加湿可能な加湿器であればこれに限らず、マット状の加湿濾材の上部から噴霧水を滴下する形態などであってもよい。
【0027】
噴霧水貯留槽63は、噴霧水を貯留するとともに、混合空気中から降下する加湿後の噴霧水およびワッシャメディア62から流下する加湿後の噴霧水を受け止めて集水するものである。
【0028】
噴霧水供給系64は、噴霧水貯留槽63の噴霧水を噴霧ノズル61に供給するもので、一端が噴霧水貯留槽63に連通し、他端が噴霧ノズル61に接続しており、途中に循環ポンプ641を有している。
【0029】
ワッシャメディア62の下端側には噴霧水温度センサー65を設けており、本実施の形態ではワッシャメディア62から噴霧水貯留槽63へ流下し、混合空気を加湿後に捕集した噴霧水の温度を噴霧水温度センサー65で検知する。
【0030】
水噴霧加湿器6により混合空気は断熱加湿されて飽和湿度状態にまで加湿され、噴霧水温度は混合空気を加湿した後の湿球温度とほぼ等しくなるため、噴霧水温度センサー65は混合空気加湿後の湿球温度検知手段として働く。尚、噴霧水温度センサー65は上述したものに限らず、噴霧水貯留槽63の貯留水の水温を計測する構成であってもよい。
【0031】
この噴霧水温度センサー65で検知する噴霧水の温度を制御指標として、還気ダンパー21により還気系2からハウジング1の内部へ供給する還気風量を調整し、かつ外気ダンパー31により外気系3からハウジング1の内部へ供給する外気風量を調整し、混合空気の湿球温度が一定となるように制御する。
【0032】
還気系2には、還気の乾球温度を検知する還気温度センサー24を設けており、この還気温度センサー24で検知する還気の乾球温度を制御指標として、還気系バイパス22からハウジング1の内部へ供給するバイパス還気風量を制御する。
【0033】
冷却コイル71の下流側には混合空気の乾球温度を検知する混合空気温度センサー713を設けており、この混合空気温度センサー713で検知する混合空気の乾球温度を制御指標として、冷却コイル71の冷却能力を調整し、混合空気の露点温度を一定に制御する。
【0034】
以下、上記した構成の作用を説明する。
1.図2に示す空気線図を参照して冬期および中間期の運転を説明する。
還気系2と外気系3からそれぞれ還気と外気をハウジング1の内部に供給し、ハウジング1の通気路に混合空気を通気させる。
【0035】
この混合空気における外気と還気の混合比率は、還気ダンパー21の開度調整により還気空気量を調整し、外気ダンパー31の開度調整により外気空気量を調整し、還気ダンパー21と外気ダンパー31を互いに反作動させることにより、混合空気量を一定に維持しつつ調整する。
【0036】
そして、ハウジング1の通気路を流れる混合空気中の塵埃をフィルター5で除塵し、その後に混合空気に水噴霧式加湿器6によって断熱加湿および飽和加湿を行い、混合空気の温度を下げるとともに、湿度を上げる。加湿した混合空気は送風機8で給気系4から空気調和対象室に冷風として給気し、空気調和対象室内を冷房する。
【0037】
水噴霧式加湿器6では、噴霧水を噴霧水貯留槽63から噴霧水供給系64を通して噴霧水ノズル61に供給し、噴霧水ノズル61から噴霧水を混合空気中に噴霧し、混合空気中の噴霧水をワッシャメディア62で受け止めて飽和加湿する。混合空気およびワッシャメディア62から降下する噴霧水を噴霧水貯留槽63で貯留して循環使用することにより、噴霧水の温度は混合空気の湿球温度に近づくので、水噴霧式加湿器6による加湿が断熱加湿となり、噴霧水の温度を検知することで混合空気の湿球温度を知ることができる。
【0038】
このため、噴霧水温度センサー65により噴霧水の温度を検知し、噴霧水の温度を制御指標として還気空気量と外気空気量の混合比率を調整し、噴霧水の温度、つまり混合空気の湿球温度を空気調和対象室内において給気に求められる湿球温度と等しくさせ、その湿球温度を維持、つまり一定に制御する。
【0039】
上述したように水噴霧式加湿器6で断熱加湿、飽和加湿を行ない、還気空気量と外気空気量の混合比率を調整することで、給気に求められる湿球温度を維持しつつ、混合空気の温度を下げるとともに、湿度を上げることができ、温度および湿度が最適な冷風で空気調和対象室内を冷房することができる。
2.図3に示す空気線図を参照して夏期の運転を説明する。
【0040】
還気系2と外気系3からそれぞれ還気と外気をハウジング1の内部に供給し、ハウジング1の通気路に混合空気を通気させる。
この混合空気における外気と還気の混合比率は、不要な外気を取り込まないように外気ダンパー31の開度調整を行なって外気空気量を必要最少量に調整する。
【0041】
そして、ハウジング1の通気路を流れる混合空気中の塵埃をフィルター5で除塵し、その後に混合空気に水噴霧式加湿器6によって断熱加湿および飽和加湿を行い、混合空気の温度を下げるとともに、湿度を上げる。
【0042】
ハウジング1の内部を流れる飽和加湿後の混合空気は冷却コイル71で冷却し、混合空気の露点温度を空気調和対象室へ供給する給気の露点温度と等しくさせ、その露点温度を維持、つまり一定に制御する。
【0043】
このため、冷却コイル71で冷却後の飽和した混合空気の乾球温度を混合空気温度センサー713で検知し、この混合空気の乾球温度を制御指標として冷却コイル71の冷水バルブ712を開閉して冷却能力を調整することにより、空気調和対象室へ給気として供給する混合空気の露点温度を一定に制御する。この冷却した混合空気を送風機8で給気系4から空気調和対象室に冷風として給気することで、露点温度が一定の最適な冷風で空気調和対象室内を冷房することができる。
【0044】
本実施の形態の水噴霧式加湿器6は、中性能エアーフィルターと同程度の効率を有するフィルターとしての役割を持たすことが可能である。
すなわち、ノズル噴霧だけでなく、ワッシャメディアの噴霧水保持による水幕効果により気液接触時間が長くなり飽和効率が向上するので(通常の水噴霧ワッシャはL/G(水質量 /処理空気質量)=1.0で飽和効率85%程度、ワッシャメディアを備えた本実施形態のワッシャはL/G=0.3以下で飽和効率90%以上)、塵埃や汚染ガスの除去を可能とする。また、空気の量に対する噴霧水の量の割合も低減できるので、噴霧水の循環ポンプの消費エネルギーも低減できる。
【0045】
循環ポンプ641にインバーターモーターもしくはポールチェンジモーターを使用することで、必要なときに噴霧水量や水圧を増大させて黄砂除去することなどが行なえ、フィルターとしての機能を向上させることも可能である。
【0046】
冬期および中間期の運転、もしくは夏期の運転において、空気調和対象室内の冷房負荷の変動に対する給気の温度制御は、加熱コイル72を作動させずに還気系バイパス22の第2還気ダンパー23によりハウジング1の内部に供給するバイパス還気風量を調整することで行なう。
【0047】
すなわち、冷房負荷の変動は還気の温度変化として表れるので、還気系2の還気温度センサー24で還気の乾球温度を検知し、還気の乾球温度を制御指標として還気系バイパス22の第2還気ダンパー23の開度を調整してハウジング内に供給するバイパス還気風量を調整し、空気調和対象室から戻る還気の乾球温度を一定に制御する。
【0048】
尚、冬季及び中間期の運転において、空気調和機を動作させ始めで空気調和対象室内が低温状態である場合には、加熱コイル72を動作させ、外気ダンパーを閉じ、水噴霧式加湿器6は停止させて、供給空気は全て還気空気とし、還気の温度が所定の温度になるまで加熱コイル72により供給空気を加温させる。こうすることで、室内を暖房するとともに、低温加湿による結露発生を防止することができる。
【符号の説明】
【0049】
1 ハウジング
2 還気系
3 外気系
4 給気系
5 フィルター
6 水噴霧式加湿器
7 熱交換器
8 送風機
21 還気ダンパー
22 還気系バイパス
23 第2還気ダンパー
24 還気温度センサー
31 外気ダンパー
61 噴霧ノズル
62 ワッシャメディア
63 噴霧水貯留槽
64 噴霧水供給系
65 噴霧水温度センサー
71 冷却コイル
72 加熱コイル
641 循環ポンプ
711 冷水循環路
712 冷水バルブ
713 混合空気温度センサー
721 温水循環路
722 温水バルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流側に還気系と外気系が接続して下流側に給気系が接続し、還気と外気の混合空気が流れる通気路をなすハウジングと、ハウジング内に配置し、混合空気中に噴霧水を噴霧して断熱加湿および飽和加湿を行う水噴霧式加湿器と、混合空気を加湿後に集水した噴霧水の温度を、ハウジングに供給する還気風量及び外気風量を制御するための制御指標として検知する噴霧水温度センサーを備えることを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
水噴霧式加湿器は、噴霧水をハウジング内で混合空気に噴霧する噴霧ノズルと、混合空気を加湿後に集水した噴霧水を受け止める噴霧水貯留槽と、噴霧水貯留槽の噴霧水を噴霧ノズルに供給する噴霧水供給系を備えることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
水噴霧式加湿器は、ハウジング内に混合空気の空気流を横切って配置し、噴霧ノズルから混合空気中に噴霧した噴霧水を受け止めて集水するとともに、混合空気を通過させるワッシャメディアを備えることを特徴とする請求項2に記載の空気調和機。
【請求項4】
還気系はハウジング内に供給する還気風量を調整する還気ダンパーを有し、外気系はハウジング内に供給する外気風量を調整する外気ダンパーを有し、噴霧水温度センサーで検知する噴霧水の温度を制御指数として還気ダンパーにより還気風量を制御し、かつ外気ダンパーにより外気風量を制御することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の空気調和機。
【請求項5】
還気系は、水噴霧式加湿器の下流側に還気を供給する還気系バイパスと、還気系バイパスからハウジング内に供給するバイパス還気風量を調節する第2還気ダンパーと、バイパス還気風量を制御するための制御指標である還気の乾球温度を検知する還気温度センサーを備えることを特徴とする請求項4に記載の空気調和機。
【請求項6】
ハウジング内に上流側から下流側へ順次に、水噴霧式加湿器、熱交換器および送風機を配置することを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の空気調和機。
【請求項7】
通気路をなすハウジングに接続する還気系と外気系からそれぞれ還気と外気をハウジング内に供給し、ハウジング内を流れる還気と外気の混合空気にハウジング内の水噴霧式加湿器により噴霧水を噴霧して断熱加湿および飽和加湿を行うとともに、混合空気を加湿後に集水した噴霧水の温度を噴霧水温度センサーにより検知し、検知した噴霧水の温度を制御指標として還気系の還気ダンパーによりハウジング内に供給する還気風量を調節し、かつ外気系の外気ダンパーによりハウジング内に供給する外気風量を調節することにより混合空気の湿球温度を一定に制御し、湿球温度が制御された混合空気をハウジングに接続する給気系から空気調和対象室に供給して冷房することを特徴とする外気冷房運転方法。
【請求項8】
冷房能力が不足した場合は、ハウジング内を流れる飽和加湿後の混合空気を熱交換器で冷却するとともに、混合空気温度センサーで検知する冷却後の混合空気の乾球温度を制御指標として熱交換器を調節することにより、混合空気の露点温度を一定に制御することを特徴とする請求項7に記載の外気冷房運転方法。
【請求項9】
湿度が調整された混合空気に還気系から還気系バイパスを通して還気を供給し、還気系の還気温度センサーで検知する還気の乾球温度を制御指標として還気系バイパスの第2還気ダンパーにより、ハウジング内に供給するバイパス還気風量を調節することにより、空気調和対象室から戻る還気の乾球温度を一定に制御することを特徴とする請求項7に記載の外気冷房運転方法。
【請求項10】
運転開始時は、外気ダンパーを閉じるとともに水噴霧加湿器の動作を停止し、還気温度が所定の温度になるまでハウジング内に配置した熱交換器によりハウジング内を流れる還気を加温することを特徴とする請求項7に記載の外気冷房運転方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2012−52722(P2012−52722A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−195245(P2010−195245)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【出願人】(000104836)クボタ空調株式会社 (31)
【Fターム(参考)】