説明

空気調和機

【課題】圧縮機1の取付を効率的に行う。
【解決手段】室外ユニット内に設けられ、冷凍サイクルの一部を構成し、冷媒の圧縮動作を行う圧縮機1と、前記室外ユニットの底面に備えた底板10と、前記圧縮機に設けられ、該圧縮機を前記底板に固定するための脚部2と、この脚部にはボルト挿入用の固定穴3を設け、この固定穴に対向する底板10には上方に突出するバーリング穴11を設け、このバーリング穴と前記固定穴の間に前記圧縮機の脚部を支持すると共に振動を吸収する防振部材を設け、この防振部材のボルト貫通穴は前記バーリング穴の外径よりも稍大きく設け、このバーリング穴は上方に突出し、取付ボルト4を上方より前記固定穴、貫通穴、バーリング穴に貫通して螺子止めし固定する

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は空気調和機の室外ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の空気調和機においては、底板への圧縮機の取付は取付用ボルトを、底板に溶接やカシメ加工によって固定し、前記取付用ボルトに防振ゴムを貫通したのち、この防振ゴムの上に、圧縮機の脚部に設けた穴に挿入した後、ナットにて圧縮機を固定していた。
又、取付用ボルトを圧縮機の脚部に溶接やカシメ加工によって固定し、前記取付用ボルトに防振ゴムを貫通したのち、底板下部からナットにて圧縮機を固定するものがあった。
【特許文献1】特開2000−249369号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、この従来の空気調和機では、ボルトの取付にスポット溶接を使用した場合には、金属板の腐食防止用の皮膜まで消却除去してしまうので、溶接部分に錆に対する処理工程が必要なものであった。
又、耐食性鋼板を使用したした場合には必要な溶接強度を確保する事が難しいものであった。
又、カシメ加工による取付ではカシメ加工専用の設備が必要であるために、組立ラインでの加工ができず、前工程での加工となるために生産性が低下し、コストアップの原因となっていた。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明はこの点に着目し上記欠点を解決する為、室外ユニット内に設けられ、冷凍サイクルの一部を構成し、冷媒の圧縮動作を行う圧縮機と、前記室外ユニットの底面に備えた底板と、前記圧縮機に設けられ、該圧縮機を前記底板に固定するための脚部と、この脚部にはボルト挿入用の固定穴を設け、この固定穴に対向する底板には上方に突出するバーリング穴を設け、このバーリング穴と前記固定穴の間に前記圧縮機の脚部を支持すると共に振動を吸収する防振部材を設け、この防振部材のボルト貫通穴は前記バーリング穴の外径よりも稍大きく設け、このバーリング穴は上方に突出し、取付ボルトを上方より前記固定穴、貫通穴、バーリング穴に貫通して螺子止め固定するものである。
【発明の効果】
【0005】
この発明によれば、圧縮機を組立ラインで直接底板に取り付けることができ、前工程、後処理工程等の別作業も発生しないので、組立工程にかかるコストを削減することができる。
又、底板のバーリング穴が上方に突出して防振部材のガイドとなり、圧縮機の組付け作業を容易にするものである。
【実施例1】
【0006】
次に、この発明に係る空気調和機の室外ユニットの圧縮機取付構造を図面に示された一実施例で説明する。
1は冷凍サイクルの一部を構成し、冷媒の圧縮動作を行う圧縮機で、この圧縮機1の脚部2には螺子止め用の固定穴3を設けている。
4は前記圧縮機1取付用のボルトで、頭部5は平面六角形状で中心部にプラスドライバ用の溝6を備え、前記頭部5の他端には所定の長さでネジ部7が形成されている。
【0007】
8は防振部材としての防振ゴムで、略円柱形の中心部の上下に貫通する穴9を設け、この貫通穴9に前記ボルト4が挿入され、上面で前記圧縮機1の脚部2を支える事で圧縮機1の振動を吸収するものである。
10は底板で、上方に突出するバーリング穴11が設けられ、この凸部12を前記防振ゴム8の穴9に挿入して圧縮機1を底板10に取り付ける際、防振ゴム8の位置決め穴とするものであり、熱交換器(図示せず)や送風モータ(図示せず)等が取り付けられるものである。
【0008】
また、前記貫通穴9はバーリング穴11の外径より稍大きく設けることで、圧縮機1取付用のガイドとしスムーズな組み立て作業ができるものである。
【0009】
組み立て作業の手順について説明すれば、底板10のバーリング穴11の凸部12に防振ゴム8を取付け、防振ゴム8の上に圧縮機1の脚部2を乗せ、固定穴3を合わせた後に、上方からボルト4を固定穴3、貫通穴9、バーリング穴11の順に貫通し、デルタイトネジであるネジ部7をバーリング穴11にネジ止めする作業を、脚部2の数(通常は3から4本)だけ繰り返せば圧縮機1は簡単に底板10に取り付けられるものであり、前工程や後処理工程の必要が全くなく、極めて効率的に圧縮機1組み立て作業を行うことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明一実施例の側面の説明図。
【図2】同側面の断面図。
【符号の説明】
【0011】
1 圧縮機
2 脚部
4 ボルト
8 防振ゴム
10 底板
11 バーリング穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
室外ユニット内に設けられ、冷凍サイクルの一部を構成し、冷媒の圧縮動作を行う圧縮機と、前記室外ユニットの底面に備えた底板と、前記圧縮機に設けられ、該圧縮機を前記底板に固定するための脚部と、この脚部にはボルト挿入用の固定穴を設け、この固定穴に対向する底板には上方に突出するバーリング穴を設け、このバーリング穴と前記固定穴の間に前記圧縮機の脚部を支持すると共に振動を吸収する防振部材を設け、この防振部材のボルト貫通穴は前記バーリング穴の外径よりも稍大きく設け、このバーリング穴は上方に突出し、取付ボルトを上方より前記固定穴、貫通穴、バーリング穴に貫通して螺子止め固定する事を特徴とする空気調和機の室外ユニット。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−46805(P2006−46805A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−228527(P2004−228527)
【出願日】平成16年8月4日(2004.8.4)
【出願人】(000000538)株式会社コロナ (753)