説明

空気調和装置の室外機

【課題】ケーシングの側面パネル及びカバー部材を簡素な構造とし、これらの位置合わせを容易に行うことができる空気調和装置の室外機を提供する。
【解決手段】室外機2は、少なくとも4つの側面を有するケーシング5と、このケーシング5の4つの側面に対向して設けられた熱交換器13と、ケーシング5の上部に設けられ、当該ケーシング5内の空気を上方へ吹き出す送風機23とを備える。ケーシング5の一の角部5Aと熱交換器13の一の側端部32aとの間に開口部36Aが形成されており、ケーシング5は、開口部36Aを塞ぐ側面パネル29Aと、開口部36Aを塞ぐと共に、ケーシング5から引き出された冷媒配管及び/又は電気配線を通すための孔を形成可能なカバー部材41とを備え、カバー部材41は、開口部36Aの幅に適合した幅に形成され、かつ側面パネル29Aに対して上下方向に並べて配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和装置の室外機に関する。
【背景技術】
【0002】
ビル等の建物や一般の住宅において利用される空気調和装置として、室内機と室外機とを備えたセパレートタイプのものが広く普及している。このうちの室外機は、例えば、下記特許文献1に記載されているように、ケーシングの内部に圧縮機や熱交換器等の各種機器を収納している。また、特許文献1に記載された室外機のケーシングは、各種機器を載せる底板と、この底板から上方に延びる複数本の支柱と、この支柱の上端に設けられた天板と、支柱の間に形成される開口部を塞ぐ側面パネル等を備えている。
【0003】
熱交換器は、ケーシングの複数の側面に対向するように屈曲して形成され、側面パネルは、ケーシングの側面のうち熱交換器が存在していない開口部分を塞ぐように設けられている。また、側面パネルの下端部には、矩形状の切り欠きが形成され、この切り欠きがカバー部材によって塞がれている。カバー部材には、ケーシングの内部から引き出された冷媒配管や電気配線を通すための孔が形成されている。そして、室外機は、カバー部材の孔に冷媒配管や電気配線を通すことによって、ケーシングにカバー部材を取り付けたまま側面パネルのみを取り外し、内部に収納した機器の操作やメンテナンス等を行うことが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−127991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の室外機は、側面パネルに切り欠きを形成し、この切り欠きをカバー部材によって塞いでいるので、切り欠きの形状とカバー部材の形状が正確に合っていないと、切り欠きに対してカバー部材を適切に取り付けることが困難になる。特に、特許文献1の室外機は、側面パネルがケーシングの一つの角部を跨いで屈曲された形状(断面L字形状)に形成され、カバー部材も当該角部を跨いで屈曲された形状に形成されているので、側面パネルとカバー部材の屈曲の度合い等が正確に一致していないと、両者の表面を面一に位置合わせすることが困難となる。また、カバー部材に切り欠きを形成することによって側面パネルの形状が複雑になり、製造コストがアップするという欠点もある。
【0006】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、側面パネル及びカバー部材を簡素な構造とし、これらの位置合わせを容易に行うことができる空気調和装置の室外機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明に係る空気調和装置の室外機は、少なくとも4つの側面を有するケーシングと、このケーシングの4つの側面に対向して設けられた熱交換器と、前記ケーシングの上部に設けられ、当該ケーシング内の空気を上方へ吹き出す送風機と、を備えている空気調和装置の室外機であって、
前記ケーシングの一の角部と前記熱交換器の一の側端部との間に開口部が形成されており、
前記ケーシングは、
前記開口部を塞ぐ側面パネルと、
前記開口部を塞ぐと共に、前記ケーシングから引き出された冷媒配管及び/又は電気配線を通すための孔を形成可能なカバー部材とを備え、
前記カバー部材は、前記開口部の幅に適合した幅に形成され、かつ前記側面パネルに対して上下方向に並べて配置されていることを特徴とする。
【0008】
本発明の室外機によれば、カバー部材が、開口部の幅に適合した幅に形成され、側面パネルに対して上下方向に並べた状態で設けられるので、側面パネルに切り欠きを形成したり、この切り欠きに合わせてカバー部材を形成したりする必要が無く、側面パネル及びカバー部材を簡素な構造に形成することができるとともに、両者の位置合わせも容易に行うことができる。
【0009】
(2)前記ケーシングは、前記角部において上下方向に延びる支柱を備えており、この支柱に前記カバー部材の一側部が固定されていてもよい。
このような構成によって、支柱によってカバー部材を強固に支持することができる。
【0010】
(3)前記角部と、前記熱交換器の他の側端部との間に他の開口部が形成され、この開口部を塞ぐ他の側面パネルが、当該他の開口部の高さ全体を塞ぐ上下方向の長さを有していてもよい。
このような構成によって、当該他の側面パネルを取り外すことによって、当該他の開口部を広く開放することができ、当該他の開口部を介してメンテナンス等を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ケーシングの側面パネル及びカバー部材の簡素な構造とし、これらの位置合わせを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施の形態に係る室外機を有する空気調和装置の冷媒回路を示す模式図である。
【図2】室外機の外観を示す斜視図である。
【図3】室外機の側面パネル及び天板を取り外した状態を示す概略的な正面図である。
【図4】室外機の内部の平面図である。
【図5】カバー部材及び側面パネルの取付構造を示す平面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明の一実施の形態に係る室外機を有する空気調和装置の冷媒回路を示す模式図である。
空気調和装置1は、例えばビル用のマルチタイプの空気調和装置であり、1つ又は複数の室外機2に対して複数の室内機3が並列に接続され、冷媒が流通できるように、冷媒回路10が形成されている。
【0014】
室外機2には、圧縮機11、四路切換弁12、室外熱交換器13、室外膨張弁14、アキュムレータ20、オイルセパレータ21等が設けられ、これらは冷媒配管によって接続されている。また、室外機2の上部には、送風ファン23が設けられている。室内機3には、室内膨張弁15および室内熱交換器16等が設けられている。四路切換弁12と室内熱交換器16とはガス側冷媒連絡配管17aにより接続され、室外膨張弁14と室内膨張弁15とは液側冷媒連絡配管17bにより接続されている。室外機2の内部冷媒回路の端末部には、ガス側閉鎖弁18と液側閉鎖弁19とが設けられている。ガス側閉鎖弁18は四路切換弁12側に配置されており、液側閉鎖弁19は室外膨張弁14側に配置されている。ガス側閉鎖弁18にはガス側冷媒連絡配管17aが接続され、液側閉鎖弁19には液側冷媒連絡配管17bが接続される。
【0015】
上記構成の空気調和装置1において、冷房運転を行う場合には、四路切換弁12が図1において実線で示す状態に保持される。圧縮機11から吐出された高温高圧のガス状冷媒は、オイルセパレータ21及び四路切換弁12を経て室外熱交換器13に流入し、送風ファン23の作動により室外空気と熱交換して凝縮・液化する。液化した冷媒は、全開状態の室外膨張弁14を通過し、液側冷媒連絡配管17bを通って各室内機3に流入する。室内機3において、冷媒は、室内膨張弁15で所定の低圧に減圧され、さらに室内熱交換器16で室内空気と熱交換して蒸発する。そして、冷媒の蒸発によって冷却された室内空気は、図示しない室内ファンによって室内に吹き出され、当該室内を冷房する。また、室内熱交換器16で蒸発して気化した冷媒は、ガス側冷媒連絡配管17aを通って室外機2に戻り、四路切換弁12及びアキュムレータ20を経て圧縮機11に吸い込まれる。
【0016】
他方、暖房運転を行う場合には、四路切換弁12が図1において破線で示す状態に保持される。圧縮機11から吐出された高温高圧のガス状冷媒は、オイルセパレータ21及び四路切換弁12を経て各室内機3の室内熱交換器16に流入し、室内空気と熱交換して凝縮・液化する。冷媒の凝縮によって加熱された室内空気は、室内ファンによって室内に吹き出され、当該室内を暖房する。室内熱交換器16において液化した冷媒は、全開状態の室内膨張弁15から液側冷媒連絡配管17bを通って室外機2に戻る。室外機2に戻った冷媒は、室外膨張弁14で所定の低圧に減圧され、さらに室外熱交換器13で室外空気と熱交換して蒸発する。そして、室外熱交換器13で蒸発して気化した冷媒は、四路切換弁12及びアキュムレータ20を経て圧縮機11に吸い込まれる。
【0017】
図2は、室外機の外観を示す斜視図、図3は、室外機の側面パネル及び天板を取り外した状態を示す概略的な正面図である。また、図4は、室外機の内部の平面図である。
本実施の形態の室外機2は、上吹き出しタイプであり、ケーシング(室外機本体)5と、このケーシング5に内蔵された室外熱交換器13、圧縮機11、四路切換弁12、アキュムレータ20、オイルセパレータ21等の冷媒回路10(図1参照)を構成する機器と、電装品ユニット38と、送風ファン23等を備えている。
【0018】
そして、室外機2は、送風ファン23の駆動によってケーシング5の側面から空気を吸い込み、室外熱交換器13との間で熱交換を行った後にケーシング5の上部から上方へ空気を吹き出すように構成されている。
【0019】
図2及び図3に示されるように、ケーシング5は、略直方体形状に形成されており、底フレーム26、支柱27、梁部材28、下側面パネル29A,29B、上側面パネル25、天板24等を有している。底フレーム26は、平面視で四角形状に形成されている。また、底フレーム26の前後に対向する2辺には、地面に接地する脚部26aが設けられている。支柱27は、上下方向に長い長尺部材からなり、底フレーム26の4隅にボルト等によって取り付けられている。
【0020】
図2に示されるように、天板24は、底フレーム26と略同一の平面視で四角形状に形成され、底フレーム26の上方に間隔をあけて配置されている。天板24は、各支柱27の上端に載置され、上側面パネル25等にボルト等の連結具によって連結されている。天板24には、略四角形状の通風口24aが形成されており、この通風口24aには異物の侵入を防止するためのグリル24bが設けられている。
【0021】
図3に示されるように、梁部材28は、支柱27の上部側であって、天板24から下方に所定の間隔をあけた位置に配置され、前後左右に隣接する支柱27の間に架設されている。また、梁部材28は、室外熱交換器13の上端に近接する位置に配置されている。そして、ケーシング5は、底フレーム26、天板24、支柱27、梁部材28等からなる構造部材によって骨格が形成されている。
【0022】
梁部材28には、送風ファン23及びベルマウス30が取り付けられている。このベルマウス30は、送風ファン23の外周部を囲う通風ガイド(通風部材)30aを有しており、通風ガイド30aは、送風ファン23の円形状の回転軌跡に沿った円筒形状に形成され、ケーシング5からの空気の吹き出し口を形成している。
【0023】
図2及び図3に示されるように、電装品ユニット38は、室外機2全体を制御するための制御基板、圧縮機11や送風ファン23を駆動するための駆動基板(インバータ基板)、リアクタ、端子台等の電気部品と、これら電気部品を収容する電装品箱とを備えている。また、電装品ユニット38は、梁部材28よりも上側で、ベルマウス30の通風ガイドの周囲(左側)のスペースに配置されている。
【0024】
図2に示されるように、梁部材28(図3参照)と天板24との間に位置するケーシング5の4つの側面には上側面パネル25が設けられている。送風ファン23、ベルマウス30、及び電装品ユニット38は、上側面パネル25や天板24によって覆われることで、外部に露出しないように構成されている。
【0025】
図4に示されるように、ケーシング5の底フレーム26の上面には、室外熱交換器13、圧縮機11、アキュムレータ20、オイルセパレータ21、四路切換弁12、閉鎖弁18,19等の機器が搭載されている。室外熱交換器13は、クロスフィンコイル式であり、アルミニウム製の多数のフィンを伝熱管が水平に貫通し、伝熱管を流れる冷媒と室外熱交換器13を流通する空気との間で熱交換を行うように構成されている。
【0026】
室外熱交換器13は、ケーシング5の1つの角部(左前側の角部)5Aを除く範囲で4つの側面に対向(対応)し、かつ4つの側面に沿って略四角形状に屈曲されている。具体的に、室外熱交換器13は、ケーシング5の前側の側面(前面)に沿う前熱交換部32と、右側の側面に沿う右熱交換部33と、後側の側面(後面)に沿う後熱交換部34と、左側の側面に沿う左熱交換部35とを有している。そして、前熱交換部32と右熱交換部33との間、右熱交換部33と後熱交換部34との間、及び後熱交換部34と左熱交換部35との間が略90度に屈曲されている。なお、室外熱交換器13の各熱交換部32〜35は、ケーシング5の側面に対して必ずしも平行に対向していなくてもよく、傾斜した状態で対向していてもよい。また、本明細書において、ケーシング5の側面とは、外部に向いた実体的な側面、例えば、前述の上側面パネル25や後述する下側面パネル29A,29B、室外熱交換器13の外側面を覆う格子状の枠やパネルによって規定されるものであってもよいし、このような側面パネル25,29等を備えていない場合には、底フレーム26の4辺をそのまま上方に延長した仮想の面によって規定されてもよい。
【0027】
図3に示されるように、前熱交換部32の左側端部(室外熱交換器13における一の側端部)32aと、左熱交換部35の前側端部(同他の側端部)35aとの間は、開口部36とされている。本実施の形態では、開口部36が、左前側に配置された支柱27によって2つに分けられている。以下の説明においては、室外機2の前面に配置された開口部36を前開口部36Aといい、左側面に配置された開口部36を左開口部36Bという。
【0028】
閉鎖弁18,19は、ケーシング5の前側(開口部36A側)に向くように取付台37に支持されている。また、閉鎖弁18,19は、取付台37によって底フレーム26よりも高位置に配置されている。圧縮機11は、前開口部36Aの右側寄りに配置され、前開口部36Aを介して前方から略全体を視認できる位置に配置される。また、底フレーム26上のアキュムレータ20やオイルセパレータ21はケーシング5内の後部側に配置されている。
【0029】
ケーシング5は、室外熱交換器13の一の側端部32aと左前側の支柱27との間、及びこの支柱27と室外熱交換器13の他の側端部35aとの間に、それぞれ下側面パネル29A,29Bを着脱可能に備えており(図2参照)、この下側面パネル29A,29Bによって前開口部36A及び左開口部36Bがそれぞれ閉鎖されている。また、前開口部36Aを塞ぐ下側面パネル29A(以下、「前下側面パネル」ともいう)の下側にはカバー部材41が設けられている。
【0030】
室外熱交換器13の一の側端部32aには、当該側端部32aから突出する伝熱管13aを覆う端部カバー51が設けられており(図5も参照)、この端部カバー51は、図3に示されるように、底フレーム26と梁部材28との間に架設され、支柱としての機能も有している。ケーシング5の側面における室外熱交換器13が配置された部分には、空気の流通が可能な格子状の枠やパネル(いずれも図示省略)が取り付けられていてもよい。
【0031】
図2に示されるように、前開口部36Aを塞ぐ前下側面パネル29Aは、正面視で縦長の長方形状に形成された板材であり、梁部材28から閉鎖弁18,19(図3参照)のやや下側までの上下方向の範囲で前開口部36Aを塞いでいる。また、前下側面パネル29Aは、前開口部36Aの左右方向の幅に適合した幅に形成され、前開口部36Aの幅全体を塞いでいる。前下側面パネル29Aは、左右方向の両側部がそれぞれ左前側の支柱27と端部カバー51とに固定ボルト42により固定されている。
【0032】
一方、カバー部材41は、正面視で横長の長方形状に形成された板材であり、前下側面パネル29Aの下側に並べて配置され、閉鎖弁18,19(図3参照)のやや下側から底フレーム26までの上下方向の範囲で前開口部36Aを塞いでいる。カバー部材41の上端縁は、前下側面パネル29Aの下端縁に沿って略水平な直線状に形成されている。また、カバー部材41は、前開口部36Aの左右方向の幅に適合した幅、すなわち、前開口部36Aを、その幅全体にわたる範囲で塞ぐことができる幅を有している。
【0033】
図5は、カバー部材及び側面パネルの取付構造を示す平面断面図である。
カバー部材41は、その左右側部が支柱27と端部カバー51とに固定ボルト42によって固定されている。また、図2に示されるように、カバー部材41の下端部は、底フレーム26の前縁に固定ボルト43によって固定されている。カバー部材41の上端部には、前下側面パネル29Aの下端部が固定ボルト43によって固定されている。
【0034】
図2及び図3に示されるように、カバー部材41には、閉鎖弁18,19に接続されケーシング5から引き出された冷媒配管を通すための孔45が形成される。また、カバー部材41には、電装品ユニット38等から引き出された強電用及び弱電用の電気配線を通過させるための孔46が形成される。これらの孔は、所謂ノック孔であり、室外機2を現地に設置する前の状態(製品出荷状態)では当該孔45,46を象った切れ目のみが形成されている。そして、室外機2を現地に設置し、冷媒配管や電気配線を接続するときに、切れ目に沿って孔45,46を容易に形成することが可能となっている。なお、図2及び図3においては、これらの孔45,46が形成される前のカバー部材41が示されている。
【0035】
図2に示されるように、ケーシング5に左側面に設けられた下側面パネル29B(以下、「左下側面パネル」ともいう)は、正面視で縦長の長方形状に形成された板材であり、左開口部36Bの高さ全体に亘る上下方向の長さを有している。また、左下側面パネル29Bは、左開口部36Bの幅に適合した幅を有している。したがって、左下側面パネル29Bは、左開口部36Bの上下方向及び幅方向の全体を塞いでいる。左下側面パネル29Bは、図2及び図5に示されるように、左右方向の両側部がそれぞれ左前側の支柱27と室外熱交換器13の他の側端部35aに設けられた管板等に固定ボルト42により固定されている。
【0036】
以上の構成を有する室外機2は、冷媒配管や電気配線を通したカバー部材41をケーシング5に取り付けたまま、前下側面パネル29Aのみをケーシング5から取り外すことができる。そのため、前開口部36Aを介してケーシング5内の機器の操作やメンテナンスを行うことができる。そして、カバー部材41は、前開口部36Aの幅全体を塞いでいるため、従来のように、側面パネルにカバー部材を取り付けるための切り欠きを形成したり、その切り欠きに合わせてカバー部材を形成する必要がない。したがって、前下側面パネル29A及びカバー部材41を正面視で略長方形状の簡素化な構造に形成することができ、前下側面パネル29Aとカバー部材41との位置合わせも容易に行うことができる。
【0037】
また、カバー部材41の幅方向の一側部を支柱27に固定しているので、前下側面パネル29Aを取り外した状態でもカバー部材41を強固に支持することができる。さらに、カバー部材41の幅方向の他側部を支柱としての機能を有する端部カバー51に固定しているので、より強固にカバー部材41を支持することができる。
【0038】
なお、本実施の形態の室外機2は、ケーシング5の4つの側面に対向して配置された室外熱交換器13を備えているので、この室外熱交換器13の一の側端部32aと支柱27との間の前開口部36Aの幅がケーシング5の全幅よりも狭くなっている。そのため、カバー部材41を前開口部36Aの幅に適合した幅に形成したとしてもそれほど大型化することがなく、カバー部材41の移動やケーシング5への組み付け等の取り扱いに支障が生じることはほとんど無い。
【0039】
左下側面パネル29Bは、左開口部36Bの上下方向及び幅方向の範囲全体を塞いでいるので、この左下側面パネル29Bをケーシング5から取り外すことによって左開口部36Bを大きく開放することができ、この左開口部36Bを介してケーシング5内の機器の操作やメンテナンス等も容易に行うことができる。
【0040】
本発明は、上記各実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、適宜変更することが可能である。
例えば、本発明は、カバー部材41は、ケーシング5の左開口部36Bに設けることもできる。また、カバー部材41には、冷媒配管及び電気配線のいずれか一方を通す孔のみが形成されていてもよい。また、上記実施の形態では、カバー部材41の一側部が端部カバー51に固定されているが、室外熱交換器13の一の側端部32aの管板等に固定されていてもよい。
【0041】
また、上記実施の形態の室外機2は、1台の圧縮機11及び送風ファン23を備えていたが、2台以上の圧縮機11及び送風ファン23を備えていてもよい。また、上記実施の形態のケーシング5は、4つの側面を有する平面視四角形状に形成されていたが、4つ以上の側面を有する形状、例えば、4角形の1つの角部を傾斜状にカットした平面視五角形状に形成されていてもよい。この場合、室外熱交換器13は、ケーシング5における5つの側面のうち4つの側面に対向しておればよい。
【符号の説明】
【0042】
1 空気調和装置
2 室外機
5 ケーシング
5A 角部
13 室外熱交換器
23 送風ファン(送風機)
27 支柱
29A 前下側面パネル
29B 左下側面パネル
32a 熱交換器の一の側端部
35a 熱交換器の他の側端部
36A 前開口部(一の開口部)
36B 左開口部(他の開口部)
41 カバー部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも4つの側面を有するケーシング(5)と、このケーシング(5)の4つの側面に対向して設けられた熱交換器(13)と、前記ケーシング(5)の上部に設けられ、当該ケーシング(5)内の空気を上方へ吹き出す送風機(23)と、を備えている空気調和装置の室外機であって、
前記ケーシング(5)の一の角部(5A)と前記熱交換器(13)の一の側端部(32a)との間に開口部(36A)が形成されており、
前記ケーシング(5)は、
前記開口部(36A)を塞ぐ側面パネル(29A)と、
前記開口部(36A)を塞ぐと共に、前記ケーシング(5)から引き出された冷媒配管及び/又は電気配線を通すための孔を形成可能なカバー部材(41)とを備え、
前記カバー部材(41)は、前記開口部(36A)の幅に適合した幅に形成され、かつ前記側面パネル(29A)に対して上下方向に並べて配置されていることを特徴とする空気調和装置の室外機。
【請求項2】
前記ケーシング(5)は、前記角部(5A)において上下方向に延びる支柱(27)を備えており、この支柱(27)に前記カバー部材(41)の一側部が固定されている、請求項1に記載の空気調和装置の室外機。
【請求項3】
前記角部(5A)と、前記熱交換器(13)の他の側端部(35a)との間に他の開口部(36B)が形成され、
この開口部(36B)を塞ぐ他の側面パネル(29B)が、当該他の開口部(36B)の高さ全体を塞ぐ上下方向の長さを有している、請求項1又は2に記載の空気調和装置の室外機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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