説明

【課題】 意匠性や取付施工性を良好にできるとともに、通気時の開閉操作が容易にできる建具を提供すること。
【解決手段】嵌め殺しの複層ガラス15およびロールスクリーン16が窓枠10の非開放部10Aにおける見込み内に設けられ、格子扉17および換気扉18が窓枠10の開放部10Bにおける見込み内に設けられているので、この多機能窓1を建物の開口部3に取り付けるだけで、別途カーテンボックス等を取り付ける必要がなく、取り付けの際の施工性を良好にすることができる。さらに、格子扉17の室内側側面に設けたネット19も室内外に露出することがないので、多機能窓1の意匠性を良好にすることができる。また、換気扉18を開放するだけで、格子扉17およびネット19を介して室内外が連通されて通気や換気を実施することができ、通気の際の開閉操作を容易に実施することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の外壁開口部に設けられる窓として、窓枠内部に固定されたガラス板と、ガラス板に隣接して窓枠内に支持されたガラリと、これらのガラス板およびガラリの室内側に沿って左右にスライド開閉自在に設けられた引戸と、引戸よりも室内側において左右にスライド開閉自在に設けられた網戸とを備えた窓が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載された窓は、引戸をガラス板に重なる側にスライドさせることで、ガラリを通して通気可能に構成されるとともに、引戸がガラリに重なった状態で施錠可能に構成されている。また、ガラリが開閉可能に構成されており、ガラリを閉じることで、このガラリ部分を通して室内へ入射する外光を遮ることができるようになっている。
【0003】
【特許文献1】実開昭55−149083号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記特許文献1に記載の窓では、ガラス板およびガラリの室内側に引戸と網戸とが重なるようになっているため、窓の見込み寸法が大きくなってしまい、外壁との納まりが悪い上に、網戸が室内側に露出して設けられているため、意匠性が劣ってしまうという問題がある。
また、引戸を開閉する際には、網戸も同時に開閉操作しなければならず、通気時の操作性が悪いという問題もある。
さらに、ガラリを閉じることによりガラリ部分の遮光が可能であるものの、ガラス板部分の遮光が不能になっており、この窓の室内側にカーテンやブラインド等の遮光手段を別途設ける必要があり、カーテンボックス等が室内側に突出してしまい、この点でも窓の意匠性が劣化してしまうとともに、取付施工性も悪化してしまう。この際、引戸および網戸がガラス板に重なるようにスライド移動される構成のため、遮光手段を窓枠の見込み内に収めることは不可能である。
【0005】
本発明の目的は、意匠性や取付施工性を良好にできるとともに、通気時の開閉操作が容易にできる窓を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の窓は、上枠、下枠、および左右の縦枠で囲まれた内部が非開放部とこの非開放部の左右少なくとも一方に隣接した開放部とに仕切られた窓枠を備え、前記窓枠の非開放部には、透光性を有した嵌め殺し面材と、この嵌め殺し面材よりも室内側にて透光から遮光まで調節可能に構成された調光部材とが、当該窓枠の見込み内に並設され、前記窓枠の開放部には、室内外方向に通気可能な通気面材と、この通気面材よりも室内側の防虫網と、この防虫網よりも室内側にて室内側に向かって開放可能に支持された可動面材とが、当該窓枠の見込み内に並設されていることを特徴とする。
【0007】
以上の本発明によれば、嵌め殺し面材、調光部材、通気面材、防虫網および可動面材を窓枠の見込み内に設けたことで、この窓を建物の開口部に取り付けるだけで、別途取り付ける部材を不要にでき、取り付けの際の施工性を良好にすることができる。さらに、室内側や室外側に別途取り付ける部材が突出することがなく、また通気面材の室内側かつ可動面材の室外側に設けた防虫網も室内外に露出することがないので、窓の意匠性を良好にすることができる。
また、可動面材を室内側に開放可能に構成したことで、この可動面材を開放するだけで、通気面材および防虫網を介して室内外が連通されて通気や換気を実施することができ、通気の際の開閉操作を容易に実施することができる。
さらに、可動面材を室内側に開放可能、つまり可動面材が嵌め殺し面材に重なることなく開放できるので、嵌め殺し面材の室内側に設けた調光部材と可動面材とが略同一の見込み位置、つまり互いに隣接した窓枠見込み内の位置に配置でき、窓枠の見込み寸法を小さくすることができる。これにより、窓の意匠性をさらに良好にすることができる。
【0008】
この際、本発明の窓では、前記通気面材が室外側に向かって開放可能に前記窓枠に支持された格子体であることが好ましい。
このような構成によれば、通気面材を格子体としたことで、可動面材を開放した通気時において、形成された開口を格子体で塞ぐことができ、防犯性を確保したまま通気や換気を実施することができる。
さらに、通気面材を室外側に向かって開放可能に構成したことで、可動面材および通気面材の両方を開放すれば、この開口を介して室内側から嵌め殺し面材の室外面を清掃することができる。これに対して、従来の窓のように引戸の室外側にガラリが設けられていると、嵌め殺し面材(ガラス板)の室外面を室内側から清掃することが不可能であり、清掃作業に多大な手間を要することとなる。
【0009】
さらに、本発明の窓では、前記防虫網が前記格子体の室内側側面に取り付けられていることが好ましい。
このような構成によれば、防虫網を格子体に取り付けたことで、格子体と防虫網とを一体に開閉することができる。そして、防虫網の構造として、従来の網戸のように単体で開閉可能なものではなく、格子体に取り付けたことで、網戸に比較して防虫網の寸法を薄くすることができ、窓の見込み寸法を小さくして意匠性を向上させることができる。
【0010】
この際、本発明の窓では、前記可動面材が遮光性材料から形成されていることが好ましい。
このような構成によれば、可動面材を遮光性材料から形成したことで、調光部材による遮光を合わせて実施すれば、窓全体における遮光が実現でき、外光の入射が遮断できるとともに、室外から室内空間が見られることがなく、居住性やプライバシーを確保することができる。一方、調光部材を透光状態に調節すれば、嵌め殺し面材を通して外光を室内空間に採り入れたり、室内から外部の景色を眺めたりすることができ、快適性を確保することができる。
【0011】
さらに、本発明の窓では、前記調光部材が前記嵌め殺し面材の室内面に沿って上下移動自在に前記上枠に取り付けられたロールスクリーンであることが好ましい。
このような構成によれば、ロールスクリーンを巻き上げることで、固定面材の室内面に光や視線を遮る物がなくなるので、一層快適な採光や眺望を得ることができ、室内の居住性を向上させることができる。
【0012】
また、本発明の窓では、前記上下左右の各枠材の見込み方向略中間位置には、各枠材の見付け方向内方に突出し、かつ各枠材の長手方向に沿って延びる突出片が四周連続して形成され、前記嵌め殺し面材および前記通気面材が前記突出片よりも室外側に設けられ、前記調光部材および前記可動面材が前記突出片よりも室内側に設けられていることが好ましい。
このような構成によれば、上下左右の各枠材に形成した突出片で窓枠の内周面を室内外に仕切ったことで、窓枠と嵌め殺し面材や可動面材との気密ライン(タイトライン)を突出片に沿った位置に四周連続して形成することができ、窓の気密性や水密性を向上させることができる。
さらに、突出片で仕切られた窓枠の室外側に嵌め殺し面材および通気面材を配置し、室内側に調光部材および可動面材を配置することで、嵌め殺し面材、通気面材、調光部材および可動面材の窓枠に対する収まりが良好になり、各部材の取り付け性を良好にして窓の組立性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る窓である多機能窓1を室外側から見た姿図である。図2は、多機能窓1を室内側から見た姿図である。図3および図4は、それぞれ多機能窓1の縦断面図であり、図3は、図1、2に矢視III−III線で示す断面図であり、図4は、図1、2に矢視IV−IV線で示す断面図である。図5は、多機能窓1の横断面図であり、図1、2に矢視V−V線で示す断面図である。図6および図7は、それぞれ多機能窓1の要部を拡大して示す縦断面図である。図8は、多機能窓1の要部を拡大して示す横断面図である。
【0014】
図1〜図8において、多機能窓1は、事務所ビルや集合住宅、戸建て住宅等の建物の外壁2における開口部3に設けられて建物の室内空間と室外空間とを仕切る腰窓である。この多機能窓1の室内側には、開口部3の内側に沿った四周に額縁材4が設けられている。
多機能窓1は、それぞれアルミ形材製の上枠11、下枠12、および左右の縦枠13を四周枠組みした窓枠10と、この窓枠10の内部を左右3つに仕切るアルミ形材製の2本の中骨14と、窓枠10および中骨14で仕切られた各部に設けられた嵌め殺し面材としての複層ガラス15、調光部材であるロールスクリーン16、通気面材である格子扉(格子体)17、および可動面材である換気扉18とを備えて構成されている。そして、格子扉17の室内側側面には、防虫網であるネット19(図7、8参照)が取り付けられている。
【0015】
窓枠10は、上枠11と下枠12とに架設された2本の中骨14によりその内部が、中央の非開放部10Aと、この非開放部10Aの左右両側に隣接した2箇所の開放部10Bと、の3つの領域に仕切られている。そして、非開放部10Aにおいて、複層ガラス15は、窓枠10見込み内の室外寄りに嵌め殺し形式で移動不能に支持され、この複層ガラス15よりも室内側の上枠11にロールスクリーン16が支持されている。一方、2箇所の開放部10Bにおいて、格子扉17は、窓枠10見込み内の室外寄りに外開き形式で開閉自在に支持され、換気扉18は、格子扉17よりも室内側の窓枠10見込み内に室内側への縦辷出し形式で開閉自在に支持されている。
【0016】
具体的には、図6、図7に示すように、窓枠10の上枠11は、室内外の端部から下方(見付け方向内方)に突出した室内外の突出片11A,11Bと、見込み方向略中間位置から下方に突出した中間部突出片11Cとを有し、下方に開口した断面略E字形に形成されている。そして、室外突出片11Bと中間部突出片11Cとの間に複層ガラス15の上端縁を保持する面材保持部11Dが形成され、室内突出片11Aと中間部突出片11Cとの間にロールスクリーン16を支持する調光部材支持部11Eが形成されている。
下枠12は、略水平に形成された上面部12Aと、この上面部12Aの室外側端部から上方(見付け方向内方)に突出した室外突出片12Bと、上面部12Aの見込み方向略中間位置から上方に突出した中間部突出片12Cとを有して形成されている。そして、室外突出片12Bと中間部突出片12Cとの間に複層ガラス15の下端縁を保持する面材保持部12Dが形成されている。
【0017】
さらに、図8に示すように、中骨14は、全体略中空状、かつ室外側端部から非開放部10A側に突出した室外突出片14Aと、見込み方向略中間位置から開放部10B側に突出した中間部突出片14Bとを有して形成されている。そして、中骨14の非開放部10A側における見込み方向略中間位置には、非開放部10A側に突出した突出片である押縁14Cが係合されており、室外突出片14Aと押縁14Cとの間に複層ガラス15の側端縁を保持する面材保持部14Dが形成されている。また、中骨14における押縁14Cよりも室内側の側面には、ロールスクリーン16を上下に案内する案内溝14Eが形成されている。
縦枠13は、その室外側端部から開放部10B側(見付け方向内方)に突出した室外突出片13Aと、見込み方向略中間位置から開放部10B側に突出した中間部突出片13Bとを有して形成されている。そして、室外突出片13Aと中間部突出片13Bとの間に格子扉17を開閉自在に支持するヒンジ13Cが固定されている。
【0018】
以上のような上枠11の中間部突出片11Cと、下枠12の中間部突出片12Cと、縦枠13の中間部突出片13Bと、中骨14の中間部突出片14Bおよび押縁14Cとは、窓枠10の見込み方向略同一位置に形成されている。つまり、上枠11の中間部突出片11C、下枠12の中間部突出片12C、および中骨14の押縁14Cは、窓枠10の非開放部10Aの四周を囲んで連続して形成され、上枠11の中間部突出片11C、下枠12の中間部突出片12C、縦枠13の中間部突出片13B、および中骨14の中間部突出片14Bは、窓枠10の開放部10Bの四周を囲んで連続して形成されている。従って、これらの中間部突出片11C,12C,13B,14Bおよび押縁14Cによって、窓枠10の内周面が見込み方向室内外に2つに仕切られていることになる。
【0019】
複層ガラス15は、室内外一対のガラス板と中空層を有して形成され、室外からの外光を室内側に採り入れ可能かつ室内から室外の景観を眺めることができる透光性(光透過性)を有したものである。この複層ガラス15は、その四周端縁が上枠11、下枠12および中骨14の面材保持部11D,12D,14Dにシール材を介して保持されて窓枠10に固定されている。そして、複層ガラス15は、押縁14Cを中骨14から取り外した状態で、上枠11および下枠12の面材保持部11D,12Dにけんどん式で挿入し、下枠12の上面部12Aのセッティングブロック上に載置した後に、押縁14Cを中骨14に取り付けることで、窓枠10に固定されるようになっている。
【0020】
ロールスクリーン16は、遮光布等の遮光性材料から形成され、上枠11の調光部材支持部11Eに支持されるとともに、複層ガラス15の室内面に沿って上下移動自在かつ任意の高さ位置で停止可能に構成されている。そして、ロールスクリーン16の下端部を下枠12上面位置(遮光位置)まで下げることで、複層ガラス15を通して入射した外光を遮断することができるようになっている。また、ロールスクリーン16の下端部が上枠11の中間部突出片11Cに重なる位置(透光位置)まで巻き上げることで、複層ガラス15の全面から外光を採り入れることができるようになっている。
【0021】
格子扉17は、それぞれアルミ形材製の四周の枠17Aと、この枠17Aに固定された複数の横材17Bとを有して形成され、横材17B同士の隙間を通して室内外方向に通気可能に構成されている。そして、格子扉17は、ヒンジ13Cを介して縦枠13に支持され、中骨14側の側端縁が室外側に向かって開放可能に構成されている。また、格子扉17における中骨14側の側端縁は、図示しない施錠部材を介して中骨14に開放不能に施錠されるようになっており、この施錠部材は、換気扉18を開いた状態で室内側から解錠操作可能、かつ室外側からは操作不能に構成されている。また、格子扉17の室内側側面は、ネット19で覆われており、このネット19によって室外側からの虫や埃等の侵入が防止できるようになっている。
【0022】
換気扉18は、木粉を樹脂で固化した再生木製で非透光性(光遮断性)を有した扉本体18Aと、この扉本体18Aの四周に設けられたアルミ形材製の枠18Bと、扉本体18Aの室内面に設けられた操作ハンドル18Cとを有して構成されている。この換気扉18は、上枠11および下枠12に設けられて複数のリンクからなる縦辷出し機構18Dを介して窓枠10に支持され、室内側に向かって開放可能に構成されている。そして、換気扉18の四周の枠18Bには、気密材が取り付けられており、これらの気密材のうちの室外側に設けられた気密材は、換気扉18を閉鎖した状態で上枠11、下枠12、縦枠13および中骨14の中間部突出片11C,12C,13B,14Bに当接するようになっている。また、中骨14には、図示しないラッチ部材が設けられており、このラッチ部材は、換気扉18を閉鎖した状態で枠18Bに係合し、操作ハンドル18Cの操作により係合が外れるように構成されている。
【0023】
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)すなわち、嵌め殺しの複層ガラス15およびロールスクリーン16が窓枠10の非開放部10Aにおける見込み内に設けられ、格子扉17および換気扉18が窓枠10の開放部10Bにおける見込み内に設けられているので、この多機能窓1を建物の開口部3に取り付けるだけで、別途カーテンレールやカーテンボックス、面格子等を取り付ける必要がなく、取り付けの際の施工性を良好にすることができる。さらに、室内側や室外側に別途取り付ける部材が突出することがなく、格子扉17の室内側側面に設けたネット19も室内外に露出することがないので、多機能窓1の意匠性を良好にすることができる。
【0024】
(2)さらに、換気扉18が室内側に開放可能に構成されているので、この換気扉18を開放するだけで、格子扉17の隙間およびネット19を介して室内外が連通されて通気や換気を実施することができ、通気の際の開閉操作を容易に実施することができる。
【0025】
(3)そして、換気扉18が複層ガラス15の見込み方向に重なることなく開放できるので、複層ガラス15の室内側に設けたロールスクリーン16と換気扉18とが略同一の見込み位置、つまり互いに隣接した窓枠10の見込み内の位置に配置でき、窓枠10の見込み寸法を小さくすることができる。これにより、多機能窓1の意匠性をさらに良好にすることができる。
【0026】
(4)また、換気扉18の室外側に格子扉17が設けられているので、換気扉18を開放した通気時において、形成された開口を格子扉17で覆うことができ、防犯性を確保したまま通気や換気を実施することができる。さらに、格子扉17が室外側に向かって開放可能に構成されているので、換気扉18および格子扉17の両方を開放すれば、この開口を介して室内側から複層ガラス15の室外面を容易に清掃することができる。
【0027】
(5)また、格子扉17の室内側側面にネット19が取り付けられているので、格子扉17と一体にネット19を開閉することができるとともに、従来の網戸のように単体で開閉可能なものと比較して、ネット19の枠を省略して見込み寸法を薄くすることができ、多機能窓1の見込み寸法を小さくして意匠性をさらに向上させることができる。
【0028】
(6)また、換気扉18が再生木からなる遮光性材料から形成されているので、ロールスクリーン16を下げれば、多機能窓1全体における遮光が実現でき、外光の入射が遮断できるとともに、室外から室内空間が見られることがなく、居住性やプライバシーを確保することができる。一方、ロールスクリーン16を上げれば、複層ガラス15を通して外光を室内空間に採り入れたり、室内から外部の景色を眺めたりすることができ、快適性を確保することができる。
【0029】
(7)また、窓枠10の上下左右の各枠材11,12,13および中骨14に形成した中間部突出片11C,12C,13B,14B、および中骨14の押縁14Cで窓枠10の内周面を室内外に仕切ったことで、窓枠10と複層ガラス15や換気扉18との気密ライン(タイトライン)を中間部突出片11C,12C,13B,14Bおよび押縁14Cに沿った位置に四周連続して形成することができ、多機能窓1の気密性や水密性を向上させることができる。
【0030】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態において、窓枠10の内部が左右3つに分割されて非開放部10Aと、その両側に隣接した2箇所の開放部10Bとが形成されていたが、これに限らず、窓枠10の内部が左右2つに分割され、ぞれぞれ1つずつの非開放部10Aと開放部10Bとが形成されていてもよい。
また、格子扉17や換気扉18の開閉形式は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、両方ともに開き形式で開閉されてもよく、また縦(横)辷出し形式で開閉されてもよい。さらに、格子扉17や換気扉18が突出し形式や内倒し形式等の適宜な開閉形式で開閉されてもよい。
【0031】
また、前記実施形態では、格子体である格子扉17を室外側に開放可能に構成したが、これに限らず、格子体を窓枠10に対して開閉不能に固定してもよい。
また、前記実施形態では、可動面材である換気扉18を再生木から非透光性に形成したが、これに限らず、可動面材が透光性を有していてもよい。
また、前記実施形態では、調光部材としてロールスクリーン16を採用したが、これに限らず、開閉ブラインドやカーテン等も採用可能である。
また、前記実施形態では、格子扉17の室内側側面に防虫網であるネット19を取り付けたが、格子扉17や換気扉18と別体でこれらの間に防虫網が設けられていてもよく、この場合には、例えば、中骨14や縦枠13に収納可能なネット等を用いることで、多機能窓1の見込み寸法が増大することなく、防虫網を設置することができる。
【0032】
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施形態に係る窓を室外側から見た姿図である。
【図2】前記窓を室内側から見た姿図である。
【図3】前記窓の縦断面図であり、図1、2の矢視III−III線断面図である。
【図4】前記窓の縦断面図であり、図1、2の矢視IV−IV線断面図である。
【図5】前記窓の横断面図であり、図1、2の矢視V−V線断面図である。
【図6】前記窓の要部を拡大して示す縦断面図である。
【図7】前記窓の要部を拡大して示す縦断面図である。
【図8】前記窓の要部を拡大して示す横断面図である。
【符号の説明】
【0034】
10…窓枠、10A…非開放部、10B…開放部、11…上枠、12…下枠、13…縦枠、15…嵌め殺し面材である複層ガラス、16…調光部材であるロールスクリーン、17…通気面材である格子扉(格子体)、18…可動面材である換気扉、19…防虫網であるネット、11C,12C,13B,14B…突出片である中間部突出片、14C…突出片である押縁。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上枠、下枠、および左右の縦枠で囲まれた内部が非開放部とこの非開放部の左右少なくとも一方に隣接した開放部とに仕切られた窓枠を備え、
前記窓枠の非開放部には、透光性を有した嵌め殺し面材と、この嵌め殺し面材よりも室内側にて透光から遮光まで調節可能に構成された調光部材とが、当該窓枠の見込み内に並設され、
前記窓枠の開放部には、室内外方向に通気可能な通気面材と、この通気面材よりも室内側の防虫網と、この防虫網よりも室内側にて室内側に向かって開放可能に支持された可動面材とが、当該窓枠の見込み内に並設されている窓。
【請求項2】
前記通気面材が室外側に向かって開放可能に前記窓枠に支持された格子体である請求項1に記載の窓。
【請求項3】
前記防虫網が前記格子体の室内側側面に取り付けられている請求項2に記載の窓。
【請求項4】
前記可動面材が遮光性材料から形成されている請求項1から請求項3のいずれかに記載の窓。
【請求項5】
前記調光部材が前記嵌め殺し面材の室内面に沿って上下移動自在に前記上枠に取り付けられたロールスクリーンである請求項1から請求項4のいずれかに記載の窓。
【請求項6】
前記上下左右の各枠材の見込み方向略中間位置には、各枠材の見付け方向内方に突出し、かつ各枠材の長手方向に沿って延びる突出片が四周連続して形成され、
前記嵌め殺し面材および前記通気面材が前記突出片よりも室外側に設けられ、前記調光部材および前記可動面材が前記突出片よりも室内側に設けられている請求項1から請求項5のいずれかに記載の窓。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−328915(P2006−328915A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−158156(P2005−158156)
【出願日】平成17年5月30日(2005.5.30)
【出願人】(390005267)YKK AP株式会社 (776)
【Fターム(参考)】