説明

立体画像撮影システム、携帯通信端末、立体画像撮影システムの立体画像撮影方法、携帯通信端末の立体画像撮影プログラムおよび携帯通信端末の立体画像撮影方法

【構成】立体画像撮影システム100は、近距離無線通信によって接続される、2台の携帯電話機10a,10bを含む。各携帯電話機10では、プレビュー画像からエッジ画像が作成され、作成したエッジ画像が交換される。このとき、マスタとして動作する携帯電話機10では、2つのエッジ画像の重複率が算出され、その重複率が閾値以上であるかが判断される。また、使用者がプレビュー画像に基づいて携帯電話機10の位置を調整した結果、重複率が閾値以上になれば、各携帯電話機10によって撮影処理が実行され、撮影された画像はエッジ画像と同様に交換される。そして、2つの撮影画像から立体画像が作成される。
【効果】撮影処理を実施する前のプレビュー画像に基づいて、立体画像の撮影が制御されるため、使用者は立体画像を容易に撮影することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、立体画像撮影システム、携帯通信端末、立体画像撮影システムの立体画像撮影方法、携帯通信端末の立体画像撮影プログラムおよび携帯通信端末の立体画像撮影方法に関し、特に任意の被写体の立体画像を撮影することができる、立体画像撮影システム、携帯通信端末、立体画像撮影システムの立体画像撮影方法、携帯通信端末の立体画像撮影プログラムおよび携帯通信端末の立体画像撮影方法に関する。
【背景技術】
【0002】
任意の被写体を立体画像として撮影することができる携帯通信端末の一例が特許文献1に開示されている。特許文献1には、2台のカメラ付携帯電話機を利用して、3次元画像データを作成する。
【特許文献1】特開2004−129027号公報[H04N 13/02, G06T 3/00, G06T 17/40, H04M 1/00, H04M 1/725]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、特許文献1では、2台のカメラ付携帯電話機を適切に配置しなければ、立体画像を撮影することができない。また、特許文献1では、この問題を解決するために、固定冶具を利用して2台の携帯電話機を固定することが開示されているが、3次元画像を撮影するためには、使用者は、2台の携帯電話機と固定冶具とを常に携帯しなければならず、利便性が悪い。
【0004】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、立体画像撮影システム、携帯通信端末、立体画像撮影システムの立体画像撮影方法、携帯通信端末の立体画像撮影プログラムおよび携帯通信端末の立体画像撮影方法を提供することである。
【0005】
この発明の他の目的は、立体画像を容易に撮影することができる、立体画像撮影システム、携帯通信端末、立体画像撮影システムの立体画像撮影方法、携帯通信端末の立体画像撮影プログラムおよび携帯通信端末の立体画像撮影方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号および補足説明等は、この発明の理解を助けるために記述する実施形態との対応関係を示したものであって、この発明を何ら限定するものではない。
【0007】
第1の発明は、近距離無線通信によって接続される2台の携帯通信端末を有する、立体画像撮影システムであって、各携帯通信端末は、画像を出力するカメラモジュール、カメラモジュールから出力されたプレビュー画像から第1エッジ画像を作成する作成部、作成部によって作成された第1エッジ画像を、相手の携帯通信端末に送信する送信部、および相手の携帯通信端末の送信部によって送信された第2エッジ画像を受信する受信部を含み、第1エッジ画像と第2エッジ画像との重複率を算出する算出部、算出部によって算出された重複率が閾値以上のとき、一方の携帯通信端末から他方の携帯通信端末に対して撮影命令を発行する命令発行部、命令発行部によって撮影命令が発行された後に、一方の携帯通信端末のカメラモジュールによって撮影処理を実行する第1実行部、命令発行部によって発行された撮影命令に基づいて、他方の携帯通信端末のカメラモジュールによって撮影処理を実行する第2実行部、および第1実行部が実行した撮影処理によって撮影された第1撮影画像と、第2実行部が実行した撮影処理によって撮影された第2撮影画像とから立体画像を作成する立体画像作成部を備える、立体画像撮影システムである。
【0008】
第1の発明では、立体画像撮影システム(100:実施例において対応する部分を例示する参照符号。以下、同じ。)の各携帯通信端末(10a,10b)は、たとえばBluetooth(登録商標)形式の近距離無線通信によって接続される。各携帯通信端末のカメラモジュール(36−40)はイメージセンサ(36)を含み、画像を出力する。また、作成部(24,S53,S111)は、プレビュー画像にウェーブレット変換などを施して第1エッジ画像を作成する。また、各携帯通信端末は、送信部(24,S55,S113)によって第1エッジ画像を送信して、受信部(24,S57,S115)によって第2エッジ画像を受信することで、作成したエッジ画像を交換する。
【0009】
算出部(24,S59)は、第1エッジ画像および第2エッジ画像における、画像の面積の比較結果と対応画素の割合とに重み付けをして、重複率を算出する。算出された重複率が閾値(たとえば、90%)以上であれば、命令発行部(24,S65)は、一方の携帯通信端末から他方の携帯通信端末に対して撮影命令を発行させる。また、命令が発行されると、第1実行部(24,S67)は一方の携帯通信端末のカメラモジュールによって撮影処理を実行し、第2実行部(24,S121)は撮影命令に基づいて他方の携帯通信端末のカメラモジュールによって撮影処理を実行する。そして、立体画像作成部(24,S73,S127)は、このようして撮影された第1撮影画像と第2撮影画像とから立体画像を作成する。
【0010】
第1の発明によれば、撮影処理を実施する前のプレビュー画像に基づいて、立体画像の撮影が制御されるため、使用者は立体画像を容易に撮影することができる。
【0011】
第2の発明は、第1の発明に従属し、時刻情報を出力する時刻情報出力部をさらに備え、第1実行部および第2実行部は、連続して撮影処理を実行し、第1撮影画像および第2撮影画像は、時刻情報が出力する時刻情報に基づいて、撮影時刻が対応付けられた複数の撮影画像を含み、立体画像作成部は、第1撮影画像および第2撮影画像のそれぞれに含まれる複数の撮影画像から、撮影時刻が最も短い第1撮影画像および第2撮影画像を選択して立体画像を作成する。
【0012】
第2の発明では、時刻情報出力部(24a)は、たとえばプロセッサに内蔵されるRTCであり、時刻情報を出力する。たとえば、第1実行部は300m秒毎に撮影処理を実行し、第2実行部は450m秒毎に撮影処理を実行する。また、このようにして撮影された第1撮影画像および第2撮影画像のそれぞれには撮影時刻が対応付けられる。そして、立体画像作成処理は、複数の第1撮影画像および複数の第2撮影画像の中から、撮影時刻が最も短い第1撮影画像および第2撮影画像を選択して立体画像を作成する。
【0013】
第2の発明によれば、各携帯通信端末を同期させなくても、略同じ時刻で撮影された2枚の撮影画像を利用して立体画像を作成することができるようになる。
【0014】
第3の発明は、画像を出力するカメラモジュールを有し、マスタとスレーブとの関係がある近距離無線通信を行う、携帯通信端末であって、カメラモジュールから出力されたプレビュー画像から第1エッジ画像を作成する作成部を備え、マスタとして動作する携帯通信端末は、スレーブとして動作する携帯通信端末が送信した第2エッジ画像を受信する第1受信部、第1エッジ画像と第2エッジ画像との重複率を算出する算出部、算出部によって算出された重複率が閾値以上のとき、スレーブとして動作する携帯通信端末に撮影命令を発行する命令発行部、命令発行部によって撮影命令が発行された後に、カメラモジュールによって撮影処理を実行する第1実行部、命令発行部が発行した撮影命令に応じて、スレーブとして動作する携帯通信端末が撮影して送信した第1撮影画像を受信する第2受信部、および第2受信部によって受信された第1撮影画像と、第1実行部が実行した撮影処理によって撮影された第2撮影画像とから立体画像を作成する第1立体画像作成部をさらに備え、スレーブとして動作する携帯通信端末は、作成部によって作成された第1エッジ画像を、マスタとして動作する携帯通信端末に送信する送信部、マスタとして動作する携帯通信端末が発行した撮影命令に応じてカメラモジュールによって撮影処理を実行する第2実行部、マスタとして動作する携帯通信端末によって撮影および送信された第3撮影画像を受信する第3受信部、および第3受信部によって受信された第3撮影画像と、第2実行部が実行した撮影処理によって撮影された第4撮影画像とから立体画像を作成する第2立体画像作成部をさらに備える、携帯通信端末である。
【0015】
第3の発明では、携帯通信端末(10a,10b)は、マスタとスレーブとの関係がある近距離無線通信を行う。また、第1の発明と同様、カメラモジュール(36−40)は画像を出力し、作成部(24,S53,S111)は第1エッジ画像を作成する。
【0016】
マスタとして動作する携帯通信端末では、第1受信部(24,S57)はスレーブとして動作する携帯通信端末から第2エッジ画像を受信する。算出部(24,S59)は、第1の発明と同様、第1エッジ画像および第2エッジ画像から重複率を算出する。算出された重複率が閾値以上であれば、命令発行部(24,S65)は、スレーブとして動作する携帯通信端末に対して撮影命令を発行する。また、命令が発行されると、第1実行部(24,S67)は撮影処理を実行する。第2受信部(24,S71)は、撮影命令に応じて、スレーブとして動作する携帯通信端末が撮影し、送信した第1撮影画像を受信する。そして、第1立体画像作成部(24,S73)は、受信した第1撮影画像と、自身で撮影した第2撮影画像とから立体画像を作成する。
【0017】
また、スレーブとして動作する携帯通信端末では、送信部(24,S113)は作成した第1エッジ画像をマスタとして動作する携帯通信端末に送信する。第2実行部(24,S121)は、撮影命令が発行されると、カメラモジュールによって撮影処理を実行する。第3受信部(24,S125)は、マスタとして動作する携帯通信端末で作成および送信された第3撮影画像を受信する。そして、第2立体画像作成部(24,S127)は、受信した第3撮影画像と撮影した第4撮影画像とから立体画像を作成する。
【0018】
第3の発明でも、第1の発明と同様、撮影処理を実施する前のプレビュー画像に基づいて、立体画像の撮影が制御されるため、使用者は立体画像を容易に撮影することができる。
【0019】
第4の発明は、第3の発明に従属し、時刻情報を出力する時刻情報出力部をさらに備え、カメラモジュールから出力される画像は、時刻情報が出力する時刻情報に基づいて、撮影時刻が対応付けられ、マスタとして動作する携帯通信端末では、第1実行部は、連続して撮影処理を実行し、第2受信部は、スレーブとして動作する携帯通信端末によって連続して撮影された複数の第1撮影画像を受信し、第1立体画像作成部は、複数の第1撮影画像と、第1実行部が連続して実行した撮影処理によって撮影された複数の第2撮影画像とから、撮影時刻が最も短い第1撮影画像および第2撮影画像を選択して立体画像を作成し、スレーブとして動作する携帯通信端末では、第2実行部は、連続して撮影処理を実行し、第3実行部は、マスタとして動作する携帯通信端末によって連続して撮影された複数の第3撮影画像を受信し、第2立体画像作成部は、複数の第3撮影画像と、第2実行部が連続して実行した撮影処理によって撮影された複数の第4撮影画像とから、撮影時刻が最も短い第3撮影画像および第4撮影画像を選択して立体画像を作成する。
【0020】
第4の発明では、時刻情報出力部(24a)は、第2の発明と同様、プロセッサに内蔵されるRTCであり、時刻情報を出力する。また、撮影された画像には、撮影時刻が対応付けられる。
【0021】
マスタとして動作する携帯通信端末の第1実行部では、たとえば300m秒毎に連続して撮影処理を実行する。スレーブとして動作する携帯通信端末は450m秒毎に連続して撮影し、第2受信部は、このようにして撮影された複数の第1撮影画像を受信する。そして、第1立体画像作成部は、複数の第1撮影画像と複数の第2撮影画像とから、略同じ時刻で撮影された第1撮影画像および第2撮影画像を撮影時刻に基づいて選択し、選択された2枚の撮影画像から立体画像を作成する。
【0022】
第4の発明でも、第2の発明と同様、各携帯通信端末を同期させなくても、略同じ時刻で撮影された2枚の撮影画像を利用して立体画像を作成することができるようになる。
【0023】
第5の発明は、第3の発明または第4の発明に従属し、カメラモジュールから出力されたプレビュー画像に、第1受信部によって受信された第2エッジ画像を重ねて表示する表示部をさらに備える。
【0024】
第5の発明では、表示部(24,S63,S119)は、プレビュー画像に対して、相手が撮影および送信した第2エッジ画像を重ねて表示する。
【0025】
第5の発明によれば、使用者は、相手の携帯通信端末で表示されている被写体のおよその位置を知ることができ、携帯通信端末の位置を容易に調節できるようになる。これによって、使用者は立体画像をより容易に撮影することができるようになる。
【0026】
第6の発明は、第3の発明ないし第5の発明のいずれかに従属し、カメラモジュールの仕様を示す第1カメラデータを記憶する記憶部をさらに備え、マスタとして動作する携帯通信端末は、スレーブとして動作する携帯通信端末が送信した第2カメラデータを受信するカメラデータ受信部、記憶部に記憶されている第1カメラデータと、カメラデータ受信部によって受信された第2カメラデータとを照合する照合部、照合部の照合結果に基づいて、設定できる撮影条件を選択可能に表示する撮影条件表示部、撮影条件表示部によって選択可能に表示された撮影条件が選択されたとき、カメラモジュールの撮影条件を設定する第1設定部、および第1設定部によって設定された撮影条件をスレーブとして動作する携帯通信端末に送信する撮影条件送信部をさらに備え、スレーブとして動作する携帯通信端末は、マスタとして動作する携帯通信端末に対して、記憶部に記憶される第1カメラデータを送信するカメラデータ送信部、およびマスタとして動作する携帯通信端末が送信した撮影条件を受信したとき、カメラモジュールの撮影条件を設定する第2設定部をさらに備える。
【0027】
第6の発明では、記憶部(34)に記憶される第1カメラデータには、カメラモジュールの仕様を示すデータとして、画素数や、ISO感度とF値とシャッター速度との調節幅および焦点距離などが含まれる。
【0028】
マスタとして動作する携帯通信端末では、スレーブとして動作する携帯通信端末が送信した第2カメラデータがカメラデータ受信部(24,S33)によって受信される。照合部(24,S35)は、自身の第1カメラデータと、受信した第2カメラデータとを照合する。撮影条件表示部(24,S37)は、照合結果に基づいて、各携帯通信端末で共通して設定することができる撮影条件を選択可能に表示する。第1設定部(24,S43)は、たとえば使用者によって選択された撮影条件を設定する。そして、撮影条件送信部(24,S49)は、マスタとして動作する携帯通信端末に設定された撮影条件を、スレーブとして動作する携帯通信端末に送信する。
【0029】
また、スレーブとして動作する携帯通信端末では、第1カメラデータがカメラデータ送信部(24,S103)によってマスタとして動作する携帯通信端末に送信される。第2設定部(24,S107)は、マスタとして動作する携帯通信端末と同じ撮影条件を設定する。
【0030】
第6の発明によれば、立体画像を作成するために撮影される2枚の画像を、同じ撮影条件で撮影することができる。
【0031】
第7の発明は、第6の発明に従属し、撮影条件は、画素数を含む。
【0032】
第7の発明によれば、2枚の画像の画素数を一致させることで、立体画像の立体感を向上させることができる。
【0033】
第8の発明は、第3の発明ないし第7の発明のいずれかに従属し、マスタとして動作する携帯通信端末は、スレーブとして動作する携帯通信端末を検索する検索部、およびスレーブとして動作する携帯通信端末を発見したとき、その携帯通信端末との近距離無線通信を確立する第1確立部をさらに備え、スレーブとして動作する携帯通信端末は、マスタとして動作する携帯通信端末によって発見されたとき、その携帯通信端末との近距離無線通信を確立する第2確立部をさらに備える。
【0034】
第8の発明では、マスタとして動作する携帯通信端末の検索部(24,S21)は、スレーブとして動作する携帯通信端末を検索する。また、スレーブとして動作する携帯通信端末を発見すると、第1確立部(24,S31)は、その携帯通信端末との近距離無線通信を確立する。
【0035】
また、スレーブとして動作する携帯通信端末では、マスタとして動作する携帯通信端末の検索によって発見されると、第2確立部(24,S101)がマスタとして動作する携帯通信端末との近距離無線通信を確立する。
【0036】
第8の発明によれば、近くに有る他の携帯通信端末と近距離無線通信を確立することで、立体画像を撮影することができる。これにより、使用者が携帯通信端末を2台持っていなくても、近くの第三者(たとえば、友人)に協力を仰ぎ、その第三者が所持する携帯通信端末を利用して立体画像を撮影することができるようになる。
【0037】
第9の発明は、画像を出力するカメラモジュールを有し、近距離無線通信においてマスタとして動作して、スレーブとして動作する携帯通信端末と近距離無線通信を確立する、携帯通信端末であって、カメラモジュールから出力されたプレビュー画像から第1エッジ画像を作成する作成部、スレーブとして動作する携帯通信端末が送信した第2エッジ画像を受信する第1受信部、第1エッジ画像と第2エッジ画像との重複率を算出する算出部、算出部によって算出された重複率が閾値以上のとき、スレーブとして動作する携帯通信端末に撮影命令を発行する命令発行部、算出部によって算出された重複率が閾値以上のとき、カメラモジュールによって撮影処理を実行する実行部、命令発行部が発行した撮影命令に応じて、スレーブとして動作する携帯通信端末が撮影して送信した第1撮影画像を受信する第2受信部、および第2受信部によって受信された第1撮影画像と、実行部が実行した撮影処理によって撮影された第2撮影画像とから立体画像を作成する立体画像作成部を備える、携帯通信端末である。
【0038】
第9の発明では、携帯通信端末(10a)は、たとえばBluetooth形式におけるマスタとして動作し、スレーブとして動作する携帯通信端末(10b)と近距離無線通信を行う。また、カメラモジュール(36−40)は画像を出力し、作成部(24,S53)は第1エッジ画像を作成する。第1受信部(24,S57)はスレーブとして動作する携帯通信端末から第2エッジ画像を受信する。算出部(24,S59)は、第1エッジ画像および第2エッジ画像の重複率を算出する。算出された重複率が閾値以上であれば、命令発行部(24,S65)は、スレーブとして動作する携帯通信端末に対して撮影命令を発行する。また、命令が発行されると、実行部(24,S67)は撮影処理を実行する。第2受信部(24,S71)は、撮影命令に応じて、スレーブとして動作する携帯通信端末によって撮影および送信された第1撮影画像を受信する。そして、立体画像作成部(24,S73)は、受信した第1撮影画像と、自身で撮影した第2撮影画像とから立体画像を作成する。
【0039】
第9の発明でも、第3の発明と同様、撮影処理を実施する前のプレビュー画像に基づいて、立体画像の撮影が制御されるため、使用者は立体画像を容易に撮影することができる。
【0040】
第10の発明は、画像を出力するカメラモジュールを有し、近距離無線通信においてスレーブとして動作して、マスタとして動作する携帯通信端末と近距離無線通信を確立する、携帯通信端末であって、カメラモジュールから出力されたプレビュー画像からエッジ画像を作成する作成部、作成部によって作成されたエッジ画像を、マスタとして動作する携帯通信端末に送信する送信部、マスタとして動作する携帯通信端末が発行した撮影命令に応じてカメラモジュールによって撮影処理を実行する実行部、マスタとして動作する携帯通信端末が撮影して送信した第1撮影画像を受信する受信部、および受信部によって受信された第1撮影画像と、実行部が実行した撮影処理によって撮影された第2撮影画像とから立体画像を作成する立体画像作成部を備える、携帯通信端末である。
【0041】
第10の発明では、携帯通信端末(10b)は、たとえばBluetooth形式におけるスレーブとして動作し、マスタとして動作する携帯通信端末(10a)と近距離無線通信を行う。カメラモジュールは、たとえばプレビュー画像を出力する。作成部(24,S111)はそのプレビュー画像からエッジ画像を作成し、送信部(24,S113)は作成したエッジ画像マスタとして動作する携帯通信端末に送信する。実行部(24,S121)は、撮影命令を受け取ると、カメラモジュールによって撮影処理を実行する。受信部(24,S125)は、マスタとして動作する携帯通信端末で作成および送信された第1撮影画像を受信する。そして、立体画像作成部(24,S127)は、受信した第1撮影画像と、撮影した第2撮影画像とから立体画像を作成する。
【0042】
第10の発明でも、第3の発明と同様、撮影処理を実施する前のプレビュー画像に基づいて、立体画像の撮影が制御されるため、使用者は立体画像を容易に撮影することができる。
【0043】
第11の発明は、近距離無線通信によって接続される2台の携帯通信端末(10a,10b)を有する、立体画像撮影システム(100)の立体画像撮影方法であって、各携帯通信端末は、画像を出力するカメラモジュール(36−40)、カメラモジュールから出力されたプレビュー画像から第1エッジ画像を作成する作成部(24,S53,S111)、作成部によって作成された第1エッジ画像を、相手の携帯通信端末に送信する送信部(24,S55,S113)、および相手の携帯通信端末の送信部によって送信された第2エッジ画像を受信する受信部(24,S57,S115)を含み、第1エッジ画像と第2エッジ画像との重複率を算出し(24,S59)、算出された重複率が閾値以上のとき、一方の携帯通信端末から他方の携帯通信端末に対して撮影命令を発行し(24,S65)、撮影命令が発行された後に、一方の携帯通信端末のカメラモジュールによって撮影処理を実行し(24,S67)、発行された撮影命令に基づいて、他方の携帯通信端末のカメラモジュールによって撮影処理を実行し(24,S121)、そして一方の携帯通信端末で実行された撮影処理によって撮影された第1撮影画像と、他方の携帯通信端末で実行された撮影処理によって撮影された第2撮影画像とから立体画像を作成する(24,S73,S127)、立体画像撮影方法である。
【0044】
第11の発明でも、第1の発明と同様、撮影処理を実施する前のプレビュー画像に基づいて、立体画像の撮影が制御されるため、使用者は立体画像を容易に撮影することができる。
【0045】
第12の発明は、画像を出力するカメラモジュール(36−40)を有し、マスタとスレーブとの関係がある近距離無線通信を行う、携帯通信端末(10a,10b)のプロセッサ(24)を、カメラモジュールから出力されたプレビュー画像から第1エッジ画像を作成する作成部(S53,S111)として機能させ、マスタとして動作する携帯通信端末のプロセッサを、スレーブとして動作する携帯通信端末が送信した第2エッジ画像を受信する第1受信部(S57)、第1エッジ画像と第2エッジ画像との重複率を算出する算出部(S59)、算出部によって算出された重複率が閾値以上のとき、スレーブとして動作する携帯通信端末に撮影命令を発行する命令発行部(S65)、命令発行部によって撮影命令が発行された後に、カメラモジュールによって撮影処理を実行する第1実行部(S67)、命令発行部が発行した撮影命令に応じて、スレーブとして動作する携帯通信端末が撮影して送信した第1撮影画像を受信する第2受信部(S71)、および第2受信部によって受信された第1撮影画像と、第1実行部が実行した撮影処理によって撮影された第2撮影画像とから立体画像を作成する第1立体画像作成部(S73)としてさらに機能させ、スレーブとして動作する携帯通信端末のプロセッサを、作成部によって作成された第1エッジ画像を、マスタとして動作する携帯通信端末に送信する送信部(S113)、マスタとして動作する携帯通信端末が発行した撮影命令に応じてカメラモジュールによって撮影処理を実行する第2実行部(S121)、マスタとして動作する携帯通信端末によって撮影および送信された第3撮影画像を受信する第3受信部(S125)、および第3受信部によって受信された第3撮影画像と、第2実行部が実行した撮影処理によって撮影された第4撮影画像とから立体画像を作成する第2立体画像作成部(S127)としてさらに機能させる、立体画像撮影プログラムである。
【0046】
第12の発明でも、第2の発明と同様に、撮影処理を実施する前のプレビュー画像に基づいて、立体画像の撮影が制御されるため、使用者は立体画像を容易に撮影することができる。
【0047】
第13の発明は、画像を出力するカメラモジュール(36−40)を有し、マスタとスレーブとの関係がある近距離無線通信を行う、携帯通信端末(10a,10b)の立体画像撮影方法であって、カメラモジュールから出力されたプレビュー画像から第1エッジ画像を作成して(S53,S111)、マスタとして動作する携帯通信端末では、スレーブとして動作する携帯通信端末が送信した第2エッジ画像を受信し(S57)、第1エッジ画像と第2エッジ画像との重複率を算出し(S59)、算出された重複率が閾値以上のとき、スレーブとして動作する携帯通信端末に撮影命令を発行し(S65)、撮影命令が発行された後に、カメラモジュールによって撮影処理を実行し(S67)、発行した撮影命令に応じて、スレーブとして動作する携帯通信端末が撮影して送信した第1撮影画像を受信し(S71)、そして受信された第1撮影画像と、撮影処理によって撮影された第2撮影画像とから立体画像を作成して(S73)、スレーブとして動作する携帯通信端末では、作成された第1エッジ画像を、マスタとして動作する携帯通信端末に送信する送信部(S113)、マスタとして動作する携帯通信端末が発行した撮影命令に応じてカメラモジュールによって撮影処理を実行し(S121)、マスタとして動作する携帯通信端末によって撮影および送信された第3撮影画像を受信し(S125)、そして受信された第3撮影画像と、撮影処理によって撮影された第4撮影画像とから立体画像を作成する(S127)、立体画像撮影方法である。
【0048】
第13の発明でも、第2の発明と同様に、撮影処理を実施する前のプレビュー画像に基づいて、立体画像の撮影が制御されるため、使用者は立体画像を容易に撮影することができる。
【発明の効果】
【0049】
この発明によれば、使用者はプレビュー画像を利用して、立体画像を容易に撮影することができる。
【0050】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1はこの発明の一実施例の携帯電話機の電気的な構成を示す図解図である。
【図2】図2は図1に示す携帯電話機の外観の一例を示す図解図である。
【図3】図3は図1に示す2台の携帯電話機によって立体画像を撮影する様子の一例を表す図解図である。
【図4】図4は図1に示す2台の携帯電話機が実行する処理の流れの一例を示す図解図である。
【図5】図5は図1に示すRAMのメモリマップの一例を示す図解図である。
【図6】図6は図1に示す立体画像撮影処理の一例を示すフロー図である。
【図7】図7は図1に示すプロセッサのマスタ処理の一部を示すフロー図である。
【図8】図8は図1に示すプロセッサのマスタ処理の一部であって、図7に後続するフロー図である。
【図9】図9は図1に示すプロセッサのスレーブ処理の一部を示すフロー図である。
【図10】図10は図1に示すプロセッサのスレーブ処理の一部であって、図9に後続するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1を参照して、この実施例の立体画像撮影システム100は、たとえばBluetooth形式の近距離無線通信によってお互いが接続される、携帯電話機10aおよび携帯電話機10bを有する。なお、携帯電話機10a,10bの構成は、略同じであるため、この2つを区別しない場合には、「携帯電話機10」と言うことにする。
【0053】
携帯電話機10は、携帯通信端末の一種であり、コンピュータまたはCPUと呼ばれるプロセッサ24を含む。また、プロセッサ24は、無線通信回路14、A/D変換器16、D/A変換器20、キー入力装置26、表示ドライバ28、フラッシュメモリ32、RAM34、カメラ制御回路36および近距離無線通信回路42などが接続される。また、無線通信回路14にはアンテナ12が接続される。A/D変換器16にはマイク18が接続され、D/A変換器20にはスピーカ22が接続される。表示ドライバ28には3Dディスプレイ30が接続される。カメラ制御回路36にはイメージセンサ38およびフォーカスレンズ40のレンズ位置を制御する制御モータ(図示せず)が接続される。近距離無線通信回路42には近距離無線通信アンテナ44が接続される。
【0054】
プロセッサ24は、時刻情報を出力するRTC24aを含み、携帯電話機10の全体制御を司る。RAM34は、記憶部として機能し、プロセッサ24の作業領域(描画領域を含む)ないしバッファ領域として用いられる。フラッシュメモリ32には、アプリケーションのデータが記録される。
【0055】
A/D変換器16は、マイク18を通して入力される音声ないし音についてのアナログ音声信号を、デジタル音声信号に変換する。D/A変換器20は、デジタル音声信号をアナログ音声信号に変換(復号)して、図示しないアンプを介してスピーカ22に与える。したがって、アナログ音声信号に対応する音声ないし音がスピーカ22から出力される。また、プロセッサ24は、アンプの増幅率を制御することで、スピーカ22から出力される音声の音量を調整することができる。
【0056】
キー入力装置26は操作部として機能し、通話キー、終話キーおよびテンキーなどが含まれる。また、使用者が操作したキーの情報(キーデータ)はプロセッサ24に入力される。
【0057】
表示ドライバ28は、プロセッサ24の指示の下、当該表示ドライバ28に接続された3Dディスプレイ30の表示を制御する。また、表示ドライバ28は表示する画像データを一時的に記憶するビデオメモリ(図示せず)を含む。
【0058】
3Dディスプレイ30にはパララックスバリア方式とも呼ばれる、視差バリア方式が採用されている。そのため、3Dディスプレイ30は、裸眼立体ディスプレイとも呼ばれ、使用者が特別なメガネをかけていなくても、画像を立体的に見せることができる。また、3Dディスプレイ30は、立体画像(3D画像)と平面画像(2D画像)との表示を切り替えることができる。たとえば、実行される機能によっては、3Dディスプレイ30は、平面画像(2D画像)を表示することがある。
【0059】
カメラ制御回路36は、携帯電話機10で静止画像または動画像を撮影するための回路である。たとえば、キー入力装置26に対してカメラ機能を実行する操作が行われると、プロセッサ24はカメラ機能を実行して、カメラ制御回路36を起動する。なお、カメラ制御回路36、イメージセンサ38およびフォーカスレンズ40は、まとめてカメラモジュールとして機能する。
【0060】
たとえば、被写体の光学像はイメージセンサ38に照射され、イメージセンサ38の撮像エリアには、たとえばSXGA(1280×1024画素)に対応する受光素子が配置されており、撮像エリアでは、光電変換によって、被写体の光学像に対応する電荷つまりSXGAの生画像信号が生成される。なお、使用者は、画像データのサイズ(画素数)を、SXGAの他に、XGA(1024×768画素)およびVGA(640×480画素)などに変更することができる。
【0061】
そして、カメラ機能が実行されると、被写体のリアルタイム動画像つまりプレビュー画像(スルー画像)を3Dディスプレイ30に表示するべく、プロセッサ24は、カメラ制御回路36に内蔵されるイメージセンサドライバを起動させ、露光動作および指定された読み出し領域に対応する電荷読み出し動作を、イメージセンサドライバに命令する。
【0062】
イメージセンサドライバは、イメージセンサ38の撮像面の露光と、当該露光によって生成された電荷の読み出しとを実行する。この結果、生画像信号が、イメージセンサ38から出力される。また、出力された生画像信号はカメラ制御回路36に入力され、カメラ制御回路36は入力された生画像信号に対して、色分離、白バランス調整、YUV変換などの処理を施し、YUV形式の画像データを生成する。そして、YUV形式の画像データはプロセッサ24に入力される。このとき、カメラ制御回路36は、フォーカスレンズ40を制御することで、被写体にピントを合わせる。
【0063】
また、プロセッサ24に入力されたYUV形式の画像データは、プロセッサ24によってRAM34に格納(一時記憶)される。さらに、格納されたYUV形式の画像データは、プロセッサ24でRGBデータに変換された後に、RAM34から表示ドライバ28に与えられる。そして、RGB形式の画像データが3Dディスプレイ30に出力される。これによって、被写体を表す低画素(たとえば、320×240画素)のプレビュー画像が3Dディスプレイ30に表示される。
【0064】
ここで、キー入力装置26に対して静止画像の撮影操作が行われると、プロセッサ24は、静止画像の本撮影処理を実行する。つまり、プロセッサ24は、イメージセンサ38から出力されるSXGAの生画像信号に信号処理を施して、RAM34に一旦格納し、フラッシュメモリ32に対する記録処理を実行する。記録処理が実行されると、プロセッサ24を通してRAM34から画像データが読み出される。そして、プロセッサ24は、読み出した画像データにメタ情報を関連付けて、1つのファイルとしてフラッシュメモリ32に記録する。さらに、プロセッサ24は、図示しないスピーカから、本撮影処理が実行されていること通知する音を出力させる。
【0065】
なお、メタ情報には、RTC24aが出力する時刻情報、画像サイズおよび携帯電話機10の機種名などが含まれる。
【0066】
また、携帯電話機10にメモリカードが接続される場合、画像データはメモリカードに保存されてもよい。また、画像データに関連付けられるメタ情報はExifフォーマットで保存される。また、RAM34には、カメラモジュールの仕様(スペック)を示すカメラデータが記憶されている。このカメラデータには、画素数や、ISO感度とF値とシャッター速度との調節幅および焦点距離などが含まれる。
【0067】
携帯電話機10aの近距離無線通信回路42は、Bluetooth形式などの近距離無線通信を、携帯電話機10bの近距離無線通信回路42との間に確立する。また、このBluetooth形式の近距離無線通信を行う、2台の携帯電話機10の間にはマスタおよびスレーブの関係がある。
【0068】
たとえば、マスタとして動作する携帯電話機10aが近距離無線通信を行うと、スレーブとして動作する通信機器を検索する。このとき、携帯電話機10bでスレーブとして動作するように設定され、マスタ端末の接続要求に応答する「接続待機状態」に遷移していれば、マスタとして動作する携帯電話機10aは、スレーブとして動作する携帯電話機10bに発見することができる。携帯電話機10aが携帯電話機10bを発見すると、携帯電話機10bで設定されたパスコード(PIN)の入力を使用者に求める。使用者が正しいPINを入力した場合、携帯電話機10aと携帯電話機10bとの近距離無線通信が確立される。そして、通信が確立されると、アドレス帳データや、画像データなどを送受信することができる。
【0069】
ただし、マスタ端末が検索を開始してから所定時間(たとえば、30秒)が経過しても、発見することができない場合には、検索処理は終了する。同様に、スレーブ端末が接続待機状態に遷移してから、所定時間が経過しても接続要求がなければ、スレーブ端末は通常状態に戻る。
【0070】
なお、Bluetooth形式などの近距離無線通信において、上述の手順で近距離無線通信を確立する操作を「ペアリング」と言う。また、過去にペアリングが行われていれば、次回からはパスコードを入力せずに、携帯電話機10aと携帯電話機10bとの近距離無線通信を確立することができる。
【0071】
無線通信回路14は、CDMA方式での無線通信を行うための回路である。たとえば、使用者がキー入力装置26を用いて電話発信(発呼)を指示すると、無線通信回路14は、プロセッサ24の指示の下、電話発信処理を実行し、アンテナ12を介して電話発信信号を出力する。電話発信信号は、基地局および通信網(図示せず)を経て相手の電話機に送信される。そして、相手の電話機において着信処理が行われると、通信可能状態が確立され、プロセッサ24は通話処理を実行する。
【0072】
通常の通話処理について具体的に説明すると、相手の電話機から送られてきた変調音声信号はアンテナ12によって受信される。受信された変調音声信号には、無線通信回路14によって復調処理および復号処理が施される。そして、これらの処理によって得られた受話音声信号は、D/A変換器20によってアナログ音声信号に変換された後、スピーカ22から出力される。一方、マイク18を通して取り込まれた送話音声信号は、A/D変換器16によってデジタル音声信号に変換された後、プロセッサ24に与えられる。デジタル音声信号に変換された送話信号には、プロセッサ24の指示の下、無線通信回路14によって符号化処理および変調処理が施され、アンテナ12を介して出力される。したがって、変調音声信号は、基地局および通信網を介して相手の電話機に送信される。
【0073】
また、相手の電話機からの電話発信信号がアンテナ12によって受信されると、無線通信回路14は、電話着信(着呼)をプロセッサ24に通知する。これに応じて、プロセッサ24は、表示ドライバ28を制御して、着信通知に記述された発信元情報(電話番号など)を3Dディスプレイ30に表示する。また、これとほぼ同時に、プロセッサ24は、図示しないスピーカから着信音(着信メロディ、着信音声と言うこともある。)を出力させる。
【0074】
そして、使用者が通話キーを用いて応答操作を行うと、無線通信回路14は、プロセッサ24の指示の下、電話着信処理を実行する。さらに、通信可能状態が確立され、プロセッサ24は上述した通常の通話処理を実行する。
【0075】
また、通話可能状態に移行した後に終話キーによって通話終了操作が行われると、プロセッサ24は、無線通信回路14を制御して、通話相手に通話終了信号を送信する。そして、通話終了信号の送信後、プロセッサ24は通話処理を終了する。また、先に通話相手から通話終了信号を受信した場合も、プロセッサ24は通話処理を終了する。さらに、通話相手によらず、移動通信網から通話終了信号を受信した場合も、プロセッサ24は通話処理を終了する。
【0076】
図2(A)は、ストレート型の携帯電話機の表面の外観を示す外観図であり、図2(B)は、ストレート型の携帯電話機の裏面の外観を示す外観図である。図2(A),(B)を参照して、携帯電話機10は、平面矩形の筐体C1および第2筐体C2を有する。
【0077】
図示しないマイク18は、第2筐体C2に内蔵され、内蔵されたマイク18に通じる開口OP2は第2筐体C2の縦方向一方の上面に設けられる。同じく、図示しないスピーカ22は筐体Cに内蔵され、内蔵されたスピーカ22に通じる開口OP1は、筐体Cの縦方向一方の表面に設けられる。さらに、図示しないスピーカ22に通じる開口OP2は、筐体Cの縦方向他方の表面に設けられる。
【0078】
キー入力装置26は、たとえば、方向キー、通話キー、終話キー、メニューおよび確定キー、テンキーなどから構成されており、筐体Cの表面に設けられる。また、3Dディスプレイ30は、モニタ画面が筐体Cの表面に露出するように取り付けられる。
【0079】
カメラモジュールは筐体Cに内蔵されており、カメラモジュールのフォーカスレンズ40に通じる開口OP3は、筐体Cの縦方向他方の裏面に設けられる。なお、開口OP3は、無色透明なプラスチックなどで塞がれることもある。
【0080】
たとえば、使用者は、3Dディスプレイ30を確認しながら、テンキーを操作して電話番号を入力し、通話キーによって発呼操作を行い、終話キーによって通話終了操作を行う。また、使用者は、メニューキーを操作することでメニュー画面を表示し、方向キーなどによって任意のメニューを選択することができる。さらに、使用者は、確定キーを操作することで、選択されたメニューを確定することができる。そして、使用者は、終話キーを長押しすることで携帯電話機10の電源をオン/オフする。
【0081】
また、携帯電話機10でカメラ機能が実行された場合、使用者は筐体Cの裏面に設けられた開口OP3を被写体に向けることで、3Dディスプレイ30に表示されるプレビュー画像を確認することできる。このとき、使用者は、プレビュー画像に基づいて構図を決めて確定キー(シャッターキー)を操作することで、任意の被写体を撮影することができる。
【0082】
なお、アンテナ12、無線通信回路14、プロセッサ24、表示ドライバ28、フラッシュメモリ32、RAM34、カメラモジュール近距離無線通信回路42および近距離無線通信アンテナ44などは、筐体Cに内蔵されており、図2(A),(B)では、図示されない。
【0083】
ここで、本実施例では、図3に示すように、自身の携帯電話機10aと相手の携帯電話機10bとのそれぞれで、同じ被写体を撮影し、各携帯電話機10で撮影された2枚の画像を合成することで立体画像を作成することができる。つまり、各携帯電話機10の使用者は、相手の携帯電話機10を利用することで、立体画像を撮影することができる。
【0084】
具体的には、携帯電話機10で立体画像を撮影するソフトが実行されると、近距離無線通信におけるマスタまたはスレーブを選択するGUIが3Dディスプレイ30に表示される。携帯電話機10aでマスタが選択されると、携帯電話機10aは、スレーブとして動作する通信機器の検索を開始する。一方、携帯電話機10bでスレーブが選択されると、携帯電話機10bは通信待機状態に遷移する。このとき、携帯電話機10aと携帯電話機10bとが所定の距離(たとえば、10m)以内あれば、Bluetooth形式の近距離無線通信が、携帯電話機10aと携帯電話機10bとの間に確立される。このように、本実施例では、近くに有る他の携帯電話機10と近距離無線通信を確立することで、立体画像を撮影することができる。これにより、使用者は、携帯電話機10を2台持っていなくても、近くの第三者(たとえば、友人)に協力を仰ぎ、その第三者が所持する携帯電話機を利用して立体画像を撮影することもできるようになる。
【0085】
近距離無線通信が確立されると、スレーブとして動作する携帯電話機10bは、マスタとして動作する携帯電話機10aに対して、カメラデータを送信する。携帯電話機10aでは、携帯電話機10bのカメラデータと自身のカメラデータとを照合することで、携帯電話機10aと携帯電話機10bとで共通して設定できる撮影条件が抽出される。これにより、携帯電話機10aの3Dディスプレイ30には、設定可能な撮影条件が選択可能に表示される。なお、以下の説明では、マスタとして動作する携帯電話機10aを「マスタ端末」と言い、スレーブとして動作する携帯電話機10bを「スレーブ端末」と言うことがある。
【0086】
使用者によって撮影条件が選択されると、選択された撮影条件が携帯電話機10aに設定されると共に、携帯電話機10bに送信される。携帯電話機10bは、撮影条件を示すデータを受信すると、その撮影条件を設定する。つまり、携帯電話機10aおよび携帯電話機10bには、使用者によって選択された撮影条件が共に設定される。これにより、立体画像を作成するために撮影される2枚の画像を、同じ撮影条件で撮影することができる。なお、ここでは、共通して設定できる撮影条件は、画像サイズ(画素数)が必ず同じになるように抽出される。つまり、本実施例では、2枚の画像の画素数を一致させることで、立体画像の立体感を向上させている。
【0087】
図4を参照して、撮影条件が設定されると、各携帯電話機10では、プレビュー画像の撮影が開始される。それと同時に、撮影したプレビュー画像からエッジ画像が作成される。なお、エッジ画像とは、元画像において明るさが急激に変化する境界(エッジ)を検出し、その境界線で描かれた画像のことである。そして、エッジの検出は広く一般的に行われているため詳細な説明は省略するが、たとえば、ウェーブレット変換や、Canny法などを用いれば、容易にエッジを検出することができる。
【0088】
また、エッジ画像を作成し終えると、携帯電話機10aで作成されたエッジ画像は携帯電話機10bに送信され、携帯電話機10bで作成されたエッジ画像は携帯電話機10aに送信される。そして、相手の携帯電話機10送信された各エッジ画像は、相手の携帯電話機10の3Dディスプレイ30に、プレビュー画像に重ねて表示される。なお、以下の説明では、画像を相手に送り、代わりに相手から画像を受け取ることを、「画像を交換する」と言う。
【0089】
これにより、各携帯電話機10の使用者は、自身が撮影する被写体と、相手が撮影した被写体との位置関係を把握することができる。そのため、各使用者は、自身が撮影したプレビュー画像と相手のエッジ画像とが重なるように、携帯電話機10の位置を容易に調節できるようになる。たとえば、使用者は、携帯電話機10の位置を調節するために、携帯電話機10を左右上下に動かしたり、携帯電話機10と被写との距離を変化させたりする。
【0090】
また、マスタ端末では、2枚のエッジ画像における、画像の面積の比較結果と対応画素の割合とに重み付けして、重複率を算出している。そして、携帯電話機10の位置が調整された結果、2つのエッジ画像の重複率が閾値(たとえば、90%)以上になると、マスタ端末は、スレーブ端末に対して撮影命令を発行する。その後、マスタ端末では撮影処理が実行され、略同じタイミングで、スレーブ端末でも撮影処理が実行される。つまり、立体画像を作成するために必要な、視差を生じさせる2枚の画像が撮影される。また、この2枚の画像は、エッジ画像と同じように交換される。そして、各携帯電話機10は、自身が撮影した撮影画像と、相手が送信した撮影画像とを用いて立体画像を作成する。つまり、マスタ端末とスレーブ端末とで、立体画像が作成される。
【0091】
このように、本実施例では、使用者はプレビュー画像を利用して、立体画像を容易に撮影することができる。
【0092】
図5は、RAM34のメモリマップを示す図である。RAM34のメモリマップには、プログラム記憶領域302およびデータ記憶領域304が含まれる。また、プログラムおよびデータの一部は、フラッシュメモリ32から一度に全部または必要に応じて部分的かつ順次的に読み出され、RAM34に記憶されてからプロセッサ24によって処理される。
【0093】
プログラム記憶領域302には、携帯電話機10を動作させるためのプログラムが記憶されている。たとえば、携帯電話機10を動作させるためのプログラムは、立体画像撮影プログラム310、マスタプログラム312、スレーブプログラム314および立体画像作成プログラム316などを含む。
【0094】
立体画像撮影プログラム310は、2台の携帯電話機10を利用して立体画像を撮影するときに、各携帯電話機10の動作を制御するためのプログラムである。マスタプログラム312およびスレーブプログラム314は立体画像撮影プログラム310のサブルーチンである。マスタプログラム312は、立体画像を撮影する際に、マスタとして動作する携帯電話機10の動作を制御するためのプログラムであり、スレーブプログラム314はスレーブとして動作する携帯電話機10の動作を制御するためのプログラムである。立体画像作成プログラム316は、2枚の撮影画像から立体画像を作成するためのプログラムである。
【0095】
なお、図示は省略するが、携帯電話機10を動作させるためのプログラムには、音声着信状態を通知するためのプログラムおよび外部と通信するためのプログラムなどが含まれる。
【0096】
続いて、データ記憶領域304には、プレビュー画像バッファ330、撮影条件バッファ332、第1エッジ画像バッファ334、第2エッジ画像バッファ336、第1撮影画像バッファ338および第2撮影画像バッファ340が設けられると共に、カメラデータ342が記憶される。また、データ記憶領域304には、検索カウンタ344、選択カウンタ346およびマスタフラグ348が設けられる。
【0097】
プレビュー画像バッファ330には、プレビュー画像として3Dディスプレイ30に表示される画像データが一時的に記憶される。撮影条件バッファ332には、使用者によって選択された撮影条件、またはマスタ端末から指示された撮影条件が一時的に記憶される。第1エッジ画像バッファ338には、プレビュー画像データに基づいて作成されたエッジ画像が一時的に記憶される。第2エッジ画像バッファ340には、相手の携帯電話機10から送信されたエッジ画像が一時的に記憶される。第1撮影画像バッファ338は、撮影された画像が一時的に記憶される。第2撮影画像バッファ340は、相手の携帯電話機10によって撮影され送信された画像が一時的に記憶される。
【0098】
カメラデータ342は、カメラモジュールの仕様(スペック)を示すデータから構成されており、たとえば撮影可能な画像の画素数や、ISO感度とF値とシャッター速度との調節幅および焦点距離などが含まれる。
【0099】
検索カウンタ344は、ペアリングを行う際に、所定時間を計測するためのカウンタであり、初期化されるとカウントが開始される。また、検索カウンタ344は、スレーブの検索や、接続待機状態への遷移に応じて初期化されるため、マスタプログラム312またはスレーブプログラム314の実行中には、検索タイマとして利用される。
【0100】
選択カウンタ346は、撮影条件を選択する際に、特定の時間(たとえば、20秒)を計測するためのカウンタであり、初期化されるとカウントが開始される。選択カウンタ346は、撮影条件が選択可能に表示されると初期化されるため、マスタプログラム312の実行中には、選択タイマとして利用される。
【0101】
マスタフラグ348は、近距離無線通信を確立する際にマスタとして設定されているかを判断するためのフラグである。たとえば、マスタフラグ348は、1ビットのレジスタで構成される。マスタフラグ348がオン(成立)されると、レジスタにはデータ値「1」が設定される。一方、マスタフラグ348がオフ(不成立)されると、レジスタにはデータ値「0」が設定される。たとえば、マスタフラグ348は、立体画像を撮影するための近距離無線通信において、マスタとして動作する設定が行われるとオンになり、スレーブとして動作する設定が行われるとオフになる。
【0102】
なお、図示は省略するが、データ記憶領域304には、待機状態で表示される画像データや、文字列のデータなどが記憶されると共に、携帯電話機10の動作に必要なカウンタや、フラグも設けられる。
【0103】
プロセッサ24は、Android(登録商標)およびREXなどのLinux(登録商標)ベースのOSや、その他のOSの制御下で、図6に示す立体画像撮影処理、図7、図8に示すマスタ処理および図9、図10に示すスレーブ処理などを含む複数のタスクを並列的に処理する。
【0104】
なお、これらの処理は、各携帯電話機10のどちらも実行可能であるが、以下の説明では携帯電話機10aによってマスタ処理が実行され、携帯電話機10bによってスレーブ処理が実行されているものとして説明する。
【0105】
図6は立体画像撮影処理のフロー図である。たとえば、使用者によって立体画像を撮影するための操作が行われると、プロセッサ24はステップS1で、マスタとして動作させるか否かを判断する。たとえば、ステップS1の処理が実行されると、近距離無線通信においてマスタまたはスレーブとして動作させるかを確認するGUIが3Dディスプレイ30に表示される。ステップS1で“YES”であれば、たとえば使用者によってマスタとして動作させることが選択されると、ステップS3でマスタ処理が実行される。一方、ステップS1で“NO”であれば、たとえばスレーブとして動作させることが選択されると、ステップS5でスレーブ処理が実行される。
【0106】
また、ステップS3が実行されるとマスタフラグ348はオンにされ、ステップS5が実行されるとマスタフラグ348はオフにされる。そして、ステップS3またはステップS5の処理が終了すれば、立体画像処理も終了する。
【0107】
なお、ステップS3のマスタ処理およびステップS5のスレーブ処理については、後述するためここでの詳細な説明は省略する。
【0108】
図7は、マスタ処理のフロー図である。図6に示す立体画像撮影処理でステップS3の処理が実行されると、プロセッサ24は、ステップS21でスレーブを検索する。つまり、スレーブとして動作する通信機器(携帯電話機10b)を検索する。なお、ステップS21の処理を実行するプロセッサ24は検索部として機能する。続いて、ステップS23では、検索タイマをリセットする。つまり、検索カウンタ344が初期化される。続いて、ステップS25では、発見できたか否かを判断する。つまり、通信待機状態のスレーブ端末を発見できたか否かを判断する。ステップS25で“NO”であれば、つまり通信待機状態のスレーブ端末を発見できなければ、ステップS27で検索タイマが満了したか否かを判断する。つまり、検索を開始してから所定時間が経過したか否かを判断する。ステップS27で“NO”であれば、つまり検索を開始してから所定時間が経過していなければ、ステップS25に戻る。一方、ステップS27で“YES”であれば、つまり検索を開始してから所定時間が経過していれば、ステップS29で検索失敗を通知する。たとえば、3Dディスプレイ30に「スレーブ端末を発見できませんでした。」などのメッセージが表示される。そして、ステップS29の処理が終了すると、プロセッサ24はマスタ処理を終了して、立体画像撮影処理に戻る。
【0109】
また、ステップS25で“YES”であれば、通信待機状態のスレーブ端末を発見できれば、ステップS31で近距離無線通信を確立する。つまり、マスタ端末とスレーブ端末との間に近距離無線通信が確立される。続いて、ステップS33では、スレーブのカメラデータを受信する。たとえば、マスタ端末はスレーブ端末にカメラデータの送信を要求する。そして、その要求に応じて送信されたスレーブ端末のカメラデータを受信する。なお、ステップS31の処理を実行するプロセッサ24は第1確立部として機能し、ステップS33の処理を実行するプロセッサ24はカメラデータ受信部として機能する。
【0110】
続いて、ステップS35では、各カメラデータを照合する。つまり、マスタ端末は、自身のカメラデータ342とスレーブ端末のカメラデータとから、共通して設定できる撮影条件を抽出する。そして、ステップS37では、選択可能な撮影条件が表示される。たとえば、3Dディスプレイ30には、共通して撮影できる画素数(VGA,XGAなど)を含む撮影条件が選択可能に表示される。続いて、ステップS39では、選択タイマをリセットする。つまり、選択カウンタ346が初期化される。なお、ステップS35の処理を実行するプロセッサ24は照合部として機能し、ステップS37の処理を実行するプロセッサ24は撮影条件表示部として機能する。
【0111】
続いて、ステップS41では、選択されたか否かを判断する。つまり、表示された撮影条件を選択する操作がされたか否かを判断する。ステップS41で“YES”であれば、たとえばVGA(640×480画素)が選択されると、選択された撮影条件をステップS43で設定する。たとえば、撮影条件バッファ332に、撮影条件として、画像サイズ(画素数)がVGAの撮影条件が格納される。そして、ステップS43の処理が終了すると、図8に示すステップS49に進む。なお、ステップS43の処理を実行するプロセッサ24は第1設定部として機能する。
【0112】
また、ステップS41で“NO”であれば、つまり撮影条件を選択する操作が行われなければ、ステップS45で選択タイマが満了したか否かを判断する。つまり、選択可能な撮影条件が表示されてから特定の時間が経過したかを判断する。ステップS45で“NO”であれば、つまり撮影条件が表示されてから特定の時間が経過していなければ、ステップS41に戻る。一方、ステップS45で“YES”であれば、つまり撮影条件が表示されてから特定の時間が経過していれば、ステップS47でデフォルトの撮影条件を設定する。ここで、本実施例におけるデフォルトの撮影条件とは、画像サイズ(画素数)が最大となる撮影条件のことである。たとえば、ここではデフォルトの撮影条件として、画像サイズがXGAとなる撮影条件が設定される。なお、撮影条件が設定されると、ステップS43の処理と同様、撮影条件バッファ332に、画像サイズがXGAの撮影条件が格納される。
【0113】
続いて、図8のステップS49では、設定した撮影条件をスレーブに送信する。たとえば、撮影条件バッファ332に格納されている撮影条件を示すデータが、マスタ端末からスレーブ端末に送信される。なお、ステップS49の処理を実行するプロセッサ24は撮影条件送信部として機能する。続いて、ステップS51では、プレビュー画像を取得する。つまり、カメラモジュールから出力された画像データに、所定の処理を加えてプレビュー画像バッファ330に格納する。続いて、ステップS53では、エッジ画像を作成する。つまり、プレビュー画像バッファ330に格納される画像データから、エッジ画像を作成する。そして、作成したエッジ画像を、第1エッジ画像バッファ334に格納する。なお、ステップS53の処理を実行するプロセッサ24は作成部として機能する。
【0114】
続いて、ステップS55では、エッジ画像をスレーブに送信する。たとえば、マスタであるマスタ端末からスレーブであるスレーブ端末に、第1エッジ画像バッファ334に格納されているエッジ画像が送信される。続いて、ステップS57では、スレーブのエッジ画像を受信する。たとえば、マスタ端末は、スレーブ端末で作成および送信されたエッジ画像を受信する。また、受信したエッジ画像は、第2エッジ画像バッファ336に格納される。なお、ステップS55の処理を実行するプロセッサ24は送信部として機能し、ステップS57の処理を実行するプロセッサ24は受信部または第1受信部として機能する。
【0115】
続いて、ステップS59では、エッジ画像の重複率を算出する。つまり、第1エッジ画像バッファ334および第2エッジ画像バッファ336に格納されている、2枚のエッジ画像の重複率を算出する。なお、ステップS59の処理を実行するプロセッサ24は算出部として機能する。続いて、ステップS61では、重複率が閾値以上か否かを判断する。つまり、立体画像を撮影することができる状態になったか否かが判断される。ステップS61で“NO”であれば、つまり、重複率が閾値未満であれば、ステップS63でスレーブのエッジ画像を重ねたプレビュー画像を表示する。たとえば、図4に示すように、マスタ端末のプロセッサ24は、撮影した画像に、スレーブ端末から送信されたエッジ画像を重ねたプレビュー画像を、3Dディスプレイ30に表示する。そして、ステップS63の処理が終了すると、ステップS51に戻る。つまり、マスタ端末で撮影した画像とスレーブ端末で撮影した画像とから立体画像を撮影することができる状態になるまで、ステップS51−S63の処理が繰り返される。なお、ステップS63の処理を実行するプロセッサ24は表示部として機能する。
【0116】
また、ステップS61で“YES”であれば、つまり重複率が閾値以上になれば、ステップS65で、スレーブに撮影命令を発行する。たとえば、マスタ端末からスレーブ端末に対して撮影命令が発行される。続いて、ステップS67で撮影処理を実行する。つまり、マスタ端末で、撮影処理が実行される。また、撮影された画像は、第1撮影画像バッファ338に格納される。なお、上述したように、略同じタイミングで、撮影命令を受けたスレーブ端末も撮影処理を実行する。また、ステップS65の処理を実行するプロセッサ24は命令発行部として機能し、ステップS67の処理を実行するプロセッサ24は第1実行部または実行部として機能する。
【0117】
続いて、ステップS69でスレーブに撮影画像を送信し、ステップS71でスレーブから撮影画像を受信する。つまり、立体画像を作成するために、マスタ端末とスレーブ端末とは、それぞれが撮影した画像を交換する。なお、各携帯電話機10において、相手から受信した撮影画像は、第2撮影画像バッファ340に格納される。また、ステップS71の処理を実行するプロセッサ24は第2受信部として機能する。
【0118】
続いて、ステップS73で立体画像作成処理が実行され、ステップS75で立体画像が保存される。つまり、ステップS73では、第1撮影画像バッファ338および第2撮影画像バッファ340に格納されている2枚の撮影画像から立体画像が作成される。また、ステップS75では、作成された立体画像がフラッシュメモリ32に保存される。そして、作成された立体画像が保存されると、マスタ処理は終了する。
【0119】
なお、他の実施例では、ステップS75の処理が実行される前に、3Dディスプレイ30に立体画像を表示し、保存するか否かを使用者に確認するようにしてもよい。また、ステップS73の処理を実行するプロセッサ24は立体画像作成部または第1立体画像作成部として機能する。
【0120】
図9はスレーブ処理のフロー図である。図6に示す立体画像撮影処理でステップS5の処理が実行されると、プロセッサ24はステップS91で、通信待機状態に遷移する。つまり、スレーブ端末は、マスタ端末からの接続要求に応答できるように、通信待機状態に遷移する。続いて、ステップS93では、検索タイマをリセットする。つまり、通信接続待機状態に遷移してからの時間を計測するために、検索カウンタ344が初期化される。
【0121】
続いて、ステップS95では、発見されたか否かを判断する。たとえば、マスタ端末によって発見され、接続要求を受けたか否かを判断する。ステップS95で“NO”であれば、つまりマスタ端末から接続要求が無ければ、ステップS97で検索タイマが満了したか否かを判断する。つまり、通信待機状態に遷移してから所定時間が経過したか否かを判断する。ステップS97で“NO”であれば、つまり通信待機状態に遷移してから所定時間が経過していなければ、ステップS95に戻る。一方、ステップS97で“YES”であれば、つまり通信待機状態に遷移してから所定時間が経過していれば、ステップS99でタイムアップを通知する。つまり、通信待機状態に遷移してから、所定時間が経過してもマスタとの近距離無線通信が確立されなければ、使用者に対してタイムアップ(時間切れ)を通知する。そして、ステップS99の処理が終了すれば、プロセッサ24はスレーブ処理を終了して、立体画像撮影処理に戻る。
【0122】
一方、ステップS95で“YES”であれば、たとえばマスタ端末から接続要求があれば、ステップS101で近距離無線通信を確立する。つまり、マスタ端末との近距離無線通信を確立する。なお、ステップS101の処理を実行するプロセッサ24は第2確立部として機能する。続いて、ステップS103では、マスタにカメラデータを送信する。たとえば、スレーブ端末は、マスタ端末によるカメラデータの送信を要求に応答して、マスタ端末にカメラデータ342を送信する。なお、ステップS103の処理を実行するプロセッサ24はカメラデータ送信部として機能する。続いて、ステップS105では、撮影条件を受信したか否かを判断する。つまり、マスタ端末で選択された撮影条件を示すデータを受信したか否かを判断する。ステップS105で“NO”であれば、つまり撮影条件を受信しなければ、ステップS105の処理が繰り返される。一方、ステップS105で“YES”であれば、たとえばマスタ端末から送信された撮影条件を受信すれば、ステップS107で受信した撮影条件を設定する。たとえば、マスタ端末で、画素数がVGAの撮影条件が設定された場合、スレーブ端末でも画素数がVGAの撮影条件が設定される。なお、ステップS107の処理を実行するプロセッサ24は第2設定部として機能する。
【0123】
続いて、図10のステップS109でプレビュー画像を取得し、ステップS111でエッジ画像を作成する。つまり、マスタ処理のステップS51,S53と同様、カメラモジュールからプレビュー画像を取得して、エッジ画像を作成する。このとき、作成されたエッジ画像は、第1エッジ画像バッファ334に格納される。なお、ステップS111の処理を実行するプロセッサ24は作成部として機能する。
【0124】
続いて、ステップS113でエッジ画像をマスタに送信し、ステップS115でマスタのエッジ画像を受信する。つまり、図4に示すように、マスタ端末とスレーブ端末との間で、エッジ画像が交換される。なお、ステップS113の処理を実行するプロセッサ24は送信部として機能し、ステップS115の処理を実行するプロセッサ24は送信部として機能する。
【0125】
続いて、ステップS117では、撮影命令を受けたか否かを判断する。マスタ処理の説明で記述した通り、マスタ端末は2枚のエッジ画像の重複率が閾値以上になると、撮影命令を発行する。そのため、スレーブ端末は、このようにして発行される撮影命令を受信したか判断する。ステップS117で“NO”であれば、たとえばマスタ端末が発行した撮影命令を受信しなければ、ステップS119でマスタのエッジ画像が重ねられたプレビュー画像を表示する。つまり、マスタ処理のステップS63と同様、撮影された画像に、マスタから送信されたエッジ画像を重ねたプレビュー画像が3Dディスプレイ30に表示される。また、ステップS119の処理が終了すれば、ステップS109に戻る。つまり、撮影命令を受信するまで、スレーブとして動作する携帯電話機1bでは、ステップS109−S119の処理が繰り返される。なお、ステップS119の処理を実行するプロセッサ24は表示部として機能する。
【0126】
一方、ステップS117で“YES”であれば、つまり撮影命令を受信すれば、ステップS121で撮影処理を実行する。これにより、マスタ端末と略同じタイミングで、スレーブ端末も撮影処理を実行する。なお、撮影された画像は、第1撮影画像バッファ338に格納される。なお、ステップS121の処理を実行するプロセッサ24は第2実行部または実行部として機能する。
【0127】
続いて、ステップS123でマスタに撮影画像を送信し、ステップS125でマスタから撮影画像を受信する。つまり、ステップS123,S125は、マスタ処理のステップS69,S71に対応しており、自身が撮影した画像と、相手が撮影した画像とが交換される。また、スレーブ端末は、マスタ端末から受信した撮影画像を、第2撮影画像バッファ340に格納する。なお、ステップS125の処理を実行するプロセッサ24は第3受信部または受信部として機能する。
【0128】
続いて、ステップS127で立体画像撮影処理を実行し、ステップS129で立体画像を保存する。つまり、マスタ処理のステップS73,S75と同様、各携帯電話機10で撮影された2つ画像から立体画像が作成され、フラッシュメモリ32に保存される。そして、作成された立体画像が保存されると、プロセッサ24はスレーブ処理を終了する。また、ステップS127の処理を実行するプロセッサ24は立体画像作成部または第2立体画像作成部として機能する。
【0129】
なお、本実施例では、各携帯電話機10の撮影処理は同期されていない。これは、撮影するタイミングを合わせるために、数百msのタイムラグを設けてしまうと、その間に被写体が動いてしまい、正しく撮影できなくなる可能性があるからである。ただし、他の実施例では、ペアリングの際に各携帯電話機10の時刻を一致させておき、撮影命令がマスタとして動作する携帯電話機10から発行された後に、各携帯電話機10で極短い時間毎に連続して撮影を行ってもよい。これにより、他の実施例では、各携帯電話機10を同期させなくても、略同じ時刻(タイミング)で撮影された2枚の撮影画像を利用して立体画像を作成することができるようになる。
【0130】
たとえば、マスタ端末では300m秒毎に4枚の画像を撮影して、スレーブ端末では450m秒毎に3枚の画像を撮影して、通信による遅延は200m秒とする。このとき、マスタ端末で1枚目に撮影された時刻が11時00分00秒000m秒であれば、スレーブ端末で1枚目に撮影される時刻は11時00分00秒200m秒となる。この場合、マスタ端末で11時00分00秒600m秒に撮影される3枚目の撮影画像と、スレーブ端末で11時00分00秒650m秒に撮影される2枚目の撮影画像との差が最も短くなる。そのため、マスタ端末で3枚目に撮影された撮影画像と、スレーブ端末で2枚目に撮影された撮影画像とから、立体画像が作成される。
【0131】
また、上記のように立体画像を作成する場合、マスタ処理のステップS67では、300m秒毎に4枚の画像を撮影する撮影処理が実行される。続いて、マスタ処理のステップS69では複数の撮影画像をスレーブ端末に送信し、ステップS71ではスレーブ端末から複数の撮影画像を受信する。続いて、ステップS73では、まず、自身で撮影した画像のメタ情報と、スレーブ端末で撮影された画像のメタ情報とに基づいて、略同じ時刻で撮影された2枚の撮影画像を選択する処理が行われる。そして、ステップS73では、2枚の撮影画像を選択すると、その2枚の撮影画像から立体画像が作成される。
【0132】
一方、スレーブ処理のステップS121では、450m秒毎に3枚の画像を撮影する処理が実行される。そして、マスタ処理のステップS69,S71,S73に対応する、ステップS123,S125,S127でも上記したように処理されて、略同じ時刻で撮影された2枚の撮影画像から立体画像が作成される。
【0133】
また、その他の実施例では、携帯電話機10aがスレーブとして動作し、携帯電話機10bがマスタとして動作してもよい。
【0134】
また、本実施例では、2枚のエッジ画像の重複率が閾値以上になれば、自動的に撮影処理が実行されるようにしたが、さらに他の実施例では、2枚のエッジ画像の重複率が閾値以上になれば、撮影のタイミングを使用者に指示するようにしてもよい。
【0135】
また、その他の実施例では、3Dディスプレイ30の代わりに、通常のディスプレイが設けられてもよい。
【0136】
また、他の実施例では、マスタ端末に対して、複数のスレーブ端末が接続された状態で、立体画像を撮影するソフトが実行されてもよい。
【0137】
また、携帯電話機10の通信方式はCDMA方式であるが、LTE(Long Term Evolution)方式、W−CDMA方式、GSM方式、TDMA方式、FDMA方式およびPHS方式などが採用されてもよい。
【0138】
また、本実施例で用いられた複数のプログラムは、データ配信用のサーバのHDDに記憶され、ネットワークを介して携帯電話機10に配信されてもよい。また、CD,DVD,BD(Blu−ray Disc)などの光学ディスク、USBメモリおよびメモリカードなどの記憶媒体に複数のプログラムを記憶させた状態で、その記憶媒体が販売または配布されてもよい。そして、上記したサーバや記憶媒体などを通じてダウンロードされた、複数のプログラムが本実施例と同等の構成の携帯電話機にインストールされた場合、本実施例と同等の効果が得られる。
【0139】
また、その他の実施例では、携帯電話機10が上述した複数のプログラムのインストールデータを持っていてもよい。これにより、相手の携帯電話機に上述した複数のプログラムがインストールされていない場合、使用者は、近距離無線通信よって複数のプログラムのインストールデータを送信し、相手の携帯電話機に上述のプログラムをインストールさせることができる。そして、相手の携帯電話機で上述のプログラムのインストールが完了すれば、使用者は相手の携帯電話機を利用して、立体画像を撮影することができるようになる。
【0140】
さらに、本実施例は、携帯電話機10のみに限らず、いわゆるスマートフォンおよびPDA(Personal Digital Assistant)に適用されてもよい。
【0141】
そして、本明細書中で挙げた、所定の距離、遅延時間、撮影間隔、所定時間、特定の時間および閾値などの具体的な数値は、いずれも単なる一例であり、製品の仕様などの必要に応じて適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0142】
10a,10b … 携帯電話機
24 … プロセッサ
26 … キー入力装置
32 … フラッシュメモリ
34 … RAM
36 … カメラ制御回路
38 … イメージセンサ
40 … フォーカスレンズ
42 … 近距離無線通信回路
44 … 近距離無線通信アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
近距離無線通信によって接続される2台の携帯通信端末を有する、立体画像撮影システムであって、
各携帯通信端末は、
画像を出力するカメラモジュール、
前記カメラモジュールから出力されたプレビュー画像から第1エッジ画像を作成する作成部、
前記作成部によって作成された第1エッジ画像を、相手の携帯通信端末に送信する送信部、および
相手の携帯通信端末の送信部によって送信された第2エッジ画像を受信する受信部を含み、
前記第1エッジ画像と前記第2エッジ画像との重複率を算出する算出部、
前記算出部によって算出された重複率が閾値以上のとき、一方の携帯通信端末から他方の携帯通信端末に対して撮影命令を発行する命令発行部、
前記命令発行部によって撮影命令が発行された後に、前記一方の携帯通信端末のカメラモジュールによって撮影処理を実行する第1実行部、
前記命令発行部によって発行された撮影命令に基づいて、前記他方の携帯通信端末のカメラモジュールによって撮影処理を実行する第2実行部、および
前記第1実行部が実行した撮影処理によって撮影された第1撮影画像と、前記第2実行部が実行した撮影処理によって撮影された第2撮影画像とから立体画像を作成する立体画像作成部を備える、立体画像撮影システム。
【請求項2】
時刻情報を出力する時刻情報出力部をさらに備え、
前記第1実行部および前記第2実行部は、連続して撮影処理を実行し、
前記第1撮影画像および前記第2撮影画像は、前記時刻情報が出力する時刻情報に基づいて、撮影時刻が対応付けられた複数の撮影画像を含み、
前記立体画像作成部は、前記第1撮影画像および前記第2撮影画像のそれぞれに含まれる複数の撮影画像から、撮影時刻が最も短い第1撮影画像および第2撮影画像を選択して立体画像を作成する、請求項1記載の立体画像撮影システム。
【請求項3】
画像を出力するカメラモジュールを有し、マスタとスレーブとの関係がある近距離無線通信を行う、携帯通信端末であって、
前記カメラモジュールから出力されたプレビュー画像から第1エッジ画像を作成する作成部を備え、
マスタとして動作する携帯通信端末は、
スレーブとして動作する携帯通信端末が送信した第2エッジ画像を受信する第1受信部、
前記第1エッジ画像と前記第2エッジ画像との重複率を算出する算出部、
前記算出部によって算出された重複率が閾値以上のとき、前記スレーブとして動作する携帯通信端末に撮影命令を発行する命令発行部、
前記命令発行部によって撮影命令が発行された後に、前記カメラモジュールによって撮影処理を実行する第1実行部、
前記命令発行部が発行した撮影命令に応じて、前記スレーブとして動作する携帯通信端末が撮影し、送信した第1撮影画像を受信する第2受信部、および
前記第2受信部によって受信された第1撮影画像と、前記第1実行部が実行した撮影処理によって撮影された第2撮影画像とから立体画像を作成する第1立体画像作成部をさらに備え、
スレーブとして動作する携帯通信端末は、
前記作成部によって作成された第1エッジ画像を、マスタとして動作する携帯通信端末に送信する送信部、
前記マスタとして動作する携帯通信端末が発行した撮影命令に応じて前記カメラモジュールによって撮影処理を実行する第2実行部、
前記マスタとして動作する携帯通信端末によって撮影および送信された第3撮影画像を受信する第3受信部、および
前記第3受信部によって受信された第3撮影画像と、前記第2実行部が実行した撮影処理によって撮影された第4撮影画像とから立体画像を作成する第2立体画像作成部をさらに備える、携帯通信端末。
【請求項4】
時刻情報を出力する時刻情報出力部をさらに備え、
前記カメラモジュールから出力される画像は、前記時刻情報が出力する時刻情報に基づいて、撮影時刻が対応付けられ、
マスタとして動作する携帯通信端末では、
前記第1実行部は、連続して撮影処理を実行し、
前記第2受信部は、前記スレーブとして動作する携帯通信端末によって連続して撮影された複数の第1撮影画像を受信し、
前記第1立体画像作成部は、前記複数の第1撮影画像と、前記第1実行部が連続して実行した撮影処理によって撮影された複数の第2撮影画像とから、撮影時刻が最も短い第1撮影画像および第2撮影画像を選択して立体画像を作成し、
前記スレーブとして動作する携帯通信端末では、
前記第2実行部は、連続して撮影処理を実行し、
前記第3実行部は、前記マスタとして動作する携帯通信端末によって連続して撮影された複数の第3撮影画像を受信し、
前記第2立体画像作成部は、前記複数の第3撮影画像と、前記第2実行部が連続して実行した撮影処理によって撮影された複数の第4撮影画像とから、撮影時刻が最も短い第3撮影画像および第4撮影画像を選択して立体画像を作成する、請求項3記載の携帯通信端末。
【請求項5】
前記カメラモジュールから出力されたプレビュー画像に、前記第1受信部によって受信された第2エッジ画像を重ねて表示する表示部をさらに備える、請求項3または4記載の携帯通信端末。
【請求項6】
前記カメラモジュールの仕様を示す第1カメラデータを記憶する記憶部をさらに備え、
マスタとして動作する携帯通信端末は、
スレーブとして動作する携帯通信端末が送信した第2カメラデータを受信するカメラデータ受信部、
前記記憶部に記憶されている第1カメラデータと、前記カメラデータ受信部によって受信された第2カメラデータとを照合する照合部、
前記照合部の照合結果に基づいて、設定できる撮影条件を選択可能に表示する撮影条件表示部、
前記撮影条件表示部によって選択可能に表示された撮影条件が選択されたとき、前記カメラモジュールの撮影条件を設定する第1設定部、および
前記第1設定部によって設定された撮影条件を前記スレーブとして動作する携帯通信端末に送信する撮影条件送信部をさらに備え、
スレーブとして動作する携帯通信端末は、
マスタとして動作する携帯通信端末に対して、前記記憶部に記憶される第1カメラデータを送信するカメラデータ送信部、および
前記マスタとして動作する携帯通信端末が送信した撮影条件を受信したとき、前記カメラモジュールの撮影条件を設定する第2設定部をさらに備える、請求項3ないし5のいずれかに記載の携帯通信端末。
【請求項7】
前記撮影条件は、画素数を含む、請求項6記載の携帯通信端末。
【請求項8】
マスタとして動作する携帯通信端末は、
スレーブとして動作する携帯通信端末を検索する検索部、および
スレーブとして動作する携帯通信端末を発見したとき、その携帯通信端末との近距離無線通信を確立する第1確立部をさらに備え、
スレーブとして動作する携帯通信端末は、
マスタとして動作する携帯通信端末によって発見されたとき、その携帯通信端末との近距離無線通信を確立する第2確立部をさらに備える、請求項3ないし7のいずれかに記載の携帯通信端末。
【請求項9】
画像を出力するカメラモジュールを有し、近距離無線通信においてマスタとして動作して、スレーブとして動作する携帯通信端末と近距離無線通信を確立する、携帯通信端末であって、
前記カメラモジュールから出力されたプレビュー画像から第1エッジ画像を作成する作成部、
前記スレーブとして動作する携帯通信端末が送信した第2エッジ画像を受信する第1受信部、
前記第1エッジ画像と前記第2エッジ画像との重複率を算出する算出部、
前記算出部によって算出された重複率が閾値以上のとき、前記スレーブとして動作する携帯通信端末に撮影命令を発行する命令発行部、
前記算出部によって算出された重複率が閾値以上のとき、前記カメラモジュールによって撮影処理を実行する実行部、
前記命令発行部が発行した撮影命令に応じて、前記スレーブとして動作する携帯通信端末が撮影して送信した第1撮影画像を受信する第2受信部、および
前記第2受信部によって受信された第1撮影画像と、前記実行部が実行した撮影処理によって撮影された第2撮影画像とから立体画像を作成する立体画像作成部を備える、携帯通信端末。
【請求項10】
画像を出力するカメラモジュールを有し、近距離無線通信においてスレーブとして動作して、マスタとして動作する携帯通信端末と近距離無線通信を確立する、携帯通信端末であって、
前記カメラモジュールから出力されたプレビュー画像からエッジ画像を作成する作成部、
前記作成部によって作成されたエッジ画像を、前記マスタとして動作する携帯通信端末に送信する送信部、
前記マスタとして動作する携帯通信端末が発行した撮影命令に応じて前記カメラモジュールによって撮影処理を実行する実行部、
前記マスタとして動作する携帯通信端末が撮影して送信した第1撮影画像を受信する受信部、および
前記受信部によって受信された第1撮影画像と、前記実行部が実行した撮影処理によって撮影された第2撮影画像とから立体画像を作成する立体画像作成部を備える、携帯通信端末。
【請求項11】
近距離無線通信によって接続される2台の携帯通信端末を有する、立体画像撮影システムの立体画像撮影方法であって、
各携帯通信端末は、
画像を出力するカメラモジュール、
前記カメラモジュールから出力されたプレビュー画像から第1エッジ画像を作成する作成部、
前記作成部によって作成された第1エッジ画像を、相手の携帯通信端末に送信する送信部、および
相手の携帯通信端末の送信部によって送信された第2エッジ画像を受信する受信部を含み、
前記第1エッジ画像と前記第2エッジ画像との重複率を算出し、
算出された重複率が閾値以上のとき、一方の携帯通信端末から他方の携帯通信端末に対して撮影命令を発行し、
撮影命令が発行された後に、前記一方の携帯通信端末のカメラモジュールによって撮影処理を実行し、
発行された撮影命令に基づいて、前記他方の携帯通信端末のカメラモジュールによって撮影処理を実行し、そして
前記一方の携帯通信端末で実行された撮影処理によって撮影された第1撮影画像と、前記他方の携帯通信端末で実行された撮影処理によって撮影された第2撮影画像とから立体画像を作成する、立体画像撮影方法。
【請求項12】
画像を出力するカメラモジュールを有し、マスタとスレーブとの関係がある近距離無線通信を行う、携帯通信端末のプロセッサを、
前記カメラモジュールから出力されたプレビュー画像から第1エッジ画像を作成する作成部として機能させ、
マスタとして動作する携帯通信端末のプロセッサを、
スレーブとして動作する携帯通信端末が送信した第2エッジ画像を受信する第1受信部、
前記第1エッジ画像と前記第2エッジ画像との重複率を算出する算出部、
前記算出部によって算出された重複率が閾値以上のとき、前記スレーブとして動作する携帯通信端末に撮影命令を発行する命令発行部、
前記命令発行部によって撮影命令が発行された後に、前記カメラモジュールによって撮影処理を実行する第1実行部、
前記命令発行部が発行した撮影命令に応じて、前記スレーブとして動作する携帯通信端末が撮影し、送信した第1撮影画像を受信する第2受信部、および
前記第2受信部によって受信された第1撮影画像と、前記第1実行部が実行した撮影処理によって撮影された第2撮影画像とから立体画像を作成する第1立体画像作成部としてさらに機能させ、
スレーブとして動作する携帯通信端末のプロセッサを、
前記作成部によって作成された第1エッジ画像を、マスタとして動作する携帯通信端末に送信する送信部、
前記マスタとして動作する携帯通信端末が発行した撮影命令に応じて前記カメラモジュールによって撮影処理を実行する第2実行部、
前記マスタとして動作する携帯通信端末によって撮影および送信された第3撮影画像を受信する第3受信部、および
前記第3受信部によって受信された第3撮影画像と、前記第2実行部が実行した撮影処理によって撮影された第4撮影画像とから立体画像を作成する第2立体画像作成部としてさらに機能させる、立体画像撮影プログラム。
【請求項13】
画像を出力するカメラモジュールを有し、マスタとスレーブとの関係がある近距離無線通信を行う、携帯通信端末の立体画像撮影方法であって、
前記カメラモジュールから出力されたプレビュー画像から第1エッジ画像を作成して、
マスタとして動作する携帯通信端末では、
スレーブとして動作する携帯通信端末が送信した第2エッジ画像を受信し、
前記第1エッジ画像と前記第2エッジ画像との重複率を算出し、
算出された重複率が閾値以上のとき、前記スレーブとして動作する携帯通信端末に撮影命令を発行し、
撮影命令が発行された後に、前記カメラモジュールによって撮影処理を実行し、
発行した撮影命令に応じて、前記スレーブとして動作する携帯通信端末が撮影し、送信した第1撮影画像を受信し、そして
受信された第1撮影画像と、撮影処理によって撮影された第2撮影画像とから立体画像を作成して、
スレーブとして動作する携帯通信端末では、
作成された第1エッジ画像を、マスタとして動作する携帯通信端末に送信する送信部、
前記マスタとして動作する携帯通信端末が発行した撮影命令に応じて前記カメラモジュールによって撮影処理を実行し、
前記マスタとして動作する携帯通信端末によって撮影および送信された第3撮影画像を受信し、そして
受信された第3撮影画像と、撮影処理によって撮影された第4撮影画像とから立体画像を作成する、立体画像撮影方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−227740(P2012−227740A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−93712(P2011−93712)
【出願日】平成23年4月20日(2011.4.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】