説明

竹の特性を利用した木工用サンドヤスリ

【課題】コストが低廉で、手軽さと使い良さ、更に削り切れ味の良さなどの高い性能を発揮できる、木工用サンドヤスリの製造方法を提供する。
【解決手段】管状繊維の集合体である竹の単位材11、12、12、13、14を密度と強靭さを更に高める形状への削り加工した単位材を、外側への曲げに強力な反発が発生する、特性、対、特性を向かい合わせた11面対11面と、13面対13面の接着で構成される。木工用サンドヤスリ芯材に必要な先細形状であっても、対材削りへの押し圧に、高強度性を発揮させることが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、竹の特性である管状繊維と密度構造に、対圧強度性を発生させた形状利用による、木工用サンドヤスリ芯材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
木材や竹など植物系の素材は、それぞれ繊維の成長過程による配列方向があり、彫刻刃セットが示すように、加工面に於いて刃物の向きと、熟練した削りへの押し圧力が必要である。
そのため、刃物に応じた押し力を出す柄がある。ただし、加工面の場所次第ではその道具が使いづらいか、逆目を起こして取り返しのつかない失敗になることがある。そこで網目状の刃先を持ったヤスリを使用することもあるが、非常に目が荒いのが現状である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
木工用ヤスリの目が荒いのは、植物繊維の場合は、ヤスリの刃先が削りにかかるときの押し圧に対して繊維が切れるため縮むからで、目一杯に食い込んだ削り屑がはずれにくく、目詰まりしてヤスリの機能が発揮しづらいためで、細目は考えられないハードルとなっている。木工用ヤスリの宿命的な目詰まりを避ける方法に、サンドペーパーなどに見られる、縦横な刃先を持ったサンドをヤスリ化する解決法であるが、先行技術にダイヤモンドヤスリなどがある。ただし、目詰まりとなる繊維系に対しては充分な機能が発揮できない状態である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために本発明は、竹が持っている材質特性を有効に利用して、作業面の能率や使いやすさを発揮できるよう、先細形状であっても押し圧に耐える、強度を上げる加工法で構成される。
【0005】
木工用サンドヤスリの本体は、木や竹の不要部を削り取るのが目的であるので、サンドヤスリ芯材は押し圧が発揮できる強度が必要となる。竹の繊維は根基から葉まで多くの管状繊維が続いており、途中で変わることのない同一繊維の集合体である。特に外側面になるほど集合密度が高く強靱である。密度の高い図2の11、12、13状に裁断した、図3の11、12、12、13、14状の板材を作り、図4の13の面を14に向かって厚みを削り取り、図5の11と11を合わせた接着、又は13と13を合わせた接着を成した単位材を作る。
【0006】
さらに、先部を繊維密度の高い面に集約した単位材を丸、四角、平、半丸などと大きさなどの任意形状に削り加工して、木工用サンドヤスリの芯材を作る、図6はサンドヤスリ芯材の丸形で握り手部、AとBは繊維密度に違いがある、図7は同丸形の先細先端部で13の面を11面へ徐徐に削り寄せてあるために繊維密度が高く、高強靱性となって、サンドヤスリに必要な押し圧に対する強度が得られる。
【0007】
また、先細でない形状では竹の根元へ寄った厚みのある竹で、図3の11、12、13、14の状体に裁断し、竹の反発性を活かすために、13と12、12の面を主な使用面の形状に加工し、11面は補助的使用面で利用する。
【0008】
また、木工用サンドヤスリの芯材、任意形状の内で図1は丸形、サンドの直付式がイでロは替刃式である。替刃式はサンドペーパーを芯材に合うように、正確なサイズにカットしたものに両面テープを貼り付けて、竹製芯材に貼り巻き付ける。サンドペーパーは粒度別に用意し、両面テープはサンドペーパーのカット前に貼り付けておき、端端まで正確にして両面テープは薄目のソフトテープが合うが限定ではない。ただし、削り屑をサンドから離す作用があり、より高い機能性が得られる。
【発明の効果】
【0009】
以上、説明したように、本発明による木工用サンドヤスリ芯材の製造方法によれば、竹の特性である管状繊維密度の構成からなる材質特徴の利用法で、同一繊維が両端へ続く特性と繊維密度の高い外側面へ寄せるため、内側面の削りで調整した単位材を、サンドヤスリ芯材に必要な対押し圧に対する強度性を高めるために、竹の外側へ曲げにくい反発性を活かす外側面対外側面、内側面対内側面の接着は高い強度性が発生するので、先細形状でも押し圧に耐える、木工用サンドヤスリの芯材が得られる。
【0010】
削り加工をする木工機器に於いては、すべてが刃先の鋭利性が消滅したときに、その機能を失う。不偏の原則の中で木工用ヤスリも同じであるが、その前に削り対材である木や竹の材質は、削り圧のためにある程度縮むので、削り刃へ余分な食い込みの目詰まりが起きて、機能を失うことが多い。竹製芯材からなる、木工用サンドヤスリは、削り対材を押し縮めの食い込みが少なく、特に竹が管状繊維の集合体であるために、使用時、芯材本体に振動作用が発生して、削り屑の離れと落ちが良く、ヤスリ機能の大幅な成果が発揮できる。
【0011】
また、木工用サンドヤスリに有効な結果を発揮できる、良質の竹資源が日本には豊富にあり、資源の有効利用並びに産業廃棄物の発生が少ない利点などと、手の感に呼応する管状繊維の集合体である、竹独特の使用感覚が得られて、非常に削りの切れ味が良く、新たな木工産業と工芸品製作に大きく寄与を得ることができる。
【0012】
また、本発明の竹の特性を利用した、木工用サンドヤスリの芯材には、サンドの直付け式と、または、サンドペーパーの貼り付けによる替刃式とで、木や竹の製品加工の効能率化と、比較的未熟な児童が工作に受け入れやすく、安全性が高いなどと利用分野の広さがある。
【0013】
また、本発明の木工用サンドヤスリ芯材は、先細でない形状や精巧さが低くても良いものに於いては、竹の根元部など厚みのある部分を利用し、反発性を活かした任意形状でもよく製造コスト面で利用しやすさを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の木工用サンドヤスリ及びその製造方法は、竹の特性である管状繊維体を繊維密度と強靱さが高くなる外側面へ必要形状の削り加工をなして、竹の習性である外側へは曲げにくい反発性を活用した接着方法で、高強度性のサンドヤスリ用芯材を作ることができる。
【0015】
また、強度を上げる接着は2系統で、竹の外側面対外側面と内側面対内側面で互いの反発性を活かすために、接着面作りの削りは、原則的に繊維密度の高い外側は最小限の削りで、内側面を先端部へ徐々に薄める削りで調整し、強度の集約をすることで、サンドヤスリ芯材の使用役目である、対押し圧性を発揮させることができる。
【0016】
また、サンドヤスリ芯材の先細形でないものや精巧さが低いものに於いては、竹の厚みのある根元部などを利用し、竹の反発性を活かす方法として内側面を主な使用面とし、外側面は補佐的利用で製造コストを下げることも可能である。
【実施例】
【0017】
以下、添付図面に基づき、本発明の好適な実施例を説明する。図1の10は、本発明の実施例の木工用サンドヤスリの斜視図であり、10のイはサンドの直付式、10のロはサンドペーパーを貼り付けた替刃式で、イとロはサンドヤスリ任意形状の内の先細丸棒形である。
【0018】
図2は、円筒体である竹の切断面で、11が外側面で繊維密度が高い、12と12は側面で、徐々に繊維密度が内側に向かって低くなっている。13は内側部で繊維密度はまばらで、繊維ではない材質でなりたっている。巾や厚みは任意形状に必要な大きさの竹を使用する。
【0019】
図3は、円筒体の竹から割り削りなどの工程をかけた形状で節間材であるが、最下枝より根元部までは、全長とも繊維数が同じで節があっても良い。図4は、図3の形状から側面部の12と12部を先細状に巾を削り、更に13面を先端部14に向かって徐々に厚みを削り取り、繊維密度の高い11に集形して接着前の単位材を作る。11の面は、接着面作りの必要最小限の削りで調整すれば、接着後に高強度の木工サンドヤスリ用の芯材を得ることができる。
【0020】
図5は、サンドヤスリ芯材の握り手部の断面図で、Aは単位材の11面対11、面Bは13面対13面を接着した状態で繊維密度に違いがある。図6は、サンドヤスリ芯材を任意形状の内の丸棒形の握り手部。Aは11面対11面の接着状態で、Bは13面対13面の接着状態である。図7は、丸棒形の先細先端部の断面図で、AとBともに、図4の方法で削り寄せてあるので、AとBとも反発性を含み、強力なサンドヤスリ芯材となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施例に係る、木工用サンドヤスリの斜視説明図である。
【図2】円筒形の竹の切断面で、単位材への裁断面説明図である。
【図3】単位材の裁断初期工程の斜視説明図である。
【図4】単位材の先細形状の斜視説明図である。
【図5】単位材を合わせ接着した、握り手側断面の説明図である。
【図6】丸棒形の握り手部断面の接着説明図である。
【図7】丸棒形の先細部断面の繊維密度が高くなった説明図である。
【符号の説明】
【0022】
10.木工用サンドヤスリ
10.イ.サンドの直付式
10.ロ.サンドペーパーの貼り付式
11.単位材の外側面
12.単位材の側面
13.単位材の内側面
14.単位材の先端部






















【特許請求の範囲】
【請求項1】
竹の強靱な繊維集合部である外側面と外側面を接着し、反発性利用による対圧高強度材を中心に、任意形状の芯材を作り、サンドを直付けとするか、又はサンドペーパーを貼り付けた替刃式を特徴とする、木工用サンドヤスリ芯材。
【請求項2】
竹の接着面を内側面と内側面の場合は、任意形状の対圧強度に合うよう、内側面で削り調整をしておき、木工用サンドヤスリを芯材に先細形状でないものに於いては、竹の根元部などの厚みのある部分を、竹の反発性を活かした任意形状に削り加工して対応させる木工用サンドヤスリ芯材。


































【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2006−136989(P2006−136989A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−330185(P2004−330185)
【出願日】平成16年11月15日(2004.11.15)
【出願人】(593217351)
【Fターム(参考)】