説明

粘着テープ又はシート、および紙おむつ

【課題】 容易に長尺状に展開できる形態で折り畳まれ、風合いがよく、不織布等による表面を有する物品に貼付させた際に目立たなくできる粘着テープ又はシートを提供する。
【解決手段】 一方の端部につまみ部が形成され、且つつまみ部が形成されていない端部側の部位が折り畳まれた際の表面側に位置するような形態を有しているとともに、(a)〜(c)の構成を有し、且つつまみ部を引っ張ることにより長尺状に展開させることが可能であって、不織布製基材を支持体であることを特徴とする。(a)つまみ部が形成されていない端部側の部位の表面に、粘着剤層を有する構成;(b)つまみ部が形成された端部側の表面に粘着剤層を有し、それに対向している面が離型処理層により剥離可能に貼り合わせられた構成;(c)その他の対向している面が、粘着剤層と離型処理層との組み合わせ、又は仮着剤層どうしの組み合わせにより、剥離可能に貼り合わせられた構成

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着テープ又はシート、および紙おむつに関し、さらに詳しくは、容易に展開することができる形態で折り畳まれ、風合いがよく、また、不織布等の繊維質材料による表面を有する物品に貼付させた際に目立たなくすることができる粘着テープ又はシート、および該粘着テープ又はシートが設けられた紙おむつに関する。
【背景技術】
【0002】
紙おむつ(特に、パンツ型紙おむつ)には、廃棄の際に、丸めた状態で保持させるための拘束用粘着テープ又はシートが設けられている。このような拘束用粘着テープ又はシートとしては、従来、自由端部をおむつ廃棄時に用いる止着部となしてあり、且つその伸展時に該止着部がウエスト部の開口縁部を超えて位置し得る長さを有し、固定部を含む領域、上記止着部を含む領域および上記両領域を連結する中間領域の3層からなる3つ折り状態に折りたたまれているもの(特許文献1参照)や、いずれか一方の端部の表面に、被着面に固定するための固定部を設けたテープ状の支持体を、前記固定部が外側に位置するようにほぼ二つ折りにして、当該二つ折りにした支持体を折り目側から、順次同じ方向に少なくとも1回以上繰り返して折り畳み若しくは巻回したこともの(特許文献2参照)などが提案されている。
【0003】
【特許文献1】実公平8−10305号公報
【特許文献2】特開平9−272845号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、パンツ型紙おむつに用いられている従来の拘束用粘着テープ又はシートは、支持体として、プラスチックフィルム又はシート等のプラスチック製基材が用いられており、風合いはあまりよくなく、しかも、パンツ型紙おむつに貼付された状態では、拘束用粘着テープ又はシートが目立ってしまい、拘束用粘着テープ又はシートが貼付されたパンツ型紙おむつの外観性が低かった。そこで、拘束用粘着テープ又はシートが、パンツ型紙おむつに貼付されても、目立たないようにするために、拘束用粘着テープ又はシートとして、白色に着色させたプラスチックフィルム又はシート等の白色系プラスチック製基材を支持体としたものが用いられているが、それでも、やはり目立っており、風合いがよく、また、不織布等の繊維質材料による表面を有する物品に貼付させた際に目立たなくすることができる拘束用粘着テープ又はシートが求められている、
【0005】
従って、本発明の目的は、容易に長尺状に展開することができる形態で折り畳まれ、風合いがよく、また、不織布等の繊維質材料による表面を有する物品に貼付させた際に目立たなくすることができる粘着テープ又はシートを提供することにある。
本発明の他の目的は、紙おむつを廃棄する際に丸めた状態で保持させるための拘束用粘着テープ又はシートとして好適に用いることができる粘着テープ又はシートを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、廃棄の際に、丸めた状態で保持させるための拘束用粘着テープ又はシートが貼付されていても、拘束用粘着テープ又はシートが目立たず、外観性が良好である紙おむつを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記の問題点を解決するために鋭意検討した結果、長尺状に展開させることが可能な形態で折り畳まれた状態の粘着テープ又はシートにおける特定の部位を構成する支持体として、特定の基材を用いると、容易に長尺状に展開させることができる形態で折り畳むことができ、また、折り畳まれた際の風合いがよく、さらにまた、不織布等の繊維質材料による表面を有する物品に貼付させた際に目立たなくすることができることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成されたものである。
【0007】
すなわち、本発明は、一方の端部につまみ部が形成され、且つつまみ部が形成されていない端部側の部位が折り畳まれた際の表面側に位置するような形態で、折り畳まれた構成を有しているとともに、下記の(a)〜(c)の構成を有しており、且つつまみ部を引っ張ることにより長尺状に展開させることが可能な粘着テープ又はシートであって、少なくとも、折り畳まれた際に主として他方の表面側に位置している部位が、不織布製基材を支持体として形成されていることを特徴とする粘着テープ又はシートである。
(a)つまみ部が形成されていない端部側の部位の表面に、物品に貼付するための粘着剤層を有する構成
(b)つまみ部が形成された端部側の部位の何れかの表面において、つまみ部が形成される形態で、物品に貼付するための粘着剤層を有し、且つつまみ部が形成された端部側の部位と、該つまみ部が形成された端部側の部位における粘着剤層が形成された面に対して対向している面を有する部位とが、離型処理層により剥離可能に貼り合わせられた構成
(c)その他の対向している面を有する部位どうしが、粘着剤層と離型処理層との組み合わせ、又は仮着剤層どうしの組み合わせにより、剥離可能に貼り合わせられた構成
【0008】
本発明の粘着テープ又はシートとしては、不織布製基材における不織布が、ポリオレフィン系繊維、ポリアミド系繊維、およびポリエステル系繊維から選択された少なくとも一種の繊維により形成されていることが好ましく、不織布製基材における不織布が、複数の不織布が積層された不織布多層構造を有していることが好ましい。また、不織布製基材としては、不織布の一方の面に、プラスチック材料によるラミネート層が形成された積層体であることが好適であり、不織布製基材におけるラミネート層としては、ポリオレフィン系樹脂により形成されていることが好ましい。不織布製基材における不織布の厚みは、50〜500μmであってもよく、また、不織布製基材におけるラミネート層の厚みは、5〜50μmであってもよい。さらにまた、折り畳まれた際に主として他方の表面側に位置している部位が、不織布製基材を支持体として形成され、その他の部位が、プラスチック製基材を支持体として形成されていることが好ましい。
【0009】
前記粘着テープ又はシートは、一方の端部につまみ部が形成され、且つつまみ部が形成された端部側の部位およびつまみ部が形成されていない端部側の部位が、折り畳まれた際のそれぞれの表面側に位置するような形態で、且つつまみ部が形成された端部とつまみ部が形成されていない端部とが異なる方向に向いた状態となって、蛇腹状に2回以上折り曲げることにより折り畳まれた構成を有しているとともに、下記の(a1)〜(d1)の構成を有しており、且つつまみ部を引っ張ることにより長尺状に展開させることが可能な粘着テープ又はシートであって、少なくとも、折り畳まれた際に主として表面側に位置しているつまみ部が形成された端部側の部位が、不織布製基材を支持体として形成されている粘着テープ又はシートであってもよい。
(a1)つまみ部が形成されていない端部側の部位の表面に、物品に貼付するための粘着剤層を有する構成
(b1)つまみ部が形成された端部側の部位におけるつまみ部が形成されていない端部側の面に、つまみ部が形成される形態で、物品に貼付するための粘着剤層を有し、且つつまみ部が形成された端部側の部位と、該つまみ部が形成された端部側の部位に対して対向している部位とが、離型処理層により剥離可能に貼り合わせられた構成
(c1)つまみ部が形成されていない端部側の部位と、該つまみ部が形成されていない端部側の部位に対して対向している部位とが、仮着剤層により剥離可能に貼り合わせられた構成
(d1)蛇腹状に4回以上折り曲げることにより折り畳まれた構成を有している場合、折り畳まれた際の対向している折り目部間の部位どうしが、仮着剤層により剥離可能に貼り合わせられた構成
【0010】
また、前記粘着テープ又はシートは、一方の端部につまみ部が形成され、且つつまみ部が形成された端部側の部位およびつまみ部が形成されていない端部側の部位が、折り畳まれた際のそれぞれの表面側に位置するような形態で、且つつまみ部が形成された端部とつまみ部が形成されていない端部とが同一方向に向いた状態となって、蛇腹状に3回以上折り曲げることにより折り畳まれた構成を有しているとともに、下記の(a2)〜(d2)の構成を有しており、且つつまみ部を引っ張ることにより長尺状に展開させることが可能な粘着テープ又はシートであって、少なくとも、折り畳まれた際に主として表面側に位置しているつまみ部が形成された端部側の部位が、不織布製基材を支持体として形成されている粘着テープ又はシートであってもよい。
(a2)つまみ部が形成されていない端部側の部位の表面に、物品に貼付するための粘着剤層を有する構成
(b2)つまみ部が形成された端部側の部位におけるつまみ部が形成されていない端部側の面に、つまみ部が形成される形態で、物品に貼付するための粘着剤層を有し、且つつまみ部が形成された端部側の部位と、該つまみ部が形成された端部側の部位に対して対向している部位とが、離型処理層により剥離可能に貼り合わせられた構成
(c2)つまみ部が形成されていない端部側の部位に対して対向している部位におけるつまみ部が形成されていない端部側の部位側の面に粘着剤層を有し、且つつまみ部が形成されていない端部側の部位と、該つまみ部が形成されていない端部側の部位に対して対向している部位とが、離型処理層により、少なくとも部分的に剥離可能に貼り合わせられた構成
(d2)折り畳まれた際の対向している折り目部間の部位どうしが、仮着剤層により剥離可能に貼り合わせられた構成
【0011】
さらに、前記粘着テープ又はシートは、一方の端部につまみ部が形成され、且つつまみ部が形成された端部側の部位およびつまみ部が形成されていない端部側の部位が、折り畳まれた際のそれぞれの表面側に位置するような形態で、且つつまみ部が形成された端部とつまみ部が形成されていない端部とが異なる方向に向いた状態となって、蛇腹状に2回以上折り曲げることにより折り畳まれた構成を有しているとともに、つまみ部が形成されていない端部側から2つ目の折り目部が、つまみ部が形成されていない端部よりも突出した状態で折り畳まれた構成を有しており、また、且つ下記の(a3)〜(d3)の構成を有しており、且つつまみ部を引っ張ることにより長尺状に展開させることが可能な粘着テープ又はシートであって、少なくとも、折り畳まれた際に主として表面側に位置しているつまみ部が形成された端部側の部位が、不織布製基材を支持体として形成されている粘着テープ又はシートであってもよい。
(a3)つまみ部が形成されていない端部側の部位の表面に、物品に貼付するための粘着剤層を有する構成
(b3)つまみ部が形成された端部側の部位におけるつまみ部が形成されていない端部側の面に、つまみ部が形成される形態で、物品に貼付するための粘着剤層を有し、且つつまみ部が形成された端部側の部位と、該つまみ部が形成された端部側の部位に対して対向している部位とが、離型処理層により剥離可能に貼り合わせられた構成
(c3)つまみ部が形成されていない端部側から1つ目の折り目部と、2つ目の折り目部との間の部位におけるつまみ部が形成されていない端部側の部位側の面において、つまみ部が形成されていない端部側の部位と重ね合わせられていない露出した表面に、少なくとも部分的に、長尺状に展開させるまで物品に貼付するための仮止め層を有する構成
(d3)蛇腹状に4回以上折り曲げることにより折り畳まれた構成を有している場合、折り畳まれた際の対向している折り目部間の部位どうしが、剥離可能に貼り合わせられた構成
【0012】
さらにまた、前記粘着テープ又はシートは、一方の端部につまみ部が形成され、且つつまみ部が形成された端部側の部位と、つまみ部が形成されていない端部側の部位とが対向しているとともに、つまみ部が形成された端部側の部位と、折り畳まれた際の何れかの折り目部間の部位とが対向し、さらに、つまみ部が形成されていない端部側の部位が折り畳まれた際の表面側に位置するとともに、折り畳まれた際の何れかの折り目部間の部位が折り畳まれた際の表面側に位置するような形態で、2回以上折り曲げることにより折り畳まれた構成を有しているとともに、下記の(a4)〜(d4)の構成を有しており、且つつまみ部を引っ張ることにより長尺状に展開させることが可能な粘着テープ又はシートであって、少なくとも、折り畳まれた際に主として表面側に位置している折り目部間の部位が、不織布製基材を支持体として形成されている粘着テープ又はシートであってもよい。
(a4)つまみ部が形成されていない端部側の部位の表面に、物品に貼付するための粘着剤層を有する構成
(b4)つまみ部が形成された端部側の部位における折り畳まれた際の折り目部間側の面に、つまみ部が形成される形態で、物品に貼付するための粘着剤層を有し、且つつまみ部が形成された端部側の部位と、該つまみ部が形成された端部側の部位に対して対向している折り畳まれた際の折り目部間の部位とが、離型処理層により剥離可能に貼り合わせられた構成
(c4)つまみ部が形成されていない端部側の部位におけるつまみ部が形成された端部側の部位側の面に、粘着剤層を有し、且つつまみ部が形成されていない端部側の部位と、つまみ部が形成された端部側の部位とが、離型処理層により剥離可能に貼り合わせられた構成
(d4)折り畳まれた際の対向している折り目部間の部位どうしが、仮着剤層により剥離可能に貼り合わせられた構成
【0013】
本発明は、また、ロール状に巻回された形態の粘着テープ又はシートの巻回体であって、前記粘着テープ又はシートが折り畳まれた状態で連続的に形成されている長尺状の連続体を、ロール状に巻回した形態を有していることを特徴とする粘着テープ又はシートの巻回体を提供する。この粘着テープ又はシートの巻回体としては、折り畳まれた際に他方の表面側に位置している部位を形成するための支持体としての不織布製基材の表面に、電離性放射線硬化型離型処理剤による離型処理層が形成されており、前記折り畳まれた際に他方の表面側に位置している部位の表面に形成された電離性放射線硬化型離型処理剤による離型処理層と、つまみ部が形成されていない端部側の部位の表面に形成された粘着剤層とが接触するように、ロール状に巻回されていることが好ましい。
【0014】
本発明は、さらに、紙おむつを廃棄する際に丸めた状態で保持させるための拘束用粘着テープ又はシートが設けられている紙おむつであって、前記拘束用粘着テープ又はシートとして、前記粘着テープ又はシートが用いられていることを特徴とする紙おむつを提供する。本発明の紙おむつでは、束用粘着テープ又はシートが、紙おむつの背側表面におけるウエスト部の上下幅領域内に位置する部位に、長手方向が上下方向、または胴回り方向となるように貼付されていてもよい。拘束用粘着テープ又はシートを長尺状に展開した際の長さが、紙おむつを丸めた状態で拘束して保持させるのに十分な長さであることが好ましい。紙おむつとしては、パンツ型紙おむつが好適である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の粘着テープ又はシートによれば、容易に長尺状に展開することができる形態で折り畳まれ、容易に展開することができる形態で折り畳まれ、風合いがよく、また、不織布等の繊維質材料による表面を有する物品に貼付させた際に目立たなくすることができる。従って、紙おむつを廃棄する際に丸めた状態で保持させるための拘束用粘着テープ又はシートとして好適に用いることができる。
【0016】
また、本発明の紙おむつによれば、廃棄の際に、丸めた状態で保持させるための拘束用粘着テープ又はシートが貼付されていても、拘束用粘着テープ又はシートが目立たず、外観性が良好である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明の実施の形態を、必要に応じて図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の部材や部位などには同一の符号を付している場合がある。
[粘着テープ又はシート]
図1は、本発明の粘着テープ又はシートの一例を示す概略断面図である。図1において、1は粘着テープ又はシート(「粘着テープ」と称する場合がある)、1a1はつまみ部が形成された端部(「つまみ部形成端部」と称する場合がある)、1a2はつまみ部が形成されていない端部(「つまみ部非形成端部」と称する場合がある)、1a3はZ字状(S字状)に2回折り曲げて折り畳まれた構成におけるつまみ部非形成端部1a2側から1つ目の折り目部(「第1折り目部」と称する場合がある)、1a4はZ字状に2回折り曲げて折り畳まれた構成におけるつまみ部非形成端部1a2側から2つ目の折り目部(「第2折り目部」と称する場合がある)、1b1はつまみ部が形成された端部側の部位(「展開部位」と称する場合がある)、1b2はつまみ部が形成されていない端部側の部位(「貼付部位」と称する場合がある)、1b3は展開部位1b1と貼付部位1b2との間の部位(「折り目部間部位」と称する場合がある)、2aは不織布製基材、2bはプラスチック製基材、3aは粘着剤層(「貼付粘着剤層」と称する場合がある)、3bは仮着剤層(「第1仮着剤層」と称する場合がある)、3cは仮着剤層(「第2仮着剤層」と称する場合がある)、3dは粘着剤層(「一体化粘着剤層」と称する場合がある)、3eは離型処理層(「展開粘着剤層用離型処理層」と称する場合がある)、3fは粘着剤層(「展開粘着剤層」と称する場合がある)、3gは離型処理層(「貼付粘着剤層用離型処理層」と称する場合がある)、3hはつまみ部である。
【0018】
具体的には、粘着テープ1は、不織布製基材2aとプラスチック製基材2bとが、一体化粘着剤層3dを利用した接着により一体化された構成の基材(「支持体2」と称する場合がある)を支持体としており、該支持体2は、第1折り目部1a3、第2折り目部1a4の2箇所の折り目部でZ字状(S字状)に2回折り曲げて折り畳まれた構成を有している。なお、展開部位1b1と折り目部間部位1b3との境界部が第2折り目部1a4となっており、折り目部間部位1b3と貼付部位1b2との境界部が第1折り目部1a3となっている。展開部位1b1の端部に位置する部位は、つまみ部3hとなっている。このような支持体2において、不織布製基材2aは、主として、折り畳まれた状態で物品に貼付した際に表面側に位置している部位である展開部位1b1を構成しており、一方、プラスチック製基材2bは、主として、折り畳まれた状態で物品に貼付した際に物品側に位置している部位である貼付部位1b2と、折り目部間部位1b3とを構成している。
【0019】
このように、粘着テープ1は、折り畳まれた状態で物品に貼付した際に、主として表面側に位置している部位である展開部位1b1が、不織布製基材2aを支持体として形成されているので、風合いがよく、また、不織布等の繊維質材料による表面を有する物品に貼付させた際には目立たず、物品の外観性を良好とすることができる。
【0020】
なお、展開部位1b1において、折り目部間部位1b3側の面には物品に貼付するための展開粘着剤層3fが、つまみ部が形成される形態で形成され、また、外面側の面には貼付粘着剤層用離型処理層3gが全面的に形成されている。折り目部間部位1b3において、貼付部位1b2側の面には、長尺状に展開させるまで、貼付部位1b2と剥離可能に貼り合わせるための第2仮着剤層3cが形成され、展開部位1b1側の面には、展開粘着剤層用離型処理層3eが全面的に形成されている。貼付部位1b2において、表面側の面には物品に貼付するための貼付粘着剤層3aが全面的に形成され、折り目部間部位1b3側の面には、長尺状に展開させるまで、折り目部間部位1b3と剥離可能に貼り合わせるための第1仮着剤層3bが形成されている。
【0021】
従って、展開部位1b1は折り目部間部位1b3に剥離可能なように貼り合わせられている。また、折り目部間部位1b3と貼付部位1b2とは剥離可能なように仮着されている。すなわち、粘着テープ1において、支持体2の各部位1b1、1b3、1b2の対面する部位同士の面は、剥離可能なように貼り合わせられている。そのため、粘着テープ1は、つまみ部形成端部1a1に形成されているつまみ部3hを引っ張ることにより、貼付部位1b2におけるつまみ部非形成端部1a2から第1折り目部1a3の方向に長尺状に展開させることができる。例えば、貼付部位1b2の貼付粘着剤層3aを利用して、折り畳まれた状態の粘着テープ1を物品に貼付させた状態で(このとき、貼付部位1b2が物品に貼付により固定されている)、つまみ部3hを、第2折り目部1a4からつまみ部形成端部1a1又はつまみ部3hの方向に(すなわち、図1では左の方向)に引っ張ることにより、展開部位1b1と折り目部間部位1b3との界面、および折り目部間部位1b3と貼付部位1b2との界面で剥離が生じて、貼付部位1b2のみが物品に強く固定された状態で、容易に長尺状に展開させることができる。なお、長尺状に展開させる方向としては、つまみ部非形成端部1a2から、第1折り目部1a3の方向(図1では左の方向)であり、貼付部位1b2、又は貼付部位1b2の第1折り目部1a3側の端部を起点にしている。
【0022】
なお、図1などは、層構成が明確になるように図示されているため、第1折り目部1a3や第2折り目部1a4は、厚み方向に幅があり、該幅の上下部の2カ所で折られている形態で表現されているが、実際は、折り畳む際の方法に応じて、U字型に折られた形態、V字型に折られた形態などの各種形態で折られた形態となる。
【0023】
本発明の粘着テープ又はシート(「折り畳み型粘着テープ又はシート」と称する場合がある)としては、図1で示されるように、折り畳まれた状態で物品に貼付した際に、少なくとも、主として表面側に位置している部位が、不織布製基材を支持体として形成されていることが重要であり、その他の構成については特に制限されない。例えば、折り畳み型粘着テープ又はシートとしては、図2〜4で示されるような構成を有していてもよい。
【0024】
図2は、本発明の粘着テープ又はシートの他の例を示す概略断面図である。図2において、11は粘着テープ又はシート(「粘着テープ」と称する場合がある)、11a1はつまみ部が形成された端部(つまみ部形成端部)、11a2はつまみ部が形成されていない端部(つまみ部非形成端部)、11a3はW字状に3回折り曲げて折り畳まれた構成におけるつまみ部非形成端部11a2側から1つ目の折り目部(第1折り目部)、11a4はW字状に3回折り曲げて折り畳まれた構成におけるつまみ部非形成端部11a2側からから2つ目の折り目部(第2折り目部)、11a5はW字状に3回折り曲げて折り畳まれた構成におけるつまみ部非形成端部11a2側からから3つ目の折り目部(「第3折り目部」と称する場合がある)、11b1はつまみ部が形成された端部側の部位(展開部位)、11b2はつまみ部が形成されていない端部側の部位(貼付部位)、11b3は貼付部位11b2と対向している折り目部間の部位(「貼付側折り目部間部位」と称する場合がある)、11b4は展開部位11b1と対向している折り目部間の部位(「展開側折り目部間部位」と称する場合がある)、21aは不織布製基材、21bはプラスチック製基材、31aは粘着剤層(貼付粘着剤層)、31bは離型処理層(「固定粘着剤層用離型処理層」と称する場合がある)、31cは粘着剤層(「固定粘着剤層」と称する場合がある)、31dは仮着剤層(第1仮着剤層)、31eは仮着剤層(第2仮着剤層)、31fは粘着剤層(一体化粘着剤層)、31gは離型処理層(展開粘着剤層用離型処理層)、31hは粘着剤層(展開粘着剤層)、31iは離型処理層(貼付粘着剤層用離型処理層)、31jはつまみ部である。
【0025】
具体的には、粘着テープ11は、不織布製基材21aとプラスチック製基材21bとが、一体化粘着剤層31fを利用した接着により一体化された構成の基材(「支持体21」と称する場合がある)を支持体としており、該支持体21は、第1折り目部11a3、第2折り目部11a4、第3折り目部11a5の3箇所の折り目部でW字状に3回折り曲げて折り畳まれた構成を有している。なお、展開部位11b1と展開側折り目部間部位11b4との境界部が第3折り目部11a5となっており、展開側折り目部間部位11b4と貼付側折り目部間部位11b3との境界部が第2折り目部11a4となっており、貼付側折り目部間部位11b3と貼付部位11b2との境界部が第1折り目部11a3となっている。展開部位11b1の端部に位置する部位は、つまみ部31jとなっている。このような支持体21において、不織布製基材21aは、主として、折り畳まれた状態で物品に貼付した際に表面側に位置している部位である展開部位11b1を構成しており、一方、プラスチック製基材21bは、主として、折り畳まれた状態で物品に貼付した際に物品側に位置している部位である貼付部位11b2と、展開側折り目部間部位11b4と、貼付側折り目部間部位11b3を構成している。
【0026】
このように、図2で示される粘着テープ11は、図1で示される粘着テープ1と同様に、折り畳まれた状態で物品に貼付した際に、主として表面側に位置している部位である展開部位11b1が、不織布製基材21aを支持体として形成されているので、風合いがよく、また、不織布等の繊維質材料による表面を有する物品に貼付させた際には目立たず、物品の外観性を良好とすることができる。
【0027】
なお、展開部位11b1において、展開側折り目部間部位11b4側の面には物品に貼付するための展開粘着剤層31hが、つまみ部が形成される形態で形成され、また、外面側の面には貼付粘着剤層用離型処理層31iが全面的に形成されている。展開側折り目部間部位11b4において、展開部位11b1側の面には、展開部位11b1の展開粘着剤層31hと剥離可能に貼り合わせるための展開粘着剤層用離型処理層31gが形成され、また、貼付側折り目部間部位11b3側の面には、長尺状に展開させるまで、貼付側折り目部間部位11b3と剥離可能に貼り合わせるための第2仮着剤層31eが形成されている。貼付側折り目部間部位11b3において、貼付部位11b2側の面には、固定粘着剤層31cが形成され、展開側折り目部間部位11b4側の面には、長尺状に展開させるまで、展開側折り目部間部位11b4と剥離可能に貼り合わせるための第1仮着剤層31dが形成されている。貼付部位11b2において、表面側の面には物品に貼付するための貼付粘着剤層31aが全面的に形成され、貼付側折り目部間部位11b3側の面には、長尺状に展開させるまで、貼付側折り目部間部位11b3の固定粘着剤層31cと剥離可能に貼り合わせるための固定粘着剤層用離型処理層31bが形成されている。
【0028】
従って、展開部位11b1は展開側折り目部間部位11b4に剥離可能なように貼り合わせられている。また、展開側折り目部間部位11b4と貼付側折り目部間部位11b3とは剥離可能なように仮着されている。さらに、貼付側折り目部間部位11b3は貼付部位11b2に剥離可能なように貼り合わせられている。すなわち、粘着テープ11において、支持体21の各部位11b1、11b4、11b3、11b2の対面する部位同士の面は、剥離可能なように貼り合わせられている。そのため、粘着テープ11は、つまみ部形成端部11a1に形成されているつまみ部31jを引っ張ることにより、貼付部位11b2における第1折り目部11a3からつまみ部非形成端部11a2の方向に長尺状に展開させることができる。例えば、貼付部位11b2の貼付粘着剤層31aを利用して、折り畳まれた状態の粘着テープ11を物品に貼付させた状態で(このとき、貼付部位11b2が物品に貼付により固定されている)、つまみ部31jを、第3折り目部11a5からつまみ部形成端部11a1又はつまみ部31jの方向に(すなわち、図2では左の方向)に引っ張ることにより、展開部位11b1と展開側折り目部間部位11b4との界面、展開側折り目部間部位11b4と貼付側折り目部間部位11b3との界面、および貼付側折り目部間部位11b3と貼付部位11b2との界面で剥離が生じて、貼付部位11b2のみが物品に強く固定された状態で、容易に長尺状に展開させることができる。なお、長尺状に展開させる方向としては、第1折り目部11a3から、つまみ部非形成端部11a2の方向(図1では左の方向)であり、貼付部位11b2、又は貼付部位11b2の第1折り目部11a3側の端部を起点にしている。
【0029】
また、図3は、本発明の粘着テープ又はシートの他の例を示す概略断面図である。図3において、12は粘着テープ又はシート(粘着テープ)、12a1はつまみ部が形成された端部(つまみ部形成端部)、12a2はつまみ部が形成されていない端部(つまみ部非形成端部)、12a3はZ字状(S字状)に2回折り曲げて折り畳まれた構成におけるつまみ部非形成端部12a2側から1つ目の折り目部(第1折り目部)、12a4はZ字状に2回折り曲げて折り畳まれた構成におけるつまみ部非形成端部12a2側から2つ目の折り目部(第2折り目部)、12b1はつまみ部が形成された端部側の部位(展開部位)、12b2はつまみ部が形成されていない端部側の部位(貼付部位)、12b3は展開部位12b1と貼付部位12b2との間の部位(折り目部間部位)、22aは不織布製基材、22bはプラスチック製基材、32aは粘着剤層(貼付粘着剤層)、32bは仮止め層、32cは粘着剤層(一体化粘着剤層)、32dは離型処理層(展開粘着剤層用離型処理層)、32eは粘着剤層(展開粘着剤層)、32fは離型処理層(貼付粘着剤層用離型処理層)、32gはつまみ部である。また、Xは貼付部位12b2の長さ、Yは1−2折り目部間部位12b3の長さ、Zは展開部位12b1の長さである。
【0030】
具体的には、粘着テープ12は、不織布製基材22aとプラスチック製基材22bとが、一体化粘着剤層32cを利用した接着により一体化された構成の基材(「支持体22」と称する場合がある)を支持体としており、該支持体22は、折り目部間部位12b3の第2折り目部12a4が、つまみ部非形成端部12a2よりも突出した状態となるように、第1折り目部12a3、第2折り目部12a4の2箇所の折り目部でZ字状(S字状)に2回折り曲げて折り畳まれた構成を有している。なお、展開部位12b1と折り目部間部位12b3との境界部が第2折り目部12a4となっており、折り目部間部位12b3と貼付部位12b2との境界部が第1折り目部12a3となっている。展開部位12b1の端部に位置する部位は、つまみ部32gとなっている。このような支持体22において、不織布製基材22aは、主として、折り畳まれた状態で物品に貼付した際に表面側に位置している部位である展開部位12b1を構成しており、一方、プラスチック製基材22bは、主として、折り畳まれた状態で物品に貼付した際に物品側に位置している部位である貼付部位12b2と、折り目部間部位12b3とを構成している。
【0031】
このように、粘着テープ12は、折り畳まれた状態で物品に貼付した際に、主として表面側に位置している部位である展開部位12b1が、不織布製基材22aを支持体として形成されているので、風合いがよく、また、不織布等の繊維質材料による表面を有する物品に貼付させた際には目立たず、物品の外観性を良好とすることができる。
【0032】
なお、展開部位12b1において、折り目部間部位12b3側の面には物品に貼付するための展開粘着剤層32eが、つまみ部が形成される形態で形成され、また、外面側の面には貼付粘着剤層用離型処理層32fが全面的に形成されている。折り目部間部位12b3において、貼付部位12b2側の面には、貼付部位12b2と重ね合わされていない露出した表面に部分的に長尺状に展開させるまで物品に貼付するための仮止め層32bが形成され、展開部位12b1側の面には、展開粘着剤層用離型処理層32dが全面的に形成されている。貼付部位12b2において、表面側の面には物品に貼付するための貼付粘着剤層32aが全面的に形成されている。
【0033】
従って、展開部位12b1は折り目部間部位12b3に剥離可能なように貼り合わせられている。一方、折り目部間部位12b3と貼付部位12b2とは直接接触して重ね合わせられているだけであり、粘着剤層等により貼り合わされていない。また、折り目部間部位12b3に設けられた仮止め層は、長尺状に展開させるまでの間、物品に貼付して仮止めするために設けられており、長尺状に展開させる際には、物品から容易に剥離させることが可能である。すなわち、粘着テープ12において、展開部位12b1と折り目部間部位12b3との対面する面は、剥離可能なように貼り合わされているとともに、折り目部間部位12b3は、剥離可能なように、物品に貼り合わせることができる。そのため、粘着テープ12は、つまみ部形成端部11a1に形成されているつまみ部3gを引っ張ることにより、貼付部位12b2におけるつまみ部非形成端部12a2から第1折り目部12a3の方向に長尺状に展開させることができる。例えば、貼付部位12b2の貼付粘着剤層32aと折り目部間部位12b3の仮止め層32bとを利用して、折り畳まれた状態の粘着テープ12を物品に貼付させた状態で(このとき、貼付部位12b2が物品に貼付により固定されており、折り目部間部位12b3は、長尺状に展開させるまでの間、物品に仮止めされている)、つまみ部32gを、第2折り目部12a4からつまみ部形成端部12a1又はつまみ部32gの方向に(すなわち、図3では左の方向)に引っ張ることにより、展開部位12b2と折り目部間部位12b3との界面、および折り目部間部位12b3と物品との界面で剥離が生じて、貼付部位12b2のみが物品に強く固定された状態で、容易に長尺状に展開させることができる。もちろん、折り目部間部位12b3が物品から剥離する際には、物品には、破損等のダメージが生じていない。なお、長尺状に展開させる方向としては、つまみ部非形成端部12a2から、第1折り目部12a3の方向(図3では左の方向)であり、貼付部位12b2又は貼付部位12b2の第1折り目部12a3側の端部を起点にしている。
【0034】
さらにまた、図4は、本発明の粘着テープ又はシートの他の例を示す概略断面図である。図4において、13は粘着テープ又はシート(粘着テープ)、13a1はつまみ部が形成された端部(つまみ部形成端部)、13a2はつまみ部が形成されていない端部(つまみ部非形成端部)、13a3はつまみ部形成端部13a1がつまみ部非形成端部13a2より突出した状態となるように折り畳まれ、且つ前記折り畳まれた際の折り目部がつまみ部形成端部13a1側の面に、該つまみ部形成端部13a1よりも手前側に位置する状態となるように折り畳まれた構成におけるつまみ部非形成端部13a2側から1つ目の折り目部(第1折り目部)、13a4はつまみ部形成端部13a1がつまみ部非形成端部13a2より突出した状態となるように折り畳まれ、且つ前記折り畳まれた際の折り目部がつまみ部形成端部13a1側の面に、該つまみ部形成端部13a1よりも手前側に位置する状態となるように折り畳まれた構成におけるつまみ部非形成端部13a2側から2つ目の折り目部(第2折り目部)、13a5はつまみ部形成端部13a1がつまみ部非形成端部13a2より突出した状態となるように折り畳まれ、且つ前記折り畳まれた際の折り目部がつまみ部形成端部13a1側の面に、該つまみ部形成端部13a1よりも手前側に位置する状態となるように折り畳まれた構成におけるつまみ部非形成端部13a2側から3つ目の折り目部(第3折り目部)、13b1はつまみ部が形成された端部側の部位(展開部位)、13b2はつまみ部が形成されていない端部側の部位(貼付部位)、13b3は展開部位13b1と対向している折り目部間の部位(展開側折り目部間部位)、13b4は展開側折り目部間部位13b3と対向している外面側の折り目部間の部位(「外面側折り目部間部位」と称する場合がある)、23aはプラスチック製基材、23bは不織布製基材、23cはプラスチック製基材、33aは粘着剤層(貼付粘着剤層)、33bは粘着剤層(「貼付側一体化粘着剤層」と称する場合がある)、33cは粘着剤層(固定粘着剤層)、33dは離型処理層(固定粘着剤層用離型処理層)、33eは粘着剤層(展開粘着剤層)、33fは離型処理層(展開粘着剤層用離型処理層)、33gは粘着剤層(「展開側一体化粘着剤層」と称する場合がある)、33hは仮着剤層(第1仮着剤層)、33iは仮着剤層(第2仮着剤層)、33jは離型処理層(貼付粘着剤層用離型処理層)、33kはつまみ部である。
【0035】
具体的には、粘着テープ13は、不織布製基材23bと、プラスチック製基材23aとが、貼付側一体化粘着剤層33bを利用した接着により、不織布製基材23bと、およびプラスチック製基材23cとが、展開側一体化粘着剤層33gを利用した接着により、一体化された構成の基材(「支持体23」と称する場合がある)を支持体としており、該支持体23は、第1折り目部13a3、第2折り目部13a4、第3折り目部13a5の3箇所の折り目部で、つまみ部形成端部13a1がつまみ部非形成端部13a2より突出した状態となるように、且つ前記折り畳まれた際の折り目部(第2折り目部13a4)がつまみ部形成端部13a1側の面に、該つまみ部形成端部13a1よりも手前側に位置する状態となるように、折り曲げて折り畳まれた構成を有している。なお、展開部位13b1と展開側折り目部間部位13b3との境界部が第3折り目部13a5となっており、展開側折り目部間部位13b3と外面側折り目部間部位13b4との境界部が第2折り目部13a4となっており、外面側折り目部間部位13b4と貼付部位13b2との境界部が第1折り目部13a3となっている。展開部位13b1の端部に位置する部位は、つまみ部33kとなっている。このような支持体23において、不織布製基材23bは、主として、折り畳まれた状態で物品に貼付した際に表面側に位置している部位である外面側折り目部間部位13b4を構成しており、一方、プラスチック製基材23aは、主として、折り畳まれた状態で物品に貼付した際に物品側に位置している部位である貼付部位13b2を構成しており、また、プラスチック製基材23cは、主として、折り畳まれた状態で物品に貼付した際に内部側に位置している部位である展開部位13b1と、展開側折り目部間部位13b3とを構成している。
【0036】
このように、粘着テープ13は、折り畳まれた状態で物品に貼付した際に主として表面側に位置している部位である外面側折り目部間部位13b4が、不織布製基材23bを支持体として形成されているので、風合いがよく、また、不織布等の繊維質材料による表面を有する物品に貼付させた際には目立たず、物品の外観性を良好とすることができる。
【0037】
なお、展開部位13b1において、展開側折り目部間部位13b3側の面には物品に貼付するための展開粘着剤層33eが、つまみ部が形成される形態で形成され、また、貼付部位13b2側の面には、長尺状に展開させるまで、貼付部位13b2の固定粘着剤層33cと剥離可能に貼り合わせるための固定粘着剤層用離型処理層33dが形成されている。展開側折り目部間部位13b3において、展開部位13b1側の面には、展開部位13b1の展開粘着剤層33eと剥離可能に貼り合わせるための展開粘着剤層用離型処理層33fが形成され、外面側折り目部間部位13b4側の面には、長尺状に展開させるまで、外面側折り目部間部位13b4と剥離可能に貼り合わせるための第1仮着剤層33hが形成されている。外面側折り目部間部位13b4において、展開側折り目部間部位13b3側の面には、長尺状に展開させるまで、展開側折り目部間部位13b3と剥離可能に貼り合わせるための第2仮着剤層33iが形成され、外面側の面には貼付粘着剤層用離型処理層32jが全面的に形成されている。貼付部位13b2において、表面側の面には物品に貼付するための貼付粘着剤層33aが形成され、展開部位13b1側の面には、固定粘着剤層33cが形成されている。
【0038】
従って、展開部位13b1は貼付部位13b2に剥離可能なように貼り合わせられている。また、展開側折り目部間部位13b3は展開部位13b1に剥離可能なように貼り合わせられている。さらに、展開側折り目部間部位13b3と外面側折り目部間部位13b4とは剥離可能なように仮着されている。すなわち、粘着テープ13において、支持体23の各部位13b2、13b1、13b3、13b4の対面する部位同士の面は、剥離可能なように貼り合わせられている。そのため、つまみ部形成端部13a1に形成されているつまみ部33kを引っ張ることにより、貼付部位13b2におけるつまみ部非形成端部13a2から第1折り目部13a3の方向に長尺状に展開させることができる。例えば、貼付部位13b2の貼付粘着剤層33aを利用して、折り畳まれた状態の粘着テープ13を物品に貼付させた状態で(このとき、貼付部位13b2が物品に貼付により固定されている)、つまみ部33kを、第2折り目部13a4側の方向(すなわち、図4では上の方向)に引っ張り、必要に応じて、さらに第1折り目部13a3又は第3折り目部13a5側の方向(すなわち、図4では右の方向)に引っ張ることにより、貼付部位13b2と展開部位13b1との界面、展開部位13b1と展開側折り目部間部位13b3との界面、および展開側折り目部間部位13b3と外面側折り目部間部位13b4との界面で剥離が生じて、貼付部位13b2のみが物品に強く固定された状態で、容易に長尺状に展開させることができる。なお、長尺状に展開させる方向としては、つまみ部非形成端部13a2から第1折り目部13a3の方向(図4では右の方向)であり、貼付部位13b2、又は貼付部位13b2の第1折り目部13a3側の端部を起点にしている。
【0039】
このように、本発明の粘着テープ又はシート(折り畳み型粘着テープ又はシート)としては、長尺状に展開させることが可能な形態で折り畳まれており、且つ、折り畳まれた状態で物品に貼付した際に、少なくとも、主として表面側に位置している部位が、不織布製基材を支持体として形成されていることが重要である。従って、本発明の折り畳み型粘着テープ又はシートとしては、一方の端部につまみ部が形成され、且つつまみ部が形成されていない端部側の部位が折り畳まれた際の表面側に位置するような形態で、折り畳まれた構成を有しているとともに、下記の(a)〜(c)の構成を有しており、且つつまみ部を引っ張ることにより長尺状に展開させることが可能な粘着テープ又はシートであり、少なくとも、折り畳まれた際に主として他方の表面側に位置している部位が、不織布製基材を支持体として形成されている粘着テープ又はシートであることが重要である。
(a)つまみ部が形成されていない端部側の部位の表面に、物品に貼付するための粘着剤層を有する構成
(b)つまみ部が形成された端部側の部位の何れかの表面において、つまみ部が形成される形態で、物品に貼付するための粘着剤層を有し、且つつまみ部が形成された端部側の部位と、該つまみ部が形成された端部側の部位における粘着剤層が形成された面に対して対向している面を有する部位とが、離型処理層により剥離可能に貼り合わせられた構成
(c)その他の対向している面を有する部位どうしが、粘着剤層と離型処理層との組み合わせ、又は仮着剤層どうしの組み合わせにより、剥離可能に貼り合わせられた構成
【0040】
より具体的には、本発明の折り畳み型粘着テープ又はシートとしては、(1)一方の端部につまみ部が形成され、且つつまみ部が形成された端部側の部位およびつまみ部が形成されていない端部側の部位が、折り畳まれた際のそれぞれの表面側に位置するような形態で、且つつまみ部が形成された端部とつまみ部が形成されていない端部とが異なる方向に向いた状態となって、蛇腹状、アコーディオン状又はつづら折り状に2回以上折り曲げることにより折り畳まれた構成を有している折り畳み型粘着テープ又はシート(「Z字型折り畳み型粘着テープ又はシート」と称する場合がある)、(2)一方の端部につまみ部が形成され、且つつまみ部が形成された端部側の部位およびつまみ部が形成されていない端部側の部位が、折り畳まれた際のそれぞれの表面側に位置するような形態で、且つつまみ部が形成された端部とつまみ部が形成されていない端部とが同一方向に向いた状態となって、蛇腹状、アコーディオン状又はつづら折り状に3回以上折り曲げることにより折り畳まれた構成を有している折り畳み型粘着テープ又はシート(「W字型折り畳み型粘着テープ又はシート」と称する場合がある)、(3)一方の端部につまみ部が形成され、且つつまみ部が形成された端部側の部位およびつまみ部が形成されていない端部側の部位が、折り畳まれた際のそれぞれの表面側に位置するような形態で、且つつまみ部が形成された端部とつまみ部が形成されていない端部とが異なる方向に向いた状態となって、蛇腹状、アコーディオン状又はつづら折り状に2回以上折り曲げることにより折り畳まれた構成を有しているとともに、つまみ部が形成されていない端部側から2つ目の折り目部が、つまみ部が形成されていない端部よりも突出した状態で折り畳まれた構成を有している折り畳み型粘着テープ又はシート(「S字型折り畳み型粘着テープ又はシート」と称する場合がある)、(4)一方の端部につまみ部が形成され、且つつまみ部が形成された端部側の部位と、つまみ部が形成されていない端部側の部位とが対向しているとともに、つまみ部が形成された端部側の部位と、折り畳まれた際の何れかの折り目部間の部位とが対向し、さらに、つまみ部が形成されていない端部側の部位が折り畳まれた際の表面側に位置するとともに、折り畳まれた際の何れかの折り目部間の部位が折り畳まれた際の表面側に位置するような形態で、2回以上折り曲げることにより折り畳まれた構成を有している折り畳み型粘着テープ又はシート(「4つ折り型折り畳み型粘着テープ又はシート」と称する場合がある)などが挙げられる。
【0041】
なお、本発明では、このような折り畳み型粘着テープの構成は、適宜の順序で、適宜の形態となるように折り畳んだ結果、前述のような構成となっていればよい。
【0042】
[Z字型折り畳み型粘着テープ又はシート]
本発明の折り畳み型粘着テープ又はシートにおいて、Z字型折り畳み型粘着テープ又はシートとしては、一方の端部につまみ部が形成され、且つつまみ部が形成された端部側の部位およびつまみ部が形成されていない端部側の部位が、折り畳まれた際のそれぞれの表面側に位置するような形態で、且つつまみ部が形成された端部とつまみ部が形成されていない端部とが同一又は異なる方向に向いた状態となって、蛇腹状に(蛇腹状、アコーディオン状又はつづら折り状に)2回以上折り曲げることにより折り畳まれた構成を有しているとともに、下記の(a1)〜(d1)の構成を有しており、且つつまみ部を引っ張ることにより長尺状に展開させることが可能であり、さらに、少なくとも、折り畳まれた際に主として表面側に位置しているつまみ部が形成された端部側の部位が、不織布製基材を支持体として形成されている粘着テープ又はシートを好適に用いることができる。
(a1)つまみ部が形成されていない端部側の部位の表面に、物品に貼付するための粘着剤層を有する構成
(b1)つまみ部が形成された端部側の部位におけるつまみ部が形成されていない端部側の面に、つまみ部が形成される形態で、物品に貼付するための粘着剤層を有し、且つつまみ部が形成された端部側の部位と、該つまみ部が形成された端部側の部位に対して対向している部位とが、離型処理層により剥離可能に貼り合わせられた構成
(c1)つまみ部が形成されていない端部側の部位と、該つまみ部が形成されていない端部側の部位に対して対向している部位とが、仮着剤層により剥離可能に貼り合わせられた構成
(d1)蛇腹状に4回以上折り曲げることにより折り畳まれた構成を有している場合、折り畳まれた際の対向している折り目部間の部位どうしが、仮着剤層により剥離可能に貼り合わせられた構成
【0043】
なお、つまみ部が形成されていない端部側の部位と、該つまみ部が形成されていない端部側の部位に対して対向している部位とは、粘着剤層と離型処理層との組み合わせにより、剥離可能に貼り合わせられていてもよい。この場合、つまみ部が形成されていない端部側の部位に対して対向している部位におけるつまみ部が形成されていない端部側の部位側の面に粘着剤層(固定粘着剤層)を有し、且つつまみ部が形成されていない端部側の部位と、該つまみ部が形成されていない端部側の部位に対して対向している部位とが、離型処理層により、剥離可能に貼り合わせられた構成とすることができる。
【0044】
前記Z字型折り畳み型粘着テープ又はシートとしては、図1や図5(a)〜(c)で示されているように、2つの端部(両端部)が異なる方向に向いた状態となって、Z字状(S字状)に2回折り曲げることにより折り畳まれた構成を有していてもよく、また、図6で示されるように、2つの端部が異なる方向に向いた状態となって、蛇腹状、アコーディオン状(アコーディオンの伸縮部位の形状)又はつづら折り状に4回以上折り曲げることにより折り畳まれた構成を有していてもよい。なお、前述のように、「蛇腹状、アコーディオン状又はつづら折り状に2回以上折り曲げる」際の折り曲げる回数としては、特に制限されず、使用目的、折り畳んだ際の長さ、長尺状に展開した際の長さ、折り畳まれた際の厚み等に応じて適宜選択することができる。例えば、下記に示されるように、Z字型折り畳み型粘着テープ又はシートを紙おむつの拘束用粘着テープ又はシートとして用いる場合は、「蛇腹状、アコーディオン状又はつづら折り状に2回以上折り曲げる」際の折り曲げる回数は、Z字状(S字状)に2回であることが好ましいが、もちろん、4回以上(例えば、4回や6回等)であってもよい。
【0045】
従って、Z字型折り畳み型粘着テープ又はシートとしては、一方の端部につまみ部が形成され、且つつまみ部が形成された端部側の部位およびつまみ部が形成されていない端部側の部位が、折り畳まれた際のそれぞれの表面側に位置するような形態で、且つつまみ部が形成された端部とつまみ部が形成されていない端部とが異なる方向に向いた状態となって、Z字状(S字状)に2回折り曲げることにより折り畳まれた構成を有しているとともに、下記の(a1a)〜(c1a)の構成を有しており、且つつまみ部を引っ張ることにより長尺状に展開させることが可能であり、さらに、少なくとも、折り畳まれた際に主として表面側に位置しているつまみ部が形成された端部側の部位が、不織布製基材を支持体として形成されている粘着テープ又はシートが好適である。
(a1a)つまみ部が形成されていない端部側の部位の表面に、物品に貼付するための粘着剤層を有する構成
(b1a)つまみ部が形成された端部側の部位におけるつまみ部が形成されていない端部側の面に、つまみ部が形成される形態で、物品に貼付するための粘着剤層を有し、且つつまみ部が形成された端部側の部位と、該つまみ部が形成された端部側の部位に対して対向しているS字状に2回折り曲げることにより折り畳まれた際の折り目部間の部位とが、離型処理層により剥離可能に貼り合わせられた構成
(c1a)つまみ部が形成されていない端部側の部位と、該つまみ部が形成されていない端部側の部位に対して対向しているS字状に2回折り曲げることにより折り畳まれた際の折り目部間の部位とが、仮着剤層により剥離可能に貼り合わせられた構成
【0046】
なお、つまみ部が形成されていない端部側の部位と、該つまみ部が形成されていない端部側の部位に対して対向しているS字状に2回折り曲げることにより折り畳まれた際の折り目部間の部位とは、前述のように、粘着剤層と離型処理層との組み合わせにより、剥離可能に貼り合わせられていてもよい。この場合、つまみ部が形成されていない端部側の部位に対して対向しているS字状に2回折り曲げることにより折り畳まれた際の折り目部間の部位におけるつまみ部が形成されていない端部側の部位側の面に粘着剤層(固定粘着剤層)を有し、且つつまみ部が形成されていない端部側の部位と、該つまみ部が形成されていない端部側の部位に対して対向しているS字状に2回折り曲げることにより折り畳まれた際の折り目部間の部位とが、離型処理層により、剥離可能に貼り合わせられた構成とすることができる。
【0047】
なお、図5、図6は、それぞれ、本発明の粘着テープ又はシートの他の例を示す概略断面図である。図5において、(a)は、支持体が、1枚の不織布製基材のみにより構成された場合のZ字型折り畳み型粘着テープ又はシートの例を示しており、(b)は、支持体が、1枚の不織布製基材と、1枚のプラスチック製基材とにより構成された場合のZ字型折り畳み型粘着テープ又はシートの例を示しており、(c)は支持体が、1枚の不織布製基材と、2枚のプラスチック製基材とにより構成された場合のZ字型折り畳み型粘着テープ又はシートの例を示している。また、図6は、蛇腹状に4回折り曲げることにより折り畳まれた構成のZ字型折り畳み型粘着テープ又はシートの例を示している。図5において、41はZ字型折り畳み型粘着テープ又はシート、41aは不織布製基材、41bは離型処理層(貼付粘着剤層離型処理層)、41cは粘着剤層(展開粘着剤層)、41dは離型処理層(展開粘着剤層離型処理層)、41eは仮着剤層、41fは仮着剤層、41gは粘着剤層(貼付粘着剤層)である。また、42はZ字型折り畳み型粘着テープ又はシート、42aは不織布製基材、42bはプラスチック製基材、42cは離型処理層(貼付粘着剤層離型処理層)、42dは粘着剤層(展開粘着剤層)、42eは離型処理層(展開粘着剤層離型処理層)、42fは仮着剤層、42gは離型処理層(仮着剤層用離型処理層)、42hは粘着剤層(貼付粘着剤層)である。さらに、43はZ字型折り畳み型粘着テープ又はシート、43aは不織布製基材、43bはプラスチック製基材、43cはプラスチック製基材、43dは離型処理層(貼付粘着剤層離型処理層)、43eは粘着剤層(展開粘着剤層)、43fは離型処理層(展開粘着剤層離型処理層)、43gは仮着剤層、43hは離型処理層(仮着剤層用離型処理層)、43iは粘着剤層(貼付粘着剤層)である。さらにまた、図6において、44はZ字型折り畳み型粘着テープ又はシート、44aは不織布製基材、44bはプラスチック製基材、44cは離型処理層(貼付粘着剤層離型処理層)、44dは粘着剤層(展開粘着剤層)、44eは離型処理層(展開粘着剤層離型処理層)、44fは粘着剤層(一体化粘着剤層)、44gは仮着剤層、44hは仮着剤層、44iは仮着剤層、44jは仮着剤層、44kは仮着剤層、44mは仮着剤層、44nは粘着剤層(貼付粘着剤層)である。
【0048】
[W字型折り畳み型粘着テープ又はシート]
W字型折り畳み型粘着テープ又はシートとしては、一方の端部につまみ部が形成され、且つつまみ部が形成された端部側の部位およびつまみ部が形成されていない端部側の部位が、折り畳まれた際のそれぞれの表面側に位置するような形態で、且つつまみ部が形成された端部とつまみ部が形成されていない端部とが同一方向に向いた状態となって、蛇腹状に3回以上折り曲げることにより折り畳まれた構成を有しているとともに、下記の(a2)〜(d2)の構成を有しており、且つつまみ部を引っ張ることにより長尺状に展開させることが可能であり、さらに、少なくとも、折り畳まれた際に主として表面側に位置しているつまみ部が形成された端部側の部位が、不織布製基材を支持体として形成されている粘着テープ又はシートを好適に用いることができる。
(a2)つまみ部が形成されていない端部側の部位の表面に、物品に貼付するための粘着剤層を有する構成
(b2)つまみ部が形成された端部側の部位におけるつまみ部が形成されていない端部側の面に、つまみ部が形成される形態で、物品に貼付するための粘着剤層を有し、且つつまみ部が形成された端部側の部位と、該つまみ部が形成された端部側の部位に対して対向している部位とが、離型処理層により剥離可能に貼り合わせられた構成
(c2)つまみ部が形成されていない端部側の部位に対して対向している部位におけるつまみ部が形成されていない端部側の部位側の面に粘着剤層を有し、且つつまみ部が形成されていない端部側の部位と、該つまみ部が形成されていない端部側の部位に対して対向している部位とが、離型処理層により、少なくとも部分的に剥離可能に貼り合わせられた構成
(d2)折り畳まれた際の対向している折り目部間の部位どうしが、仮着剤層により剥離可能に貼り合わせられた構成
【0049】
前記W字型折り畳み型粘着テープ又はシートとしては、図2や図7で示されているように、2つの端部(両端部)が同一方向に向いた状態となって、W字状に3回折り曲げることにより折り畳まれた構成を有していてもよく、また、図8で示されるように、2つの端部が同一方向に向いた状態となって、蛇腹状、アコーディオン状(アコーディオンの伸縮部位の形状)又はつづら折り状に5回以上折り曲げることにより折り畳まれた構成を有していてもよい。なお、前述のように、「蛇腹状、アコーディオン状又はつづら折り状に3回以上折り曲げる」際の折り曲げる回数としては、特に制限されず、使用目的、折り畳んだ際の長さ、長尺状に展開した際の長さ、折り畳まれた際の厚み等に応じて適宜選択することができる。例えば、下記に示されるように、W字型折り畳み型粘着テープ又はシートを紙おむつの拘束用粘着テープ又はシートとして用いる場合は、「蛇腹状、アコーディオン状又はつづら折り状に3回以上折り曲げる」際の折り曲げる回数は、W字状に3回であることが好ましいが、もちろん、5回以上(例えば、5回や7回等)であってもよい。
【0050】
従って、W字型折り畳み型粘着テープ又はシートとしては、一方の端部につまみ部が形成され、且つつまみ部が形成された端部側の部位およびつまみ部が形成されていない端部側の部位が、折り畳まれた際のそれぞれの表面側に位置するような形態で、且つつまみ部が形成された端部とつまみ部が形成されていない端部とが同一方向に向いた状態となって、W字状に3回折り曲げることにより折り畳まれた構成を有しているとともに、下記の(a2a)〜(d2a)の構成を有しており、且つつまみ部を引っ張ることにより長尺状に展開させることが可能であり、さらに、少なくとも、折り畳まれた際に主として表面側に位置しているつまみ部が形成された端部側の部位が、不織布製基材を支持体として形成されている粘着テープ又はシートが好適である。
(a2a)つまみ部が形成されていない端部側の部位の表面に、物品に貼付するための粘着剤層を有する構成
(b2a)つまみ部が形成された端部側の部位におけるつまみ部が形成されていない端部側の面に、つまみ部が形成される形態で、物品に貼付するための粘着剤層を有し、且つつまみ部が形成された端部側の部位と、該つまみ部が形成された端部側の部位に対して対向しているW字状に3回折り曲げることにより折り畳まれた際の折り目部間の部位とが、離型処理層により剥離可能に貼り合わせられた構成
(c2a)つまみ部が形成されていない端部側の部位に対して対向しているW字状に3回折り曲げることにより折り畳まれた際の折り目部間の部位におけるつまみ部が形成されていない端部側の部位側の面に粘着剤層を有し、且つつまみ部が形成されていない端部側の部位と、該つまみ部が形成されていない端部側の部位に対して対向しているW字状に3回折り曲げることにより折り畳まれた際の折り目部間の部位とが、離型処理層により、少なくとも部分的に剥離可能に貼り合わせられた構成
(d2a)W字状に3回折り曲げることにより折り畳まれた際の対向している折り目部間の部位どうしが、仮着剤層により剥離可能に仮着された構成
【0051】
なお、図7、図8は、それぞれ、本発明の粘着テープ又はシートの他の例を示す概略断面図である。図7において、(a)は、支持体が、1枚の不織布製基材のみにより構成された場合のW字型折り畳み型粘着テープ又はシートの例を示しており、(b)は、支持体が、1枚の不織布製基材と、1枚のプラスチック製基材とにより構成された場合のW字型折り畳み型粘着テープ又はシートの例を示している。また、図8は、蛇腹状に5回折り曲げることにより折り畳まれた構成のW字型折り畳み型粘着テープ又はシートの例を示している。図7において、51はW字型折り畳み型粘着テープ又はシート、51aは不織布製基材、51bは離型処理層(貼付粘着剤層離型処理層)、51cは粘着剤層(展開粘着剤層)、51dは離型処理層(展開粘着剤層離型処理層)、51eは仮着剤層、51fは仮着剤層、51gは粘着剤層(固定粘着剤層)、51hは離型処理層(固定粘着剤層用離型処理層)、51iは粘着剤層(貼付粘着剤層)である。また、52はW字型折り畳み型粘着テープ又はシート、52aは不織布製基材、52bはプラスチック製基材、52cは離型処理層(貼付粘着剤層離型処理層)、52dは粘着剤層(展開粘着剤層)、52eは離型処理層(展開粘着剤層離型処理層)、52fは仮着剤層、52gは離型処理層(仮着剤層用離型処理層)、52hは粘着剤層(固定粘着剤層)、52iは離型処理層(固定粘着剤層用離型処理層)、52jは粘着剤層(貼付粘着剤層)である。さらに、図8において、53はW字型折り畳み型粘着テープ又はシート、53aは不織布製基材、53bはプラスチック製基材、53cは離型処理層(貼付粘着剤層離型処理層)、53dは粘着剤層(展開粘着剤層)、53eは離型処理層(展開粘着剤層離型処理層)、53fは粘着剤層(一体化粘着剤層)、53gは仮着剤層、53hは仮着剤層、53iは仮着剤層、53jは仮着剤層、53kは仮着剤層、53mは仮着剤層、53nは粘着剤層(固定粘着剤層)、53pは離型処理層(固定粘着剤層用離型処理層)、53qは粘着剤層(貼付粘着剤層)である。
【0052】
本発明では、W字型折り畳み型粘着テープ又はシートとしては、つまみ部が形成されていない端部側の部位と、該つまみ部が形成されていない端部側の部位に対して対向している部位とが、部分的に剥離可能に貼り合わせられた構成を有していることが好ましい。このように、W字型折り畳み型粘着テープ又はシートにおいて、つまみ部が形成されていない端部側の部位と、つまみ部が形成されていない端部側の部位に対して対向している部位とが、部分的に剥離可能に貼り合わせられた構成を有していると、W字型折り畳み型粘着テープ又はシートを物品に貼付した後に、つまみ部を強く引っ張って長尺状に展開させても、W字型折り畳み型粘着テープ又はシートを、貼付している物品との剥離を生じさせることなく、容易に長尺状に展開させることができる。これは、つまみ部が形成されていない端部側の部位と、該つまみ部が形成されていない端部側の部位に対して対向している部位とが部分的に剥離可能な形態で貼り合わされているため(すなわち、部分的に剥離ができないように貼り合わされているため)、前記つまみ部を引っ張る力は、つまみ部が形成されていない端部側の部位と、該つまみ部が形成されていない端部側の部位に対して対向している部位との間の剥離不可能な部位において、せん断力として作用し、つまみ部が形成されていない端部側の部位の物品に対する剥離力としての作用が低下されているためであると思われる。
【0053】
従って、W字型折り畳み型粘着テープ又はシートとしては、一方の端部につまみ部が形成され、且つつまみ部が形成された端部側の部位およびつまみ部が形成されていない端部側の部位が、折り畳まれた際のそれぞれの表面側に位置するような形態で、且つつまみ部が形成された端部とつまみ部が形成されていない端部とが同一方向に向いた状態となって、蛇腹状に3回以上(特に、W字状に3回)折り曲げることにより折り畳まれた構成を有しているとともに、下記の(a2b)〜(d2b)の構成を有しており、且つつまみ部を引っ張ることにより長尺状に展開させることが可能であり、さらに、少なくとも、折り畳まれた際に主として表面側に位置しているつまみ部が形成された端部側の部位が、不織布製基材を支持体として形成されている粘着テープ又はシートが好ましい。
(a2b)つまみ部が形成されていない端部側の部位の表面に、物品に貼付するための粘着剤層を有する構成
(b2b)つまみ部が形成された端部側の部位におけるつまみ部が形成されていない端部側の面に、つまみ部が形成される形態で、物品に貼付するための粘着剤層を有し、且つつまみ部が形成された端部側の部位と、該つまみ部が形成された端部側の部位に対して対向している部位(W字状に3回折り曲げることにより折り畳まれた構成の場合は、つまみ部が形成された端部側の部位に対して対向しているW字状に3回折り曲げることにより折り畳まれた際の折り目部間の部位)とが、離型処理層により剥離可能に貼り合わせられた構成
(c2b)つまみ部が形成されていない端部側の部位に対して対向している部位(W字状に3回折り曲げることにより折り畳まれた構成の場合は、つまみ部が形成された端部側の部位に対して対向しているW字状に3回折り曲げることにより折り畳まれた際の折り目部間の部位)におけるつまみ部が形成されていない端部側の部位側の面に粘着剤層を有しているとともに、つまみ部が形成されていない端部側の部位におけるつまみ部が形成された端部側の部位側の面に、端部側のみに部分的に離型処理層を有し、且つつまみ部が形成されていない端部側の部位と、該つまみ部が形成されていない端部側の部位に対して対向している部位(W字状に3回折り曲げることにより折り畳まれた構成の場合は、つまみ部が形成された端部側の部位に対して対向しているW字状に3回折り曲げることにより折り畳まれた際の折り目部間の部位)とが、離型処理層により部分的に剥離可能に貼り合わせられた構成
(d2b)折り畳まれた際の対向している折り目部間の部位どうし(W字状に3回折り曲げることにより折り畳まれた構成の場合は、W字状に3回折り曲げることにより折り畳まれた際の対向している折り目部間の部位どうし)が、仮着剤層により剥離可能に貼り合わせられた構成
【0054】
なお、W字型折り畳み型粘着テープ又はシートが、つまみ部が形成されていない端部側の部位(貼付部位)と、該貼付部位(つまみ部が形成されていない端部側の部位)に対して対向している部位とが、部分的に剥離可能に貼り合わせられた構成を有している場合、貼付部位と、該貼付部位に対して対向している部位との間における剥離可能な部位の長さ(又は幅)としては、つまみ部が形成されていない端部から折り目部に向かって、貼付部位全長に対して10〜90%(好ましくは50〜90%、さらに好ましくは70〜90%)の範囲であることが望ましい。すなわち、貼付部位におけるつまみ部が形成された端部側の部位(展開部位)側の面に、つまみ部が形成されていない端部から折り目部に向かって、貼付部位全長に対して10〜90%(好ましくは50〜90%、さらに好ましくは70〜90%)の範囲で離型処理層(固定粘着剤層用離型処理層)が形成されていることが望ましい。なお、固定粘着剤層用離型処理層の長さが貼付部位全長に対して10%以下の長さであると、使用時にW字型折り畳み型粘着テープ又はシートを展開する(各部を剥離して開く)際に、貼付部位と、該貼付部位と対向している部位との間の折り目の部分が切れ易くなる傾向があり、貼付部位全長に対して90%以上の長さであると、貼付部位が被着体から剥がれたり、被着体を破壊する場合がある。
【0055】
[S字型折り畳み型粘着テープ又はシート]
S字型折り畳み型粘着テープ又はシートとしては、一方の端部につまみ部が形成され、且つつまみ部が形成された端部側の部位およびつまみ部が形成されていない端部側の部位が、折り畳まれた際のそれぞれの表面側に位置するような形態で、且つつまみ部が形成された端部とつまみ部が形成されていない端部とが異なる方向に向いた状態となって、蛇腹状に(蛇腹状、アコーディオン状又はつづら折り状に)2回以上折り曲げることにより折り畳まれた構成を有しているとともに、つまみ部が形成されていない端部側から2つ目の折り目部が、つまみ部が形成されていない端部よりも突出した状態で折り畳まれた構成を有しており、また、且つ下記の(a3)〜(d3)の構成を有しており、且つつまみ部を引っ張ることにより長尺状に展開させることが可能であり、さらに、少なくとも、折り畳まれた際に主として表面側に位置しているつまみ部が形成された端部側の部位が、不織布製基材を支持体として形成されている粘着テープ又はシートを好適に用いることができる。
(a3)つまみ部が形成されていない端部側の部位の表面に、物品に貼付するための粘着剤層を有する構成
(b3)つまみ部が形成された端部側の部位におけるつまみ部が形成されていない端部側の面に、つまみ部が形成される形態で、物品に貼付するための粘着剤層を有し、且つつまみ部が形成された端部側の部位と、該つまみ部が形成された端部側の部位に対して対向している部位とが、離型処理層により剥離可能に貼り合わせられた構成
(c3)つまみ部が形成されていない端部側から1つ目の折り目部と、2つ目の折り目部との間の部位におけるつまみ部が形成されていない端部側の部位側の面において、つまみ部が形成されていない端部側の部位と重ね合わせられていない露出した表面に、少なくとも部分的に、長尺状に展開させるまで物品に貼付するための仮止め層を有する構成
(d3)蛇腹状に4回以上折り曲げることにより折り畳まれた構成を有している場合、折り畳まれた際の対向している折り目部間の部位どうしが、剥離可能に貼り合わせられた構成
【0056】
前記S字型折り畳み型粘着テープ又はシートとしては、図3や図9で示されているように、2つの端部(両端部)が異なる方向に向いた状態となって、Z字状(S字状)に且つつまみ部が形成されていない端部側から2つ目の折り目部が、つまみ部が形成されていない端部よりも突出した状態で2回折り曲げることにより折り畳まれた構成を有していてもよく、また、図10で示されるように、2つの端部が異なる方向に向いた状態となって、蛇腹状、アコーディオン状(アコーディオンの伸縮部位の形状)又はつづら折り状に且つつまみ部が形成されていない端部側から2つ目の折り目部が、つまみ部が形成されていない端部よりも突出した状態で4回以上折り曲げることにより折り畳まれた構成を有していてもよい。なお、前述のように、「蛇腹状、アコーディオン状又はつづら折り状に2回以上折り曲げる」際の折り曲げる回数としては、特に制限されず、使用目的、折り畳んだ際の長さ、長尺状に展開した際の長さ、折り畳まれた際の厚み等に応じて適宜選択することができる。例えば、下記に示されるように、S字型折り畳み型粘着テープ又はシートを紙おむつの拘束用粘着テープ又はシートとして用いる場合は、「蛇腹状、アコーディオン状又はつづら折り状に2回以上折り曲げる」際の折り曲げる回数は、Z字状(S字状)に2回であることが好ましいが、もちろん、4回以上(例えば、4回や6回等)であってもよい。
【0057】
従って、S字型折り畳み型粘着テープ又はシートとしては、一方の端部につまみ部が形成され、且つつまみ部が形成された端部側の部位およびつまみ部が形成されていない端部側の部位が、折り畳まれた際のそれぞれの表面側に位置するような形態で、且つつまみ部が形成された端部とつまみ部が形成されていない端部とが異なる方向に向いた状態となって、Z字状(S字状)に2回折り曲げることにより折り畳まれた構成を有しているとともに、つまみ部が形成されていない端部側から2つ目の折り目部が、つまみ部が形成されていない端部よりも突出した状態で折り畳まれた構成を有しており、また、下記の(a3a)〜(c3a)の構成を有しており、且つつまみ部を引っ張ることにより長尺状に展開させることが可能であり、さらに、少なくとも、折り畳まれた際に主として表面側に位置しているつまみ部が形成された端部側の部位が、不織布製基材を支持体として形成されている粘着テープ又はシートが好適である。
(a3a)つまみ部が形成されていない端部側の部位の表面に、物品に貼付するための粘着剤層を有する構成
(b3a)つまみ部が形成された端部側の部位におけるつまみ部が形成されていない端部側の面に、つまみ部が形成される形態で、物品に貼付するための粘着剤層を有し、且つつまみ部が形成された端部側の部位と、該つまみ部が形成された端部側の部位に対して対向しているS字状に2回折り曲げることにより折り畳まれた際の折り目部間の部位とが、離型処理層により剥離可能に貼り合わせられた構成
(c3a)S字状に2回折り曲げることにより折り畳まれた際の折り目部間の部位におけるつまみ部が形成されていない端部側の部位側の面において、つまみ部が形成されていない端部側の部位と重ね合わせられていない露出した表面に、少なくとも部分的に、長尺状に展開させるまで物品に貼付するための仮止め層を有する構成
【0058】
なお、図9、図10は、それぞれ、本発明の粘着テープ又はシートの他の例を示す概略断面図である。図9において、(a)は、支持体が、1枚の不織布製基材のみにより構成された場合のS字型折り畳み型粘着テープ又はシートの例を示しており、(b)は、支持体が、1枚の不織布製基材と、1枚のプラスチック製基材とにより構成された場合のS字型折り畳み型粘着テープ又はシートの例を示している。また、図10は、蛇腹状に4回折り曲げることにより折り畳まれた構成のS字型折り畳み型粘着テープ又はシートの例を示している。図9において、61はS字型折り畳み型粘着テープ又はシート、61aは不織布製基材、61bは離型処理層(貼付粘着剤層離型処理層)、61cは粘着剤層(展開粘着剤層)、61dは離型処理層(展開粘着剤層離型処理層)、61eは仮着剤層、61fは離型処理層(仮着剤層用離型処理層)、61gは粘着剤層(貼付粘着剤層)である。また、62はS字型折り畳み型粘着テープ又はシート、62aは不織布製基材、62bはプラスチック製基材、62cは離型処理層(貼付粘着剤層離型処理層)、62dは粘着剤層(展開粘着剤層)、62eは離型処理層(展開粘着剤層離型処理層)、62fは仮着剤層、62gは離型処理層(仮着剤層用離型処理層)、62hは粘着剤層(貼付粘着剤層)である。さらに、図10において、63はS字型折り畳み型粘着テープ又はシート、63aは不織布製基材、63bはプラスチック製基材、63cは離型処理層(貼付粘着剤層離型処理層)、63dは粘着剤層(展開粘着剤層)、63eは離型処理層(展開粘着剤層離型処理層)、63fは仮着剤層、63gは離型処理層(仮着剤層用離型処理層)、63hは粘着剤層(固定粘着剤層)、63iは離型処理層(固定粘着剤層用離型処理層)、63jは仮着剤層、63kは離型処理層(仮着剤層用離型処理層)、63mは粘着剤層(貼付粘着剤層)である。
【0059】
このようなS字型折り畳み型粘着テープ又はシートにおいて、つまみ部が形成されていない端部側の部位(貼付部位;図3では、貼付部位12b2)の長さXとしては、つまみ部が形成されていない端部側から1つ目の折り目部と、2つ目の折り目部との間の部位(「貼付側中間部位」と称する場合がある;図3では、折り目部間部位12b3)の長さYよりも短ければ特に制限されず、例えば、貼付側中間部位の長さYに対して5〜95%の範囲から選択することができるが、貼付部位の長さXとしては、短すぎると、S字型折り畳み型粘着テープ又はシートの物品に対する粘着性が低下し、長すぎると、S字型折り畳み型粘着テープ又はシートの全体長さの短縮性が低下する。従って、貼付部位の長さXとしては、貼付側中間部位の長さYに対して10〜70%であることが好ましく、さらに好ましくは10〜50%であり、特に10〜30%であることが好適である。
【0060】
なお、本発明では、貼付部位の長さXとしては、貼付側中間部位の長さYに対する割合による相対的な大きさ以外にも、絶対的な大きさによっても規定することができる。貼付部位は、物品に貼付により固定するために設けられているので、物品に貼付により固定する(特に、強固に固定する)ことができる長さを有していることが重要なためである。貼付部位の長さXとしては、例えば、3mm以上(好ましくは5mm以上、さらに好ましくは8mm以上)であることが重要である。なお、貼付部位の長さXの上限としては特に制限されず、長すぎると、前述のように、S字型折り畳み型粘着テープ又はシートの全体長さの短縮性が低下するので、貼付する物品の種類や貼付粘着剤層による粘着性などに応じて、例えば、20mm以下(好ましくは15mm以下、さらに好ましくは12mm以下)の範囲から選択することができる。従って、貼付部位の長さXとしては、例えば、貼付側中間部位の長さYよりも短く、且つ3mm以上(例えば、3〜20mm)である範囲から選択することができる。
【0061】
また、S字型折り畳み型粘着テープ又はシートにおいて、つまみ部が形成された端部側の部位(展開部位;図3では、展開部位12b1)の長さZとしては、つまみ部が形成されていない端部側から1つ目の折り目部と、2つ目の折り目部との間の部位(貼付側中間部位)の長さYに対して、長くてもよいが、短いことが好ましく、特に、S字型折り畳み型粘着テープ又はシートの折り畳まれた状態での全厚みを薄くする観点から、貼付側中間部位の長さYから、つまみ部が形成されていない端部側の部位(貼付部位)の長さXを引いた長さ(Y−X)と同じか又はそれよりも短くなっていることが好ましい。すなわち、展開部位の長さZとしては、貼付側中間部位の長さYと、つまみ部が形成されていない端部側の部位(貼付部位)の長さXとの差(Y−X)に対して100%未満の大きさとなっていることが好ましい。このように、展開部位の長さZが、貼付側中間部位の長さYと、貼付部位の長さXとの差(Y−X)に対して100%未満であると、S字型折り畳み型粘着テープ又はシートは、折り畳まれた状態では、貼付部位上に貼付側中間部位を介して展開部位が積層されなくなるので、折り畳まれた状態での全厚みを、従来よりも1層分薄くすることができる。また、展開部位の長さZが、貼付側中間部位の長さYと、貼付部位の長さXとの差(Y−X)に対して100%を超えていると、折り畳まれた状態での全厚みが一定にならず、貼付部位上に貼付側中間部位を介して展開部位が積層された箇所で厚みが厚く、その他の場所で厚みが薄くなって、段差が生じてしまうので、展開部位の長さZを、貼付側中間部位の長さYと、貼付部位の長さXとの差(Y−X)に対して100%未満にすると、このような段差を無くすという効果も発揮される。
【0062】
なお、S字型折り畳み型粘着テープ又はシートの展開した際に伸びて展開する展開長さを一定とした場合、展開部位の長さZの長さが短すぎると、貼付側中間部位の長さが長くなってしまい、折り畳んだ際の長さが長くなってしまう。また、展開部位の長さZが、貼付側中間部位の長さYと、貼付部位の長さXとの差(Y−X)に対して短すぎると、折り畳まれた状態での厚みが一定にならず、段差が生じてしまう。そのため、S字型折り畳み型粘着テープ又はシートの折り畳まれた状態での全厚みと全長とを適度にする観点等から、展開部位の長さZとしては、貼付側中間部位の長さYと、貼付部位の長さXとの差(Y−X)に対して90〜100%(好ましくは95〜100%)であることが望ましく、特に99〜100%(ほぼ100%)であることが好適である。
【0063】
また、展開部位と貼付部位との間の部位(「中間部位」と称する場合がある)のうち、つまみ部が形成されていない端部(つまみ部非形成端部)側から1つ目の折り目部と、2つ目の折り目部との間の中間部位(貼付側中間部位)における貼付部位側の面には、長尺状に展開させるまで物品に貼付する(仮止めする)ための仮止め層が、貼付部位と重ね合わされていない露出した表面に、少なくとも部分的に、形成されている。仮止め層は、貼付側中間部位における貼付部位側の面において、折り畳まれた状態で露出している表面に、全面的に形成されていてもよいが、第2折り目部側の端部側の部分には形成されていないことが好ましい。すなわち、つまみ部非形成端部側から1つ目の折り目部(第1折り目部)と、2つ目の折り目部(第2折り目部)との間の部位におけるつまみ部非形成端部側の部位(貼付部位)側の面において、第2折り目部側の端部側の部分には、仮止め層が形成されていないことが望ましい。なお、仮止め層が形成されていない部分が多すぎると、S字型折り畳み型粘着テープ又はシートの物品への固定性が低下し、剥がれ易くなる。そのため、仮止め層が形成されていない第2折り目部側の端部側の部分としては、第2折り目部側の端部から5mm以内の部分(さらに好ましくは3mm以内の部分)であることが望ましい。このように、仮止め層が第2折り目部側の端部側の部分に形成されていない形態を有していると、つまみ部を引っ張って展開させた際に、第2折り目部側の端部が浮き上がり、これにより、引っ張った際の力は、貼付側中間部位と物品との界面に効果的にかかるようになり、貼付部位を物品に固定させた状態で、容易に展開させることができるようになる。
【0064】
さらに、貼付部位と貼付側中間部位とは、剥離不可能なように貼り合わせられていてもよいが、直接接触して重ね合わせられているだけの構成や、粘着剤層や仮止め層等と離型処理層とを利用して、剥離可能に貼り合わせられた構成を有していることが好ましい。前述のように、貼付部位と、貼付側中間部位とを、貼付せず、直接接触させて重ね合わせた構成とする場合、貼付部位の長さXとしては、貼付側中間部位の長さYに対して、30%以下(例えば、10〜30%)であることが好ましい。貼付部位の長さXが、貼付側中間部位の長さYに対して、30%以下(例えば、10〜30%)であると、貼付部位と貼付側中間部位とが重ね合わせられている長さが、短くなっているので、貼付部位と貼付側中間部位とを貼付せずに、単に重ね合わせていても、折り畳んだ際に浮きが生じず、接触して重ね合わせられている状態を効果的に保持させることができる。
【0065】
このように、貼付部位と、貼付側中間部位とを、貼付せず、直接接触させて重ね合わせただけの構成とする場合、仮止め層における第1折り目部側の端部の位置としては、折り畳んだ際の貼付部位の端部(つまみ部非形成端部)の位置又はそれより手前側(すなわち、第2折り目部側)の位置となっていれば特に制限されない。仮止め層における第1折り目部側の端部の位置と、つまみ部非形成端部の位置との間の幅としては、広すぎると、S字型折り畳み型粘着テープ又はシートの物品への固定性が低下し、剥がれ易くなるため、0〜5mm(好ましくは0〜3mm)の範囲であることが望ましい。
【0066】
一方、貼付部位と貼付側中間部位とを剥離可能に貼り合わせる場合は、貼付部位の貼付側中間部位側の面に、離型処理層を形成し、貼付側中間部位の貼付部位と重ね合わせられる表面に粘着剤層や仮止め層(特に、仮止め層)を形成して、剥離可能な形態で貼り合わせることにより、貼付部位と貼付側中間部位とを重ね合わせていることが好ましい。
【0067】
このように、S字型折り畳み型粘着テープ又はシートは、展開させた際に伸びて展開する展開長さが、従来の折り畳んだ形態の粘着テープ又はシートの展開させた際の展開長さと同じ又はほぼ同じ長さであっても、全体長さ(全長)が効果的に短縮されている。しかも、展開時には、容易に展開することができる。さらには、折り畳まれた際の厚みが薄くなっており、折り畳んだ状態での粘着テープ又はシートの柔軟性も良好である。
【0068】
[4つ折り型折り畳み型粘着テープ又はシート]
4つ折り型折り畳み型粘着テープ又はシートとしては、一方の端部につまみ部が形成され、且つつまみ部が形成された端部側の部位と、つまみ部が形成されていない端部側の部位とが対向しているとともに、つまみ部が形成された端部側の部位と、折り畳まれた際の何れかの折り目部間の部位とが対向し、さらに、つまみ部が形成されていない端部側の部位が折り畳まれた際の表面側に位置するとともに、折り畳まれた際の何れかの折り目部間の部位が折り畳まれた際の表面側に位置するような形態で、2回以上折り曲げることにより折り畳まれた構成を有しているとともに、下記の(a4)〜(d4)の構成を有しており、且つつまみ部を引っ張ることにより長尺状に展開させることが可能であり、さらに、少なくとも、折り畳まれた際に主として表面側に位置している折り目部間の部位が、不織布製基材を支持体として形成されている粘着テープ又はシートを好適に用いることができる。
(a4)つまみ部が形成されていない端部側の部位の表面に、物品に貼付するための粘着剤層を有する構成
(b4)つまみ部が形成された端部側の部位における折り畳まれた際の折り目部間側の面に、つまみ部が形成される形態で、物品に貼付するための粘着剤層を有し、且つつまみ部が形成された端部側の部位と、該つまみ部が形成された端部側の部位に対して対向している折り畳まれた際の折り目部間の部位とが、離型処理層により剥離可能に貼り合わせられた構成
(c4)つまみ部が形成されていない端部側の部位におけるつまみ部が形成された端部側の部位側の面に、粘着剤層を有し、且つつまみ部が形成されていない端部側の部位と、つまみ部が形成された端部側の部位とが、離型処理層により剥離可能に貼り合わせられた構成
(d4)折り畳まれた際の対向している折り目部間の部位どうしが、仮着剤層により剥離可能に貼り合わせられた構成
【0069】
前記4つ折り型折り畳み型粘着テープ又はシートとしては、図4で示されるように、つまみ部が形成された端部がつまみ部が形成されていない端部より突出した状態となるように折り畳まれ、且つ前記折り畳まれた際の折り目部がつまみ部が形成された端部側の面に、該つまみ部が形成された端部よりも手前側に位置する状態となるように、4つ折り状に折り畳まれた構成(4つ折り状に、計2回折り曲げることにより折り畳まれた構成)を有していてもよく、また、つまみ部が形成された端部がつまみ部が形成されていない端部より突出した状態となるように折り畳まれ、且つこの折り畳みよりもさらに折り畳まれた際の折り目部が、つまみ部が形成された端部側の面に、該つまみ部が形成された端部よりも手前側に位置する状態となるように、さらに、2回以上(計3回以上)折り曲げることにより折り畳まれた構成[例えば、蛇腹状、アコーディオン状(アコーディオンの伸縮部位の形状)又はつづら折り状に2回以上折り曲げることにより折り畳まれた構成、または巻回状に2回以上折り曲げることにより折り畳まれた構成]を有していてもよい。なお、前述のように、つまみ部が形成された端部がつまみ部が形成されていない端部より突出した状態となるように折り畳んだ後に、「さらに、1回又は2回以上折り曲げる」際の折り曲げる回数としては、特に制限されず、使用目的、折り畳んだ際の長さ、長尺状に展開した際の長さ、折り畳まれた際の厚み等に応じて適宜選択することができる。例えば、下記に示されるように、4つ折り型折り畳み型粘着テープ又はシートを紙おむつの拘束用粘着テープ又はシートとして用いる場合は、「さらに、1回又は2回以上折り曲げる」際の折り曲げる回数は、1回であることが好ましいが、もちろん、2回以上(例えば、2回や3回)であってもよい。
【0070】
従って、4つ折り型折り畳み型粘着テープ又はシートとしては、一方の端部につまみ部が形成され、且つつまみ部が形成された端部側の部位と、つまみ部が形成されていない端部側の部位とが対向しているとともに、つまみ部が形成された端部側の部位と、折り畳まれた際の何れかの折り目部間の部位とが対向し、さらに、つまみ部が形成されていない端部側の部位が折り畳まれた際の表面側に位置するとともに、折り畳まれた際の何れかの折り目部間の部位が折り畳まれた際の表面側に位置するような形態で、4つ折り状に2回折り曲げることにより折り畳まれた構成を有しているとともに、下記の(a4a)〜(d4a)の構成を有しており、且つつまみ部を引っ張ることにより長尺状に展開させることが可能であり、さらに、少なくとも、折り畳まれた際に主として表面側に位置している折り目部間の部位が、不織布製基材を支持体として形成されている粘着テープ又はシートが好適である。
(a4a)つまみ部が形成されていない端部側の部位の表面に、物品に貼付するための粘着剤層を有する構成
(b4a)つまみ部が形成された端部側の部位における4つ折り状に2回折り曲げることにより折り畳まれた際の折り目部間側の面に、つまみ部が形成される形態で、物品に貼付するための粘着剤層を有し、且つつまみ部が形成された端部側の部位と、該つまみ部が形成された端部側の部位に対して対向している4つ折り状に2回折り曲げることにより折り畳まれた際の折り目部間の部位とが、離型処理層により剥離可能に貼り合わせられた構成
(c4a)つまみ部が形成されていない端部側の部位におけるつまみ部が形成された端部側の部位側の面に、粘着剤層を有し、且つつまみ部が形成されていない端部側の部位と、つまみ部が形成された端部側の部位とが、離型処理層により剥離可能に貼り合わせられた構成
(d4a)4つ折り状に2回折り曲げることにより折り畳まれた際の対向している折り目部間の部位どうしが、仮着剤層により剥離可能に貼り合わせられた構成
【0071】
本発明の折り畳み型粘着テープ又はシートでは、少なくとも、折り畳まれた際に、主として、つまみ部が形成されていない端部側の部位の表面に対して反対側の表面側に位置している部位(すなわち、折り畳まれた状態で物品に貼付した際に、主として表面側に位置している部位;「貼付時表面側部位」と称する場合がある)で、不織布製基材が支持体(基材)として用いられていることが重要である。従って、貼付時表面側部位以外の部位では、支持体として不織布製基材が用いられていてもよく、または、支持体として不織布製基材が用いられておらず、不織布製基材以外の基材(「非不織布製基材」と称する場合がある)が用いられていてもよい。
【0072】
なお、不織布製基材が用いられている貼付時表面側部位は、折り畳まれた状態で物品に貼付した際に、主として表面側に位置している部位であり、具体的には、例えば、端部と該端部から1つ目の折り目部と間の部位[つまみ部が形成された端部と、該端部から1つ目の折り目部との間の部位(つまみ部が形成された端部側の部位)など]や、折り目部間の部位などが挙げられる。
【0073】
このように、本発明では、少なくとも、折り畳まれた状態で物品に貼付した際に、主として表面側に位置している部位である貼付時表面側部位が、不織布製基材を支持体として形成されていればよく、折り畳まれた状態で物品に貼付した際に、主として表面側に位置しておらず内部側に位置しているが、貼付時表面側部位よりも突出しているために、部分的に表面側に位置している部分を有する部位(「貼付時部分的表面側部位」と称する場合がある)は、不織布製基材を支持体として形成されていることが必ずしも必要ではない。貼付時部分的表面側部位としては、例えば、図4における展開部位13b1などが挙げられる。図4で示される粘着テープ13では、展開部位13b1は、折り畳まれた状態で物品に貼付した際に、主として表面側に位置しておらず内部側に位置しているが、貼付時表面側部位である外面側折り目部間部位13b4よりも、つまみ部33kが突出しているために、部分的に表面側に位置している部分としてのつまみ部33kを有している。
【0074】
本発明では、折り畳み型粘着テープ又はシートは、折り畳まれた状態でロール状に巻回した状態で作製することができる。このように、折り畳み型粘着テープ又はシートを、折り畳まれた状態でロール状に巻回する場合は、折り畳まれた際に、つまみ部が形成されていない端部側の部位の表面に対して反対側の表面側で露出している面に、全面的に離型処理層が形成されていることが好ましい。このように、折り畳み型粘着テープ又はシートが、折り畳まれた状態で、一方の表面側に貼付粘着剤層が形成され、他方の表面側に離型処理層が形成されていると、剥離ライナーを用いなくても、折り畳まれた状態でロール状に巻回させることができる。なお、このような折り畳まれた状態でロール状に巻回された折り畳み型粘着テープ又はシートは、使用時には、巻き戻して、適宜な幅に切断して使用することができる。
【0075】
もちろん、折り畳み型粘着テープ又はシートは、つまみ部が形成されていない端部側の部位の表面に対して反対側の表面側で露出している面に離型処理層が形成されていなくてもよく、その場合は、剥離ライナーを利用して、折り畳まれた状態でロール状に巻回させることができる。
【0076】
(支持体)
本発明の折り畳み型粘着テープ又はシートでは、少なくとも、貼付時表面側部位で、支持体(基材)として不織布製基材が用いられている。不織布製基材としては、少なくとも不織布が用いられている基材であれば特に制限されず、不織布のみから形成された基材であってもよく、不織布と不織布以外の基材(「非不織布基材」と称する場合がある)との積層により形成された基材であってもよい。
【0077】
不織布としては、1枚の不織布のみの不織布単層構造を有している不織布の単層体、複数の不織布が積層された不織布多層構造を有している不織布の多層体のいずれであってもよい。不織布としては、複数の不織布が積層された不織布多層構造を有している方が、強度が強く、また、ほどけにくいので、不織布の多層体を好適に用いることができる。
【0078】
また、不織布としては、スパンボンド系不織布、メルトブロー系不織布などいずれの形態の不織布であってもよい。
【0079】
不織布を構成する繊維としては、不織布を形成することが可能な繊維であれば特に制限されず、合成繊維、半合成繊維、天然繊維のいずれであってもよい。不織布を構成する繊維は単独で又は2種以上組み合わせて用いられていてもよい。具体的には、不織布を構成する繊維としては、例えば、ポリオレフィン系繊維(ポリエチレン系繊維、ポリプロピレン系繊維など)、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、アクリル系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリビニルアルコール繊維(いわゆるビニロン繊維)、炭素繊維(炭素系繊維)、ポリイミド系繊維、シリコーン系繊維、フッ素系繊維、レーヨン繊維、綿繊維などが挙げられる。不織布を構成する繊維としては、ポリオレフィン系繊維、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維が好適であり、特に、ポリオレフィン系繊維(なかでも、ポリエチレン系繊維、ポリプロピレン系繊維)を好適に用いることができる。
【0080】
なお、不織布を構成する繊維には、予め、表面に離型処理が施されていてもよい。
【0081】
不織布と非不織布基材との積層により形成された基材において、非不織布基材としては、特に制限されず、例えば、プラスチック製基材、金属製基材(例えば、アルミニウム箔、鉄箔、ステンレス箔、ニッケル箔、銅箔等の各種金属箔など)、不織布を除く繊維製基材(例えば、織り布、編み布など)、紙製基材(例えば、和紙、上質紙、クラフト紙、グラシン紙、合成紙、トップコート紙など)などの薄葉体(不織布を除く)が挙げられる。前記プラスチック製基材としては、特に制限されず、例えば、ポリエチレン(PE)製基材、ポリプロピレン(PP)製基材、エチレン−プロピレン共重合体製基材等のポリオレフィン系樹脂製基材;ポリエチレンテレフタレート(PET)製基材、ポリブチレンテレフタレート(PBT)製基材等のポリエステル系樹脂製基材;ポリビニルアルコール製基材;ポリメチルメタクリレート(PMMA)製基材等のメタクリレート系樹脂製基材;アクリル系樹脂製基材;ポリスチレン製基材、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)製基材、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)製基材等のスチレン系樹脂製基材;ポリイミド(PI)製基材;ポリアミド系樹脂製基材;ポリカーボネート製基材;ウレタン系樹脂製基材:エポキシ系樹脂製基材;フッ素系樹脂製基材などの各種プラスチック製基材が挙げられる。
【0082】
非不織布基材としては、プラスチック製基材が好適であり、プラスチック製基材のなかでも、一般的に使用され、コスト、入手し易い観点からは、ポリオレフィン系樹脂製基材(特に、ポリエチレン製基材、ポリプロピレン製基材)が好適である。
【0083】
従って、不織布と非不織布基材との積層により形成された基材としては、不織布とプラスチック製基材との積層体を好適に用いることができ、なかでも、不織布とポリオレフィン系樹脂製基材(特に、ポリエチレン製基材、ポリプロピレン製基材)との積層体を好適に用いることができる。
【0084】
なお、不織布とプラスチック製基材との積層体において、プラスチック製基材は、不織布の一方の面に、積層することができる。不織布の一方の面にプラスチック製基材を積層する際には、公知の積層方法を適宜選択して利用することができ、例えば、ラミネートによる積層方法(例えば、溶融ラミネート方法、押出ラミネート方法など)を好適に利用することができる。従って、不織布とプラスチック製基材との積層体としては、不織布の一方の面に、プラスチック製基材としてプラスチック材料によるラミネート層が形成された積層体(不織布ラミネート体)を好適に用いることができる。もちろん、ラミネート層を形成するためのプラスチック材料は、プラスチック製基材を形成するためのプラスチック材料と同一である。従って、不織布製基材において、不織布の一方の面に形成されたラミネート層としては、ポリオレフィン系樹脂(特に、ポリエチレン、ポリプロピレン)により形成されていることが好ましい。
【0085】
また、本発明の折り畳み型粘着テープ又はシートにおいて、支持体として、不織布製基材以外の基材(非不織布製基材)が用いられている場合、非不織布製基材としては、前記非不織布基材と同様に、例えば、プラスチック製基材、金属製基材(例えば、アルミニウム箔、鉄箔、ステンレス箔、ニッケル箔、銅箔等の各種金属箔など)、不織布を除く繊維製基材(例えば、織り布、編み布など)、紙製基材(例えば、和紙、上質紙、クラフト紙、グラシン紙、合成紙、トップコート紙など)などの薄葉体(不織布を除く)が挙げられる。前記プラスチック製基材としては、特に制限されず、例えば、ポリエチレン(PE)製基材、ポリプロピレン(PP)製基材、エチレン−プロピレン共重合体製基材等のポリオレフィン系樹脂製基材;ポリエチレンテレフタレート(PET)製基材、ポリブチレンテレフタレート(PBT)製基材等のポリエステル系樹脂製基材;ポリビニルアルコール製基材;ポリメチルメタクリレート(PMMA)製基材等のメタクリレート系樹脂製基材;アクリル系樹脂製基材;ポリスチレン製基材、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)製基材、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)製基材等のスチレン系樹脂製基材;ポリイミド(PI)製基材;ポリアミド系樹脂製基材;ポリカーボネート製基材;ウレタン系樹脂製基材:エポキシ系樹脂製基材;フッ素系樹脂製基材などの各種プラスチック製基材が挙げられる。
【0086】
非不織布製基材としては、プラスチック製基材が好適であり、プラスチック製基材のなかでも、一般的に使用され、コスト、入手し易い観点からは、ポリオレフィン系樹脂製基材(特に、ポリエチレン製基材、ポリプロピレン製基材)が好適である。
【0087】
このような非不織布製基材は、前述のように、貼付時表面側部位(折り畳まれた状態で物品に貼付した際に表面側に位置している部位)以外の部位で用いることができる。
【0088】
本発明では、折り畳み型粘着テープ又はシートを形成している支持体は、不織布製基材のみから構成されていてもよく、不織布製基材と、非不織布製基材とにより構成されていてもよい。支持体が、不織布製基材のみから構成されている場合、一方の端部から他方の端部まで連続的に形成された1枚の長尺状の構成を有している不織布製基材(「連続長尺状不織布製基材」と称する場合がある)であってもよく、複数の不織布製基材の端部側の面どうしが重ね合わせられて、各種接着手段により積層された長尺状の構成を有している不織布製基材(「積層長尺状不織布製基材」と称する場合がある)であってもよい。
【0089】
一方、支持体が、不織布製基材と非不織布製基材とにより構成されている場合、不織布製基材の端部と、非不織布製基材の端部とが重ね合わせられて、各種接着手段等により積層された構成を有している。不織布製基材と非不織布製基材とにより構成された支持体において、不織布製基材としては、連続長尺状不織布製基材、積層長尺状不織布製基材のいずれであっても用いることができる。また、非不織布製基材としては、一方の端部から他方の端部まで連続的に形成された1枚の長尺状の構成を有している非不織布製基材、複数の非不織布製基材の端部側の面どうしが重ね合わせられて、各種接着手段により積層された長尺状の構成を有している非不織布製基材のいずれであっても用いることができる。
【0090】
支持体としては、貼付時表面側部位(折り畳まれた際に主として他方の表面側に位置している部位)では、不織布製基材が用いられており、その他の部位では、プラスチック製基材が用いられていることが好ましい。すなわち、折り畳み型粘着テープ又はシートとしえは、貼付時表面側部位が、不織布製基材を支持体として形成され、その他の部位が、プラスチック製基材を支持体として形成されていることが好ましい。このように、貼付時表面側部位以外の部位が、プラスチック製基材を支持体として形成されていると、折り畳み型粘着テープ又はシートは、貼付時表面側部位の展開前、展開時、展開後にわたって好適な強度および柔軟性を有することができる。
【0091】
なお、支持体(特に、プラスチック製基材)の表面には、粘着剤層等との密着力の向上等を目的に、コロナ処理やプラズマ処理等の物理的処理、下塗り剤等の化学的処理などの適宜な表面処理が施されていてもよい。
【0092】
支持体の全体の厚みとしては、特に制限されないが、通常、5〜1000μm(好ましくは10〜500μm)である。
【0093】
不織布製基材の厚みとしては、例えば、50〜500μm(好ましくは100〜300μm)である。なお、不織布製基材が、不織布と非不織布基材との積層により形成された基材である場合、不織布と、非不織布基材との厚みの比としては、特に制限されず、例えば、不織布製基材の全体としての厚みが、前記範囲となっていればよい。具体的には、例えば、不織布製基材が、不織布の一方の面に、プラスチック材料によるラミネート層が形成された積層体である場合、不織布製基材におけるラミネート層の厚みとしては、例えば、5〜50μm(好ましくは10〜20μm)の範囲から選択することができる。
【0094】
非不織布製基材の厚みとしては、例えば、30〜300μm(好ましくは50〜100μm)である。
【0095】
(貼付粘着剤層)
本発明の折り畳み型粘着テープ又はシートでは、つまみ部が形成されていない端部(つまみ部非形成端部)側の部位の表面に、粘着剤層(貼付粘着剤層)が形成されている。該貼付粘着剤層は、物品に貼付するために設けられており、特に、折り畳まれた状態で(未展開の状態で)物品に貼付するための粘着剤層として設けられている。具体的には、貼付粘着剤層を利用して、折り畳み型粘着テープ又はシートを物品に貼付することにより、貼付部位を物品に貼付して固定させることができる。なお、貼付粘着剤層は、使用時までの間、剥離ライナーにより保護されていてもよく、または、折り畳み型粘着テープ又はシートの貼付時表面側部位側の表面に形成された離型処理層により保護されていてもよい。
【0096】
貼付粘着剤層を形成するための粘着剤(「貼付粘着剤」と称する場合がある)としては、特に制限されず、例えば、ホットメルト型粘着剤、エマルジョン系粘着剤、溶剤系粘着剤、オリゴマー系粘着剤、固系粘着剤などのいずれの形態の粘着剤であってもよい。貼付粘着剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。貼付粘着剤としては、ホットメルト型粘着剤を好適に用いることができる。
【0097】
ホットメルト型粘着剤は、エラストマー(熱可塑性エラストマー等)や熱可塑性樹脂などをベースポリマーとしている。なお、ベースポリマーは単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。ホットメルト型粘着剤におけるベースポリマーの熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体(SEP)などのスチレン系熱可塑性エラストマー(スチレン系ブロックコポリマー;例えばスチレン含有量5重量%以上のスチレン系ブロックコポリマー);ポリウレタン系熱可塑性エラストマー;ポリエステル系熱可塑性エラストマー;ポリプロピレンとEPT(三元系エチレン−プロピレンゴム)とのポリマーブレンドなどのブレンド系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
【0098】
また、ホットメルト型粘着剤におけるベースポリマーの熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂などが挙げられる。なお、ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン系共重合体[例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA);エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)などのエチレン−不飽和カルボン酸共重合体;アイオノマー;エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体などのエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体;エチレン−ビニルアルコール共重合体など]の他、ポリエチレン(低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、メタロセン触媒法ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなど)、ポリプロピレン、α−オレフィン共重合体(エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体など)などのポリオレフィン;ポリプロピレン変性樹脂などが挙げられる。また、酢酸ビニル系樹脂としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−ビニルエステル共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体などが挙げられる。
【0099】
ホットメルト型粘着剤としては、ベースポリマーが熱可塑性エラストマー(特に、スチレン系熱可塑性エラストマー)であるホットメルト型粘着剤が好適である。
【0100】
また、エマルジョン系粘着剤や溶剤系粘着剤等の粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、エポキシ系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、フッ素系粘着剤などの粘着剤であって、それぞれの形態(例えば、エマルジョンの形態、溶液の形態など)の粘着剤が挙げられる。
【0101】
なお、貼付粘着剤は、粘着性成分(ベースポリマー)等のポリマー成分の他に、粘着剤の種類等に応じて、架橋剤(例えば、ポリイソシアネート系架橋剤、アルキルエーテル化メラミン化合物系架橋剤など)、粘着付与剤(例えば、ロジン誘導体樹脂、ポリテルペン樹脂、石油樹脂、フェノール樹脂など)、可塑剤、充填剤、老化防止剤などの適宜な添加剤を含んでいてもよい。
【0102】
貼付粘着剤としては、いわゆる「強粘着剤」を好適に用いることができる。具体的には、貼付粘着剤による貼付粘着剤層の粘着力としては、JIS Z 0237に規定された180°引き剥し試験(被着体:ステンレス板、引張速度:300mm/分)において、2.0N/10mm以上であることが望ましい。
【0103】
貼付粘着剤層の形成方法としては、公知乃至慣用の粘着剤層の形成方法を採用することができ、例えば、支持体の所定の面における所定の部位上に、貼付粘着剤を乾燥後の厚さが所定の厚さとなるように直接塗工して乾燥する方法(塗布方法)、セパレータ上に、乾燥後の厚さが所定の厚さとなるように貼付粘着剤を塗布して粘着剤層を形成した後、該粘着剤層を基材上に転写する方法(転写方法)などが挙げられる。
【0104】
貼付粘着剤層の厚みとしては、特に限定するものではないが、粘着特性等の点から、10μm以上であることが望ましく、例えば、10〜1000μm(好ましくは20〜500μm)程度の範囲から選択することができる。
【0105】
(展開粘着剤層)
また、本発明の折り畳み型粘着テープ又はシートでは、つまみ部が形成された端部(つまみ部形成端部)側の部位の何れかの表面に、つまみ部が形成される形態で、粘着剤層(展開粘着剤層)が形成されている。展開粘着剤層は、基本的には、物品に貼付するために設けられており、特に、展開した状態で物品に貼付するための粘着剤層として設けられている。また、未展開の状態では、折り畳み型粘着テープ又はシートを、該折り畳まれた状態を保持させるための機能も発揮している。具体的には、展開粘着剤層を、展開部位に対向している部位の面に形成された離型処理層と貼り合わせることにより、展開部位と、該展開部位に対向している部位とについて、折り畳まれている状態を保持させることができる。もちろん、この貼り合わせでは粘着剤層と離型処理層とが用いられているので、展開部位と、該展開部位に対向している部位とは剥離可能となっている。また、折り畳まれた状態で貼付粘着剤層により物品に貼付された折り畳み型粘着テープ又はシートを、長尺状に展開し、該展開した状態の粘着テープ又はシートを、展開粘着剤層を利用して、物品に貼付することにより、長尺状の粘着テープ又はシートを物品に貼付することができる。このとき、両端に形成された粘着剤層(貼付粘着剤層、展開粘着剤層)を利用して、長尺状の粘着テープ又はシートを物品に貼付しているので、物品を拘束する(特に、物品を所定の形状にして拘束する)機能を発揮することができる。
【0106】
展開粘着剤層を形成するための粘着剤(「展開粘着剤」と称する場合がある)としては、特に制限されず、前記貼付粘着剤と同様の粘着剤を用いることができる。具体的には、展開粘着剤としては、例えば、ホットメルト型粘着剤、エマルジョン系粘着剤、溶剤系粘着剤、オリゴマー系粘着剤、固系粘着剤などのいずれの形態の粘着剤であってもよい。展開粘着剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。展開粘着剤としては、ホットメルト型粘着剤を好適に用いることができる。
【0107】
展開粘着剤におけるホットメルト型粘着剤としては、前記貼付粘着剤におけるホットメルト型粘着剤と同様に、エラストマー(熱可塑性エラストマー等)や熱可塑性樹脂などをベースポリマーとするホットメルト型粘着剤が挙げられる。なお、ホットメルト型粘着剤における熱可塑性エラストマーや熱可塑性樹脂としては、前記と同様の熱可塑性エラストマーや熱可塑性樹脂が挙げられる。ホットメルト型粘着剤としては、ベースポリマーが熱可塑性エラストマー(特に、スチレン系熱可塑性エラストマー)であるホットメルト型粘着剤が好適である。
【0108】
また、エマルジョン系粘着剤や溶剤系粘着剤等の粘着剤としては、前記貼付粘着剤の場合と同様の粘着剤が挙げられる。
【0109】
なお、展開粘着剤は、粘着性成分(ベースポリマー)等のポリマー成分の他に、粘着剤の種類等に応じて、架橋剤(例えば、ポリイソシアネート系架橋剤、アルキルエーテル化メラミン化合物系架橋剤など)、粘着付与剤(例えば、ロジン誘導体樹脂、ポリテルペン樹脂、石油樹脂、フェノール樹脂など)、可塑剤、充填剤、老化防止剤などの適宜な添加剤を含んでいてもよい。
【0110】
展開粘着剤としては、いわゆる「強粘着剤」を好適に用いることができる。具体的には、展開粘着剤による展開粘着剤層の粘着力としては、JIS Z 0237に規定された180°引き剥し試験(被着体:ステンレス板、引張速度:300mm/分)において、2.0N/10mm以上であることが望ましい。
【0111】
展開粘着剤層の形成方法としては、前記貼付粘着剤層と同様に、公知乃至慣用の粘着剤層の形成方法を採用することができ、例えば、支持体の所定の面における所定の部位上に、展開粘着剤を乾燥後の厚さが所定の厚さとなるように直接塗工して乾燥する方法(塗布方法)、セパレータ上に、乾燥後の厚さが所定の厚さとなるように展開粘着剤を塗布して粘着剤層を形成した後、該粘着剤層を基材上に転写する方法(転写方法)などが挙げられる。
【0112】
展開粘着剤層の厚みとしては、特に限定するものではないが、粘着特性等の点から、10μm以上であることが望ましく、例えば、10〜1000μm(好ましくは20〜500μm)程度の範囲から選択することができる。
【0113】
本発明では、貼付粘着剤、展開粘着剤は、同一の粘着剤であってもよく、異なる粘着剤であってもよい。また、同種の粘着剤であってもよい。
【0114】
(仮着剤層)
また、本発明の折り畳み型粘着テープ又はシートでは、仮着剤層が用いられている場合がある。仮着剤層を利用すると、対向している面を有する部位どうしを剥離可能に貼り合わせて、折り畳まれている状態を保持させることができ、また、剥離後は、仮着剤層の接着性が著しく低下し、再接着させることが難しくなっているので、仮着剤層が形成されていた表面は、ベタベタしていない。従って、折り畳み型粘着テープ又はシートを長尺状に展開した際には、仮着剤層が表面に露出しても、仮着剤層の表面は非粘着面となっているので、指や物品の一部などが仮着剤層の表面に触れても接着し難くなっている。そのため、折り畳み時には、表面に露出していないが、長尺状に展開させた際には、露出する面には、仮着剤層を適用することが好ましい。例えば、Z字型折り畳み型粘着テープ又はシートでは、つまみ部が形成されていない端部側の部位と、該つまみ部が形成されていない端部側の部位に対して対向している部位との対向している各面に仮着剤層を適用することができるとともに、蛇腹状に4回以上折り曲げることにより折り畳まれた構成を有している場合、折り畳まれた際の対向している折り目部間の部位どうしの各面に、仮着剤層を適用することができる。また、W字型折り畳み型粘着テープ又はシートでは、折り畳まれた際の対向している折り目部間の部位どうしの各面に、仮着剤層を適用することができる。さらに、S字型折り畳み型粘着テープ又はシートでは、Z字型折り畳み型粘着テープ又はシートと同様に、蛇腹状に4回以上折り曲げることにより折り畳まれた構成を有している場合、折り畳まれた際の対向している折り目部間の部位どうしの各面に、仮着剤層を適用することができる。さらにまた4つ折り型折り畳み型粘着テープ又はシートでは、折り畳まれた際の対向している折り目部間の部位どうしの各面に、仮着剤層を適用することができる。
【0115】
このような仮着剤層を形成する仮着剤としては、特に制限されず、例えば、ポリオレフィン系仮着剤(例えば、ポリエチレン系仮着剤、ポリプロピレン系仮着剤、エチレン−プロピレン共重合体系仮着剤など);スチレン系仮着剤(例えば、スチレン系熱可塑性エラストマーによる仮着剤等)などの公知の仮着剤を用いることができる。仮着剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。なお、仮着剤層は、貼り合わせる部位どうしの各面に形成することができる。各仮着剤層は、同一の仮着剤により形成されていてもよく、異なる仮着剤により形成されていてもよい。
【0116】
仮着剤層を形成する仮着剤としては、ポリオレフィン系仮着剤(なかでも、ポリプロピレン系仮着剤)を好適に用いることができる。
【0117】
仮着剤層の形成方法としては、公知乃至慣用の仮着剤層の形成方法を採用することができる。例えば、支持体の所定の面における所定の部位上に、熱溶融された仮着剤を直接塗工して冷却する方法(ホットメルト塗工方法)や、乾燥後の厚さが所定の厚さがとなるように溶液型の仮着剤を塗工して乾燥する方法(溶液塗工方法)などが挙げられる。
【0118】
仮着剤層の厚みとしては特に限定するものではないが、各仮着剤層の厚みとして、例えば、2〜40μm(好ましくは5〜15μm)程度の範囲から選択することができる。
【0119】
(離型処理層)
本発明の折り畳み型粘着テープ又はシートでは、対向している面を有する部位どうしを剥離可能に貼り合わせる際に、対向している面のうち、一方の部位側の面に粘着剤層が形成されている場合、他方の部位側の面には離型処理層を形成することができる。例えば、折り畳まれた際に、つまみ部が形成された端部(つまみ部形成端部)側の部位の表面に形成された展開粘着剤層に対して対向している面に、離型処理層(展開粘着剤層用離型処理層)を形成することができる。
【0120】
なお、Z字型折り畳み型粘着テープ又はシートでは、つまみ部非形成端部側の部位に対して対向している部位に粘着剤層(固定粘着剤層)が形成されている場合や、蛇腹状に4回以上折り曲げることにより折り畳まれた構成を有し且つ折り畳まれた際の対向している折り目部間の部位どうしの何れかの面に粘着剤層(固定粘着剤層)が形成されている場合、折り畳まれた際に固定粘着剤層に対して対向している面に、離型処理層(固定粘着剤層用離型処理層)を形成することができる。また、W字型折り畳み型粘着テープ又はシートでは、つまみ部非形成端部側の部位に対して対向している部位に粘着剤層(固定粘着剤層)が形成されている場合や、折り畳まれた際の対向している折り目部間の部位どうしの何れかの面に粘着剤層(固定粘着剤層)が形成されている場合、折り畳まれた際に固定粘着剤層に対して対向している面に、離型処理層(固定粘着剤層用離型処理層)を形成することができる。さらに、S字型折り畳み型粘着テープ又はシートでは、蛇腹状に4回以上折り曲げることにより折り畳まれた構成を有し且つ折り畳まれた際の対向している折り目部間の部位どうしの何れかの面に粘着剤層(固定粘着剤層)が形成されている場合、折り畳まれた際に固定粘着剤層に対して対向している面に、離型処理層(固定粘着剤層用離型処理層)を形成することができる。さらにまた、4つ折り型折り畳み型粘着テープ又はシートでは、つまみ部形成端部側の部位に形成された粘着剤層(固定粘着剤層)に対して対向している面に、離型処理層(固定粘着剤層用離型処理層)を形成することができるとともに、折り畳まれた際の対向している折り目部間の部位どうしの何れかの面に粘着剤層(固定粘着剤層)が形成されている場合、折り畳まれた際に固定粘着剤層に対して対向している面に、離型処理層(固定粘着剤層用離型処理層)を形成することができる。
【0121】
また、本発明の折り畳み型粘着テープ又はシートでは、特に、つまみ部非形成端部側の部位に形成された粘着剤層(貼付粘着剤層)を保護するために、貼付時表面側部位側の表面に離型処理層(貼付粘着剤層用離型処理層)を形成することも可能である。
【0122】
このような離型処理層のうち、展開粘着剤層用離型処理層や固定粘着剤層用離型処理層を形成する離型処理剤(剥離処理剤)としては、特に制限されず、例えば、長鎖アルキル基含有ポリマーによる熱硬化型離型処理剤、熱硬化型シリコーン系離型処理剤、熱硬化型フッ素系離型処理剤などの公知の熱硬化型離型処理剤を適宜選択して用いることができ、なかでも熱硬化型シリコーン系離型処理剤を好適に用いることができる。
【0123】
離型処理層の形成方法としては、公知乃至慣用の離型処理層(熱硬化型離型処理剤層)の形成方法を採用することができ、例えば、支持体の所定の面における所定の部位上に、熱硬化型離型処理剤を乾燥又は硬化後の厚さが所定の厚さとなるように直接塗工して乾燥する方法(塗布方法)などが挙げられる。なお、熱硬化型離型処理層(展開粘着剤層用離型処理層、固定粘着剤層用離型処理層など)の厚みとしては、特に制限されず、例えば、0.001〜5μm程度の範囲から選択することができる。
【0124】
一方、貼付粘着剤層用離型処理層を形成する離型処理剤(剥離処理剤)としては、不織布製基材上に貼付粘着剤層用離型処理層を形成するため、不織布製基材による風合いを損なわずに、離型処理層としての機能を有効に発揮させることが可能な離型処理剤を用いることが重要である。そのため、貼付粘着剤層用離型処理層を形成する離型処理剤としては、前述のような熱硬化型離型処理剤を用いてもよいが、電離性放射線硬化型離型処理剤を用いることが好ましい。電離性放射線硬化型離型処理剤としては、電離性放射線(電子線や紫外線など)の照射により硬化(又は架橋)して離型処理層を形成することが可能なものであれば特に制限されず、公知の電離性放射線硬化型離型処理剤から適宜選択して用いることができる。本発明では、電離性放射線硬化型離型処理剤としては、電離性放射線硬化型シリコーン系離型処理剤を好適に用いることができる。
【0125】
前記電離性放射線硬化型シリコーン系離型処理剤としては、例えば、特開平9−254330号公報や特開平10−102013号公報などで記載されている電離性放射線硬化型シリコーンなどを用いることができる。より具体的には、電離性放射線硬化型シリコーン系離型処理剤は、電離性放射線の照射により架橋反応を生じることが可能な官能基(「電離性放射線架橋型官能基」と称する場合がある)を有するシリコーン成分を含有しており、必要に応じて、反応効率を高めるために、光重合開始剤や触媒などを含んでいる。前記シリコーン成分における電離性放射線架橋型官能基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基、メルカプト基、ビニル基などが挙げられる。このような電離性放射線架橋型官能基は、シリコーン成分1分子中に、1個以上含まれていることが好ましい。なお、シリコーン成分としては、骨格又は主鎖が珪素原子(Si)と炭素原子(O)とが結合したシロキサン結合(Si−O結合)を有しているとともに、電離性放射線架橋型官能基を有するオルガノシロキサン系化合物であれば特に制限されないが、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基などの適宜な有機基が、骨格又は主鎖を構成している珪素原子に直接に又は他の基(例えば、アルキレン基等の2価の炭化水素基や、オキシ基などの2価の有機基)を介して結合しているとともに、電離性放射線架橋型官能基が骨格又は主鎖を構成している珪素原子に直接に又は他の基(アルキレン基等の2価の炭化水素基など)を介して結合している形態のオルガノシロキサン系化合物を好適に用いることができる。
【0126】
なお、電離性放射線硬化型シリコーン系離型処理剤で用いられている光重合開始剤や触媒において、光重合開始剤としては、特に制限されず、例えば、ベンゾフェノン系光重合開始剤(ベンゾフェノンなど)、アセトフェノン系光重合開始剤(アセトフェノンなど)、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、α−ケトール系光重合開始剤、芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤、光活性オキシム系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ケタール系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤などなどが挙げられる。また、触媒としては、特に制限されず、例えば、ジアゾニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩等のオニウム塩系硬化触媒などが挙げられる。光重合開始剤や触媒は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0127】
本発明では、電離性放射線硬化型シリコーン系離型処理剤としては、有機溶剤により希釈されていない無溶剤型のものを好適に用いることができる。無溶剤型の電離性放射線硬化型シリコーン系離型処理剤を用いると、溶剤を除去するための加熱を伴う工程を除くことができるとともに、加熱による不織布製基材の繊維の融合等も防止することが可能となる。
【0128】
なお、電離性放射線硬化型シリコーン系離型処理剤としては、不織布製基材の内部に浸透させずに表面に離型処理層を効果的に形成させるために、JIS K 2283に準じて測定された動粘度(測定温度:25℃)が、50〜70mm2/s(好ましくは100〜400mm2/s)であることが望ましい。
【0129】
電離性放射線硬化型シリコーン系離型処理剤等の電離性放射線硬化型離型処理剤による離型処理層(貼付粘着剤層用離型処理層など)の形成方法としては、知乃至慣用の離型処理層(電離性放射線硬化型離型処理剤層)の形成方法を採用することができ、例えば、支持体の所定の面における所定の部位上に、電離性放射線硬化型離型処理剤を硬化後の厚さが所定の厚さとなるように直接塗工した後、電離性放射線を照射する方法などが挙げられる。
【0130】
なお、照射する電離性放射線としては、α線、β線、γ線、中性子線、電子線や、紫外線などを用いることができ、紫外線を好適に用いることができる。従って、電離性放射線硬化型離型処理剤としては、紫外線硬化型離型処理剤が好適である。
【0131】
このような電離性放射線硬化型離型処理剤は、不織布製基材上に形成される貼付粘着剤層用離型処理層の離型処理剤として好適に用いることができるが、他の離型処理層(展開粘着剤層用離型処理層や固定粘着剤層用離型処理層など)の離型処理剤としても用いることができる。
【0132】
電離性放射線硬化型離型処理剤による離型処理層(貼付粘着剤層用離型処理層など)の厚みとしては、特に制限されず、例えば、0.001〜5μm程度の範囲から選択することができる。なお、不織布製基材上に塗布する際には、電離性放射線硬化型離型処理剤の塗布量は、例えば、0.05g/m2以上(例えば、0.05〜3g/m2)の範囲から選択することができ、好ましくは0.2〜2g/m2である。
【0133】
なお、不織布製基材における不織布として、予め離型処理が施された繊維により構成された不織布が用いられていると、貼付粘着剤層用離型処理層が形成されていなくてもよい。この場合、繊維に離型処理を施すための離型処理剤としては、前記熱硬化型離型処理剤や、電離性放射線硬化型離型処理剤などの公知の離型処理剤から適宜選択して用いることができる。
【0134】
(仮止め層)
本発明の折り畳み型粘着テープ又はシートにおいて、S字型折り畳み型粘着テープ又はシートでは、仮止め層が用いられている。仮止め層は、長尺状に展開させるまでの間、S字型折り畳み型粘着テープ又はシートを物品に貼付するために設けられている。具体的には、貼付粘着剤層とともに、仮止め層を利用して、S字型折り畳み型粘着テープ又はシートを物品に貼付することにより、貼付部位とともに、仮止め層が形成されている部位を物品に貼付して固定させることができる。一方、S字型折り畳み型粘着テープ又はシートを展開させる際には、貼付部位のみを物品に貼付により固定した状態で、仮止め層により物品に貼付されている部位を物品から容易に剥離させ、しかも物品(紙おむつなど)の表面に破損等のダメージを与えることなく展開させることができる。
【0135】
なお、仮止め層は、使用時までの間、貼付粘着剤層と同様に、剥離ライナーにより保護されていてもよいが、S字型折り畳み型粘着テープ又はシートの展開部位側の表面に形成された離型処理層と貼り合わせられていることが好ましい。このように、仮止め層と貼り合わせられる離型処理層としては、展開部位の表面に形成された離型処理層と、必要に応じて折り目部間部位における展開部位と重ね合わせられていない部分の表面に形成された離型処理層とにより構成することができる。従って、S字型折り畳み型粘着テープ又はシートにおいて、離型処理層は、折り目部間部位における展開部位側の面の全面と、展開部位の表面の全面に形成されていることが好ましい。
【0136】
仮止め層は、長尺状に展開させるまで物品に貼付することが可能な層であれば、その構成材料は特に制限されない。仮止め層は、仮止め剤により形成することができる。仮止め層を形成するための仮止め剤としては、ホットメルト型仮止め剤、エマルジョン系仮止め剤、溶剤系仮止め剤、オリゴマー系仮止め剤、固系仮止め剤などのいずれの形態の仮止め剤であってもよい。仮止め剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。仮止め剤としては、ホットメルト型仮止め剤を好適に用いることができる。
【0137】
ホットメルト型仮止め剤は、スチレン系ポリマーや、オレフィン系ポリマーをベースポリマーとしている。なお、ベースポリマーは単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0138】
ホットメルト型仮止め剤におけるベースポリマーとしてのスチレン系ポリマーとしては、例えば、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体(SEP)等のスチレン系ブロックコポリマー(例えばスチレン含有量5重量%以上のスチレン系ブロックコポリマー)などが挙げられる。
【0139】
また、ホットメルト型仮止め剤におけるベースポリマーとしてのオレフィン系ポリマーとしては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA);エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)などのエチレン−不飽和カルボン酸共重合体;アイオノマー;エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体などのエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体;エチレン−ビニルアルコール共重合体等のエチレン系共重合体;低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、メタロセン触媒法ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリエチレン;ポリプロピレン;エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体等のα−オレフィン共重合体などの他、ポリプロピレン変性樹脂などが挙げられる。
【0140】
なお、エマルジョン系仮止め剤や溶剤系仮止め剤等の仮止め剤としては、前記スチレン系ポリマーやオレフィン系ポリマーをベースポリマーとする仮止め剤あって、それぞれの形態(例えば、エマルジョンの形態、溶液の形態など)の仮止め剤が挙げられる。
【0141】
仮止め剤は、粘着性成分(ベースポリマー)等のポリマー成分の他に、該ポリマーと少なくとも部分的に相溶性を有している樹脂(「混合樹脂」と称する場合がある)を含んでいることが好ましい。このような混合樹脂は、固体状の樹脂であることが重要である。具体的には、混合樹脂としては、例えば、テルペン系樹脂、炭化水素系樹脂、ロジン誘導体、フェノール系樹脂などが挙げられる。混合樹脂としては、テルペン系樹脂、炭化水素系樹脂が好ましく、特にテルペン系樹脂が好適である。なお、混合樹脂は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0142】
混合樹脂において、テルペン系樹脂としては、例えば、α−ピネン重合体、β−ピネン重合体、ジペンテン重合体などのテルペン系樹脂や、これらのテルペン系樹脂を変性(フェノール変性、芳香族変性、水素添加変性、炭化水素変性など)した変性テルペン系樹脂(例えば、テルペン−フェノール系樹脂、スチレン変性テルペン系樹脂、芳香族変性テルペン系樹脂、水素添加テルペン系樹脂など)などが挙げられる。また、炭化水素系樹脂としては、例えば、脂肪族系炭化水素樹脂[炭素数4〜5のオレフィンやジエン(ブテン−1、イソブチレン、ペンテン−1等のオレフィン;ブタジエン、1,3−ペンタジエン、イソプレン等のジエンなど)などの脂肪族炭化水素の重合体など]、脂肪族系環状炭化水素樹脂[いわゆる「C4石油留分」や「C5石油留分」を環化二量体化した後重合させた脂環式炭化水素系樹脂、環状ジエン化合物(シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン、ジペンテンなど)の重合体又はその水素添加物、下記の芳香族系炭化水素樹脂や脂肪族・芳香族系石油樹脂の芳香環を水素添加した脂環式炭化水素系樹脂など]、芳香族系炭化水素樹脂[炭素数が8〜10であるビニル基含有芳香族系炭化水素(スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、インデン、メチルインデンなど)の重合体など]、脂肪族・芳香族系石油樹脂(スチレン−オレフィン系共重合体など)、脂肪族・脂環族系石油樹脂、水素添加炭化水素樹脂、クマロン系樹脂、クマロンインデン系樹脂などの各種の炭化水素系の樹脂が挙げられる。
【0143】
混合樹脂の割合としては、例えば、ベースポリマー:100重量部に対して10〜150重量部(好ましくは20〜120重量部、さらに好ましくは30〜80重量部)の範囲から選択することができる。
【0144】
また、仮止め剤には、軟化剤が含まれていることが好ましい。軟化剤としては、液状の軟化剤であることが重要である。軟化剤としては、テルペン系油、ナフテン系油、パラフィン系油など各種の軟化剤を用いることができるが、テルペン系油を好適に用いることができる。軟化剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0145】
軟化剤において、テルペン系油としては、例えば、商品名「YSレジンTO−L」(ヤスハラケミカル社製;芳香族変性テルペン炭化水素低重合物)などが挙げられる。
【0146】
軟化剤の割合としては、例えば、ベースポリマー:100重量部に対して10〜100重量部(好ましくは20〜80重量部、さらに好ましくは30〜60重量部)の範囲から選択することができる。
【0147】
さらに、仮止め剤は、必要に応じて、例えば、酸化防止剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、充填剤、架橋剤などの適宜な添加剤を含んでいてもよい。
【0148】
このような仮止め剤としては、ベースポリマーがスチレン系ポリマー等のゴム系ポリマーである場合、160℃における溶融粘度が、30〜800Pa・sであることが好ましく、さらに好ましくは50〜600Pa・sであり、特に80〜500Pa・sであることが好ましい。また、ベースポリマーがオレフィン系ポリマーである場合、仮止め剤としては、160℃における溶融粘度が、0.1〜5.0Pa・sであることが好ましく、さらに好ましくは0.3〜3.5Pa・sであり、特に1.0〜3.0Pa・sであることが好ましい。仮止め剤の溶融粘度(160℃)が低すぎると、仮止め層の接着力が強すぎて、S字型折り畳み型粘着テープ又はシートを仮止め層を利用して物品に貼付した際に、物品から容易に剥離させることができなくなる。一方、仮止め剤の溶融粘度(160℃)が高すぎると、仮止め層の接着力が低下して、S字型折り畳み型粘着テープ又はシートの物品への固定性が低下する。
【0149】
なお、仮止め剤の溶融粘度(160℃)は、JIS K 6862に準じて測定することができる。具体的にはホットメルト接着剤溶融粘度試験法で測定することができる。
【0150】
仮止め剤としては、いわゆる「弱粘着剤」を好適に用いることができる。具体的には、仮止め剤による仮止め層の粘着力としては、前述のように、例えば、ポリプロピレン系不織布(商品名「シンテックス」三井化学社製)に対して、0.5N/10mm以上[JIS Z 0237に規定された180°引き剥し試験(引張速度:300mm/分)に準拠]であることが望ましい。
【0151】
仮止め層の形成方法としては、例えば、支持体の所定の面における所定の部位上に、熱溶融されたホットメルト型仮止め剤を直接塗工して冷却する方法(ホットメルト塗工方法)や、乾燥後の厚さが所定の厚さがとなるように溶液型の仮止め剤を塗工して乾燥する方法(溶液塗工方法)などが挙げられる。なお、ホットメルト型仮止め剤を塗工する際には、いわゆる「ベタ状」、霧状、パターン状などの各種形状で塗工することができる。
【0152】
仮止め層の厚みとしては、特に限定するものではないが、例えば、5〜60μm(好ましくは10〜40μm)程度の範囲から選択することができる。
【0153】
(つまみ部用印刷層)
本発明の折り畳み型粘着テープ又はシートでは、つまみ部に印刷層(つまみ部用印刷層)が形成されていてもよい。つまみ部用印刷層は、つまみ部を明確に示すために形成されている。従って、つまみ部用印刷層は、つまみ部を明確に示す必要がない場合は、形成されていなくてもよい。すなわち、つまみ部用印刷層は、任意に設けることができる。つまみ部用印刷層は、公知の各種印刷方法を適宜利用して形成することができる。なお、つまみ部用印刷層を形成する印刷インキなどは特に制限されず、印刷方法等に応じて公知の印刷インキから適宜選択することができる。
【0154】
(他の層)
なお、本発明の折り畳み型粘着テープ又はシートでは、適宜な部位において、必要に応じて粘着剤層、離型処理層、仮着剤層や、仮止め層などの他の層を形成することができる。このような他の層は、前記に記載の粘着剤、離型処理剤、仮着剤、仮止め剤などから適宜選択して用いることができる。
【0155】
本発明の折り畳み型粘着テープ又はシートとしては、貼付時表面側部位に離型処理層(貼付粘着剤層用離型処理層)が形成されている場合、(1)複数の折り畳み型粘着テープ又はシートが、貼付粘着剤層の表面と、貼付粘着剤層用離型処理層(特に、電離性放射線硬化型離型処理剤による離型処理層)の表面とが接触するように重ね合わせて積層された形態、(2)折り畳み型粘着テープ又はシートが連続的に形成されている長尺状の連続体を、貼付粘着剤層の表面と、貼付粘着剤層用離型処理層(特に、電離性放射線硬化型離型処理剤による離型処理層)の表面とが接触するようにロール状に重ね合わせて巻回した形態で作製することができる。もちろん、S字型折り畳み型粘着テープ又はシートでは、仮止め層も貼付時表面側部位に形成された離型処理層(特に、電離性放射線硬化型離型処理剤による離型処理層)と貼り合わせられることになる。
【0156】
すなわち、本発明では、前記折り畳み型粘着テープ又はシートが折り畳まれた状態で連続的に形成されている長尺状の連続体を、ロール状に巻回した形態を有している粘着テープ又はシートの巻回体として、折り畳み型粘着テープ又はシートを製造することができる。なお、折り畳み型粘着テープ又はシートがロール状に巻回された形態を有している場合は、利用時に、巻き戻して適宜な幅に切断することにより、適宜な幅の折り畳み型粘着テープ又はシートを得ることができる。
【0157】
(折り畳み型粘着テープ又はシートの製造方法)
本発明の折り畳み型粘着テープ又はシートは、公知の製造方法を利用して製造することができる。例えば、折り畳み型粘着テープ又はシートは、各粘着剤層(貼付粘着剤層、展開粘着剤層、固定粘着剤層など)、各仮着剤層、各仮止め層、各離型処理層、および必要に応じてつまみ部用印刷層などの各層を形成する工程(各層形成工程)と、各部位が所定の位置関係で形成されるように接着したり折り畳んだりする工程(各部位形成工程)とを具備する製造方法により作製することができる。なお、不織布製基材とプラスチック製基材とを一体化させた支持体を利用する場合は、折り畳み型粘着テープ又はシートの製造方法としては、さらに、不織布製基材とプラスチック製基材とを一体化させる工程(支持体一体化工程)を具備していることが重要である。また、折り畳み型粘着テープ又はシートとして、ロール状に巻回されたものを製造する場合は、折り畳み型粘着テープ又はシートの製造方法としては、さらに、貼付粘着剤層の表面と、貼付粘着剤層用離型処理層の表面とが接触するようにロール状に重ね合わせて巻回する工程(巻回工程)を具備していることが重要である。
【0158】
より具体的には、図1で示されるZ字型折り畳み型粘着テープ又はシートは、例えば、下記の工程を具備する製造方法により作製することができる。
不織布製基材及び/又はプラスチック製基材の所定の面における所定の部位に一体化粘着剤層を形成する工程
不織布製基材とプラスチック製基材とを一体化粘着剤層を利用して接着させて、一体化した支持体を形成する工程
支持体の所定の面における所定の部位に貼付粘着剤層を形成する工程
支持体の所定の面における所定の部位に展開粘着剤層を形成する工程
支持体の所定の面における所定の部位に第1仮着剤層を形成する工程
支持体の所定の面における所定の部位に第2仮着剤層を形成する工程
支持体の所定の面における所定の部位に展開粘着剤層用離型処理層を形成する工程
貼付部位と折り目部間部位とが所定の位置関係で形成されるように、一体化した支持体を折り畳む工程
展開部位と折り目部間部位とが所定の位置関係で形成されるように、一体化した支持体を折り畳む工程
【0159】
また、必要に応じて、さらに下記の工程を含んでいてもよい。
支持体の所定の面における所定の部位に貼付粘着剤層用離型処理層を形成する工程
支持体の所定の面における所定の部位につまみ部用印刷層を形成する工程
貼付粘着剤層の表面と、貼付粘着剤層用離型処理層の表面とが接触するようにロール状に重ね合わせて巻回する工程
【0160】
また、図2で示されるW字型折り畳み型粘着テープ又はシートは、例えば、下記の工程を具備する製造方法により作製することができる。
不織布製基材及び/又はプラスチック製基材の所定の面における所定の部位に一体化粘着剤層を形成する工程
不織布製基材とプラスチック製基材とを一体化粘着剤層を利用して接着させて、一体化した支持体を形成する工程
支持体の所定の面における所定の部位に貼付粘着剤層を形成する工程
支持体の所定の面における所定の部位に固定粘着剤層を形成する工程
支持体の所定の面における所定の部位に展開粘着剤層を形成する工程
支持体の所定の面における所定の部位に第1仮着剤層を形成する工程
支持体の所定の面における所定の部位に第2仮着剤層を形成する工程
支持体の所定の面における所定の部位に固定粘着剤層用離型処理層を形成する工程
支持体の所定の面における所定の部位に展開粘着剤層用離型処理層を形成する工程
貼付部位と貼付側折り目部間部位とが所定の位置関係で形成されるように、一体化した支持体を折り畳む工程
貼付側折り目部間部位と展開側折り目部間部位とが所定の位置関係で形成されるように、一体化した支持体を折り畳む工程
展開部位と展開側折り目部間部位とが所定の位置関係で形成されるように、一体化した支持体を折り畳む工程
【0161】
また、必要に応じて、さらに下記の工程を含んでいてもよい。
支持体の所定の面における所定の部位に貼付粘着剤層用離型処理層を形成する工程
支持体の所定の面における所定の部位につまみ部用印刷層を形成する工程
貼付粘着剤層の表面と、貼付粘着剤層用離型処理層の表面とが接触するようにロール状に重ね合わせて巻回する工程
【0162】
さらに、図3で示されるS字型折り畳み型粘着テープ又はシートは、例えば、下記の工程を具備する製造方法により作製することができる。
不織布製基材及び/又はプラスチック製基材の所定の面における所定の部位に一体化粘着剤層を形成する工程
不織布製基材とプラスチック製基材とを一体化粘着剤層を利用して接着させて、一体化した支持体を形成する工程
支持体の所定の面における所定の部位に貼付粘着剤層を形成する工程
支持体の所定の面における所定の部位に展開粘着剤層を形成する工程
支持体の所定の面における所定の部位に仮止め層を形成する工程
支持体の所定の面における所定の部位に展開粘着剤層用離型処理層を形成する工程
貼付部位と折り目部間部位とが所定の位置関係で形成されるように、一体化した支持体を折り畳む工程
展開部位と折り目部間部位とが所定の位置関係で形成されるように、一体化した支持体を折り畳む工程
【0163】
また、必要に応じて、さらに下記の工程を含んでいてもよい。
支持体の所定の面における所定の部位に貼付粘着剤層用離型処理層を形成する工程
支持体の所定の面における所定の部位につまみ部用印刷層を形成する工程
貼付粘着剤層の表面と、貼付粘着剤層用離型処理層の表面とが接触するようにロール状に重ね合わせて巻回する工程
【0164】
さらにまた、4つ折り型折り畳み型粘着テープ又はシートは、例えば、下記の工程を具備する製造方法により作製することができる。
不織布製基材及び/又はプラスチック製基材の所定の面における所定の部位に一体化粘着剤層を形成する工程
不織布製基材とプラスチック製基材とを一体化粘着剤層を利用して接着させて、一体化した支持体を形成する工程
支持体の所定の面における所定の部位に貼付粘着剤層を形成する工程
支持体の所定の面における所定の部位に固定粘着剤層を形成する工程
支持体の所定の面における所定の部位に展開粘着剤層を形成する工程
支持体の所定の面における所定の部位に第1仮着剤層を形成する工程
支持体の所定の面における所定の部位に第2仮着剤層を形成する工程
支持体の所定の面における所定の部位に固定粘着剤層用離型処理層を形成する工程
支持体の所定の面における所定の部位に展開粘着剤層用離型処理層を形成する工程
貼付部位と展開部位とが所定の位置関係で形成され、且つ展開側折り目部間部位と外面側折り目部間部位とが位置関係で形成されるように、一体化した支持体を折り畳む工程
展開部位と展開側折り目部間部位とが所定の位置関係で形成されるように、一体化した支持体を折り畳む工程
【0165】
また、必要に応じて、さらに下記の工程を含んでいてもよい。
支持体の所定の面における所定の部位に貼付粘着剤層用離型処理層を形成する工程
支持体の所定の面における所定の部位につまみ部用印刷層を形成する工程
貼付粘着剤層の表面と、貼付粘着剤層用離型処理層の表面とが接触するようにロール状に重ね合わせて巻回する工程
【0166】
なお、前記に例示の製造方法では、不織布製基材とプラスチック製基材とを一体化粘着剤層を利用して接着させて、一体化した支持体を形成させた後、各粘着剤層(貼付粘着剤層、展開粘着剤層、固定粘着剤層など)、各仮着剤層、各仮止め層、各離型処理層、および必要に応じてつまみ部用印刷層などの各層を形成する工程(各層形成工程)と、各部位が所定の位置関係で形成されるように接着したり折り畳んだりする工程(各部位形成工程)とを行っているが、先に、不織布製基材やプラスチック製基材に対して、各粘着剤層(貼付粘着剤層、展開粘着剤層、固定粘着剤層など)、各仮着剤層、各仮止め層、各離型処理層、および必要に応じてつまみ部用印刷層などの各層を形成する工程(各層形成工程)を行った後、不織布製基材とプラスチック製基材とを一体化粘着剤層を利用して接着させて、一体化した支持体を形成させて、さらにその後、各部位が所定の位置関係で形成されるように接着したり折り畳んだりする工程(各部位形成工程)を行ってもよく、あるいは、先に、不織布製基材やプラスチック製基材に対して、各粘着剤層(貼付粘着剤層、展開粘着剤層、固定粘着剤層など)、各仮着剤層、各仮止め層、各離型処理層、および必要に応じてつまみ部用印刷層などの各層を形成する工程(各層形成工程)を行った後、各部位が所定の位置関係で形成されるように接着したり折り畳んだりする工程(各部位形成工程)を行い、さらにその後、不織布製基材とプラスチック製基材とを一体化粘着剤層を利用して接着させて、一体化した支持体を形成させてもよい。このように、各工程の順序は特に制限されず、適宜な順序とすることができる。
【0167】
本発明の折り畳み型粘着テープ又はシートは、前記構成を有しているので、容易に展開することができる形態で折り畳まれており、しかも、風合いがよい。また、不織布等の繊維質材料による表面を有する物品に貼付させた際には目立たず、貼付する物品と一体化されたような外観で貼付することができる。そのため、本発明の折り畳み型粘着テープ又はシートとしては、各種物品を丸めた状態で保持させるための拘束用粘着テープ又はシートとして有用であり、特に、破棄する際に丸めることが可能な物品に予め貼付して、該物品を廃棄する際に長尺状に展開させて、物品を丸めた状態で保持させるための拘束用粘着テープ又はシートとして好適に用いることができる。このような物品としては、特に制限されないが、紙おむつ(又は使い捨ておむつ等とも称されている)[特に、いわゆる「パンツ型紙おむつ」(又は「パンツ型使い捨ておむつ」等とも称されている)]や生理ナプキン等が好適である。
【0168】
[紙おむつ]
本発明の紙おむつ(使い捨ておむつ)は、紙おむつを廃棄する際に丸めた状態で保持させるための拘束用粘着テープ又はシートとして、前記折り畳み型粘着テープ又はシートが用いられている。紙おむつは、通常、表面(外面)が不織布等の繊維質材料により形成されているので、前記折り畳み型粘着テープ又はシートを紙おむつに貼付した場合、折り畳み型粘着テープ又はシートが目立たず、紙おむつと一体化したような外観で貼付することができる。
【0169】
このような紙おむつとしては、いわゆる「テープ付き紙おむつ」(又は「テープ付き使い捨ておむつ」、「オープンタイプ紙おむつ」、「オープンタイプ使い捨ておむつ」等とも称されている)であってもよいが、パンツ型紙おむつが好適に用いられる。なお、紙おむつとしては、大人用紙おむつ乃至乳幼児用紙おむつのいずれであってもよいが、乳幼児用紙おむつが好適である。
【0170】
折り畳み型粘着テープ又はシートを紙おむつに貼付する部位としては、特に制限されないが、乳幼児のいたずら防止等の観点から、図11で示されるように、紙おむつの背側表面におけるウエスト部の上下幅領域内に位置する部位(図11における7a)が好ましい。
【0171】
なお、図11はパンツ型紙おむつの一例を示す概略図である。図11において、7はパンツ型紙おむつ、7aはパンツ型紙おむつの背側表面におけるウエスト部の上下幅領域内に位置する部位、7bはウエスト部の開口部、Aはパンツ型紙おむつの背側、Bはパンツ型紙おむつのウエスト側、Cはパンツ型紙おむつの前側である。
【0172】
折り畳み型粘着テープ又はシートを紙おむつに貼付する際には、その長手方向(長尺状に展開させた際の長手方向)は、紙おむつの胴回り方向、上下方向のいずれの方向になるように貼付してもよいが、Z字型折り畳み型粘着テープやシートやS字型折り畳み型粘着テープ又はシートは上下方向になるように貼付されていることが好ましく、W字型折り畳み型粘着テープ又はシートや4つ折り型折り畳み型粘着テープ又はシートは、胴回り方向になるように貼付されていることが好ましい。すなわち、Z字型折り畳み型粘着テープやシートやS字型折り畳み型粘着テープ又はシートは、紙おむつの背側表面におけるウエスト部の上下幅領域内に位置する部位に、ウエスト部の開口部方向に展開させることが可能な形態で貼付されていることが好ましい。一方、W字型折り畳み型粘着テープ又はシートや4つ折り型折り畳み型粘着テープ又はシートは、紙おむつの背側表面におけるウエスト部の上下幅領域内に位置する部位に、ウエスト部のウエスト側を経由して前側に展開させることが可能な形態で貼付されていることが好ましい。なお、本発明の折り畳み型粘着テープ又はシートでは、長尺状に展開した際の長さは、紙おむつを丸めた状態で拘束して保持させるのに十分な長さとすることができる。
【0173】
なお、折り畳み型粘着テープ又はシートを、紙おむつの背側表面におけるウエスト部の上下幅領域内に位置する部位に、長手方向が上下方向となり且つウエスト部の開口部方向に展開させることが可能な形態で貼付する場合、折り畳み型粘着テープ又はシートとしては、1つ乃至2つ以上用いることができるが、図12(a)で示されるように、1つのみ用いることが好ましい。一方、折り畳み型粘着テープ又はシートを、紙おむつの背側表面におけるウエスト部の上下幅領域内に位置する部位に、長手方向が胴回り方向となるように貼付する場合、折り畳み型粘着テープ又はシートとしては、1つ乃至2つ以上用いることができるが、図12(b)で示されるように、2つ用いることが好ましい。
【0174】
図12は、本発明の折り畳み型粘着テープ又はシートが貼付されている紙おむつの一例を示す概略図であり、図12(a)は折り畳み型粘着テープ又はシートを、長手方向が上下方向となるように貼付されている紙おむつの例を示しており、図12(b)は折り畳み型粘着テープ又はシートを、長手方向が胴回り方向となるように貼付されている紙おむつの例を示している。図12において、8aはZ字型折り畳み型粘着テープ又はシート又はS字型折り畳み型粘着テープ又はシート、8bはW字型折り畳み型粘着テープ又はシート又は4つ折り型折り畳み型粘着テープ又はシートである。なお、7、Aは、前記と同様に、それぞれ、紙おむつ、パンツ型紙おむつの背側である。
【0175】
なお、折り畳み型粘着テープ又はシートを、紙おむつの背側表面におけるウエスト部の上下幅領域内に位置する部位に、ウエスト部の開口部方向に展開させることが可能な形態で貼付すると、紙おむつを破棄する際には、例えば、紙おむつの股に位置する部分から前側に胴に位置する方向に丸め、この状態で、折り畳み型粘着テープ又はシートを展開させ展開粘着剤層を利用して貼付して拘束することができる。
【0176】
一方、折り畳み型粘着テープ又はシートを、紙おむつの背側表面におけるウエスト部の上下幅領域内に位置する部位に、長手方向が胴回り方向となるように貼付すると、紙おむつを破棄する際には、紙おむつの股に位置する部分から前側に胴に位置する方向に丸めた後、さらに、両側のウエスト部を前側に丸め、この状態で、折り畳み型粘着テープ又はシートを展開させ展開粘着剤層を利用して貼付して拘束することができるので、長手方向が上下方向となるように貼付した場合と比較して、ウエスト部を前側に丸めることも可能となっているため、より一層コンパクトに紙おむつを丸めることができる。そのため、ゴミの減量を図ることもできる。特に、両側のウエスト部を前側に丸めて拘束することができるので、丸めた際に排泄物が、流動性の高い排泄物であっても、紙おむつの足を通す部分から漏れることを効果的に抑制または防止することができる。そのため、紙おむつの股に位置する部分から胴に位置する方向のみに丸めた場合よりも、より一層衛生的に、紙おむつを丸めた状態で廃棄することができる。
【0177】
なお、折り畳み型粘着テープ又はシートは容易に長尺状に展開することができるので、紙おむつの交換に要する時間を短縮することができ、おむつ交換をより一層迅速に行うことができる。
【0178】
また、前記折り畳み型粘着テープ又はシートは、支持体の各部位間で浮きがほとんど又は全く生じておらず、しかも、折り畳まれているにもかかわらず極めて薄いので、紙おむつに予め貼付していても、紙おむつ(特にパンツ型紙おむつ)の外観性は良好である。
【実施例】
【0179】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
【0180】
(実施例1)
支持体として、ポリプロピレン製不織布(商品名「シンテックス」三井化学社製;厚み280μm)の一方の面に、低密度ポリエチレン(商品名「エースポリエチLD」昭和電工社製;坪量:20g/m2)をラミネートして形成した積層体(「不織布ラミネート基材」と称する場合がある)を用い、図13(a)に示されるように、該不織布ラミネート基材9a1(幅:65mm)の所定の面の所定の部位に、それぞれ、シリコーン系離型処理剤(商品名「UV−9300」GE東芝シリコーン社製)を厚みが0.5μmとなるように塗布し硬化して、離型処理層9a2(幅:65mm)を形成した後、ホットメルト型粘着剤(商品名「N−941」ヤスハラケミカル社製;スチレン系ブロック共重合体をベースポリマーとするホットメルト型粘着剤)を厚みが40μmとなるように塗布して、展開粘着剤層9a3(幅:40mm)および一体化粘着剤層9a4(幅:15mm)を形成して、展開部位として用いられる支持体(展開用支持体)9a(幅:65mm)を作製した。従って、摘み部は10mmとなる。
【0181】
一方、支持体としてポリプロピレン製シート(商品名「トレファン」東レ社製;厚み40μm)を用い、図13(b)に示されるように、該ポリプロピレン製シート9b1(幅:92mm)の所定の面の所定の部位に、それぞれ、仮着剤(商品名「JM−6065C」日本フーラー社製)を厚みが10μmとなるように塗布して、仮着剤層9b2(幅:92mm)を形成した後、シリコーン系離型処理剤(商品名「UV−9300」GE東芝シリコーン社製)を厚みが0.5μmとなるように塗布し硬化して、離型処理層9b3(幅:45mm)を形成し、さらに、ホットメルト型粘着剤(商品名「N−941」ヤスハラケミカル社製;スチレン系ブロック共重合体をベースポリマーとするホットメルト型粘着剤)を厚みが50μmとなるように塗布して、貼付粘着剤層9b4(幅:47mm)を形成して、貼付部位として用いられる支持体(貼付用支持体)9b(幅:92mm)を作製した。
【0182】
前記展開用支持体9aと、前記貼付用支持体9bとを、図13(c)に示されるように、それぞれ、所定の部位で折り曲げて、展開用支持体9aにおける一体化粘着剤層9a4と、貼付用支持体9bにおける仮着剤層9b2の一方の端部側の部位とが接触するように重ね合わせてロール状に巻回させることにより、特定の構成を有する形態で折り畳まれた状態のロール状に巻回された形態の粘着テープ又はシート(折り畳み型粘着テープ又はシート)9を作製した。
【0183】
なお、図13は、実施例1において、折り畳み型粘着テープ又はシートを作製する方法を示す概略断面図である。図13において、9は折り畳み型粘着テープ又はシート、9aは展開部位として用いられる支持体(展開用支持体)、9a1は不織布ラミネート基材(ポリプロピレン製不織布の一方の面に低密度ポリエチレンをラミネートして形成した積層体)、9a2は離型処理層、9a3は展開粘着剤層、9a4は一体化粘着剤層、9bは貼付部位として用いられる支持体(貼付用支持体)、9b1はポリプロピレン製シート、9b2は仮着剤層、9b3は離型処理層、9b4は貼付粘着剤層である。
【0184】
このロール状に巻回された形態の折り畳み型粘着テープ又はシートを、巻き戻して、20mm幅に切断して得られる折り畳み型粘着テープ又はシートを、パンツ型紙おむつの背側表面におけるウエスト部の上下幅領域内に位置する部位に、長手方向が上下方向となり、且つ、ウエスト部の開口部方向に展開させることが可能な形態で貼付して、図12(a)で示されるような、折り畳み型粘着テープ又はシートが設けられたパンツ型紙おむつを作製した。
【0185】
(評価)
実施例により作製された折り畳み型粘着テープ又はシートが設けられたパンツ型紙おむつを、任意に選ばれた20人の親とその子(1〜2歳)に、通常使用する要領で使用してもらい、その際に、折り畳み型粘着テープ又はシートが設けられたパンツ型紙おむつの外観性や、柔らかさを評価してもらい、さらに、パンツ型紙おむつを廃棄する際に、パンツ型紙おむつに設けられた折り畳み型粘着テープ又はシートを展開する時の使用感について評価してもらったところ、表1に示される結果が得られた。
【0186】
【表1】

【0187】
表1より、実施例1により得られた折り畳み型粘着テープ又はシートが設けられているパンツ型紙おむつは、紙おむつと、折り畳み型粘着テープ又はシートとの一体感があり、折り畳み型粘着テープ又はシートが目立たなくなっており、子供が安易に折り畳み型粘着テープ又はシートに触る危険性が低減していることが確認された。また、従来のパンツ型紙おむつに設けられている廃棄用の粘着テープ又はシートは、支持体がプラスチック製のため、硬く感じられているが、実施例1に係る紙おむつでは、柔らかく、やさしく感じられることが確認された。さらにまた、紙おむつを廃棄する際には、折り畳み型粘着テープ又はシートが柔らかいので、貼付させやすく、良好な使用感で展開させ、貼付させることができることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0188】
【図1】本発明の粘着テープ又はシートの一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の粘着テープ又はシートの他の例を示す概略断面図である。
【図3】本発明の粘着テープ又はシートの他の例を示す概略断面図である。
【図4】本発明の粘着テープ又はシートの他の例を示す概略断面図である。
【図5】本発明の粘着テープ又はシートの他の例を示す概略断面図である。
【図6】本発明の粘着テープ又はシートの他の例を示す概略断面図である。
【図7】本発明の粘着テープ又はシートの他の例を示す概略断面図である。
【図8】本発明の粘着テープ又はシートの他の例を示す概略断面図である。
【図9】本発明の粘着テープ又はシートの他の例を示す概略断面図である。
【図10】本発明の粘着テープ又はシートの他の例を示す概略断面図である。
【図11】パンツ型紙おむつの一例を示す概略図である。
【図12】本発明の折り畳み型粘着テープ又はシートが貼付されている紙おむつの一例を示す概略図である。
【図13】実施例1において、折り畳み型粘着テープ又はシートを作製する方法を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0189】
1 粘着テープ又はシート
1a1 つまみ部が形成された端部(つまみ部形成端部)
1a2 つまみ部が形成されていない端部(つまみ部非形成端部)
1a3 Z字状(S字状)に2回折り曲げて折り畳まれた構成におけるつまみ部非形成端部1a2側から1つ目の折り目部(第1折り目部)
1a4 Z字状に2回折り曲げて折り畳まれた構成におけるつまみ部非形成端部1a2側から2つ目の折り目部(第2折り目部)
1b1 つまみ部が形成された端部側の部位(展開部位)
1b2 つまみ部が形成されていない端部側の部位(貼付部位)
1b3 展開部位1b1と貼付部位1b2との間の部位(折り目部間部位)
2a 不織布製基材
2b プラスチック製基材
3a 粘着剤層(貼付粘着剤層)
3b 仮着剤層(第1仮着剤層)
3c 仮着剤層(第2仮着剤層)
3d 粘着剤層(一体化粘着剤層)
3e 離型処理層(展開粘着剤層用離型処理層)
3f 粘着剤層(展開粘着剤層)
3g 離型処理層(貼付粘着剤層用離型処理層)
3h つまみ部
11 粘着テープ又はシート
11a1 つまみ部が形成された端部(つまみ部形成端部)
11a2 つまみ部が形成されていない端部(つまみ部非形成端部)
11a3 W字状に3回折り曲げて折り畳まれた構成におけるつまみ部非形成端部11a2側から1つ目の折り目部(第1折り目部)
11a4 W字状に3回折り曲げて折り畳まれた構成におけるつまみ部非形成端部11a2側からから2つ目の折り目部(第2折り目部)
11a5 W字状に3回折り曲げて折り畳まれた構成におけるつまみ部非形成端部11a2側からから3つ目の折り目部(第3折り目部)
11b1 つまみ部が形成された端部側の部位(展開部位)
11b2 つまみ部が形成されていない端部側の部位(貼付部位)
11b3 貼付部位11b2と対向している折り目部間の部位(貼付側折り目部間部位)
11b4 展開部位11b1と対向している折り目部間の部位(展開側折り目部間部位)
21a 不織布製基材
21b プラスチック製基材
31a 粘着剤層(貼付粘着剤層)
31b 離型処理層(固定粘着剤層用離型処理層)
31c は粘着剤層(固定粘着剤層)
31d 仮着剤層(第1仮着剤層)
31e 仮着剤層(第2仮着剤層)
31f 粘着剤層(一体化粘着剤層)
31g 離型処理層(展開粘着剤層用離型処理層)
31h 粘着剤層(展開粘着剤層)
31i 離型処理層(貼付粘着剤層用離型処理層)
31j つまみ部
12 粘着テープ又はシート
12a1 つまみ部が形成された端部(つまみ部形成端部)
12a2 つまみ部が形成されていない端部(つまみ部非形成端部)
12a3 Z字状(S字状)に2回折り曲げて折り畳まれた構成におけるつまみ部非形成端部12a2側から1つ目の折り目部(第1折り目部)
12a4 Z字状に2回折り曲げて折り畳まれた構成におけるつまみ部非形成端部12a2側から2つ目の折り目部(第2折り目部)
12b1 つまみ部が形成された端部側の部位(展開部位)
12b2 つまみ部が形成されていない端部側の部位(貼付部位)
12b3 展開部位12b1と貼付部位12b2との間の部位(折り目部間部位)
22a 不織布製基材
22b プラスチック製基材
32a 粘着剤層(貼付粘着剤層)
32b 仮止め層
32c 粘着剤層(一体化粘着剤層)
32d 離型処理層(展開粘着剤層用離型処理層)
32e 粘着剤層(展開粘着剤層)
32f 離型処理層(貼付粘着剤層用離型処理層)
32g つまみ部
X 貼付部位12b2の長さ
Y 1−2折り目部間部位12b3の長さ
Z 展開部位12b1の長さ
13 粘着テープ又はシート
13a1 つまみ部が形成された端部(つまみ部形成端部)
13a2 つまみ部が形成されていない端部(つまみ部非形成端部)
13a3 つまみ部形成端部13a1がつまみ部非形成端部13a2より突出した状態となるように折り畳まれ、且つ前記折り畳まれた際の折り目部がつまみ部形成端部13a1側の面に、該つまみ部形成端部13a1よりも手前側に位置する状態となるように折り畳まれた構成におけるつまみ部非形成端部13a2側から1つ目の折り目部(第1折り目部)
13a4 つまみ部形成端部13a1がつまみ部非形成端部13a2より突出した状態となるように折り畳まれ、且つ前記折り畳まれた際の折り目部がつまみ部形成端部13a1側の面に、該つまみ部形成端部13a1よりも手前側に位置する状態となるように折り畳まれた構成におけるつまみ部非形成端部13a2側から2つ目の折り目部(第2折り目部)
13a5 つまみ部形成端部13a1がつまみ部非形成端部13a2より突出した状態となるように折り畳まれ、且つ前記折り畳まれた際の折り目部がつまみ部形成端部13a1側の面に、該つまみ部形成端部13a1よりも手前側に位置する状態となるように折り畳まれた構成におけるつまみ部非形成端部13a2側から3つ目の折り目部(第3折り目部)
13b1 つまみ部が形成された端部側の部位(展開部位)
13b2 つまみ部が形成されていない端部側の部位(貼付部位)
13b3 展開部位13b1と対向している折り目部間の部位(展開側折り目部間部位)
13b4 展開側折り目部間部位13b3と対向している外面側の折り目部間の部位(外面側折り目部間部位)
23a プラスチック製基材
23b 不織布製基材
23c プラスチック製基材
33a 粘着剤層(貼付粘着剤層)
33b 粘着剤層(貼付側一体化粘着剤層)
33c 粘着剤層(固定粘着剤層)
33d 離型処理層(固定粘着剤層用離型処理層)
33e 粘着剤層(展開粘着剤層)
33f 離型処理層(展開粘着剤層用離型処理層)
33g 粘着剤層(展開側一体化粘着剤層)
33h 仮着剤層(第1仮着剤層)
33i 仮着剤層(第2仮着剤層)
33j 離型処理層(貼付粘着剤層用離型処理層)
33k つまみ部
7 パンツ型紙おむつ
7a パンツ型紙おむつの背側表面におけるウエスト部の上下幅領域内に位置する部位
7b ウエスト部の開口部
8a Z字型折り畳み型粘着テープ又はシート又はS字型折り畳み型粘着テープ又はシート
8b W字型折り畳み型粘着テープ又はシート又は4つ折り型折り畳み型粘着テープ又はシート
A パンツ型紙おむつの背側
B パンツ型紙おむつのウエスト側
C パンツ型紙おむつの前側

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の端部につまみ部が形成され、且つつまみ部が形成されていない端部側の部位が折り畳まれた際の表面側に位置するような形態で、折り畳まれた構成を有しているとともに、下記の(a)〜(c)の構成を有しており、且つつまみ部を引っ張ることにより長尺状に展開させることが可能な粘着テープ又はシートであって、少なくとも、折り畳まれた際に主として他方の表面側に位置している部位が、不織布製基材を支持体として形成されていることを特徴とする粘着テープ又はシート。
(a)つまみ部が形成されていない端部側の部位の表面に、物品に貼付するための粘着剤層を有する構成
(b)つまみ部が形成された端部側の部位の何れかの表面において、つまみ部が形成される形態で、物品に貼付するための粘着剤層を有し、且つつまみ部が形成された端部側の部位と、該つまみ部が形成された端部側の部位における粘着剤層が形成された面に対して対向している面を有する部位とが、離型処理層により剥離可能に貼り合わせられた構成
(c)その他の対向している面を有する部位どうしが、粘着剤層と離型処理層との組み合わせ、又は仮着剤層どうしの組み合わせにより、剥離可能に貼り合わせられた構成
【請求項2】
不織布製基材における不織布が、ポリオレフィン系繊維、ポリアミド系繊維、およびポリエステル系繊維から選択された少なくとも一種の繊維により形成されている請求項1記載の粘着テープ又はシート。
【請求項3】
不織布製基材における不織布が、複数の不織布が積層された不織布多層構造を有している請求項1又は2記載の粘着テープ又はシート。
【請求項4】
不織布製基材が、不織布の一方の面に、プラスチック材料によるラミネート層が形成された積層体である請求項1〜3の何れかの項に記載の粘着テープ又はシート。
【請求項5】
不織布製基材におけるラミネート層が、ポリオレフィン系樹脂により形成されている請求項4記載の粘着テープ又はシート。
【請求項6】
不織布製基材における不織布の厚みが、50〜500μmである請求項4又は5記載の粘着テープ又はシート。
【請求項7】
不織布製基材におけるラミネート層の厚みが、5〜50μmである請求項4〜6の何れかの項に記載の粘着テープ又はシート。
【請求項8】
折り畳まれた際に主として他方の表面側に位置している部位が、不織布製基材を支持体として形成され、その他の部位が、プラスチック製基材を支持体として形成されている請求項1〜7の何れかの項に記載の粘着テープ又はシート。
【請求項9】
一方の端部につまみ部が形成され、且つつまみ部が形成された端部側の部位およびつまみ部が形成されていない端部側の部位が、折り畳まれた際のそれぞれの表面側に位置するような形態で、且つつまみ部が形成された端部とつまみ部が形成されていない端部とが異なる方向に向いた状態となって、蛇腹状に2回以上折り曲げることにより折り畳まれた構成を有しているとともに、下記の(a1)〜(d1)の構成を有しており、且つつまみ部を引っ張ることにより長尺状に展開させることが可能な粘着テープ又はシートであって、少なくとも、折り畳まれた際に主として表面側に位置しているつまみ部が形成された端部側の部位が、不織布製基材を支持体として形成されている請求項1〜8の何れかの項に記載の粘着テープ又はシート。
(a1)つまみ部が形成されていない端部側の部位の表面に、物品に貼付するための粘着剤層を有する構成
(b1)つまみ部が形成された端部側の部位におけるつまみ部が形成されていない端部側の面に、つまみ部が形成される形態で、物品に貼付するための粘着剤層を有し、且つつまみ部が形成された端部側の部位と、該つまみ部が形成された端部側の部位に対して対向している部位とが、離型処理層により剥離可能に貼り合わせられた構成
(c1)つまみ部が形成されていない端部側の部位と、該つまみ部が形成されていない端部側の部位に対して対向している部位とが、仮着剤層により剥離可能に貼り合わせられた構成
(d1)蛇腹状に4回以上折り曲げることにより折り畳まれた構成を有している場合、折り畳まれた際の対向している折り目部間の部位どうしが、仮着剤層により剥離可能に貼り合わせられた構成
【請求項10】
一方の端部につまみ部が形成され、且つつまみ部が形成された端部側の部位およびつまみ部が形成されていない端部側の部位が、折り畳まれた際のそれぞれの表面側に位置するような形態で、且つつまみ部が形成された端部とつまみ部が形成されていない端部とが同一方向に向いた状態となって、蛇腹状に3回以上折り曲げることにより折り畳まれた構成を有しているとともに、下記の(a2)〜(d2)の構成を有しており、且つつまみ部を引っ張ることにより長尺状に展開させることが可能な粘着テープ又はシートであって、少なくとも、折り畳まれた際に主として表面側に位置しているつまみ部が形成された端部側の部位が、不織布製基材を支持体として形成されている請求項1〜8の何れかの項に記載の粘着テープ又はシート。
(a2)つまみ部が形成されていない端部側の部位の表面に、物品に貼付するための粘着剤層を有する構成
(b2)つまみ部が形成された端部側の部位におけるつまみ部が形成されていない端部側の面に、つまみ部が形成される形態で、物品に貼付するための粘着剤層を有し、且つつまみ部が形成された端部側の部位と、該つまみ部が形成された端部側の部位に対して対向している部位とが、離型処理層により剥離可能に貼り合わせられた構成
(c2)つまみ部が形成されていない端部側の部位に対して対向している部位におけるつまみ部が形成されていない端部側の部位側の面に粘着剤層を有し、且つつまみ部が形成されていない端部側の部位と、該つまみ部が形成されていない端部側の部位に対して対向している部位とが、離型処理層により、少なくとも部分的に剥離可能に貼り合わせられた構成
(d2)折り畳まれた際の対向している折り目部間の部位どうしが、仮着剤層により剥離可能に貼り合わせられた構成
【請求項11】
一方の端部につまみ部が形成され、且つつまみ部が形成された端部側の部位およびつまみ部が形成されていない端部側の部位が、折り畳まれた際のそれぞれの表面側に位置するような形態で、且つつまみ部が形成された端部とつまみ部が形成されていない端部とが異なる方向に向いた状態となって、蛇腹状に2回以上折り曲げることにより折り畳まれた構成を有しているとともに、つまみ部が形成されていない端部側から2つ目の折り目部が、つまみ部が形成されていない端部よりも突出した状態で折り畳まれた構成を有しており、また、且つ下記の(a3)〜(d3)の構成を有しており、且つつまみ部を引っ張ることにより長尺状に展開させることが可能な粘着テープ又はシートであって、少なくとも、折り畳まれた際に主として表面側に位置しているつまみ部が形成された端部側の部位が、不織布製基材を支持体として形成されている請求項1〜8の何れかの項に記載の粘着テープ又はシート。
(a3)つまみ部が形成されていない端部側の部位の表面に、物品に貼付するための粘着剤層を有する構成
(b3)つまみ部が形成された端部側の部位におけるつまみ部が形成されていない端部側の面に、つまみ部が形成される形態で、物品に貼付するための粘着剤層を有し、且つつまみ部が形成された端部側の部位と、該つまみ部が形成された端部側の部位に対して対向している部位とが、離型処理層により剥離可能に貼り合わせられた構成
(c3)つまみ部が形成されていない端部側から1つ目の折り目部と、2つ目の折り目部との間の部位におけるつまみ部が形成されていない端部側の部位側の面において、つまみ部が形成されていない端部側の部位と重ね合わせられていない露出した表面に、少なくとも部分的に、長尺状に展開させるまで物品に貼付するための仮止め層を有する構成
(d3)蛇腹状に4回以上折り曲げることにより折り畳まれた構成を有している場合、折り畳まれた際の対向している折り目部間の部位どうしが、剥離可能に貼り合わせられた構成
【請求項12】
一方の端部につまみ部が形成され、且つつまみ部が形成された端部側の部位と、つまみ部が形成されていない端部側の部位とが対向しているとともに、つまみ部が形成された端部側の部位と、折り畳まれた際の何れかの折り目部間の部位とが対向し、さらに、つまみ部が形成されていない端部側の部位が折り畳まれた際の表面側に位置するとともに、折り畳まれた際の何れかの折り目部間の部位が折り畳まれた際の表面側に位置するような形態で、2回以上折り曲げることにより折り畳まれた構成を有しているとともに、下記の(a4)〜(d4)の構成を有しており、且つつまみ部を引っ張ることにより長尺状に展開させることが可能な粘着テープ又はシートであって、少なくとも、折り畳まれた際に主として表面側に位置している折り目部間の部位が、不織布製基材を支持体として形成されている請求項1〜8の何れかの項に記載の粘着テープ又はシート。
(a4)つまみ部が形成されていない端部側の部位の表面に、物品に貼付するための粘着剤層を有する構成
(b4)つまみ部が形成された端部側の部位における折り畳まれた際の折り目部間側の面に、つまみ部が形成される形態で、物品に貼付するための粘着剤層を有し、且つつまみ部が形成された端部側の部位と、該つまみ部が形成された端部側の部位に対して対向している折り畳まれた際の折り目部間の部位とが、離型処理層により剥離可能に貼り合わせられた構成
(c4)つまみ部が形成されていない端部側の部位におけるつまみ部が形成された端部側の部位側の面に、粘着剤層を有し、且つつまみ部が形成されていない端部側の部位と、つまみ部が形成された端部側の部位とが、離型処理層により剥離可能に貼り合わせられた構成
(d4)折り畳まれた際の対向している折り目部間の部位どうしが、仮着剤層により剥離可能に貼り合わせられた構成
【請求項13】
ロール状に巻回された形態の粘着テープ又はシートの巻回体であって、請求項1〜12の何れかの項に記載の粘着テープ又はシートが折り畳まれた状態で連続的に形成されている長尺状の連続体を、ロール状に巻回した形態を有していることを特徴とする粘着テープ又はシートの巻回体。
【請求項14】
折り畳まれた際に他方の表面側に位置している部位を形成するための支持体としての不織布製基材の表面に、電離性放射線硬化型離型処理剤による離型処理層が形成されており、前記折り畳まれた際に他方の表面側に位置している部位の表面に形成された電離性放射線硬化型離型処理剤による離型処理層と、つまみ部が形成されていない端部側の部位の表面に形成された粘着剤層とが接触するように、ロール状に巻回されている請求項13記載の粘着テープ又はシートの巻回体。
【請求項15】
紙おむつを廃棄する際に丸めた状態で保持させるための拘束用粘着テープ又はシートが設けられている紙おむつであって、前記拘束用粘着テープ又はシートとして、請求項1〜12の何れかの項に記載の粘着テープ又はシートが用いられていることを特徴とする紙おむつ。
【請求項16】
拘束用粘着テープ又はシートが、紙おむつの背側表面におけるウエスト部の上下幅領域内に位置する部位に、長手方向が上下方向、または胴回り方向となるように貼付されている請求項15記載の紙おむつ。
【請求項17】
拘束用粘着テープ又はシートを長尺状に展開した際の長さが、紙おむつを丸めた状態で拘束して保持させるのに十分な長さである請求項15又は16の何れかの項に記載の紙おむつ。
【請求項18】
パンツ型紙おむつである請求項15〜17の何れかの項に記載の紙おむつ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−45417(P2006−45417A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−230645(P2004−230645)
【出願日】平成16年8月6日(2004.8.6)
【出願人】(501327662)日東ライフテック株式会社 (19)
【Fターム(参考)】