説明

粘着フィルム及び半導体ウエハ加工用テープ

【課題】粘着剤が接着剤層に付着した状態でピックアップされた場合であっても、パッケ
ージにリフロークラックが生じるのを低減することができる粘着フィルム及び半導体ウエ
ハ加工用テープを提供する。
【解決手段】本発明の粘着フィルムは、基材フィルムと該基材フィルム上に設けられた粘
着剤層とからなり、半導体ウエハを加工するために用いる粘着フィルムであって、示差熱
分析により測定した、リフロー温度における前記粘着剤層の重量減少が1.5%以下であ
る。また、本発明の半導体ウエハ加工用テープは、基材フィルムと該基材フィルム上に設
けられた粘着剤層とからなる粘着フィルムと、粘着剤層上に設けられた接着剤層とを有す
るウエハ加工用テープであって、示差熱分析により測定した、リフロー温度における前記
粘着剤層の重量減少が1.5%以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハを半導体チップに切断し、半導体装置を製造するために使用す
る粘着フィルム及び半導体ウエハ加工用テープに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造工程に使用される半導体ウエハ加工用テープとして、粘着フィルム(
ダイシングテープ)に、接着剤層(ダイボンディングフィルム)が積層された構造を有す
る半導体ウエハ加工用テープが提案され(例えば、特許文献1参照)、既に実用化されて
いる。
【0003】
半導体装置の製造工程では、半導体ウエハに半導体ウエハ加工用テープを貼り付けた後
、半導体ウエハをダイシングブレードを用いてチップ単位に切断(ダイシング)する工程
、半導体ウエハ加工用テープをエキスパンドする工程、さらに切断されたチップを接着剤
層とともに粘着剤層からピックアップする工程、チップに付着した接着剤層を介してチッ
プを基板等に実装する工程、基板等に接着されたチップを封止した後にリフロー炉に通す
工程が実施される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平02−32181号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の半導体ウエハ加工用テープでは、製造から使用
までの間で、粘着剤層と接着剤層とが接触する時間が長くなると、使用前に両層がなじん
でしまい、切断したチップをピックアップする際に、粘着剤が接着剤層に付着した状態で
ピックアップされる場合がある。このような状態で、基板等に接着されたチップを封止し
た後にリフロー炉に通すと、リフロークラックが発生する場合があるという問題があった

【0006】
そこで、本発明の目的は、粘着剤層が接着剤層となじみ、チップをピックアップする際
に、粘着剤が接着剤層に付着した状態でピックアップされた場合であっても、パッケージ
にリフロークラックが生じるのを低減することができる粘着フィルム及び半導体ウエハ加
工用テープを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の粘着フィルムは、基材フィルムと該基材フィルム上
に設けられた粘着剤層とからなり、半導体ウエハを加工するために用いる粘着フィルムで
あって、示差熱分析により測定した、リフロー温度における前記粘着剤層の重量減少が1
.5%以下であることを特徴とする。
【0008】
また、基材フィルムと該基材フィルム上に設けられた粘着剤層とからなり、半導体ウエ
ハを加工するために用いる粘着フィルムであって、示差熱分析により測定した、260℃
における前記粘着剤層の重量減少が1.5%以下であることを特徴とする。
【0009】
また、上記課題を解決するため、本発明の半導体ウエハ加工用テープは、基材フィルム
と該基材フィルム上に設けられた粘着剤層とからなる粘着フィルムと、前記粘着剤層上に
設けられた接着剤層とを有するウエハ加工用テープであって、示差熱分析により測定した
、リフロー温度における前記粘着剤層の重量減少が1.5%以下であることを特徴とする

【0010】
また、本発明の半導体ウエハ加工用テープは、基材フィルムと該基材フィルム上に設け
られた粘着剤層とからなる粘着フィルムと、前記粘着剤層上に設けられた接着剤層とを有
するウエハ加工用テープであって、前示差熱分析により測定した、260℃における前記
粘着剤層の重量減少が1.5%以下であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の半導体ウエハ加工用テープは、粘着剤層の重量平均分子量が100万以
上であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の半導体ウエハ加工用テープは、粘着剤層は、光重合開始剤を含有してお
り、前記光重合開始剤の熱分解開始温度が260℃以上であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の粘着フィルム及び半導体ウエハ加工用テープは、チップをピックアップする際
に、粘着剤が接着剤層に付着した状態でピックアップされた場合であっても、パッケージ
にリフロークラックが生じるのを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の半導体ウエハ加工用テープの一例を示す断面図である。
【図2】(a)は、半導体ウエハ加工用テープに、半導体ウエハWとリングフレームが貼り合わされた状態を示す断面図であり、(b)は、ダイシング後の半導体ウエハ加工用テープと半導体ウエハを示す断面図であり、(c)は、エキスパンド後の半導体ウエハ加工用テープと半導体ウエハを示す断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本実施の形態に係る半導体ウエハ加工用テープ15は、図1に示すように、基材フィル
ム11の上に、粘着剤層12が積層された粘着フィルム14を有し、粘着剤層12の上に
接着剤層13が積層されたダイシング・ダイボンディングフィルムである。なお、粘着剤
層12及び接着剤層13は、使用工程や装置にあわせて予め所定形状に切断(プリカット
)されていてもよい。ウエハW(図2(a)参照)に応じてプリカットされた接着剤層1
3を積層した場合、ウエハWが貼り合わされる部分には接着剤層13があり、ダイシング
用のリングフレーム20(図2(a)参照)が貼り合わされる部分には接着剤層13がな
く粘着剤層12のみが存在することになる。一般に、接着剤層13は被着体と剥離しにく
いため、プリカットされた接着剤層13を使用することで、リングフレーム20は粘着剤
層12に貼り合わすことができ、使用後のリングフレーム20への糊残りを生じにくいと
いう効果が得られる。また、本発明の半導体ウエハ加工用テープ15は、ウエハ1枚分ご
とに切断され積層された形態と、これが複数形成された長尺のシートをロール状に巻き取
った形態とを含む。以下に、基材フィルム11、粘着剤層12、及び接着剤層13につい
てそれぞれ詳細に説明する。
【0016】
<基材フィルム>
基材フィルムを構成する材料としては、特に限定されないが、ポリオレフィン及びポリ
塩化ビニルから選択されることが好ましい。また、粘着剤と接する面の表面粗さRaは1
μm以下が好ましく、より好ましくは0.5μm以下である。表面粗さRaを1μm以下
にすることで、粘着剤との接触面積を増加させ、粘着剤が基材フィルムから剥れるのを抑
制することができる。
【0017】
上記ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン
共重合体、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エ
チレン−アクリル酸共重合体、アイオノマーなどのα−オレフィンの単独重合体または共
重合体あるいはこれらの混合物などが挙げられる。
【0018】
後述する粘着剤層として放射線照射により硬化し、粘着力が低下するタイプを用いる場
合には、基材フィルムは、放射線透過性であることが好ましい。基材フィルムの厚さは、
強度およびチップのピックアップ性確保の観点から、50〜300μmであることが好ま
しい。また、基材フィルムは、単層であっても、複数層で構成されていてもよい。
【0019】
<粘着剤層>
粘着剤層は、基材フィルム上に粘着剤を塗工して製造することができる。粘着剤層とし
ては特に制限はなく、エキスパンドの際に接着剤層及び半導体ウエハが剥離しない程度の
保持性や、ピックアップ時には接着剤層と剥離が容易である特性を有するものであればよ
い。ピックアップ性を向上させるために、粘着剤層は放射線硬化性のものが好ましい。
【0020】
例えば、粘着剤に使用される公知の塩素化ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエ
ステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、付加反応型オルガノポリシロキサン系樹
脂、シリコンアクリレート樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸
エチル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体
、ポリイソプレンやスチレン・ブタジエン共重合体やその水素添加物等の各種エラストマ
ー等やその混合物に、放射線重合性化合物を適宜配合して粘着剤を調製することが好まし
い。また、各種界面活性剤や表面平滑化剤を加えてもよい。粘着剤層の厚さは特に限定さ
れるものではなく適宜に設定してよいが、1〜30μmが好ましい。
【0021】
重合性化合物は、例えば光照射によって三次元網状化しうる分子内に光重合性炭素−炭
素二重結合を少なくとも2個以上有する低分子量化合物や、光重合性炭素−炭素二重結合
基を置換基に持つポリマーやオリゴマーが用いられる。具体的には、トリメチロールプロ
パントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトール
テトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、
1,6ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレートや、オ
リゴエステルアクリレート等、シリコンアクリレート等、アクリル酸や各種アクリル酸エ
ステル類の共重合体等が適用可能である。
【0022】
また、上記のようなアクリレート系化合物のほかに、ウレタンアクリレート系オリゴマ
ーを用いることもできる。ウレタンアクリレート系オリゴマーは、ポリエステル型または
ポリエーテル型などのポリオール化合物と、多価イソシアナート化合物(例えば、2,4
−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、1,3−キシリレン
ジイソシアナート、1,4−キシリレンジイソシアナート、ジフェニルメタン4,4−ジ
イソシアナートなど)を反応させて得られる末端イソシアナートウレタンプレポリマーに
、ヒドロキシル基を有するアクリレートあるいはメタクリレート(例えば、2−ヒドロキ
シエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピル
アクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールアクリ
レート、ポリエチレングリコールメタクリレートなど)を反応させて得られる。なお、粘
着剤層には、上記の樹脂から選ばれる2種以上が混合されたものでもよい。また、以上に
挙げた粘着剤の材料は、表面自由エネルギーを40mJ/m以下とするうえで、トリフ
ルオロメチル基、ジメチルシリル基、長鎖アルキル基等の無極性基をなるべく多く分子構
造中に含むことが望ましい。
【0023】
なお、粘着剤層の樹脂には、放射線を基材フィルムに照射して粘着剤層を硬化させる放
射線重合性化合物の他、アクリル系粘着剤、光重合開始剤、硬化剤等を適宜配合して粘着
剤を調製することもできる。
【0024】
光重合開始剤を使用する場合、例えばイソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベ
ンゾインエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、クロロチオキサントン、ドデシ
ルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチ
ルケタール、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェ
ニルプロパン等を使用することができる。これら光重合開始剤の配合量はアクリル系共重
合体100質量部に対して0.01〜30質量部が好ましく、1〜10重量部がより好ま
しい。
【0025】
なお、粘着剤中に低分子成分が存在していると、基材フィルム製造後に長期保管してい
る間に、低分子成分が粘着剤層表面に移行し粘接着特性を損なう恐れがあるため、ゲル分
率が高いことが望ましく、通常60%以上、好ましくは70%以上である。ここで、ゲル
分率とは、以下のように算出されるものをいう。粘着剤層約0.05gを秤取し、キシレ
ン50mlに120℃で24時間浸漬した後、200メッシュのステンレス製金網で濾過
し、金網上の不溶解分を110℃にて120分間乾燥する。次に、乾燥した不溶解分の質
量を秤量し、下記に示す式1にてゲル分率を算出する。
ゲル分率(%)=(不溶解分の質量/秤取した粘着剤層の質量)×100 (式1)
【0026】
粘着剤層は、示差熱分析(TG−DTA)により測定したリフロー温度における重量減
少が1.5%以下である。ここで、リフロー温度とは、パッケージ本体のピーク温度(T
p:peak package body temperature)であり、半導体技術協会(JEDEC:Joint Electron D
evice Engineering Council)が分類温度(Tc:classification temperature)を定めて
いる場合は、当該分類温度をピーク温度とする。粘着剤層の重量減少は、リフローが行わ
れる状態での粘着剤層の重量減少である。すなわち、放射線硬化性の粘着剤層の場合、リ
フローが行われるのは、放射線が照射され硬化した後であるため、この状態の粘着剤にリ
フロー温度で所要時間加熱したときの重量減少が1.5%以下である。粘着剤層のリフロ
ー温度で所要時間加熱したときの重量減少が1.5%以下であると、粘着剤が接着剤層に
付着した状態でリフローが行われたとしても、粘着剤の熱分解に伴うアウトガスの発生が
抑制される。その結果、リフロークラックの発生を低減することができる。鉛フリー半田
のリフロー温度は260℃程度であるため、示差熱分析(TG−DTA)により測定した
粘着剤層の260℃の重量減少が1.5%以下であることが好ましい。
【0027】
粘着剤の加熱による重量減少を抑制するためには、粘着剤のベースポリマーのガラス転
移温度Tgを−50℃以上にする、あるいは、粘着剤層の重量平均分子量が100万以上
になるようにするとよい。さらに、光重合開始剤の分解温度を260℃以上にすることを
組み合わせてもよい。
【0028】
<接着剤層>
接着剤層は、半導体ウエハが貼り合わされ切断された後、チップをピックアップする際
に、切断された接着剤層が粘着剤層から剥離してチップに付着しており、チップをパッケ
ージ基板やリードフレームに固定する際のボンディングフィルムとして機能するものであ
る。
【0029】
接着剤層は、接着剤を予めフィルム化したものであり、例えば、接着剤に使用される公
知のポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂
、ポリエステル樹脂、ポリエステルイミド樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスルホン樹脂、ポ
リエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、
塩素化ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアク
リルアミド樹脂、メラミン樹脂等やその混合物を使用することができるが、接着剤層13
の分断性をよくするためには、アクリル系共重合体、エポキシ樹脂を含み、アクリル系共
重合体のTgが10℃以上であることが好ましい。さらには、無機フィラーを50%以上
含有することが好ましい。また、チップやリードフレームに対する接着力を強化するため
に、シランカップリング剤もしくはチタンカップリング剤を添加剤として前記材料やその
混合物に加えることが望ましい。接着剤層の厚さは特に制限されるものではないが、通常
5〜100μm程度が好ましい。
【0030】
エポキシ樹脂は、硬化して接着作用を呈するものであれば特に制限はないが、二官能基
以上で、好ましくは分子量が5000未満、より好ましくは3000未満のエポキシ樹脂
が使用できる。また、好ましくは分子量が500以上、より好ましくは800以上のエポ
キシ樹脂が使用できる。
【0031】
例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフ
ェノールS型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、フェノール
ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノ
ボラック型エポキシ樹脂、ビフェノールのジグリシジリエーテル化物、ナフタレンジオー
ルのジグリシジリエーテル化物、フェノール類のジグリシジリエーテル化物、アルコール
類のジグリシジルエーテル化物、及びこれらのアルキル置換体、ハロゲン化物、水素添加
物などの二官能エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。また、多官能エ
ポキシ樹脂や複素環含有エポキシ樹脂等、一般に知られているものを適用することもでき
る。これらは単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。さらに、特性
を損なわない範囲でエポキシ樹脂以外の成分が不純物として含まれていてもよい。
【0032】
アクリル系共重合体としては、例えば、エポキシ基含有アクリル共重合体を用いること
ができる。エポキシ基含有アクリル共重合体は、エポキシ基を有するグリシジルアクリレ
ート又はグリシジルメタクリレートを0.5〜6重量%含む。高い接着力を得るためには
、0.5重量%以上が好ましく、6重量%以下であればゲル化を抑制できる。
【0033】
官能基モノマーとして用いるグリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレートの
量は0.5〜6重量%の共重合体比である。つまり、本発明においてエポキシ基含有アク
リル共重合体は、原料としてグリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレートを、
得られる共重合体に対し0.5〜6重量%となる量用いて得られた共重合体をいう。その
残部はメチルアクリレート、メチルメタクリレートなどの炭素数1〜8のアルキル基を有
するアルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、およびスチレンやアクリロニトリ
ルなどの混合物を用いることができる。これらの中でもエチル(メタ)アクリレート及び
/又はブチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。混合比率は、共重合体のTgを考慮
して調整することが好ましい。重合方法は特に制限が無く、例えば、パール重合、溶液重
合等が挙げられ、これらの方法により共重合体が得られる。エポキシ基含有アクリル共重
合体の重量平均分子量は10万以上であり、この範囲であると接着性及び耐熱性が高く、
30万〜300万であることが好ましく、50万〜200万であることがより好ましい。
300万以下であると、フロー性が低下することにより、半導体素子を貼付ける支持部材
に必要に応じて形成された配線回路への充填性が低下する可能性を減らすことができる。
なお、本明細書中で、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(
GPC)で標準ポリスチレンによる検量線を用いたポリスチレン換算値である。
【0034】
無機フィラーとしては特に制限が無く、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシ
ウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸
化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、ほう酸アルミ
ウイスカ、窒化ほう素、結晶質シリカ、非晶質シリカなどが挙げられる。これらは、1種
又は2種以上を併用することもできる。熱伝導性向上のためには、酸化アルミニウム、窒
化アルミニウム、窒化ほう素、結晶性シリカ、非晶性シリカ等が好ましい。特性のバラン
スの観点ではシリカが好ましい。
【0035】
フィラーの平均粒径は、0.002〜2μmであることが好ましく、0.008〜0.
5μmであることがより好ましく、0.01〜0.05μmであることがさらに好ましい
。フィラーの平均粒径が0.002μm未満であると被着体へのぬれ性が低下し、接着性
が低下する傾向があり、2μmを超えるとフィラー添加による補強効果が小さくなり、耐
熱性が低下する傾向がある。ここで、平均粒径とは、TEM、SEM等により測定したフ
ィラー100個の粒径から求められる平均値をいう。
【0036】
次に、図1に示す本発明の半導体ウエハ加工用テープ15を使用して、接着剤層付き半
導体チップを製造する方法について、図2を参照しながら説明する。
【0037】
(貼合工程)
まず、図2(a)に示すように、半導体ウエハ加工用テープ15の接着剤層13に半導
体ウエハWの裏面を貼り合わせるとともに、粘着剤層12の所定位置にリングフレーム2
0を貼り合わせる。
【0038】
(ダイシング工程)
吸着ステージ22により、ウエハ加工用テープ15を基材フィルム12面側から吸着支
持し、図示しないブレードを用いて、半導体ウエハWを機械的に切断し、複数の半導体チ
ップCに分割する(図2(b))。なお、このとき、接着剤層13や粘着剤層12、基材
フィルム11の一部も適宜ダイシングされる。
【0039】
(照射工程)
そして、放射線を基材フィルム11の下面から粘着剤層12に照射して粘着剤層12を
硬化させる。硬化させた粘着剤層12は粘着力が低下するため、粘着剤層12上の接着剤
層13を剥離させることが可能となる。なお、粘着剤層を複数の層で構成する場合、接着
剤層13を粘着剤層12から剥離するために、粘着剤層全体を硬化させる必要はなく、少
なくともウエハに対応する粘着剤層部分を硬化させてもよい。
【0040】
(エキスパンド工程)
照射工程の後、分割された複数の半導体チップCを保持する半導体ウエハ加工用テープ
15をエキスパンド装置のステージ21上に載置する。そして、図2(c)に示すように
、中空円柱形状の突き上げ部材23を、半導体ウエハ加工用テープ15の下面側から上昇
させ、上記基材フィルム11をリングフレーム20の径方向及び周方向に引き伸ばす。
【0041】
(ピックアップ工程)
エキスパンド工程を実施した後、粘着フィルムをエキスパンドした状態のままで、チッ
プCをピックアップするピックアップ工程を実施する。具体的には、粘着剤フィルム14
の下側からチップをピン(図示しない)によって突き上げるとともに、粘着剤フィルム1
4の上面側から吸着冶具(図示しない)でチップCを吸着することで、個片化されたチッ
プCを接着剤層13とともにピックアップする。
【0042】
(ダイボンディング工程)
そして、ピックアップ工程を実施した後、ダイボンディング工程を実施する。具体的に
は、ピックアップ工程でチップCとともにピックアップされた接着剤層により、半導体チ
ップをリードフレームやパッケージ基板等に接着する。
【0043】
(リフロー工程)
半導体チップを載置した基板等を封止材で封止した後に、半導体チップに配設された半
田ボール等の半田を溶融させ、半導体チップと基板等との導通をとるため、リフロー炉に
通し、半導体装置を得る。ここで、粘着剤層は、示差熱分析により測定したリフロー温度
における粘着剤層の重量減少が1.5%以下であるため、粘着剤が接着剤層に付着した状
態でリフローが行われたとしても、粘着剤の熱分解に伴うアウトガスの発生が抑制される

【0044】
以上より、チップをピックアップする際に、粘着剤が接着剤層に付着した状態でピック
アップされた場合であっても、パッケージにリフロークラックが生じるのを低減すること
ができる。
【0045】
次に、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。
【0046】
まず、粘着剤組成物1〜9調製した後、厚さ100μmのエチレン−酢酸ビニル共重合
体フィルム(基材フィルム)上に粘着剤組成物の乾燥後の厚さが10μmになるように粘
着剤組成物1〜9をそれぞれ塗工し、110℃で3分間乾燥させた後、23±5℃45%
環境下に3週間静置して粘着フィルムを得た。次いで、接着剤組成物1〜2を調製し、接
着剤組成物を離型処理したポリエチレン−テレフタレートフィルムよりなる剥離ライナー
に、乾燥後の厚さが20μmになるように接着剤組成物1〜2をそれぞれ塗工し、110
℃で3分間乾燥させて接着フィルムを作成した。そして、粘着フィルム及び接着フィルム
をそれぞれ直径370mm、320mmの円形にカットし、粘着フィルムの粘着剤層側に
接着フィルムの接着剤層を表1に示す組み合わせで貼り合わせて、実施例1〜6及び比較
例1〜3に係るダイシング・ダイボンディングフィルムを作成した。以下に、粘着剤組成
物1〜8及び接着剤組成物1〜2の調整方法を示す。
【0047】
(粘着剤組成物の調製)
(粘着剤組成物1)
溶媒のトルエン400g中に、イソオクチルアクリレート340g、メチルメタアクリ
レート13g、ヒドロキシアクリレート60g、メタクリル酸0.5g、重合開始剤とし
てベンゾイルペルオキシドの混合液を、適宜、滴下量を調整して加え、反応温度および反
応時間を調整し、重量平均分子量80万の化合物(1)の溶液を得た。示差走査熱量測定
(DSC:Differential scanning calorimetry)にて化合物(1)のTgを測定したと
ころ、−49℃であった。続いて、化合物(1)の溶液に、溶液中の化合物(1)100
重量部に対してポリイソシアネートとしてコロネートL(日本ポリウレタン工業株式会社
製)を2重量部加え、溶媒として酢酸エチルを300重量部加え、攪拌して粘着剤組成物
1を得た。
【0048】
(粘着剤組成物2)
上記化合物(1)の溶液に、放射性硬化性炭素−炭素二重結合および官能基を有する化
合物として2−イソシアネートエチルメタアクリレート2.5g、重合禁止剤としてハイ
ドロキノンを、適宜、滴下量を調整して加え、反応温度および反応時間を調整して放射性
硬化性炭素−炭素二重結合を有する化合物(2)の溶液を得た。DSCにて化合物(2)
のTgを測定したところ、−49℃であった。続いて、化合物(2)の溶液に、溶液中の
化合物(2)100重量部に対してポリイソシアネートとしてコロネートLを2重量部加
え、光重合開始剤としてイルガキュアー184(日本チバガイギー社製)を1重量部、溶
媒として酢酸エチルを300重量部加え、攪拌して粘着剤組成物2を得た。
【0049】
(粘着剤組成物3)
溶媒のトルエン400g中に、イソオクチルアクリレート340g、メチルメタアクリ
レート3g、ヒドロキシアクリレート60g、メタクリル酸0.5g、重合開始剤として
ベンゾイルペルオキシドの混合液を、適宜、滴下量を調整して加え、反応温度および反応
時間を調整し、重量平均分子量50万の化合物を得た後、放射性硬化性炭素−炭素二重結
合および官能基を有する化合物として2−イソシアネートエチルメタアクリレート2.5
g、重合禁止剤としてハイドロキノンを、適宜、滴下量を調整して加え、反応温度および
反応時間を調整して放射性硬化性炭素−炭素二重結合を有する化合物(3)の溶液を得た
。DSCにて化合物(3)のTgを測定したところ、−52℃であった。続いて、化合物
(3)の溶液に、溶液中の化合物(3)100重量部に対してポリイソシアネートとして
コロネートLを0.7重量部加え、光重合開始剤としてイルガキュアー184を1重量部
、溶媒として酢酸エチルを300重量部加え、攪拌して粘着剤組成物3を得た。
【0050】
(粘着剤組成物4)
トルエン400g中に、n−ブチルアクリレート443g、メチルメタアクリレート8
0g、ヒドロキシアクリレート100g、メタクリル酸7g、重合開始剤としてベンゾイ
ルペルオキシドの混合液を、適宜、滴下量を調整して加え、反応温度および反応時間を調
整し、重量平均分子量20万の化合物を得た後、放射性硬化性炭素−炭素二重結合および
官能基を有する化合物として2−イソシアネートエチルメタアクリレート2.5g、重合
禁止剤としてハイドロキノンを、適宜、滴下量を調整して加え、反応温度および反応時間
を調整して放射性硬化性炭素−炭素二重結合を有する化合物(4)の溶液を得た。DSC
にて化合物(4)のTgを測定したところ、−36℃であった。続いて、化合物(4)の
溶液に、溶液中の化合物(4)100重量部に対してポリイソシアネートとしてコロネー
トLを0.5重量部加え、光重合開始剤としてイルガキュアー184を1重量部、溶媒と
して酢酸エチルを300重量部加え、攪拌して粘着剤組成物4を得た。
【0051】
(粘着剤組成物5)
上記化合物(4)の溶液に、溶液中の化合物(4)100重量部に対してポリイソシア
ネートとしてコロネートLを0.7重量部加え、光重合開始剤としてイルガキュアー29
59を1重量部、溶媒として酢酸エチルを300重量部加え、攪拌して粘着剤組成物5を
得た。
【0052】
(粘着剤組成物6)
溶媒のトルエン400g中に、ラウリルアクリレート200g、2−エチルヘキシルアク
リレート100g、メタクリル酸10g、重合開始剤としてベンゾイルペルオキシドの混
合液を、適宜、滴下量を調整して加え、反応温度および反応時間を調整し、重量平均分子
量80万の化合物を得た後、放射性硬化性炭素−炭素二重結合および官能基を有する化合
物として2−イソシアネートエチルメタアクリレート2.5g、重合禁止剤としてハイド
ロキノンを、適宜、滴下量を調整して加え、反応温度および反応時間を調整して放射性硬
化性炭素−炭素二重結合を有する化合物(5)の溶液を得た。DSCにて化合物(5)の
Tgを測定したところ、−20℃であった。続いて、化合物(5)の溶液に、溶液中の化
合物(5)100重量部に対してポリイソシアネートとしてコロネートLを1重量部加え
光重合開始剤としてイルガキュアー907を1重量部加えて、粘着剤組成物6を得た。
【0053】
(粘着剤組成物7)
溶媒のトルエン400g中に、n−ブチルアクリレート340g、ヒドロキシアクリレー
ト70g、メタクリル酸3.5g、重合開始剤としてベンゾイルペルオキシドの混合液を
、適宜、滴下量を調整して加え、反応温度および反応時間を調整し、重量平均分子量90
万の化合物を得た後、放射性硬化性炭素−炭素二重結合および官能基を有する化合物とし
て2−イソシアネートエチルメタアクリレート2.5g、重合禁止剤としてハイドロキノ
ンを、適宜、滴下量を調整して加え、反応温度および反応時間を調整して放射性硬化性炭
素−炭素二重結合を有する化合物(6)の溶液を得た。DSCにて化合物(6)のTgを
測定したところ、−49℃であった。続いて、化合物(6)の溶液に、溶液中の化合物(
6)100重量部に対して光重合開始剤としてイルガキュアー651を1重量部加えて、
粘着剤組成物7を得た。
【0054】
(粘着剤組成物8)
溶媒のトルエン400g中に、n−ブチルアクリレート340g、メチルメタアクリレ
ート13g、ヒドロキシアクリレート7g、メタクリル酸0.5g、重合開始剤としてベ
ンゾイルペルオキシドの混合液を、適宜、滴下量を調整して加え、反応温度および反応時
間を調整し、重量平均分子量5万の化合物(7)の溶液を得た。DSCにて化合物(7)
のTgを測定したところ、−52℃であった。続いて、化合物(7)の溶液に、溶液中の
化合物(7)100重量部に対してポリイソシアネートとしてコロネートLを2重量部加
え、溶媒として酢酸エチルを300重量部加え、攪拌して粘着剤組成物8を得た。
【0055】
各光重合開始剤の熱分解開始温度はイルガキュアー2959のみ260℃以上であり、
イルガキュアー907、651、184は260℃未満であった。
【0056】
(接着剤組成物の作製)
(接着剤組成物1)
エポキシ樹脂としてクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量197、分子
量1200、軟化点70℃)15重量部、アクリル樹脂(質量平均分子量:80万、ガラ
ス転移温度−17℃)70重量部、硬化剤としてフェノールノボラック樹脂(水酸基当量
104、軟化点80℃)15重量部、促進剤としてキュアゾール2PZ(四国化成株式会
社製、商品名:2−フェニルイミダゾール)1部を有機溶剤中で有機溶剤中で攪拌して接
着剤組成物1を得た。
【0057】
(接着剤組成物2)
エポキシ樹脂としてクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量197、分子
量1200、軟化点70℃)5重量部、シランカップリング剤として3−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン0.5質量部、平均粒径1.0μmのシリカフィラー50質量
部、2,2'−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、3,3',4,4'
−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物及び無水ピロメリット酸より合成された質量平均
分子量5万のポリイミド樹脂40質量部、硬化剤としてフェノールノボラック樹脂(水酸
基当量104、軟化点80℃)5重量部、促進剤としてキュアゾール2PZ1部を有機溶
剤中で攪拌して接着剤組成物2を得た。
【0058】
実施例及び比較例の評価は下記のように行った。
<粘着剤の平均分子量の測定>
粘着剤組成物を用いて作製した粘着フィルムより、粘着剤のみをかき取りゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィー法(GPC)で標準ポリスチレンによる検量線を用いたポリ
スチレン換算値を用いて測定した。測定には、下記の条件を使用した。
GPC装置:東ソー社製HLC−8120GPC
カラム:TSK gel SuperH5000、流量:0.6ml/min
濃度:0.3質量%、注入量:20μl
カラム温度:40℃、溶離液:テトラヒドロフラン。
<重量減少の測定>
実施例1〜6及び比較例1〜3に係るダイシング・ダイボンディングフィルムの粘着剤
層に紫外線を空冷式高圧水銀灯(80W/cm、照射距離10cm)により200mJ/
cm照射した。実施例1及び紫外線照射後の実施例2〜6、比較例1〜3について、熱
重量測定による示差熱分析(TG−DTA)を行い、測定容器内の温度を室温から300
℃まで変化させながら重量減少を測定し、220℃及び260℃での重量減少を求めた。
サンプル量は約10mgとし、温度は10℃/minの速度で変化させた。その結果を表
1に示す。
<耐リフロー性>
厚み200μmのシリコンウエハの裏面に、実施例及び比較例に係るダイシング・ダイ
ボンディングフィルムの接着剤層を貼り付け、7.5mm×7.5mmにダイシングして
、接着剤層付きのチップを粘着剤層から剥離してピックアップした後、XPS(X線光電
子分光分析)にて、粘着剤の転写汚染物に由来する炭素の増加量がブランクと比較して5
Atomic%以上のチップを20個選び出し、ガラスエポキシ基板の上に180℃、10N、
5秒の条件でマウントした。更に、封止材(京セラケミカル株式会社製)でモールドしリ
フローサンプルを作製した。封止後のサンプルを85℃/85%RHの恒温恒湿層で16
8時間処理した後、共晶半田プロセス対応として220℃で60秒間、もしくは鉛フリー
半田プロセス対応として260℃で60秒間加熱し、日立建機株式会社製の超音波映像装
置(SAT)により観察を行い、パッケージクラックの有無を調べた。全パッケージ20
個に対して、パッケージクラックが観測されたパッケージの個数を表1に示す。
【0059】
【表1】

【0060】
比較例では、220℃、260℃における重量減少がともに1.5%を超えているため
、ほとんどのパッケージでクラックが観測された。これに対し、実施例1〜6では、22
0℃、260℃における重量減少がともに1.5%以下であるため、全てのパッケージで
クラックが観測されなかった。
【0061】
以上より、チップをピックアップする際に、粘着剤が接着剤層に付着した状態でピック
アップされた場合であっても、パッケージにリフロークラックが生じるのを低減すること
ができる。
【符号の説明】
【0062】
11:基材フィルム
12:粘着剤層
13:接着剤層
14:粘着剤フィルム
15:半導体ウエハ加工用テープ
20:リングフレーム
21:ステージ
22:吸着ステージ
23:突き上げ部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材フィルムと該基材フィルム上に設けられた粘着剤層とからなり、半導体ウエハを加
工するために用いる粘着フィルムであって、示差熱分析により測定した、リフロー温度に
おける前記粘着剤層の重量減少が1.5%以下であることを特徴とする粘着フィルム。
【請求項2】
基材フィルムと該基材フィルム上に設けられた粘着剤層とからなり、半導体ウエハを加
工するために用いる粘着フィルムであって、示差熱分析により測定した、260℃におけ
る前記粘着剤層の重量減少が1.5%以下であることを特徴とする粘着フィルム。
【請求項3】
基材フィルムと該基材フィルム上に設けられた粘着剤層とからなる粘着フィルムと、前
記粘着剤層上に設けられた接着剤層とを有するウエハ加工用テープであって、示差熱分析
により測定したリフロー温度における前記粘着剤層の重量減少が1.5%以下であること
を特徴とする半導体ウエハ加工用テープ。
【請求項4】
基材フィルムと該基材フィルム上に設けられた粘着剤層とからなる粘着フィルムと、前
記粘着剤層上に設けられた接着剤層とを有するウエハ加工用テープであって、示差熱分析
により測定した260℃における前記粘着剤層の重量減少が1.5%以下であることを特
徴とする半導体ウエハ加工用テープ。
【請求項5】
前記粘着剤層の重量平均分子量が100万以上であることを特徴とする請求項1乃至4
のいずれか一項に記載の半導体ウエハ加工用テープ。
【請求項6】
前記粘着剤層は、光重合開始剤を含有しており、前記光重合開始剤の熱分解開始温度が
260℃以上であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の半導体ウエ
ハ加工用テープ。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−54953(P2011−54953A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−176798(P2010−176798)
【出願日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】