説明

糸収納具及び縫合糸収納具

【課題】本発明は、極めて商品価値の高い画期的な糸収納具及び縫合糸収納具を提供することを目的とする。
【解決手段】糸1を収納するためのものであって、板状基体2の周縁部には前記糸1を巻回する糸巻き部3が設けられ、この糸巻き部3には外方へ突出し対向位置に配され該糸巻き部3に巻回された前記糸1の脱落を阻止する一対の糸保持部4が設けられ、この一対の糸保持部4は、常態においては閉じており、前記板状基体2の所定部位を表裏面方向へ押圧変形させた際には開き、前記糸1の通過を許容する糸通過許容部8が形成されるように構成されたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糸収納具及び縫合糸収納具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、手術用の縫合糸を収納するためものとして、例えば特開平6−285076号に開示される縫合糸収納具(以下、従来例)が提案されている。
【0003】
この従来例は、板状基体の周縁部に縫合糸を周方向に巻回する糸巻き部を設けたものであり、また、板状基体の表面には縫合糸の先端に付設される針を保持する針保持部が設けられている。
【0004】
【特許文献1】特開平6−285076号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来例に係る板状基体の周縁部には、糸巻き部の外方対向位置に配され該糸巻き部に巻回された縫合糸の脱落を阻止する糸保持部が所定間隔を介して複数並設されている。
【0006】
具体的には、この各糸保持部は、板状基体の表面側周縁部と裏面側周縁部との間に架設状態となる糸保持体を、裏面側周縁部に起伏擺動自在に設けるとともに、この糸保持体の先端部に板状基体の表面側周縁部に係止する係止部を設けた構成である。
【0007】
従って、糸巻き部に縫合糸を巻回する場合、板状基体の表側周縁部に対する係止部の係止状態を解除して糸保持体を起き擺動させて縫合糸の巻回可能な状態とし、この状態で糸巻き部に縫合糸を巻回する。その後、糸保持体を伏し擺動させて板状基体の表側周縁部に係止部を係止させることで、糸保持体は糸巻き部の外方対向位置に配されることになり、よって、この糸保持体により縫合糸の脱落を阻止する状態が得られることになる。
【0008】
しかしながら、従来例は、前述したように糸巻き部に縫合糸を巻回する毎に、一つ一つ糸保持部を操作(糸保持体の係止部を係止させる操作、糸保持体の係止部の係止状態を解除させる操作及び糸保持体を起伏擺動する操作)するのが非常に厄介で作業性が悪く、しかも、この糸保持部の操作を自動化しようとすると非常に複雑な構造となってコスト高となってしまい、よって、この糸保持部が縫合糸の収納作業を自動化しようとする際の妨げとなっているのが現状である。
【0009】
本発明は、上述した問題点を解決するものであり、極めて商品価値の高い画期的な縫合糸収納具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0011】
糸1を収納するためのものであって、板状基体2の周縁部には前記糸1を巻回する糸巻き部3が設けられ、この糸巻き部3には外方へ突出し対向位置に配され該糸巻き部3に巻回された前記糸1の脱落を阻止する一対の糸保持部4が設けられ、この一対の糸保持部4は、常態においては閉じており、前記板状基体2の所定部位を表裏面方向へ押圧変形させた際には開き、前記糸1の通過を許容する糸通過許容部8が形成されるように構成されていることを特徴とする糸収納具に係るものである。
【0012】
また、手術用の縫合糸1を収納するためのものであって、板状基体2の周縁部には前記縫合糸1を巻回する糸巻き部3が設けられ、この糸巻き部3には外方へ突出し対向位置に配され該糸巻き部3に巻回された前記縫合糸1の脱落を阻止する一対の糸保持部4が設けられ、この一対の糸保持部4は、常態においては閉じており、前記板状基体2の所定部位を表裏面方向へ押圧変形させた際に開き、前記縫合糸1の通過を許容する糸通過許容部8が形成されるように構成されていることを特徴とする縫合糸収納具に係るものである。
【0013】
また、請求項2記載の縫合糸収納具において、前記一対の糸保持部4は、前記板状基体2の周縁部に設けられる第一糸保持体6と該第一糸保持体6に隣接して設けられる第二糸保持体7とで構成されていることを特徴とする縫合糸収納具に係るものである。
【0014】
また、請求項2,3いずれか1項に記載の縫合糸収納具において、前記第一糸保持体6と前記第二糸保持体7とのいずれか一方若しくは双方は断面L字状であり、常態においては側面視閉じた箱状となるものであることを特徴とする縫合糸収納具に係るものである。
【0015】
また、請求項2〜4いずれか1項に記載の縫合糸収納具において、前記一対の糸保持部4は前記板状基体2の周縁部に複数設けられていることを特徴とする縫合糸収納具に係るものである。
【0016】
また、請求項2〜5いずれか1項に記載の縫合糸収納具において、前記板状基体2は合成樹脂製であり、また、前記一対の糸保持部4は前記板状基体2と一体に成形された合成樹脂製であり、前記糸通過許容部8は前記一対の糸保持部4の弾性変形により形成されるものであることを特徴とする縫合糸収納具に係るものである。
【0017】
また、請求項2〜6いずれか1項に記載の縫合糸収納具において、前記縫合糸1は手術用の針9付の縫合糸1であることを特徴とする縫合糸収納具に係るものである。
【0018】
また、請求項2〜7いずれか1項に記載の縫合糸収納具において、前記板状基体2には針9を係止する針係止部10が設けられていることを特徴とする縫合糸収納具に係るものである。
【0019】
また、請求項8記載の縫合糸収納具において、前記針係止部10は、前記板状基体2の表面に突設される凸部10aに前記針9を挟持するスリット10bを設けたものであり、前記スリット10bは前記板状基体2の所定部位を表裏面方向へ押圧変形させることで挟持間隔が可変し得るように構成されていることを特徴とする縫合糸収納具に係るものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明は上述のように構成したから、前述した従来例に比し、糸の収納状態(糸巻き部に糸が脱落しないで巻回された状態)が極めて簡易に得られることになり、しかも、この糸の収納状態を簡易に得るための構造(糸保持部に糸通過許容部を形成するための構造)が、板状基体の所定部位を表裏面方向へ押圧変形させるだけのシンプルな動作により行われる極めて簡易構造であるから、糸の収納作業の自動化を容易に実現することができ、ひいては糸の収納作業における作業性の飛躍的な向上が望めることになるなど極めて商品価値の高い画期的な糸収納具となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて簡単に説明する。
【0022】
糸巻き部3に糸1(例えば手術用の縫合糸1)を巻回する場合、板状基体2の所定部位を表裏面方向へ押圧変形させると、一対の糸保持部4は開き、糸1の通過を許容する糸通過許容部8が形成される。この状態で糸通過許容部8に糸1を通過させて糸巻き部3へ糸1を巻回する。この糸巻き部3への巻回が完了した後、板状基体2への押圧変形を解除すると、一対の糸保持部4は閉じ、糸通過許容部8は消失する。従って、糸巻き部3に巻回された糸1の脱落が阻止される状態が得られる。
【0023】
よって、単に板状基体2の所定部位を押圧変形させたり、この押圧変形を解除するだけで糸保持部4に糸通過許容部8の形成及びこの糸通過許容部8の消失が極めて簡易に行われることになり、前述した従来例に比し、糸1の収納状態(糸巻き部に糸1が脱落しないで巻回された状態)が極めて簡易に得られることになる。
【0024】
また、本発明は、前述した糸1の収納状態を簡易に得るための構造(糸保持部4に糸通過許容部8を形成するための構造)が、単に板状基体2の所定部位を表裏面方向へ押圧変形させるだけのシンプルな動作により行われる極めて簡易構造であるから、糸1の収納作業の自動化を容易に実現することができ、ひいては糸1の収納作業における作業性の飛躍的な向上が望めることになる。
【実施例】
【0025】
本発明の具体的な一実施例について図面に基づいて説明する。
【0026】
本実施例は、糸1を収納するためのものであって、板状基体2の周縁部には糸1を巻回する糸巻き部3が設けられ、この糸巻き部3には外方へ突出し対向位置に配され該糸巻き部3に巻回された糸1の脱落を阻止する一対の糸保持部4が設けられたものである。尚、本実施例では、巻回する糸1として手術用の針9付の縫合糸1を採用している。
【0027】
以下、本実施例に係る構成各部について詳細な説明をする。
【0028】
板状基体2は、図1に図示したように適宜な可撓性を有する合成樹脂製の部材で形成した小判型の板状体であり、この板状基体2の周縁部には糸巻き部3が設けられている。
【0029】
糸巻き部3は、図1,2,3,5に図示したように板状基体2の周縁部に所定間隔を介して複数の立ち上がり部6aを設けて構成されており、この立ち上がり部6aの外面は板状基体2の厚み方向に所定の高さを有する糸巻き面6a’に設定されている。
【0030】
従って、この各立ち上がり部6aに縫合糸1を巻回することができ、この糸巻き部3に巻回された縫合糸1の脱落の阻止は後述する一対の糸保持部4によって行われる。尚、本実施例では、糸巻き部3は立ち上がり部6aが所定間隔を介して非連続的に設けられている為、縫合糸1が当接するする糸巻き面6a’も非連続的な状態となっているが、この糸巻き面6a’が存在しない部位も含めて糸巻き部3という意味である。
【0031】
糸保持部4は、糸巻き部3を間に配した板状基体2の周縁部に設けられる第一糸保持体6と第二糸保持体7とを、板状基体2の周縁部に交互に配することで糸巻き部3に巻回された縫合糸1を保持する部分である。
【0032】
具体的には、図1〜5に図示したように前述した各立ち上がり部6aの先端に水平部6bが形成された第一糸保持体6と、板状基体2の周縁部にして立ち上がり部6a同士の間に形成される第二糸保持体7とで構成されており、この第二糸保持体7は板状基体2の周縁部に設けられた水平部7aの先端に立ち上がり部7bが形成されたものである。従って、第二糸保持体7はともに断面L字状に形成されている。
【0033】
この立ち上がり部7bは、前記第一糸保持体6の水平部6bと近接若しくは当接する位置に配されている。従って、第一糸保持体6と第二糸保持体7とで側面視閉じた箱状となり、よって、縫合糸1は糸巻き部3に進入できず、また、糸巻き部3に巻回された縫合糸1は脱落が阻止される。
【0034】
また、糸保持部4は、板状基体2の所定部位を表裏面方向へ押圧変形させた際、開放して縫合糸1の通過を許容する糸通過許容部8が形成されるように構成されている。
【0035】
具合的には、立ち上がり部6aの両側にして板状基体2にはスリット12が、また、水平部7aの両側にして板状基体2にはスリット12が形成され、よって、第一糸保持体6及び第二糸保持体7は夫々板状基体2との連設部5a,5bを表裏面方向へ押圧することで屈曲変形し得るように構成されている。
【0036】
従って、第一糸保持体6及び第二糸保持体7と板状基体2との連設部5a,5bを表裏面方向へ押圧変形させた際、糸保持部4は開放して、第一糸保持体6と第二糸保持体7との間に縫合糸1の通過を許容する糸通過許容部8が形成されることになる(図14参照)。
【0037】
また、板状基体2にして立ち上がり部6aの反対側には、後述する押圧変形装置14の基板14Bに板状基体2を載置した際、該基板14Bに設けられる支持部14bの外縁に係止する係止部17が設けられている。
【0038】
従って、この係止部17を支持部14bに係止させることで板状基体2は位置決め状態で基板14B上に支持されることになり、しかも、押圧変形装置14で押圧変形する作業の際には支持部14bで確実に連設部5a(第一糸保持体6の板状基体2との連設部)を支持し得ることになる。
【0039】
また、板状基体2の前後位置には一対の貫通孔13が形成されている。
【0040】
この貫通孔13は、後述する板状基体2を押圧変形させる為の治具(押圧変形装置14)に設けられる凸部15を嵌挿して該押圧変形装置14に対して板状基体2を位置決めする為のものである。
【0041】
また、板状基体2の表面には針9を保持する針係止部10が設けられている。
【0042】
この針係止部10は、図1,6,7に図示したように板状基体2の表面に突設される凸部10aに針9を挟持するスリット10bを設けたものであり、スリット10bは該スリット10bの巾方向に板状基体2を押圧変形させることで挟持間隔が広がるように構成されている(図6参照)。
【0043】
押圧変形装置14は、図8に図示したように上下一対の基板14A,14Bで構成されており、下方の基板14Bの上面両端位置にはピン(凸部15)が立設されており、一方、上方の基板14Aの両端位置には、前記基板14Bのピン(凸部15)に被嵌し得る一対の孔16が設けられている。
【0044】
従って、この基板14Aの孔16を基板14Bの凸部15に被嵌させると基板14A,14B同士は重合状態となる。
【0045】
また、基板14Bに設けられる一対の凸部15は、前述した板状基体2に設けられる一対の孔13夫々が被嵌される間隔及び径に設定されており、この凸部15に孔13を被嵌させることで基板14Bの所定位置に板状基体2が位置決めされる。
【0046】
また、上方の基板14Aの下面には、突状の押圧部14aが環状にして非連続的に複数並設されており、この押圧部14aは、板状基体2を間に配して基体14A,14B同士を重合させた際、第二糸保持体7の板状基体2との連設部5b上面を押圧する位置に設けられている。
【0047】
また、下方の基板14Bの上面には、突状の支持部14bが環状にして非連続的に複数並設されており、この支持部14bは、板状基体2を間に配して基体14A,14B同士を重合させた際、第一糸保持体6の板状基体2との連設部5a下面を支持する位置に設けられている。
【0048】
前述した押圧部14aと支持部14bとは、基体14A,14B同士を重合させた際、互いに重合しない位置関係に配されている。
【0049】
以上の構成からなる押圧変形装置14は、基板14Bの凸部15に孔13を被嵌させて板状基体2を基板14Bに配設し、この状態で、基板14Bの凸部15に上方から基板14Aの孔16を被嵌させて基板14Bに基板14Aを重合させ、この基板14Bと基板14Aとで板状基体2を挟持する。この際、第一糸保持体6の板状基体2との連設部5aは基板14Bの支持部14bにより支持され、一方、第二糸保持体7の板状基体2との連設部5bは基板14Aの押圧部14aにより押込まれることで、第一糸保持体6は上方へ押し上げられて屈曲変形し且つ第二糸保持体7は下方へ押し下げられて屈曲変形することになり、糸通過許容部8が形成される。
【0050】
尚、第二糸保持体7若しくは第一糸保持体6のみ屈曲変形するようにしても良い。
【0051】
以上の構成からなる本実施例に対する縫合糸1の巻回作業について説明する。
【0052】
先ず、縫合糸1の先端部に付設された針9を針係止部10に保持せしめる。この針係止部10に対する針9の保持は、板状基体2を押圧変形させることでスリット10bの挟持間隔を広げ、この状態でスリット10bに針9を配して挟持保持せしめる(図6,7参照)。
【0053】
続いて、前述したように押圧変形装置14に係る基板14Bと基板14Aとで板状基体2を挟持する(図9〜図12参照)。
【0054】
この状態で上方の基板14Aを更に押し下げて押圧部14aにより第二糸保持体7と板状基体2との連設部5を押圧して屈曲変形させた際(この際、下方の基板14Bの支持部14bにより第一糸保持体7と板状基体2との連設部5とは支持されている。)、糸保持部4は開放して(立ち上がり部7bが糸巻き部3の外方対向位置から退避することで)縫合糸1の通過を許容する糸通過許容部8が形成され、この状態で糸通過許容部8に縫合糸1を通過させて糸巻き部3へ縫合糸1を巻回する(図13,図14参照)。この糸巻き部3への巻回が完了した後、第二糸保持体7と板状基体2との連設部5への押圧を解除することで、立ち上がり部7bを糸巻き部3の外方対向位置に配すると糸通過許容部8が消失することになり、糸巻き部3に巻回された縫合糸1の脱落が防止されることになる(図15参照)。尚、縫合糸1の基端部は板状基体2に係止したりせず該縫合糸1の張力により保持される。
【0055】
この本実施例に収納された針9付きの縫合糸1を使用する際には、針係止部10から針9を取り外し、この針9を引くことで糸巻回部3から縫合糸1を引き抜くことができる。
【0056】
本実施例は上述のように構成したから、単に板状基体2の所定部位を押圧変形させたり、この押圧変形を解除するだけで糸保持部4に糸通過許容部8の形成及びこの糸通過許容部8の消失が極めて簡易に行われることになる為、前述した従来例に比し、縫合糸の収納状態(糸巻き部3に縫合糸1が脱落しないで巻回された状態)が極めて簡易に得られることになる。
【0057】
また、本実施例は、前述した縫合糸1の収納状態を簡易に得るための構造(糸保持部4に糸通過許容部8を形成するための構造)が、単に板状基体2の所定部位を表裏面方向へ押圧変形させるだけのシンプルな動作により行われる極めて簡易構造であるから、縫合糸1の収納作業の自動化を容易に実現することができ、ひいては縫合糸1の収納作業における作業性の飛躍的な向上が望めることになる。
【0058】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本実施例を示す斜視図である。
【図2】本実施例を示す平面図である。
【図3】図2のA−A拡大断面図である。
【図4】図2のB−B拡大断面図である。
【図5】図1のC−C断面図である。
【図6】本実施例に係る要部の説明図である。
【図7】本実施例に係る要部の説明図である。
【図8】本実施例に係る要部の説明斜視図である。
【図9】本実施例の動作説明図である。
【図10】本実施例の動作説明図である。
【図11】本実施例の動作説明図である。
【図12】本実施例に係る要部の説明図である。
【図13】本実施例の動作説明図である。
【図14】本実施例に係る要部の動作説明図である。
【図15】本実施例に係る要部の説明図である。
【図16】本実施例の使用状態説明図である。
【符号の説明】
【0060】
1 糸・縫合糸
2 板状基体
3 糸巻き部
4 糸保持部
6 第一糸保持体
7 第二糸保持体
8 糸通過許容部
9 針
10 針係止部
10a 凸部
10b スリット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
糸を収納するためのものであって、板状基体の周縁部には前記糸を巻回する糸巻き部が設けられ、この糸巻き部には外方へ突出し対向位置に配され該糸巻き部に巻回された前記糸の脱落を阻止する一対の糸保持部が設けられ、この一対の糸保持部は、常態においては閉じており、前記板状基体の所定部位を表裏面方向へ押圧変形させた際には開き、前記糸の通過を許容する糸通過許容部が形成されるように構成されていることを特徴とする糸収納具。
【請求項2】
手術用の縫合糸を収納するためのものであって、板状基体の周縁部には前記縫合糸を巻回する糸巻き部が設けられ、この糸巻き部には外方へ突出し対向位置に配され該糸巻き部に巻回された前記縫合糸の脱落を阻止する一対の糸保持部が設けられ、この一対の糸保持部は、常態においては閉じており、前記板状基体の所定部位を表裏面方向へ押圧変形させた際に開き、前記縫合糸の通過を許容する糸通過許容部が形成されるように構成されていることを特徴とする縫合糸収納具。
【請求項3】
請求項2記載の縫合糸収納具において、前記一対の糸保持部は、前記板状基体の周縁部に設けられる第一糸保持体と該第一糸保持体に隣接して設けられる第二糸保持体とで構成されていることを特徴とする縫合糸収納具。
【請求項4】
請求項2,3いずれか1項に記載の縫合糸収納具において、前記第一糸保持体と前記第二糸保持体とのいずれか一方若しくは双方は断面L字状であり、常態においては側面視閉じた箱状となるものであることを特徴とする縫合糸収納具。
【請求項5】
請求項2〜4いずれか1項に記載の縫合糸収納具において、前記一対の糸保持部は前記板状基体の周縁部に複数設けられていることを特徴とする縫合糸収納具。
【請求項6】
請求項2〜5いずれか1項に記載の縫合糸収納具において、前記板状基体は合成樹脂製であり、また、前記一対の糸保持部は前記板状基体と一体に成形された合成樹脂製であり、前記糸通過許容部は前記一対の糸保持部の弾性変形により形成されるものであることを特徴とする縫合糸収納具。
【請求項7】
請求項2〜6いずれか1項に記載の縫合糸収納具において、前記縫合糸は手術用の針付の縫合糸であることを特徴とする縫合糸収納具。
【請求項8】
請求項2〜7いずれか1項に記載の縫合糸収納具において、前記板状基体には針を係止する針係止部が設けられていることを特徴とする縫合糸収納具。
【請求項9】
請求項8記載の縫合糸収納具において、前記針係止部は、前記板状基体の表面に突設される凸部に前記針を挟持するスリットを設けたものであり、前記スリットは前記板状基体の所定部位を表裏面方向へ押圧変形させることで挟持間隔が可変し得るように構成されていることを特徴とする縫合糸収納具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−261527(P2009−261527A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−113142(P2008−113142)
【出願日】平成20年4月23日(2008.4.23)
【出願人】(000105279)ケイセイ医科工業株式会社 (16)
【Fターム(参考)】