説明

紐体吊り支持具

【課題】 手で丸めて比較的に細い紐状となる手提げ取っ手、もしくは、比較的に細いループ状の紐又は紐状物である紐体が付いた、ゴミ袋やレジ袋,ポシェット,小物袋,バッグ等、を比較的狭い空間で吊り下げ支持する。ゴミ袋やレジ袋は開いて吊り下げ可能にする。予備の複数のゴミ袋やレジ袋をまとめて吊り下げ保持可能にする。
【解決手段】 基台10;該基台に対してその幅よりも狭い幅で上方zに起立して基台で支持される支持幹20;支持幹からその幅よりも狭い幅で分岐して突出する突起30,40;および、紐又は紐状物である紐体71,81を外側面から挿入するための、水平方向yに分布する複数の狭い、紐体通し通路51〜55がある、基台から水平方向xに突出するガイド部材50;を備える。ガイド部材50には、紐体通し通路が連続する紐体留め穴56〜60がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ループ状の紐または紐状体があるもの、例えば肩吊り紐,手提げ紐付きのポシェット,小物袋又は小さいバッグ,手提げつり手部が一体連続のコンビニの商品収納袋(いわゆるレジ袋,ポリ袋)又はゴミ袋などを、閉じたまま又は開口を上向きにして広げて支持する吊り支持具に関する。この吊り支持具は例えば、台所でポリ袋又はゴミ袋を開いて吊り支持する用途,予備として閉じたまま吊り支持する用途、あるいは室内で、小さい紐付きのポシェット又は小物入れ袋,バッグを吊り支持する用途又はゴミ箱代わりにゴミ袋,ポリ袋を吊り支持する用途、に使用できる。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開2001−48302号公報
【特許文献2】実用新案第3089718号公報
【特許文献3】特開2006−76694号公報。
【0003】
特許文献1には、一対の矩形パネルを対向配置してXアームで相対的に接近,離反するように結合し、各矩形パネルの上端部に、ゴミ袋のつり手を差し込む多数のスリットを刻んだ、ごみ袋の支持台、が記載されている。特許文献2には、キャスタ付き台車にハンドル幹を立て、それにコの字型の、ゴミ袋の開口縁を支持する枠体を装着して、該枠体につるしたクリップでゴミ袋の開口縁を掴む、手押し式各種ごみ袋台車、が記載されている。特許文献3には、矩形フレーム基台の一辺にπ型(鳥居型)の第1脚を立て、対向辺に同様な第2脚を対向して立ててしかも傾動可に矩形フレーム基台で支持し、第1脚の上端にゴミ袋の開口を4角形にして保持するための一対のフック付き棒の端部のリングを吊り下げ支持し、先端のフックを第2脚の上端に係合させることによって、第1,2脚の上端とともに4角形のゴミ袋支持型を構成して、ゴミ袋の開口縁を洗濯ばさみでフック付き棒に固定する、ゴミ袋の支持スタンド、が記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
いずれも大きいゴミ袋を支持するスタンドであり、場所をとる。アパートの狭い台所や部屋の机まわりでは、小さいゴミ袋やレジ袋(ポリ袋)を、場所をとらないところ、あるいはゴミ入れや物入れに便利な場所に吊り下げている。また、ポシェット,小物袋又は小さいバッグなども、その吊り紐を木ねじ,釘などに吊り下げている。いずれにしても複数をまとめて吊り下げることがあり、また、ゴミ袋やレジ袋は、物を入れやすいように開いて吊り下げておくこともある。
【0005】
本発明は、手で丸めて比較的に細い紐状となる手提げ取っ手、もしくは、比較的に細いループ状の紐又は紐状物である紐体が付いた、ゴミ袋やレジ袋,ポシェット,小物袋,バッグ等、を比較的狭い空間で吊り下げ支持することを、第1の目的とする。ゴミ袋やレジ袋は開いて吊り下げ可能にすることを第2の目的とする。予備の複数のゴミ袋やレジ袋をまとめて吊り下げ保持可能にすることを第3の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)基台(10);
該基台に対してその幅よりも狭い幅で上方zに起立して該基台で支持される支持幹(20);
該支持幹からその幅よりも狭い幅で分岐して突出する突起(30,40);および、
紐又は紐状物である紐体(71,81)を外側面から挿入するための、水平方向yに分布する複数の狭い、紐体通し通路(51-55)がある、前記基台から水平方向xに突出するガイド部材(50);
を備える、紐体吊り支持具。
【0007】
なお、理解を容易にするために括弧内には、図面に示し後述する実施例の対応要素又は相当要素の符号を、例示として参考までに付記した。以下も同様である。
【発明の効果】
【0008】
例えば、レジ袋(70)の1対のループ状の取っ手部(71)を一体に丸めて圧縮して紐状として、紐状ループに突起(30,40)を通して、あるいは更に支持幹(20)を通し、紐状部を紐体通し通路(51-55)の1つに差し込むことにより、1以上のレジ袋(70,80)をコンパクトに吊り下げることができる(図5)。レジ袋(80)の1対の取っ手部(81)の一方のみを丸めて圧縮して紐状として、紐状ループに突起(30)を通して、あるいは更に支持幹(20)を通してから、紐状部(81)を広げるようにして水平方向yで異なった位置の紐体通し通路(51-55)に差し込むことにより、レジ袋(80)を開口(83)を開いて上向きにして吊り下げることができる(図6)。比較的に細いループ状の紐又は紐状物である紐体が付いたポシェット,小物袋,バッグ等は、該紐体のループに突起(30,40)を通して、あるいは更に支持幹(20)を通し、紐体を紐体通し通路(51-55)の1つ又は2つに差し込むことにより、吊り下げることができる。
【0009】
(2)前記ガイド部材(50)には、前記紐体通し通路(51-55)のガイド部材内部側終端が連続する、該紐体通し通路の幅よりも大径の第1種の紐体留め穴(56-60)がある;上記(1)に記載の紐体吊り支持具。これによれば、紐体を該紐体留め穴(56-60)にまで差し込むと、紐体の水平方向xの吊り下げ位置が定まる。
【0010】
(3)前記複数の紐体通し通路(51-55)は、水平方向xにも分布する;上記(1)に記載の紐体吊り支持具。複数の非吊り下げ物を吊り下げ支持する場合、それらを水平方向x方向に分散することができる。
【0011】
(4)水平方向yにおいて前記基台(10)の前記幅の中央の位置においてガイド部材(50)の外側面から前記基台(10)に向かう紐体通し通路(53)の、ガイド部材内部側終端が連続する紐体留め穴(61)は、前記第1種の留め穴(53)より大径の第2種の留め穴(61)である;上記(2)又は(3)に記載の紐体吊り支持具。これによれば、多数のレジ袋を予備として吊り下げる場合、それらの紐体部を圧縮して第2種の留め穴(61)に押し込むことにより、コンパクトに保存することができる。
【0012】
(5)前記中央位置の紐体通し通路(53)の、ガイド部材(50)の外側面から第2種の留め穴(61)までの通路に第1種の紐体留め穴(58)がある;上記(4)に記載の紐体吊り支持具。これによれば、該第1種の紐体留め穴(58)を用いて、予備のレジ袋(70)の前に、使用中のレジ袋(80)を、口をあけて配置できる。
【0013】
(6)前記第2種の留め穴(61)と第1種の紐体留め穴(58)の間の通路に、それらの穴径の中間の径の第3種の紐体留め穴(62)がある(図6);上記(5)に記載の紐体吊り支持具。これによっても、予備のレジ袋(70)の前に使用中のレジ袋(80)を、口をあけて配置できる。
【0014】
(7)前記支持幹(20)から突出する突起は、水平方向yに互いに分離しそれぞれ上方zに延びる複数(30,40)である;上記(1)乃至(6)のいずれか1つに記載の紐体吊り支持具。各突起(30,40)で紐体を吊り支持できるので、複数のレジ袋を口を開けて並べて吊り支持できる。
【0015】
(8)小型ドアの上端又は取っ手もしくは引き出しの取っ手に引っ掛ける掛け具(11)を、前記基台(10)に装備した;上記(1)乃至(7)のいずれか1つに記載の紐体吊り支持具。例えば、台所の水洗台のドア又は引き出しの取っ手,トイレ又は風呂場の手洗い台のドア又は引き出しの取っ手、あるいは机の引き出しの取っ手に、基台(10)を容易に装着できる。
【0016】
(9)垂直壁面に前記基台を固定するねじ又はボルトを通す通し穴を、前記基台に開けた;上記(1)乃至(8)のいずれか1つに記載の紐体吊り支持具。垂直壁面、例えば壁,柱,又は机の側板に、基台(10)を容易に装着できる。
【0017】
(10)前記紐体は、販売店が売り渡し商品を入れて消費者に渡す合成樹脂製袋の吊り手部分を含む;上記(1)乃至(9)のいずれか1つに記載の紐体吊り支持具。合成樹脂製袋すなわちレジ袋(70,80)を容易に吊り下げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の他の目的および特徴は、図面を参照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【実施例1】
【0019】
図1に本発明の1実施例の正面を、図2に平面を、また、図3には左側面を示し、図4には左側面側を斜めに見下ろした斜視図を示す。図1を参照すると、基台10からウサギ顔形状の支持幹20が上方向zに起立しており、支持幹20から、ウサギ耳形状の突起30,40が突出している。突起は、上方向zに限らず、水平方向yに突出していてもよい。
【0020】
図2および図4を参照すると、基台10から、金団雲(きんとんうん)形状のガイド部材50が水平方向xに突出している。ガイド部材50の概略の外縁形状は弧状であり、弧状外側面から内方に向けて、5個の紐体通し通路51〜55が開けられ、そのうちの4個51,52,54,55の内部側終端は、第1種の紐体留め穴56,57,59,60に連なっている。中央の紐体通し通路53には、第1種の紐体留め穴58,それよりやや大径の第3種の紐体留め穴62およびそれよりやや大径の第2種の紐体留め穴61がこの順に連なっている。第1種の紐体留め穴56〜60は、ガイド部材50の弧状外側縁に沿って分布している。すなわち、水平方向x,yに分布している。第1種〜第3種の紐体留め穴58,61,62は、ガイド部材50の水平方向xの幅中央にある。
【0021】
基台10の、裏面すなわちガイド部材50が連なった面の裏側の面に、留め金具11が固着されている。この留め金具11のx,z断面は、水洗台(シンク)にあるドアの上端を受け入れるように、下向きに開いた「コ」状であり、その内側面には、ドアに対する留め金具11のガタつきを防ぐ、弾力性,伸縮性および可撓性がある緩衝部材12,13(図2,図3)が貼り付けてある。留め金具11の水平壁には、ドアの上端面にねじ込む木ねじを通す長穴14,15(図2)が開いている。
【0022】
図5には、予備レジ袋70を吊り下げ支持した外観を示す。予備レジ袋70の1対のループ状の手提げ部を手で捩りかつ圧縮して1つの紐ループとし、全体を細く絞ってから、紐ループに突起30,40を通しそして支持幹20を通して、支持幹20の根元の首部21,22(図1,図4)まで降ろし、そしてループ71を紐体通し通路53に差し込んで第2種の61まで押し込むと、図5に示すように、レジ袋70が吊り下げ支持される。このようにして、20枚前後のレジ袋を、予備として吊り下げておくことができる。
【0023】
図6には、1つのレジ袋80を口を開けて吊り下げた外観を示す。レジ袋80の1対のループ状の手提げ部の一方81を、そのループに突起30,40の1つ30を通し、突起30の根元31,32(図1)まで降ろし、そしてループ81を紐体通し通路56と53に差し込んで、紐体留め穴56および62(61又は58でもよい)まで押し込むと、図6に示すように、レジ袋80が吊り下げ支持される。袋の口は上向きに開き、他方のループ状の手提げ部82は自由に動かすことができる。なお、紐体通し通路53に差し込んだ手提げ部を、紐体通し通路53ではなく54又は55(図2)に変更すると、レジ袋80の上開口がy方向に広がる。
【0024】
なお、例えば1つのレジ袋の1対のループ状の手提げ部の一方を、紐体通し通路51と55に掛け渡してガイド部材50だけで吊り下げ支持することによっても、袋の口は上向きに開き、他方のループ状の手提げ部は自由に動かすことができる。
【0025】
一枚(第1)のレジ袋80を口を開けて吊り下げていても、第2のレジ袋の1対の手提げ部の一方を、もう1つの突起40に引っ掛けて、例えば紐体通し通路55と53(又は52)に差し込んで、レジ袋80と同様に、それと並べて、口を開けて吊り支持できる。また第3のレジ袋の1対の手提げ部の一方を、突起30,40の一方に引っ掛けて、例えば紐体通し通路52と54に差し込んで、第1,第2レジ袋の前側に、それらと並べて、口を開けて吊り支持できる。
【0026】
なお、ゴミあるいはその他のものを入れたレジ袋を口を閉じた状態にするには、自由になっている手提げ部82を、そのループに突起30又は40もしくは支持幹20を通してから、それに引っ掛ける。これによりレジ袋の上端の開口が略閉じた状態になる。レジ袋の開口の閉じをより確実にするには、突起30又は40に掛けている手提げ部を穴56,62から、紐体通し通路51,53を通ってガイド部材50の側方に引き出し、もう一方の手提げ部も同一の突起に引っ掛けてから、レジ袋下部を捩り廻しして両手提げ部を、同時に紐よりするように捩ってから、両手提げ部を同一の穴(56〜60,61,62の1つ)に差し込む。
【0027】
なお、紐体通し通路51〜55に差し込んで第1種の紐体留め穴56〜60まで押し込むことができるループ状の紐体を装備したポシェット,小物入れ袋,バッグ等も、ループ状の紐体を支持幹20もしくは突起30又は40に引っ掛け、そして紐体通し通路に差し込んで紐体留め穴に押し込むことにより、吊り支持することができる。あるいは、ループ状の紐体を紐体通し通路51〜55の2つに差し込んで穴56〜60の2つに押し込むことによって、ガイド部材50のみで吊り下げ支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施例の正面図である。
【図2】図1に示す実施例の平面図である。
【図3】図1に示す実施例の左側面図である。
【図4】図1に示す実施例の斜視図である。
【図5】図1に示す実施例の、予備のレジ袋を吊り支持した状態を示す斜視図である。
【図6】図1に示す実施例の、予備のレジ袋に加えて1つのレジ袋を口を開けて吊り支持した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0029】
10:基台
11:留め金具
12,13:緩衝部材
14,15:長穴
20:支持幹
21,22:首部
30,40:突起
31,32,41,42:根元
50:ガイド部材
51〜55:紐体通し通路
56〜60:第1種の紐体留め穴
61:第2種の紐体留め穴
62:第3種の紐体留め穴
70:第1のレジ袋
71:ループ状の手提げ部
80:第2のレジ袋
81,82:ループ状の手提げ部
83:開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台;
該基台に対してその幅よりも狭い幅で上方zに起立して該基台で支持される支持幹;
該支持幹からその幅よりも狭い幅で分岐して突出する突起;および、
ループ状の紐又は紐状物である紐体を外側面から挿入するための、水平方向yに分布する複数の狭い、紐体通し通路がある、前記基台から水平方向xに突出するガイド部材;
を備える、紐体吊り支持具。
【請求項2】
前記ガイド部材には、前記紐体通し通路のガイド部材内部側終端が連続する、該紐体通し通路の幅よりも大径の第1種の紐体留め穴がある;請求項1に記載の紐体吊り支持具。
【請求項3】
前記複数の紐体通し通路は、水平方向xにも分布する;請求項1に記載の紐体吊り支持具。
【請求項4】
水平方向yにおいて前記基台の前記幅の中央の位置においてガイド部材の外側面から前記基台に向かう紐体通し通路の、ガイド部材内部側終端が連続する紐体留め穴は、前記第1種の留め穴より大径の第2種の留め穴である;請求項2又は3に記載の紐体吊り支持具。
【請求項5】
前記中央位置の紐体通し通路の、ガイド部材の外側面から第2種の留め穴までの通路に第1種の紐体留め穴がある;請求項4に記載の紐体吊り支持具。
【請求項6】
前記第2種の留め穴と第1種の紐体留め穴の間の通路に、それらの穴径の中間の径の第3種の紐体留め穴がある;請求項5に記載の紐体吊り支持具。
【請求項7】
前記支持幹から突出する突起は、水平方向yに互いに分離しそれぞれ上方zに延びる複数である;請求項1乃至6のいずれか1つに記載の紐体吊り支持具。
【請求項8】
小型ドアの上端又は取っ手もしくは引き出しの取っ手に引っ掛ける掛け具を、前記基台に装備した;請求項1乃至7のいずれか1つに記載の紐体吊り支持具。
【請求項9】
垂直壁面に前記基台を固定するねじ又はボルトを通す通し穴を、前記基台に開けた;請求項1乃至8のいずれか1つに記載の紐体吊り支持具。
【請求項10】
前記紐体は、販売店が売り渡し商品を入れて消費者に渡す合成樹脂製袋の吊り手部分を含む;請求項1乃至9のいずれか1つに記載の紐体吊り支持具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−69195(P2010−69195A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−242228(P2008−242228)
【出願日】平成20年9月22日(2008.9.22)
【出願人】(508022883)
【Fターム(参考)】