説明

紙葉類分離給送装置

【目的】 紙葉類を繰り出す際の繰り出しローラと分離ローラとの噛み合い量の調整を調整を行うための内蔵していた複数個の駆動手段を着脱式とすることで、小型で低コストの紙葉類分離給送装置を提供することを目的とする。
【構成】 上下動可能なステージ3上に堆積された複数枚の紙葉類4の最上位から該紙葉類4を繰り出す複数個の繰り出しローラ8と、この繰り出しローラ8とその下部で噛合して前記繰り出されてきた紙葉類4を押し戻して1枚づつ分離する複数個の分離ローラ12との噛み合い量を、該分離ローラ12を軸支している保持体28a,28bの一端部を上下動させることで回転させて調整する調整ネジ50a,50bを駆動するための駆動手段としてのアクチュエータ部57を、装置外部より着脱自在な構成としたものである。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動入出金機あるいは光学読み取り機等に組み込まれており、収納部等に収納されている紙幣,原稿あるいは用紙等の紙葉類(以下紙葉と記す)を複数種のローラの協動により1枚づつ分離して繰り出し、給送を行う紙葉類分離給送装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図6は従来のこの種の紙葉類分離給送装置を示す一部破断斜視図、図7はその側面図である。図において1は収納部で、前端部にガイド板部2を有しており、また底部は上下動可能なステージ3となっている。
【0003】4はこのステージ3上に堆積した形で収納部1に収納された紙葉である。5はピックアップローラで、外周の一部に前記紙葉4の繰り出し及び給送を行うのに充分な摩擦力を有する高摩擦部材6を設けており、該紙葉4の最上位に圧接するようシャフト7に所定の間隔で例えば2個固定されている。尚、前記収納部1のステージ3はスプリングやソレノイド等からなる図示しない駆動機構によって上下動するようになっており、このステージ3の上昇により最上位の紙葉4をピックアップローラ5に圧接できるようになっている。
【0004】8a,8bは繰り出しローラで、前記ピックアップローラ5と同様に外周一部に高摩擦部材9を有しており、また円周方向全域にわたるリング状の溝10が2本並設されている。そして、この繰り出しローラ8a,8bは前記シャフト7と平行に設けられたシャフト11に、所定の間隔で2個固定されており、前記ガイド板部2の上方に配置されるように収納部1の先端側に配置されている。
【0005】12a,12bは分離ローラで、円周方向全域にわたるリング状の溝13を1本有しており、この分離ローラ12a,12bは前記ガイド板部2の下側に位置するシャフト29に回転自在に支持された保持部材28a,28bに設けたシャフト15に、前記繰り出しローラ8a,8bと同間隔となるような配置で取り付けられており、その外周面の一部が前記ガイド板部2に設けられた図示せぬ透孔から上方に突出し、繰り出しローラ8a,8bと互いの溝10,13により所定量噛み合っている。
【0006】17は前記シャフト11の一端に取り付けられたプーリ、18はモータ、19は該モータ18の回転軸に取り付けられた駆動プーリ、20は前記プーリ17及び駆動プーリ19に巻き掛けられたベルトである。21は前記シャフト11の他端に取り付けられたプーリ、22はこのプーリ21と対応するようにシャフト7に取り付けられたプーリ、23は前記両プーリ21と22に巻き掛けられたベルトであり、前記モータ18を所定の方向に回転させると、その回転力が駆動プーリ19及びベルト20を介してプーリ17に伝達され、これによりシャフト11と一体に繰り出しローラ8a,8bとプーリ21が矢印a方向に回転する。そしてプーリ21からベルト23を介してプーリ22に回転力が伝達され、これによりシャフト7と一体にピックアップローラ5が前記繰り出しローラ8a,8bに連動して回転するようになっている。この時、両プーリ21,22はそれぞれ同回転数で回転する構造となっており、これによりピックアップローラ5と繰り出しローラ8a,8bは、矢印aで示したように同方向、つまり紙葉4を収納部1から給送する方向に回転する。
【0007】一方、前記分離ローラ12a,12bとシャフト15との間には図示しないワンウェイクラッチが設けられていて、図示しないモータ等により前記分離ローラ12a,12bは矢印bで示したように紙葉4を収納部1側に押し戻す方向にのみ回転可能とし、かつこの分離ローラ12a,12bの紙葉4に対する摩擦力はピックアップローラ5及び繰り出しローラ8a,8bにおける高摩擦部材6,9の紙葉4に対する摩擦力よりも小さく設定されている。
【0008】24は前記シャフト7を支持するための一対のブラケットで、上辺部の所定の位置に各々上方に突出させた突片24aを有しており、かつこれら両ブラケット24の一端は、前記繰り出しローラ8a,8bの両外側に位置するように軸受け25を介して前記シャフト11に回動可能に取り付けられ、他端に自動調心軸受け26を介してシャフト7を回転自在に支持しており、これによりシャフト7はシャフト11に対して上下方向に移動して所定量傾斜することが可能となっている。
【0009】27aは前記シャフト11を回転自在に支持しているフレーム27から内側に向けて突出するように形成されたポストで、このポスト27に前記ブラケット24の突片24aが突き当たることにより、下方へのブラケット24の回動角度を規制するようになっている。尚、図では収納部1の一側に設けられたフレーム27しか示していないが、このフレーム27と対を成すように収納部1の他側にもフレームが設けられていて、前記ポスト27aと同様のポストが形成されている。
【0010】34は前記保持部材28a,28bの下側に設けられた支持板で、この支持板34には各々の保持部材28a,28bの一端を上方に付勢する付勢手段としての板バネ33が固定されており、この板バネ33の付勢力によって前記両分離ローラ12a,12bをその外周一部が前記ガイド板部2に設けられた透孔から上面側に突出して繰り出しローラ8a,8bと互いの溝10,13により噛み合うようにしている。
【0011】30a,30bはパルスモータ、31はこのパルスモータ30a,30bに軸支された歯車、32aと32bはこの歯車31と歯車部で噛合している調整ネジであり、この調整ネジ32a,32bは先端が前記保持体28a,28bの他端下面に当接するように支持板34に螺着されており、前記パルスモータ30a,30bにそれぞれ取り付けられた歯車31から回転力を受けると、その力を上下運動に変換するようになっている。従って、上記保持体28a,28bは、パルスモータ30a,30bの回転によって歯車31を介して調整ネジ32a,32bを上下動することで前記シャフト29を中心として回動され、この回動によって前記繰り出しローラ8a,8bと分離ローラ12a,12bとの噛み合い量を変化させるようになっている。
【0012】続いて、図8の制御系を示すブロック図により上述した紙葉類分離給送装置の制御系を説明する。図において、35は収納部1から繰り出された紙葉4を次工程の処理系に搬送する搬送路に配置された走行監視用センサで、紙葉走行方向に垂直な方向に、しかも紙葉通過面上に或る間隔を離して左右2個のペアで配置された発光素子と受光素子により構成されている。
【0013】36はこの走行監視用センサ35と同様に搬送路に配置された重送検知部であり、搬送されてきた紙葉4が1枚分の厚さなら“1”,2枚以上なら“2”,そして紙葉4がないときは“0”を出力するものである。37は前記走行監視センサ35及び重送検知部36からの情報等を記憶する記憶回路、38は制御回路で、この制御回路38は前記走行監視センサ35と前記重送検知部36からの信号を処理及び前記記憶回路37とのデータの授受を行うと共に、前記パルスモータ30a,30bを駆動制御する制御手段として働くものとなっている。
【0014】39は操作キーボード、40はこの操作キーボード39からの入力データを制御回路38に送るキーボード制御部であり、この操作キーボード39から装置管理者がデータ入力を行うことで、任意に繰り出しローラ8a,8bと分離ローラ12a,12bの噛み合い量の調整を指示できるものとなっている。上述した構成の作用は以下の通りである。
【0015】まず、図示しない制御回路により同じく図示しない駆動機構が収納部1のステージ3を上昇させると、このステージ3上の最上位の紙葉4がピックアップローラ5に圧接する。このとき紙葉4に折れグセ等がついていたり、あるいは前記ステージ3が傾いていたりすると、最上位の紙葉4はピックアップローラ5の周面に対して傾くことになる。
【0016】しかしながら、シャフト7はその両端が自動調心軸受け26を介してブラケットにより支持されているため、ピックアップローラ5に前記の傾斜した最上位の紙葉4が当接すると、第7図に示すようにこのピックアップローラ5が紙葉4の傾斜に追従して傾くと同時に、ブラケット24がシャフト11を中心として上方に回動するためシャフト7も紙葉4の最上位の面と平行となるように傾き、これによりピックアップローラ5は常に紙葉4の最上位面に対して垂直に接触するようになる。このため、該ピックアップローラ5の紙葉4に対する垂直抗力は均一に働くことになる。
【0017】尚、紙葉4に折れグセ等がなく、またステージ3も傾いておらずに最上位の紙葉4が水平であれば、この紙葉4がピックアップローラ5の周面に圧接したとき、該ピックアップローラ5の紙葉4に対する垂直抗力は均一に働く。この状態で前記制御回路からの指示によりモータ18が回転すると、その回転力が前述したように駆動プーリ19及びベルト20を介してプーリ17に伝達され、これによりシャフト11と一体に繰り出しローラ8a,8bとプーリ21が矢印a方向に回転し、更にこのプーリ21の回転力がベルト23を介してプーリ22に伝達されるため、これにより繰り出しローラ8a,8bと連動してシャフト11と一体にピックアップローラ5も矢印a方向に回転する。
【0018】また、このとき分離ローラ12a,12bも図示しないモータ等により矢印b方向に回転する。そこで、前記最上位の紙葉4はピックアップローラ5が回転すると、その外周部に設けられている高摩擦部材6との摩擦力により前方へと繰り出されて行き、紙葉4の先端が繰り出しローラ8a,8bと分離ローラ12a,12bとの間に挟み込まれ、更に繰り出しローラ8a,8bの回転によりその外周部に設けられている高摩擦部材9との摩擦力により矢印c方向の送り力を受ける。
【0019】このとき、同時に紙葉4には矢印b方向に回転している分離ローラ12a,12bにより収納部1側へ押し戻す力が加えられるが、この分離ローラ12a,12bの紙葉4に対する摩擦力は、前記高摩擦部材9の紙葉4に対する摩擦力よりも小さいので、紙葉4は繰り出しローラ8a,8bの回転に伴いガイド板部2に沿って矢印c方向に繰り出されて行き、この繰り出された紙葉4は図示しないローラやベルト等から成る搬送路により次工程の処理系へと搬送されて行く。
【0020】尚、前記ピックアップローラ5の回転により繰り出される紙葉4は最上位のものに限られる訳ではなく、種々の要因により紙葉4同士が密着し、最上位の紙葉4と共に、その下の紙葉4が重なり合った状態や連鎖した状態で繰り出しローラ8a,8b側へ送られて行くことがある。この場合、分離ローラ12a,12bが繰り出しローラ8a,8bと噛み合っていること、及び分離ローラ12a,12bが常に矢印b方向つまり収納部1側へ紙葉4を押し戻す方向に回転していることから、最上位以外の紙葉4は分離ローラ12a,12bにより止められ、最上位つまり繰り出しローラ8a,8bと直接接触する紙葉4のみを矢印c方向に繰り出すことができるようになっている。
【0021】次に、分離性能を左右する繰り出しローラ8a,8bと分離ローラ12a,12bの噛み合い量の調整について、図9のフローチャトを加えて説明する。なお、以下の説明に当たっては、その都合上、シャフト11に取り付けられた2個の繰り出しローラ8のうち、紙葉4の繰り出し方向(矢印c方向)における左側の繰り出しローラを8a,右側の繰り出しローラを8bとし、これに噛み合う分離ローラを同様に12a,12bとしている。また、図中のSは処理ステップを示し、以下この処理ステップに従って説明する。
【0022】まず、操作キーボード39により紙葉4の繰り出し枚数Nを指定すると共に、自動調整のキーの押下もしくは命令の実行を指示する(S1)。この指示によって制御回路38が制御を開始し、モータ18を回転させる。この回転によって繰り出しローラ8a,8b及びピックアップローラ6が回転され、図示しないモータにより分離ローラ12a,12bが駆動され、収納部1のステージ3上に堆積された紙葉4が最上位より順に繰り出される(S2)。
【0023】繰り出された紙葉4は次工程の処理系に向かって搬送される途中、走行監視センサ35の2対の発光,受光素子間を通過し、その通過のタイミングから走行角度が検出されると共に、各紙葉4の走行間隔が検出されることで、スキューの有無の検出,正常か連鎖かの検出,及び繰り出し不良か否かの検出が行われる。そして、この走行監視センサ35を通過した紙葉4は、次に重送検知部36を通過し、その通過時に重送しているか否かが検出される。
【0024】この走行監視センサ35と重送検知部36の出力は検出データとして各紙葉4毎に制御回路38によって読み取られ、記憶回路37に記憶される(S3)。制御回路38は前記収納部1から紙葉4が繰り出される毎に図示しない繰り出し枚数カウンタをカウントアップして、そのカウント値が予め定められたN枚(1枚以上)に達したかどうかを判断し(S4)、N枚に達しない場合は引き続き繰り出し動作を継続させる。
【0025】N枚に達したら、繰り出し動作を停止させ、記憶回路37に記憶されたデータの平均等の処理を行う(S5)。次に、この処理されたデータに基づいて紙葉4の走行状況1の判定を行うが、このときの判定内容は、重送,連鎖,繰り出し不良による異常かまたは正常かの2つのどちらかに分けられ、スキューのデータはここでは取り扱わないようになっている(S6)。
【0026】ここで正常と判定した場合、後述するS11へ移行するが、重送,連鎖,繰り出し不良による異常と判定した場合は、今回の処理データと前回の処理データとを比較し(S7)、繰り出しローラ8a,8bと分離ローラ12a,12bとの噛み合い量を調整するためのパルスモータ30a.30bの回転量を算出する(S8)。
【0027】この場合の算出方法としては、各パルスモータ30a.30bの回転量と走行監視センサ35及び重送検知部36の処理データとの関係から求めることができる。すなわち、具体的には前回の処理データからどの程度パルスモータ30a,30bを回転すると、どの程度走行状況が変化するという関係を導き出し、今回パルスモータ30a,30bをどの程度回転すればよいかを算出する。
【0028】尚、図9には示していないが、前回のデータが無い最初の調整には、予め収集した一般のデータからテーブルを作成し、このテーブルに基づく回転量を前記パルスモータ30a,30bに与えるようにすればよい。パルスモータ30a,30bの回転量が算出されると、次に制御回路38は走行状況2を判定する(S9)。このときの判定内容は重送または連鎖か繰り出し不良かの判定である。
【0029】この走行状況2の判定において、重送または連鎖と判定された場合、この重送や連鎖は一般に前記噛み合い量が少ないと発生しやすいといった関係があるので、制御回路38は噛み合い量を多くする方向に上述の方法で算出された分だけパルスモータ30a,30bを回転させる(S10)。このパルスモータ30a,30bの回転力はそれぞれ歯車31を介して調整ネジ32a,32bに伝達され、これにより調整ネジ32a,32bの支持板34からの突出量が減少するため、保持部材28a,28bは板バネ33の付勢力によりシャフト29を中心にして分離ローラ12a,12bを押し上げる方向に回動し、これにより繰り出しローラ8a,8bと分離ローラ12a,12bの噛み合い量が増加する。
【0030】前記S6またはS10の処理が終了すると、続いて制御回路38は走行状況3を判定する(S11)。このときの判定内容は、紙葉4がスキューしていない正常な走行か、紙葉4がスキューしていてそのスキューが左先行であるか右先行であるかの判定である。ここで、正常と判定された場合には、後述するS26へ移行するが、左先行または右先行のスキューと判定された場合には、走行監視センサ35の今回の処理データを前回の処理データと比較し(S12,S15)、前記と同様の方法でパルスモータ30aまたは30bの回転量を算出する(S13,S16)。
【0031】一般に左側の繰り出しローラ8aと分離ローラ12aの噛み合い量が右側の繰り出しローラ8bと分離ローラ12bの噛み合い量に対して少ない場合、左先行のスキューが発生するという関係があるので、左先行のスキューの場合は、前記左側の繰り出しローラ8aと分離ローラ12aの噛み合い量を多くする方向にパルスモータ30aだけを前述の方法で算出した分だけ回転させ(S14)、逆に右先行のスキューの場合は、前記右側の繰り出しローラ8bと分離ローラ12bの噛み合い量を多くする方向にパルスモータ30bだけを同様に回転させる(S17)。
【0032】一方、前記S9において繰り出し不良と判定された場合、この繰り出し不良は一般に前記繰り出しローラ8a,8bと分離ローラ12a,12bの噛み合い量が多いと発生しやすいといった関係があるので、少なくする方向に前記の方法で算出された分だけパルスモータ30a,30bを回転させる(S18)。このときのパルスモータ30a,30bの回転力は前記と同様にそれぞれ歯車31を介して調整ネジ32a,32bに伝達され、これにより調整ネジ32a,32bの支持板34からの突出量が増加して保持部材28a,28bの他端をその下側から押圧するため、保持部材28a,28bは板バネ33の付勢力に抗してシャフト29を中心に分離ローラ12a,12bを押し下げる方向に回動し、これにより繰り出しローラ8a,8bと分離ローラ12a,12bの噛み合い量が減少する。
【0033】前記S18の処理が終了すると、制御回路38は走行状況4を判定する(S19)。このときの判定内容は、前記S9と同様の紙葉4がスキューしていない正常な走行か、紙葉4がスキューしていてそのスキューが左先行であるか右先行であるかの判定である。ここで、正常と判定された場合には、次のステップとしてS26へ移行するが、左先行または右先行のスキューと判定された場合には、走行監視センサ35の今回の処理データを前回の処理データと比較し(S20,S23)、前記と同様の方法でパルスモータ30aまたは30bの回転量を算出する(S21,S24)。
【0034】そして左先行のスキューの場合は、右側の繰り出しローラ8bと分離ローラ12bの噛み合い量を少なくする方向にパルスモータ30bだけを前記の方法で算出した分だけ回転させ(S22)、逆に右先行のスキューの場合は、左側の繰り出しローラ8aと分離ローラ12aの噛み合い量を少なくする方向にパルスモータ30aだけを同様に回転させる(S25)。
【0035】このようにして紙葉4の各走行状況を判定し、その結果、走行状況がすべて正常であった場合すなわち調整を行う必要がなかった場合はその直後に、またスキュー,重送,連鎖,繰り出し不良があった場合は、前記の如く繰り出しローラ8a,8bと分離ローラ12a,12bの一方または双方の噛み合い量を調整した後、制御回路38が記憶回路37に記憶されている前回のパルスモータ30a,30bの回転量と、走行監視センサ35及び重送検知部36の検出データを今回の回転量と検出データに更新し(S26)、更に図示しない繰り出し枚数カウンタの値を“0”にクリアして(S27)、再び収納部1からの紙葉4の繰り出し動作に戻る。
【0036】尚、以上の動作は高速度で行われるため、N枚以降の紙葉4の繰り出しにおいても、その動作を中断することなく継続して行うことができる。尚、上記の説明においては、調整ネジ32a,32bの駆動源としてパルスモータ30a,30bを使用しているが、圧電素子等を用いても同様の調整は可能である。
【0037】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述した従来の技術においては、以下に示すようないくつかの問題がある。通常、上述したような噛み合い量の調整は、(1) 工場にて装置を組み立てた時の初期調整、(2) 運用場所に設置されて稼働を開始した後、ローラ部の磨耗によって噛み合い量が低下した時の再調整、の2種類に分けられる。
【0038】ところが、近年においては、上記(2) 項のローラ部の磨耗による再調整については、分離ローラや繰り出しローラの耐磨耗性の向上や、ゴム硬度の高い材料を使用した分離部の構成により、生涯運用期間のうち、数回程度しか運用場所での再調整は行われなくなってきている。従って、数回しか実施されない自動調整のために、紙葉類分離給送装置に調整用の駆動手段となるアクチュエータを具備しなければならず、その結果、装置の大型化並びに高コスト化を招くことになってしまうという問題があった。
【0039】本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、装置組み立て時、並びにローラ部の磨耗による噛み合い量調整を行うための調整ネジを個々に駆動する駆動手段を複数を具備しなければならなことで招いていた装置大型化並びに高コスト化を防ぎ、この駆動手段を備えなくとも調整ネジの駆動を可能として、小型で低コストの紙葉類分離給送装置を提供することを目的とする。
【0040】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成するため本発明は、上下動可能なステージ上に堆積された複数枚の紙葉類の最上位に圧接させた複数個のピックアップローラと、前記紙葉類の繰り出し方向前端側に位置するようにして同軸に支持された複数個の繰り出しローラと、この繰り出しローラと下部で噛み合わせて前記ピックアップローラによって繰り出されてきた紙葉類をステージ方向に押し戻す方向に回転する複数個の分離ローラと、前記複数の分離ローラを独立して保持した回動可能な保持部材と、前記各保持部材を個々に回動させて繰り出しローラに対する分離ローラの噛み合い量を変化させるべく各保持部材毎に設けた複数個の調整ネジと、前記調整ネジを個々に駆動する駆動手段と、前記ステージ上から繰り出される紙葉類のスキュー,連鎖,繰り出し不良,および重送を検出する検出手段と、この検出手段によって得た検出データに基づいて前記調整ネジの調整量を算出すると共にこの算出された調整量に従って前記駆動手段を制御することで調整ネジを駆動して保持部材を回動させ、前記繰り出しローラと分離ローラの噛み合い量を調整する制御手段とを備えた紙葉類分離給送装置において、前記調整ネジを駆動する駆動手段を、装置外部より着脱自在な構成とすると共に、前記制御回路によって算出された調整ネジの調整量を記憶しておく記憶手段を備え、前記ステージ上から繰り出された紙葉類の搬送状況が、前記検出手段の検出結果によって調整ネジの調整が必要であると判断された場合には、前記駆動手段を装置に装着することにより、前記記憶手段に記憶しておいた調整量に応じて前記駆動手段により前記調整ネジを個々に駆動して繰り出しローラと分離ローラとの噛み合い量を調整するようにしたものである。
【0041】
【作用】上述した構成によれば、ステージ上から紙葉類の繰り出しを開始すると、この搬送状況を検出し、この検出データに基づいて、制御回路が調整ネジの調整量を算出し、これを記憶手段に記憶しておく。この後、駆動手段が、該駆動手段に設けた位置合わせ手段、および接続手段等により装置フレームの所定位置に装着されると、前記記憶手段に記憶されていた調整量が前記制御回路によって取り出され、この取り出した調整量に従って、制御回路は駆動手段の駆動源を駆動制御する。
【0042】こうして、駆動制御を受けた駆動源が、規定量の回転を開始すると、該駆動手段に設けた駆動源歯車を介して装置本体側に設けた入力歯車に回転力が伝達され、そしてこの入力歯車を支持している軸を介してウォームギヤが回転され、このウォームギヤと噛合している調整ネジに回転力が伝達されることになり、これにより保持部材を回動して。繰り出しローラと分離ローラとの噛み合い量を調整する。
【0043】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を用いて説明する。図1は本発明の紙葉類分離給送装置の一実施例を示す斜視図、図2は図1の要部側面図、図3は図2における分離ローラ付近の平面図、図4は噛み合い量調整用制御手段の斜視図、図5は制御系を示すブロック図である。
【0044】なお、本実施例においては、噛み合い量の調整を行うため機構部の構成のみが、前述した従来例と異なるものであって、その他の部位並びに構成は従来例とほぼ同様であるので同一の符号を付し、ここではその構成および動作の説明については省略する。図1〜図5において、50a,50bは紙葉4を収納部より繰り出す繰り出しローラ8a,8bと、この繰り出しローラ8a,8bの下部で所定量だけ噛み合うようにして配設した分離ローラ12a,12bとの、該噛み合い量を調整するための調整ネジであり、この調整ネジ50a,50bは図2に示すように、ネジ部と歯車部とより構成されていて、そのネジ部の先端が前記分離ローラ12a,12bを一端に支持している保持体28a,28bの他端下面に点接触するようにして支持板34に螺着されており、前記歯車部を回転させることで調整ネジ全体を上下運動するようになっている。なお、この調整ネジ50a,50bの動作、すなわち、歯車部の回転により調整ネジ全体を上下運動させ、ネジ部の先端で保持体28a,28bの他端を上昇あるいは下降させて分離ローラ12a,12bと繰り出しローラ8a,8bとの噛み合い量を調整するという動作は、従来例で述べた調整ネジの場合とほぼ同様の動きとなっている。
【0045】51a,51bは回転防止バネであり、支持板34に支持され前記保持体28a,28bの一端下部に圧接させている板バネ33の付勢力によって前記調整ネジ50a,50bの回転を阻止するべく、該調整ネジ50a,50bの歯車部の歯溝に嵌まり込むよう保持体28a,28bの下面部に固定されている。52a,52bは前記調整ネジ50a,50bの歯車部と噛合するウォームギヤ、53a,53bはこのウォームギヤ52a,52bを軸支するシャフトで、その一端を装置フレーム54a,54bの両外側に突出させて回転可能に支持されている。
【0046】55a,55bは前記シャフト53a,53bの他端部を回転可能に軸支しているブラケットであり、前記保持板34に固定されている。また56a,56bは前記装置フレーム54a,54bより両外側に突出させているシャフト53a,53bの端部に取り付けた入力歯車であり、図3に示すように、紙葉類分離給送装置の表面に露出させた構成となっている。
【0047】57は前記入力歯車56a,56bを回転駆動して前記繰り出しローラ8a,8bと分離ローラ12a,12bとの噛み合い量を調整すべく調整ネジ50a,50bを駆動させる駆動手段としてのアクチュエータ部であり、このアクチュエータ部57は駆動源となるパルスモータ58と、このパルスモータ58に取り付けられ前記入力歯車56a,56bと噛合して回転駆動させる駆動源歯車としてのモータ歯車59と、前記パルスモータ58を覆うように形成した略箱型のジョイントブラケット60と、このジョイントブラケット60を装置フレーム54a,54bの所定位置に取り付ける際のガイドとなる複数個の位置合わせ手段としてのジョイントポスト61と、前記パルスモータ58を駆動制御する駆動源制御部としてのモータ制御部62、そしてこのモータ制御部62の接続手段であるコネクタ凸63とから成っており、前記装置本体に対して着脱可能な構成としている。
【0048】また、装置側には、前記アクチュエータ部57の駆動力をモータ歯車59を介して入力歯車56a,56bに伝達するために該アクチュエータ部57を装置フレーム54a,54bに接続する際に前記ジョイントポスト61と嵌合して位置合わせ受け手段となる複数個のジョイント孔64が該装置フレーム54a,54bに形成されていると共に、前記アクチュエータ部57側に設けられたコネクタ凸63とジョンイトして装置本体側の制御回路38と電気的接続を可能とする接続受け手段としてのコネクタ凹65が装置内部に備えられている。
【0049】なお、図3及び図4では前記アクチュエータ部57は装置フレーム54a,54bの一方にのみ配した状態で示しているが、このアクチュエータ部57は着脱自在な構造とすることによって、一方の入力歯車56aに取り付けて調整を行った後、同様にして他方の入力歯車56bに取り付けて調整を行うというようにして使用するものである。
【0050】上述した構成におけるアクチュエータ部57の装着動作について以下に説明する。まず、一対の調整ネジ50a,50bのうち、まず調整を行おうとする一方の例えば調整ネジ50aに対応する装置フレーム54a側に、アクチュエータ部57のジョイントブラケット60より突出させたジョイントポスト61を、装置フレーム54aに形成されたジョイント孔64に嵌合すると共に、コネクタ凸63をコネクタ凹65に嵌合させる。これにより、アクチュエータ部57に備えたパルスモータ58に取り付けたモータ歯車59を、装置フレーム54aより外部に露出している入力歯車56aとを噛合させ、これによりアクチュエータ部57が装置に装着される。
【0051】この状態で前記パルスモータ58を回転させると、モータ歯車59を介して入力歯車56aに回転力が伝達され、さらにこの入力歯車56aの回転と一体にシャフト53a及びウォームギヤ52aが回転し、この回転に伴ってウォームギヤ52aを介して調整ネジ50aに回転力が伝達され、この回転量がネジ部によって上下運動に変換され、繰り出しローラ8a,8bと分離ローラ12a,12bとの噛み合い量を変化させることができるようになる。
【0052】次に、噛み合い量の調整動作について説明する。まず、自動調整のキーの押下、もしくは命令の実行を操作キーボード39により指示すると、分離給送装置は所定の繰り出し枚数Nだけ紙葉4を繰り出して搬送を行う。そして、この分離給送を行われたN枚分の走行データ、すなわち重送・スキュー・接近等の各データを得る。
【0053】こうして得た走行データに基づき前記アクチュエータ部57に設けたパルスモータ58の回転量を算出し、この算出した結果を記憶回路37に記憶させておく。この後、上記アクチュエータ部57の装着動作に基づいて、アクチュエータ部57を装置の左右いずれか一方の装置フレーム54aあるいは54bに装着する。
【0054】これにより、紙葉類分離給送装置に設けられた制御回路38が、アクチュエータ部57を装着された紙葉類分離給送装置に対するパルスモータ58の回転量を前記記憶回路37より取り出す。そして、この記憶回路37より取り出した回転量に従ってパルスモータ58を規定量駆動し、モータ歯車59および入力歯車56a等を介して調整ネジ50aを上下動させ、繰り出しローラ8a,8bと分離ローラ12a,12bとの噛み合い量を調整する。なお、紙葉4の重送やスキュー等とパルスモータ58の回転量との関係は制御回路38あるいは記憶回路37等にテーブルが設けられており、このテーブルから回転量を導き出せるようになっている。そして、この回転量および回転方向等の算出方法については従来例で述べているので、ここでは省略する。
【0055】規定量のパルスモータ58の駆動が終了すると、アクチュエータ部57を装置フレーム54aより取り外す。そして、他方、つまり装置フレーム54bの調整が必要な場合には、この装置フレーム54b側に再度アクチュエータ部57をジョイントポスト61およびコネクタ凸63等を介して装着し、前記装置フレーム54a側と同様に噛み合い量の調整を行う。これにより一対で配置されている繰り出しローラ8a,8bと分離ローラ12a,12bの左右両者の噛み合い量の調整が終了する。なお、これら各調整動作は、むろん左右いずれか一方のみの調整を行う場合もあり、調整が必要であると判断された箇所のみを調整するもので、その都度図示しない表示部の表示に従って操作キーボード39を操作して実施するものである。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、上下動可能なステージ上に堆積された複数枚の紙葉類の最上位に圧接させた複数個のピックアップローラと、前記紙葉類の繰り出し方向前端側に位置するようにして同軸に支持された複数個の繰り出しローラと、この繰り出しローラと下部で噛み合わせて前記ピックアップローラによって繰り出されてきた紙葉類をステージ方向に押し戻す方向に回転する複数個の分離ローラと、前記複数の分離ローラを独立して保持した回動可能な保持部材と、前記各保持部材を個々に回動させて繰り出しローラに対する分離ローラの噛み合い量を変化させるべく各保持部材毎に設けた複数個の調整ネジと、前記調整ネジを個々に駆動する駆動手段と、前記ステージ上から繰り出される紙葉類のスキュー,連鎖,繰り出し不良,および重送を検出する検出手段と、この検出手段によって得た検出データに基づいて前記調整ネジの調整量を算出すると共にこの算出された調整量に従って前記駆動手段を制御することで調整ネジを駆動して保持部材を回動させ、前記繰り出しローラと分離ローラの噛み合い量を調整する制御手段とを備えた紙葉類分離給送装置において、前記調整ネジを駆動する駆動手段を、装置外部より着脱自在な構成とすると共に、前記制御回路によって算出された調整ネジの調整量を記憶しておく記憶手段を備え、前記ステージ上から繰り出された紙葉類の搬送状況が、前記検出手段の検出結果によって調整ネジの調整が必要であると判断された場合には、前記駆動手段を装置に装着することにより、前記記憶手段に記憶しておいた調整量に応じて前記駆動手段により前記調整ネジを個々に駆動して繰り出しローラと分離ローラとの噛み合い量を調整するようにした。
【0057】このため、複数の調整ネジを個々に駆動するための複数個の駆動手段を装置内に備える必要が無くなったので、前記複数の駆動手段を設けるスペースを削減することができるので、装置の小型軽量化を実現することができる。また、この駆動手段を装置外部より着脱自在としていることで、従来は複数備える必要があったが本願によればひとつだけ有ればよく、このひとつの駆動手段を複数の必要箇所に順に装着することで調整は可能であるので、部品点数を削減することができ低価格化が可能となる。
【0058】さらに、駆動手段が装置内に組み込まれていないので、駆動手段に故障等が生じた場合に修理作業が容易であると共に、装置の分離給送動作を停止する必要が無いので稼働率の低下を防止できるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の紙葉類分離給送装置の一実施例を示す斜視図である。
【図2】図1の要部側面図である。
【図3】図2における分離ローラ付近の平面図である。
【図4】噛み合い量調整用の駆動手段の斜視図である。
【図5】本実施例の制御系を示すブロック図である。
【図6】従来の紙葉類分離給送装置の一部破断斜視図である。
【図7】図6の側面図である。
【図8】従来の紙葉類分離給送装置の制御系を示すブロック図である。
【図9】噛み合い量の調整手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 収納部
4 紙葉
8 繰り出しローラ
12 分離ローラ
28 保持部材
38 制御回路
37 記憶回路
50a 調整ネジ
52a ウォームギヤ
53a シャフト
54a 装置フレーム
56a 入力歯車
57 アクチュエータ部
58 パルスモータ
59 モータ歯車
61 ジョイントポスト
62 モータ制御部
63 コネクタ凸
65 コネクタ凹

【特許請求の範囲】
【請求項1】 上下動可能なステージ上に堆積された複数枚の紙葉類の最上位に圧接させた複数個のピックアップローラと、前記紙葉類の繰り出し方向前端側に位置するようにして同軸に支持された複数個の繰り出しローラと、この繰り出しローラと下部で噛み合わせて、前記ピックアップローラによって繰り出されてきた紙葉類をステージ方向に押し戻す方向に回転する複数個の分離ローラと、前記複数の分離ローラを独立して保持した回動可能な保持部材と、前記各保持部材を個々に回動させて繰り出しローラに対する分離ローラの噛み合い量を変化させるべく各保持部材毎に設けた複数個の調整ネジと、前記調整ネジを個々に駆動する駆動手段と、前記ステージ上から繰り出される紙葉類のスキュー,連鎖,繰り出し不良,および重送を検出する検出手段と、この検出手段によって得た検出データに基づいて前記調整ネジの調整量を算出すると共にこの算出された調整量に従って前記駆動手段を制御することで調整ネジを駆動して保持部材を回動させ、前記繰り出しローラと分離ローラの噛み合い量を調整する制御手段とを備えた紙葉類分離給送装置において、前記調整ネジを駆動する駆動手段を、装置外部より着脱自在な構成とすると共に、前記制御回路によって算出された調整ネジの調整量を記憶しておく記憶手段を備え、前記ステージ上から繰り出された紙葉類の搬送状況が、前記検出手段の検出結果によって調整ネジの調整が必要であると判断された場合には、前記駆動手段を装置に装着することにより、前記記憶手段に記憶しておいた調整量に応じて前記駆動手段により前記調整ネジを個々に駆動して繰り出しローラと分離ローラとの噛み合い量を調整するようにしたことを特徴とする紙葉類分離給送装置。
【請求項2】 略箱型のジョイントブラケット内に駆動源と、この駆動源を駆動制御する駆動源制御部と、この駆動源制御部を装置本体側に設けた制御回路と接続する接続手段とを備え、かつ前記駆動源によって回転駆動される駆動源歯車と、ジョイントブラケットを装置本体の所定位置に装着する際の位置合わせ用の複数個の位置合わせ手段とを、該ジョイントブラケットより外部に突出させることで、噛み合い量を調整する調整ネジを装置外部より駆動するための駆動手段を構成し、前記装置本体の装置フレームに設けた位置合わせ受け手段に前記駆動手段の位置合わせ手段と嵌合すると共に、接続手段をやはり装置フレームに設けた嵌合受け接続受け手段に嵌合接続することで、前記駆動手段のジョイントブラケットより突出させた駆動源歯車を装置フレームより外部に露出させた入力歯車に噛合させ、この入力歯車を介して該入力歯車と同軸に設けたウォームギヤによって前記調整ネジに回転力を伝達させるようにしたことで、前記駆動手段を装置外部より調整ネジの調整可能な着脱自在な構成としたことを特徴とする請求項1記載の紙葉類分離給送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図7】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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