説明

紫外線照射装置、紫外線照射装置を備えた光学装置の製造装置及びプロジェクタ

【課題】小型化が可能であり、取り扱い性にも優れ、低コストで実用的な紫外線照射装置、紫外線照射装置を備えた光学装置の製造装置及びプロジェクタを提供すること。
【解決手段】本発明の紫外線照射装置5は、紫外領域の光束を照射する紫外線発光素子51と、紫外線発光素子51の光束射出側に設けられ、光束を集光する集光素子52と、紫外線発光素子51及び前記集光素子52をその内部に収納固定可能な金属製の固定部材53を備え、紫外線発光素子51と固定部材53が熱伝達可能に接続されている。この紫外線照射装置5を備えた光学装置の製造装置は、接着固定対象となる光学部品に対して紫外線を確実に照射することができ、位置決め調整された光学部品と光学部品用筐体とを強固に接着固定することができるとともに、作業性、取り扱い性に優れた低コストな製造装置となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線照射装置、紫外線照射装置を備えた光学装置の製造装置及びプロジェクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、会議、学会、展示会等でのプレゼンテーションや、家庭での映画鑑賞などにプロジェクタが用いられている。このようなプロジェクタは、光源から射出された光束の光路上に配置される複数の光学部品と、内部に光束の照明光軸が設定され、これら複数の光学部品を収納して所定の位置に配置する光学部品用筐体とを有する光学装置を備えている。
【0003】
ここで、プロジェクタを構成する光学装置にあっては、鮮明な画像を得るために、光学部品であるレンズ間の相対的位置や、光学部品である偏光板の向きのずれ等をできる限りなくす必要があり、そして、このような光学部品は、所定の位置決め治具等で正確に位置決め調整された後、光学部品用筐体に固定される。このような光学装置を製造する場合にあって、位置決め調整された光学部品と光学部品用筐体との固定には接着剤が用いられ、例えば、紫外線硬化型の接着剤を用いて、両者を接着固定するようにしていた(例えば、特許文献1)。この紫外線硬化型接着剤は、接着対象部にあらかじめ接着剤を塗布し、位置決め調整した後に紫外線の照射により硬化させることができるため、光学部品間のスペースが狭い場合であっても光学部品と光学部品用筐体を接着固定することができ、また、このような紫外線照射型接着剤は、光学部品がガラスで形成されていても問題なく接着させることができるといった利点がある。
【0004】
【特許文献1】特開2004−334159号公報([0090])
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、紫外線硬化型接着剤を硬化させるために使用される紫外線照射装置は、
一般に高価であり、また、紫外線光源装置から紫外線光束を導光するファイバ(ファイバライトガイド)等の導光手段も、光軸調整治具に設置する際などの取り扱い性が悪く、実用的ではなかった。更には、光源として水銀灯を用いる場合もあったが、高価であるとともに、装置が大型化してしまい、また、取り扱い性が悪いという問題は残されていた。
【0006】
本発明の目的は、前記の課題に鑑みてなされたものであり、小型化が可能であり、取り扱い性にも優れ、低コストで実用的な紫外線照射装置、紫外線照射装置を備えた光学装置の製造装置及びプロジェクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の紫外線照射装置は、紫外領域の光束を照射する紫外線発光素子と、前記紫外線発光素子の光束射出側に設けられ、前記光束を集光する集光素子と、前記紫外線発光素子及び前記集光素子をその内部に収納固定可能な金属製の固定部材を備え、前記紫外線発光素子と前記固定部材が熱伝達可能に接続されていることを特徴とする。
【0008】
前記したように、従来の紫外線照射装置は、一般的に高価であり、また、紫外線照射光源に対してファイバ等の導光手段を取り付ける必要がある一方、このような導光手段は取り扱い性が悪かった。
一方、本発明の紫外線照射装置は、紫外領域の光束を照射する紫外線発光素子と、紫外線発光素子の光束射出側に設けられ、光束を集光する集光素子と、紫外線発光素子及び前記集光素子をその内部に収納固定可能な金属製の固定部からなるので、構成がシンプルなため装置の小型化が容易に行われ、かつ、別途導光手段を用いず、装置自体で直接対象部に紫外線を照射できるため、取り扱い性も良好となる。また、構成部材も少ないため、低コストな紫外線照射装置となる。
そして、金属製の固定部材が、紫外線発光素子と熱伝達可能に接続されているので、紫外線発光素子から発される熱を効率よく外部に放熱することができ、これにより、紫外線の発光、照射を安定して行うことができる。
【0009】
なお、紫外線発光素子としては、例えば、紫外線発光ダイオード(紫外線LED)等を用いることにより、装置の小型化を好適に実施することができ、また、紫外線の照射を安定して実施することができる。
また、集光素子としては、例えば、集光レンズ(紫外線集光レンズ)等が挙げられる。
【0010】
本発明の紫外線照射装置は、前記集光素子が石英レンズを備えることが好ましい。
この本発明によれば、紫外線照射装置を構成する集光素子が石英レンズを備えるので、透過特性も良好となり、紫外線発光素子から照射された光束が効率よく収束され、照射対象に伝達されていく。
【0011】
本発明の紫外線照射装置は、前記金属製の固定部材に耐食処理が施されていることが好ましい。
この本発明によれば、紫外線照射装置を構成する金属性の固定部材に耐食処理が施されているので、照射される紫外光の飛散を防止することができ、照射対象を確実に照射することができる。
【0012】
本発明の光学装置の製造装置は、光源から射出された光束の光路上に配置される複数の光学部品と、内部に前記光束の照明光軸が設定され、前記光学部品を前記照明光軸上の所定の位置に収納配置する光学部品用筐体を備えた光学装置を製造する光学装置の製造装置であって、前記した本発明の記載の紫外線照射装置を備え、当該紫外線照射装置が、前記光学部品用筐体に対する前記光学部品の固定部位に紫外線照射可能な所定の位置に配設されていることを特徴とする。
【0013】
本発明の光学装置の製造装置は、前記した本発明の紫外線照射装置を備えており、この紫外線照射装置が、光学装置を構成する光学部品用筐体に対する前記光学部品の固定部位に紫外線照射可能な所定の位置に配設されている構成を採用するので、接着固定対象となる光学部品に対して紫外線を確実に照射することができ、位置決め調整された光学部品と光学部品用筐体とを強固に接着固定することができる。
また、光学装置を製造するにあたり、これまでのようにファイバ等の導光部材を必要とせず、作業性、取り扱い性に優れた製造装置となるとともに、前記したように、構成がシンプルで低コストな本発明の紫外線照射装置を使用するため、製造装置も低コストなものとなる。
【0014】
本発明の光学装置の製造装置は、前記紫外線照射装置を支持し、当該紫外線照射装置を一の光学部品に紫外線照射可能な所定の位置から、他の光学部品に紫外線照射可能な所定の位置に移動可能とする移動機構を備えていることが好ましい。
この本発明のように、光学装置の製造装置を構成する紫外線照射装置を支持し、当該紫外線照射装置を一の光学部品に紫外線照射可能な所定の位置から、他の光学部品に紫外線照射可能な所定の位置に移動可能とする移動機構を備えているようにすれば、一つの紫外線照射装置で複数の光学部品に対して紫外線を照射することができる。これにより、紫外線照射装置の点数削減が可能となるため、製造装置のレイアウトの多様化や、更なるコスト削減を好適に図ることができる。
【0015】
本発明のプロジェクタは、前記した本発明の光学装置の製造装置を用いて得られた光学装置と、前記光学装置により形成された画像光を拡大投射する投射光学装置を備えたことを特徴とする。
かかる本発明のプロジェクタによれば、前記した光学装置の製造装置を用いて得られた光学装置を備えているので、前記した製造装置で得られる光学装置と略同様の作用・効果を享受することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
(I)プロジェクタ1の構成:
図1は、プロジェクタ1の概略構成を模式的に示す図である。
プロジェクタ1は、光源から射出される光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成し、形成した光学像をスクリーン上に拡大投射するものである。このプロジェクタ1は、外装ケース2と、光学装置4と、投射光学装置としての投射レンズ3とを備える。
なお、図1において、図示は省略するが、外装ケース2内において、光学装置4、および投射レンズ3以外の空間には、制御基板電源ブロック、ランプ駆動回路等が配置されるものとする。
【0018】
外装ケース2は、合成樹脂等から構成され、光学装置4、および投射レンズ3を内部に収納配置する全体略直方体状に形成されている。この外装ケース2は、図示は省略するが、プロジェクタ1の天面、前面、背面、および側面をそれぞれ構成するアッパーケースと、プロジェクタ1の底面、前面、側面、および背面をそれぞれ構成するロアーケースとで構成され、前記アッパーケースおよび前記ロアーケースは互いにねじ等で固定されている。
【0019】
なお、外装ケース2は、合成樹脂製に限らず、その他の材料にて形成してもよく、例えば、金属等により構成してもよい。
また、図示は省略するが、この外装ケース2には、図示しない冷却ユニットによりプロジェクタ1外部から冷却空気を内部に導入するための吸気口およびプロジェクタ1内部で温められた空気を排出するための排気口が形成されている。
【0020】
光学装置4は、光源から射出された光束を、光学的に処理して画像情報に対応して光学像(カラー画像)を形成するユニットである。この光学装置4は、図1に示すように、外装ケース2の背面に沿って延出するとともに、外装ケース2の側面に沿って延出する平面視略L字形状を有している。なお、この光学装置4の詳細な構成については、後述する。
投射レンズ3は、複数のレンズが組み合わされた組レンズとして構成される。そして、この投射レンズ3は、光学装置4にて形成された光学像(カラー画像)を図示しないスクリーン上に拡大投射する。
【0021】
(II)光学装置4の構成:
光学装置4は、図1に示すように、インテグレータ照明光学系41、色分離光学系42、リレー光学系43、光学装置本体44、および、これら光学部品41〜44を収納配置する光学部品用筐体47とを備える。
インテグレータ照明光学系41は、光学装置本体44を構成する後述する液晶パネルの画像形成領域を略均一に照明するための光学系である。このインテグレータ照明光学系41は、図1に示すように、光源装置411と、第1レンズアレイ412と、第2レンズアレイ413と、偏光変換素子414と、重畳レンズ415とを備える。
【0022】
光源装置411は、放射状の光線を射出する光源ランプ416と、この光源ランプ416から射出された放射光を反射するリフレクタ417とを備える。光源ランプ416としては、ハロゲンランプやメタルハライドランプ、高圧水銀ランプが多用される。また、リフレクタ417としては、図1では、放物面鏡を採用しているが、これに限らず、楕円面鏡で構成し、光束射出側に該楕円面鏡により反射された光束を平行光とする平行化凹レンズを採用した構成としてもよい。
【0023】
第1レンズアレイ412は、光軸方向から見て略矩形状の輪郭を有する小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。各小レンズは、光源装置411から射出される光束を、複数の部分光束に分割している。
第2レンズアレイ413は、第1レンズアレイ412と略同様な構成を有しており、小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。この第2レンズアレイ413は、重畳レンズ415とともに、第1レンズアレイ412の各小レンズの像を光学装置本体44の後述する液晶パネル上に結像させる機能を有している。
【0024】
偏光変換素子414は、第2レンズアレイ413と重畳レンズ415との間に配置され、第2レンズアレイ413からの光を略1種類の偏光光に変換するものである。
具体的に、偏光変換素子414によって略1種類の偏光光に変換された各部分光は、重畳レンズ415によって最終的に光学装置本体44の後述する液晶パネル上にほぼ重畳される。偏光光を変調するタイプの液晶パネルを用いたプロジェクタでは、1種類の偏光光しか利用できないため、ランダムな偏光光を発する光源装置411からの光の略半分を利用できない。このため、偏光変換素子414を用いることで、光源装置411からの射出光を略1種類の偏光光に変換し、光学装置本体44での光の利用効率を高めている。
【0025】
色分離光学系42は、図1に示すように、2枚のダイクロイックミラー421,422と、反射ミラー423とを備え、ダイクロイックミラー421,422によりインテグレータ照明光学系41から射出された複数の部分光束を、赤、緑、青の3色の色光に分離する機能を有している。
リレー光学系43は、図1に示すように、入射側レンズ431、リレーレンズ433、および反射ミラー432,434を備え、色分離光学系42で分離された赤色光を光学装置本体44の後述する赤色光用の液晶パネルまで導く機能を有している。
【0026】
この際、色分離光学系42のダイクロイックミラー421では、インテグレータ照明光学系41から射出された光束の青色光成分が反射するとともに、赤色光成分と緑色光成分とが透過する。ダイクロイックミラー421によって反射した青色光は、反射ミラー423で反射し、フィールドレンズ418を通って光学装置本体44の後述する青色光用の液晶パネルに達する。このフィールドレンズ418は、第2レンズアレイ413から射出された各部分光側をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。他の緑色光用、赤色光用の液晶パネルの光入射側に設けられたフィールドレンズ418も同様である。
【0027】
ダイクロイックミラー421を透過した赤色光と緑色光のうちで、緑色光はダイクロイックミラー422によって反射し、フィールドレンズ418を通って光学装置本体44の後述する緑色光用の液晶パネルに達する。一方、赤色光はダイクロイックミラー422を透過してリレー光学系43を通り、さらにフィールドレンズ418を通って光学装置本体44の後述する赤色光用の液晶パネルに達する。なお、赤色光にリレー光学系43が用いられているのは、赤色光の光路の長さが他の色光の光路の長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ431に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ418に伝えるためである。本実施形態においては赤色光の光路長が長いのでこのような構成とされているが青色光の光路長を長くする構成も考えられる。
【0028】
光学装置本体44は、図1に示すように、光変調素子としての3枚の液晶パネル441(赤色光用の液晶パネルを441R、緑色光用の液晶パネルを441G、青色光用の液晶パネルを441Bとする)と、この液晶パネル441の光束入射側および光束射出側に配置される入射側偏光板442および射出側偏光板443と、色合成光学装置としてのクロスダイクロイックプリズム444とが一体的に形成されたものである。
【0029】
液晶パネル441は、ガラスなどからなる一対の基板に電気光学物質である液晶が密閉封入された構成を有し、例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として、与えられた画像信号に従って、入射側偏光板442から射出された偏光光束の偏光方向を変調する。この液晶パネル441R,441G,441Bの変調を行う画像形成領域は、矩形状であり、その対角寸法は、例えば0.7インチ程度である。
また、この液晶パネルの光束射出側には、視野角補償板443X(WVフィルム)が配設されている。
【0030】
入射側偏光板442は、偏光変換素子414で偏光方向が略一方向に揃えられた各色光が入射され、入射された光束のうち、偏光変換素子414で揃えられた光束の偏光軸と略同一方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。この入射側偏光板442は、サファイアガラスまたは水晶等の透光性基板上に偏光膜(ともに図示省略)が貼付された構成を有している。
【0031】
射出側偏光板443は、液晶パネル441から射出された光束のうち、入射側偏光板442における光束の透過軸と直交する偏光軸を有する光束のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。
なお、前記した液晶パネル441、入射側偏光板442、視野角補償板443X、射出側偏光板443により、後記する電気光学装置9(図26、図27参照)を構成する。
【0032】
クロスダイクロイックプリズム444は、射出側偏光板443から射出された色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成する光学素子である。このクロスダイクロイックプリズム444は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、2つの誘電体多層膜が形成されている。これら誘電体多層膜は、液晶パネル441R,441Bから射出され射出側偏光板443を介した色光を反射し、液晶パネル441Gから射出され射出側偏光板443を介した色光を透過する。このようにして、各液晶パネル441R,441G,441Bにて変調された各色光が合成されてカラー画像が形成される。
【0033】
(III)紫外線照射装置5の構成:
本実施形態の紫外線照射装置の構成を、図2、図3及び図4を用いて説明する。図2は、本実施形態の紫外線照射装置5の斜視図、図3は、図2において、紫外線発光素子51(紫外線LED51)、集光素子52、及び固定部材53をそれぞれ分断して示した分解斜視図、また、図4は、紫外線発光素子51及び集光素子52の断面図である。
この紫外線照射装置5は、図2ないし図4に示すように、構成がシンプルなので装置の小型化を容易に行うことができ、構成部材も少ないため、低コストなものとなる。また、この装置自体で直接接着対象部に紫外線を照射できるため、別途導光手段を用いることもなく取り扱い性も良い。
【0034】
紫外線発光素子51である紫外線LED51は、LED本体511を、アルミ等の金属基板や、ガラス−エポキシ等の樹脂基板512を搭載してなり、そのサイズを、例えば、6〜7mm×6〜7mm、高さを2〜2.5mm程度の小型のものを採用することができる。
紫外線LED51は、その波長領域として、400nm以下、特に360〜380nmの範囲内のものを使用することが好ましく、波長領域が400nm以下であれば、照度も適度となり、紫外線照射装置として効率よく紫外線接着剤を硬化させることができる。
【0035】
紫外線LED51の光束射出側に設けられ、前記した紫外線LED51から照射された光束を集光するための集光素子52は、その断面を図4に示すように、円筒形状の集光素子枠521内部に3つの集光レンズ5221〜5223を備え、光束入射側に配設された集光レンズ5221を把持するレンズ把持部材523と、2つの集光レンズ5222,5223の間隔を調整して位置決めする調整部材5241,5242が配設されている。そして、紫外線LED51から照射された光束は、この3つの集光レンズ5221〜5223を介して、開口部525より外部に照射される。
ここで、集光レンズ5221〜5223は、例えば、石英ガラス(SiO)、蛍石(CaF)からなるようにすればよく、特に石英ガラスからなる石英レンズとすることが好ましい。集光レンズ5221〜5223を石英レンズとすれば、透過特性も良好となり、紫外線LED51から照射された光束が効率よく収束され、照射対象に伝達されていくこととなる。
【0036】
金属製の固定部材53は、収納固定部531に集光素子52の外周に形成されたフランジ部526を収納し、また、紫外線LED51を、前記収納固定部531の下部に配設された支持台532に載置し、当該支持台532の天面と集光素子52の底面(紫外線LED51に対向する面)とで挟み込むことにより、紫外線LED51及び集光素子52をその内部に収納固定する。
【0037】
本実施形態にあっては、固定部材53を構成する支持部532の天面に紫外線LED51が載置されることにより、紫外線LED51と固定部材53が熱伝達可能に接続されることになる。紫外線LED51は発光時に発熱を伴う一方、このようにして両者51,53が熱伝達可能に接続されていることにより、紫外線LED51から発される熱を効率よく外部に放熱することができ、紫外線の発光、照射を安定して行うことができる。
また、紫外線LED51と固定部材53の接続を、熱伝導グリスなどを介して行うことにより、放熱効果が更に高まることになる。
【0038】
なお、固定部材53を構成する金属材料としては、例えば、アルミニウム等の放熱性能に優れた金属材料が挙げられる。
また、金属製の固定部材53には、アルマイト処理、黒クロメート処理等の耐食処理が施されていることが好ましく、このような耐食処理を施すことにより、照射される紫外光の飛散を防止することができ、照射対象を確実に照射することができる。
【0039】
(IV)光学装置の製造装置6の構成:
図5及び図6を用いて、前記した図2等に示した紫外線照射装置5を備えた本実施形態の光学装置の製造装置6の構成を説明する。
図5は、本実施形態の光学装置の製造装置6を上方から見た斜視図、図6は、当該製造装置6を下方から見た斜視図をそれぞれ示す。
本実施形態の光学装置の製造装置6(以下、単に「製造装置6」と呼ぶ場合もある)は、紫外線照射装置5(5A〜5F)と、紫外線照射装置5を設置する設置台61と、設置台61と載置対象(後記する第2載置台220。図7参照)とを連接し、製造装置6を当該載置対象に対して支持固定する脚部62を備える。
なお、本実施形態では、設置台61は平板形状のものを示しているが、光学装置と接触しないよう、平面視U字状に切り欠きがなされている。
【0040】
図5及び図6に示すように、本実施形態の製造装置6にあって、紫外線照射装置5は設置台61の下面(光学部品用筐体47に対向する面)に固定配設される。図5及び図6では、設置台に対して6つの紫外線照射装置5A〜5Fが配設されている態様を示しており、このうちの紫外線照射装置5A〜5Dは光学装置の重畳レンズ415、また、紫外線照射装置5E,5Fは、光学装置4のリレーレンズ433の、光学部品用筐体47に対する固定部位に紫外線照射可能な所定の位置に配設されている。
また、紫外線照射装置5A〜5Fは、設置台61に対して接着剤により接着固定されているが、紫外線照射装置5A〜5Fの設置台61に対する固定手段は任意であり、ネジ止めによる固定のほか、設置台61と紫外線照射装置5A〜5Fのいずれか一方に突起、他方に嵌合穴を設け、両者を嵌合させることにより固定させるようにしてもよい。
【0041】
脚部62は、本実施形態にあっては、設置台61の下面に3本配設した構成を示している。脚部62は、円柱状部材621の両端に突起部622,623が設けられており、その一端(突起部622)を設置台61と、また、他端(突起部623)を設置対象(後記する第2載置台)に形成された嵌合穴に嵌合して、設置台61と設置対象を連接固定している。なお、脚部62の形状は、円柱だけでなく、角柱、楕円注等任意の形状のものを適宜採用することができる。
【0042】
(V)光学部品の保持構造:
次に、光学装置4において、光学部品用筐体47(部品収納部材471)の所定位置に位置決め固定され、図5及び図6の製造装置により紫外線照射されて、光学部品用筐体47に接着固定される光学部品として、重畳レンズ415及びリレーレンズ433を例に挙げて詳細に説明する。
【0043】
図7は、光学部品用筐体47を構成する蓋状部材が取り外された光学装置4を上方から見た斜視図である。なお、図7にあっては、光学装置4の部品収納部材は、後記する図10に示す光軸調整装置100を構成する第2載置台220の上に載置されており、また、光学装置4の上部に存在するように示されている光学装置の製造装置6は、接着固定時には、脚部62の突起部623が第2載置台220の嵌合穴Vに嵌合されることにより第2載置台220に固定され、紫外線照射装置5A〜5Dが重畳レンズ415の、また、紫外線照射装置5E,5Fがリレーレンズ433のそれぞれ固定部位に紫外線照射可能な所定の位置に設けられることとなる。
なお、重畳レンズ415及びリレーレンズ433の構成については、特開2004−4562号に開示されている。
【0044】
(V−1)重畳レンズ415の構成:
図8は、本実施形態の重畳レンズ415の正面図である。図7、図8に示すように、重畳レンズ415は、重畳レンズ本体4151と、この重畳レンズ本体4151の外周側に取り付けられており、重畳レンズ本体4151を保持する重畳レンズ保持枠4152とを備える。
重畳レンズ本体4151は、図8に示すように、略円形状のレンズであって、その円形の上側部分4151Uおよび下側部分4151Dが、それぞれ図8中において左右方向にカットされている。ただし、下側部分4151Dには、図8中下方向へ突出する突出部4151D1が2つ形成されている。
【0045】
重畳レンズ保持枠4152は、図8に示すように、重畳レンズ本体4151を保護しつつ、重畳レンズ本体4151を内側の所定位置に保持する部材である。この重畳レンズ保持枠4152は、略矩形状の保持枠本体41521と、この保持枠本体41521の上側部分に配置される付勢部材41522とを備える。
【0046】
(V−2)リレーレンズ433の構成:
図9は、本実施形態に係るリレーレンズ433の正面図である。
図7、図9に示すように、リレーレンズ433は、略円形状のリレーレンズ本体4331と、このリレーレンズ本体4331の外周側に取り付けられて、リレーレンズ本体4331を保持するリレーレンズ保持枠4332とを備える。
リレーレンズ保持枠4332は、図9に示すように、リレーレンズ本体4331を保護しつつ、リレーレンズ本体4331を内側の所定位置に保持する部材であって、略矩形状の保持枠本体43321と、この保持枠本体43321の上側部分に配置される付勢部材43322とを備える。
【0047】
(V−3)光軸調整装置100の構造:
図10は、本実施形態に係る光学装置4の光軸調整装置100の概略構成を示す全体斜視図である。以下に、光軸調整装置100の構造を説明する。
光軸調整装置100は、光学部品用筐体47(図10では図示しない)に対する所定位置に光学部品を位置決めして固定する装置である。この光軸調整装置100は、図10に示すように、光学部品用筐体保持部としての載置台200と、光学部品位置決め治具300と、光学像検出装置400と、図示しない光束照射装置としての調整用光源装置および制御装置800(図18)とを備えている。
【0048】
(V−3−1)載置台200の構造:
載置台200は、光学装置4(図1)、光学部品位置決め治具300、光学像検出装置400、および図示しない調整用光源装置を載置固定する。この載置台200は、図10に示すように、第1載置台210と、第2載置台220と、第3載置台230とを備える。
第1載置台210は、四隅に脚部210Aを有するテーブル状に形成され、載置面としての上面210Bにて光学部品位置決め治具300および第2載置台220を載置固定する。なお、図示は略すが、この第1載置台210の下方には、制御装置800により駆動制御される真空ポンプ等が設置される。
【0049】
第2載置台220は、第1載置台210と同様に、四隅に脚部220Aを有するテーブル状に形成され、載置面としての上面220Bにて光学装置4の部品収納部材471および図示しない調整用光源装置を載置する。この第2載置台220は、複数の開口220Cを有し、該複数の開口220Cに、第1載置台210上に載置固定された光学部品位置決め治具300の一部が挿通された状態で第1載置台210上に載置固定される。
【0050】
この第2載置台220において、上面220Bには、光学装置4の部品収納部材471を所定位置に載置するための位置決め部としての位置決め突起220Dが形成されている。そして、この位置決め突起220Dと、上述した部品収納部材471の底面に形成された図示しない位置決め孔とが係合することで部品収納部材471を所定位置に載置する。
【0051】
また、この第2載置台220において、上面220Bには、図示しない調整用光源装置を所定位置に設置するための矩形枠状の光源装置設置部220Eが形成されている。この光源装置設置部220Eには、付勢部220Fが取り付けられ、この付勢部220Fにより、図示しない調整用光源装置を光源装置設置部220Eに付勢固定する。
第3載置台230は、第2載置台220と接続し、上面にて光学像検出装置400を載置する。この第3載置台230は、一端側が第2載置台220の下面に固定され、他端側が脚部230Aにて支持されている。
【0052】
(V−3−2)光学部品位置決め治具300の構造:
図11は、本実施形態に係る光学部品位置決め治具300の概略構成を示す斜視図である。
光学部品位置決め治具300は、第1載置台210上において、光学部品の設計上の所定位置に設置され、光学部品を支持するとともに、光軸を有する光学部品の位置調整を実施する。この光学部品位置決め治具300は、類似した構造から、図11に示すように、光学部品の位置決めを実施する第1位置決め治具310と、光学部品の位置決めを実施する第2位置決め治具320と、光学部品の位置決めを実施する第3位置決め治具330とに大別できる。
なお、以下では、光源装置411(図1)から射出される光束の照明光軸をZ軸とし、このZ軸に直交する方向をX軸およびY軸とするXYZ直交座標系を用いて光学部品位置決め治具300を説明する。
【0053】
(V−3−2−1)第1位置決め治具310の構造:
図12は、第1位置決め治具310の構造を示す斜視図である。
第1位置決め治具310は、図12に示すように、基部311と、Z軸移動部312と、X軸移動部313と、第1光学部品支持部314とを備えている。
基部311は、平面視略コ字状の形状を有し、平面視略コ字状の端面が第1載置台210上における第2レンズアレイ413(図1。以下同)に対応する位置に固定される。また、基部311において、平面視コ字状内側には、コ字状端縁に沿ってZ軸移動部312と係合する図示しない係合溝が形成されている。
Z軸移動部312は、基部311のコ字状端縁と直交する略直方体状の形状を有し、基部311に形成された図示しない係合溝と係合し、基部311に対してZ軸方向に移動自在に構成される。また、このZ軸移動部312は、X軸移動部313のレールとしての機能も有する。
X軸移動部313は、基部311のコ字状端縁に沿って延びる平面視T字状の形状を有し、下面には、Z軸移動部312と係合する図示しない係合溝が形成され、Z軸移動部312に対してX軸方向に移動自在に構成される。
【0054】
第1光学部品支持部314は、X軸移動部313のX軸方向に延びる端面と接続し、該端面からY軸方向に延びるように形成され、第2レンズアレイ413を支持する。この第1光学部品支持部314は、図12に示すように、基部315と、移動部316と、保持部としての第1ホルダ317とを備えている。
基部315は、平面視略コ字状の形状を有し、平面視略コ字状の端面がX軸移動部313のX軸方向に延びる端面に固定されている。また、この基部315において、平面視コ字状内側には、Y軸方向に沿って移動部316と係合する図示しない係合溝が形成されている。
【0055】
移動部316は、基部315のコ字状内側からY軸方向に延びる平面視T字状の形状を有し、基部315に形成された図示しない係合溝と係合して基部315に対してY軸方向に移動自在でありかつ、Y軸を中心とした回転方向に回動自在に構成される。
すなわち、本実施形態に係る姿勢調整部は、Z軸移動部312、X軸移動部313、および移動部316に相当する。
【0056】
図13は、第1ホルダ317における光学部品の保持構造を示す斜視図である。
第1ホルダ317は、平面視コ字状の形状を有し、平面視コ字状の基端部分が移動部316の+Y軸方向端面に固定され、平面視コ字状の先端部分にて第2レンズアレイ413を支持する。この第1ホルダ317における先端部分には、図13に示すように、第2レンズアレイ413の下面を支持する第1支持面317Aと、第2レンズアレイ413の側面を支持する第2支持面317Bと、第2レンズアレイ413の光束入射端面を支持する第3支持面317Cとが形成されている。そして、これら第1支持面317A、第2支持面317B、および第3支持面317Cは、第2レンズアレイ413の外形位置基準面として構成されている。
【0057】
ここで、第1ホルダ317の内部には、図13に示すように、平面視コ字状の端縁に沿って吸気用孔としての導通孔317Dが形成され、導通孔317Dの一端が3本に分岐して第3支持面317Cに接続し、他端が第1ホルダ317の下面に接続する。そして、他端側から図示しないチューブを介して第1載置台210の下方に設置される図示しない真空ポンプにより吸気することで、第2レンズアレイ413を第3支持面317Cに吸着可能とする。このように吸着することで第1ホルダ317にて第2レンズアレイ413が保持される。
【0058】
上述した第1位置決め治具310において、Z軸移動部312、X軸移動部313、移動部316には、図示しないパルスモータが固定され、ここでは図示しない制御装置600の制御の下、パルスモータが駆動し、Z軸移動部312、X軸移動部313、および移動部316が適宜、移動する。なお、このような制御装置600による制御に限らず、利用者による手動操作によりZ軸移動部312、X軸移動部313、および移動部316を適宜、移動させてもよい。
【0059】
(V−3−2−2)第2位置決め治具320の構造:
図14は、第2位置決め治具320の構造を示す斜視図である。
第2位置決め治具320は、図14に示すように、上述した第1位置決め治具310の基部311、Z軸移動部312、およびX軸移動部313と略同様の構造を有する基部321、Z軸移動部322、およびX軸移動部323の他、第2光学部品支持部324を備えている。なお、基部321、Z軸移動部322、およびX軸移動部323の構造は、前述の第1位置決め治具310の基部311、Z軸移動部312、およびX軸移動部313と略同様の構造であり、説明を省略する。
【0060】
第2光学部品支持部324は、X軸移動部323のX軸方向に延びる端面と接続し、該端面からY軸方向に延びるように形成され、リレーレンズ433(図1。以下同)を支持する。この第2光学部品支持部324は、図14に示すように、基部325と、保持部としての第2ホルダ326とを備えている。
基部325は、平面視略コ字状の形状を有し、平面視略コ字状の端面がX軸移動部323のX軸方向に延びる端面に固定されている。また、基部325において、平面視略コ字状内側には、Y軸方向に沿って第2ホルダ326と係合する図示しない係合溝が形成されている。
【0061】
第2ホルダ326は、基部325のコ字状内側からY軸方向に延びる略直方体状の形状を有し、先端部分にてリレーレンズ433を保持するとともに、基部325に形成された図示しない係合溝と係合して基部325に対してY軸方向に移動自在に構成される。
すなわち、本発明に係る姿勢調整部は、Z軸移動部322、X軸移動部323、および第2ホルダ326に相当する。
この第2ホルダ326は、図14に示すように、第1支持部材327と、第2支持部材328とを備え、これら第1支持部材327および第2支持部材が一体化して構成されている。
【0062】
第1支持部材327は、略直方体状の形状を有し、第2支持部材328に対向する端面は、+Y軸方向端部側に向けて厚み寸法が小さくなるテーパ状に形成されている。そして、このテーパ状に形成された部分が、リレーレンズ433の光束射出側端面を支持する第1支持面327Aとして機能する。
【0063】
また、第2支持部材328は、略直方体状の形状を有し、第1支持部材327に対向する端面は、+Y軸方向端部側にリレーレンズ433の外周形状に対応する凹部が形成されている。そして、この凹部が、リレーレンズ433の光束入射側端面を支持する第2支持面328Aとして機能する。
【0064】
図15は、第2ホルダ326における光学部品の保持構造を示す図である。
第2ホルダ326の第2支持部材328の内部には、図15(A)に示すように、Y軸方向に沿って2本の吸気用孔としての導通孔328Bが並行に形成されている。また、この導通孔328Bは、図15(B)に示すように、一端が2本に分岐して第2支持面328Aに接続し、他端が第2支持部材328の下面に接続する。そして、他端側から図示しないチューブを介して第1載置台210の下方に設置される図示しない真空ポンプにより吸気することで、リレーレンズ433を第2支持面328Aに吸着可能とする。このように吸着することで、第2ホルダ326にてリレーレンズ433が保持される。
【0065】
上述した第2位置決め治具320において、Z軸移動部322、X軸移動部323、第2ホルダ326には、図示しないパルスモータが固定され、ここでは図示しない制御装置800の制御の下、パルスモータが駆動し、Z軸移動部322、X軸移動部323、および第2ホルダ326が適宜、移動する。なお、このような制御装置600による制御に限らず、利用者による手動操作によりZ軸移動部322、X軸移動部323、および第2ホルダ326を適宜、移動させてもよい。
【0066】
(V−3−2−3)第3位置決め治具330の構造:
図16は、第3位置決め治具330の構造を示す斜視図である。
第3位置決め治具330は、入射側偏光板442(図1。以下同)の位置決めを実施する。すなわち、この第3位置決め治具330は、第1載置台210において、3つの入射側偏光板442に対応する位置に、それぞれ設置されている。この第3位置決め治具330は、図16に示すように、基部331と、第3光学部品支持部332とを備えている。
基部331は、側面視L字状の形状を有する板体であり、一方の端部が第1載置台210上における入射側偏光板442に対応する位置に固定され、他方の端部がX軸方向に延びるように構成されている。また、この基部331において、他方の端部には、第3光学部品支持部332にて保持する入射側偏光板442の中心位置を中心とした円弧状の図示しない係合溝が形成され、第3光学部品支持部332と係合する。
【0067】
第3光学部品支持部332は、入射側偏光板442を保持するとともに、基部331の図示しない係合溝と係合し、基部331に対してZ軸を中心として回動自在に構成される。この第3光学部品支持部332は、図16に示すように、姿勢調整部としての回動部333と、保持部としての第3ホルダ334とを備えている。
回動部333は、X軸方向に延びる略直方体状に形成され、基部331に形成された図示しない円弧状の係合溝に対応する図示しない係合部を有している。そして、この回動部333は、基部331との係合状態を変更することで、基部331に対して第3ホルダ334にて保持する入射側偏光板442の中心位置を中心として回動自在に構成される。
【0068】
第3ホルダ334は、平面視コ字状の形状を有し、平面視コ字状の基端部分が回動部333の+Y軸方向端面に固定され、平面視コ字状の先端部分にて入射側偏光板442を支持する。
この第3ホルダ334の構造は、上述した第1位置決め治具310の第1ホルダ317と略同様の構造であり、図示は略すが、第1ホルダ317の第1支持面317A、第2支持面317B、および第3支持面317Cに対応する第1支持面、第2支持面、および第3支持面を有している。
【0069】
また、第3ホルダ334の内部には、図示は略すが、第1ホルダ317と同様に、吸気用孔としての導通孔が形成され、導通孔の一端が3本に分岐して第3支持面に接続し、他端が第3ホルダ334の下面に接続する。そして、他端側から図示しないチューブを介して第1載置台210の下方に設置される図示しない真空ポンプにより吸気することで、入射側偏光板442を第3支持面に吸着可能とする。このように吸着することで、第3ホルダ334にて入射側偏光板442を保持する。
【0070】
上述した第3位置決め治具330において、回動部333には、図示しないパルスモータが固定され、ここでは図示しない制御装置600の制御の下、パルスモータが駆動し、回動部333が適宜、回動する。なお、このような制御装置600による制御に限らず、利用者による手動操作により回動部333を適宜、回動させてもよい。
【0071】
(V−3−3)光学像検出装置400の構造:
図17は、光学像検出装置400の構造を示す模式図である。
光学像検出装置400は、上述した第3載置台230上に設置され、図示しない調整用光源装置から射出され光学装置4を介した光学像を検出する。この光学像検出装置400は、図17に示すように、集光部410Aと、撮像部420Aとを備えている。
集光部410Aは、複数のレンズ群から構成され、光学装置4のクロスダイクロイックプリズム444(図1)の光束射出端面から射出される光学像、すなわち、光学装置4の各液晶パネル441R,441G,441Bにて形成された光学像を光学像検出装置400内部に集光する。
【0072】
撮像部420Aは、集光部410Aのバックフォーカス位置に形成された画像平面421Aと、この画像平面421A上の画像を赤、青、緑の3色に分解するダイクロイックプリズム422Aと、このダイクロイックプリズム422Aの光束射出端面に設置され、射出されるそれぞれの色光が結像する3つのCCD423Aとを備えている。
【0073】
(V−3−4)制御装置800による制御構造:
図18は、制御装置800による制御構造を模式的に示したブロック図である。
制御装置800は、CPU(Central Processing Unit)およびハードディスクを備えたコンピュータで構成され、種々のプログラムを実行して光軸調整装置100全体を制御する。この制御装置800は、図18に示すように、操作部810と、表示部820と、制御部830とを備えている。
【0074】
操作部810は、例えば、キーボードおよびマウス等で入力操作される図示しない各種操作ボタンを有している。この操作ボタン等の入力操作を実施することにより、制御装置800を適宜動作させるとともに、例えば、表示部820に表示される情報に対して、制御装置800の動作内容の設定等が実施される。そして、作業者による操作部810の入力操作により、操作部810から適宜所定の操作信号を制御部830に出力する。
なお、この操作部810としては、操作ボタンの入力操作に限らず、例えば、タッチパネルによる入力操作や、音声による入力操作等により、各種条件を設定入力する構成としてもできる。
【0075】
表示部820は、制御部830に制御され、所定の画像を表示する。例えば、制御部830にて処理された画像の表示、または、操作部810の入力操作により、制御部830の後述するメモリに格納する情報を設定入力、または更新する際、制御部830から出力されるメモリ内のデータを適宜表示させる。この表示部820は、例えば、液晶や有機EL(electroluminescence)、PDP(Plasma Display Panel)、CRT(Cathode-Ray Tube)等が用いられる。
【0076】
制御部830は、CPUを制御するOS(Operating System)上に展開されるプログラムとして構成され、操作部810からの操作信号の入力に応じて光学像検出装置400で撮像された画像を取り込んで画像処理を実施し、処理した画像に基づいて光学部品位置決め治具300を駆動制御する。この制御部830は、図18に示すように、画像取込部831と、画像処理部832と、駆動制御部833と、メモリ834とを備えている。
【0077】
画像取込部831は、例えば、ビデオキャプチャボード等で構成され、光学像検出装置400の3つのCCD423から出力されるR,G,B信号を入力し、入力したR,G,B信号を画像信号に変換して画像処理部832に出力する。
画像処理部832は、画像取込部831から出力される画像信号を読み込み、読み込んだ画像信号に対応する画像の画像処理を実施し、所定の信号を駆動制御部833に出力する。この画像処理部832は、図18に示すように、輝度値取得部832Aと、輝度値変化曲線取得部832Bと、近似直線算出部832Cと、境界点取得部832Dと、演算処理部832Eとを備えている。
【0078】
輝度値取得部832Aは、読み込んだ画像信号に対応する画像の輝度値を取得し、この取得した輝度値とこの輝度値に対応する座標値(平面位置(X,Y))とを関連付けてメモリ834に格納する。
輝度値変化曲線取得部832Bは、メモリ834に格納された情報を読み出し、読み出した座標値に応じて、所定の直線上(X方向またはY方向)における輝度値の変化を表す輝度値変化曲線を取得する。
近似直線算出部832Cは、輝度値変化曲線取得部832Bにて取得された輝度値変化曲線から輝度値の変化部分の近似直線を算出する。
【0079】
境界点取得部832Dは、近似直線算出部832Cにて算出された近似直線に基づいて、読み込んだ画像信号に対応する画像に含まれる照明領域の境界点、および、読み込んだ画像信号に対応する画像に含まれる各液晶パネル441R,441G,441B(図1)の画像形成領域の境界点を取得する。そして、取得した境界点をメモリ834に格納する。
演算処理部832Eは、メモリ834に格納された情報を読み出し、読み出した境界点(照明領域、画像形成領域)または輝度値に基づいて、各光学部品の位置調整量を算出する。そして、算出した位置調整量を所定の信号に変換して駆動制御部833に出力する。
【0080】
駆動制御部833は、所定の制御プログラム、および画像処理部832から出力される信号に応じて、治具駆動部300Aに制御信号を出力し、治具駆動部300Aに光学部品位置決め治具300を駆動させる。
メモリ834は、所定の制御プログラムを格納するとともに、画像処理部832から出力される情報を格納する。
【0081】
(VI)光学装置4の製造方法:
次に、上述した光軸調整装置100による光学装置4の製造方法を、図10、図18、および図19を参照して説明する。
図19は、光学装置4の製造方法を説明するフローチャートである。
先ず、作業者は、制御装置800の操作部810を操作し、製造する光学装置4の仕様に応じた所定のプログラムを呼び出す。制御装置800の駆動制御部833は、メモリ834に格納されたプログラムを読み出し、光学部品位置決め治具300を設計上の所定位置に移動させる旨の制御信号を治具駆動部300Aに出力する。
そして、治具駆動部300Aにより図示しないパルスモータが駆動し、第1位置決め治具310におけるZ軸移動部312、X軸移動部313、および移動部316、第2位置決め治具320におけるZ軸移動部322、X軸移動部323、および第2ホルダ326、第3位置決め治具330における回動部333が移動し、光学部品位置決め治具300が設計上の所定位置に配置される(処理S1)。
【0082】
次に、光軸調整装置100の第2載置台220に部品収納部材471を設置する(処理S2)。
具体的に、作業者は、部品収納部材471を移動させ、第2載置台220の上面から突出する光学部品位置決め治具300の一部を部品収納部材471の底面に形成された図示しない孔に挿通する。さらに、部品収納部材471の底面に形成された図示しない位置決め孔に第2載置台220の上面に形成された位置決め突起220Dを係合させて部品収納部材471を第2載置台220の所定位置に設置する。
【0083】
(VI−1)重畳レンズ415の位置決め固定:
重畳レンズ415を部品収納部材471に対する所定位置に位置決め固定する(処理S3)。具体的には、図20に示すフローチャートにしたがって実施される。
【0084】
先ず、制御装置800の駆動制御部633は、所定の制御信号を治具駆動部300Aに出力して治具駆動部300Aを駆動する。そして、図示しないパルスモータが駆動し、重畳レンズ415を保持する第2位置決め治具320のX軸移動部323を移動させ、重畳レンズ415をX方向に所定量XG1(図21(A)。後記)だけ移動させる(処理S31:照明領域移動ステップ)。
【0085】
そして、制御部830の画像取込部831は、光学像検出装置400のG色光用CCD423Gから出力されるG信号を入力し、この入力した信号を画像信号に変換して画像処理部832に出力する(処理S32:画像取込ステップ)。
【0086】
図21は、光学像検出装置400で撮像された光学像を制御装置800に取り込んだ画像の一例を示す図である。
処理S31において、重畳レンズ415をX方向に所定量XG1だけ移動させた結果、図21(A)の1点鎖線に示すように、照明領域702Gが移動し、該照明領域702Gの右側端部が画像形成領域701の内側に入り込んだ状態となる。
【0087】
次に、制御装置800の制御部880は、照明領域702Gの右側端部における境界点を取得する(処理S33:境界点取得ステップ)。そして、取得した境界点をメモリ834に格納する。
処理S33の後、制御装置800の演算処理部832Eは、メモリ834に格納され、処理S33にて取得された境界点と、予め設定された設計上の最適な境界位置との偏差XG2を算出する(処理S34)。
【0088】
処理S34の後、演算処理部832Eは、処理S31における重畳レンズ415の移動量XG1、および処理S34における偏差XG2に基づいて、図21(A)に示すように、照明領域702GのX方向の幅寸法XGを算出する。また、演算処理部832Eは、メモリ834に格納された画像形成領域701における左側端部および右側端部における各境界点を読み出し、これら境界点の偏差XA(図21(A))を算出する。この偏差XAは、画像形成領域701のX方向の幅寸法に相当する。そして、演算処理部832Eは、算出した照明領域702Gの幅寸法XG、および画像形成領域701の幅寸法XAに基づいて、照明領域702GのX方向の照明マージンAX(図21(B))を算出する(処理S35)。具体的に、演算処理部832Eは、照明領域702Gの幅寸法XGから画像形成領域701の幅寸法XAを減算し、減算した値を2で割ることで照明マージンAX(図21(B))を算出する。すなわち、照明領域702Gの左右の照明マージンを同一にしている。
【0089】
処理S35において、照明マージンAXを算出した後、演算処理部832Eは、メモリ834に格納された照明領域702Gの右側端部における境界点、および画像形成領域701の右側端部における境界点を読み出す。また、演算処理部832Eは、読み出した各境界点間の偏差XG3(図21(A))を算出し、この算出した偏差XG3と、処理S35において算出した照明マージンAXとに基づいて、重畳レンズ415のX方向の位置調整量を算出する(処理S36:位置調整量算出ステップ)。そして、演算処理部832Eは、この算出したX方向の位置調整量をメモリ834に格納する。
【0090】
制御装置800の駆動制御部833は、メモリ834に格納された重畳レンズ415のX方向の位置調整量を読み出し、読み出した位置調整量に応じた制御信号を治具駆動部300Aに出力する。そして、治具駆動部300Aは、図示しないパルスモータを駆動させ、重畳レンズ415を保持する第2位置決め治具320のX軸移動部323を移動させ、重畳レンズ415をX方向に演算処理部832Eにて算出した位置調整量だけ移動させる(処理S37:位置調整ステップ)。この状態では、図21(B)に示すように、照明領域702Gの左右の照明マージンAXが互いに等しくなる。
【0091】
以上のように、重畳レンズ415におけるX方向の位置調整を実施した後、重畳レンズ415におけるY方向の位置調整を実施する(処理S38:位置調整ステップ)。この重畳レンズ415におけるY方向の位置調整は、上述したX方向の位置調整における手順(処理S31〜S37)と略同様に実施できる。
具体的に、図21(C),(D)を参照すると、上述した処理S31と同様に、照明領域702Gの下側端部が画像形成領域701の内側に入るように重畳レンズ415をY方向に所定量YG1だけ移動させる。
【0092】
また、上述した処理S32〜S34と同様に、照明領域702Gの下側端部における境界点を取得し、この取得した境界点と、予め設定された設計上の最適な境界位置との偏差YG2を算出する。
さらに、上述した処理S35と同様に、重畳レンズ415の移動量YG1、および偏差YG2に基づいて、照明領域702GのY方向の幅寸法YGを算出するとともに、画像形成領域701における下側端部および上側端部における各境界点から画像形成領域701のY方向の幅寸法YAを算出する。そして、算出した照明領域702Gの幅寸法YG、および画像形成領域701の幅寸法YAに基づいて、照明領域702GのY方向の照明マージンAYを算出する。
【0093】
さらにまた、上述した処理S36と同様に、照明領域702Gの下側端部における境界点と、画像形成領域701の下側端部における境界点との偏差YG3、および照明マージンAYに基づいて、重畳レンズ415のY方向の位置調整量を算出する。
そして、上述した処理S487と同様に算出したY方向の位置調整量に基づいて、重畳レンズ415をY方向に位置調整する。
この状態では、図21(D)に示すように、照明領域702Gの左右の照明マージンAXが互いに等しくなるとともに、照明領域702Gの上下の照明マージンAYも互いに等しくなる。
【0094】
(VI−2)リレーレンズ433の位置決め調整:
処理S38において、重畳レンズ415の位置調整を実施した後、制御装置800は、B色光用CCD423Bにて撮像された光学像に基づいて、リレーレンズ433の位置調整を実施し、B色光による照明領域を液晶パネル441Bの画像形成領域に対する所定位置に位置付ける(図19の処理S4:光学部品位置調整手順)。具体的には、図22に示すフローチャートにしたがって実施する。
【0095】
先ず、制御装置800の駆動制御部833は、所定の制御信号を治具駆動部300Aに出力して治具駆動部300Aを駆動する。そして、図示しないパルスモータが駆動し、リレーレンズ433を保持する第2位置決め治具320のX軸移動部323を移動させ、リレーレンズ433をX方向に所定量XB1(図23(A)。後記)だけ移動させる(処理S41:照明領域移動ステップ)。なお、リレーレンズ433の位置調整に伴って、紫外線硬化型接着剤の表面張力により、リレーレンズ433を把持する図示しない固定部材も追従するものとする。
【0096】
そして、制御部830の画像取込部831は、光学像検出装置400のB色光用CCD423Bから出力されるB信号を入力し、この入力した信号を画像信号に変換して画像処理部832に出力する(処理S42:画像取込ステップ)。
【0097】
図23は、光学像検出装置400で撮像された光学像を制御装置800に取り込んだ画像の一例を示す図である。
処理S41において、リレーレンズ433をX方向に所定量XB1だけ移動させた結果、図23(A)の1点鎖線に示すように、照明領域702Bが移動し、該照明領域702Bの左側端部が画像形成領域701の内側に入り込んだ状態となる。
【0098】
次に、制御装置800の制御部830は、上述した処理S32〜S35と略同様の工程で、照明領域702Bの左側端部における境界点を取得する(処理S33:境界点取得ステップ)。そして、取得した境界点をメモリ834に格納する。
処理S43の後、制御装置800の制御部830は、メモリ834に格納された情報に基づいて、照明領域702Bの両側端部における境界点を取得したか否かを判定する(処理S44)。
【0099】
処理S44において、「No」と判定されると、すなわち、照明領域702Bにおける一方の端部の境界点のみを取得していると判定した場合には、処理S41に戻り、制御装置800の駆動制御部833は、上述した移動方向と逆方向にリレーレンズ433を保持する第2位置決め治具320のX軸移動部323を移動させ、リレーレンズ433をX方向に所定量XB2(図23(A))だけ移動させる。
【0100】
そして、処理S42において、制御部830の画像取込部831は、上述したように、光学像検出装置400にて撮像された画像を取り込む。
リレーレンズ433をX方向に所定量XB2だけ移動させた結果、図23(A)の2点鎖線に示すように、照明領域702Bが移動し、該照明領域702Bの右側端部が画像形成領域701の内側に入り込んだ状態となる。
そしてまた、処理S43において、制御装置800の制御部830は、上述したように、照明領域702Bの右側端部における境界点を取得し、取得した境界点をメモリ834に格納する。
【0101】
一方、処理S44において、「Yes」と判定された場合、すなわち、照明領域702Bにおける両側端部(左右)の境界点を取得したと判定した場合には、制御装置800の演算処理部832Eは、メモリ834に格納された照明領域702Bの左側端部における境界点、および右側端部における境界点を読み出し、これら境界点間の偏差XB3を算出する(処理S45)。
【0102】
処理S45の後、演算処理部832Eは、処理S41におけるリレーレンズ433の移動量XB2、および処理S45において算出された偏差XB3に基づいて、図23(A)に示すように、照明領域702BのX方向の幅寸法XBを算出する。また、演算処理部832Eは、メモリ834に格納された画像形成領域701における左側端部および右側端部における各境界点を読み出し、これら境界点の偏差XA(図23(A))を算出する。この偏差XAは、画像形成領域701のX方向の幅寸法に相当する。そして、演算処理部832Eは、上述した処理S45と同様に、算出した照明領域702Bの幅寸法XB、および画像形成領域701の幅寸法XAに基づいて、照明領域702BのX方向の照明マージンAX(図23(B))を算出する(処理S46)。
【0103】
処理S46において、照明マージンAXを算出した後、演算処理部832Eは、メモリ834に格納された照明領域702Bの右側端部における境界点、および画像形成領域701の右側端部における境界点を読み出す。また、演算処理部832Eは、読み出した各境界点間の偏差XB4(図23(A))を算出し、この算出した偏差XB4と、処理S46において算出した照明マージンAXとに基づいて、リレーレンズ433のX方向の位置調整量を算出する(処理S47:位置調整量算出ステップ)。そして、演算処理部832Eは、この算出したX方向の位置調整量をメモリ634に格納する。
【0104】
処理S47の後、制御装置800の駆動制御部833は、メモリ834に格納されたリレーレンズ433のX方向の位置調整量を読み出し、読み出した位置調整量に応じた制御信号を治具駆動部300Aに出力する。そして、治具駆動部300Aは、図示しないパルスモータを駆動させ、リレーレンズ433を保持する第2位置決め治具320のX軸移動部323を移動させ、リレーレンズ433を演算処理部832Eにて算出した位置調整量だけX方向に移動させる(処理S48:位置調整ステップ)。この状態では、図23(B)に示すように、照明領域702Bの左右の照明マージンAXが互いに等しくなる。
【0105】
以上のように、リレーレンズ433におけるX方向の位置調整を実施した後、リレーレンズ433におけるY方向の位置調整を実施する(処理S49:位置調整ステップ)。このリレーレンズ433におけるY方向の位置調整は、上述したX方向の位置調整における手順(処理S41〜S48)と略同様に実施できる。
具体的に、図23(C),(D)を参照すると、上述した処理S41〜S44と同様に、照明領域702Bの上側端部が画像形成領域701の内側に入るようにリレーレンズ433をY方向に所定量YB1だけ移動させ、照明領域702Bの上側端部における境界点を取得する。また、照明領域702Bの下側端部が画像形成領域701の内側に入るようにリレーレンズ433をY方向に所定量YB2だけ移動させ、照明領域702Bの下側端部における境界点を取得する。
【0106】
また、上述した処理S45と同様に、照明領域702Bの上側端部および下側端部における各境界点間の偏差YB3を取得する。
さらに、上述した処理S46と同様に、照明領域702BのY方向の幅寸法YBを算出するとともに、画像形成領域701のY方向の幅寸法YAを算出し、幅寸法YB,YAに基づいて、照明領域702BのY方向の照明マージンAYを算出する。
さらにまた、上述した処理S47と同様に、照明領域702Bの下側端部における境界点と、画像形成領域701の下側端部における境界点との間における偏差YB4、および照明領域702BのY方向の照明マージンAYに基づいて、リレーレンズ433のY方向の位置調整量を算出する。
そして、上述した処理S48と同様に、算出したY方向の位置調整量に基づいて、リレーレンズ433をY方向に位置調整する。
【0107】
この状態では、図23(D)に示すように、照明領域702Bの左右の照明マージンAXが互いに等しくなるとともに、照明領域702Bの上下の照明マージンAYも互いに等しくなり、上述したG色光用の照明領域702GとB色光用の照明領域702Bとが略一致した状態となる。
【0108】
(VI−3)接着固定:
以上のように、重畳レンズ415及びリレーレンズ433の位置決めを実施した後、紫外線硬化型接着剤に紫外線を照射して、これらを光学部品用筐体47(部品収納部材471)に固定する。
【0109】
具体的に、制御装置800は、重畳レンズ415及びリレーレンズ433の位置決めを実施した後、光学装置の製造装置6に配設される紫外線照射装置5を駆動する。そして、部品収納部材471の上方から紫外線を照射する。照射された紫外線は、光学部品用筐体47(部品収納部材471)と重畳レンズ415、リレーレンズ433の各外周部分との間等の、固定対象となる所定の位置にあらかじめ塗布されていた紫外線硬化型接着剤に照射され、接着剤が硬化する。
【0110】
そして、部品収納部材471に重畳レンズ415、リレーレンズ433が位置決め固定された後、図7では図示しない蓋状部材を部品収納部材471にねじ等により接続することで(図19の処理S5)、光学装置4が製造されることになる。
【0111】
(VII)第1実施形態の効果:
前記した第1実施形態によれば、以下のような効果がある。
紫外線照射装置5は、構成がシンプルなため装置の小型化が容易に行われ、かつ、別途導光手段を用いず、装置自体で直接対象部に紫外線を照射できるため、取り扱い性も良好となる。また、構成部材も少ないため、低コストな紫外線照射装置となる。
そして、紫外線照射装置5を構成する金属製の固定部材53が、紫外線LED51と熱伝達可能に接続されているので、紫外線LED51から発される熱を効率よく外部に放熱することができ、これにより、紫外線の発光、照射を安定して行うことができる。
【0112】
また、光学装置の製造装置6は、前記した紫外線照射装置5を備え、この紫外線照射装置5が、光学装置を構成する光学部品用筐体47に対する重畳レンズ415、リレーレンズ433の固定部位に紫外線照射可能な所定の位置に配設されている構成を採用するので、接着固定対象となる重畳レンズ415等に対して紫外線を確実に照射することができ、位置決め調整された重畳レンズ415等と光学部品用筐体とを強固に接着固定することができる。
また、光学装置4を製造するにあたり、これまでのようにファイバ等の導光部材を必要とせず、作業性、取り扱い性に優れた製造装置となるとともに、前記したように、構成がシンプルで低コストな紫外線照射装置5を使用するため、製造装置6も低コストなものとなる。
【0113】
そして、プロジェクタ1は、本発明の光学装置の製造装置6を用いて得られた光学装置と、この光学装置4により形成された画像光を拡大投射する投射光学装置を備えているプロジェクタ1は、前記した製造装置6で得られる光学装置4と略同様の作用・効果を享受することができる。
【0114】
(VIII)第2実施形態:
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。 前記した第1実施形態では、光学装置の製造装置6として、平板状の設置部6に6つの紫外線照射装置5A〜5Fを固定配設する一方、当該紫外線照射装置5A〜5Fのうち紫外線照射装置5A〜5Dが、光学部品用筐体47に対する重畳レンズ415の固定部位に紫外線照射可能な所定の位置、また、紫外線照射装置5E,5Fが光学部品用筐体47に対するリレーレンズ433の固定部位に紫外線照射可能な所定の位置にそれぞれ配設された態様を示したものであった。
【0115】
これに対して、本実施形態(第2実施形態)では、光学装置の製造装置が、紫外線照射装置5を回転移動可能とする移動機構65(回転移動機構65)を備え、この製造装置6により、後記する図25に示した光学部品用筐体47に対して接着固定する態様である点で相違する。
なお、以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造及び同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
【0116】
(VIII−1)光学装置の製造装置の構成:
図24は、本実施形態の光学装置の製造装置6Xを下から見た斜視図、図25は、光学部品用筐体47から蓋状部材を取り外した光学装置4を示した斜視図である。
なお、図25にあって、光学装置4の上部に存在するように示されている光学装置の製造装置6Xは、接着固定時には、脚部62の突起部623が、部品収納部材471の図示しない所定の位置に設けられた嵌合穴に嵌合されることにより、当該部品収納部材471に固定される。
【0117】
本実施形態の光学装置の製造装置6Xにあって、紫外線照射装置5は、回転台651に設置される。この回転台は、軸部653を介して、設置台61上面の運転部652と連接され、移動機構である回転移動機構65を形成している。なお、本実施形態にあっては、紫外線照射装置5は、回転台651の軸部653を対称に2つずつ、全4つ設置されている態様を示している(5G〜5J)。
この回転移動機構65は、例えば、運転部652を手動または自動で回転させることにより、回転台651が自在に回転して、ある光学部品に紫外線照射可能な所定の位置から、他の光学部品に紫外線照射可能な所定の位置に移動可能としている。本実施形態では、光学装置本体44を構成する後記する電気光学装置9を、紫外線硬化型接着剤により光学部品用筐体47に固定する際に、例えば、電気光学装置9Bに対して紫外線照射可能な位置に配設されていた紫外線照射装置5G,5Hを、回転移動機構65により回転させることにより、別の電気光学装置9Gに対しても紫外線照射可能な位置に移動させることができる。
【0118】
(VIII−2)電気光学装置9の構成:
図26及び図27は、電気光学装置9の構造を示す分解斜視図であり、具体的に、図26は、光束入射側から見た電気光学装置9の分解斜視図である。図27は、光束射出側から見た電気光学装置9の分解斜視図である。
なお、3つの電気光学装置9R,9G,9Bは、同一の構造を有しているため、以下では、1つの電気光学装置9Rのみを説明する。
電気光学装置9Rは、図26及び図27に示すように、入射側偏光板442、液晶パネル441、視野角補償板443X、および射出側偏光板443の他、保持枠448を備える。
保持枠448は、液晶パネル441を収納保持するとともに、入射側偏光板442、視
野角補正板443X、および射出側偏光板443を支持するものである。そして、この保持枠448および液晶パネル441で光変調装置(図1)を構成する。
【0119】
保持枠448としては、種々の材料を採用することができるが、熱伝導性を有する材料を採用することが好ましい。熱伝導性を有する材料としては、例えば、インバーおよび42Ni−Fe等のニッケル−鉄合金、マグネシウム合金、アルミニウム合金、炭素鋼、ステンレス等の金属、または、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ等のカーボンフィラーを混入させた樹脂(ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、液晶樹脂等)等が例示できる。
【0120】
(VIII−3)光学装置の製造方法:
以上のような構造が採用された電気光学装置9では、入射側偏光板442、視野角補償板443X、および射出側偏光板443を位置決め調整した状態で保持枠448に対して、また、電気光学装置9を、光学部品用筐体47(部品収納部材471)に対して、それぞれ紫外線硬化型接着剤を用いて接着する。
【0121】
具体的な作業を、図28、図29を用いて説明する。ここで、図28は、本実施形態の光学装置の製造方法を用いて電気光学装置9R,9G,9Bに対して紫外線を照射する状態を示した斜視図、また、図29は、図28の正面図である。
まず、図28及び図29に示された状態、すなわち光学装置の製造装置6Xに配設された紫外線照射装置5G〜Hにおいて、紫外線照射装置5G,5Hが、光学部品用筐体47に対する電気光学装置9Bの固定部位に紫外線照射可能な所定の位置に配設され、紫外線照射装置5I,5Jが光学部品用筐体47に対する電気光学装置9Rの固定部位に紫外線照射可能な所定の位置に配設された状態で、紫外線照射装置5G〜5Jから、既に位置決め調整がなされた状態の電気光学装置9R,9Bに対して紫外線を照射することにより、保持枠448と入射側偏光板442、視野角補償板443X、及び射出側偏光板443と保持枠448との間に介在された紫外線硬化型接着剤が硬化され、入射側偏光板442等の光学部品と保持枠448とが位置決め調整された状態で接着固定される。
また、同様に、電気光学装置9R,9B自体と光学部品用筐体47(部品収納部材471)との間に介在された紫外線硬化型接着剤も硬化され、両者が位置決め調整された状態で接着固定されることとなる。
【0122】
前記電気光学装置9R,9Bに対する紫外線の照射が終了したら、回転移動機構65を90°、図28の矢印方向に回転させると、紫外線照射装置5G,5Hが、光学部品用筐体47に対する電気光学装置9Bの固定部位に紫外線照射可能な所定の位置に回転移動する。
この状態で、紫外線照射装置5G,5Hから、既に位置決め調整がなされた状態の電気光学装置9Bに対して紫外線を照射するようにすれば、保持枠448と入射側偏光板442、視野角補償板443X、及び射出側偏光板443と保持枠448との間に介在された紫外線硬化型接着剤が硬化され、入射側偏光板442等の光学部品と保持枠448とが位置決め調整された状態で接着固定される。
また、電気光学装置9G自体と光学部品用筐体47(部品収納部材471)との間に介在された紫外線硬化型接着剤も硬化され、両者が位置決め調整された状態で接着固定されることとなる。
【0123】
(IX)第2実施形態の効果:
上述した第2実施形態によれば、前記した第1実施形態の奏する効果を享受するとともに、以下のような効果がある。
光学装置の製造装置6Xを構成する紫外線照射装置5を支持し、当該紫外線照射装置5を電気光学装置9Rに紫外線照射可能な所定の位置から、電気光学装置9Gに紫外線照射可能な所定の位置に移動可能とする回転移動機構65を備えているので、紫外線照射装置5で複数の光学部品に対して紫外線を照射することができる。これにより、紫外線照射装置5の点数削減が可能となるため、製造装置のレイアウトの多様化や、更なるコスト削減を好適に図ることができる。
【0124】
(X)実施形態の変形:
なお、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記した実施形態では、紫外線発光素子である紫外線LED51としてその形状を略正方形状とした態様を示しているが、紫外線LEDの形状は任意であり、円形状、矩形状等の任意の形状のものを採用することができる。
【0125】
前記した第1実施形態では、重畳レンズ415及びリレーレンズ433の位置決め調整手段として、所定の方法を用いて説明したが、これには限定されず、位置決め調整手段は任意の手段を実施すればよい。
また、紫外線照射装置5を備えた光学装置の製造装置6,6Xにより、光学部品用筐体47に接着固定される光学部品の例として、第1実施形態では、重畳レンズ415及びリレーレンズ433、第2実施形態では電気光学装置9を挙げて説明したが、固定される光学部品の種類はこれらに限定されず、任意の光学部品を固定するようにすればよい。
【0126】
重畳レンズ415の位置決め調整に際して、前記した第1実施形態においては、3CCDカメラ装置113は、広角レンズ114Aを備え、該広角レンズ114Aにより透過型スクリーン112に表示される投影画像の全体像を撮像していたが、これに限らず、3次元的に移動することができる移動機構を介して、3CCDカメラ本体114を移動させ、適宜、所定の領域の画像を取得するような構成としてもよい。ただし、本実施形態のように広角レンズ114Aにより投影画像の全体像を撮像する方が、上記移動機構を介す必要がなく、光軸調整装置100の小型化を図ることができるという利点がある。
【0127】
前記した各実施形態では、3つの液晶パネル441を用いたプロジェクタ1の例のみを挙げたが、本発明は、1つの液晶パネルのみを用いたプロジェクタ、2つの液晶パネルのみを用いたプロジェクタ、あるいは、4つ以上の液晶パネルを用いたプロジェクタにも適用可能である。
前記各実施形態では、光入射面と光射出面とが異なる透過型の液晶パネルを用いていたが、光入射面と光射出面とが同一となる反射型の液晶パネルを用いてもよい。
さらに、前記各実施形態では、光変調素子として液晶パネルを用いていたが、マイクロミラーを用いたデバイスなど、液晶以外の光変調素子を用いてもよい。この場合は、光束入射側および光束射出側の偏光板は省略できる。
【0128】
前記各実施形態では、スクリーンを観察する方向から投射を行なうフロントタイプのプロジェクタの例のみを挙げたが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側から投射を行なうリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および形状等は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等としてもよい。
【実施例】
【0129】
以下、実施例および参考例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例等の内容に何ら限定されるものではない。
【0130】
[実施例1及び実施例2]
接着強度の比較:
図2ないし図4に示された構成の本発明の紫外線照射装置を実施例1及び実施例2、光源として水銀灯光源を使用した照射装置を参考例1として、下記の仕様のサンプルを紫外線硬化型接着剤で接着した場合の接着強度を比較、評価した。
【0131】
厚さが0.7mmのガラス面に紫外線硬化型接着剤(3014C:(株)スリーボンド製)を1滴滴下し、当該接着剤上に、サイズが8mm×18mm×3mmの鉄片の天面(3mm×8mmの面)を載置させた。この試験サンプルに対して、具体的仕様を下記のようにした実施例1及び実施例2の紫外線照射装置から、下記の内容で、ガラス面からガラス越しに紫外線を照射させて、接着剤を硬化させて、ガラス面と鉄片を接着固定した。
そして、ガラス面と鉄片が接着固定された試験サンプルを、支持台の上に載置して、市販のプッシュプルゲージ(モデルS:(株)コムラ製作所性製)を用いて、図30の矢印方向に、5kgf(49.0N:最大値)で押圧した場合の剥離強度を測定した。
【0132】
(装置の仕様及び照射の内容:実施例1)
発光LED:NCCU001(日亜化学工業(株)製、波長領域 380nm)
集光レンズ:石英ガラスによる石英レンズ
照射条件:17mW/Cm((株)オーク製作所製/紫外線測定器/UV35測
定)
照射距離:10mm
照射時間:60秒
【0133】
(装置の仕様及び照射の内容:実施例2)
発光LED:NCCU033(日亜化学工業(株)製、波長領域 365nm)
集光レンズ:石英ガラスによる石英レンズ
照射条件:50mW/Cm((株)オーク製作所製/紫外線測定器/UV35測定)
照射距離:10mm
照射時間:60秒
【0134】
また、参考例1として、光源として水銀灯(浜松ホトニクス(株)製)を用いて、下記の条件で光を照射して、実施例1と同様にして剥離強度を確認した。
【0135】
(照射の内容:参考例1)
照射条件:100mW/Cm((株)オーク製作所製/紫外線測定器/UV35測
定)
照射距離:10mm
照射時間:60秒
【0136】
(結果)
【表1】

【0137】
表1に示すように、本発明の紫外線照射装置を用いた結果は、照射光源として水銀灯を用いたものと大差なく(実施例2については大きく上回るものであり)、装置をコンパクトな構成としながら、従来品と同様に紫外線硬化型接着剤を強固に硬化させ、接着対象を接着させることができることが確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0138】
本発明の紫外線照射装置、及び当該紫外線照射装置を備えた光学装置の製造装置は、例えば、会議、学会、展示会等でのマルチメディアプレゼンテーションに適用される光学装置及びプロジェクタを得る手段として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】本発明の第1実施形態に係るプロジェクタの概略構成を示す模式図。
【図2】第1実施形態の紫外線照射装置を上から見た斜視図。
【図3】第1実施形態の紫外線照射装置の分解斜視図。
【図4】紫外線LED及び集光素子の断面図。
【図5】第1実施形態の光学装置を上から見た斜視図。
【図6】第1実施形態の光学装置の製造装置を下から見た斜視図。
【図7】第1実施形態の光学部品用筐体に搭載された光学装置を上方から見た斜視図。
【図8】第1実施形態の重畳レンズの正面図。
【図9】第1実施形態のリレーレンズの正面図。
【図10】第1実施形態の光軸調整装置の概略光性を示す全体斜視図。
【図11】第1実施形態の光学部品位置決め治具の構造を示す斜視図。
【図12】第1実施形態の第1位置決め治具の構造を示す斜視図。
【図13】第1実施形態の第1ホルダの光学部品の保持構造を示す斜視図。
【図14】第1実施形態の第2位置決め治具の構造を示す斜視図。
【図15】第1実施形態の第2ホルダの光学部品の保持構造を示す図。
【図16】第1実施形態の第3位置決め治具の構造を示す斜視図
【図17】第1実施形態の光学像検出装置の構造を示す模式図。
【図18】第1実施形態の制御装置による制御構造を模式的に示したブロック図。
【図19】第1実施形態の光学装置の製造方法を示すフローチャート。
【図20】第1実施形態の重畳レンズの位置調整方法を示すフローチャート。
【図21】第1実施形態の光学像検出装置で撮像された光学像を制御装置に取り込んだ画像の一例を示す図。
【図22】第1実施形態のリレーレンズの位置調整方法を示すフローチャート。
【図23】第1実施形態の光学像検出装置で撮像された光学像を制御装置に取り込んだ画像の他の例を示す図。
【図24】第2実施形態の光学装置の製造装置を下から見た斜視図。
【図25】第2実施形態の光学部品用筐体に搭載された光学装置を上方から見た斜視図。
【図26】第2実施形態の電気光学装置の分解斜視図。
【図27】第2実施形態の電気光学装置の分解斜視図。
【図28】第2実施形態における製造装置により光学装置を製造している状態を示した斜視図。
【図29】第2実施形態における製造装置により光学装置を製造している状態を示した正面図。
【図30】実施例における剥離強度の測定方法を示した模式図。
【符号の説明】
【0140】
1…プロジェクタ、3…投射レンズ(投射光学装置)、4…光学装置、5…紫外線照射装置、6,6X…製造装置、9…電気光学装置、44…光学装置本体、51…紫外線発光素子、52…集光素子、53…固定部材、65…移動機構、411…光源装置、441(441R,441G,441B)441…光変調装置、441R1,441G1,441B1…液晶パネル(光変調素子)、442…入射側偏光板、443…射出側偏光板、443X…視野角補償板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外領域の光束を照射する紫外線発光素子と、
前記紫外線発光素子の光束射出側に設けられ、前記光束を集光する集光素子と、
前記紫外線発光素子及び前記集光素子をその内部に収納固定可能な金属製の固定部材を備え、
前記紫外線発光素子と前記固定部材が熱伝達可能に接続されていることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項2】
請求項1に記載の紫外線照射装置において、
前記集光素子が石英レンズを備えることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の紫外線照射装置において、
前記金属製の固定部材に耐食処理が施されていることを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項4】
光源から射出された光束の光路上に配置される複数の光学部品と、内部に前記光束の照明光軸が設定され、前記光学部品を前記照明光軸上の所定の位置に収納配置する光学部品用筐体を備えた光学装置を製造する光学装置の製造装置であって、
前記請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の紫外線照射装置を備え、
当該紫外線照射装置が、前記光学部品用筐体に対する前記光学部品の固定部位に紫外線照射可能な所定の位置に配設されていることを特徴とする光学装置の製造装置。
【請求項5】
請求項4に記載の光学装置の製造装置において、
前記紫外線照射装置を支持し、当該紫外線照射装置を一の光学部品に紫外線照射可能な所定の位置から、他の光学部品に紫外線照射可能な所定の位置に移動可能とする移動機構を備えていることを特徴とする光学装置の製造装置。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載の光学装置の製造装置を用いて得られた光学装置と、前記光学装置により形成された画像光を拡大投射する投射光学装置を備えたことを特徴とするプロジェクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2006−215215(P2006−215215A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−27058(P2005−27058)
【出願日】平成17年2月2日(2005.2.2)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】