説明

紫外線照射装置

【課題】紫外線ランプの長手方向にわたり略均一に冷却することができるようにする。
【解決手段】直管形の紫外線ランプ2、及び、前記紫外線ランプ2の紫外光を反射する反射板12をランプ収容ボックス4に収容し、前記紫外線ランプ2及び前記反射板12からの紫外光を前記ランプ収容ボックス4に設けた照射窓としての光透過窓23から照射する紫外線照射装置1において、前記ランプ収容ボックス4に、前記紫外線ランプ2及び前記反射板12を挟んだ両側のそれぞれに前記紫外線ランプ2の長手方向に沿って複数の冷却風吹込口88を設け、前記紫外線ランプ2の一方側の各冷却風吹込口88と、前記他方側の各冷却風吹込口88とを、互いに異なる導風管80に接続すると共に、前記導風管80のそれぞれの冷却風の流れの方向が互いに反対となるように各導風管80に冷却風を流す構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直管形の紫外線ランプを内蔵した紫外線照射装置に係り、特に、この紫外線ランプの冷却技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、紙やプラスチック等の表面に紫外線硬化剤を被着し、この紫外線硬化剤に紫外線を照射して硬化する紫外線硬化技術が知られており、液晶パネルの封止や、光学レンズ部品の接着、光ディスクの接着、プリント基板の部品仮止め等に広く応用されている。
紫外線硬化技術で用いられる紫外線照射装置の光源には、通常、高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等の放電ランプが使用されており、近年では、ランプ点灯中の加熱を防ぐために、冷却風をランプに当てて冷却する冷却機構を備えた装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−109506号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、紫外線照射対象の大面積化等の理由から、紫外線照射装置に使用されるランプの管長が長くなると、かかるランプ全体に均一に冷却風をあてて冷却することが困難となる。特に、冷却が不十分な箇所がランプに存在すると、ランプ寿命が短くなるという問題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、紫外線ランプの長手方向にわたり略均一に冷却することができる紫外線照射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明は、直管形の紫外線ランプ、及び、前記紫外線ランプの紫外光を反射する反射板をランプ収容ボックスに収容し、前記紫外線ランプ及び前記反射板からの紫外光を前記ランプ収容ボックスに設けた照射窓から照射する紫外線照射装置において、前記ランプ収容ボックスに、前記紫外線ランプ及び前記反射板を挟んだ両側のそれぞれに前記紫外線ランプの長手方向に沿って複数の冷却風吹込口を設け、前記紫外線ランプの一方側の各冷却風吹込口と、前記他方側の各冷却風吹込口とを、互いに異なる導風管に接続すると共に、前記導風管のそれぞれの冷却風の流れの方向が互いに反対となるように各導風管に冷却風を流すように構成したことを特徴とする。
【0005】
また本発明は、上記発明において、前記紫外線ランプの一方側の各冷却風吹込口と、前記他方側の各冷却風吹込口とを、前記紫外線ランプを中心に互いに対称になるように前記ランプ収容ボックスに形成したことを特徴とする。
【0006】
また本発明は、上記発明において、前記反射板と、前記ランプ収容ボックスの前記反射板に対向する面とのそれぞれには、前記紫外線ランプの長手方向に沿ってスリット状に開口する排出口が前記紫外線ランプと略一直線上に配置されるように設けられていることを特徴とする。
【0007】
また本発明は、上記発明において、前記紫外線ランプの長手方向に沿って延在し、前記紫外線ランプ及び前記反射板から前記照射窓への紫外光を遮光自在に開閉される一対の遮光板を備え、前記一対の遮光板を、開位置において、前記紫外線ランプの一方側の各冷却風吹込口と、前記他方側の各冷却風吹込口とのそれぞれからから吹き込まれる冷却風を前記紫外線ランプの下方に向けて案内するように配したことを特徴とする。
【0008】
また本発明は、上記発明において、前記反射板の長手方向に沿って冷却水を流して冷却する水冷機構を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ランプ収容ボックスに、紫外線ランプ及び反射板を挟んだ両側のそれぞれに紫外線ランプの長手方向に沿って複数の冷却風吹込口を設けたため、紫外線ランプの両側から当該紫外線ランプの全体を冷却するようにランプ収容ボックス内に冷却風を吹き込まれる。
さらに、冷却風を導風する第1導風管に、この第1導風管の風路に沿って紫外線ランプの一方側の各冷却風吹込口を接続すると共に、冷却風を導風する第2導風管に、この第2導風管の風路に沿って紫外線ランプの他方側の各冷却風吹込口を接続し、第1及び第2導風管のそれぞれの冷却風の流れの方向が互いに反対となるように、これら第1及び第2導風管に冷却風を流す構成としたため、紫外線ランプに吹き付けられる冷却風の風量が、その紫外線ランプの長手方向に沿って略均一化され、均等に冷却することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る紫外線照射装置1の構成を示す正面図である。また、図2は紫外線照射装置1の機能的構成を模式的に示す正面図であり、図3は紫外線照射装置1の機能的構成を模式的に示す断面図である。
紫外線照射装置1は、対象物の照射面であるワーク面W(図2参照)の上方に設置され、ワーク面Wに対して紫外光を略均一に照射するものであり、紫外線ランプ2と、この紫外線ランプ2を収容するランプ収容ボックス(筐体)4と、紫外線ランプ2の紫外光を遮光自在なシャッタ機構6と、ランプ収容ボックス4を冷却する冷却機構8とを備えている。
【0011】
紫外線ランプ2は、例えば高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等の放電ランプであり、ワーク面Wの所定領域に対して略均一に紫外光を照射すべく、長尺の直管形のランプが使用され、かかるランプがワーク面Wに略平行に延在するように配置されている。
具体的には、ランプ収容ボックス4は金属板を箱形状に組んで構成されており、その内部には、長く延在する照射器ユニット10が内設されている。この照射器ユニット10は、上記紫外線ランプ2を保持するものであり、図3に示すように、照射器筐体14を備え、この照射器筐体14に、上記紫外線ランプ2と共に、この紫外線ランプ2の長手方向にわたって配置されて紫外線ランプ2の紫外光を反射する反射板12が保持されている。
【0012】
上記照射器筐体14は、底面が開放した箱形状に構成され、図3に示すように、両サイドに設けた凸条部16、18を、ランプ収容ボックス4の天板面4Aに設けた一対のレール20、22に係合させて、ランプ収容ボックス4内に着脱自在に設けられており、照射器ユニット10をランプ収容ボックス4の一端側から取り出し可能に構成されている。また、紫外線ランプ2、ランプソケット、及び後述するガイドノズル17がユニット化されており、照射器筐体14と同様に、レールにて引き出し可能に構成され、紫外線ランプ2の交換が可能になされている。
ランプ収容ボックス4の底面4Bには、照射窓として石英ガラス製の光透過窓23が設けられており、上記照射器ユニット10からの紫外光が光透過窓23を透過してワーク面Wの所定領域に照射されることとなる。なお、ランプ収容ボックス4の底面4Bは、その部分が取り外し自在にランプ収容ボックス4に掛止機構9(図4参照)によって取り付けられており、光透過窓23の交換や清掃作業等のメンテナンスの容易化が図られている。
【0013】
シャッタ機構6は、照射器ユニット10の下方を覆って遮光することで、紫外線ランプ2を点灯させたままワーク面Wへの紫外光照射を一時的に非照射状態とするものであり、図1に示すように、一対の遮光板24、26と、これら遮光板24、26を駆動する主駆動機構28及び従動機構29とを有している。
遮光板24、26は、紫外線ランプ2の長手方向に延在する板状部材であり、その両端部が主駆動機構28及び従動機構29に支持され、これら主駆動機構28及び従動機構29により揺動されて、図4に実線で示す閉位置(遮光位置)と想像線で示す開位置(非遮光位置)とのいずれかのポジションに配置される。
【0014】
具体的には、主駆動機構28は、駆動モータ30と、この駆動モータ30の出力軸31を介して接続された回転体34、36と、それぞれの回転体34、36の端部に連結されランプ収容ボックス4の天板面4Aから内部に導入された支持アーム38、40とを備え、それぞれの支持アームの38、40の先端に上記遮光板24、26の一端部が取り付けられている。
また従動機構29は、図1に示すように、主駆動機構28の回転体34に従動するシャフト軸32に連結されると共にランプ収容ボックス4の天板面4Aから内部に導入される一対の支持アーム52、53を備え、これら支持アーム52の先端に上記遮光板24、26の他端部が取り付けられている。
そして、主駆動機構28の駆動モータ30によって支持アーム38、40が回転駆動されると共に、これに従動して従動機構29の支持アーム52、53が回転駆動されることで遮光板24、26が遥動される。
【0015】
主駆動機構28は、図4に示すように、回転体34と一体に回動する回動片42と、この回動片42の両側に配置され回動片42の回動範囲を閉位置と開位置との間に規制する閉位置規制片44及び開位置規制片46と、回動片42が閉位置規制片44及び開位置規制片46のそれぞれに当接したときに押下される閉検出リミットスイッチ48及び開検出リミットスイッチ50とを備えており、これらの閉位置規制片44、開位置規制片46及びリミットスイッチ48、50により、遮光板24、26が上記閉位置及び開位置のいずれかの位置に達したことが検知され、その検知位置で停止される。
【0016】
遮光板24、26の先端部間には、図4に示すように、遮光板24、26が閉位置に配置されたときに紫外線ランプ2の直接光は漏らさないものの紫外線ランプ2の後述する冷却風は取り込み可能にオーバーラップする隙間56が形成されている。
これにより、遮光板24、26によって遮光したときも継続してランプの冷却が行われる。なお、遮光板24、26による遮光時には、余分な電力消費及び発熱を抑えるために紫外線ランプ2の出力も低下される。
【0017】
冷却機構8は、反射板12を水冷する水冷機構58と、ランプ収容ボックス4の内を冷却する循環空冷機構60とを備えている。
水冷機構58について詳述すると、反射板12には、図3に示すように、複数の水流穴62が長手方向に延びるように一体的に形成されている。各水流穴62は内部で連通すると共に、主駆動機構28側では2つの水流穴62の開口に注入用ニップル64及び排出用ニップル66が挿着され、他の水流穴62が閉塞されている。また注入用ニップル64及び排出用ニップル66には冷却流体供給源に連なる注入ホース68及び排出ホース70が接続されており、注入用ニップル64を通じて供給される冷却流体が、反射板12の複数の水流穴62を循環し、排出用ニップル66から排出されることで、反射板12が冷却される。
【0018】
循環空冷機構60は、ランプ収容ボックス4に冷却空気を循環させて紫外線ランプ2を冷却するものであり、紫外線ランプ2を冷却する冷却風を発生させる一対のシロッコファン(送風機)72A、72Bと、循環空気を冷却する水冷式のラジエータ(冷却機)74と、シロッコファン72A、72Bの夫々の吹出口73A、73Bごとに設けられランプ収容ボックス4に冷却風を導く導風機構76A、76Bとを備え、これらがカバー77によって覆われている。
【0019】
さらに詳述すると、図3に示すように、反射板12には、この紫外線ランプ2の管体と略平行に当該管体と同程度の長さを有して延びるスリット開口12Aが紫外線ランプ2の上方に位置するように形成され、また、反射板12を保持する上記照射器筐体14の天板面14A、及び、この照射器筐体14を保持するランプ収容ボックス4の天板面4Aのそれぞれにも、上記スリット開口12A直上で略平行に延在するようにスリット開口15、5が形成されている。これらスリット開口12A、15、5は、紫外線ランプ2と略一直線上に配されており、ランプ収容ボックス4の内部から空気を排出する排出口として機能する。また、照射器筐体14のスリット開口15と反射板12のスリット開口12Aとがガイドノズル17により連結されている。
【0020】
一方、上記シロッコファン72A、72Bは、ランプ収容ボックス4の上方に配されて、ランプ収容ボックス4の中の空気を上記スリット開口5、12A、15を通じて吸い込むと共に、シロッコファン72A、72Bに吸い込まれる空気を冷却すべく、ラジエータ74が上記ランプ収容ボックス4とシロッコファン72A及び72Bとの間に介在するように設けられている。このラジエータ74の冷却水循環配管75には、図示せぬ冷却水循環ポンプ及び放熱機構が接続されており、冷却水循環ポンプによってラジエータ冷却水が循環され、また、ラジエータ冷却水によって回収した熱が放熱機構によって外部に放熱される。
【0021】
ランプ収容ボックス4の天板面4Aの上には、スリット開口5を覆うボックス状の集風体78が取り付けられており、この集風体78の天面に設けられた開口78Aを覆うように上記ラジエータ74がラジエータ支持板79を介して取り付けられ、このラジエータ74の上に、上記シロッコファン72A、72Bが載置されている。
そして、上記の構成においては、シロッコファン72A、72Bの駆動に伴って、ランプ収容ボックス4の中の空気がスリット開口5、12A、15を通じて排出され、集風体78を通じてラジエータ74に導かれて冷却され、シロッコファン72A、72Bの吹出口73A、73Bから導風機構76A、76Bに吹き出され、各導風機構76A、76Bを通じてランプ収容ボックス4に導入される。
【0022】
図5は、図3のA−A線からみた紫外線照射装置1の構成を示す図である。
上記導風機構76A、76Bのそれぞれは共に同一の構成を有し、シロッコファン72A、72Bからランプ収容ボックス4までの間の風路を形成する導風管80及び導入管84を有して構成されている。
導風管80は、シロッコファン72A、72Bの吹出口73A、73Bの各々に設けられるものであり、紫外線照射装置1の長手方向(すなわち、紫外線ランプ2の長手方向)に沿って紫外線ランプ2の一端側から他端側にかけて延在し、一端部80Aが継管82を介してシロッコファン72A、72Bに接続されている。
導入管84は、導風管80とランプ収容ボックス4とを接続するものであり、導風管80の風路に沿って略一定間隔に設けられ、各導入管84は、導風管80から略鉛直方向に延びて、ランプ収容ボックス4の天板面4Aに紫外線ランプ2の長手方向に沿って略等間隔に形成された冷却風吹込口88に接続される。
【0023】
図6に示すように、ランプ収容ボックス4の天板面4Aには、紫外線ランプ2の長手方向に沿った冷却風吹込口88の列が、紫外線ランプ2の両側に形成されており、これに対応して、導風機構76A、76Bのそれぞれの導風管80が、ランプ収容ボックス4内の照射器筐体14を挟んだ両側に配置され、各導風管80と冷却風吹込口88との間が導入管84によって接続されている。なお、紫外線ランプ2の一方側の各冷却風吹込口88と、紫外線ランプ2の他方側の各冷却風吹込口88とは、紫外線ランプ2を中心に線対称になるように形成されている。
【0024】
上述したように、ランプ収容ボックス4の中には、紫外線ランプ2と略平行に延在する遮光板24、26が配されており、これらの遮光板24、26は、図3に示すように、開位置において、導入管84の冷却風吹込口88のほぼ直下に傾斜して配置される。
したがって、導風管80から各導入管84を通じてランプ収容ボックス4内に吹き込まれた冷却風は、図3に示すように、遮光板24、26により、照射器筐体14(照射器ユニット10)の下方に向けて偏向され、照射器筐体14の直下にスムーズに導かれる。この結果、ランプ収容ボックス4の左右から導入されたそれぞれの冷却風が照射器筐体14の略直下で合流し吹き上がることで紫外線ランプ2に到達して、これを冷却し、そして上述したように、反射板12のスリット開口12Aから吸い出されることとなる。
【0025】
また、図6に示すように、2つの導風管80のそれぞれは、冷却風の流れの方向が互いに反対となるようにシロッコファン72A、72Bに接続されている。
詳述すると、導風管80の内部においては、冷却風の流入側の一端部80Aから他端部80Bにかけて次第に流量が増加するため、ランプ収容ボックス4の各冷却風吹込口88においても風量が流入側の一端部80Aに近い方が他端部80B側よりも小さくなる。
そこで、本実施形態では、一対の導風管80のそれぞれで、図7に示すように、冷却風の流れの方向を反対にすることで、紫外線ランプ2の両側の冷却風吹込口88から吹き込まれる風量の合成量が紫外線ランプ2の長手方向に沿って略均一になされている。
さらに、本実施形態では、図7に示すように、一対のシロッコファン72A、72B及び一対の導風機構76A、76Bを、ランプ収容ボックス4の中心(すなわち、紫外線ランプ2の長手方向の中心)Xに対して点対称に配置しているため、導風管80のそれぞれの間で、風路に沿った各位置での風量等が等しくなり、冷却の均一性をより高められている。
【0026】
図8は風量の測定結果を示す図である。
この測定においては、紫外線ランプ2の両側に、当該紫外線ランプ2の長手方向に沿って160mmごとに冷却風吹込口88を6つずつ形成し、シロッコファン72A、72Bにより冷却風を導風管80及び導入管84を介して各冷却風吹込口88に冷却風を送風している。
図8に示すように、各導風機構76A、76Bにおいては、冷却風の流入側の一端部80Aから他端部80Bにかけて風速が次第に強くなり、また、これに伴い一端部80Aから遠い冷却風吹込口88ほど風量が増加するものの、導風機構76A、76Bが紫外線ランプ2に対して対称に配置されることで、紫外線ランプ2の配置位置においては、紫外線ランプ2の長手方向に沿った各位置での風量が2.19m3/min〜2.51m3/minの間に収まり、均一の冷却が実現されている事が示されている。
【0027】
このように、本実施形態によれば、ランプ収容ボックス4に、紫外線ランプ2及び反射板12を挟んだ両側のそれぞれに紫外線ランプ2の長手方向に沿って複数の冷却風吹込口88を設ける構成としたため、紫外線ランプ2の両側から当該紫外線ランプ2の長手方向に亘って冷却風が吹き込まれ全体が冷却される。
さらに、紫外線ランプ2の両側の冷却風吹込口88の各列を、一対の導風管80のそれぞれに接続すると共に、各導風管80のそれぞれの冷却風の流れの方向が互いに反対となるようにしたため、紫外線ランプ2に吹き付けられる冷却風の風量が、その紫外線ランプ2の長手方向に沿って略均一化され、均等に冷却することができる。
【0028】
また、本実施形態によれば、紫外線ランプ2の一方側の各冷却風吹込口88と、他方側の各冷却風吹込口88とを、紫外線ランプ2を中心に互いに対称になるようにランプ収容ボックス4に形成したため、紫外線ランプ2の長手方向に沿った各位置で、冷却風の風量をより均一にすることができる。
【0029】
また本実施形態によれば、反射板12と、ランプ収容ボックス4の反射板12に対向する面とのそれぞれには、紫外線ランプ2の長手方向に沿ってスリット状に開口する排出口としてのスリット開口12A、5が紫外線ランプ2と略一直線上に配置されるように設けられた構成とした。この構成によれば、ランプ収容ボックス4に流入しスリット開口12A、5から排出される冷却風の経路上に紫外線ランプ2が配置されるため、当該紫外線ランプ2を効率よく冷却することができる。
【0030】
また本実施形態によれば、一対の遮光板24、28を、開位置において、紫外線ランプ2の一方側の各冷却風吹込口88と、前記他方側の各冷却風吹込口88とのそれぞれから吹き込まれる冷却風を紫外線ランプ2の下方に向けて案内するように配する構成とした。この構成によれば、ランプ収容ボックス4内に吹き込まれた冷却風が乱れることなくスムーズに紫外線ランプ2に導かれ、紫外線ランプ2の冷却の均一性が向上する。
また本実施形態によれば、反射板12の長手方向に沿って冷却水を流して冷却する水冷機構58を備える構成としたため、ランプ収容ボックス4の内部がより強く冷却されると共に、反射板12の熱によって紫外線ランプ2が加熱されることも無い。
【0031】
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施形態に係る紫外線照射装置の構成を示す正面図である。
【図2】紫外線照射装置の機能的構成を模式的に示す正面図である。
【図3】紫外線照射装置の機能的構成を模式的に示す断面図である。
【図4】紫外線照射装置の構成を示す側面図である。
【図5】図3のA−A線にける断面を模式的に示す図である。
【図6】紫外線照射装置の機能的構成を模式的に示す平面図である。
【図7】冷却風の流れを説明するための図である。
【図8】紫外線ランプの配置位置における風量の測定結果を示す図である。
【符号の説明】
【0033】
1 紫外線照射装置
2 紫外線ランプ
4 ランプ収容ボックス
5、12A、15 スリット開口
6 シャッタ機構
8 冷却機構
10 照射器ユニット
12 反射板
17 ガイドノズル
23 光透過窓(照射窓)
24、26 遮光板
38、52 支持アーム
58 水冷機構
60 循環空冷機構
72A、72B シロッコファン
74 ラジエータ
76A、76B 導風機構
78 集風体
80 導風管
84 導入管
88 冷却風吹込口
W ワーク面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直管形の紫外線ランプ、及び、前記紫外線ランプの紫外光を反射する反射板をランプ収容ボックスに収容し、前記紫外線ランプ及び前記反射板からの紫外光を前記ランプ収容ボックスに設けた照射窓から照射する紫外線照射装置において、
前記ランプ収容ボックスに、前記紫外線ランプ及び前記反射板を挟んだ両側のそれぞれに前記紫外線ランプの長手方向に沿って複数の冷却風吹込口を設け、
前記紫外線ランプの一方側の各冷却風吹込口と、前記他方側の各冷却風吹込口とを、互いに異なる導風管に接続すると共に、
前記導風管のそれぞれの冷却風の流れの方向が互いに反対となるように各導風管に冷却風を流すように構成したことを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項2】
請求項1に記載の紫外線照射装置において、
前記紫外線ランプの一方側の各冷却風吹込口と、前記他方側の各冷却風吹込口とを、前記紫外線ランプを中心に互いに対称になるように前記ランプ収容ボックスに形成した
ことを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の紫外線照射装置において、
前記反射板と、前記ランプ収容ボックスの前記反射板に対向する面とのそれぞれには、前記紫外線ランプの長手方向に沿ってスリット状に開口する排出口が前記紫外線ランプと略一直線上に配置されるように設けられている
ことを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の紫外線照射装置において、
前記紫外線ランプの長手方向に沿って延在し、前記紫外線ランプ及び前記反射板から前記照射窓への紫外光を遮光自在に開閉される一対の遮光板を備え、
前記一対の遮光板を、開位置において、前記紫外線ランプの一方側の各冷却風吹込口と、前記他方側の各冷却風吹込口とのそれぞれからから吹き込まれる冷却風を前記紫外線ランプの下方に向けて案内するように配した
ことを特徴とする紫外線照射装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の紫外線照射装置において、
前記反射板の長手方向に沿って冷却水を流して冷却する水冷機構を備える
ことを特徴とする紫外線照射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−146833(P2009−146833A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−325384(P2007−325384)
【出願日】平成19年12月18日(2007.12.18)
【出願人】(000126274)株式会社アイ・ライティング・システム (56)
【Fターム(参考)】