説明

組成物

【課題】髄膜炎菌(N.meningitidis)に対する防御、特に髄膜炎菌血清群Bに対する防御のための薬学的組成物及びワクチン組成物、特に髄膜炎菌の高侵入性系統(meningococcal hyperinvasive lineage)特異的組換えOpaタンパク質ワクチンの提供。
【解決手段】少なくとも1つの精製Opa HV1タンパク質エピトープ及び少なくとも1つの精製Opa HV2タンパク質エピトープを含む組成物。エピトープは、好ましくは精製タンパク質エピトープであり、好ましくは組換えエピトープである。この組成物は、好ましくは薬学的組成物であり、より好ましくはワクチン組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、髄膜炎菌(N.meningitidis)に対する防御、特に髄膜炎菌血清群Bに対する防御のための薬学的組成物及びワクチン組成物に関する。特に本発明は、髄膜炎菌の高侵入性系統(meningococcal hyperinvasive lineage)特異的組換えOpaタンパク質ワクチンに関する。
【背景技術】
【0002】
ヒト鼻咽頭の一般的な片利共生細菌である髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)は、世界の細菌性髄膜炎及び敗血症の主要原因となっている。無莢膜髄膜炎菌は本来、非病原性であり、髄膜炎菌血清群を特徴づける、13種類の化学的及び免疫学的に異なる髄膜炎菌莢膜多糖類のうち5種類のみが、しばしば感染症と関係がある。タンパク質−多糖類複合ワクチンは、血清群A、C、Y及びW135により引き起こされる髄膜炎菌性疾患に対する防御可能性を提供するが、このアプローチは、血清群B髄膜炎菌に対しては功を奏していない。さらに、包括的な予防は、多糖類ベースのワクチン単独で可能とは思われない。問題は、血清群Bの多糖類構造が、免疫原性に乏しいという事実に起因している。さらなる問題は、血清群Bの多糖類構造とヒト細胞のシアル化された糖ペプチドとの類似性が原因で起こる。
【0003】
従来技術のワクチンは、目的とする特定生物の細胞表面から流れ出る小胞を表す、いわゆる「ブレブ(bleb)」の精製を使用する場合が多かった。しかし、このような粗生成物は、多くの問題を伴う。例えば、これらのブレブの組成物には幅広い多様性がある。これらのブレブにどのタンパク質が含まれ、又は除外されるかを制御する確実な方法はない。これらのブレブは、目的とする生物の多糖類被膜要素を含む場合と含まない場合がある。相互の関連で、ブレブのさまざまな成分の割合は、確実に決定することができない。これらブレブの組成物は、容易に決定又は制御することができない。
【0004】
莢膜下抗原、特に外膜タンパク質(OMP)に基づくワクチンを開発するため、多くの試みが行われてきた。髄膜炎菌OMPは、多様性に富み、OMP含有外膜小胞(OMV)ワクチンは、ワクチンが作製される特定の流行株に対しては効果があったが、異種株へ交差防御免疫応答を示す可能性の程度は、失望的であった。
【0005】
外膜タンパク質(OMP)を含有するOMVワクチンは、ノルウェー及びキューバにおける単一株に起因する疫病の制御に使用された。異なる株の多くのOMPが抗原多様性に富むため、この種のワクチンに対する免疫応答は、通常、ワクチン製造に使用される株又はこれらの親戚に限定される。その結果、このアプローチは、血清群B固有種の疾患の制御には効果がなく、これは多様な株に起因する。
【0006】
混濁(opacity)(Opa)タンパク質は、髄膜炎菌の抗原的に可変な外膜タンパク質ファミリーである。クローン的に関連した流行性髄膜炎菌分離株のなかですら、個々の株のOpa遺伝子レパートリーで説明できるよりも多くのOpaタンパク質発現の多様性がある。Hobbsら(1994年、Mol Microbiol.Apr;12(2):171〜80頁)は、髄膜炎菌クローン集団内におけるOpa遺伝子ファミリーの小進化を研究した。DNA分析は、変化が、比較的短期間にヒト集団を介して拡散しながら、これらの細菌のOpa遺伝子で発生していることを示した。さらに、この遺伝子ファミリーの可変性は、少なくとも一部は、他の髄膜炎菌株及び淋菌(Neisseria gonorrhoeae)からのOpa配列の水平交換によりもたらされたと思われる。ゆえに、Opaタンパク質は、きわめて可変的であることが示され、この可変性が、免疫回避に寄与していると考えられる。
【0007】
Mandrell及びZollinger(1989年、Infect.Immun.vol 57、pp1590〜1598)は、感染又は多糖類−タンパク質複合体によるワクチン接種後の特定のOMPに対するヒト免疫応答を記述している。血清群B及びC髄膜炎菌に対する応答が報告されている。
【0008】
Milagresら(1998年、Infect.Immun. vol 66、pp4755〜4761)は、Cuban BC(B:4:P1.15)OMPワクチンで免疫した後の血清群B髄膜炎菌に対する殺菌性の抗体反応を記述している。このワクチンは、OMVワクチンである。検出された主な殺菌反応は、PorA及びクラス5(Opa)タンパク質に対するものであったが、試験試料の四分の一は、これらのタンパク質のどちらに対する反応も原因とすることができない殺菌反応を示し、試料のほぼ半分は、PorA特異的反応のみを示した。
【0009】
Malornyら(1998年、J.Bact. vol 180、pp1323〜1330)は、ナイセリアのOpaタンパク質の配列多様性、構造及びエピトープマッピングを記述している。Opaタンパク質の表面露出部分における配列多様性は大きいため、意義ある比較を行うために該タンパク質のこれらの部分は、手動でギャップを入れる、及び/又は分析から除外しなければならなかった。
【0010】
本発明は、従来技術に付随する問題を克服しようとするものである。
【発明の概要】
【0011】
本発明は、抗原的に可変な抗原は、標的生物の一連の異なる株に対する防御を提供するワクチン接種において利用することができるという驚くべき発見に基づいている。従来は、抗原的に可変な抗原は、これらの可変性及び上記に概説されたさまざまな他の問題により、ワクチン組成物にはきわめて不良な候補成分とみなされていた。可変抗原は従来、株特異的ワクチン接種にしか適さないと考えられていた。しかし、本明細書で詳細に説明されているように、前記抗原の特定の組合せは、有効な薬学的組成物、好ましくはワクチン組成物を提供するために利用することができる。
【0012】
特に、髄膜炎菌ワクチンの分野では、Opa抗原の組合せが特に有利であることが見出されている。
【0013】
さらに、本発明は、これまで研究されてきた抗原的に異なる髄膜炎菌分離株のきわめて幅広い範囲にわたる、さまざまなOpaアレルの提示に対する深い洞察に基づいている。驚くべきことに、比較的少数の可変Opa抗原を選択することが、幅広いこれらの疾患関連分離株に対する防御を可能にすることが示されている。
【0014】
幅広い態様では、本発明は、少なくとも1つの精製Opaタンパク質抗原を含む薬学的組成物、好ましくはワクチン組成物に関する。これは、従来技術である小胞/莢膜含有製剤に付随する諸問題を回避するので有利である。Opaの抗原多様性はワクチン組成物、特に1つを超える標的分離株を対象とする好ましい組成物にこれを使用するには高すぎるという従来技術の考え方にもかかわらず、これは驚くほど有効である。
【0015】
Opa遺伝子は、定義された可変領域を伴うタンパク質をコードする。最大に可変な領域は、2つの超可変(HV)領域である。驚くべきことに本明細書では、これら可変領域を、薬学的組成物に、好ましくはワクチン組成物に使用することができることが示されている。ゆえに、別の態様では、本発明は、少なくとも1つの精製Opa HV1タンパク質エピトープ及び少なくとも1つの精製Opa HV2タンパク質エピトープを含む薬学的組成物、好ましくはワクチン組成物に関する。
【0016】
Opaタンパク質は、セミ可変領域(SV)をさらに含む。好ましくは、上述された薬学的組成物、好ましくは、ワクチン組成物は、少なくとも1つの精製Opa SVタンパク質エピトープをさらに含む。これは、Opaに対する免疫応答を生じさるための別のエピトープを有利に提供する。
【0017】
Opaエピトープの特に好ましい組合せは、本明細書で、特に表中で提供されている。ゆえに、別の態様では、本発明は、上述されたような組成物、好ましくは薬学的組成物、より好ましくはワクチン組成物に関し、前記エピトープは、表A及び表1〜9に規定されたエピトープから選択される。表は、特定の分離株又は分離株群のためにデザインされ又は最適化された組成物を検討している。ゆえに、好ましくは、前記エピトープは、表A及び表1〜9から選択される単一の表に記載されたエピトープから選択される。最大対象範囲は、1つ又は複数の分離株を標的にすることを考慮して、エピトープの提示を最適化することで有利に得ることができる。ゆえに、好ましくは、前記組成物は、前記単一の表に記載された各エピトープを含む。
【0018】
本発明の組成物は、好ましくは免疫原性である。ゆえに、1つの実施形態では、本発明は、被験者において免疫応答を誘導するための、本発明による組成物の使用に関する。別の実施形態では、本発明は、被験者を免疫する方法、又は被験者に本発明による組成物の有効量を投与することを含む、前記被験者における免疫応答の誘導方法に関する。
【0019】
Opaアレルは、配列表に示されている。Opaアレルは、特にHV(及びSV)をコードする配列を含む。したがって、アレルは、HV(及びSV)エピトープを規定する。ゆえに、別の態様では、本発明は、上述されたような、薬学的組成物、好ましくはワクチン組成物に関し、該組成物は、配列表に示されたOpaアレルによりコードされたエピトープを含む。
【0020】
表は、特定の分離株又は分離株群のためにデザインされ又は最適化された組成物を検討している。ゆえに、別の態様では、本発明は、上述されたような薬学的組成物、好ましくはワクチン組成物に関し、該組成物は、表A及び表1〜9から選択される単一の表に規定されたOpaアレルによりコードされたエピトープを含む。最大対象範囲は、1つ又は複数の株を標的にすることを考慮して、エピトープの提示を最適化することで有利に得ることができる。ゆえに、好ましくは、前記組成物は、前記単一の表に記載された各エピトープを含む。
【0021】
本発明の組成物に非Opa要素をさらに含むことが、有利となる可能性がある。可能性のあるさらなる成分の1つのクラスは、生じた免疫応答を有利に増強するための、及び/又は標的株に対しさらなる「ヒット」をもたらすためのさらなる抗原である。ゆえに、別の態様では、本発明は、上述されたような薬学的組成物、好ましくはワクチン組成物に関し、トランスフェリン結合タンパク質、PorB及びNspAからなる群から選択される1種又は複数種の成分をさらに含む。好ましくは、前記さらなる成分は、トランスフェリン結合タンパク質及びPorBからなる群から選択される。好ましくは、前記さらなる成分は、PorBである。
【0022】
別の態様では、本発明は、上述されたような薬学的組成物、好ましくはワクチン組成物の有効量を被験者に投与することを含む、髄膜炎菌感染に対し前記被験者を免疫する方法に関する。好ましくは、被験者は子どもである。
【0023】
別の態様では、本発明は、上述されたような薬学的組成物、好ましくはワクチン組成物の有効量を被験者に投与することを含む、前記被験者において髄膜炎菌に対する免疫応答を誘導する方法に関する。
【0024】
例示されたOpaの特定の組合せは、特に有利であるため、別の態様では本発明は、表A及び表1〜9から選択される単一の表に示されたOpaエピトープの組合せを含む組成物に関する。別の態様では、本発明は、本明細書に記載されているようなOpaエピトープの組合せを含む組成物に関する。好ましくは、組成物は、薬学的組成物である。好ましくは、組成物は、ワクチン組成物である。組成物は、外膜小胞ワクチンであってよい。好ましくは、組成物は、精製タンパク質であり、顕著な小胞成分又は膜成分又は莢膜成分を含まない。
【0025】
別の態様では、本発明は、OpaA、OpaB、OpaD及びOpaJからなる群から選択される少なくとも1つの精製タンパク質を含む、上述されたような薬学的組成物、好ましくはワクチン組成物などの組成物に関する。好ましくは、組成物は、OpaA、OpaB、OpaD及びOpaJからなる群から選択される少なくとも2つの精製タンパク質を含む。好ましくは、組成物はOpaA、OpaB、OpaD及びOpaJからなる群から選択される少なくとも3つの精製タンパク質を含む。好ましくは、組成物は、精製されたOpaA、OpaB、OpaD及びOpaJタンパク質を含む。これは、ほとんどの株が4種類のOpa遺伝子全てを発現し、大多数が少なくとも3種類のOpa遺伝子を発現するため、組成物により実現される、いずれか1種類の株に対するヒット数を最大限化する有利な効果を有する。
【0026】
別の態様では、本発明は、髄膜炎菌Opaタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む単離された核酸に関し、前記ヌクレオチド配列は、配列表に示されたOpaアレル配列から選択される。
【0027】
Opa
髄膜炎菌の混濁関連接着因子(opacity associated adhesin)(Opa)タンパク質は、本来、髄膜炎菌外膜に位置し、免疫原性で、他のいくつかの髄膜炎菌ワクチン候補及びPorAタンパク質を含む成分より強いT細胞応答を誘発することができる。図1は、4つの推定表面露出ループ領域及び3つのペリプラズムターン(periplasmic turn)に結合された予測8本鎖β−バレル形態を示す、Opaタンパク質の予測2次構造を示している。連続線で示された可変伸展は、4つのループ領域のうち3つに位置する。セミ可変領域は、ループ1に位置し、超可変領域1及び2は、それぞれループ2及び3に位置する。
【0028】
Opaタンパク質は、宿主被験者への侵入及び局在化に役割を持つ。ゆえに、Opaは、疾患を引き起こすために「オン」の状態でなければならない。本発明によるワクチン接種/免疫化により、殺菌反応が促進されるだけでなく、疾患進行及び/又は侵入/接着も標的にされる。このシナリオでは、生じた免疫応答は、病原体が疾患を引き起こすために通過するはずのこのOpa発現段階を標的にすることで、疾患進行の有効な阻害を起こすことに寄与することが理解されるであろう。
【0029】
さらに、鼻咽頭膜における付着/侵入の分子基盤を標的にすることで、集団免疫が促進され、拡散が防止され、コロニー形成が低減されることができる。これらは全て従来技術では見られなかった利点である。
【0030】
髄膜炎菌付着におけるこれらOpaタンパク質の機能は、Opaに対するワクチンは、鼻咽頭の抗付着抗体及び血中の殺菌性の免疫をいずれも誘導することができるという利点を提供する。
【0031】
髄膜炎菌のほとんどの表面タンパク質と同様に、Opaタンパク質は、抗原的可変性が高い。しかし、本発明者は、この可変性が高度に構造化されており、髄膜炎菌の個々の高侵入性系統は、限られたOpaタンパク質のレパートリーしか持っていないと思われることを立証した。該タンパク質は、30年にもわたる世界的な蔓延の間、ほとんどの髄膜炎菌性疾患に関与するこれらの系統において高度に保存されている。本明細書で初めて公開されたこれらの事実は、該病原菌に対する防御を提供するため、高侵入性系統でしか見つかっていない、限られた数のOpaタンパク質を含有する、薬学的組成物、好ましくはワクチン組成物の発明を可能にした。
【0032】
ゆえに、本発明は、髄膜炎菌の高侵入性クローン系統に対するワクチンに組み込むための、Opaタンパク質のこの限られたセットの使用に関する。これは、非侵入性髄膜炎菌の鼻咽頭保菌の有益な効果を取り除くことなく、高侵入性髄膜炎菌のみを標的にする新規のアプローチを提供する。非侵入性髄膜炎菌の鼻咽頭保菌は、これらの生物に対する免疫増強に関与している可能性がある。血清群Bに関連する4つの高侵入性系統のそれぞれを特異的に標的としたOpaタンパク質を含有する組換えワクチンが好ましい。
【0033】
別の態様では、本発明は、髄膜炎菌の高侵入性系統特異的組換えOpaタンパク質ワクチンに関する。
【0034】
Opaタンパク質は、髄膜炎菌表面で発現され、粘膜上皮で発現されたCEACAMタンパク質との相互作用を介しヒト鼻咽頭への密着を媒介する。ゆえに、これらに対し惹起された抗体は、接着障害を可能にし、又は補体との結合により、溶解又はオプソニン食作用を介した殺菌を促進することができる。本発明者は、本明細書で、Opa遺伝子の集団多様性は高度に構造化されており、各高侵入性髄膜炎菌系統は、Opaタンパク質の限られたレパートリーしか発現しないことを開示している。このレパートリーは、30年にもわたる世界的な蔓延の間、高度に保存されている。ゆえに、本発明は、髄膜炎菌の高侵入性系統に対する組換えワクチン組成物におけるOpaタンパク質の系統特異的組合せに関する。
【0035】
本発明の他の態様には、髄膜炎菌の高侵入性系統由来のOpaタンパク質からなるワクチンなどの精製タンパク質組成物の構築、動物におけるこれらのタンパク質の免疫原性の、抗体誘導に関する評価、髄膜炎菌の高侵入性系統由来のOpaタンパク質を標的にするマウスで惹起された抗体の、血清殺菌性アッセイ及びオプソニン食作用を用いた機能特性の評価、髄膜炎菌に対する防御免疫を誘導するためのOpaベースのワクチンの使用が含まれる。
【0036】
高侵入性髄膜炎菌系統は、構造化され、限定され、確定されたOpaレパートリーを有するという観察に基づき、本発明者は、Opaタンパク質を活用して、好ましくは精製された及び/又は組換えOpaタンパク質を含む、高侵入性系統特異的な薬学的組成物、好ましくはワクチン組成物を開発した。Opaタンパク質は、精製されている、及び組換え体であることが好ましい。これらの組成物は、血清群B莢膜多糖類に関連していることが既知のこれら高侵入性系統のOpa遺伝子レパートリーに応じて構築される。
【0037】
この発明は、細菌集団生物学、タンパク質生化学、免疫生物学及びワクチン学の専門知識を結集し、髄膜炎菌高侵入性系統に対するワクチンデザインにおいて、集団遺伝学的研究及び分子進化的研究からのデータを利用して髄膜炎菌ワクチン開発に対する新規なアプローチを構成している。
【0038】
Opa組成物
髄膜炎菌の染色体には、opaA、opaB、opaD及びopaJの4つのOpa遺伝子座が存在する。各opa遺伝子は、各Opaタンパク質における2つの免疫学的に優位なエピトープをコードする可能性がある3つの可変領域、すなわち、セミ可変領域(SV)及び超可変領域1及び2(それぞれ、HV1及びHV2)を伴う混濁(Opa)タンパク質をコードする。
【0039】
HVRC(hypervariable region combination)(超可変領域の組合せ)数は、HV1+HV2ファミリーの個々の組合せに対し割り当てられた独自の数であり、例えば、HVRC3(実施例1−表1)は、HV1:1A+HV2:8の組合せに対する独自の識別番号である。
【0040】
各HVRCには、個々のHV1+HV2変異体の複数の組合せがあって良く、全て、各領域において同じファミリーに属しており、例えばHVRC3は、HV1:1A−1+HV2:8−1又はHV1:1A−2+HV2:8−2を含んで良い。HV1+HV2の組合せが、Opaタンパク質の機能性を規定するため、HVRCの指定は、異なるOpa変異体の機能特性を理解し、関連付ける上で重要であり、これらの特性をさらに調査する際の基礎として使用されることができる。
【0041】
HVエピトープに関しては、各opa遺伝子座は、2つのエピトープをコードし、各髄膜炎菌染色体における4つのopa遺伝子座は、合計8つのエピトープ(遺伝子座が3つしかない、すなわちopaJ遺伝子座の遺伝子が欠失されている、ST−4複合体のサブグループIV−1クローンに属する分離株のエピトープは除く)をコードする。個々のクローン複合体は、Opaタンパク質の限られた、構造化されたレパートリーを保有し、したがって、HV1及びHV2領域エピトープの限られた、構造化されたレパートリーも保有する。本明細書ではワクチン組成物の製法などの組成物の製法は、個々の系統及び系統の組合せに関連するHV領域エピトープに対する反応を誘導するためにデザインされている。各ケースには、関連するHV1−HV2変異体をコードするopaアレルが含まれるが、同じHV1−HV2変異体をコードするいずれか他のアレルを代わりに使用することができるため、特定のアレルを使用することが絶対に必要というわけではない。ゆえに、HVタンパク質エピトープが、必須要素であり、核酸アレルの参照は、これらにコードされるタンパク質エピトープの参照と見なされることに常に留意すべきである。
【0042】
アレルによりコードされたSV領域変異体も含むことができ、これはワクチン組成物のような各組成物において第3のエピトープ、又は1つを超えるSV領域変異体が存在するならばエピトープのセットを、有利に提供することができる。
【0043】
HV1及びHV2領域変異体に基づくOpaワクチンなどのさまざまな組成物が、開示される。髄膜炎菌の個々のクローン複合体(HV1−HV2アミノ酸変異体による)に対する多くの精製Opaコンビネーションワクチン製法が、以下の、特に実施例の項で記載される。
【0044】
特定の組成物に含まれるOpaタンパク質の数は、対象となる標的株に依存するであろう。好ましくは、20又はこれより少ないOpaタンパク質が含まれる。好ましくは、15又はこれより少なく、好ましくは、13又はこれより少なく、好ましくは、10又はこれより少なく、好ましくは、8又はこれより少なく、好ましくは、6又はこれより少なく、好ましくは、5又はこれよりさらに少ない。含まれるタンパク質数が少ないほど、作製される組成物はより単純で安価になる。
【0045】
抗原の形態
本発明のHV抗原は、任意の適した精製された形態、好ましくは精製されたタンパク質形態で提供される。精製されたとは、該タンパク質の由来となる髄膜炎菌のコンテクストから取り除かれたことを意味する。特に、精製されたとは、ナイセリア膜及び/又は小胞などの細胞成分から分離されたことを意味する。ゆえに、この文脈での「精製された」という用語は、基本的に、多糖類莢膜物質及び/又は小胞などの細胞成分を含まないことを意味する。個々のタンパク質分子は、異なるHVエピトープを含むことなどにより多様になりうることは事実であるが、好ましくは、抗原は、クマシー染色されたSDS−PAGEで判定されるような基本的に均一なタンパク質製剤の形態で使用される。
【0046】
ゆえに、好ましくは、精製されたという用語は、製剤が基本的には単離されたポリペプチド分子からなる、好ましくは、著しい不純物を伴わない単離されたポリペプチド分子のみからなることを要求する。
【0047】
明らかに、ワクチン組成物などの組成物を作製するために、別の抗原/エピトープの精製製剤と混合された、1つの抗原/エピトープの精製製剤は、少なくとも2つのポリペプチド種からなる混合物をもたらす。混合物自体は、少なくとも2つの抗原種を含むため、均一ではないであろう。ゆえに、精製X及び精製Yを含む組成物は、上記に説明された意味において、すなわち、組成物は基本的には多糖類莢膜物質及び/又は小胞などの細胞成分を含まない、という意味において「精製された」と理解されるであろう。単に異なる個々の要素X及びYが総体的な組成物中に存在することは、これらの要素が、記載された通りに混合されただけという理由では、もはや「精製された」状態ではないことを意味しない。
【0048】
抗原/エピトープは、組換え型であることが好ましい。抗原/エピトープは、組換え法により作製されることが好ましい。抗原/エピトープは、非髄膜炎菌細胞における組換え法による作製など、髄膜炎菌の非存在下で作製されることが好ましい。抗原/エピトープは、大腸菌における発現を介して作製されることが好ましい。
【0049】
個々の精製抗原/エピトープの作製は、当業者の能力内である。これらは、当技術分野で既知のいずれか適切な手段、例えば、インビトロでの組換え発現、精製及びリフォールディング(必要であれば)により作製されることができる。これは、以下でより詳細に論じられる。
【0050】
抗原/エピトープは、例えば、連続ポリペプチド鎖としての発現による複数抗原の作製により、連結、すなわち物理的に結合されることができる。これは、単純に作製過程の利便性/最適化のため、又は誘導された免疫応答のバランスなど他の理由のために行われる。好ましくは、類似の強度応答を誘導する抗原のみが、単一ポリペプチドに連結される。好ましくは、連結は、特定のタンパク質内で生じる抗原に対してのみ行われる。好ましくは、連結は回避される。好ましくは、個々の精製抗原は、本発明による組成物を作製するのに必要とされるまで、別々に調製され保存される。
【0051】
ワクチン組成物など特定の組成物における個々の抗原の正確な量は、一般的には本発明を操作する人間により決定されるであろう。好ましくは、個々の抗原の等モル量が使用される。より好ましくは、使用量は、特定の抗原種又はエピトープに対して誘導された免疫応答の強度に関し、バランスが保たれる。ゆえに、抗原が、参照抗原強度のわずか半分の応答しか引き出さないのであれば、この抗原の2倍のモル量が使用されるべきである。同様に、抗原が、参照抗原強度の2倍の応答を引き出すのであれば、約半分のモル量が使用されるべきである。好ましくは、最適な相対的割合及び投与レベルは、臨床医/臨床試験により決定される。
【0052】
このバランスは、有利には、組成物の個々の抗原成分間の不均衡により生じる免疫優勢効果を回避するのに役立つ。この方法は、所与の組成物における各抗原に対する均一な応答、好ましくは所与のワクチン組成物における各抗原に対する均一な防御というエンドポイントへ向かう滴定の単純な方法として見て取れる。滴定は、血清殺菌性抗体アッセイ又はELISAにより行われることが好ましい。
【0053】
本発明の組成物に存在する抗原は、HV領域を参照することで明確にされる。HVドメインは、該組成物の重要な要素である。HV領域は、より大きなOpaタンパク質分子の一部である。言及されたHV領域は、通常、これらOpa分子の不可欠な部分として供給されるであろう。HV領域は、個々の精製タンパク質又はフラグメント/ポリペプチドとして別々に供給されうることが可能である。しかし、HV抗原は、完全なOpaタンパク質の不可欠な部分として供給されることが好ましい。これは、HVエピトープのフォールディング及び提示が、Opa親タンパク質の自然なコンテクストにあり、有利には、個々のHVエピトープのリフォールディング/調製に関わる可能性のある余分な労働を回避するという利点を有する。
【0054】
HVエピトープは、インビボでの発現/タンパク質生成のために供給されうることが可能である。このシナリオでは、エピトープは、これらの発現を支持することが可能な核酸の形態で供給される。このような核酸は、配列表に示されているような配列を含むことができる。しかし、エピトープは、精製タンパク質として供給されることが好ましい。
【0055】
本明細書で言及されるHVエピトープは、配列表に示された核酸によりコードされる。本明細書で示される核酸は、これらがコードするOpaタンパク質のアミノ酸配列へ翻訳されることができる。HVエピトープは、ゆえに示された核酸配列から得られる。
【0056】
HV1及びHV2エピトープは、別々に提供されることができる。好ましくは、これらは、単一Opaタンパク質において提供される。
【0057】
単一ポリペプチドにおいて提供される場合、求められるHV1及びHV2エピトープの組合せは、自然発生Opaアレルにより、又は例えば、核酸シャフリングによる合成OpaアレルにおけるHV1及びHV2エピトープの組合せにより、提供されることができる。好ましくは、自然発生Opaアレルが使用される。好ましくは、HV1及びHV2エピトープは、本明細書で示された表に開示された組合せにおいて提供される。
【0058】
Opa遺伝子及びHVエピトープ
本明細書から明らかな通り、本発明の焦点は、本発明の組成物における精製Opaタンパク質、及び特定のOpa HVエピトープの組合せにある。本明細書で説明されている通り、ほとんどの髄膜炎菌株は、4種類のOpa遺伝子を保有している。本来、ワクチン組成物など本発明による最良の組成物は、4種類全てのOpa遺伝子産物に対する免疫応答を導くものである。しかし、組換え事象及び水平移動が、HVエピトープ/アレルがOpa遺伝子座を通して共有されることができる状況を確立したことに留意しなければならない。例えば、表Aの参照により、ST−32複合体のZ4699分離株は、opaB及びopaD遺伝子座の両方でOpaアレル185を有することが見て取れる。これもまた、本明細書に記載された組成物における特定のHVエピトープを特定する際の決定的な特徴として、Opaアレルを参照することの重要性を示すものである。
【0059】
さらに、各組成物に組み込まれる個々のエピトープ数を、系統的に最小化することが有利にできたのは、このような洞察である。例えば、組成物にOpa185を含めることで、Opa185のHV1及びHV2に対する免疫応答が生じる結果、Z4699に対する4つのヒット(opaB及びopaDにおけるHV1、及びopaB及びopaDにおけるHV2)が即時に起こる。このアプローチは、実施例の項を通じて適用され、本明細書に示されたワクチン組成物デザインなどの組成物の根底をなす主な特徴である。
【0060】
本明細書で説明されたOpaアレルは、配列表に示されている。
【0061】
標的髄膜炎菌分離株は、被験者をワクチン接種/免疫することを所望された、髄膜炎菌の特定の株である。好ましくは、組成物は、標的髄膜炎菌分離株の少なくとも1つのOpa遺伝子座で見られる、少なくとも1つのHVエピトープを含む。好ましくは、組成物は、標的髄膜炎菌分離株の少なくとも1つ又は複数のOpa遺伝子座で見られる、少なくとも2つのHVエピトープ、好ましくは少なくとも3つのHVエピトープ、好ましくは少なくとも4つのHVエピトープ、好ましくは少なくとも5つのHVエピトープ、好ましくは少なくとも6つのHVエピトープ、好ましくは少なくとも7つのHVエピトープ、好ましくは少なくとも8つのHVエピトープを含む。
【0062】
好ましくは、エピトープは、標的分離株のOpa遺伝子座を通じて均一に分配され、例えば、最初の4つのエピトープは、標的分離株の異なるOpa遺伝子座にそれぞれあることが好ましく、エピトープ5〜8は、標的分離株の異なるOpa遺伝子座にそれぞれあることが好ましい。
【0063】
好ましくは、本発明による組成物は、標的株にあるOpa遺伝子座のそれぞれに存在するエピトープを保有する。
【0064】
好ましくは、本発明による組成物は、4つのOpa遺伝子座A、B、D及びJのそれぞれに存在するエピトープを保有する。
【0065】
標的株に存在する各Opaタンパク質を標的とすることにより、組成物の、細胞あたりの「ヒット」の対象範囲は有利に増大される。この複数ヒットのアプローチから生まれる利点には、新たな疾患の蔓延又は大発生に迅速に対応するにあたり、新規な製剤/組成物をデザインするための柔軟性が挙げられる。
【0066】
精製タンパク質であるOpaタンパク質の調製により、組成物は容易に標準化されることができる。これは、組成及び/又は挙動の点で、標準化することが困難な従来技術のOMVワクチンとは対照的である。さらに、精製タンパク質は、より少ない、より良く定義された成分を含むため、本質的によりシンプルでより安全である。これらは、従来技術の小胞ベースのワクチンより強固で、調製及び保存しやすい。
【0067】
同じ考察が、組成物に含めることができるいずれのSVエピトープに対しても当てはまる。
【0068】
本発明によるエピトープを選択することの有利な効果は、病原体の細胞表面のさまざまなタンパク質に関する対象範囲が最大化される点にある。さらに、特定の相変異現象が、Opa遺伝子座に関して観察されている。発現Opaレパートリーを常に変更する相変異効果の可能性があるなかで、有利には、本明細書のガイダンスに従って、標的病原体に対する免疫応答を引き起こす可能性は最大化される。実施例による組成物は、この特別な技術的特徴をそれぞれが有するようにデザインされた。
【0069】
Opaの作製
Opaタンパク質は、当技術分野で既知のいずれか適切な技法により作製され、必要に応じてリフォールディングされる。
【0070】
好ましくは、Opaタンパク質は、Prince SM、Feron C、Janssens D、Lobet Y、Achtman M、Kusecek B、Bullough PA及びDerrick JP(2001年、Acta Crystallogr D Biol Crystallogr.Aug;57(Pt 8):1164〜6頁、“Expression,refolding and crystallization of the OpcA invasin from Neisseria meningitidis.”)により調製される。
【0071】
他の者も、免疫学的研究において単一の髄膜炎菌分離株由来のこれらのプロトコル及びこの使用について詳細を発表している。de Jonge,M.I.ら(Conformational analysis of opacity proteins from Neisseria meningitidis.European Journal of Biochemistry、2002年、vol 269(21):5215〜23頁)及びde Jonge,M.I.ら(Functional activity of antibodies against the recombinant OpaJ protein from Neisseria meningitidis.Infect Immun、2003年、vol 71(5):2331〜40頁)。
【0072】
簡単には、タンパク質は、大腸菌において不溶性の形態で過剰発現され、次いで、変性剤から界面活性剤液へ迅速に希釈してリフォールディングされる。
【0073】
最適化
ワクチン組成物などの最良の組成物が、最も幅広い対象範囲を有するものでありうることは明らかである。しかし、最も幅広い対象範囲を得るためには、最も多くの抗原(すなわち、Opaエピトープ)数を組成物に組み込むことが必要になる可能性がある。したがって、組成物に組み込まれるエピトープ数の最小化と前記組成物により得られる可能性のある防御の対象範囲の最大化とのバランスを取ることが好ましい。これらは、本発明におけるエピトープの選択を左右するはずの要因である。
【0074】
より詳細には、選択されるべき第一のエピトープは、目的とする生物の個々の分離株で生じる最多数の単一のエピトープであろう。この単一エピトープは、これらの分離株にわたる最大の対象範囲を提供するであろう。第二のエピトープとして選択すべきものを検討する場合、第一エピトープの組み込みでまだ示されていないような分離株に注意が払われるべきである。この様式では、第二エピトープは、これまで例示されていない分離株にわたる最大の対象範囲を提供するために選択されるべきである。この時点で、2つのエピトープが選択されているであろう。これらは、2つのエピトープのみの選択が可能な最良の対象範囲を提供するために選択されているであろう。しかし、まだ示されていない一群の分離株がまだ存在し得る。したがって、第三のエピトープの選択は、まだ示されていないような分離株を扱うべきである。エピトープを選択するこの反復プロセスは、網羅される分離株数に関して、可能な限り高レベルの対象範囲を実現するために続けられるべきである。好ましくは、該プロセスは、既知の各分離株が網羅されるまで続けられるべきである。
【0075】
有利には、全ての分離株が網羅され、そのうえ組成物にさらなるエピトープを組み込む余地がまだある場合、上記のプロセスは、最多数の分離株に対するさらなる免疫学的応答を提供するさらなるエピトープを選択するために続けることができる。このように、個々の分離株に対する二重の反応を発生させることができる。これは、「ダブルヒットアプローチ」と呼ばれることがある。各分離株に対して生じる反応が多ければ多いほど、宿主被験者における防御反応を提供する機会が高まることは明らかである。したがって、エピトープ数及び各分離株に対するヒット数は、より多いことが好ましい。
【0076】
しかし、組成物の調製費用の検討を含む実際的な問題が、この特定の組成物に含まれるエピトープ数に関する制限をある程度決定づける。この制限は、適用ごとに異なるであろう。さらに、少ないエピトープを用いることは、ほとんど常に作製が容易になり、最終的に安価な組成物をもたらす結果となる。さらに、免疫優勢効果の排除、反応のバランスの取りやすさ、及び/又は投与の単純化など、組成物中のエピトープ数及びタンパク質数を減らすうえで技術的利点となる可能性がある。特定の組成物に含まれるエピトープ数に関する実際の制限は、本発明にとっては重要ではない。重要な原則は、エピトープを選択する場合、エピトープが上記に概説されたプロセス、すなわち、防御の対象範囲の最大化が最優先される反復プロセスにより選択されることでる。このように、特定の組成物に含まれるエピトープ数に関する実際の数値的制限が何であれ、この限られたエピトープ数を含有する組成物は、エピトープが本発明により選択されるならば、最大となりうる対象範囲を常に提供するであろう。
【0077】
ゆえに、1つの態様では、特定の組成物に含まれるエピトープ数は、個々のエピトープが選択される前に決定されるであろう。次いで、各個々のエピトープは、各個々のエピトープを組成物に付加することで対象範囲を最大化しながら、上述された通りに選択される。
【0078】
別の態様では、特定の組成物の対象範囲は、組成物に含まれるエピトープ数が決定される前に決定されるであろう。次いで、各個々のエピトープは、所望の対象範囲が得られるまでエピトープを1つずつ付加しながら、上述された通りに選択される。
【0079】
本来、多くの組成物は、所望の対象範囲と、組成物に含まれるエピトープ数の好ましい制限との間で妥協を伴いうる。本発明は、有利には、本明細書で示されるガイダンスに従い、こうした要素のバランスを取ることができる。
【0080】
一般に、組成物が含む抗原が少ないほど、作製、投与及び監視は、より簡素に、より安価になるであろう。したがって、いくつかの態様では、少ないエピトープ数が有利となろう。
【0081】
本発明の複数の態様では、組成物が対象範囲によりデザインされる場合、この対象範囲を実現するためには、より多くのエピトープ数が望ましいことは明らかであり、所望の対象範囲を実現させるため、より少ないエピトープ数が好まれる一般的な傾向とバランスを取るであろう。
【0082】
別の態様では、エピトープは、最良の対象範囲を提供するOpaファミリーを考慮して選択される。このシナリオでは、典型的なエピトープは、特定のエピトープ同一性/配列レベルではなくファミリーレベルで選択される。ゆえに、より一般的な配合計画をデザインすることができる。このアプローチの例は、実施例8(表8b)及び実施例9(表9)に見ることができる。このアプローチは、有利には、少ない個々の成分を伴う幅広い範囲の組成物のデザインを提供する。ゆえに、1つの態様では、本発明は、組成物中の各HV1エピトープが、異なるHV1ファミリー由来である、及び/又は前記組成物中の各HV2エピトープが、異なるHV2ファミリー由来である、少なくとも1つの精製Opa HV1タンパク質エピトープ及び少なくとも1つの精製Opa HV2タンパク質エピトープを含む前記組成物、好ましくはワクチン組成物に関する。
【0083】
組成物は、20個のエピトープ又はこれを超えるエピトープを含むことができる。好ましくは、組成物は18個以下のエピトープ、好ましくは16個以下のエピトープ、好ましくは14個以下のエピトープ、好ましくは12個以下のエピトープ、好ましくは11個以下のエピトープ、好ましくは10個以下のエピトープ、好ましくは9個以下のエピトープ、好ましくは8個以下のエピトープ、好ましくは7個以下のエピトープ、好ましくは6個以下のエピトープ、好ましくは5個以下のエピトープ、好ましくは4個以下のエピトープ、好ましくは3個以下のエピトープを含み、好ましくは組成物は、2個のエピトープを含む。
【0084】
抗原的に可変な抗原/エピトープの定義は(抗原的に保存された抗原と比較して)、当技術分野で良く知られている。例えば、可変抗原は、原型抗原の配列とは1つ又は複数のアミノ酸が異なるものである。この配列の違いの結果、変異体及び原型間の交差反応性が100%未満である抗体反応を誘発する可能性がある。可変抗原は、ヌクレオチド同義置換よりヌクレオチド非同義置換が優位であることによって特徴付けられる。
【0085】
さらなる成分
本発明の製剤は、少なくとも1つの精製Opa HV1エピトープ及び少なくとも1つの精製Opa HV2エピトープを含む。これらの組成物は、例えば、ワクチン組成物などの組成物の効果を改善するため、有利にはさらなる成分を補うことができる。
【0086】
この第三の、又はさらなる成分は、有利にはトランスフェリン結合タンパク質、PorA、FetA、PorB、NspA、外膜タンパク質などの髄膜炎菌の細胞表面成分、又は免疫応答の誘発若しくは増大が可能なその他の構成要素から選択されることができる。好ましくは、第三の、又はさらなる成分は、外膜タンパク質である。好ましくは、第三の、又はさらなる成分は、トランスフェリン結合タンパク質、PorB及びNspAからなるリストから選択される。好ましくは、第三の、又はさらなる成分は、トランスフェリン結合タンパク質又はPorBである。第三の、又はさらなる成分は、PorAではないことが好ましい。第三の、又はさらなる成分は、FetAではないことが好ましい。
【0087】
本発明の組成物は、PorAを含まないことが好ましい。
【0088】
本発明の組成物は、FetAを含まないことが好ましい。
【0089】
本発明の組成物は、基本的にPorA及びFetAの両方を含まないことが好ましい。
【0090】
組成製剤
本発明は、本発明のOpa HV1/HV2エピトープの治療的に効果のある(免疫学的に効果があるなど)量、及び薬学的に許容可能なキャリア、希釈剤又は賦形剤(これらの組合せを含む)を含む、薬学的組成物及び/又はワクチン組成物を提供する。薬学的組成物は、ワクチン組成物であることが好ましい。
【0091】
薬学的組成物は、医学及び獣医学においてヒト又は動物使用のためであることができ、一般的にはいずれか1種又は複数種の薬学的に許容可能な希釈剤、キャリア、又は賦形剤を含むであろう。治療使用のための許容可能なキャリア又は賦形剤は、薬学的技術分野ではよく知られており、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Co.(A.R.Gennaro編、1985年)に記載されている。薬学的キャリア、賦形剤又は希釈剤の選択は、意図された投与経路及び標準的な薬学的慣例を考慮して選択されることができる。薬学的組成物は、キャリア、賦形剤若しくは希釈剤として、あるいはこれらに付加して、任意の適切な結合剤、潤滑剤、懸濁化剤、コーティング剤、可溶化剤を含むことができる。
【0092】
保存料、安定剤、染料及びさらには着香料が、該薬学的組成物において提供されることができる。保存料の例には、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸及びp−ヒドロキシ安息香酸のエステルがある。酸化防止剤及び懸濁化剤もまた使用されることができる。
【0093】
異なる送達システム次第で、異なる組成物/製剤要件がありうる。一例として、本発明の薬学的組成物は、ミニポンプを用いて、又は例えば鼻スプレー若しくは吸入用エアロゾルとして粘膜経路により、又は経口摂取可能な溶液として、又は組成物が、例えば静脈内、筋肉内若しくは皮下経路による送達のため注入可能な形態で配合される、非経口的に摂取可能な溶液により投与されるために配合されることができる。あるいは、製剤は、いくつかの経路で投与されるためにデザインされることができる。
【0094】
薬剤が、消化管粘膜を介して粘膜投与される場合、消化管を通過して移動中に安定な状態のままでなければならない。例えば、タンパク質分解に対し耐性であり、酸性pHで安定しており、胆汁の界面活性作用に対し耐性でなければならない。
【0095】
適切な場合、薬学的組成物は、吸入により、座薬又はペッサリーの形態で、ローション、溶液、クリーム、軟膏又は散布剤の形態で局所的に、皮膚パッチの使用により、スターチ若しくはラクトースなどの賦形剤を含有する錠剤の形態で経口的に、又はカプセル若しくはオーバル(ovule)単独若しくは賦形剤と混合して、又はエリキシル剤の形態で、又は着香剤若しくは着色剤を含有する溶液若しくは懸濁液の形態で投与されることができ、又は薬学的組成物は、例えば静脈内、筋肉内若しくは皮下的に非経口的に注入されることができる。非経口投与では、組成物は、他の物質、例えば溶液を血液と等張にするのに十分な塩又は単糖類を含有することができる滅菌水溶液の形態で、最も良く使用されることができる。口腔投与又は舌下投与では、組成物は、従来型の様式で配合されることができる錠剤又はトローチ剤の形態で投与されることができる。
【0096】
Opaタンパク質は、治療される被験者においてin situで調製されることができる。この点で、前記タンパク質をコードするヌクレオチド配列は、前記タンパク質が、前記ヌクレオチド配列から発現されるように、非ウイルス方法の使用(例えば、リポソームの使用)及び/又はウイルス方法の使用(例えば、レトロウイルスベクターの使用)により送達されることができる。
【0097】
投与
「投与された」という用語には、ウイルス又は非ウイルス方法による送達が含まれる。ウイルス送達メカニズムには、アデノウイルスベクター、アデノ関連ウイルス(AAV)ベクター、ヘルペスウイルスベクター、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、及びバキュロウイルスベクターが含まれるが、これらに限定されない。非ウイルス送達メカニズムには、脂質媒介性トランスフェクション、リポソーム、免疫リポソーム、リポフェクチン、カチオニックフェーシャルアンフィフィル(cationic facial amphiphile)(CFA)及びこれらの組合せが含まれる。
【0098】
本発明の成分は、単独で投与されることができるが、一般には、例えば成分が、意図された投与経路及び標準的な薬学的慣例を考慮して選択される、適切な薬学的賦形剤、希釈剤又はキャリアとの混合剤における場合など、組成物として投与されるであろう。
【0099】
例えば、成分は、短時間放出型、遅延放出型、放出調整型、持続放出型、パルス放出型又は放出制御型の適用のため、着香料又は着色料を含有することができる錠剤、カプセル、オーバル、エリキシル剤、溶液又は懸濁液の形態で投与されることができる。
【0100】
投与が、錠剤を介する場合、錠剤は、微結晶性セルロース、ラクトース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、第二リン酸カルシウム及びグリシンなどの賦形剤、スターチ(好ましくはコーン、ジャガイモ又はタピオカスターチ)、グリコール酸澱粉ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム及び特定のケイ酸複合体などの崩壊剤、並びにポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、スクロース、ゼラチン及びアカシアなどの造粒結合剤を含有することができる。さらに、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、グリセルベヘナート及びタルクなどの潤滑剤を含めることができる。
【0101】
類似タイプの固体組成物は、ゼラチンカプセルにおける充填剤として使用されることもできる。この件に関して好ましい賦形剤には、ラクトース、スターチ、セルロース、乳糖又は高分子量ポリエチレングリコールが挙げられる。水性懸濁液及び/又はエリキシル剤には、薬剤は、さまざまな甘味料又は着香料、有色物質又は染料、乳化剤及び/又は懸濁化剤、並びに水、エタノール、プロピレングリコール及びグリセリンなどの希釈剤、並びにこれらの組合せと併用されることができる。
【0102】
投与(送達)経路には、以下の1種又は複数種の経路が挙げられるが、これらに限定されない:経口(例えば、錠剤、カプセルとして、又は摂取可能な溶液として)、局所、粘膜(例えば、鼻スプレー又は吸入用エアロゾルとして)、経鼻、非経口(例えば、注射剤型により)、消化管、髄腔内、腹腔内、筋肉内、静脈内、子宮内、眼内、皮内、頭蓋内、気管内、膣内、脳室内、脳内、皮下、眼(硝子体内又は前房内を含む)、経皮、直腸、口腔、膣、硬膜外、舌下。
【0103】
好ましい態様では、組成物は注射により送達される。
【0104】
組成物成分の全てが、同じ経路で投与される必要はないことが理解される。同様に、組成物が、1種類を超える有効成分を含むならば、これらの成分は、異なる経路で投与されることができる。
【0105】
本発明の成分が、非経口投与されるならば、このような投与例には、以下の1種又は複数種が挙げられる。静脈内、動脈内、腹腔内、髄腔内、心室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内又は皮下的な成分投与、及び/又は注入法による成分投与。
【0106】
非経口投与では、成分は、他の物質、例えば溶液を血液と等張にするのに十分な塩又はグルコースを含有することができる滅菌水溶液の形態で、最も良く使用される。水溶液は、必要であれば、適切に(好ましくはpH3〜9に)緩衝されるべきである。滅菌条件下での適切な非経口製剤の調製は、当業者には十分に既知の標準的な製薬方法により容易に実現される。
【0107】
適応があれば、本発明の成分は、経鼻又は吸入により投与されることができ、乾燥粉末吸入器又はエアロゾルスプレー形態の形で、加圧容器、ポンプ、スプレー又はネブライザーから、適切な高圧ガス、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロメタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFA 134A(商標))又は1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFA 227EA(商標))などのヒドロフルオロアルカン、二酸化炭素又はその他の適切なガスの使用により送達されることが便利である。加圧エアロゾルの場合、投薬単位は、計量された量を送達するためのバルブを設けることで決定することができる。加圧容器、ポンプ、スプレー又はネブライザーは、例えばエタノール及び加圧ガスの混合物を溶剤として用いて、活性化合物の溶液又は懸濁液を含有することができ、さらに、潤滑剤、例えばトリオレイン酸ソルビタンを含有することができる。吸入器(inhaler)又はガス注入器(insufflator)で使用するためのカプセル及びカートリッジ(例えば、ゼラチン製)は、薬剤及び、ラクトース又はスターチなどの適切な粉末基剤の粉末混合物を含有するように配合されることができる。
【0108】
本発明の成分は、例えば皮膚パッチの使用により、皮膚又は経皮的に投与されることもできる。
【0109】
これらの投与計画には、物質の連続、同時又は併用投与が含まれる。
【0110】
投与レベル
一般的には、医師が、個々の被験者に最適となる実際の投与量を決定するであろう。特定の患者に対する特定の投与レベル及び投薬頻度は異なる可能性があり、使用される特定の化合物活性、代謝安定性及びこの化合物の作用時間、年齢、体重、全般的健康、性別、食生活、投与様式及び投与時間、排出率、及び個人が受けている治療を含むさまざまな要因に依存するであろう。
【0111】
ニーズに応じて、薬剤は、用量0.00001μg/kg体重から5mg/kg体重、好ましくは0.0001μg/kgから5mg/kg、好ましくは0.001μg/kgから1mg/kg、好ましくは、0.01μg/kgから500μg/kg、好ましくは0.02μg/kgから300μg/kgで投与されることができる。組成物は、最大約25μgの各Opa成分を含むことが好ましい。
【0112】
好ましい実施形態では、用量約3μgが、体重約3〜4kgの小児に投与される。
【0113】
本発明による組成物は、基本的に、多糖類莢膜物質及び/又は小胞などの細胞性成分を含まないことが好ましい。
【0114】
本発明によるワクチン組成物は、タンパク質ワクチン組成物であることが好ましい。
【0115】
本発明のワクチン組成物は、アジュバントを含むことが好ましい。当技術分野に既知のいずれの適切なアジュバントも、本発明で使用されることができる。当業者は、アジュバント及び/又はこの量若しくは割合を、求める免疫応答により変えるであろう。このアジュバントは、アルミニウムヒドロゲルであることが好ましい。
【0116】
髄膜炎菌
髄膜炎菌は、多座分離キャラクタリゼーション法(multilocus isolate characterisation methods)により異なる遺伝系統に分類することができ、各系統は、siaD遺伝子の水平交換により1種類を超える血清群に関連付けられる。さらに、髄膜炎菌集団は、多くの遺伝子型を含むのに対し、ST−1複合体(サブグループI)、ST−4複合体(サブグループIV)、ST−5複合体(サブグループIII)、ST−8複合体(クラスターA4)、ST−11複合体(ET−37複合体)、ST−32複合体(ET−5複合体)及びST−44複合体(系統III)の7系統のみが、1960年代以降に報告された大多数の髄膜炎菌性疾患に関与している。これらのクローン系統は、「高侵入性系統」と呼ばれている。
【0117】
髄膜炎菌クローン系統特異的Opaワクチン/組成物の構築
各高侵入性髄膜炎菌系統に対応させるために選択されたOpaタンパク質の組合せを含有する高侵入性系統特異的組成物は、本発明により構築される。
【0118】
概略では、これは、
(i)髄膜炎菌の確定系統に属する個々の分離株からのopa遺伝子の分離と、
(ii)特定の変異体を発現する大腸菌株の構築と、
(iii)Opaタンパク質の精製及び未変性コンフォメーションへのリフォールディングと
を含む方法により行われる。
【0119】
Opaタンパク質成分は、次いで、選択された個々の高侵入性系統の確定opa遺伝子レパートリーに対応する組合せに構築される。
【0120】
免疫応答は、タンパク質が、リポソームへの挿入後、又は界面活性剤ミセル若しくは溶液中で提示されるかどうかで変わりうる。リポソーム小胞への挿入が好ましい。溶液中がより好ましい。当業者は、必要であれば、日常的な試行錯誤により、タンパク質の提示を判定するであろう。
【0121】
水酸化アルミニウム及び/又はモノホスホリルリピッドA(MPLA)アジュバントの存在もまた、免疫応答に影響する。どのアジュバントを使用するか(もしあれば)の選択は、当業者の能力のうちである。子どもにおける使用が認可されたアジュバントが好ましい。水酸化アルミニウムがより好ましい。
【0122】
反応の監視
さまざまな免疫学的方法を、反応を監視するのに使用することができる。ELISAプロトコルは、精製され、リフォールディングされた組換えOpaタンパク質に対する抗体を検出するのに適している。好ましくは、Opa ELISAは、de Jonge MI、Vidarsson G、van Dijken HH、Hoogerhout P、van Alphen L、Dankert J、van der Ley P、“Functional activity of antibodies against the recombinant OpaJ protein from Neisseria meningitidis.”Infect Immun.、2003年5月;71(5):2331〜40頁により、行われる。これらは、ワクチンなどのOpa含有組成物に対する抗体反応のレパートリーを決定するため、及び免疫された被験者由来の血清における抗Opa抗体価を測定するために使用することができる。全細胞ELISAは、Opaタンパク質で免疫化後に誘導された抗体反応を、リポソームのOpaタンパク質により生じたものと比較検討するために使用することができる。血清殺菌性アッセイは、髄膜炎菌のさまざまなクローン系統に対する抗Opa抗体の機能活性を、外因性補体により測定するのに使用することができ、オプソニン食作用アッセイは、免疫化を介して誘導された抗体のこの機能特性を実証するのに使用することができる。
【0123】
静脈血からの髄膜炎菌の生存度をアッセイのエンドポイントに用いたマウス曝露モデルは、本発明の組成物を評価/最適化するのに使用することができる。動物モデルは、髄膜炎菌ワクチン候補の評価には限界があることがよく認識されているが、マウスモデルは、評価及び/又は最適化を可能にする追加データを提供するのに使用することができる。
【0124】
抗Opa抗体の抗接着免疫応答を誘導する能力は、スコア化することができる。本発明は、Opaに媒介された髄膜炎菌のヒト細胞との相互作用を阻害又は低減するのに使用することができる。免疫原性であり、機能的抗体を誘発し、同時に交差防御性でもある(及び鼻咽頭における髄膜炎菌の付着を防止する)ワクチン組成物である組成物が、特に好ましい。
【0125】
さらなる利点
本発明のワクチン組成物などの高侵入性系統特異的Opaタンパク質組成物の利点は、何倍にもなる。例えば、莢膜交換は、莢膜多糖類ベースのワクチンにより、該ワクチンの対象になっていない代替抗原性(多糖類)型と組換え交換することで、発生することができる。血清群Bワクチンの非存在下では、この多糖類型と交換した髄膜炎菌によって引き起こされる疾患は、制御することができない。本発明は、この問題に対処する。
【0126】
同様に、髄膜炎菌ゲノムのシングルコピーに存在する遺伝子にコードされた単一タンパク質の多くの変異体を含有するワクチンの場合、変異及び組換えにより生まれたエスケープ変異体は、ワクチンが失敗に終わる可能性がある。反対に、Opaタンパク質レパートリーなど、系統特異的複数抗原の組合せを標的にすることは、単一抗原に基づくワクチンと比べ、利点を提供する。
【0127】
opa遺伝子の相変異は、各遺伝子座の発現状態に変化をもたらす可能性があるが、系統特異的Opaワクチンには、有利には、全てのopa遺伝座から通常発現されるタンパク質が含まれるため、有利に相変異の効果を排除する。
【0128】
髄膜炎菌のOpaエピトープに対する抗体は、防御免疫を示す殺菌性であることが明らかになっている。さらに、Opaに対する抗体は、このタンパク質が髄膜炎菌接着に重要であることから、鼻咽頭における髄膜炎菌の付着を低減又は阻止することができる。
【0129】
実際、Opaタンパク質は、ヒト癌胎児性抗原細胞接着分子(CEACAM)タンパク質ファミリーN末端領域とのOpaタンパク質の相互作用を介した、髄膜炎菌及びこの宿主間の密着の第一手段である。この相互作用は、ヒト鼻咽頭における髄膜炎菌の保菌の中核をなし、粘膜を介した侵入、すなわち、髄膜炎菌性疾患に先行する発病順番の一ステップにおいて重要な役割を果たす。
【0130】
本発明の組成物は、有利に宿主受容体への付着を阻害する免疫反応を誘発する。
【0131】
本発明は、これから、以下の図を参照して、本発明を説明することを意図した実施例により説明されるが、これらに限定しているものではない。
【0132】
さらに、添付配列表は、本明細書で使用されるopaアレルの配列データを示している。本発明はまた、これらのopaアレル自体にも関する。
【0133】
実施例1:Opaタンパク質の集団構造
この実施例は、Opaタンパク質の組合せにより、髄膜炎菌の高侵入性系統を特異的に標的するワクチンを開発するため、髄膜炎菌の集団生物学からのデータを用いて血清群B髄膜炎菌ワクチンを開発する新規なアプローチを説明する。
【0134】
Opaタンパク質は、遺伝的及び抗原的多様性を示す。この多様性が、構造を持っているかどうかを調べるため、及びこの世代に関わる進化の過程を調べるため、Opaタンパク質における多様性の体系的調査が、髄膜炎菌の集団構造を理論的枠組みに用いて行われた。Opaタンパク質は、分離株あたり3〜4相に変化するopa遺伝子座(opa遺伝子レパートリー)によりコードされ、個々の分離株は、これらのタンパク質を4つの遺伝子座全てから発現する可能性がある。opa遺伝子の多様性レベルは高く、表面に曝露された3つの推定ループに対応する3つの可変領域に局在化することがわかった一方、いくつかのレベルで非ランダムに構造化されていた。7つの主な高侵入性系統では、各系統の世界的、時間的及び遺伝的多様性を示すように選択された分離株により、opa遺伝子レパートリーは、個々のクローン系統の各遺伝子座(ST−32複合体のデータが、実施例として表Aに記載されている)に一貫して存在する特定のアレルと安定した関連性があることがわかった。この構造は、30年にもわたる世界的な蔓延の間も維持され、保菌株(この多くが髄膜炎菌性疾患の症例とは関係のなかった遺伝子型に属する)のコレクションから得られた分離株のopa遺伝子レパートリーにおいても見出された。
【0135】
表Aは、髄膜炎菌の高侵入性ST−32(ET−5)複合体におけるopaアレルの安定した関連性を示している。この実施例の該系統のOpaレパートリーに対応するワクチン組成物のような組換え精製タンパク質組成物は、この表に記載された各opaアレルを含有する。
【0136】
本発明の好ましい実施例では、こうした組成物は、アレルopa96、opa185、opa288、opa147、opa335及びopa218によりコードされたタンパク質を含有するであろう。
【0137】
アレルopa335は、opa185と高度に類似しており、SV領域のみが異なる。ゆえに、この組成物の別の好ましい実施例では、opa335は、該組成物から除外している(opa185は残している)。
【0138】
分離株Z6418は、この系統の確定されたサブクローンを表す。したがって、他の分離株は全て、該組成物により対象とされた少なくとも3つのタンパク質を含有するであろう。
【0139】
【表1】

【0140】
方法:
【0141】
髄膜炎菌分離株コレクション及びopa遺伝子の増幅:高侵入性ST−8、ST−11、ST−32及びST−44複合体は全て、これまでに血清群B莢膜多糖類との関連性が認められており、これら由来の分離株が、本研究に使用するために選択される。全ての分離株は、既存のコレクションから採取され、多座配列タイピング(multilocus sequence typing)(MLST)によりこれまでに特徴が明らかにされた。これらに関するopa遺伝子レパートリーも決定された。遺伝子座特異的PCR増幅は、適切な発現ベクターに挿入するための各opa遺伝子を増幅するのに使用される。
【0142】
Opaタンパク質の調製:Opaタンパク質のクローニング、発現、精製及びリフォールディング方法は、基本的に、Prince SM、Feron C、Janssens D、Lobet Y、Achtman M、Kusecek B、Bullough PA及びDerrick JP(2001年、Acta Crystallogr D Biol Crystallogr.Aug;57(Pt 8):1164〜6頁、“Expression,refolding and crystallization of the OpcA invasin from Neisseria meningitidis.”に記載されている。
【0143】
発現ベクターが構築され、発現タンパク質の精製が行われる。
【0144】
ST−32(ET−5複合体)由来の4つのOpaタンパク質は、精製され、リフォールディングされ、16個未満のタンパク質が、4系統を網羅すると予測される。
【0145】
組成物の調製及び免疫化:精製し、リフォールディングした組換えOpaタンパク質の系統特異的組成物は、免疫化のためにさまざまな製剤に調製される。これらには、精製リフォールディング組換えタンパク質、及びリポソームに組み込まれるタンパク質が含まれる。全ての調製は、アジュバントの水酸化アルミニウムを添加して及び添加せずに使用することができる。
【0146】
マウスは、単一及び複数のクローン系統特異的精製Opa組成物で免疫され、単一及び複数の高侵入性髄膜炎菌系統に対する防御に最も効果のある製剤が決定される。上記の各製剤に対する免疫応答は、7週齢のメスのBALB/cマウスでテストされる。血液試料は、初回免疫する前に尾静脈血により採血される。最適投与量を決定するため、投与量決定予備実験が実施される。1、5、10及び20μgが評価されるであろう。次いで、本発明者は、マウス12匹からなる4群を上記の各製剤で免疫する(各群につき1製剤)。個々のマウスは、0日目に試験を開始してから14日間隔で、各製剤のタンパク質を3回投与される。本発明者は、この結果を、同量のリポソーム小胞又はアジュバント単独で適宜免疫された、12匹の対照マウスからなる群と比較する。マウスは、最終的に、最終免疫後14日目に採血され、血清は調製され、100μlアリコートで−80℃にて保存される。
【0147】
抗Opa抗体の特性解析:抗Opa血清抗体反応は、Opaタンパク質ELISA、全細胞ELISA、血清殺菌性アッセイ、及びS.Romero−Steinerにより発表されたものなど、確立されたプロトコルを用いたフローサイトメトリーオプソニン食作用アッセイ(例えば、S.Steiner、Ph.D.;D.LiButti、B.S.;H.L.Keyserling、M.D.;G.M.Carlone、PhD、疾病対策予防センター及びエモリー大学、アトランタ、GAにより作成された、HL−60分化細胞(前骨髄球性白血病細胞系)を用いた肺炎連鎖球菌のオプソニン食作用ラボラトリープロトコルなど。http://www.vaccine.uab.edu./refer/cdcops3.htmで見ることのできる「ドラフト2.0版」を使用することが好ましい)で特性解析される。本発明のコンテクストでは、肺炎連鎖球菌ではなく髄膜炎菌が使用されることは明らかである。さらに、好ましい実施形態では、NB4細胞がHL−60細胞の代わりに使用される。
【0148】
マウス暴露モデル:免疫原性Opa混合組成物が構築され、上述の免疫原性試験により評価されたら、6〜8週齢のマウスは、14日間隔で候補ワクチン組成物を3回投与して免疫され、2週間後に107コロニー形成単位の高侵入性系統髄膜炎菌に腹腔内曝露された。免疫化の「防御」活性は、尾静脈血からの髄膜炎菌の生存度を、Gorringeら、‘Methods in Molecular Medicine−Meningococcal disease’、Andrew Pollard及びMartin Maiden(編)、Humana Press Inc.、2001年:Chapter 17、“Animal models for meningococcal disease.”、Andrew R.Gorringe、Karen M.Reddin、Pierre Voet及びJan T.Poolman(著)に記載されているものなどの確立されたプロトコルにより、さまざまな時点で比較して評価される。この方法は、感染経過を監視するため、採血し、血液mlあたりの細菌数を決定する改変を加えることが好ましい。
【0149】
実施例1a.髄膜炎菌のST−32クローン複合体に対する精製Opaワクチン
ST−32クローン複合体に対するOpaワクチンは、この系統に属する10分離株のOpaレパートリーの分析に基づき、4つのOpaタンパク質を含有する(表1)。この配合のワクチンは、8/10分離株において各遺伝子座に少なくとも1つのエピトープを含むであろう:7/10分離株における4つのopa遺伝子座全てで8エピトープ(全エピトープの70%)、1つの分離株(opaA及びopaJ遺伝子座のHV1変異体が認識されないであろうZ6418)における4つの遺伝子座で6エピトープ、及び2つの分離株(opaD遺伝子座が認識されないであろうZ4695、及びopaB遺伝子座が認識されないであろうZ4696)における3つの遺伝子座で6エピトープを含む。
【0150】
【表2】

【0151】
実施例2.髄膜炎菌のST−11クローン複合体に対する精製Opaワクチン
ST−11クローン複合体に対するOpaワクチンは、この系統に属する10分離株のOpaレパートリーの分析に基づき、6つのOpaタンパク質を含有する(表2)。この配合のワクチンは、8/10分離株において各遺伝子座に少なくとも1つのエピトープを含むであろう:4/10分離株における4つのopa遺伝子座全てで8エピトープ、4つの分離株における4つの遺伝子座で7エピトープ(分離株Z4242、Z4243におけるopaB遺伝子座のHV1エピトープ、及び分離株Z4323及びZ4631におけるopaJ遺伝子座のHV1エピトープは認識されないであろう)、1つの分離株における3つの遺伝子座で6エピトープ(分離株Z6417におけるopaB遺伝子座は認識されないであろう)、及び残りの分離株における2つの遺伝子座で4エピトープ(分離株Z4765におけるopaB及びopaJ遺伝子座は認識されないであろう)。
【0152】
ST−11複合体(1993年にチェコ共和国から収集)に密接に関係するET−15クローンに属する53分離株の分析は、opaA遺伝子座におけるエピトープの違いを明らかにした。アレルopa83(opaAアレルを決定することができた50/51分離株で示された)は、69分離株のコレクションでは示されなかったSV:3、HV1:5、HV2:18をコードしていた。opaBアレルは、opa34と同じHVエピトープをコードするが(表2)、SV領域が異なりSV3−1をコードするopa11であった。このアレルは、opaBアレルを決定することができた45/49分離株で示された(3分離株のopaB遺伝子座は、挿入要素の存在により分裂されるため、opaBアレルを決定することができなかった)。opaD遺伝子座では、opa132アレルが、opaD配列を決定することができた50/50分離株で示された。opaJ遺伝子座における配列は、このコレクションのいずれのST−11複合体分離株についても決定することはできなかった。
【0153】
【表3】

【0154】
実施例3.髄膜炎菌のST−5クローン複合体に対する精製Opaワクチン
ST−5クローン複合体に対するOpaワクチンは、この系統に属する11分離株のOpaレパートリーの分析に基づき、4つのOpaタンパク質を含有する(表3)。この配合のワクチンは、9/11分離株において各遺伝子座に少なくとも2つのエピトープを含むであろう:9/11分離株における4つのopa遺伝子座全てで8エピトープ、及び残りの2分離株における3つのopa遺伝子座で6エピトープ(分離株Z3524及びZ3771におけるopaB遺伝子座のopa281アレル(SV2−1、HV1:6−1、HV2:9−2、HVRC29)は認識されないであろう)。
【0155】
【表4】

【0156】
実施例4.髄膜炎菌のST−4クローン複合体に対する精製Opaワクチン
ST−4クローン複合体に対するOpaワクチンは、この系統に属する10分離株のOpaレパートリーの分析に基づき、4つのOpaタンパク質を含有するであろう(表4)。このクローン複合体は、opaJ遺伝子座の遺伝子が欠失しているため、3つのopa遺伝子座を有し、それ故、この系統に属する分離株におけるHV領域エピトープの合計数は6である(3遺伝子座、1遺伝子座につき2エピトープ)。この配合のワクチンは、10/11分離株において全遺伝子座に少なくとも1つのエピトープを含むであろう:10/11分離株における3つのopa遺伝子座全てで全6エピトープ、及び残りの分離株であるZ1001(MLST法ではST−4複合体のメンバーであるが、MLEE法ではサブグループIV−1ではなく、血清群A、サブグループIV−2クローンに属する)における3つの遺伝子座で6エピトープ。Z1001では、opaB遺伝子座は認識されないであろう。
【0157】
【表5】

【0158】
実施例5.髄膜炎菌のST−44クローン複合体に対する精製Opaワクチン
ST−44クローン複合体に対するOpaワクチンは、この系統に属する9分離株のOpaレパートリーの分析に基づき、5つのOpaタンパク質を含有するであろう(表5)。この配合のワクチンは、6/9分離株において全opa遺伝子座に少なくとも1つのエピトープを含むであろう:4/9分離株における4つのopa遺伝子座全てで8エピトープ、2つの分離株における4つの遺伝子座で7エピトープ(分離株Z6420におけるopaD遺伝子座のHV1エピトープ、及び分離株Z6422におけるopaB遺伝子座のHV1エピトープは認識されないであろう)、3つの分離株における3つの遺伝子座で6エピトープ(分離株Z6421におけるopaA遺伝子座、並びに分離株Z6423及びZ6427におけるopaJ遺伝子座は認識されないであろう)。
【0159】
【表6】

【0160】
実施例6.髄膜炎菌のST−1クローン複合体に対する精製Opaワクチン
ST−1クローン複合体に対するOpaワクチンは、この系統に属する10分離株のOpaレパートリーの分析に基づき、13のOpaタンパク質を含有するであろう(表6)。11の他のOpaを含まないこの配合のワクチンは、5/10分離株において全遺伝子座に少なくとも1つのエピトープを含むであろう:5/10分離株における4つのopa遺伝子座全てで8エピトープ、1つの分離株における3つの遺伝子座で6エピトープ(分離株Z1099におけるopaA遺伝子座は認識されないであろう)、3つの分離株における3つの遺伝子座で5エピトープ(分離株Z1275におけるopaB遺伝子座及びopaJ遺伝子座のHV2エピトープ、分離株Z1466におけるopaB遺伝子座及びopaA遺伝子座のHV1エピトープ、分離株Z5010におけるopaJ遺伝子座及びopaB遺伝子座のHV2エピトープは認識されないであろう)。残りの分離株、Z1092では、opaJ遺伝子座の2エピトープのみが認識されるであろう。この系統の全ての分離株の全ての遺伝子座で少なくとも1つのエピトープをカバーするには、さらに7Opaが必要となるであろう(アレルopa250、opa96、opa304、opa340、opa298、opa311、opa345)。
【0161】
【表7】

【0162】
実施例7.髄膜炎菌のST−8クローン複合体に対する精製Opaワクチン
ST−8クローン複合体に対するOpaワクチンは、この系統に属する8分離株のOpaレパートリーの分析に基づき、5つのOpaタンパク質を含有するであろう(表7)。この配合のワクチンは、7/8分離株において全遺伝子座に少なくとも1つのエピトープを含むであろう:6/8分離株における4つのopa遺伝子座全てで8エピトープ、1つの分離株における4つの遺伝子座で7エピトープ(分離株Z4671のopaB遺伝子座のHV2エピトープは認識されないであろう)、及び残りの分離株における3つの遺伝子座で6エピトープ(分離株Z6411のopaB遺伝子座は認識されないであろう)。
【0163】
【表8】

【0164】
実施例8a.英国で多く見られる髄膜炎菌の高侵入性クローン複合体に対する精製Opaワクチン(HV1、HV2変異体)
ST−8、ST−11、ST−32及びST−44クローン複合体に対するOpaワクチンは、この系統に属する合計37分離株のOpaレパートリーの分析に基づき、20を超えるOpa(表8aの最も一般的な18Opaを含め)を含有するであろう。
【0165】
【表9】

【0166】
実施例8b.英国で多く見られる髄膜炎菌の高侵入性クローン複合体に対する精製Opaワクチン(HV1、HV2ファミリー)
ST−8、ST−11、ST−32及びST−44クローン複合体に対するOpaワクチンは、この系統に属する合計37分離株のOpaレパートリーの分析に基づき、該配合が、HV1及びHV2変異体ではなくHV(エピトープ)ファミリーをベースにする場合、14Opa(表8b)を含有するであろう。この配合のワクチンは、36/37分離株において全遺伝子座に少なくとも1つのエピトープを含むであろう:31/37分離株における4つのopa遺伝子座全てで8エピトープ、5つの分離株における4つの遺伝子座で7エピトープ(分離株Z4765におけるopaD遺伝子座のHV1エピトープ;分離株Z4671のopaB遺伝子座のHV2エピトープ;分離株Z4695のopaD遺伝子座のHV2エピトープ並びに分離株Z6411及びZ6417におけるopaB遺伝子座のHV2エピトープは認識されないであろう)。残りの分離株、Z6421では、opaA遺伝子座は認識されないであろう。
【0167】
【表10】

【0168】
実施例9.アフリカで多く見られる髄膜炎菌の高侵入性クローン複合体に対する精製Opaワクチン(HV1、HV2ファミリー)
ST−1、ST−4、ST−5及びST−11クローン複合体に対するOpaワクチンは、この系統に属する合計42分離株のOpaレパートリーの分析に基づき、11Opaタンパク質を含有する(表9)。この配合のワクチンは、39/42分離株において全遺伝子座に少なくとも1つのエピトープを認識するであろう。認識されないエピトープは、分離株Z1275、Z5010のopaD遺伝子座、及びZ417のopaB遺伝子座のみとなるであろう。
【0169】
【表11】

【0170】
実施例10:免疫原性及び殺菌効果の実証
上記から明らかになるように、本発明は、精製Opaタンパク質エピトープを含む組成物に関する。特に、本発明は、精製Opaタンパク質エピトープを含む薬学的組成物、好ましくは、精製Opaタンパク質エピトープを含む免疫原性薬学的組成物、及び最も好ましくは、精製Opaタンパク質エピトープを含むワクチン組成物に関する。
【0171】
この実施例では、本発明の組成物による免疫応答の誘導が実証される。ゆえに、組成物の免疫原性が実証される。さらに、最も好ましい実施形態により、殺菌性免疫応答の誘導が実証される。すなわち、本発明のワクチン組成物の有効性が示される。
【0172】
本発明者は、殺菌活性を実証することができた。殺菌活性は、防御の血清学的関連要因である。ゆえに、本発明の組成物により誘導された殺菌活性は、本発明の組成物により生じた防御効果を説明するものである(すなわち、有効なワクチン接種)。
【0173】
実施例2について言えば、髄膜炎菌のST−11複合体を代表する合計6つのOpaタンパク質が選択された。これらは、表2に示されている。
【0174】
この実施例では、本発明者は、髄膜炎菌に対する免疫応答を誘導するためにこうしたタンパク質組成物を使用することの有効性、及び髄膜炎菌に対する防御を誘導するためのワクチン接種における有効性を実証する。この実施例では、マウスにおける安全性及び免疫原性を検討するための前臨床試験で使用される最初のタンパク質は、ST−11複合体分離株38VI由来のOpaBである。
【0175】
この実施例では、分離株38VI由来のOpaBタンパク質は、opaアレル34によりコードされた。このアレルの完全な特性解析の詳細は、次の通りである:opa34:SV:4−3、HV1:18−3、HV2:14−1。
【0176】
6〜8週齢の、メスのBalbCマウス群は、(i)フロインドアジュバント(初回投与では完全フロインドアジュバント、並びに第二回及び第三回投与では不完全フロインドアジュバント)。(ii)フロインドアジュバント中2.5μg OpaB38VI((i)のように投与)のいずれかにより、3週間間隔で3回投与して免疫される。
【0177】
マウスは全て、各マウスから末端の尾静脈血により血清が回収された実験終了時まで生存した。プールされた各マウスからの血清の一部(50μl)を含め、血清は全て70℃未満で保管された。
【0178】
免疫原性は、ELISA(酵素免疫吸着測定法)及びSBA(血清殺菌性抗体)アッセイで検討された。OpaB38VIに対する抗体は、このタンパク質で免疫したマウス由来の血清でELISAにおいて検出されたのに対し、対照血清では抗体反応は検出されなかった。
【0179】
SBA実験では、プールされた血清試料のアリコートが解凍され、補体を不活化するため56℃で30分間過熱され、HBSSで4分の1に希釈された。次いで、これらの試料を16分の1〜16384分の1(最終反応濃度)に連続希釈した後、ベビーウサギの補体(反応の最終濃度:貯蔵物から20分の1に希釈)の存在下で、1000コロニー形成単位(cfu)の分離株38VIと1時間、37℃、5%CO2にてインキュベーションした。
【0180】
初回のSBA実験では、分離株38VIに対する殺菌活性は、16分の1の希釈物では観察されなかった。該活性は、ゆえにより高濃度で試験される。
【0181】
ドットブロット実験は、このOpaタンパク質変異体、又は交差反応する可能性のある変異体の発現は、一連の11種類の疫学的に異なるST−11複合髄膜炎菌由来の他の分離株では高まる可能性があることを示唆した。このコレクションの3つの他のST−11複合体分離株(D1、M597及び0037/93)に対する血清殺菌活性がテストされた。これらの反応条件下で、>256分の1の血清殺菌価が、分離株0037/93及びM597に対して得られた。殺菌活性はまた、分離株D1に対しても観察された。
【0182】
OpaA38VI及びOpaD38VIによる免疫化実験は、OpaBに関する上記のように実施される。血清試料は、同様に回収され分析される。
【0183】
残る3つのST−11タンパク質、OpaBNG P20、OpaA0046/93及びOpaJ38VIによる免疫化が行われる。ST−11複合体髄膜炎菌の代表的なコレクションに対する、安全性の実証及び免疫原性の分析が行われる。
【0184】
これらの実験は、ST11複合体由来の単一Opaタンパク質による免疫化は、複数のST11複合体分離株に対する活性を有する、血清中殺菌性抗体を誘導したことを示す。ゆえに、本発明による組成物については、免疫原性及び防御効果のいずれもが実証される。
【0185】
特に実施例2(表2)を参照して本明細書で開示されたものなどのOpaタンパク質の組合せは、さらに広範な防御も提供する。
【0186】
上記明細書で言及された刊行物は全て、参照により本明細書に組み込まれている。本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の記載された方法及びシステムのさまざまな修正及びさまざまな変更が、当業者には明白であろう。本発明は、特定の好ましい実施形態に関連して説明されたが、請求されている通り、本発明は、こうした特定の実施形態に過度に限定されるべきではないことは理解されなければならない。実際、生化学及びバイオテクノロジー又は関連分野の当業者には明白な、本発明を実施するために記載された様態のさまざまな修正は、上記特許請求の範囲内であることが意図されている。
配列表
>opa34
TATGCCGCCGAACGCATTACCCACAATTATCCGGAACCAACCGGTGCAGACAAAGACAAAATAAGCACAGTAAGCGATTATTTCAGAAACATCCGTGCGCATTCCATCCACCCTCGGGTGTCGGTCGGCTACGACTTCGGCGACTGGAGAATAGCGGCAGATTATGCCAGTTACAGAAAATGGAAAGAAAGTAATTCTTCTACTAATGCAGAAAATAGAGATAATGCAAAAAACTACGTAAAGATTGAAACAAAACATCAAGGAAACGGCAGCTTCCACGCCGCTTCTTCTCTCGGCTTATCCGCCATTTACGATTTCAAACTCAACGATAAATTCAAACCCTATATCGGCGCGCGCGTCGCCTACGGACACGTTAAACATCAGGTTCATTCAGTGGAAACAAAAACCACGACTGTTACCTCTAAACCGACGGCAACCTCTCCACAGGGAGGCCCTATTATACAAACTGATCCCAGCAAACCTCCCTATCACGAAAGCCACAGCATCAGCAGCTTG
>opa77
TATGCCGCCGAACGCATTACCCACGATTATCCGAAAGCAACCGGTGCAAACAACACAAGCACAGTAAGCGACTATTTCAGAAACATCCGTGCGCATTCCATCCACCCCCGGGTGTCGGTCGGCTACGATTTCGGCGGCTGGAGGATAGCGGCAGATTATGCCAGTTACAGAAAATGGAACAACAATAAATATTCCGTAAACACAAAAGAGTTGGAAAGAAACGATAGCAATGGCAACTGGAAAGAACTGAAGACGGAAAATCAGGGAAACGGCAGCTTCCACGCCGCTTCTTCTCTCGGTTTATCCGCCATTTACGATTTCAAACTCAACGATAAATTCGATAAATTCAAACCCTATATCGGTGCGCGCGTCGCCTACGGACACGTTAAACATCAGGTTCATTCGGTGGAAACAGAAACCACGACTGTTTTCAGTAAACCACAAGGCACTACAGTGCCAAGCAAGATCGTATCAAAAGATCCCAGCAAACCTGCCTATCACGAAAGCAACAGCATCAGCAGCTTG
>opa83
TATGCCGCCGAACGCATTACCCACGATTATCCGAAACCAACCGATGCAAACAACACAAGCACAGTAAGCGATTATTTCAGAAACATCCGTGCGCATTCCATCCACCCTCGTGTGTCGGTCGGCTACGACTTCGGCGGCTGGAGAATAGCGGCAGATTATGCCGGTTACAGAAAATGGAACGACAATAAATATTCCGTCAACACAAAAGAGGTGCTAAGAAACAATAGCACTGGCACTGAAAACTGGCAAGAACTGAAGACGGAAAATCAGGAAAACGGCAGCTTCCACGCCGCTTCTTCTCTCGGCTTATCCGCCATTTACGATTTCAAACTCAACGATAAATTCGATAAATTCAAACCCTATATCGGCGCGCGCGTCGCCTACGGACACGTTAAACATCAGGTTCATTCGGTGGAAACAGAAACCACGACTGTTTTCAGTAAACCAAAAGGCACTACAGTGCCAGGCATTATCTCAGAAAAACCGATTAGCAAACCTCCCTATCACGAAAGCAACAGCATCAGCAGCTTG
>opa96
TATGCCGCCGAACGCATTACCCACGATTATCCGCAAGCAACCGGTGCAAACAACACAAGCACGGTAAGCGATTATTTCAGAAACATCCGTGCGCATTCCATCCACCCCCGGGTGTCGGTCGGCTATGATTTCGGCGGCTGGAGAATAGCGGCAGATTATGCCAGTTACAGAAAATGGAAAGAAAGTAATTCTTCTACTAAAAAAGTTACTGAAGAGATAAACAACAACTACAAAGAAACCCAAACAAAACATCAGGGAAACGGCAGCTTCCACGCCGTTTCTTCTCTCGGCTTGTCCGCCATTTACGATTTCAAACTCAACGATAAATTCAAACCCTATATCGGCGCGCGCGTCGCCTACGGACACGTTAAACATCAAGTTCATTCGGTGGAAACAAAAACCACGACTATTACCTCTAAACCAAAGAACGGCTCTCCACAGGGAGGCCCTATTATACAAACTGATCCCAGCAAACCTCCCTATCACGAAAGCCACAGCATCAGCAGCGTG
>opa127
TACGCCGCCGAACGCATTACCCACAATTATCCGGAACCAACCGGTGCAGACAAAGACAAAATAAGCACAGTAAGCGATTATTTCAGAAACATCCGTGCGCATTCCATCCACCCCCGGGTGTCGGTCGGCTACGACTTTGGCGGCTGGAGAATAGCGGCAGATTATGCCCGTTACAGAAAATGGAACAACAATAAATATTCCGTCAACACAAAAAATGTGCAAAAAAACGACAATGGCAACAGGCAAGACCTGAAGACGGAAAATCAGGAAAACGGTACATTCCACGCCGTTTCTTCTCTCGGCTTATCCGCCATTTACGATTTCAAACTCAACGATAAATTCGATAAATTCAAACCCTATATCGGTGTGCGCGTCGCCTACGGACACGTCAGACACAGCATCGATTCGACCAAAAAAACAACAAATGTTGTTACCGTCGCCGGTGCTGCTAACACAGCACCTACGATTTATTATGCACCAGAGACGCAAAACGCCTATCACGAAAGCCACAGCATCCGCCGCTTG
>opa132
TATGCCGCCGAACGTATTACCCACGATTATCCGAAAGCAACCGGTGCAAACAACACAAGCACAGTAAGCGATTATTTCAGAAACATCCGTGCGCATTCCATCCACCCCCGGGTGTCGGTCGGCTACGATTTCGGCGACTGGAGAATAGCGGCAGATTATGCCAGTTACAGAAAATGGAACAACAATAAATATTCCGTCAACACAAAAGAGTTGGAAAACAAGCATAACAATAAGAAAGACCTGAAGACGGAAAATCAGGAAAACGGTACATTCCACGCCGCTTCTTCTCTCGGCTTATCCGCCATTTACGATTTCAAACTCAACGATAAATTCAAACCCTATATCGGTGCGCGCGTCGCCTACGGACACGTCAGACACAGCATCGATTCGACCAAAAAAACAACAGAGGTTGTTACCTCCACCCATGGTGGTGCTGACACAAAACCTACGATTTATAATGGGGAAAGTACGCAAAACGCCTATCACGAAAGCCACAGCATCCGCCGCTTG
>opa145
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>opa147
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>opa304
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>opa311
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【図面の簡単な説明】
【0187】
【図1】Opaタンパク質を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの精製Opa HV1タンパク質エピトープと、少なくとも1つの精製Opa HV2タンパク質エピトープとを含む薬学的組成物。
【請求項2】
少なくとも1つの精製Opa SVタンパク質エピトープをさらに含む、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項3】
前記エピトープは、表A及び表1〜9に記載されたエピトープから選択される、請求項1又は請求項2に記載の薬学的組成物。
【請求項4】
前記エピトープは、表A及び表1〜9から選択される単一の表に記載されたエピトープから選択される、請求項3に記載の薬学的組成物。
【請求項5】
前記単一の表に記載された各エピトープを含む、請求項4に記載の薬学的組成物。
【請求項6】
配列表に示されたOpaアレルによりコードされたエピトープを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
【請求項7】
表A及び表1〜9から選択される単一の表に記載されたOpaアレルによりコードされたエピトープを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
【請求項8】
前記単一の表に記載された各エピトープを含む、請求項7に記載の薬学的組成物。
【請求項9】
トランスフェリン結合タンパク質、PorB、及びNspAからなる群から選択される1種又は複数種の成分をさらに含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
【請求項10】
さらなる前記成分は、トランスフェリン結合タンパク質及びPorBからなる群から選択される、請求項9に記載の薬学的組成物。
【請求項11】
さらなる前記成分は、PorBである、請求項10に記載の薬学的組成物。
【請求項12】
ワクチン組成物である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
opaアレル34によりコードされたOpaBタンパク質を含む、ワクチン組成物。
【請求項14】
表A及び表1〜9から選択される単一の表に示されたOpaエピトープの組合せを含む、組成物。
【請求項15】
請求項1〜11のいずれか一項に記載されたOpaエピトープの組合せを含む、組成物。
【請求項16】
ワクチン組成物である、請求項14又は15に記載の組成物。
【請求項17】
外膜小胞ワクチンである、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
OpaA、OpaB、OpaD、及びOpaJからなる群から選択される少なくとも1つの精製タンパク質を含む、請求項1〜11又は14〜17のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
OpaA、OpaB、OpaD、及びOpaJからなる群から選択される少なくとも2つの精製タンパク質を含む、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
OpaA、OpaB、OpaD、及びOpaJからなる群から選択される少なくとも3つの精製タンパク質を含む、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
精製されたOpaA、OpaB、OpaD、及びOpaJタンパク質を含む、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)の感染に対して被験者を免疫する方法であって、請求項1〜21のいずれか一項に記載の組成物の有効量を前記被験者に投与することを含む、方法。
【請求項23】
髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)に対する免疫応答を被験者に誘導する方法であって、請求項1〜21のいずれか一項に記載の組成物の有効量を前記被験者に投与することを含む、方法。
【請求項24】
髄膜炎菌(N.meningitidis)のOpaタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む、単離された核酸であって、
前記核酸の配列は、配列表に示されたOpaアレルの配列から選択される、核酸。

【図1】
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【公開番号】特開2013−32364(P2013−32364A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−206193(P2012−206193)
【出願日】平成24年9月19日(2012.9.19)
【分割の表示】特願2007−547652(P2007−547652)の分割
【原出願日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(504387827)アイシス・イノヴェイション・リミテッド (7)
【Fターム(参考)】