説明

給排気装置

【課題】逆風に強く外壁を焦がしたり変色させる心配がなく、安心して使用出来る給排気装置を提供する。
【解決手段】壁2を貫通し屋外に突出した先端周壁に形成した複数の排気口7から排気ガスを排出する排気管4と、該排気管4との間に給気通路6を形成する給気管1との二重管から成るもので、前記排気管4の先端には、間隔を開けて排気口7を覆う中空筒状の暴風筒11を備えたので、排気口7から放出される排気ガスが暴風筒11にぶつかって、前方へ向かって放出されることとなり、排気口7の近傍に外壁があったとしても、排気方向が暴風筒11で変えられ、建物の外壁を焦がしたり変色させる危険がなく、安心して使用出来るものであり、更に暴風筒11によってどの方向からの逆風でも直接排気口7に作用せず、暴風筒11で遮断されて排気はスムーズに行われるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、建物の壁に取り付けられ、室内の燃焼器具と屋外とを連通して、燃焼後の排気ガスを屋外に放出すると共に、屋外の新鮮な空気を燃焼空気として燃焼器具に供給する給排気装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よりこの種のものでは、壁を貫通して排気口及び給気口を屋外に突出し、燃焼後の排気ガスを屋外に排出すると共に、燃焼用の空気を屋外より給気するものであった。(例えば、特許文献1参照。)
【特許文献1】特開平5−26431号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところでこの従来のものでは、色々な設置場所があり、例えば排気口の近傍に建物の外壁がある場合には、排気口から放出する排気ガスによって、外壁が焦げたり変色する危険があり、又逆風対策は施されておらず、色々な方向からの逆風を受けて排気が出来なくなると言う問題点も有するものであった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明はこの点に着目し上記欠点を解決する為、特にその構成を、壁を貫通し屋外に突出した先端周壁に形成した複数の排気口から排気ガスを排出する排気管と、該排気管との間に給気路を形成する給気管との二重管から成るものに於いて、前記排気管の先端には、間隔を開けて排気口を覆う中空筒状の暴風筒を備えたものである。
【0005】
又請求項2では、前記暴風筒は、先端に向かって徐々に細くなる形状としたものであり、又請求項3では、前記暴風筒の後端と給気口との間には、所定間隔を設けたものである。
【発明の効果】
【0006】
この発明によれば、排気口から放出される排気ガスが暴風筒にぶつかって、前方へ向かって放出されることとなり、排気口の近傍に外壁があったとしても、排気方向が暴風筒で変えられ、建物の外壁を焦がしたり変色させる危険がなく、安心して使用出来るものであり、更に暴風筒によってどの方向からの逆風でも直接排気口に作用せず、暴風筒で遮断されて排気はスムーズに行われるものである。
【0007】
又暴風筒を先端に向かって徐々に細くなる形状としたことで、正面からの逆風が流入して内壁に案内されて広がり流速が遅くなって、後端の所定間隔から放出されて、排気口には作用しないものであり、更に排気ガスは逆に細くなるに従って流速を増し、逆風に負けることなく、勢い良く暴風筒から前方へ放出されるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
次にこの発明の一実施形態を図1に基づいて説明する。
1は給気管で、壁2に穿った貫通穴3に基端を屋内に位置させ、且つ先端が貫通穴3より僅かに屋外へ突出させた円筒状のもので、壁2の貫通穴3に貫通して固定されている。
【0009】
4は排気管で、基端が屋内に位置し、且つ先端部が給気管1の先端より前方へ突出し、給気管1の内側に同心状に固定保持される円筒状のもので、その内側に燃焼器具(図示せず)からの排気ガスを通す排気通路5を形成し、排気管4と給気管1との間に形成される隙間により給気通路6を形成して燃焼器具に燃焼用空気を供給している。
【0010】
7は排気管4の先端外周に形成された複数の縦孔から成る排気口で、この排気口7の下方には傘状の仕切りフランジ8が取付けられており、該仕切りフランジ8の内方には給気管1の端部が開口して給気口9を形成し、ショートサーキットを防止するものであり、又排気口7と対向する排気管4内方には、流入してきた排気ガスを排気口7に案内する凹状の排気案内板10が備えられている。
【0011】
11は排気口7外周を覆う両端開放で筒状の暴風筒で、排気口7の先端側2/3と対向し、仕切りフランジ8との間には10mm〜20mmの所定間隔Aが形成され、正面からの逆風時に該逆風がスムーズに抜けて風圧が上昇せず、且つ正面から排気ガスが排気される丁度良い間隔に設定しているものである。
【0012】
12は給気管1の先端部外周に取付けられた固定フランジで、壁2の外面に接して位置決めを行うもので、その外周で仕切りフランジ8から外れて正面からの逆風を直接受ける位置には、凹状の給気圧受け13を設けたものである。
【0013】
次にこの図1に示す一実施形態の作動について説明する。
燃焼器具の燃焼で発生した排気ガスは、内方の排気通路5を通り、そして先端部分で排気案内板10に案内され複数の排気口7から放出して、暴風筒11の先端から排気されるものであり、一方給気口9からは屋外の新鮮な空気が給気され、給気通路6を介して燃焼器具に燃焼用空気を供給するものである。
【0014】
ここで排気口7の周囲に外壁がある場合にも、該排気口7から放出される排気ガスは暴風筒11の内壁にぶつかり、そのまま暴風筒11に案内されて該暴風筒11の前面開放から前方へ排出されるので、周囲の外壁に排気ガスが直接接触することがなく、外壁が焦げたり変色する危険もないものであり、安心して使用出来るものである。
【0015】
更に排気中に正面以外からの逆風が発生した場合には、暴風筒11によって排気口7が保護され直接排気口7に逆風が作用することがなく、ただ所定間隔Aから逆風が暴風筒11内に流入するが、この風は暴風筒11の前面開放へ向かう風となって、排気を案内する風ととなるが抑制する風とはならず、良好な排気が行われるものである。
【0016】
又排気中に正面からの逆風が発生した場合には、逆風が暴風筒11の正面から流入するが、この暴風筒11他端の所定間隔Aからスムーズに抜け、暴風筒11内を高圧状態にすることがないので、排気ガスも抜け易いものであり、更にこの逆風を外周に張り出した給気圧受け13も同時に受けて、逆風圧は給気口9にも同じようにして作用し、排気を抑制する排気圧と該排気を後押しする給気圧とが同圧となり、排気ファン(図示せず)の送風力で容易に排気が行われることとなるものである。
【0017】
次に他の実施形態を図2で説明するが、図1と同様な部分については同一の符号を付し、相違点のみを説明するものである。
14は排気口7外周を覆う両端開放で、先端に向かって徐々に細くなる形状とした筒状の暴風筒で、排気口7の先端側2/3と対向し、仕切りフランジ8との間には10mm〜20mmの所定間隔Aが形成され、正面からの逆風時に該逆風がスムーズに抜けて風圧が上昇せず、且つ正面から排気ガスが排気される丁度良い間隔に設定しているものである。
又給気受け13が取り付けられていないものである。
【0018】
この他の実施形態の作動では、正面からの逆風時が図1のものと相違するもので、正面からの逆風では、暴風筒14の細くなった前面開放から流入した逆風が広い他端開放の所定間隔Aから流出する時に、暴風筒14の外壁に沿って外に広がりながら流れる風に流出が抑えられことがなく、同じ方向に流れるので更にスムーズな流が得られ、排気ガスの放出の邪魔となることがないものであり、更に排気口7からの排気ガスは、先端に近ずくに従いその流速が増加されて、排気が逆風に抑えられることなくスムーズに行われ、良好で確実な排気が常に行えるものである。
【0019】
排気口から放出される排気ガスが暴風筒11、14にぶつかって、前方へ向かって放出されることとなり、排気口7の近傍に外壁があったとしても、排気方向が暴風筒11、14で変えられ、建物の外壁を焦がしたり変色させる危険がなく、安心して使用出来るものであり、更に暴風筒11、14によってどの方向からの逆風でも直接排気口7に作用せず、暴風筒11、14で遮断されて排気はスムーズに行われるものである。
【0020】
又暴風筒14を先端に向かって徐々に細くなる形状としたことで、正面からの逆風が流入して内壁に案内されて広がり流速が遅くなって、後端の所定間隔から放出されて、排気口7には作用しないものであり、更に排気ガスは逆に細くなるに従って流速を増し、逆風に負けることなく、勢い良く暴風筒14から前方へ放出されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】この発明の一実施形態を示す給排気装置の概略説明図。
【図2】他の実施形態を示す給排気装置の概略説明図。
【符号の説明】
【0022】
1 給気管
2 壁
4 排気管
6 給気通路
7 排気口
11、14 暴風筒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁を貫通し屋外に突出した先端周壁に形成した複数の排気口から排気ガスを排出する排気管と、該排気管との間に給気路を形成する給気管との二重管から成るものに於いて、前記排気管の先端には、間隔を開けて排気口を覆う中空筒状の暴風筒を備えた事を特徴とする給排気装置。
【請求項2】
前記暴風筒は、先端に向かって徐々に細くなる形状とした事を特徴とする給排気装置。
【請求項3】
前記暴風筒の後端と給気口との間には、所定間隔を設けた事を特徴とする給排気装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−125788(P2006−125788A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−317436(P2004−317436)
【出願日】平成16年11月1日(2004.11.1)
【出願人】(000000538)株式会社コロナ (753)