給湯機

【課題】給湯機本体とリモコンとの間の通信成功率を表示する給湯機を提供する。
【解決手段】給湯機本体1と、給湯機本体1を遠隔操作するリモコン4と、給湯機本体1とリモコン4とを通信可能に接続する通信線30とを備え、給湯機本体1とリモコン4との間で通信を行う給湯機であって、給湯機設置後の試運転時において、給湯機本体1とリモコン4との間で通信試験を行い、その結果として給湯機本体1とリモコン4との間の通信成功率をリモコン4の表示部32に表示したことで、給湯機設置後の試運転の段階で給湯機本体1とリモコン4との間の通信状態を把握でき、さらに、通信成功率が所定割合以下の場合は異常と判断し、通信線30を見直させる旨の内容をリモコン4の表示部32に表示したことで、試運転を行っている者に、通信線30の見直しを図らせ、ユーザが給湯機の使用を開始した後に起こりうる通信エラーといった不具合を未然に防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、給湯機本体とリモコンとの間で通信を行う給湯機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の給湯機においては、給湯機本体と、給湯機本体を遠隔操作するリモコンとを備え、通信線を介して給湯機本体とリモコンとを有線接続し、給湯機本体とリモコンとの間で通信を行うものがあった。(例えば、特許文献1参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−32765号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この従来のものは、給湯機を設置した後、試運転時にリモコンの動作を確認して給湯機本体とリモコンとの間で通信が行われているかどうか確認するものであるが、給湯機本体とリモコンとを接続する通信線として、前の給湯機で使用していた通信線を再利用するというように古いものを使用したり、また、新しいものであっても細いものを使用したりすると、通信エラーまではいかないが、給湯機本体とリモコンとの間での通信がぎりぎりで成立している状態となっている場合がある。
【0005】
多くの場合、通信に不良があったとしても、何回かはリトライ動作が実行され、動作を継続させる制御とされており、リトライ動作の中で通信が成功すれば、通信が成立していることになる。しかし、リモコンの動作を見ただけでは、どの程度の割合で通信が成功しているのか表面上は分からず、仮に給湯機本体とリモコンとの間での通信がぎりぎりで成立している状態でユーザに引き渡してしまった場合、ユーザが給湯機の使用を開始した後で通信エラーといった不具合を生じるおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、この発明は上記課題を解決するために、特に請求項1ではその構成を、給湯機本体と、該給湯機本体を遠隔操作するリモコンと、前記給湯機本体と前記リモコンとを通信可能に接続する通信線とを備え、前記給湯機本体と前記リモコンとの間で通信を行う給湯機であって、前記給湯機設置後の試運転時において、前記給湯機本体と前記リモコンとの間で通信試験を行い、その結果として前記給湯機本体と前記リモコンとの間の通信成功率を前記リモコンの前記表示部に表示するものとした。
【0007】
また、請求項2では、前記通信成功率が所定割合以下の場合は異常と判断し、前記通信線を見直させる旨の内容を前記リモコンの前記表示部に表示するものとした。
【発明の効果】
【0008】
この発明の請求項1によれば、給湯機本体とリモコンとの間で通信試験を行い、その結果として給湯機本体とリモコンとの間の通信成功率をリモコンの表示部に表示することで、これまで給湯機設置後の試運転の段階で把握できなかった給湯機本体とリモコンとの間の通信状態を把握できるものである。
【0009】
また、請求項2によれば、通信成功率が所定割合以下の場合は異常と判断し、通信線を見直させる旨の内容をリモコンの表示部に表示することで、給湯機を設置し試運転を行っている者に、通信線を新しいものに変更する、太いものに変更する等の通信線の見直しや改善を図らせることができ、ユーザが給湯機の使用を開始した後で起こりうる通信エラーといった不具合を未然に防止することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の給湯機の一実施形態の概略構成図。
【図2】同一実施形態の要部ブロック図。
【図3】同一実施形態の試運転時の通信動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の給湯機の一実施形態について図1、図2に基づき説明する。
1は湯水を貯湯する貯湯タンク2を有した給湯機本体、3は台所や洗面所等に設けられた給湯栓、4は給湯機本体1を遠隔操作するリモコン、5は浴槽である。
【0012】
6は貯湯タンク2の下部に接続され貯湯タンク2に給水する給水管、7は給水管6途中に設けられ給水圧を所定の圧力まで減圧する減圧弁、8は貯湯タンク2の上部に接続され貯湯タンク2の上部から高温の湯を取り出す出湯管である。
【0013】
9は減圧弁7より下流側で給水管6から分岐した給水バイパス管、10は出湯管8からの高温の湯と給水バイパス管9からの水とを設定温度になるように内部の弁体(図示せず)の弁開度を調整して混合する混合弁、11は混合弁10で混合された湯を給湯栓3に供給する給湯管、12は混合弁10で混合後の湯の温度を検出する給湯温度センサ、13は給湯流量をカウントする給湯流量センサである。
【0014】
14は貯湯タンク2内の上部に設置され、浴槽5の浴槽水を貯湯タンク2内の湯水と熱交換して加熱するための風呂熱交換器、15は浴槽5と風呂熱交換器14とを接続する風呂往き管16および風呂戻り管17からなる風呂循環回路、18は風呂戻り管17に備えられ、浴槽5内の浴槽水を風呂戻り管17を介して風呂熱交換器14に送り、風呂熱交換器14を通過した浴槽水を風呂往き管16を介して浴槽5内に戻すように循環させる風呂循環ポンプである。
【0015】
19は風呂戻り管17に設けられ流水の有無を検知する流水スイッチ、20は風呂戻り管17に設けられ浴槽5から流出し風呂熱交換器14に流入する浴槽水の温度を検出する風呂温度センサ、21は風呂戻り管17に設けられ浴槽水の水圧から浴槽5内の水位を検出する水位センサである。
【0016】
22は風呂熱交換器14をバイパスして風呂往き管16と風呂戻り管17とを接続する風呂バイパス管、23は風呂バイパス管22と風呂戻り管17との接続部に設けられ、風呂戻り管17のみから浴槽5に注湯させる片搬送状態と風呂往き管16と風呂戻り管17との両方から浴槽5に注湯させる両搬送状態とに切換可能な風呂三方弁である。
【0017】
24は出湯管8から分岐して風呂循環回路15に接続され、貯湯タンク2内の湯水を浴槽5へ注湯する湯張り管、25は湯張り管24を開閉し浴槽5への注湯の開始、停止を行う開閉弁としての湯張り電磁弁、26は浴槽5への注湯量をカウントする風呂流量センサ、27は浴槽5の浴槽水が逆流するのを防止する二重に配設した逆止弁である。
【0018】
28は貯湯タンク2内の湯水を加熱する加熱手段としての電熱ヒータである。ここでは、加熱手段の一例として電熱ヒータを適用したが、加熱手段はヒートポンプ式の加熱手段、灯油やガスを燃料とする燃焼バーナであってもよいものである。
【0019】
29は給湯機本体1内の給湯温度センサ12、給湯流量センサ13、流水スイッチ19、風呂温度センサ20、水位センサ21、風呂流量センサ26の入力を受け、混合弁10、風呂循環ポンプ18、風呂三方弁23、湯張り電磁弁25の駆動を制御すると共に、リモコン4とデータの通信を行う本体制御部、30は給湯機本体1とリモコン4とを通信可能に接続する通信線である。
【0020】
前記リモコン4には、給湯機本体1を操作指示するためのスイッチからなる操作部31と、給湯機本体1との通信に基づき給湯機本体1の状態を示す表示部32と、操作部31と表示部32を制御すると共に、給湯機本体1とデータの通信を行うリモコン制御部33とが備えられているものである。
【0021】
次に、図1、図2に示す給湯機設置後の試運転時における特徴的な動作を図3に示すフローチャートを用いて説明する。
今、給湯機本体1を設置し、リモコン4を屋内の所定の位置に取り付け、給湯機本体1とリモコン4と通信線30で接続して、給湯機を設置して電源を入れた後、本体制御部29は、本体制御部29に設けられた試運転スイッチ(図示せず)が押圧操作されたか否か判断し(ステップS1)、試運転スイッチが操作されたと判断すると、その旨の信号をリモコン制御部33に送信し、リモコン制御部33はリモコン4の表示部32を図中(a)に示すような通信成功率を表示する画面に切り替える(ステップS2)。
【0022】
ここで、本体制御部29はリモコン制御部33に対して応答要求信号を送信し、リモコン制御部33がその応答要求信号を受信すると、リモコン制御部33は応答要求信号を受信した旨の返答信号を本体制御部29に対して送信し、本体制御部29が返答信号を受信するといった、給湯機本体1とリモコン4との間で通信試験を行い、通信試験の結果に基づき給湯機本体1とリモコン4との間の通信成功率を算出するものであり、ここでは、一秒当たり本体制御部29から送信された応答要求信号数と、その応答要求信号に対してリモコン制御部33から送信された返答信号を本体制御部29が受信した返答信号受信数とに基づき、通信成功率(%)=返答信号受信数÷応答要求信号数により通信成功率を算出するものである(ステップS3)。
【0023】
前記ステップS3において、本体制御部29で算出された通信成功率は、本体制御部29からリモコン制御部33へデータ送信され、リモコン制御部33は受信したデータを基に、前記通信試験の結果として、リモコン4の表示部32に図中(b)に示すような通信成功率を表示させるものである(ステップS4)。
【0024】
そして、本体制御部29は、リモコン制御部33に対して送信した応答要求信号が所定回数、例えば1000回に到達したか否か判断し(ステップS5)、応答要求信号が1000回に到達していない場合は、応答要求信号が1000回に到達するまで、前記ステップS3、前記ステップS4の処理を繰り返し行い、応答要求信号が1000回に到達したと判断すると、そこで通信成功率を確定するものである(ステップS6)。
【0025】
続いて、本体制御部29は、前記ステップS6で確定した通信成功率が所定割合、例えば30%より高いか否か判断し(ステップS7)、確定した通信成功率が30%より高いと判断したら正常と判断し、本体制御部29は確定した通信成功率をリモコン制御部33へデータ送信し、リモコン制御部33は受信したデータに基づき、リモコン4の表示部32に図中(c)に示すような、確定した通信成功率と、通信に異常がなく正常である旨の内容とを交互に表示させるものである(ステップS8)。
【0026】
一方、前記ステップS7において、確定した通信成功率が所定割合(30%)以下であると本体制御部29が判断したら異常と判断し、本体制御部29は確定した通信成功率をリモコン制御部33へデータ送信し、リモコン制御部33は受信したデータに基づき、リモコン4の表示部32に図中(d)に示すような、確定した通信成功率と、通信に異常があり通信線30を見直させる旨の内容とを交互に表示させるものである(ステップS9)。また、表示と併せて警告音を発してもよいものである。
【0027】
なお、前記ステップS8の正常表示、または前記ステップS9の異常表示が表示部32になされている状態で、リモコン4の操作部31による操作が行われた場合は、給湯設定温度等が表示される通常状態の表示に戻るものである。
【0028】
以上説明した給湯機設置後の試運転時において、給湯機本体1とリモコン4との間で通信試験を行い、その結果としての通信成功率をリモコン4の表示部32に表示することで、これまで給湯機設置後の試運転の段階で把握できなかった給湯機本体1とリモコン4との間の通信状態を把握できるものであり、通信成功率が所定割合以下であると本体制御部29が判断した場合、リモコン4の表示部32に通信に異常があり通信線30を見直させる旨の内容を表示させることで、給湯機を設置し試運転を行っている者に、通信線30を新しいものに変更する、または通信線30を太いものに変更する等の通信線30の見直しや改善を図らせることができ、ユーザが給湯機の使用を開始した後で起こりうる、給湯機本体1とリモコン4の間で通信できなくなる通信エラーといった不具合を未然に防止することができるものである
【0029】
なお、本発明は先に説明した一実施形態に限定されるものではなく、本実施形態では、本体制御部29はリモコン制御部33に対して応答要求信号を所定回数(例えば1000回)送信を条件として、そこで通信成功率を確定するようにしたが、前記条件は通信成功率を算出する際の分母となる応答要求信号の送信数がある程度の数が確保できるものであればよく、本体制御部29はリモコン制御部33に対して所定時間、例えば1分間応答要求信号を送信し、1分経過を条件として、そこで1分間の応答要求信号数に対する1分間の返答信号受信数をもって通信成功率を確定するようにしてもよいものである。
【0030】
また、本実施形態では、給湯機本体1にはリモコン4が1つしか接続されていないが、給湯機本体1にリモコン4が複数接続されたものであってもよく、例えば、第1リモコンと第2リモコンの2台のリモコンが給湯機本体1と接続された場合、給湯機設置後の試運転時に、第1リモコンおよび第2リモコンの各々のリモコンが給湯機本体1とそれぞれ通信試験を行い、第1リモコンの表示部には、給湯機本体1と第1リモコンとの通信成功率を表示し、第2リモコンの表示部には、給湯機本体1と第2リモコンとの通信成功率を表示することで、これまで給湯機設置後の試運転の段階で把握できなかった給湯機本体1と各々のリモコンとの間の通信状態をリモコン毎に把握できるものであり、また、本体制御部29がリモコン毎に通信成功率が所定割合以下か否かを判断することで、通信に異常があった場合に、どのリモコンで通信に異常があるかを容易に見分けることができ、給湯機を設置する者に、異常がある方のリモコンの通信線30を新しいものに変更したり、太い者に変更する等の通信線30の見直しや改善を図らせることができ、ユーザが給湯機の使用を開始した後で起こりうる通信エラーといった不具合を未然に防止することができるものである。
【0031】
また、本実施形態では、試運転を開始させる試運転スイッチを本体制御部29に設けた構成としたが、リモコン4の操作部31に試運転スイッチを設けた構成であってもよく、また、操作部31に設けられたスイッチの長押しによって試運転スイッチの機能を発揮するような構成のものであってもよく、さらに、操作部31に設けられた複数のスイッチの同時押しにより試運転スイッチの機能を発揮するような構成のものであってもよいものである。
【0032】
また、本実施形態では、貯湯タンク2内の湯水を電熱ヒータ28で加熱する電気温水器を給湯機本体1としたが、給湯機本体1はヒートポンプ式の給湯機や石油給湯機やガス給湯機でもよく、特に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0033】
1 給湯機本体
4 リモコン
30 通信線
32 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給湯機本体と、該給湯機本体を遠隔操作するリモコンと、前記給湯機本体と前記リモコンとを通信可能に接続する通信線とを備え、前記給湯機本体と前記リモコンとの間で通信を行う給湯機であって、前記給湯機設置後の試運転時において、前記給湯機本体と前記リモコンとの間で通信試験を行い、その結果として前記給湯機本体と前記リモコンとの間の通信成功率を前記リモコンの表示部に表示するようにしたことを特徴とする給湯機。
【請求項2】
前記通信成功率が所定割合以下の場合は異常と判断し、前記通信線を見直させる旨の内容を前記リモコンの前記表示部に表示するようにしたことを特徴とする請求項1記載の給湯機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−108703(P2013−108703A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255683(P2011−255683)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(000000538)株式会社コロナ (753)