説明

給湯装置

【課題】湯水の貯湯量が不足すること及び湯水が貯湯槽で長期間放置されることを抑制して、エネルギ効率を向上させることが可能な給湯装置を提供する。
【解決手段】貯湯槽4に湯水を貯湯して浴槽32への給湯に使用するために貯湯手段Hの運転を制御する運転制御手段7が設けられている給湯装置であって、浴槽への給湯熱負荷実績量を参照する給湯熱負荷予測量導出条件に基づいて給湯熱負荷予測量を導出して、給湯熱負荷予測量以上の湯水を貯湯槽に貯湯するように貯湯手段の運転を制御し、且つ、給湯指令に応じて行われた実際の給湯量と給湯熱負荷予測量とを比較して、その比較結果に基づいて給湯熱負荷予測量導出条件を補正するように構成され、給湯熱負荷予測量導出条件は、基準日から近い過去の給湯熱負荷実績量と基準日から遠い過去の給湯熱負荷実績量とに夫々重み付けを行って、給湯熱負荷予測量を導出するように設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯湯槽に湯水を貯湯して浴槽への給湯に使用するために貯湯手段の運転を制御する運転制御手段が設けられている給湯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる給湯装置としては、1日24時間の内の1時間毎の給湯熱負荷実績量を計測し、その実績量に基づいて予測対象とする1時間毎の給湯熱負荷予測量を導出した上で、予測対象とした時刻(給湯予測時刻)よりも設定余裕時間前(例えば、18時の給湯予測時刻よりも1時間前)に貯湯槽に給湯熱負荷予測量の湯水が貯湯されるように貯湯手段の運転を制御するように構成されたものがある。上記設定余裕時間を設けているのは、給湯予測時刻よりも早い時刻に浴槽への給湯が指令されたとしても、その時点で貯湯槽への貯湯が完了しており、即座に貯湯槽から浴槽への給湯を行うことができるようにするためである。また、給湯予測時刻における給湯熱負荷予測量と実際の給湯熱負荷実績量との偏差に対して一定の係数を乗算し、その積を上記給湯熱負荷予測量に加算して翌日の給湯熱負荷予測量を予測している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−5525号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の給湯装置では、給湯予測時刻よりも早い時刻に浴槽への給湯が指令されたとしても、それが上記設定余裕時間内であれば補助熱源装置などの運転を行わずに即座に貯湯槽から浴槽への給湯を行うことができるのだが、上記設定余裕時間を設けたことにより、貯湯されている湯水の温度低下の温度低下による放熱損失が、貯湯槽への貯湯完了後から給湯が開始されるまでの間の長さに応じた大きさで発生することになる。そして、設定余裕時間が長すぎる場合には、貯湯槽への貯湯完了後から給湯が開始されるまでの間に、貯湯されている湯水の温度低下が発生することによる放熱損失が大きくなるという問題がある。
【0005】
また、従来の給湯装置では、前日の給湯予測時刻における給湯熱負荷予測量と前日の実際の給湯熱負荷実績量との偏差に対して一定の係数を乗算し、その積を前日の給湯熱負荷予測量に加算して当日の給湯熱負荷予測量を予測するように構成されている。つまり、給湯熱負荷予測量を導出するための給湯熱負荷予測量導出条件は一定であり、単に給湯熱負荷予測量を前日の給湯熱負荷実績量に近づけているだけである。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、湯水の貯湯量が不足すること及び湯水が貯湯槽で長期間放置されることを抑制して、エネルギ効率を向上させることが可能な給湯装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明に係る給湯装置の第1特徴構成は、貯湯槽に湯水を貯湯して浴槽への給湯に使用するために貯湯手段の運転を制御する運転制御手段が設けられている給湯装置であって、前記運転制御手段が、前記浴槽への給湯実績時刻に基づいて給湯予測時刻を導出して、前記給湯予測時刻の設定余裕時間前に前記貯湯槽への湯水の貯湯を完了するように前記貯湯手段の運転を制御し、且つ、給湯指令に応じて行われた実際の給湯時刻と前記給湯予測時刻とを比較して、その比較結果に基づいて前記設定余裕時間を変更するように構成されている点にある。
【0008】
上記第1特徴構成によれば、運転制御手段が、浴槽への給湯実績時刻に基づいて給湯予測時刻を導出して、給湯予測時刻の設定余裕時間前に貯湯槽への湯水の貯湯を完了するように貯湯手段の運転を制御し、且つ、給湯指令に応じて行われた実際の給湯時刻と給湯予測時刻とを比較して、その比較結果に基づいて設定余裕時間を変更するように構成されていることで、比較結果に基づいて設定余裕時間が長く変更されたときには、実際の給湯時刻が給湯予測時刻よりも時間的に前に現れたとしても、その時点で既に貯湯槽への貯湯が完了されている確率を高くなるので、湯水の貯湯量が不足した場合に補助熱源装置などを追加で運転する必要が無くなり、及び、比較結果に基づいて設定余裕時間が短く変更されたときには、貯湯槽への貯湯が完了されてから実際の給湯時刻までの時間を短くなるので、湯水が貯湯槽で長期間放置されている間に湯水の温度が低下することが抑制される。その結果、湯水を補助熱源装置などを用いて加熱する場合に必要なエネルギや、湯水の温度低下による放熱損失などを小さくすることができる。
従って、湯水の貯湯量が不足すること及び湯水の貯湯量が余ることを抑制して、エネルギ効率を向上させることが可能な給湯装置を提供することが可能となる。
【0009】
本発明に係る給湯装置の第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、前記運転制御手段が、設定上限値内で前記設定余裕時間を変更するように構成されている点にある。
【0010】
上記第2特徴構成によれば、給湯予測時刻に先立って貯湯が完了される時刻が無制限に早められるのではなく、設定余裕時間に上限値が設けられ、運転制御手段がその上限値内で設定余裕時間を変更するように構成されているので、貯湯槽への湯水の貯湯完了から実際に浴槽への給湯に使用されるまでに生じる湯水の放熱損失に制限を設けることが可能となる。
【0011】
本発明に係る給湯装置の第3特徴構成は、上記第1又は第2特徴構成に加えて、前記運転制御手段が、前記給湯予測時刻を含むように定めた判別用設定時刻範囲内に前記実際の給湯時刻が存在するとき前記設定余裕時間が短くなるように変更し、及び、前記判別用設定時刻範囲内に前記実際の給湯時刻が存在しないとき前記設定余裕時間が長くなるように変更するように構成されている点にある。
【0012】
上記第3特徴構成によれば、運転制御手段が、実際の給湯時刻が給湯予測時刻を含むように定めた判別用設定時刻範囲内に存在するときには、給湯予測時刻に先立って大きな設定余裕時間を設けなくてもよいので設定余裕時間が短くなるような変更を行い、及び、実際の給湯時刻が判別用設定時刻範囲内に存在しないときには、給湯予測時刻に先立って大きな設定余裕時間を設けた上で貯湯を行う必要があるので設定余裕時間が長くなるような変更を行うように構成されていることで、設定余裕時間を短くして湯水が貯湯槽で貯湯されている間に発生する放熱損失を小さくすることができ、及び、設定余裕時間を長くして実際の給湯時刻において既に貯湯槽への貯湯が完了されているようにして、湯水の貯湯量が不足した場合に補助熱源装置などを追加で運転する必要を無くすことができる。
【0013】
本発明に係る給湯装置の第4特徴構成は、上記第3特徴構成に加えて、前記判別用設定時刻範囲が前記給湯予測時刻より時間的に前の進み時刻範囲と前記給湯予測時刻より時間的に後の遅れ時刻範囲とで設定され、前記進み時刻範囲が前記遅れ時刻範囲よりも大きく設定されている点にある。
【0014】
上記第4特徴構成によれば、判別用設定時刻範囲が上記進み時刻範囲と上記遅れ時刻範囲とで設定され、上記進み時刻範囲が上記遅れ時刻範囲よりも大きく設定されていることで、実際の給湯時刻が判別用設定時刻内に存在しているか否かを判定する際に、実際の給湯時刻が給湯予測時刻に遅れて現れることよりも、実際の給湯時刻が給湯予測時刻に先立って現れることが許容されることとなる。つまり、実際の給湯時刻が給湯予測時刻よりも時間的に遅れて現れることにより発生し得る貯湯槽に貯湯されている湯水の放熱損失よりも、実際の給湯時刻が給湯予測時刻よりも時間的に進んで現れることにより発生し得る貯湯量不足に伴うエネルギ消費の増大(例えば、補助熱源装置の追加の運転など)を抑制することができる。
【0015】
上記目的を達成するための本発明に係る給湯装置の第5特徴構成は、貯湯槽に湯水を貯湯して浴槽への給湯に使用するために貯湯手段の運転を制御する運転制御手段が設けられている給湯装置であって、前記運転制御手段が、前記浴槽への給湯熱負荷実績量を参照する給湯熱負荷予測量導出条件に基づいて給湯熱負荷予測量を導出して、前記給湯熱負荷予測量以上の湯水を前記貯湯槽に貯湯するように前記貯湯手段の運転を制御し、且つ、給湯指令に応じて行われた実際の給湯量と前記給湯熱負荷予測量とを比較して、その比較結果に基づいて前記給湯熱負荷予測量導出条件を補正するように構成されている点にある。
【0016】
上記第5特徴構成によれば、運転制御手段が、浴槽への給湯熱負荷実績量を参照する給湯熱負荷予測量導出条件に基づいて給湯熱負荷予測量を導出して、給湯熱負荷予測量異常の湯水を貯湯槽に貯湯するように貯湯手段の運転を制御し、且つ、給湯指令に応じて行われた実際の給湯量と給湯熱負荷予測量とを比較して、その比較結果に基づいて、給湯装置の使用者による給湯使用傾向を表している上記給湯熱負荷予測量導出条件を補正するように構成されているので、次の給湯熱負荷予測量の導出時には、給湯装置の使用者による給湯使用傾向が考慮された給湯熱負荷予測量が導出されることになる。つまり、例えば、給湯熱負荷実績量が給湯熱負荷予測量よりも小さく、且つ、給湯熱負荷予測量との偏差が大きく導出されたときには、給湯装置の使用者による給湯熱負荷実績量が予想よりも減少傾向にあることを上記給湯熱負荷予測量導出条件に含めるような補正を行うことができ、給湯熱負荷実績量が給湯熱負荷予測量よりも大きく、且つ、給湯熱負荷予測量との偏差が大きく導出されたときには、給湯装置の使用者による給湯熱負荷実績量が予想よりも増加傾向にあることを上記給湯熱負荷予測量導出条件に含めるような補正を行うことができる。その結果、確度の高い給湯熱負荷予測量を導出することが可能となり、予め貯湯槽に貯湯しておく湯水の量の確度を上げることができる。
従って、湯水の貯湯量が不足すること及び湯水の貯湯量が余ることを抑制して、エネルギ効率を向上させることが可能な給湯装置を提供することが可能となる。
【0017】
本発明に係る給湯装置の第6特徴構成は、上記第5特徴構成に加えて、前記給湯熱負荷予測量導出条件は、基準日から近い過去の給湯熱負荷実績量と前記基準日から遠い過去の給湯実績値とに夫々重み付けを行って、前記給湯熱負荷予測量を導出するように設定されている点にある。
【0018】
上記第6特徴構成によれば、給湯熱負荷予測量を導出するとき、基準日から近い過去の給湯熱負荷実績量が考慮されることで、基準日から近い過去の短期的な給湯使用傾向を給湯熱負荷予測量に含ませることができ、且つ、基準日から遠い過去の給湯熱負荷実績量が考慮されることで、遠い過去の長期的な給湯使用傾向を給湯熱負荷予測量に含ませることができる。その結果、短期的及び長期的な給湯使用傾向が含まれた確度の高い給湯熱負荷予測量を導出することが可能となる。
【0019】
本発明に係る給湯装置の第7特徴構成は、上記第1から第6のいずれかの特徴構成に加えて、前記貯湯手段が、熱電併給装置の発生発熱を用いて貯湯するように構成されている点にある。
【0020】
上記第7特徴構成によれば、上記貯湯手段が、熱電併給装置の発生発熱を用いて貯湯するように構成されているので、単にボイラなどの加熱専用装置を用いて湯水を貯湯する場合などに比べてエネルギ効率を向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に図面を参照して本発明に係る給湯装置を含むコージェネレーションシステムについて説明する。
このコージェネレーションシステムは、図1および図2に示すように、ガスエンジン1によって発電装置2を駆動するように構成された熱電併給装置3と、その熱電併給装置3にて発生する熱を利用しながら、貯湯タンク(貯湯槽)4への貯湯および熱消費端末5への熱媒供給を行う貯湯ユニット6と、熱電併給装置3および貯湯ユニット6の運転を制御する運転制御手段としての運転制御部7などから構成されている。
前記発電装置2の出力側には、系統連係用のインバータ8が設けられ、そのインバータ8は、発電装置2の出力電力を商用系統9から供給される電力と同じ電圧および同じ周波数にするように構成されている。
前記商用系統9は、例えば、単相3線式100/200Vであり、商業用電力供給ライン10を介して、テレビ、冷蔵庫、洗濯機などの電力負荷11に電気的に接続されている。
また、インバータ8は、コージェネ用供給ライン12を介して商業用電力供給ライン10に電気的に接続され、発電装置2からの発電電力がインバータ8およびコージェネ用供給ライン12を介して電気負荷11に供給するように構成されている。
【0022】
前記商業用電力供給ライン10には、電力負荷11の負荷電力を計測する電力負荷計測手段13が設けられ、この電力負荷計測手段13は、商業用電力供給ライン10を通して流れる電流に逆潮流が発生するか否かをも検出するように構成されている。
そして、逆潮流が生じないように、インバータ8により発電装置2から商業用電力供給ライン10に供給される電力が制御され、発電電力の余剰電力は、その余剰電力を熱に代えて回収する電気ヒータ14に供給されるように構成されている。
【0023】
前記電気ヒータ14は、複数の電気ヒータから構成され、冷却水循環ポンプ17の作動により冷却水循環路15を通流するガスエンジン1の冷却水を加熱するように設けられ、発電装置2の出力側に接続された作動スイッチ16によりON/OFFが切り換えられている。
また、作動スイッチ16は、余剰電力の大きさが大きくなるほど、電気ヒータ14の消費電力が大きくなるように、余剰電力の大きさに応じて電気ヒータ14の消費電力を調整するように構成されている。
【0024】
前記貯湯ユニット6は、温度成層を形成する状態で湯水を貯湯する貯湯タンク4、湯水循環路18を通して貯湯タンク4内の湯水を循環させる湯水循環手段としての湯水循環ポンプ19、熱源用循環路20を通して熱源用湯水を循環させる熱源用湯水循環手段としての熱源用循環ポンプ21、熱媒循環路22を通して熱媒を熱消費端末5に循環供給させる熱媒循環手段としての熱媒循環ポンプ23、湯水循環路18を通流する湯水を加熱させる貯湯用熱交換器24、熱源用循環路20を通流する熱源用湯水を加熱させる熱源用熱交換器25、熱媒循環路22を通流する熱媒を加熱させる熱媒加熱用熱交換器26、ファン27を作動させた状態でのバーナ28の燃焼により貯湯タンク4内から取り出した湯水および熱源用循環路20を通流する熱源用湯水を加熱させる補助加熱用熱交換器29などを備えて構成されている。また、貯湯タンク4内の湯水の温度を計測する複数の温度センサTが貯湯タンク4に設けられており、これにより、貯湯タンク4内の湯水の温度成層の形成状態を知ることができる。
【0025】
前記貯湯用熱交換器24においては、熱電併給装置3にて発生する熱を回収した冷却水循環路15の冷却水を通流させることにより、湯水循環路18を通流する湯水を加熱させるように構成されている。前記熱源用熱交換器25においては、熱電併給装置3にて発生する熱を回収した冷却水循環路15の冷却水を通流させることにより、熱源用循環路20を通流する熱源用湯水を加熱させるように構成されている。
【0026】
そして、貯湯手段Hが、ガスエンジン1、熱電併給装置3、電気ヒータ14、冷却水循環路15、冷却水循環ポンプ17、湯水循環路18、湯水循環ポンプ19及び貯湯用熱交換器24により構成され、熱電併給装置3の発生発熱を用いて貯湯するように構成されている。
また、熱源用循環路20には、熱源用湯水の通流を断続させる熱源用断続弁40が設けられている。
【0027】
前記冷却水循環路15は、貯湯用熱交換器24側と熱源用熱交換器25側とに分岐され、その分岐箇所に、貯湯用熱交換器24側に通流させる冷却水の流量と熱源用熱交換器25側に通流させる冷却水の流量との割合を調整する分流弁30が設けられている。
そして、分流弁30は、冷却水循環路15の冷却水の全量を貯湯用熱交換器24側に通流させたり、冷却水循環路15の冷却水の全量を熱源用熱交換器25側に通流させることもできるように構成されている。
【0028】
前記熱媒加熱用熱交換器26においては、熱源用熱交換器25や補助加熱用熱交換器29にて加熱された熱源用湯水を通流させることにより、熱媒循環路22を通流する熱媒を加熱させるように構成されている。
前記熱消費端末5は、床暖房装置や浴室暖房装置などの暖房端末にて構成されている。
【0029】
補助加熱手段Mが、ファン27、バーナ28、補助加熱用熱交換器29により構成され、その補助加熱手段Mは、ファン27を作動させた状態でバーナ28を燃焼させる加熱状態で作動させたり、バーナ28の非燃焼状態でファン27を作動させる放熱状態で作動させることができるように構成されている。
そして、補助加熱手段Mを加熱状態で作動させることにより、補助加熱用熱交換器29において、貯湯タンク4内から取り出した湯水や熱源用循環路20を通流する熱源用湯水を加熱させ、補助加熱手段Mを放熱状態で作動させることにより、熱源用循環路20を通流する熱源用湯水から熱を放熱させるように構成されている。
【0030】
また、貯湯タンク4から取り出した湯水を給湯するときの給湯熱負荷量を計測する給湯熱負荷計測手段31が設けられている。そして、給湯熱負荷計測手段31によって、シャワーなどの通常の給湯量と、湯張り路34を通過して浴槽32に供給される湯水の給湯量(湯張り量)とが計測される。
【0031】
前記運転制御部7は、コージェネレーションシステムの運転状態において、熱電併給装置3の運転中には冷却水循環ポンプ17を作動させる状態で、熱電併給装置3の運転および冷却水循環ポンプ17の作動状態を制御すると共に、湯水循環ポンプ19、熱源用循環ポンプ21、熱媒循環ポンプ23の作動状態を制御することによって、貯湯タンク4内に湯水を貯湯する貯湯運転や、湯張り弁35の開閉を調整して、浴槽に湯水を湯張りする湯張り運転や、熱消費端末5に熱媒を供給する熱媒供給運転を行うように構成されている。尚、図示していないが、貯湯槽に貯湯されている湯水と水道水とをミキシング弁によって混合して水温を調整した上で給湯(湯張りを含む)が行われている。
【0032】
ちなみに、給湯するときには、熱源用断続弁40を閉弁した状態で貯湯タンク4から取り出した湯水を給湯するように構成され、貯湯タンク4内に貯湯用設定温度の湯水が貯湯されていれば、その湯水を補助加熱手段Mにて加熱させずに給湯し、貯湯タンク4内に貯湯用設定温度の湯水が貯湯されていなければ、補助加熱手段Mを作動させて、貯湯タンク4から取り出し湯水を補助加熱手段Mにて加熱して給湯するように構成されている。
【0033】
まず、運転制御部7による熱電併給装置3の計画運転処理について説明を加える。
図3に示すのは運転制御部7によって行われる貯湯手段Hの運転制御のフローチャートである。運転制御部7は、使用者が浴槽32への湯張りの指令を行ったとき、その湯張り指令(給湯指令の一例)に応じて貯湯タンク4に貯湯されている湯水を浴槽32へと湯張りさせるような運転制御を行うように構成されており、使用者が湯張り指令を行う前に、湯張り熱負荷予測量に相当する湯水を貯湯タンク4に予め貯湯しておかねばならない。つまり、運転制御部7は、湯張り予測時刻及び湯張り熱負荷予測量を予め導出し、その湯張り時刻の設定余裕時間前において、湯張り熱負荷予測量に相当する熱量の湯水を貯湯タンク4に貯湯しておかねばならない。尚、給湯装置の使用者がリモコン50の湯張りスイッチ50aを操作して湯張り指令を行う時刻を湯張り時刻とし、湯張り弁35が開放された状態で設定量以上の湯水が設定時間以上流れた場合の湯水の温度と量とにより湯張り熱負荷量を導出している。
【0034】
前記運転制御部7は、実際の湯張り時刻(給湯実績時刻)及び湯張り熱負荷量(給湯熱負荷実績量)を分単位のデータとして収集して、1日分の湯張り時刻データ及び湯張り熱負荷量データを期間属性としての曜日と対応付けて記憶しており、図3のステップ100において、記憶されている過去の湯張り時刻データ及び湯張り熱負荷量データを参照して、予測日の湯張り予測時刻を湯張り予測時刻導出条件に従って導出し、及び、湯張り熱負荷予測量を湯張り熱負荷予測量導出条件に従って導出する演算処理を行う。そして、ステップ102において運転制御部7は、湯張り予測時刻の設定余裕時間前に、貯湯タンク4に湯張り熱負荷予測量に相当する熱量の湯水を貯湯、つまり蓄熱するように貯湯手段Hの運転制御を行う。
【0035】
次に、ステップ104において運転制御部7は、給湯熱負荷計測手段31を用いて、設定量以上の流量が設定時間以上計測され、且つ、湯張り弁35が開弁されているときには、その給湯が湯張りであると判定して、実際の湯張り時刻及び湯張り熱負荷量として計測する。
【0036】
次に、ステップ106において運転制御部7は、実際の湯張り時刻を湯張り予測時刻と比較して、その比較結果に基づいて上記設定余裕時間を調整し、調整後の設定余裕時間を記憶する。また、運転制御部7は、実際の湯張り熱負荷量を湯張り熱負荷予測量と比較して、その比較結果に基づいて湯張り熱負荷予測量導出条件を補正し、補正後の湯張り熱負荷予測量導出条件を記憶する。
【0037】
以下に、図3のフローチャートについて具体的に説明する。
図4(イ)に示すのは1日の電力負荷予測量データであり、過去の電力負荷実績量の時間的な変化パターンを時刻毎に平均化処理するなどの導出手法を用いて導出可能である。図4(ロ)に示すのは1日の湯張り熱負荷予測量データであり、後述する導出手法を用いて導出可能である。尚、湯張り熱負荷量の他に、熱消費端末5で消費される熱負荷量や、シャワーなどの他の給湯用途で消費される熱負荷量も存在するが、それらは湯張り熱負荷量と比べて非常に小さい。但し、運転制御部7は、貯湯タンク4には湯張り熱負荷量と他の熱負荷量との合計熱負荷量に相当する湯水を貯湯するように貯湯手段Hを運転制御するように構成されている。
【0038】
そして、運転制御部7は、過去の湯張り時刻データ及び過去の湯張り熱負荷量データの内、予測日の前日から4週間分のデータを、湯張り予測時刻及び湯張り熱負荷予測量を導出するために記憶しているものとする。表1及び表2に示すのは基準日である予測日の前日から4週間分の湯張り時刻(湯張り実績時刻)データ:Tと湯張り熱負荷量(湯張り熱負荷実績量)データ:Qである。
【0039】
【表1】

【0040】
【表2】

【0041】
そして、運転制御部7は、過去の湯張り時刻と数1に示す湯張り予測時刻導出条件とに基づいて予測日における湯張り予測時刻を導出し、過去の湯張り熱負荷量(湯張り熱負荷実績量)と湯張り熱負荷予測量導出条件とに基づいて予測日における湯張り熱負荷量予測量を導出する。尚、本実施形態では、参照する過去の湯張り時刻として、予測日の前日の湯張り時刻:TYと、予測日と同じ曜日の前三週間分の湯張り時刻の平均値:TAとを用い、参照する過去の湯張り熱負荷量として、予測日の前日の湯張り熱負荷量:QYと、予測日と同じ曜日の前三週間分の湯張り熱負荷量の平均値:QAとを用いている。具体的には、予測日の前日の湯張り時刻:TYはT(0-tue)であり、予測日と同じ曜日の前三週間分の湯張り時刻の平均値:TAは、T(1-wed)とT(2-wed)とT(3-wed)との平均値である。そして、予測日の前日の湯張り熱負荷量:QYはQ(0-tue)であり、予測日と同じ曜日の前三週間分の湯張り熱負荷量の平均値:QAは、Q(1-wed)とQ(2-wed)とQ(3-wed)との平均値である。また、定数k、mには適当な値が代入されて、予測日の前日の湯張り時刻:TYと、予測日と同じ曜日の前三週間分の湯張り時刻の平均値:TAとに重み付けを行い、予測日の前日の湯張り熱負荷量:QYと、予測日と同じ曜日の前三週間分の湯張り熱負荷量の平均値:QAとに重み付けを行っている。
【0042】
[数1]
湯張り予測時刻:TP=(1−k)TY+kTA (0≦k≦1)
湯張り熱負荷予測量:QP=(1−m)QY+mQA (0≦m≦1)
【0043】
上述のようにして、運転制御部7は湯張り予測時刻:TPと湯張り熱負荷予測量:QPとを導出する(ステップ100)。そして、運転制御部7は、図4(ハ)に示すように、他の熱負荷予測量:QSを考慮し、湯張り予測時刻の設定余裕時間:TSだけ前に、貯湯タンク4にQP+QSに相当する熱量の湯水が蓄熱されるように、熱電併給装置の運転を制御する(ステップ102)。
【0044】
次に、運転制御部7は、給湯熱負荷計測手段31を用いて、実際の湯張り時刻と湯張り量とを計測する。実際の湯張り時刻は、使用者がリモコン50を用いて湯張り指令を行った時刻であり、実際の湯張り量は、上記湯張り指令に応じて湯張り弁35が開放された後、設定量以上の流量が設定時間以上計測されたときの湯水の量である(ステップ104)。
【0045】
以上のようにして、湯張り予測時刻と湯張り熱負荷予測量とを導出し、更に実際の湯張り時刻と実際の湯張り熱負荷量とを計測した後、運転制御部7は湯張り予測時刻及び湯張り熱負荷予測量と、計測された実際の湯張り時刻と湯張り量とを比較することで、その比較結果に基づいて、上記設定余裕時間と数1に示した湯張り熱負荷量導出条件との検証を行う(ステップ106)。以下に、実際の湯張り時刻と湯張り予測時刻とを比較する場合と、実際の湯張り熱負荷量と湯張り熱負荷予測量とを比較する場合とに分けて説明を行う。
【0046】
<実際の湯張り時刻と湯張り予測時刻との比較>
運転制御部7は、図5に示すように、実際の湯張り時刻が湯張り予測時刻を含むように定めた判別用設定時刻範囲に存在するか否かの比較を行う。判別用設定時刻範囲は、湯張り予測時刻より時間的に前の進み時刻範囲と、湯張り予測時刻より時間的に後の遅れ時刻範囲とで設定され、上記進み時刻範囲は上記遅れ時刻範囲よりも大きく設定されている。また本実施形態において、設定余裕時間と判別用設定時刻範囲との関係としては表3に示すように定めている。従って、設定余裕時間を60分として熱電併給装置の運転制御を行ったとき、つまり、数1に従って導出された湯張り予測時刻よりも60分前に貯湯タンク4への湯水の貯湯が完了するように熱電併給装置の運転制御をステップ104において行ったときには、ステップ106において運転制御部7は、表3の条件Dのように、実際の湯張り時刻が湯張り予測時刻の60分前から30分後までの間に存在しているか否かを判定するように構成されている。
【0047】
【表3】

【0048】
そして、運転制御部7は、実際の湯張り時刻が湯張り予測時刻の60分前から30分後までの間に存在しているときには条件Dが満足されたと判定し、設定余裕時間を50分に変更して(つまり、条件Eに変更して)記憶する(ステップ108)。そして、湯張り予測時刻の導出に関する一連の制御を終了してステップ100へリターンする。その結果、次のステップ102で用いられる設定余裕時間は50分となり、次のステップ106で用いられる判別用設定時刻範囲は条件Eの−50分〜+20分の間となる。
他方で、実際の湯張り時刻が湯張り予測時刻の60分前から30分後までの間に存在していないときには条件Dが満足されなかったと判定し、設定余裕時間を70分に変更して(つまり、条件Cに変更して)記憶する。
【0049】
上述のように、湯張り予測時刻を含むように定めた判別用設定時刻範囲内に実際の湯張り時刻が存在するとき設定余裕時間が短くなるように変更し、及び、判別用設定時刻範囲内に実際の給湯時刻が存在しないとき設定余裕時間が長くなるように変更することで、設定余裕時間を短くして湯水が貯湯タンク4で貯湯されている間に発生する放熱損失を小さくすることができ、及び、設定余裕時間を長くして実際の給湯時刻において既に貯湯タンク4への貯湯が完了されているようにして、湯水の貯湯量が不足した場合に補助加熱手段Mなどを追加で運転する必要を無くすことができる。
【0050】
また表3に示すように、運転制御部7が90分という上限値内で設定余裕時間を変更するように構成されているので、貯湯タンク4への湯水の貯湯完了から実際に浴槽32への給湯に使用されるまでに生じる湯水の放熱損失に制限を設けることが可能となる。
【0051】
<実際の湯張り量と湯張り熱負荷予測量との比較>
運転制御部7は、上述したように湯張り熱負荷予測量を下記の数2に示す湯張り熱負荷予測量導出条件に従って導出する。
【0052】
[数2]
湯張り熱負荷予測量:QP=(1−m)QY+mQA (0≦m≦1)
【0053】
そして、運転制御部7は、実際の湯張り量:QRと湯張り熱負荷予測量:QPのどちらが大きいかを比較し、比較結果に基づいて定数:mを下記の表4のように変更することで、上記湯張り熱負荷予測量導出条件を補正する。以下に、実際の湯張り量:QRと湯張り熱負荷予測量:QPとの比較結果に基づく定数:mの変更について説明する。
【0054】
【表4】

【0055】
(i)QR>QP、且つ、QY>QAのとき
この場合、湯張り熱負荷予測量が実際の湯張り量よりも小さく導出されていたことを示している。また、前三週間の湯張り熱負荷実績量の平均値よりも前日の湯張り熱負荷実績量の方が大きく、現在の湯張り量は過去に比べて増加傾向にある。しかし、現在の湯張り量が過去に比べて増加傾向にあることが上記湯張り熱負荷予測量導出条件において殆ど反映されていないと判断できる。そのため、現在の湯張り量が過去に比べて増加傾向にあることを強調するために、前日の湯張り実績量に乗算される係数を大きくするような補正を上記湯張り熱負荷予測量導出条件に対して行う必要がある。従って、運転制御部7は、mの値を小さくし、(1−m)の値を大きくして、その値を記憶する。
【0056】
(ii)QR>QP、且つ、QY≦QAのとき
この場合、湯張り熱負荷予測量が実際の湯張り量よりも小さく導出されていたことを示している。また、前日の湯張り熱負荷量実績値よりも前三週間の湯張り熱負荷実績量の平均値の方が大きく、現在の湯張り量は過去に比べて減少傾向にある。しかし、現在の湯張り量が過去に比べて減少傾向にあることが上記湯張り熱負荷予測量導出条件において殆ど反映されていないと判断できる。そのため、現在の湯張り量が過去に比べて減少傾向にあることを強調するために、前日の湯張り実績量に乗算される係数を小さくするような補正を上記湯張り熱負荷予測量導出条件に対して行う必要がある。従って、運転制御部7は、mの値を大きくし、(1−m)の値を小さくして、その値を記憶する。
【0057】
(iii)QR≦QP、且つ、QY>QAのとき
この場合、湯張り熱負荷予測量が実際の湯張り量以上に導出されていたことを示している。また、前三週間の湯張り熱負荷実績量の平均値よりも前日の湯張り熱負荷量の方が大きく、現在の湯張り量は過去に比べて増加傾向にある。しかし、現在の湯張り量が過去に比べて増加傾向にあることが上記湯張り熱負荷予測量導出条件において強く反映されていると判断できる。そのため、現在の湯張り量が過去に比べて増加傾向にあることの強調を弱めるために、前日の湯張り実績量に乗算される係数を小さくするような補正を上記湯張り熱負荷予測量導出条件に対して行う必要がある。従って、運転制御部7は、mの値を大きくし、(1−m)の値を小さくして、その値を記憶する。
【0058】
(iv)QR≦QP、且つ、QY≦QAのとき
この場合、湯張り熱負荷予測量が実際の湯張り量以上に導出されていたことを示してい
る。また、前日の湯張り熱負荷実績量よりも前三週間の湯張り熱負荷量の平均値の方が大きく、現在の湯張り熱負荷は過去に比べて減少傾向にある。しかし、現在の湯張り量が過去に比べて減少傾向にあることが上記湯張り熱負荷予測量導出条件において殆ど反映されていないと判断できる。そのため、現在の湯張り量が過去に比べて減少傾向にあることを強調するために、前日の湯張り実績量に乗算される係数を大きくするような補正を上記湯張り熱負荷量導出条件に対して行う必要がある。従って、運転制御部7は、mの値を小さくし、(1−m)の値を大きくして、その値を記憶する。
【0059】
上述のように、給湯熱負荷予測量を導出するとき、予測日の前日の湯張り熱負荷実績量が考慮されることで、予測日から近い過去の短期的な湯水使用傾向を湯張り熱負荷予測量に含ませることができ、且つ、予測日と同じ曜日の前三週間分の湯張り熱負荷実績量が考慮されることで、遠い過去の長期的な湯水使用傾向を湯張り熱負荷予測量に含ませることができる。その結果、短期的及び長期的な湯水使用傾向が含まれた確度の高い湯張り熱負荷予測量を導出することが可能となる。
【0060】
<別実施形態>
<1>
上記実施形態では、数1に示した給湯予測時刻導出条件に従って導出された値を給湯予測時刻として、その給湯予測時刻の設定余裕時間前に貯湯タンク4への貯湯を完了するように貯湯手段Hの運転を運転制御部7が制御する場合について説明したが、数1に示した給湯予測時刻導出条件に従って導出された値に対して修正を加えた上で、その修正後の値を給湯予測時刻とするような改変も可能である。
【0061】
図6に例示するのは、特定の使用者の過去の湯張り時刻の時間分布を分単位でプロットしたグラフであり、全度数は分布範囲:Wの間に存在している。この使用者の場合、18時30分を中心としてその前後の時刻に湯張り指令を行うような傾向にあり、前側限界値:Lbである17時30分と後側限界値:Laである19時30分との間の時刻で表している信頼区間80%の間の時刻に湯張り指令を行う確率が非常に高い。この信頼区間は、平均値:Aを中心として、全度数の内の80%が存在する区間のことである。数1に示した給湯予測時刻導出条件において前日の湯張り時刻に乗算される係数が大きく、且つ、前日の湯張り時刻が非常に早い時刻(例えば、17時)に現れた場合、数1に従って導出される湯張り予測時刻は上記信頼区間内に存在しない時刻(例えば、17時から17時30分の間の時刻)になる可能性がある。つまり、図6に示すように、湯張り時刻が非常に高い確率で17時30分から19時30分の間の信頼区間内に現れることが分かっていたとしても、数1のみに従って湯張り予測時刻を導出すると、その湯張り予測時刻は信頼区間内に存在しない。このように、特異な湯張り時刻が現れたときには、数1に従って導出された湯張り予測時刻も図6のグラフから見ると特異な値になる可能性がある。
【0062】
そのため、数1に従って仮の湯張り予測時刻を導出し、その仮の湯張り予測時刻が、図6に示す実際の湯張り時刻のグラフの信頼区間に含まれていないときは、その仮の湯張り予測時刻を信頼区間に近づけて、その近づけられた時刻を湯張り予測時刻として決定する。具体的には、運転制御部7は、仮の湯張り予測時刻が17時10分として導出され、上記信頼区間が17時30分から19時30分の間であるとき、湯張り予測時刻を17時30分として決定する。
【0063】
<2>
上記実施形態では、貯湯手段Hが、ガスエンジン1、熱電併給装置3、電気ヒータ14、冷却水循環路15、冷却水循環ポンプ17、湯水循環路18、湯水循環ポンプ19及び貯湯用熱交換器24により構成されている例について説明したが、貯湯手段Hの構成はこれに限定されるものではなく、様々な改変を行うことができる。また、熱電併給装置3と
してガスエンジン2を用いた給湯装置について例に説明を行ったが、燃料電池などの他の装置を用いた熱電併給装置を用いた給湯装置を構築することもできる。
【0064】
<3>
上記実施形態では、設定余裕時間及び判別用設定時刻範囲として表3に例示した数値を用いたが、それらの数値を適宜変更しても構わない。また、数1に例示した湯張り予測時刻導出条件及び湯張り熱負荷予測量導出条件において、参照する過去の湯張り時刻として、予測日の前日の湯張り時刻:TYと、予測日と同じ曜日の前三週間分の湯張り時刻の平
均値:TAとを用い、参照する過去の湯張り熱負荷量として、予測日の前日の湯張り熱負
荷量:QYと、予測日と同じ曜日の前三週間分の湯張り熱負荷量の平均値:QAとを用いているが、他の日の湯張り時刻及び湯張り熱負荷量を用いるように改変することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】コージェネレーションシステムの概略図
【図2】コージェネレーションシステムのブロック図
【図3】貯湯手段の運転制御のフローチャート
【図4】(イ)に示すのは1日の電力負荷予測量データであり、(ロ)に示すのは1日の湯張り熱負荷予測量データであり、(ハ)に示すのは貯湯タンクにおける予測蓄熱量のグラフ
【図5】判別用設定時刻範囲の進み時刻範囲と遅れ時刻範囲とを示す図
【図6】湯張り時刻の時間分布を示すグラフ
【符号の説明】
【0066】
4 貯湯タンク(貯湯槽)
7 運転制御部(運転制御手段)
32 浴槽
H 貯湯手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯湯槽に湯水を貯湯して浴槽への給湯に使用するために貯湯手段の運転を制御する運転制御手段が設けられている給湯装置であって、
前記運転制御手段が、前記浴槽への給湯熱負荷実績量を参照する給湯熱負荷予測量導出条件に基づいて給湯熱負荷予測量を導出して、前記給湯熱負荷予測量以上の湯水を前記貯湯槽に貯湯するように前記貯湯手段の運転を制御し、且つ、給湯指令に応じて行われた実際の給湯量と前記給湯熱負荷予測量とを比較して、その比較結果に基づいて前記給湯熱負荷予測量導出条件を補正するように構成され、
前記給湯熱負荷予測量導出条件は、基準日から近い過去の給湯熱負荷実績量と前記基準日から遠い過去の給湯熱負荷実績量とに夫々重み付けを行って、前記給湯熱負荷予測量を導出するように設定されている給湯装置。
【請求項2】
前記貯湯手段が、熱電併給装置の発生発熱を用いて貯湯するように構成されている請求項1に記載の給湯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−224211(P2008−224211A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−124950(P2008−124950)
【出願日】平成20年5月12日(2008.5.12)
【分割の表示】特願2003−410921(P2003−410921)の分割
【原出願日】平成15年12月9日(2003.12.9)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】