維持回復方法、維持回復機構及び画像形成装置
【課題】 本発明は、ユーザにとって無駄なインク量を増やすことなく、また新規に部品を追加することなく、混色を防止できる維持回復方法、維持回復機構及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】 本発明の維持回復方法は、液滴吐出ヘッドのノズル面をキャップで覆い、このキャップに接続された吸引手段を作動させてキャップを介してノズルから吸引を行う第1の工程と、ノズル面からキャップを離間させる第2の工程と、駆動信号生成手段によって生成された所定の駆動信号を液滴吐出ヘッドに供給して液滴を吐出させずにノズル内のメニスカス位置をノズル外部へ移動させる第3の工程と、清掃手段によりノズル周辺を清掃する第3の工程と、吸引手段を作動させてキャップ内のインクを吸引する第4の工程とを有する。
【解決手段】 本発明の維持回復方法は、液滴吐出ヘッドのノズル面をキャップで覆い、このキャップに接続された吸引手段を作動させてキャップを介してノズルから吸引を行う第1の工程と、ノズル面からキャップを離間させる第2の工程と、駆動信号生成手段によって生成された所定の駆動信号を液滴吐出ヘッドに供給して液滴を吐出させずにノズル内のメニスカス位置をノズル外部へ移動させる第3の工程と、清掃手段によりノズル周辺を清掃する第3の工程と、吸引手段を作動させてキャップ内のインクを吸引する第4の工程とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は維持回復方法、維持回復機構及び画像形成装置に関し、詳細には維持回復動作の際インクの消費を最小限に抑え、かつ混色を防止する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
異なる色の液滴を吐出する1つの液滴吐出ヘッドに各サブタンクから記録液を供給する画像形成装置において、液滴吐出ヘッドのノズル面を1つのキャップでキャッピングしてノズル吸引を行って回復させる動作を行うと、ノズル吸引後にキャップを外すと、ノズル面上で異なる色のインクが存在するため、サブタンク内部の負圧によって異なる色のインクがノズル内部に吸い込まれて混色を生じることがある。このような混色を防止するために、従来よりいくつかの提案がなされている。
【0003】
その一つとしての特許文献1では、ノズル吸引前に異なる色のサブタンクにそれぞれ同じ量が満たされるまでインクを供給して、サブタンク内の負圧の絶対値を下げ、値を同等にして混色を防止している。更に、キャップを外した後に、ノズルからインク滴を吐出することで混色を防止している。また、特許文献2では、ノズル面のワイピング後のワイパ上のインクの残りや塵埃を多孔質部材に吸収させることで、ノズル面上に異なる色のインクを存在させないようにして、混色を防止している。
【特許文献1】特開2005−144939号公報
【特許文献2】特開平07−068791号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、画像形成装置においては、装置のユーザの満足度を高めるため、印字以外の消費するインクの量は可能な限り減らす必要がある。また、装置の低コスト化を図るために、部品点数を削減する必要がある。ところが、特許文献1では、ヘッドの回復動作の際、ノズル吸引してキャップを外した後に、ノズルからインク滴を吐出することで混色を防止している。すなわち、ここで消費されるインクは印字には使用されないため、ユーザにとっては無駄なインク消費量となる。印字に使用していないで捨てているインクも購入していることになるとユーザの満足度は低くなる。また、仮に装置メーカが無駄に捨ててしまうインク量だけ余分にインクカートリッジに収容しているとすると、ユーザの満足度は低くならないが、装置メーカのコストアップとなってしまう。また、特許文献2では、ワイパ上のインクの残りや塵埃を多孔質部材に吸収させるため、多孔質部材を用いているが、これは部品として追加しているため、装置のコストアップになってしまう。
【0005】
本発明はこれらの問題点を解決するためのものであり、ユーザにとって無駄なインク量を増やすことなく、また新規に部品を追加することなく、混色を防止できる維持回復方法、維持回復機構及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記問題点を解決するために、本発明の維持回復方法は、液滴吐出ヘッドのノズル面をキャップで覆い、このキャップに接続された吸引手段を作動させてキャップを介してノズルから吸引を行う第1の工程と、ノズル面からキャップを離間させる第2の工程と、駆動信号生成手段によって生成された所定の駆動信号を液滴吐出ヘッドに供給して液滴を吐出させずにノズル内のメニスカス位置をノズル外部へ移動させる第3の工程と、清掃手段によりノズル周辺を清掃する第3の工程と、吸引手段を作動させてキャップ内のインクを吸引する第4の工程とを有することに特徴がある。よって、維持回復動作の際ノズル吸引後にノズルを加圧しているので、ノズル面上の異なる色のインクがサブタンク内負圧によってノズル内部に引き込まれ、混色が発生するのを防ぐことができると共に、無駄なインク量を減らすことができる。
【0007】
また、別の発明としての維持回復機構は、液滴吐出ヘッドの回復動作を行うために液滴吐出ヘッドのノズル側から吸引を行う吸引手段と、吸引手段によって吸引を行った後に、液滴を吐出させずにノズル内のメニスカス位置をノズル外部へ移動させるための駆動信号生成手段によって生成された所定の駆動信号を液滴吐出ヘッドに供給し、ノズル外部へ移動した記録液を清掃する清掃手段とを具備することに特徴がある。よって、維持回復動作の際ノズル吸引後に、インク滴を吐出させず、メニスカスをノズル外部へ動くように駆動信号を入力してから清掃しているので、ノズル面上の異なる色のインクがサブタンク内負圧によってノズル内部に引き込まれ、混色が発生するのを防ぐことができると共に、無駄なインク量を減らすことができる。
【0008】
更に、別の発明としての画像形成装置は、異なる色の液滴を吐出する複数のノズル列と、ノズル列に連通した圧力室と、圧力室の容積を変化させる圧力発生手段を有する液滴吐出ヘッドと、駆動信号を生成する駆動信号生成手段と、液滴吐出ヘッドに各色の記録液を供給する複数のサブタンクとを備え、更に上記維持回復機構を有することに特徴がある。よって、維持回復時の混色を防止できることにより印字品質を保持でき、無駄なインク消費を抑えることができる画像形成装置を提供できる。
【0009】
また、液滴を吐出させずにメニスカスの位置をノズル外部へ移動させるように圧力室を収縮させる加圧手段を有することにより、維持回復動作の際ノズル吸引後に、インク滴を吐出させず、メニスカスをノズル外部へ動くように加圧手段によって圧力室を収縮させて圧力室を加圧するので、ノズル面上の異なる色のインクがサブタンク内負圧によってノズル内部に引き込まれ、混色が発生するのを防ぐことができる。
【0010】
更に、圧力発生手段はピエゾなどの圧電素子であることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の維持回復方法によれば、液滴吐出ヘッドの回復動作を行うために液滴吐出ヘッドのノズル側から吸引を行った後に、液滴を吐出させずにノズル内のメニスカス位置をノズル外部へ移動させるための駆動信号生成手段によって生成された所定の駆動信号を液滴吐出ヘッドに供給し、ノズル外部へ移動した記録液を清掃する。よって、ノズル面上の異なる色のインクがサブタンク内負圧によってノズル内部に引き込まれて発生する混色を防ぐことができると共に、無駄なインク量を減らすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は本発明の画像形成装置の構成を示す斜視図である。同図に示す画像形成装置の一例であるインクジェット記録装置は、装置本体10と、装置本体10に装着した用紙を装填するための給紙トレイ11と、装置本体10に装着され画像が記録された用紙をストックするための排紙トレイ12とを備えている。また、装置本体10の上側には上面カバー13を開閉可能に設けている。更に、装置本体10の前面14の一端部側には、前面14から前方側に突き出し、上面カバー13よりも低い位置にカートリジ装填部15を有し、このカートリッジ装填部15の上面に操作キーや表示器などの操作部16を配置している。カートリッジ装填部15は、その前面に開閉可能な前カバー17を備えて、この前カバー17を開状態にすることにより液体補充手段としての記録液カートリッジであるインクカートリッジ18の脱着を行えるようにしている。
【0013】
図2は本発明の画像形成装置における機構部の構成を示す概略断面図である。図3は本発明の画像形成装置における機構部の要部構成を示す平面図である。両図に示す画像形成装置の一例であるインクジェット記録装置の機構部は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロッド19とステー20とでキャリッジ21を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによって図3でキャリッジ主走査方向(矢示方向)に移動走査する。このキャリッジ21には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する4個のインクジェットヘッドからなる記録ヘッド22を複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。記録ヘッド22を構成するインクジェットヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどを、インクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどを使用できるが、ここでは、圧電アクチュエータ(圧電素子)をエネルギー発生手段に用いたヘッドを搭載している。
【0014】
また、キャリッジ21には、記録ヘッド22に各色のインクを供給するための各色の液体容器であるサブタンク23を搭載している。このサブタンク23にはインク供給チューブ24を介して前述した各色のメインタンクである図1のインクカートリッジ18からインクが補充供給される。ここで、インクカートリッジ18は、それぞれ各色に対応してイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインクを収容している。これらの記録ヘッド22にインクを供給するためのサブタンク23と、このサブタンク23にインクを補充供給するインクカートリッジ18とによって、記録液供給装置であるインク供給装置を構成している。
【0015】
一方、給紙トレイ12の用紙積載部(圧板)25上に積載した用紙26を給紙するための給紙部として、用紙積載部25から用紙26を1枚ずつ分離給送する半月コロの給紙コロ27に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド28を備え、この分離パッド28は給紙コロ27側に付勢されている。
【0016】
そして、この給紙部から給紙された用紙26を記録ヘッド22の下方側で搬送するための搬送部として、用紙26を静電吸着して搬送するための搬送ベルト29と、給紙部からガイド30を介して送られる用紙26を搬送ベルト29との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ31と、略鉛直上方に送られる用紙26を略90°方向転換させて搬送ベルト29上に倣わせるための搬送ガイド32と、押さえ部材33で搬送ベルト29側に付勢された先端加圧コロ34とを備えている。また、搬送ベルト29の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ35を備えている。
【0017】
ここで、搬送ベルト29は、無端状ベルトであり、搬送ローラ36とテンションローラ37との間に掛け渡されて、図3のベルト搬送方向に周回するように構成している。帯電ローラ35は、搬送ベルト29の表層に接触し、搬送ベルト29の回動に従動して回転するように配置され、加圧力として軸の両端に各2.5Nをかけている。
【0018】
また、搬送ベルト29の裏側には、記録ヘッド22による印写領域に対応してガイド部材38を配置している。このガイド部材38は、上面が搬送ベルト29を支持する2つのローラである搬送ローラ36とテンションローラ37の接線よりも記録ヘッド22側に突出している。これにより、搬送ベルト29は印写領域ではガイド部材38の上面にて押し上げられてガイドされるので、高精度な平面性が維持される。
【0019】
更に、記録ヘッド22で記録された用紙26を排紙するための排紙部として、搬送ベルト29から用紙26を分離するための分離爪39と、排紙ローラ40及び排紙コロ41とを備え、排紙ローラ40の下方に排紙トレイ12を備えている。ここで、排紙ローラ40と排紙コロ41との間から排紙トレイ12までの高さは排紙トレイ12にストックできる量を多くするためにある程度高くしている。
【0020】
また、装置本体10の背面部には両面給紙ユニット42が着脱自在に装着されている。この両面給紙ユニット42は搬送ベルト29の逆方向回転で戻される用紙26を取り込んで反転させて再度カウンタローラ31と搬送ベルト29との間に給紙する。また、この両面給紙ユニット42の上面には手差し給紙部43を設けている。
【0021】
更に、図3に示すように、キャリッジ21の走査方向の一方の非印字領域には、記録ヘッド22のノズルの状態を維持し、回復するための信頼性維持手段である維持回復機構44を配置し、他方の非印字領域には空吐出受け部材45を配置している。維持回復機構44には、記録ヘッド22のノズル面をキャピングするためのキャッピング手段であるキャップ部材46a、46b、46c、46dと、ノズル面をワイピングするためのワイピング手段であるワイパーブレード47と、空吐出受け部材48などを備えている。
【0022】
次に、図3の維持回復機構の構成について、図4及び図5を参照して説明する。なお、図4は維持回復機構のキャッピング手段の構成を示す平面図、図5は維持回復機構のキャッピング手段の駆動機構の構成を示す正面図である。フレーム81には、2つのキャップホルダ82a、82b、82c、82dを含むキャップホルダ82と、空吐出受け部材83と、清掃手段としての弾性体を含むワイピング部材であるワイパーブレード84と、キャリッジロック85とがそれぞれ昇降可能に保持されている。キャップホルダ82a、82b、82c、82dには、各記録ヘッドのノズル面をそれぞれキャッピングするキャップ86a、86b、86c、86dを含むキャップ86を保持している。ここで、印字領域に最も近い側のキャップホルダ82aに保持したキャップ86aにはチューブ87を介して吸引手段であるチューブポンプ88を接続し、他のキャップ86bはチューブポンプ88を接続していない。すなわち、キャップ86aのみを回復及び保湿用キャップとし、他のキャップ86b、86c、86dは単なる保湿用キャップとしている。したがって、記録ヘッドの回復動作やサブタンクへのインク供給動作を行うときには、当該記録ヘッドをキャップ86aによってキャッピング可能な位置に選択的に移動する。また、これらのキャップホルダ82a、82b、82c、82dの下方にはカム軸89を回転可能に配置し、このカム軸89には、キャップホルダ86a、86b、86c、86dを昇降させるためのキャップカム90a、90b、90c、90dと、ワイパーブレード84を昇降させるためのワイパーカム91、キャリッジロック85をキャリッジロックアーム92を介して昇降させるためのキャリッジロックカム93をそれぞれ設けている。更に、ワイパーブレード84の印字領域側にはワイパーブレード84を清浄化するためのワイパークリーナ94を矢示方向に揺動可能で、図示しないスプリングでワイパーブレード84から離れる方向に付勢して配置し、カム軸89にはこのワイパークリーナ94を揺動させるためのワイパークリーナカム95を設けている。ここで、キャップ86はキャップカム90a、90b、90c、90dにより昇降させられる。ワイパーブレード84はワイパーカム91に昇降させられ、下降時にワイパークリーナ94が進出して、このワイパークリーナ94と空吐出受け部材83とに挟まれながら下降することで、ワイパーブレード84に付着したインクが空吐出受け部材83に掻き落とされる。キャリッジロック85は図示しない圧縮バネによって上方(ロック方向)に付勢されて、キャリッジロックアーム92で昇降させられる。そして、チューブポンプ88及びカム軸89を回転駆動するために、モータ96の回転をモータ軸96aに設けたモータギヤ97に、チューブポンプ88のポンプ軸88aに設けたポンプギヤ98を噛み合わせ、更にこのポンプギヤ98と一体の中間ギヤ99に中間ギヤ100を介して一方向クラッチ101が付いている中間ギヤ102を噛み合わせ、この中間ギヤ102と同軸の中間ギヤ103に中間ギヤ104を介してカム軸105に固定したカムギヤ106を噛み合わせている。また、カム軸89にはホームポジションを検出するためのホームポジションセンサ用カム107を設け、この維持回復機構に設けた図示しないホームポジションセンサにてキャップ86が最下端に移動して来たときにホームポジションレバー(図示せず)を作動させ、センサが開状態になってモータ96(チューブポンプ88以外)のホームポジションを検知する。なお、電源オン時には、キャップ86(キャップホルダ82)の位置に関係なく上下(昇降)し、移動開始までは位置検出を行わず、キャップ86のホーム位置(上昇途中)を検知した後に、定められた量を移動して最下端へ移動する。その後、キャリッジが左右に移動して位置検知後キャップ位置に戻り、記録ヘッドがキャッピングされる。
【0023】
この維持回復機構においては、モータ96が正転することによってモータギヤ97、中間ギヤ98、ポンプギヤ99、中間ギヤ100、102までが回転し、チューブポンプ88のポンプ軸88aが回転することでチューブポンプ88が作動して、回復・保湿用キャップ86a内を吸引する。その他の中間ギヤ103,104、カムギヤ106は一方向クラッチ101によって回転が遮断されるので回転(作動)しない。モータ96が逆転することによって、一方向クラッチ101が連結されるので、モータ96の回転が、モータギヤ97、中間ギヤ98、ポンプギヤ99、中間ギヤ100、102、103、104を経てカムギヤ106に伝達され、カム軸89が回転する。このとき、チューブポンプ88はポンプ軸88aの逆転では回転しない構造となっている。
【0024】
次に、本発明の画像形成装置における維持回復動作について、維持回復動作フローを示す図6及び動作タイムチャートを示す図7に従って説明する。
【0025】
記録ヘッドの回復動作を行うときには、図7の時点T0で、図5のモータ96を逆転してカム軸89を回転させて図4及び図5のキャップ86aを上昇させて、図7の時点T1で記録ヘッドのノズル面をキャッピングし、モータ96を正転してチューブポンプ88を作動させて記録ヘッドのノズルから吸引する第1の工程を行う(ステップS101)。この第1の工程に引き続いて、図7の時点T2で、モータ96を逆転させることでカム軸89を更に回転させ、これにより、キャップ86aを記録ヘッドのノズル面から離間させる第2の工程を行う(ステップS102)。この第2の工程に引き続いて、図7の時点T3までの間、インク滴を吐出させずにメニスカスをノズルの外部に動かすように、図示していない駆動信号生成手段によって生成した所定の駆動信号を記録ヘッドに入力する(ステップS103)。そして、時点T3では、図4及び図5のワイパーブレード84がワイピング位置(ノズル面と接触する位置)に上昇し、この状態で図3のキャリッジ21を移動させることにより、記録ヘッドのノズル面をワイパーブレード84で拭きとって清掃した後、ワイパーブレード84を下降させてノズル面から離間させる第3の工程を行う(ステップS104)。この第3の工程に引き続いて、図7の時点T4で、チューブポンプ88を作動させてキャップ86a内のインクを吸引する第4の工程を行う(ステップS105)。以上の工程を全てのノズルに対して繰り返し行う(ステップS106)。このように、第2の工程でキャップをノズル面から外す時から第3の工程のワイピング時までの間、メニスカスをノズルの外部に動かすため、サブタンク内の負圧によって、ノズル面上の異なる色のインクがノズルからノズル内部に吸い込まれることを防止することができる。
【0026】
次に、上述した第2の工程と第3の工程の間に記録ヘッドに入力する所定の駆動信号について、図8を参照して説明する。図8は記録ヘッドに入力する駆動信号の電圧変化とメニスカスの位置変化を示す図である。インク滴を吐出させないように、立ち下げ時間は圧力室の固有振動周期よりも十分長く設定し、駆動信号の最後に電圧を立ち上げるよう、ゆるやかな引き打ち型パルスにしている。駆動周波数を10kHzとすると、図8の(a)に示す駆動信号セットが100μsごとに入力される。また、このときのメニスカス位置を示したのが図8の(b)である。ゆるやかな電圧立ち下げ時はわずかにノズル内部に引き込まれるが、電圧立上げ時はノズル外部へメニスカス位置が動く。駆動周波数を10kHzのとき、図8の(a)に示した駆動信号入力後は常にメニスカス位置がノズル外部に位置するため、ワイピング前にノズル面上の異なる色のインクがサブタンク内負圧によってノズル内部に引き込まれ、混色が発生するのを防ぐことができる。
【0027】
ここで、本発明で用いることができるインク収容部について説明する。インク収容部は、大きく分けて負圧発生箇所と負圧発生手段の組み合わせによって4つのタイプがあり、いずれも用いることができる。負圧発生箇所は、インクタンクと一体化しているか、分離しているか、であり、負圧発生手段は、負圧発生手段が吸収体か、バネなど取り付けられた袋か、である。以下、順に説明する。
【0028】
先ず、Aタイプのインク収容部は、図9に示すように、負圧発生部分とタンクが分離し、そして負圧発生は吸収体であるタイプである。このAタイプのインク収容部は、毛管力発生部材を収納する負圧発生部110と、インク122を収納する液体供給部120により構成されている。液体供給部120は気液交換通路130a,130bを介して負圧発生部110と結合する構成となっている。負圧発生部110は、液体を吐出口から吐出して記録を行う記録ヘッド部等の外部へインク(処理液などの液体を含む)を供給するインク供給口111を有する筺体112と、筺体112の内部に収納されるポリプロピレンとポリエチレン等の混紡繊維により構成される毛管力発生部材113を備えている。更に、筺体112は、内部に収納した毛管力発生部材113と外気とを連通させるための大気連通口114を備えており、この大気連通口114の近傍には筺体112内面から突出したリブにより形成されたバッファ空間115が設けられている。一方、液体供給部120は、筺体121内に直接インク122を収容しており、気液交換通路130a,130bを介して負圧発生部110と接続し、インク122を負圧発生部110に供給する。
【0029】
また、Bタイプのインク供給部は、図10に示すように、負圧発生部分とタンクが一体型であり、負圧発生は吸収体を用いたタイプである。つまり、このBタイプのインク供給部は、Aタイプの負圧発生部と液体供給部が1つの筐体に含まれる構成をとっている。毛管力発生部材を収納する負圧発生部110と、インク122を収納する液体供給部120により構成されており、液体供給部120は気液交換通路131を介して負圧発生部110と通じる構成となっている。負圧発生部110は、液体を吐出口から吐出して記録を行う記録ヘッド部等の外部へインク(処理液などの液体を含む)を供給するインク供給口111を有し、筺体112の内部に収納されるポリプロピレンとポリエチレン等の混紡繊維により構成される毛管力発生部材113を備えている。更に、筺体112は、内部に収納した毛管力発生部材113と外気とを連通させるための大気連通口114を備えており、この大気連通口114の近傍には筺体112内面から突出したリブにより形成されたバッファ空間115が設けられている。一方、液体供給部120は、直接インク122を収容しており、気液交換通路131を介してインク122を負圧発生部110に供給する。
【0030】
更に、Cタイプのインク供給部は、図11に示すように、負圧発生部分とタンクが分離し、負圧発生はバネを用いたタイプである。このCタイプのインク供給部は、バネ116を収納する負圧発生部110と、インク122を収納する液体供給部120により構成されている。液体供給部120は液体供給路132を介して負圧発生部110と結合する構成となっている。負圧発生部110は、液体を吐出口から吐出して記録を行う記録ヘッド部等の外部へインク(処理液などの液体を含む)を供給するインク供給口111を有する筺体112と、筺体112の内部に収納される負圧を発生するバネ116、インク122を収納する内袋117を備えている。更に、筺体112は、筐体内部と外気とを連通させるための大気連通口114が設けられている。一方、液体供給部120は、筺体121内に直接インク122を収容しており、液体供給路132を介して負圧発生部110にインク122を供給する。
【0031】
また、Dタイプのインク供給部は、図12に示すように、負圧発生部分とタンクが一体型であり、負圧発生はバネを用いたタイプである。このDタイプのインク供給部140は、筐体112、負圧を発生するバネ116、インク122を収納する液体収納袋118で構成される。液体収納袋118は可撓性を有しており、内部に収納されたインクの導出に伴い変形可能である。インクが消費されると液体収納袋118は徐々につぶれた状態になっていくが、その際、バネ116によってつぶれが妨げられて、抗力が働く。そのため、液体収納袋118内に負圧が発生する。筐体112はインク供給口111を備えており、筐体内部と外気とを連通させるための大気連通口114を備えている。液体収納袋118は、その内側から順に、耐インク性を有する接液層、弾性率支配層、ガスバリア性に優れたガスバリア層が積層された3重構造である。なお、本実施の形態においては、液体収納袋118を構成する最も内側の接液層の材質としてポリプロピレンあるいはポリエチレン、中間の弾性率支配層として環状オレフィンコポリマ、最も外側のガスバリア層の材質としてEVOH(EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂)のけん化物)が用いられている。ここで、弾性率支配層に機能性接着樹脂材料を含ませることで、互いの層間に接着層を特別に備える必要がないため、液体収納袋118の厚みを薄くすることができ、好ましい。
【0032】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内の記載であれば多種の変形や置換可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の画像形成装置の構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の画像形成装置における機構部の構成を示す概略断面図である。
【図3】本発明の画像形成装置における機構部の要部構成を示す平面図である。
【図4】維持回復機構のキャッピング手段の構成を示す平面図である。
【図5】維持回復機構のキャッピング手段の駆動機構の構成を示す正面図である。
【図6】本発明の画像形成装置における維持回復動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の画像形成装置における維持回復動作を示すタイムチャートである。
【図8】記録ヘッドに入力する駆動信号の電圧変化とメニスカスの位置変化を示す図である。
【図9】Aタイプのインク収容部の構成を示す概略断面図である。
【図10】Bタイプのインク収容部の構成を示す概略断面図である。
【図11】Cタイプのインク収容部の構成を示す概略断面図である。
【図12】Dタイプのインク収容部の構成を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0034】
44;維持回復機構、
46a、46b、46c、46d;キャップ部材、
47,84;ワイパーブレード、88;チューブポンプ。
【技術分野】
【0001】
本発明は維持回復方法、維持回復機構及び画像形成装置に関し、詳細には維持回復動作の際インクの消費を最小限に抑え、かつ混色を防止する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
異なる色の液滴を吐出する1つの液滴吐出ヘッドに各サブタンクから記録液を供給する画像形成装置において、液滴吐出ヘッドのノズル面を1つのキャップでキャッピングしてノズル吸引を行って回復させる動作を行うと、ノズル吸引後にキャップを外すと、ノズル面上で異なる色のインクが存在するため、サブタンク内部の負圧によって異なる色のインクがノズル内部に吸い込まれて混色を生じることがある。このような混色を防止するために、従来よりいくつかの提案がなされている。
【0003】
その一つとしての特許文献1では、ノズル吸引前に異なる色のサブタンクにそれぞれ同じ量が満たされるまでインクを供給して、サブタンク内の負圧の絶対値を下げ、値を同等にして混色を防止している。更に、キャップを外した後に、ノズルからインク滴を吐出することで混色を防止している。また、特許文献2では、ノズル面のワイピング後のワイパ上のインクの残りや塵埃を多孔質部材に吸収させることで、ノズル面上に異なる色のインクを存在させないようにして、混色を防止している。
【特許文献1】特開2005−144939号公報
【特許文献2】特開平07−068791号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、画像形成装置においては、装置のユーザの満足度を高めるため、印字以外の消費するインクの量は可能な限り減らす必要がある。また、装置の低コスト化を図るために、部品点数を削減する必要がある。ところが、特許文献1では、ヘッドの回復動作の際、ノズル吸引してキャップを外した後に、ノズルからインク滴を吐出することで混色を防止している。すなわち、ここで消費されるインクは印字には使用されないため、ユーザにとっては無駄なインク消費量となる。印字に使用していないで捨てているインクも購入していることになるとユーザの満足度は低くなる。また、仮に装置メーカが無駄に捨ててしまうインク量だけ余分にインクカートリッジに収容しているとすると、ユーザの満足度は低くならないが、装置メーカのコストアップとなってしまう。また、特許文献2では、ワイパ上のインクの残りや塵埃を多孔質部材に吸収させるため、多孔質部材を用いているが、これは部品として追加しているため、装置のコストアップになってしまう。
【0005】
本発明はこれらの問題点を解決するためのものであり、ユーザにとって無駄なインク量を増やすことなく、また新規に部品を追加することなく、混色を防止できる維持回復方法、維持回復機構及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記問題点を解決するために、本発明の維持回復方法は、液滴吐出ヘッドのノズル面をキャップで覆い、このキャップに接続された吸引手段を作動させてキャップを介してノズルから吸引を行う第1の工程と、ノズル面からキャップを離間させる第2の工程と、駆動信号生成手段によって生成された所定の駆動信号を液滴吐出ヘッドに供給して液滴を吐出させずにノズル内のメニスカス位置をノズル外部へ移動させる第3の工程と、清掃手段によりノズル周辺を清掃する第3の工程と、吸引手段を作動させてキャップ内のインクを吸引する第4の工程とを有することに特徴がある。よって、維持回復動作の際ノズル吸引後にノズルを加圧しているので、ノズル面上の異なる色のインクがサブタンク内負圧によってノズル内部に引き込まれ、混色が発生するのを防ぐことができると共に、無駄なインク量を減らすことができる。
【0007】
また、別の発明としての維持回復機構は、液滴吐出ヘッドの回復動作を行うために液滴吐出ヘッドのノズル側から吸引を行う吸引手段と、吸引手段によって吸引を行った後に、液滴を吐出させずにノズル内のメニスカス位置をノズル外部へ移動させるための駆動信号生成手段によって生成された所定の駆動信号を液滴吐出ヘッドに供給し、ノズル外部へ移動した記録液を清掃する清掃手段とを具備することに特徴がある。よって、維持回復動作の際ノズル吸引後に、インク滴を吐出させず、メニスカスをノズル外部へ動くように駆動信号を入力してから清掃しているので、ノズル面上の異なる色のインクがサブタンク内負圧によってノズル内部に引き込まれ、混色が発生するのを防ぐことができると共に、無駄なインク量を減らすことができる。
【0008】
更に、別の発明としての画像形成装置は、異なる色の液滴を吐出する複数のノズル列と、ノズル列に連通した圧力室と、圧力室の容積を変化させる圧力発生手段を有する液滴吐出ヘッドと、駆動信号を生成する駆動信号生成手段と、液滴吐出ヘッドに各色の記録液を供給する複数のサブタンクとを備え、更に上記維持回復機構を有することに特徴がある。よって、維持回復時の混色を防止できることにより印字品質を保持でき、無駄なインク消費を抑えることができる画像形成装置を提供できる。
【0009】
また、液滴を吐出させずにメニスカスの位置をノズル外部へ移動させるように圧力室を収縮させる加圧手段を有することにより、維持回復動作の際ノズル吸引後に、インク滴を吐出させず、メニスカスをノズル外部へ動くように加圧手段によって圧力室を収縮させて圧力室を加圧するので、ノズル面上の異なる色のインクがサブタンク内負圧によってノズル内部に引き込まれ、混色が発生するのを防ぐことができる。
【0010】
更に、圧力発生手段はピエゾなどの圧電素子であることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の維持回復方法によれば、液滴吐出ヘッドの回復動作を行うために液滴吐出ヘッドのノズル側から吸引を行った後に、液滴を吐出させずにノズル内のメニスカス位置をノズル外部へ移動させるための駆動信号生成手段によって生成された所定の駆動信号を液滴吐出ヘッドに供給し、ノズル外部へ移動した記録液を清掃する。よって、ノズル面上の異なる色のインクがサブタンク内負圧によってノズル内部に引き込まれて発生する混色を防ぐことができると共に、無駄なインク量を減らすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は本発明の画像形成装置の構成を示す斜視図である。同図に示す画像形成装置の一例であるインクジェット記録装置は、装置本体10と、装置本体10に装着した用紙を装填するための給紙トレイ11と、装置本体10に装着され画像が記録された用紙をストックするための排紙トレイ12とを備えている。また、装置本体10の上側には上面カバー13を開閉可能に設けている。更に、装置本体10の前面14の一端部側には、前面14から前方側に突き出し、上面カバー13よりも低い位置にカートリジ装填部15を有し、このカートリッジ装填部15の上面に操作キーや表示器などの操作部16を配置している。カートリッジ装填部15は、その前面に開閉可能な前カバー17を備えて、この前カバー17を開状態にすることにより液体補充手段としての記録液カートリッジであるインクカートリッジ18の脱着を行えるようにしている。
【0013】
図2は本発明の画像形成装置における機構部の構成を示す概略断面図である。図3は本発明の画像形成装置における機構部の要部構成を示す平面図である。両図に示す画像形成装置の一例であるインクジェット記録装置の機構部は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロッド19とステー20とでキャリッジ21を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによって図3でキャリッジ主走査方向(矢示方向)に移動走査する。このキャリッジ21には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する4個のインクジェットヘッドからなる記録ヘッド22を複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。記録ヘッド22を構成するインクジェットヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどを、インクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどを使用できるが、ここでは、圧電アクチュエータ(圧電素子)をエネルギー発生手段に用いたヘッドを搭載している。
【0014】
また、キャリッジ21には、記録ヘッド22に各色のインクを供給するための各色の液体容器であるサブタンク23を搭載している。このサブタンク23にはインク供給チューブ24を介して前述した各色のメインタンクである図1のインクカートリッジ18からインクが補充供給される。ここで、インクカートリッジ18は、それぞれ各色に対応してイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインクを収容している。これらの記録ヘッド22にインクを供給するためのサブタンク23と、このサブタンク23にインクを補充供給するインクカートリッジ18とによって、記録液供給装置であるインク供給装置を構成している。
【0015】
一方、給紙トレイ12の用紙積載部(圧板)25上に積載した用紙26を給紙するための給紙部として、用紙積載部25から用紙26を1枚ずつ分離給送する半月コロの給紙コロ27に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド28を備え、この分離パッド28は給紙コロ27側に付勢されている。
【0016】
そして、この給紙部から給紙された用紙26を記録ヘッド22の下方側で搬送するための搬送部として、用紙26を静電吸着して搬送するための搬送ベルト29と、給紙部からガイド30を介して送られる用紙26を搬送ベルト29との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ31と、略鉛直上方に送られる用紙26を略90°方向転換させて搬送ベルト29上に倣わせるための搬送ガイド32と、押さえ部材33で搬送ベルト29側に付勢された先端加圧コロ34とを備えている。また、搬送ベルト29の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ35を備えている。
【0017】
ここで、搬送ベルト29は、無端状ベルトであり、搬送ローラ36とテンションローラ37との間に掛け渡されて、図3のベルト搬送方向に周回するように構成している。帯電ローラ35は、搬送ベルト29の表層に接触し、搬送ベルト29の回動に従動して回転するように配置され、加圧力として軸の両端に各2.5Nをかけている。
【0018】
また、搬送ベルト29の裏側には、記録ヘッド22による印写領域に対応してガイド部材38を配置している。このガイド部材38は、上面が搬送ベルト29を支持する2つのローラである搬送ローラ36とテンションローラ37の接線よりも記録ヘッド22側に突出している。これにより、搬送ベルト29は印写領域ではガイド部材38の上面にて押し上げられてガイドされるので、高精度な平面性が維持される。
【0019】
更に、記録ヘッド22で記録された用紙26を排紙するための排紙部として、搬送ベルト29から用紙26を分離するための分離爪39と、排紙ローラ40及び排紙コロ41とを備え、排紙ローラ40の下方に排紙トレイ12を備えている。ここで、排紙ローラ40と排紙コロ41との間から排紙トレイ12までの高さは排紙トレイ12にストックできる量を多くするためにある程度高くしている。
【0020】
また、装置本体10の背面部には両面給紙ユニット42が着脱自在に装着されている。この両面給紙ユニット42は搬送ベルト29の逆方向回転で戻される用紙26を取り込んで反転させて再度カウンタローラ31と搬送ベルト29との間に給紙する。また、この両面給紙ユニット42の上面には手差し給紙部43を設けている。
【0021】
更に、図3に示すように、キャリッジ21の走査方向の一方の非印字領域には、記録ヘッド22のノズルの状態を維持し、回復するための信頼性維持手段である維持回復機構44を配置し、他方の非印字領域には空吐出受け部材45を配置している。維持回復機構44には、記録ヘッド22のノズル面をキャピングするためのキャッピング手段であるキャップ部材46a、46b、46c、46dと、ノズル面をワイピングするためのワイピング手段であるワイパーブレード47と、空吐出受け部材48などを備えている。
【0022】
次に、図3の維持回復機構の構成について、図4及び図5を参照して説明する。なお、図4は維持回復機構のキャッピング手段の構成を示す平面図、図5は維持回復機構のキャッピング手段の駆動機構の構成を示す正面図である。フレーム81には、2つのキャップホルダ82a、82b、82c、82dを含むキャップホルダ82と、空吐出受け部材83と、清掃手段としての弾性体を含むワイピング部材であるワイパーブレード84と、キャリッジロック85とがそれぞれ昇降可能に保持されている。キャップホルダ82a、82b、82c、82dには、各記録ヘッドのノズル面をそれぞれキャッピングするキャップ86a、86b、86c、86dを含むキャップ86を保持している。ここで、印字領域に最も近い側のキャップホルダ82aに保持したキャップ86aにはチューブ87を介して吸引手段であるチューブポンプ88を接続し、他のキャップ86bはチューブポンプ88を接続していない。すなわち、キャップ86aのみを回復及び保湿用キャップとし、他のキャップ86b、86c、86dは単なる保湿用キャップとしている。したがって、記録ヘッドの回復動作やサブタンクへのインク供給動作を行うときには、当該記録ヘッドをキャップ86aによってキャッピング可能な位置に選択的に移動する。また、これらのキャップホルダ82a、82b、82c、82dの下方にはカム軸89を回転可能に配置し、このカム軸89には、キャップホルダ86a、86b、86c、86dを昇降させるためのキャップカム90a、90b、90c、90dと、ワイパーブレード84を昇降させるためのワイパーカム91、キャリッジロック85をキャリッジロックアーム92を介して昇降させるためのキャリッジロックカム93をそれぞれ設けている。更に、ワイパーブレード84の印字領域側にはワイパーブレード84を清浄化するためのワイパークリーナ94を矢示方向に揺動可能で、図示しないスプリングでワイパーブレード84から離れる方向に付勢して配置し、カム軸89にはこのワイパークリーナ94を揺動させるためのワイパークリーナカム95を設けている。ここで、キャップ86はキャップカム90a、90b、90c、90dにより昇降させられる。ワイパーブレード84はワイパーカム91に昇降させられ、下降時にワイパークリーナ94が進出して、このワイパークリーナ94と空吐出受け部材83とに挟まれながら下降することで、ワイパーブレード84に付着したインクが空吐出受け部材83に掻き落とされる。キャリッジロック85は図示しない圧縮バネによって上方(ロック方向)に付勢されて、キャリッジロックアーム92で昇降させられる。そして、チューブポンプ88及びカム軸89を回転駆動するために、モータ96の回転をモータ軸96aに設けたモータギヤ97に、チューブポンプ88のポンプ軸88aに設けたポンプギヤ98を噛み合わせ、更にこのポンプギヤ98と一体の中間ギヤ99に中間ギヤ100を介して一方向クラッチ101が付いている中間ギヤ102を噛み合わせ、この中間ギヤ102と同軸の中間ギヤ103に中間ギヤ104を介してカム軸105に固定したカムギヤ106を噛み合わせている。また、カム軸89にはホームポジションを検出するためのホームポジションセンサ用カム107を設け、この維持回復機構に設けた図示しないホームポジションセンサにてキャップ86が最下端に移動して来たときにホームポジションレバー(図示せず)を作動させ、センサが開状態になってモータ96(チューブポンプ88以外)のホームポジションを検知する。なお、電源オン時には、キャップ86(キャップホルダ82)の位置に関係なく上下(昇降)し、移動開始までは位置検出を行わず、キャップ86のホーム位置(上昇途中)を検知した後に、定められた量を移動して最下端へ移動する。その後、キャリッジが左右に移動して位置検知後キャップ位置に戻り、記録ヘッドがキャッピングされる。
【0023】
この維持回復機構においては、モータ96が正転することによってモータギヤ97、中間ギヤ98、ポンプギヤ99、中間ギヤ100、102までが回転し、チューブポンプ88のポンプ軸88aが回転することでチューブポンプ88が作動して、回復・保湿用キャップ86a内を吸引する。その他の中間ギヤ103,104、カムギヤ106は一方向クラッチ101によって回転が遮断されるので回転(作動)しない。モータ96が逆転することによって、一方向クラッチ101が連結されるので、モータ96の回転が、モータギヤ97、中間ギヤ98、ポンプギヤ99、中間ギヤ100、102、103、104を経てカムギヤ106に伝達され、カム軸89が回転する。このとき、チューブポンプ88はポンプ軸88aの逆転では回転しない構造となっている。
【0024】
次に、本発明の画像形成装置における維持回復動作について、維持回復動作フローを示す図6及び動作タイムチャートを示す図7に従って説明する。
【0025】
記録ヘッドの回復動作を行うときには、図7の時点T0で、図5のモータ96を逆転してカム軸89を回転させて図4及び図5のキャップ86aを上昇させて、図7の時点T1で記録ヘッドのノズル面をキャッピングし、モータ96を正転してチューブポンプ88を作動させて記録ヘッドのノズルから吸引する第1の工程を行う(ステップS101)。この第1の工程に引き続いて、図7の時点T2で、モータ96を逆転させることでカム軸89を更に回転させ、これにより、キャップ86aを記録ヘッドのノズル面から離間させる第2の工程を行う(ステップS102)。この第2の工程に引き続いて、図7の時点T3までの間、インク滴を吐出させずにメニスカスをノズルの外部に動かすように、図示していない駆動信号生成手段によって生成した所定の駆動信号を記録ヘッドに入力する(ステップS103)。そして、時点T3では、図4及び図5のワイパーブレード84がワイピング位置(ノズル面と接触する位置)に上昇し、この状態で図3のキャリッジ21を移動させることにより、記録ヘッドのノズル面をワイパーブレード84で拭きとって清掃した後、ワイパーブレード84を下降させてノズル面から離間させる第3の工程を行う(ステップS104)。この第3の工程に引き続いて、図7の時点T4で、チューブポンプ88を作動させてキャップ86a内のインクを吸引する第4の工程を行う(ステップS105)。以上の工程を全てのノズルに対して繰り返し行う(ステップS106)。このように、第2の工程でキャップをノズル面から外す時から第3の工程のワイピング時までの間、メニスカスをノズルの外部に動かすため、サブタンク内の負圧によって、ノズル面上の異なる色のインクがノズルからノズル内部に吸い込まれることを防止することができる。
【0026】
次に、上述した第2の工程と第3の工程の間に記録ヘッドに入力する所定の駆動信号について、図8を参照して説明する。図8は記録ヘッドに入力する駆動信号の電圧変化とメニスカスの位置変化を示す図である。インク滴を吐出させないように、立ち下げ時間は圧力室の固有振動周期よりも十分長く設定し、駆動信号の最後に電圧を立ち上げるよう、ゆるやかな引き打ち型パルスにしている。駆動周波数を10kHzとすると、図8の(a)に示す駆動信号セットが100μsごとに入力される。また、このときのメニスカス位置を示したのが図8の(b)である。ゆるやかな電圧立ち下げ時はわずかにノズル内部に引き込まれるが、電圧立上げ時はノズル外部へメニスカス位置が動く。駆動周波数を10kHzのとき、図8の(a)に示した駆動信号入力後は常にメニスカス位置がノズル外部に位置するため、ワイピング前にノズル面上の異なる色のインクがサブタンク内負圧によってノズル内部に引き込まれ、混色が発生するのを防ぐことができる。
【0027】
ここで、本発明で用いることができるインク収容部について説明する。インク収容部は、大きく分けて負圧発生箇所と負圧発生手段の組み合わせによって4つのタイプがあり、いずれも用いることができる。負圧発生箇所は、インクタンクと一体化しているか、分離しているか、であり、負圧発生手段は、負圧発生手段が吸収体か、バネなど取り付けられた袋か、である。以下、順に説明する。
【0028】
先ず、Aタイプのインク収容部は、図9に示すように、負圧発生部分とタンクが分離し、そして負圧発生は吸収体であるタイプである。このAタイプのインク収容部は、毛管力発生部材を収納する負圧発生部110と、インク122を収納する液体供給部120により構成されている。液体供給部120は気液交換通路130a,130bを介して負圧発生部110と結合する構成となっている。負圧発生部110は、液体を吐出口から吐出して記録を行う記録ヘッド部等の外部へインク(処理液などの液体を含む)を供給するインク供給口111を有する筺体112と、筺体112の内部に収納されるポリプロピレンとポリエチレン等の混紡繊維により構成される毛管力発生部材113を備えている。更に、筺体112は、内部に収納した毛管力発生部材113と外気とを連通させるための大気連通口114を備えており、この大気連通口114の近傍には筺体112内面から突出したリブにより形成されたバッファ空間115が設けられている。一方、液体供給部120は、筺体121内に直接インク122を収容しており、気液交換通路130a,130bを介して負圧発生部110と接続し、インク122を負圧発生部110に供給する。
【0029】
また、Bタイプのインク供給部は、図10に示すように、負圧発生部分とタンクが一体型であり、負圧発生は吸収体を用いたタイプである。つまり、このBタイプのインク供給部は、Aタイプの負圧発生部と液体供給部が1つの筐体に含まれる構成をとっている。毛管力発生部材を収納する負圧発生部110と、インク122を収納する液体供給部120により構成されており、液体供給部120は気液交換通路131を介して負圧発生部110と通じる構成となっている。負圧発生部110は、液体を吐出口から吐出して記録を行う記録ヘッド部等の外部へインク(処理液などの液体を含む)を供給するインク供給口111を有し、筺体112の内部に収納されるポリプロピレンとポリエチレン等の混紡繊維により構成される毛管力発生部材113を備えている。更に、筺体112は、内部に収納した毛管力発生部材113と外気とを連通させるための大気連通口114を備えており、この大気連通口114の近傍には筺体112内面から突出したリブにより形成されたバッファ空間115が設けられている。一方、液体供給部120は、直接インク122を収容しており、気液交換通路131を介してインク122を負圧発生部110に供給する。
【0030】
更に、Cタイプのインク供給部は、図11に示すように、負圧発生部分とタンクが分離し、負圧発生はバネを用いたタイプである。このCタイプのインク供給部は、バネ116を収納する負圧発生部110と、インク122を収納する液体供給部120により構成されている。液体供給部120は液体供給路132を介して負圧発生部110と結合する構成となっている。負圧発生部110は、液体を吐出口から吐出して記録を行う記録ヘッド部等の外部へインク(処理液などの液体を含む)を供給するインク供給口111を有する筺体112と、筺体112の内部に収納される負圧を発生するバネ116、インク122を収納する内袋117を備えている。更に、筺体112は、筐体内部と外気とを連通させるための大気連通口114が設けられている。一方、液体供給部120は、筺体121内に直接インク122を収容しており、液体供給路132を介して負圧発生部110にインク122を供給する。
【0031】
また、Dタイプのインク供給部は、図12に示すように、負圧発生部分とタンクが一体型であり、負圧発生はバネを用いたタイプである。このDタイプのインク供給部140は、筐体112、負圧を発生するバネ116、インク122を収納する液体収納袋118で構成される。液体収納袋118は可撓性を有しており、内部に収納されたインクの導出に伴い変形可能である。インクが消費されると液体収納袋118は徐々につぶれた状態になっていくが、その際、バネ116によってつぶれが妨げられて、抗力が働く。そのため、液体収納袋118内に負圧が発生する。筐体112はインク供給口111を備えており、筐体内部と外気とを連通させるための大気連通口114を備えている。液体収納袋118は、その内側から順に、耐インク性を有する接液層、弾性率支配層、ガスバリア性に優れたガスバリア層が積層された3重構造である。なお、本実施の形態においては、液体収納袋118を構成する最も内側の接液層の材質としてポリプロピレンあるいはポリエチレン、中間の弾性率支配層として環状オレフィンコポリマ、最も外側のガスバリア層の材質としてEVOH(EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂)のけん化物)が用いられている。ここで、弾性率支配層に機能性接着樹脂材料を含ませることで、互いの層間に接着層を特別に備える必要がないため、液体収納袋118の厚みを薄くすることができ、好ましい。
【0032】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内の記載であれば多種の変形や置換可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の画像形成装置の構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の画像形成装置における機構部の構成を示す概略断面図である。
【図3】本発明の画像形成装置における機構部の要部構成を示す平面図である。
【図4】維持回復機構のキャッピング手段の構成を示す平面図である。
【図5】維持回復機構のキャッピング手段の駆動機構の構成を示す正面図である。
【図6】本発明の画像形成装置における維持回復動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の画像形成装置における維持回復動作を示すタイムチャートである。
【図8】記録ヘッドに入力する駆動信号の電圧変化とメニスカスの位置変化を示す図である。
【図9】Aタイプのインク収容部の構成を示す概略断面図である。
【図10】Bタイプのインク収容部の構成を示す概略断面図である。
【図11】Cタイプのインク収容部の構成を示す概略断面図である。
【図12】Dタイプのインク収容部の構成を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0034】
44;維持回復機構、
46a、46b、46c、46d;キャップ部材、
47,84;ワイパーブレード、88;チューブポンプ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる色の液滴を吐出する複数のノズル列と、該ノズル列に連通した圧力室と、該圧力室の容積を変化させる圧力発生手段を有する液滴吐出ヘッドと、駆動信号を生成する駆動信号生成手段と、前記液滴吐出ヘッドに各色の記録液を供給する複数のサブタンクとを備え、各サブタンクにメインタンクから記録液を供給するようにした画像形成装置であって、前記液滴吐出ヘッドの性能を維持回復する維持回復方法において、
前記液滴吐出ヘッドのノズル面をキャップで覆い、該キャップに接続された吸引手段を作動させて前記キャップを介してノズルから吸引を行う第1の工程と、
前記ノズル面から前記キャップを離間させる第2の工程と、
前記駆動信号生成手段によって生成された所定の駆動信号を前記液滴吐出ヘッドに供給して液滴を吐出させずにノズル内のメニスカス位置をノズル外部へ移動させる第3の工程と、
清掃手段によりノズル周辺を清掃する第3の工程と、
前記吸引手段を作動させて前記キャップ内のインクを吸引する第4の工程と
を有することを特徴とする維持回復方法。
【請求項2】
異なる色の液滴を吐出する複数のノズル列と、該ノズル列に連通した圧力室と、該圧力室の容積を変化させる圧力発生手段を有する液滴吐出ヘッドと、駆動信号を生成する駆動信号生成手段と、前記液滴吐出ヘッドに各色の記録液を供給する複数のサブタンクとを備え、各サブタンクにメインタンクから記録液を供給するようにした画像形成装置であって、前記液滴吐出ヘッドの性能を維持回復する維持回復機構において、
前記液滴吐出ヘッドの回復動作を行うために前記液滴吐出ヘッドのノズル側から吸引を行う吸引手段と、
該吸引手段によって吸引を行った後に、液滴を吐出させずにノズル内のメニスカス位置をノズル外部へ移動させるための前記駆動信号生成手段によって生成された所定の駆動信号を前記液滴吐出ヘッドに供給し、ノズル外部へ移動した記録液を清掃する清掃手段と
を具備することを特徴とする維持回復機構。
【請求項3】
異なる色の液滴を吐出する複数のノズル列と、該ノズル列に連通した圧力室と、該圧力室の容積を変化させる圧力発生手段を有する液滴吐出ヘッドと、駆動信号を生成する駆動信号生成手段と、前記液滴吐出ヘッドに各色の記録液を供給する複数のサブタンクとを備え、各サブタンクにメインタンクから記録液を供給するようにした画像形成装置において、
請求項2に記載の維持回復機構を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
液滴を吐出させずにメニスカスの位置をノズル外部へ移動させるように前記圧力室を収縮させる加圧手段を有することを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記圧力発生手段は圧電素子であることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項1】
異なる色の液滴を吐出する複数のノズル列と、該ノズル列に連通した圧力室と、該圧力室の容積を変化させる圧力発生手段を有する液滴吐出ヘッドと、駆動信号を生成する駆動信号生成手段と、前記液滴吐出ヘッドに各色の記録液を供給する複数のサブタンクとを備え、各サブタンクにメインタンクから記録液を供給するようにした画像形成装置であって、前記液滴吐出ヘッドの性能を維持回復する維持回復方法において、
前記液滴吐出ヘッドのノズル面をキャップで覆い、該キャップに接続された吸引手段を作動させて前記キャップを介してノズルから吸引を行う第1の工程と、
前記ノズル面から前記キャップを離間させる第2の工程と、
前記駆動信号生成手段によって生成された所定の駆動信号を前記液滴吐出ヘッドに供給して液滴を吐出させずにノズル内のメニスカス位置をノズル外部へ移動させる第3の工程と、
清掃手段によりノズル周辺を清掃する第3の工程と、
前記吸引手段を作動させて前記キャップ内のインクを吸引する第4の工程と
を有することを特徴とする維持回復方法。
【請求項2】
異なる色の液滴を吐出する複数のノズル列と、該ノズル列に連通した圧力室と、該圧力室の容積を変化させる圧力発生手段を有する液滴吐出ヘッドと、駆動信号を生成する駆動信号生成手段と、前記液滴吐出ヘッドに各色の記録液を供給する複数のサブタンクとを備え、各サブタンクにメインタンクから記録液を供給するようにした画像形成装置であって、前記液滴吐出ヘッドの性能を維持回復する維持回復機構において、
前記液滴吐出ヘッドの回復動作を行うために前記液滴吐出ヘッドのノズル側から吸引を行う吸引手段と、
該吸引手段によって吸引を行った後に、液滴を吐出させずにノズル内のメニスカス位置をノズル外部へ移動させるための前記駆動信号生成手段によって生成された所定の駆動信号を前記液滴吐出ヘッドに供給し、ノズル外部へ移動した記録液を清掃する清掃手段と
を具備することを特徴とする維持回復機構。
【請求項3】
異なる色の液滴を吐出する複数のノズル列と、該ノズル列に連通した圧力室と、該圧力室の容積を変化させる圧力発生手段を有する液滴吐出ヘッドと、駆動信号を生成する駆動信号生成手段と、前記液滴吐出ヘッドに各色の記録液を供給する複数のサブタンクとを備え、各サブタンクにメインタンクから記録液を供給するようにした画像形成装置において、
請求項2に記載の維持回復機構を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
液滴を吐出させずにメニスカスの位置をノズル外部へ移動させるように前記圧力室を収縮させる加圧手段を有することを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記圧力発生手段は圧電素子であることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−279644(P2008−279644A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−125189(P2007−125189)
【出願日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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