説明

緑色発色を鮮明に維持した液状加工食品

【課題】大量生産に適し、更に安全性が確保された緑色発色を鮮明に維持した液状加工食品を提供する。
【解決手段】基食素材2と、茶葉を原料とする呈色素材3とを含み、これらが可食状態に加工される食品であって、基食素材2は液状材料であり、また呈色素材3は、含有されている銅イオン量が把握された銅イオン水W1と、茶葉6とが混合され、更に加熱されて銅クロロフィル化処理が施された茶加工品であって、このものは、水分中に茶葉成分が溶出または分散した状態の液茶7であり、呈色素材3は大量生産が可能であり、緑色発色を鮮明に維持した液状加工食品1を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基食素材に添加される茶葉本来の鮮やかな緑色発色を維持することのできる液状加工食品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、天ぷら、茶飯、茶そば等の和食や、和菓子、氷菓、洋菓子等の食品に抹茶等の粉末茶を加えることにより、茶の風味を各種食品に付与することが広く行われている。
しかしながらただ単に抹茶等を加えた場合には、クロロフィルの変質により茶葉本来の緑色ではなく、黄緑色、褐色に変色してしまっているのが実情である。これは緑色を呈するクロロフィルは、光、熱、酸に極めて弱く、更に水が共存した状態ではポリフェノール類の酸化重合等により褐色化してしまうからである。
このため水分が多く含まれている液状加工食品の場合には、茶葉本来の緑色を維持することは困難であった。また食酢を含んだドレッシング、マヨネーズ等の液状加工食品の場合、酸の影響による緑色発色の低下は避けることができなかった。更に加熱されるスープ類の場合には、熱の影響による緑色発色の低下は避けることができなかった。
【0003】
このような緑色発色の低下を防ぐために、例えば茶そばを作る際に、炭酸マグネシウムを生地に加えることにより、退色、褐変の速度を大幅に遅らすことのできる先行技術も存在する(例えば特許文献1参照)。
しかしながらこのような手法によると、茶そばとしては本来は不要である成分が混入されるため、滋味を損ねてしまうといった弊害がある。
【0004】
ところで茶葉等の植物成分本来の緑色を保持するための技術として、クロロフィル中のマグネシウムを銅イオンに置換する銅クロロフィル化と呼ばれる手法が知られており、茶の抽出液や葉の緑色を維持した状態で製品として提供することが可能となっている(例えば特許文献2、3参照)。
これら茶葉本来の緑色を保持するための技術は、茶抽出液や葉を銅製の鍋で煮沸することにより鍋から溶出した銅イオンをクロロフィルに作用させたり、茶抽出液を銅粒が充填されたカラムに流し込んでクロロフィルと銅粒とを接触させる等の手法が採られるものである。
しかしながらこれらの手法にあっては、銅イオンの溶出量の把握が困難であり、更に銅の溶出速度が遅いため、少量生産ではさほど問題は無いが、大量生産には不向きなものであった。
また銅は人間にとって必須の元素ではあるものの、過剰に摂取されることは好ましくないため、銅イオンの溶出量が把握できない従来手法は、安全性が確保されたものとは言えなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−224599号公報
【特許文献2】特許第3538167号公報
【特許文献3】特開平7−112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はこのような背景を考慮してなされたものであって、安全性が確保されるとともに大量生産に適した、新規な緑色発色を鮮明に維持した液状加工食品の開発を技術課題としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち請求項1記載の緑色発色を鮮明に維持した液状加工食品は、基食素材と、茶葉を原料とする呈色素材とを含み、これらが可食状態に加工される食品であって、前記基食素材は液状材料であり、また前記呈色素材は、含有されている銅イオン量が把握された銅イオン水と、茶葉とが混合され、更に加熱されて銅クロロフィル化処理が施された茶加工品であって、このものは、水分中に茶葉成分が溶出または分散した状態の液茶であることを特徴として成るものである。
【0008】
また請求項2記載の緑色発色を鮮明に維持した液状加工食品は、基食素材と、茶葉を原料とする呈色素材とを含み、これらが可食状態に加工される食品であって、前記基食素材は液状材料であり、また前記呈色素材は、含有されている銅イオン量が把握された銅イオン水と、茶葉とが混合され、更に加熱されて銅クロロフィル化処理が施された茶加工品であって、このものは、水分中に茶葉成分が溶出または分散した状態のものを、そのままあるいは濾過した後に、乾燥させた加工茶葉であることを特徴として成るものである。
【0009】
更にまた請求項3記載の緑色発色を鮮明に維持した液状加工食品は、前記要件に加え、前記液状材料は酒類であることを特徴として成るものである。
【0010】
更にまた請求項4記載の緑色発色を鮮明に維持した液状加工食品は、前記請求項1または2記載の要件に加え、前記液状材料はジュースまたは清涼飲料水であることを特徴として成るものである。
【0011】
更にまた請求項5記載の緑色発色を鮮明に維持した液状加工食品は、前記請求項1または2記載の要件に加え、前記液状材料は調味料であることを特徴として成るものである。
【0012】
更にまた請求項6記載の緑色発色を鮮明に維持した液状加工食品は、前記請求項1または2記載の要件に加え、前記液状材料はスープであることを特徴として成るものである。
そしてこれら各請求項記載の発明の構成を手段として前記課題の解決が図られる。
【発明の効果】
【0013】
まず請求項1記載の発明によれば、緑色発色を鮮明に維持した液状加工食品を市場に供給するにあたり、液状加工食品に含まれる銅の量が把握されているため、消費者は一日の所要量あるいは摂取制限量以上に摂取してしまうのを回避することができる。
また呈色素材は大量生産が可能であるため、緑色発色を鮮明に維持した液状加工食品の大量生産が可能となり、安価な製品として市場に提供することが可能となる。
更にまた呈色素材として液茶が用いられることにより、特に液状の基食素材に対して馴染んだ状態で混合することができ、茶葉成分が均等に分散した液状加工食品を実現することができる。
【0014】
また請求項2記載の発明によれば、緑色発色を鮮明に維持した液状加工食品を市場に供給するにあたり、液状加工食品に含まれる銅の量が把握されているため、消費者は一日の所要量あるいは摂取制限量以上に摂取してしまうのを回避することができる。
また呈色素材は大量生産が可能であるため、緑色発色を鮮明に維持した液状加工食品の大量生産が可能となり、安価な製品として市場に提供することが可能となる。
更にまた呈色素材として用いられる加工茶葉は乾燥状態のものであるため、特に乾燥状態とされた基食素材や水分の添加が好ましくない基食素材に対して良好な状態で混合することができ、茶葉成分が均等に分散した液状加工食品を実現することができる。
【0015】
更にまた請求項3記載の発明によれば、液状加工食品としての日本酒、焼酎、ホワイトリカー等を、緑色発色が鮮明に維持されたものとして提供することが可能となる。
【0016】
更にまた請求項4記載の発明によれば、液状加工食品としてのジュース、清涼飲料水等を、緑色発色が鮮明に維持されたものとして提供することが可能となる。
【0017】
更にまた請求項5記載の発明によれば、液状加工食品としてのドレッシング、マヨネーズ、タルタルソース、ジャム、マーマレード、食用油、パスタソース等を、緑色発色が鮮明に維持されたものとして提供することが可能となる。
【0018】
更にまた請求項6記載の発明によれば、液状加工食品としてのスープ類を、緑色発色が鮮明に維持されたものとして提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】呈色素材の製造工程を示すフローである。
【図2】液茶を用いた場合の液状加工食品の製造工程を示す概念図である。
【図3】加工茶葉を用いた場合の液状加工食品の製造工程を示す概念図である。
【図4】本発明の液状加工食品としての日本酒の表面を示す写真である。
【図5】本発明の液状加工食品としてのアイスキャンディー並びに既存の粉茶が混入されたアイスキャンディーの表面を示す写真である。
【図6】本発明の液状加工食品としてのマヨネーズ並びに既存の粉茶が混入されたマヨネーズの表面を示す写真である。
【図7】本発明の液状加工食品としてのドレッシング並びに既存の粉茶が混入されたドレッシングを示す写真である。
【図8】本発明の液状加工食品としてのスイーツソース並びに既存の粉茶が混入されたスイーツソースの表面を示す写真である。
【図9】本発明の液状加工食品としてのポタージュスープの表面を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の緑色発色を鮮明に維持した液状加工食品1(以下、単に液状加工食品1と呼ぶ。)について説明を行う。
まず本発明の液状加工食品1は、基食素材2と、茶葉を原料とする呈色素材3とを含み、これらが可食状態に加工される食品である。
ここで可食状態とは、基食素材2が実際に消費する(口にする)ことができる状態を意味するものであり、一方、基食素材2が未加熱等の状態であって、その状態では消費する(口にする)ことができない状態を適食状態とするものである。
なお液状食品1には、このものを凍結させて固体状としたもの並びに乾燥させて粉末状としたものも含まれることとする。これは凍結物を溶融させることにより元の状態(液状)となり、また粉末に水を加えることにより元の状態(液状)に戻すことができるからである。
【0021】
そして前記基食素材2としては液状の食品が採用されるものであり、酒類、ジュース類、清涼飲料水類、調味料類、スープ類等が挙げられる。
まず前記酒類としては、日本酒、焼酎、ホワイトリカー(ウォッカ、ラム、ジン、アクアビット等を含む。)等、透明度の高い酒が挙げられる。
【0022】
また前記ジュース類としては、果汁または野菜汁が100%であるものや、果汁または野菜汁が50%以上含まれる果汁ミックスジュース、野菜ミックスジュースが挙げられる。
更に前記清涼飲料水類としては、炭酸飲料、スポーツドリンク等が挙げられる。
またこれらジュース類、清涼飲料水類を凍らせてシャーベット、アイスキャンディーとしたり、乾燥させて粉末状とすることもできる。
【0023】
更にまた前記調味料類としては、スイーツソース、ドレッシング、マヨネーズ、タルタルソース、ジャム、マーマレード、食用油、パスタソース等が挙げられる。
【0024】
更にまた前記スープ類としては、コーンスープ、パンプキンスープ等の野菜スープの他、シチュー、ポタージュ、ブイヨン等が挙げられる。
【0025】
次に前記呈色素材3は請求項1で定義したように、含有されている銅イオン量が把握された銅イオン水W1と、茶葉6とが混合され、更に加熱されて銅クロロフィル化処理が施された茶加工品であって、水分中に茶葉成分が溶出または分散した状態の液茶7として用いられるものである。
また呈色素材3としては請求項2で定義したように、含有されている銅イオン量が把握された銅イオン水W1と、茶葉6とが混合され、更に加熱されて銅クロロフィル化処理が施された茶加工品であって、水分中に茶葉成分が溶出または分散した状態のもの(中間製品L1)を濾過した後に、固形状物を乾燥させた加工茶葉8の形態で用いることもできる。また前記中間製品L1を、そのまま乾燥させた加工茶葉81の形態で用いることもできる。更にまた前記中間製品L1を濾過して得られる液状物を液茶70として用いたり、このものを乾燥させて加工茶葉80として用いることもできる。
【0026】
次に前記茶葉6は、一例としてやぶきた品種の生茶葉T0を原材料とするものであるが、他の品種更には今後現れる新たな品種を原材料とすることもできる。
また茶葉6としては一番芽、二番芽に加え、三番芽、更には四番芽や芽以外のものであって、従来は製品とすることができずに刈り落とされていた茶葉を用いることも可能である。因みに、三番芽、四番芽及び芽以外の茶葉には、多くのクロロフィルが含まれており、このものを用いた茶葉6は鮮やかな緑色を呈するものである。
【0027】
そして前記呈色素材3としての液茶7は、一例として図1に示すような銅イオン水調製工程S1、不活化工程S2、粉砕工程S3、原料液調製工程S4及び銅クロロフィル化処理工程S5が順次実行されるフローに従って製造されるものである。また呈色素材としての加工茶葉8は、銅クロロフィル化処理工程S5の次段に乾燥・粉末化工程S7が追加され、これらが順次実行されるフローに従って製造されるものである。
なお前記原料液調製工程S4と銅クロロフィル化処理工程S5との間あるいは銅クロロフィル化処理工程S5の後段には、塩基物添加工程S8が設けられる。
以下これら各工程について図2、3の概念図を参照しながら説明する。
【0028】
(1)銅イオン水調製工程
まず銅イオン水調製工程S1は、図2に示すように銅または銅を含む合金を素材として成る電極101、102を電解槽103内に配して構成された調製装置100を用いて、電極101、102に通電することにより、これらの間に位置する水Wに銅イオンを溶出させて銅イオン水W1を得るための工程である。
なお電解槽103に投入される水Wに、可食性キレート剤Cを添加することにより、最大溶解度を高めて銅イオンの析出を抑えることができる。この様に可食性キレート剤Cを添加したときには、水W中に溶出した銅イオンはその一部または全部が錯体(錯イオン)の状態となる(一例としてグリシンが用いられた場合、グリシナト銅となる。)。
ここで前記可食性キレート剤Cとしては、EDTA、フィチン酸、リンゴ酸、グルコン酸、コウジ酸、クエン酸、システイン、グルタチオン、ハロゲン化塩、グルコン酸ナトリウム、グリシンの中から選択される一または複数のものが採用される。なお可食性キレート剤Cとしては好ましくはシステインまたはグルタチオンが採用され、更に好ましくはハロゲン化塩、グルコン酸ナトリウムが採用され、より更に好ましくはグリシンが採用される。更に前記可食性キレート剤Cとしては、加水分解によって上述した物質となる物質を用いることもできる。
また前記水Wに対する可食性キレート剤Cの添加量は、0.01重量%(100mg/l)以上とするものである。
【0029】
なお可食性キレート剤Cを添加することにより、銅イオン水調製工程S1における、水Wに対する電極101、102からの銅イオンの溶出速度を高めることができる他、各々の可食性キレート剤Cに特有の作用を液茶7、加工茶葉8ひいては液状加工食品1に対して付与することができる。
例えばグリシンは、甘味を呈し、更にうま味を増したり味をまろやかにする効果がある。
またグルコン酸ナトリウムは、食品の味にあまり影響を与えず、酸味、苦味、渋味、甘味の質を和らげることができる。
更にまたシステインは、パン生地等に添加することにより、生地を柔らかくする効果がある。
もちろん可食性キレート剤Cとしては上述したものの他、本発明者によって確認されていないものであっても採用することができる。
【0030】
また前記銅イオン水W1に含まれる銅イオンの量は、電極101、102間に印加する電圧、流れる電流及び通電時間を調節することにより、原料液調製工程S4において使用される粉砕茶葉Tに含まれるクロロフィル1重量部に対して、0.1重量部以上となるよう調製されるものである。ここで前記銅イオンの量とは、銅イオンのみならず、銅錯イオンに含まれる銅の量も意味するものとする。
一例として粉砕茶葉100gあたり625mg(クロロフィルaが440mg、クロロフィルbが185mg)のクロロフィルが含まれている場合であって、銅イオン水100重量部に対する粉砕茶葉Tの混合量を0.05〜60重量部とした場合には、銅イオン水W1に含まれる銅イオンの量が、0.3〜375mg/lとなるように調製される。
もちろん予め銅イオン水W1に含まれる銅の量が多いもの(一例として600mg/l、1000mg/l等)を用意しておき、このままあるいは適宜希釈することにより所望の銅濃度として供するようにしてもよい。
なお図2にはバッチ式の調製装置100を示したが、適宜電解槽103に給水口及び排水口を設けるなどして、連続的に銅イオン水W1が得られるように構成してもよい。
【0031】
また銅イオン水調製工程S1を、他の工程とは独立した別の工程で成されるようにしてもよく、この場合には、銅イオン水W1を貯蔵しておき、このものを用いることにより効率的な生産を行うことが可能となる。
【0032】
(2)不活化工程
一方、不活化工程S2においては生茶葉T0の不活化が行われるものであり、生茶葉T0を蒸煮または釜炒りにて加熱することにより、酵素を不活化させる。
更にこの実施例では、不活化後の茶葉の含水率を低下させ、7%程度の含水率の乾燥茶葉が得られるようにした。
なおこのような乾燥にあたっては、生茶葉T0に含まれるクロロフィルを破壊しないようにすることが重要であり、生茶葉T0を蒸熱した後、揉まずに乾燥したり(てん茶)、通常の製茶工程における粗揉あるいは中揉までの揉乾処理を行った後、乾燥を行うようにする。
【0033】
(3)粉砕工程
次いで茶葉粉砕工程S3においては、乾燥茶葉を粒径が20μm〜600μmに粉砕あるいは8mm角以下の小片に加工するものであり、適宜のボールミルやカッターが用いられる。
なおこのように乾燥茶葉を細粒状、小片状とすることにより、クロロフィルが露出した状態となる。
また以下の説明においては、このような細粒状または小片状の乾燥茶葉を、ともに粉砕茶葉Tと呼ぶものとする。
因みに不活化後の茶葉を乾燥することなく原料液調製工程S4に供給し、このものに銅イオン水W1を作用させるような形態を採ることもできる。
【0034】
(4)原料液調製工程
次いで原料液調製工程S4においては、銅イオン水W1と粉砕茶葉Tとを混合して原料液L0を調製するものであり、一例として銅イオン水100重量部に対し、粉砕茶葉Tを0.05〜60重量部混合する。このため原料液調製工程S4において用いられる銅イオン水W1の量に応じて、原料液L0中に含まれている銅イオンの量が把握されることとなる。
なお液茶7または加工茶葉8の成分が酸化してしまうのを防ぐために、原料液L0にビタミンC、ビタミンCナトリウム等を抗酸化剤Vとして加えておくこともできる。更にビタミンCの破壊を防止するためにクエン酸を加えたり、EDTAを加えるようにしてもよい。
【0035】
(5)銅クロロフィル化処理工程
次に銅クロロフィル化処理工程S5においては、前記原料液L0を所定の温度(85〜135℃、好ましくは100〜135℃とすることにより、より確実な殺菌作用も発揮される。)で所定の時間(20〜120分)加熱を行うことにより、粉砕茶葉Tに含まれるクロロフィル中のマグネシウムを、銅イオン水W1に含まれる銅(銅錯イオン中の銅原子)に置換する銅クロロフィル化処理を施す。
なお銅クロロフィル化処理を行うための装置としては、適宜の加熱機能が具えられた密閉型の耐熱容器が用いられる。ここで密閉型の耐熱容器を用いる理由は、100℃以上の高温状態を得ることに加え、水分の蒸発を防止して銅の濃度を一定に保つためである。
更にこの装置には、原料液L0を攪拌するための機構を設けることが好ましい。
またこの銅クロロフィル化処理工程S5においては、粉砕茶葉Tの各種成分が水Wに溶出することとなり、液茶7が得られる。
【0036】
(6)塩基物添加工程
また酸味調整あるいはphの調整が必要な場合には、図1中、仮想線でに示すように、前記原料液調製工程S4と銅クロロフィル化処理工程S5との間あるいは銅クロロフィル化処理工程S5の後段、一例として銅クロロフィル化処理工程S5と包装工程S6との間に、炭酸ナトリウム等の可食性塩基物Aを添加するための塩基物添加工程S8が設けられる。
なお可食性塩基物Aを添加することにより、可食性キレート剤Cによる味、匂いへの影響を除去することができるものであり、特に加工茶葉8の酸臭を除去するのに効果的である。
また可食性塩基物Aとしては、前記炭酸ナトリウムの他、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、燐酸、水酸化ナトリウム等を採用することもできる。この場合、例えば炭酸水素ナトリウム溶液を加熱することにより、二酸化炭素を抜いておくことが好ましい。
【0037】
(7)包装工程
そして液茶7は包装工程S6においてペットボトル、ポーションカップ、紙パック、アルミパウチ等に充填される。
【0038】
以上のようにして製造された液茶7に含有される銅の量(銅イオン、銅錯体または銅化合物中の銅原子の総量)は、原料液調製工程S4において把握されたままの量であるため、適宜希釈する等して例えば成人男性の一日の銅所要量1.8mgあるいは成人女性の一日の銅所要量1.6mg毎に小分けして包装することにより、消費者は所要量を確実に摂取することができるとともに、一日の許容上限摂取量(9mg)を超えて摂取してしまうようなことが回避される。
【0039】
なお図1中、仮想線で示したように、包装工程S6を前記原料液調製工程S4の次段に位置させてもよく、この場合には、原料液L0をペットボトル、ポーションカップ、紙パック、アルミパウチ等に充填した後、このものを湯煎やレトルト釜によって加熱することにより銅クロロフィル化を図るものとする。
もちろんこのような包装工程S6は、呈色素材3を予め製造するとともに貯蔵しておき、液状加工食品1を製造する際に所要量を用いるような場合に設けられるものであり、銅イオン水調製工程S1、不活化工程S2、粉砕工程S3、原料液調製工程S4及び銅クロロフィル化処理工程S5とともに液状加工食品1の製造工程も具える設備の場合には、包装工程S6を設けなくてもよい。
【0040】
(8)乾燥・粉末化工程
また呈色素材3として加工茶葉8を製造する場合には、銅クロロフィル化処理工程S5の次段に乾燥・粉末化工程S7が追加されるものである(図1、3参照)。
この乾燥・粉末化工程S7においては、銅クロロフィル化処理工程S5において得られた中間製品L1を濾過して得られた固形物を乾燥することにより加工茶葉8が得られる。なおこの際得られる液状物L2を液茶70として用いたり、この液茶70を乾燥させて加工茶葉80として用いることもできる。
なお乾燥・粉末化工程S7において、中間製品L1を濾過することなく乾燥させることにより得られるものを、加工茶葉81とする。
【0041】
(9)液状加工食品の製造工程
そして少なくとも呈色素材3と、基食素材2とを含んだ材料を、適食状態または可食状態に加工することにより、本発明の液状加工食品1が製造される。
以下、呈色素材3としての液茶7及び加工茶葉8並びに液状加工食品1の様々な実施例を例示する。
【実施例】
【0042】
(I)液茶としての呈色素材(図2参照)
・原料茶葉として、やぶきた品種四番茶(含有クロロフィル量600mg/100g)を 用いた。
・銅イオン水調製工程S1において、水Wに可食性キレート剤Cとしてグリシンを0.0 1重量%添加した後、通電することにより銅含有量が600mg/lの銅イオン水W1 (グリシナト銅水溶液)を得た。
・不活化工程S2において、生茶葉T0を揉まずに加熱、乾燥して原料茶葉を得た。
・茶葉粉砕工程S3において、原料茶葉を粒径20μm程度に粉砕して粉砕茶葉Tを得た 。
・原料液調製工程S4において、銅イオン水W1を50g、水Wを22.9g、粉砕茶葉 Tを25g混合し、更に抗酸化剤VとしてビタミンCナトリウムを0.1g混合し、更 に可食性塩基物Aとして二酸化炭素を抜いた炭酸水素ナトリウム水溶液(10%)を2 g添加した(塩基物添加工程S8)。これにより粉砕茶葉Tの含有率が25重量%の原 料液L0を得た(銅含有量30mg/100g )。
・銅クロロフィル化処理工程S5において、原料液L0を128℃の温度下で30分間加 熱して、濃縮状態の液茶7を得た(銅含有量30mg/100g)。
【0043】
(II)加工茶葉としての呈色素材(図3参照)
・原料茶葉として、やぶきた品種四番茶(含有クロロフィル量600mg/100g)を 用いた。
・銅イオン水調製工程S1において、水Wに可食性キレート剤Cとしてグリシンを0.0 1重量%添加した後、通電することにより銅含有量が600mmg/lの銅イオン水W 1を得た。
・不活化工程S2において、生茶葉T0を揉まずに加熱、乾燥して原料茶葉を得た。
・茶葉粉砕工程S3において、原料茶葉を8m角に裁断して粉砕茶葉Tを得た。
・原料液調製工程S4において、銅イオン水W1を50g、水Wを22.9g、粉砕茶葉 Tを25g混合し、更に抗酸化剤VとしてビタミンCナトリウムを0.1g混合し、更 に二酸化炭素を抜いた炭酸水素ナトリウム水溶液(10%)を2g添加した(塩基物添 加工程S8)。これにより粉砕茶葉Tの含有率が25重量%の原料液L0を得た(銅含 有量30mg/100g )。
・銅クロロフィル化処理工程S5において、原料液L0を128℃の温度下で30分間加 熱して中間製品L1を得た。
・乾燥・粉末化工程S7において、中間製品L1を市販のコーヒー用ペーパーフィルター (AVANCE社製)により濾過したのち、分離された固形成分を70℃の温度下で6 0分間乾燥し、含水率6%D.Bにまで乾燥させ、更にその後、粒径20μmに粉砕す ることにより加工茶葉8を得た。
【0044】
このようにして得られた加工茶葉8は、鮮やかな緑色を呈しており、更に濾過により分離された液体成分に含まれていた銅イオンが除かれているため、銅の含有量が30mg未満として把握されているものである。なおこの際得られるろ過液を液茶70とした場合、このものは銅の含有量が30mg未満として把握されているものである。またこの液茶70を乾燥させて得られる加工茶葉80は銅の含有量が30mg未満として把握されているものである。
また乾燥・粉末化工程S7において、中間製品L1を濾過することなく乾燥させて得られる加工茶葉81は、銅の含有量が30mgとして把握されたものとなる。
【0045】
(III)液状加工食品の実施例
(1)酒類を基食素材とした実施例
〔実施例1:日本酒としての加工食品〕
以下、日本酒11としての液状加工食品1である実施例1を例示するものであり、各材料の配合を以下に示す。

日本酒 :360ml
液茶 :7.2g(水5.76g、粉砕茶葉1.44g)
【0046】
〔比較例1〕
比較例1として、実施例1の液茶7を市販の粉茶に置き換えた日本酒11′を用意する。各材料の配合は以下に示すようにした。

日本酒 :360ml
粉茶 :1.44g
【0047】
上記実施例1及び比較例1の材料をそれぞれよく混ぜることにより、可食状態とした日本酒11、11′を得た。このとき、液茶7は液状であるため、このものを基食素材2(日本酒)に混ぜる際に、 粉砕茶葉Tを素早く全域に分散させることができた。一方、粉茶の場合には、ダマになって一カ所にかたまってしまう傾向にあり、全域に分散させるためには少しずつ数回に分けて行うなどの工夫が必要であった。
そして日本酒11、11′の比較を目視により行った。
図4に実施例1の日本酒11及び比較例1の日本酒11′を撮影した写真を示すものであり、日本酒11は鮮明な緑色を呈していることが確認できる。
なお図中には、丸で囲んだ範囲のウェブ上のカラーチャート(HTMLタグ・カラーチャート、各色256階調で表した数値)のRGB値(平均値)を示してある。
【0048】
一方、比較例1としての日本酒11′は鮮やかな緑色とはならず、茶色味を帯びて変色してしまっていることが確認できる。
なお日本酒11は数日経過しても鮮明な緑色に変化は無かったが、日本酒11′の場合には変色とともに色褪せていることが確認された。
【0049】
またこのようにして製造された日本酒11としての液状加工食品1は、のどごし、味等が、通常の日本酒と遜色ないものとなっており、ほどよい茶の風味が加えられていることが確認された。
なお日本酒11においては、液茶7に含まれる粉砕茶葉Tとして、20μm〜600μmの細粒状物と、8mm角以下の小片状物とが混在したものとすることにより、全体に緑色の粒(小片状物)がマーブル状に分散した状態となり、視覚的により自然な印象を与えることが可能となる。もちろん粉砕茶葉Tをこのように混在させることは、日本酒11以外の他の液状加工食品1においても適用することができる。
【0050】
(2)ジュースまたは清涼飲料水を基食素材とした実施例
〔実施例2:アイスキャンディーとしての加工食品〕
次に、アイスキャンディー12としての液状加工食品1である実施例2を例示するものであり、各材料の配合を以下に示す。

砂糖 :30g
水飴 :15g
安定剤: 1g
水 :50ml
液茶 : 4g(水3.2g、粉砕茶葉0.8g)
【0051】
〔比較例2〕
比較例2として、実施例2の液茶7を市販の粉茶に置き換えたアイスキャンディー12′を用意する。各材料の配合は以下に示すようにした。

砂糖 :30g
水飴 :15g
安定剤: 1g
水 :53.2ml
粉茶 : 0.8g
【0052】
上記実施例2及び比較例2の材料をそれぞれよく混ぜるとともに、85℃で30分加熱した後、型に入れて冷凍することにより、可食状態としたアイスキャンディー12、12′を得た。このとき、液茶7は液状であるため、このものを基食素材2(砂糖、水飴、安定剤、水)に混ぜる際に、 粉砕茶葉Tを素早く全域に分散させることができた。一方、粉茶の場合には、ダマになって一カ所にかたまってしまう傾向にあり、全域に分散させるためには少しずつ数回に分けて行うなどの工夫が必要であった。
そしてアイスキャンディー12、12′の比較を目視により行った。
図5に実施例2のアイスキャンディー12及び比較例2のアイスキャンディー12′を撮影した写真を示すものであり、アイスキャンディー12は鮮明な緑色を呈していることが確認できる。
一方、比較例2としてのアイスキャンディー12′は鮮やかな緑色とはならず、茶色味を帯びて変色してしまっていることが確認できる。
またこのようにして製造されたアイスキャンディー12としての液状加工食品1は、食感、味等が通常のアイスキャンディーと遜色ないものとなっており、ほどよい茶の風味が加えられていることが確認された。
【0053】
(3)調味料を基食素材とした実施例
〔実施例3:マヨネーズとしての加工食品〕
次に、マヨネーズ13としての液状加工食品1である実施例3を例示するものであり、各材料の配合を以下に示す。

マヨネーズ: 100g
液茶 : 5g(水4g、粉砕茶葉1g)
【0054】
〔比較例3〕
比較例3として、実施例3の液茶7を市販の粉茶に置き換えたマヨネーズ13′を用意する。各材料の配合は以下に示すようにした。

マヨネーズ: 100g
粉茶 : 1g
【0055】
上記実施例3及び比較例3の材料をそれぞれよく混ぜることにより、可食状態としたマヨネーズ13、13′を得た。このとき、液茶7は液状であるため、このものを基食素材2(マヨネーズ)に混ぜる際に、 粉砕茶葉Tを素早く全域に分散させることができた。一方、粉茶の場合には、ダマになって一カ所にかたまってしまう傾向にあり、全域に分散させるためには少しずつ数回に分けて行うなどの工夫が必要であった。
そしてマヨネーズ13、13′の比較を目視により行った。
図6に実施例3のマヨネーズ13及び比較例2のマヨネーズ13′を撮影した写真を示すものであり、マヨネーズ13は鮮明な緑色を呈していることが確認できる。
一方、比較例3としてのマヨネーズ13′は鮮やかな緑色とはならず、茶色味を帯びて変色してしまっていることが確認できる。これはマヨネーズには酢が含まれているため、葉緑素の分解が顕著に進行したものと考えられる。
なおマヨネーズ13は数日経過しても鮮明な緑色に変化は無かった。
またこのようにして製造されたマヨネーズ13としての液状加工食品1は、舌触り、味等が、通常のものと遜色ないものとなっており、ほどよい茶の風味が加えられていることが確認された。
【0056】
〔実施例4:ドレッシングとしての加工食品〕
次に、ドレッシング14としての液状加工食品1である実施例4を例示するものであり、各材料の配合を以下に示す。

ドレッシング:100ml(市販のフレンチドレッシング)
液茶 : 5g(水4g、粉砕茶葉1g)
【0057】
〔比較例4〕
比較例4として、実施例4の液茶7を市販の粉茶に置き換えたドレッシング14′を用意する。各材料の配合は以下に示すようにした。

ドレッシング:100ml(市販のフレンチドレッシング)
粉茶 : 2 g
【0058】
上記実施例4及び比較例4の材料をそれぞれよく混ぜることにより、可食状態としたドレッシング14、14′を得た。このとき、液茶7は液状であるため、このものを基食素材2( ドレッシング)に混ぜる際に、 粉砕茶葉Tを素早く全域に分散させることができた。一方、粉茶の場合には、ダマになって一カ所にかたまってしまう傾向にあり、全域に分散させるためには少しずつ数回に分けて行うなどの工夫が必要であった。
そしてドレッシング14、14′の比較を目視により行った。
図7に実施例4のドレッシング14及び比較例4のドレッシング14′を撮影した写真を示すものであり、ドレッシング14は鮮明な緑色を呈していることが確認できる。特にクロロフィルは油成分に対して溶け込んでおり、鮮明な緑色状態となっていることが確認できる。
一方、比較例4としてのドレッシング14′は鮮やかな緑色とはならず、茶色味を帯びて変色してしまっていることが確認できる。これはドレッシング14′には酢が含まれているため、葉緑素の分解が顕著に進行したものと考えられる。
なおドレッシング14は数日経過しても鮮明な緑色に変化は無いことが確認された。
またこのようにして製造されたドレッシング14としての液状加工食品1は、味等が通常のドレッシングと遜色ないものとなっており、ほどよい茶の風味が加えられていることが確認された。
【0059】
〔実施例5:スイーツソースとしての加工食品〕
次に、スイーツソース15としての液状加工食品1である実施例5を例示するものであり、各材料の配合を以下に示す。

砂糖 : 350g
塩 : 5g
増粘剤: 5g
水 : 600ml
液茶 : 40g(水32g、粉砕茶葉8g)
【0060】
〔比較例5〕
比較例5として、実施例5の液茶7を市販の粉茶に置き換えたスイーツソース15′を用意する。各材料の配合は以下に示すようにした。

砂糖 : 350g
塩 : 5g
増粘剤: 5g
水 : 632ml
粉茶 : 8g
【0061】
上記実施例5及び比較例5の材料をそれぞれよく混ぜるとともに、適宜加熱しながら砂糖、塩、増粘剤を完全に溶かすことにより、可食状態としたスイーツソース15、15′を得た。このとき、液茶7は液状であるため、このものを基食素材2(砂糖、塩、増粘剤、水)に混ぜる際に、 粉砕茶葉Tを素早く全域に分散させることができた。一方、粉茶の場合には、ダマになって一カ所にかたまってしまう傾向にあり、全域に分散させるためには少しずつ数回に分けて行うなどの工夫が必要であった。
そしてスイーツソース15、15′の比較を目視により行った。
図8に実施例5のスイーツソース15及び比較例5のスイーツソース15′を撮影した写真を示すものであり、スイーツソース15は鮮明な緑色を呈していることが確認できる。
一方、比較例5としてのスイーツソース15′は鮮やかな緑色とはならず、茶色味を帯びて変色してしまっていることが確認できる。
なおスイーツソース15は数日経過しても鮮明な緑色に変化は無いことが確認された。
またこのようにして製造されたスイーツソース15としての液状加工食品1は、味等が通常のスイーツソースと遜色ないものとなっており、ほどよい茶の風味が加えられていることが確認された。
【0062】
(4)スープを基食素材とした実施例
〔実施例6:ポタージュスープとしての加工食品〕
以下、ポタージュスープ16としての液状物加工食品1である実施例6を例示するものであり、各材料の配合は以下に示すようにした。

コーンクリームの缶詰:500g
牛乳 :360ml
塩・こしょう : 適量
液茶 : 25g(水20g、粉砕茶葉5g)
【0063】
上記実施例6の材料を用いて、はじめに鍋に牛乳を入れ火にかけて、沸騰する前にコーンクリームを加える。次いで、液茶7をよく混ぜ合わせ、木べらで混ぜながら弱火で10分程煮詰める。その後、塩コショウで味を調えることにより、ポタージュスープ16を得た。
図9に実施例6のポタージュスープ16を撮影した写真を示すものであり、ポタージュスープ16は鮮明な緑色を呈していることが確認できる。
またこのようにして製造されたポタージュスープ16としての液状加工食品1は、食感、味等が、本来の原料により製造されたものと遜色ないものとなっており、ほどよい茶の風味が加えられていることが確認された。
なお図には示していないが、実施例6の液茶7を市販の粉茶に置き換えたポタージュスープは鮮やかな緑色とはならず、茶色味を帯びて変色してしまっていることが確認されている。
【0064】
〔他の実施例〕
本発明の液状物加工食品1は前述したように、このものを凍結させて固体状としたもの並びに乾燥させて粉末状としたものも含まれるものであり、更に基食素材2及び呈色素材3の混合に際しては以下のような実施例を採ることもできる。
すなわち基食素材2として、乾燥させて粉末状としたジュース、清涼飲料水、調味料、スープ等を採用し、この基食素材2に対して呈色素材3としての加工茶葉8(80、81)を混合することにより適食状態とするものである。この際、加工茶葉8は粉末状であるため、加工茶葉8とまんべんなく混合させることができる。そしてこの混合物に適量の水を加えることにより、液状加工食品1となって可食状態となるものである。
【符号の説明】
【0065】
1 液状加工食品
11 日本酒
12 アイスキャンディー
13 マヨネーズ
14 ドレッシング
15 スイスーツソース
16 ポタージュスープ
2 基食素材
3 呈色素材
6 茶葉
7 液茶
70 液茶
8 加工茶葉
80 加工茶葉
81 加工茶葉
100 調製装置
101 電極
102 電極
103 電解槽
A 可食性塩基物
C 可食性キレート剤
L0 原料液
L1 中間製品
S1 銅イオン水調製工程
S2 不活化工程
S3 粉砕工程
S4 原料液調製工程
S5 銅クロロフィル化処理工程
S6 包装工程
S7 乾燥・粉末化工程
S8 塩基物添加工程
T 粉砕茶葉
T0 生茶葉
V 抗酸化剤
W 水
W1 銅イオン水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基食素材と、茶葉を原料とする呈色素材とを含み、これらが可食状態に加工される食品であって、前記基食素材は液状材料であり、また前記呈色素材は、含有されている銅イオン量が把握された銅イオン水と、茶葉とが混合され、更に加熱されて銅クロロフィル化処理が施された茶加工品であって、このものは、水分中に茶葉成分が溶出または分散した状態の液茶であることを特徴とする緑色発色を鮮明に維持した液状加工食品。
【請求項2】
基食素材と、茶葉を原料とする呈色素材とを含み、これらが可食状態に加工される食品であって、前記基食素材は液状材料であり、また前記呈色素材は、含有されている銅イオン量が把握された銅イオン水と、(乾燥)茶葉とが混合され、更に加熱されて銅クロロフィル化処理が施された茶加工品であって、このものは、水分中に茶葉成分が溶出または分散した状態のものを、そのままあるいは濾過した後に、乾燥させた加工茶葉であることを特徴とする緑色発色を鮮明に維持した液状加工食品。
【請求項3】
前記液状材料は酒類であることを特徴とする請求項1または2記載の緑色発色を鮮明に維持した液状加工食品。
【請求項4】
前記液状材料はジュースまたは清涼飲料水であることを特徴とする請求項1または2記載の緑色発色を鮮明に維持した液状加工食品。
【請求項5】
前記液状材料は調味料であることを特徴とする請求項1または2記載の緑色発色を鮮明に維持した液状加工食品。
【請求項6】
前記液状材料はスープであることを特徴とする請求項1または2記載の緑色発色を鮮明に維持した液状加工食品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−268714(P2010−268714A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−122333(P2009−122333)
【出願日】平成21年5月20日(2009.5.20)
【出願人】(508135828)株式会社サーマクリエィション (7)
【Fターム(参考)】