説明

緩み止付ナット

【課題】ボルト締結によって発生させた軸力によって通常、ナットは固定されているが、繰返しの振動や衝撃によって軸応力よりも大きな緩み力がナットに働き、ナットが緩む現象が生じる。この緩みを常に阻止する。
【解決手段】フランジ面を持つナットに、そのフランジ面にナットのめねじと同方向の外ねじを切り、そのおねじに緩み止を目的とするロックナットを取り付けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械または構造物の部分と部分、または本体と部分とを結合する場合に用いられるボルトに対応するナットで、緩み止機構を有するナットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から機械装置の部品や構造物の締結に用いられてきたボルト・ナットは、振動や衝撃によってナットが緩み締結力が低下する問題が提起されてきた。 その対策として、ナットを緩み止目的でもう一つ付加するダブルナット方式や、特殊形状のワッシャーを用いた方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献】特開平9−280239号広報
【0004】
【出願文献】
特願2010−209105
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これまでこの種の緩み止機構は、ダブルナット方式を除けばナットに対する接触座面との中間に回り止機構を介在させるか、楔機能を利用した組み合わせでナットの緩み止を行うなどの方式である。 しかし、これらの方式はいわば間接的方法であり、ナットの緩みを直接的に止めに反映するものではない。 本発明の特長は、ナットの綬み作用を全て止めの反作用として捉えることが出来ることである。
【0006】
ナットがボルト締結後に緩むということは、何らかの作用により締めとは逆方向にナットが回ることを意味するが、その時ナットに取り付けられたロックナットがそれを阻止する方向に回ろうとすれば、両者の補完機能は常に成立することになる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
フランジ付ナット様のフランジ面にナットのめねじと同方向の外ねじ(おねじ)を切り、おねじに緩み止を目的とするスリーブ状のロックナットを取り付ける。
本発明は、以上の構成よりなる緩み止機構付きナットである。
【発明の効果】
【0008】
ボルト締結によって発生させた軸力によって通常、ナットは固定されているが、繰返しの振動や衝撃によって軸応力よりも大きな緩み力がナットに働き、ナットが緩む現象が生じる。 この時、本発明のロックナットは、ナットの緩み方向とは逆の回転方向、即ち締の方向に回ろうとする。 この相互関係によってナットが緩むことを常に阻止している。
【図面の簡単な説明】
【0009】
以下、本発明が達成する実施形態について図面を参照にしながら説明する。
【図1】 本発明に係わるナットの平面図
【図2】 同ナットの側面図
【図3】 ロックナットの平面図
【図4】 同ロックナットの側面図
【図5】 本発明のナットの製品平面図
【図6】 同製品側面図
【図7】 同製品立体図
【0010】
通常、機械または構造物の締結用、或いは管と管または機械と管などを締付ける場合、ボルト、ナットを用いることが一般的である。 そして、これらの締結に際してはナットを締付けてボルトを伸ばし、発生する応力を利用して二つの対象物を締付ける。 しかし、振動や衝撃のある対象物の場合、その繰返し動作によってナットが緩むことがある。 この緩み現象を、以下、本発明のナットを用いて緩み止を行う場合について説明する。
【0011】
本発明によるナット1(以下、ナットと云う)は、従来の締結用ナットと同じ方法で対象物の締付けを行う。 従来の締結用ナットとの違いは、ナット1の下部フランジ側面2にナットの内ねじと同方向で外ねじが切ってあることである。
【0012】
ナット1による締結後、ナットの外ねじ2にロックナット6を迴し込み、締結対象物の座面にロックナット6の接触面9を着座させる。 更に、ひっかけレンチなどを用いてロックナットに施された溝、或いは同等目的の切欠きを使って接触面9を締結対象物の座面に固定する。
【0013】
ボルトに軸力が発生しているナット1が振動や衝撃により緩み方向に回ろうとすると、ロックナット6は必然的に締方向に回ろうとし、ナット1の緩みを防止する。
【0014】
以上、本発明の実施形態について具体的に説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0015】
1・・・本発明になるナット
2・・・ナットの内ねじ
3・・・ナットの外ねじ
4・・・ナットの回転部
5・・・ナットの底面
6・・・ロックナット
7・・・ロックナットの内ねじ
8・・・ロックナットの切欠き部
9・・・ロックナットの下部接触座面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フランジ面を持つナットに於いて、そのフランジ面にナットのめねじと同方向の外ねじ(おねじ)を切り、そのおねじに緩み止を目的とするロックナットを取り付けた緩み止付ナット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−83338(P2013−83338A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−235444(P2011−235444)
【出願日】平成23年10月11日(2011.10.11)
【出願人】(593034172)ベストマ株式会社 (3)