縁形成ミシン
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、X−Y駆動部を有する刺しゅう機能付きミシンにおいて、アップリケのための各刺しゅう模様のまわりに縫い代を設定する所望の縁部を簡単に形成することができる縁形成ミシンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、大きなイニシャル模様等は、刺しゅうしやすいフェルト地に刺しゅうをした後に、ワッペンとして縫い付けることが多くなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、そのワッペンにおいて、文字等の模様のスキ間を等間隔に縫い付けるためには、かなりの技術が必要とされていた。
【0004】このため、その模様の回りに縫い代を適宜設けることが簡単にできるようにすることが望まれている。このような縫い代は、切り取りのための目印となり刺しゅう模様と等間隔の隙間の切り取りと、縫い付けを容易化するためのものである。
【0005】ところで、プログラムを組み込みコンピュータ制御によって駆動する刺しゅう機能付きミシンにおいて、その種々の模様の刺しゅうが可能となったものが存在している。たとえば、出願人が開発した刺しゅう機能付きミシンとしては特開平2−57288号がある。この発明では、刺しゅうはできるが、その縫い代までも付けることはできなかった。
【0006】また、刺しゅう枠を形成する縁形成ミシンも存在しているが、1種類のみであり、所望の縁形成することはできなかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで発明者は、前記課題を解決すべく、鋭意,研究を重ねた結果、その発明を、装置各部の全体を駆動制御する中央演算装置と、複数の模様データを記憶した模様データ記憶手段から所望の模様を選択する模様選択手段の操作で選択された選択模様データを記憶する選択模様記憶手段とを備え、その選択模様データを読み出したデータに従ってステッピングモータ駆動機構及びX−Y駆動部を制御して刺しゅう縫目を形成可能とした刺しゅう機能付きミシンにおいて、操作により選択された模様に対応してメス切断と縫い付けのための縫い代が設定される複数の異なる形状の縁形成キーと、模様選択手段の模様選択操作と縁形成キーとの操作により刺しゅう縫いのまわりに縫い代を設定する縁部を形成するための縁形成システムプログラムを記憶する記憶手段とを備えた縁形成ミシン等としたことにより、刺しゅう機能付きミシンのアップリケのための各刺しゅう模様のまわりに縫い代を設定する所望の縁部を簡単に形成することができ、前記課題を解決したものである。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1乃至図11に基づいて説明する。図4は刺しゅう機能付きミシンAであって、刺しゅう縫いのみが可能な刺しゅうミシンA1 並びに通常縫い及び刺しゅう縫いが可能な複合刺しゅうミシンA2が含まれる。
【0009】その刺しゅう機能付きミシンAは、予めコンピュータプログラムを組み込み、中央演算装置(CPU)1を含む制御装置により種々の刺しゅう縫いが可能に構成されている。
【0010】符号2は模様選択キーを備えた模様選択手段であり、その模様選択キーの模様番号により選択された文字データを登録するための登録キー、刺しゅう機能付きミシンAを始動させるためのスタートキー、停止させるためのストップキーが配設されている。
【0011】符号3,4は縁形成キーで、各刺しゅう模様のまわりに縫い代を設定するために縁形成する縁部として、縫目3a,メス切断3b,文字枠縫い4aの3種類が存在し、あらかじめ刺しゅうデータに対応したアップリケ用のデータは縁形成キー3又は4によって選べるようになっている。
【0012】縁形成キー3は、各模様の外形にそった縁形成を提供し、縁形成キー4は、文字に対して文字枠縫い4aを縁形成するためのものである。
【0013】その第1実施例の縫目3aは、しつけピッチ程度にミシン目が設けられるているものである。また、第2実施例のメス切断3b(連続すれば切断可能)はメス針nにてミシン目として設けられているものである。そのメス針nを切断箇所で連続させると連続切断状態となる。また、第3実施例の文字枠縫い4aは、刺しゅうの回りに方形枠として4箇所の位置に切りびつけが設けられるようにミシン縫い的に設けられるものである。
【0014】符号5は上軸位相検出センサーであって、針位置を検出するように、前記中央演算装置(CPU)1に接続されている。
【0015】符号6はX−Y位置検出センサーで、後述のX−Y駆動部19に設けた刺しゅう枠Bの位置を識別するものである。
【0016】符号7は選択模様記憶手段(RAM)を示す。該選択模様記憶手段(RAM)7は、前記模様選択手段2の操作によりフロッピーディスクドライブ部(FDD)を介してフロッピーディスク(FD)から読み出した刺しゅう用の刺しゅうデータを記憶するものである。
【0017】符号8は模様データ記憶手段(ROM)であって、プログラムにより作成した縫目データ及び制御のためのシステムプログラムを記憶するものである。
【0018】これら選択模様記憶手段(RAM)7及び模様データ記憶手段(ROM)8も前記中央演算装置(CPU)1に接続されている。
【0019】符号9は刺しゅう縫いシステムプログラム記憶手段(ROM)であって、適宜の刺しゅうが縫われるように前記中央演算装置(CPU)1と接続されている。
【0020】符号10は縁形成システムプログラムの記憶手段(ROM)であって、刺しゅう縫い箇所の回りに縫い代としての縁形成が行われるように前記中央演算装置(CPU)1と接続されている。その縁形成のプログラムには、前述の縫目3aとしてしつけ程度のものとして、メス切断3b(連続すれば切断可能)はメス針nによるものとして、また、文字枠縫い4aとしてそれぞれ格納されている。
【0021】符号11はステッピングモータ制御回路、12は駆動モータ駆動回路であって、何れも前記中央演算装置(CPU)1と接続されている。
【0022】図1に示すように、ステッピングモータ制御回路11の出力信号により、X方向制御ステッピングモータ13及びY方向制御ステッピングモータ14が駆動するように設けられている。これらX方向制御ステッピングモータ13及びY方向制御ステッピングモータ14は、前記刺しゅう機能付きミシンAの刺しゅうミシンA1 に備えられている。
【0023】また、図3に示すように、ステッピングモータ制御回路11の出力信号により、X方向制御ステッピングモータ13、針棒振幅用モータとY方向ステッピングモータとの切替駆動モータ15、送り調節用の送り調節モータ16がそれぞれ駆動可能に設けられている。これらX方向制御ステッピングモータ13,切替駆動モータ15,送り調節モータ16は、前記複合刺しゅうミシンA2 に備えられている。
【0024】また、駆動モータ制御回路12の出力信号により、駆動モータ17が駆動するように設けられている。
【0025】符号18は模様表示装置を示し、模様データ及び縁形成データの臨時情報と加工情報のデータが表示され、現在選択されている模様が刺しゅう機能付きミシンAに表示されるようになっている。
【0026】また、刺しゅう機能付きミシンAには、図1R>1に示すように、前述したようにX−Y駆動部19が設けられ、これによって制御されるX方向制御ステッピングモータ13,Y方向制御ステッピングモータ14が駆動し、キャリジガイドがX方向に移動し、このキャリジガイドに対してX方向に追従し、且つY方向にもY方向制御ステッピングモータ14にて移動可能なキャリジ体が設けられている。該キャリジ体にアタッチメントを介して刺しゅう枠BがX−Y方向に適宜移動可能に設けられている。
【0027】次に、実施例の動作について、図2に示すフローチャートにより説明すると、まず、スタートキーを押して、模様を選択する(S1)。このとき、内部模様,外部模様とが存在するため、内部模様中から適宜の模様を選択するのに選択キーを押すと、予め記憶されている模様データ記憶手段(ROM)8が選択模様記憶手段(RAM)7に格納される。同時に、選択された模様が模様表示装置18に表示される。そして、縁形成キー3,4で、縫目3a,メス切断3b,文字枠縫い4aの何れか適宜のものを押して選択する(S2)。
【0028】ここで、メス切断3bを縁形成キー3で選択して適宜制御した場合には、ステッピングモータ制御回路11の出力信号により、X方向制御ステッピングモータ13,Y方向制御ステッピングモータ14を駆動させ、駆動モータ制御回路12の出力信号により、駆動モータ17が駆動して刺しゅう縫いを行う(S5)。具体的には、図に示すように、アルファベットのAなる刺しゅう縫い20をし、その後、刺しゅう縫い20が終了したときに(S7)、メス針nに換えるようにメッセージ表示される(S8)。これに基づいてメス針nを装着すると(S9)、これに連動して縁データを読出し、刺しゅう縫い20の外形に沿ってメス切断3bの実行がなされる(S11)。そして完了する(S12)。
【0029】次に、縫目3aを選択した場合には(S3のNO)、刺しゅう縫い20は前記と同様に行われ(S6及びS13)、この刺しゅう縫い20が終了したときに、網目3aを行う旨のメッセージが表示される(S14)。その後に、縁データを読出し(S15)、刺しゅう縫い20の外形に沿って縫目3aの実行がなされる(S16)。
【0030】さらに、文字枠縫い4aを選択した場合には(S4)、刺しゅう縫い20は前記と同様に行われ、その刺しゅう縫い20が終了したときに(S20)、文字枠縫い4aを行う旨のメッセージ表示される(S21)。その後に、縁データを読出し(S22)、刺しゅう縫い20に沿って文字枠縫い4aの実行がなされる(S23〜S24)。
【0031】以上のように、ステッピングモータ制御回路11にて、X方向制御ステッピングモータ13及びY方向制御ステッピングモータ14を駆動させ、キャリジガイドをX−Y方向に駆動させる全般の装置、或いは、ステッピングモータ制御回路11にて、X方向制御ステッピングモータ13、針棒振幅用モータとY方向ステッピングモータとの切替駆動モータ15、送り調節用の送り調節モータ16をそれぞれ駆動させ、キャリジガイドまでもX−Y方向に駆動させる全般の装置をステッピングモータ駆動機構とする。
【0032】図10に示したものは、2つ以上の刺しゅう文字を記憶して連続して縁形成をした状態を示している。このような場合を複数文字といい、縁形成キー4には、文字枠縫い4aを選択する外に、複数文字枠縫い4bが選択可能に設けられている。この複数文字枠縫い4bの組合せ模様の長さは、前記縁形成システムプログラムの記憶手段(ROM)10内に、複数文字にした場合に、自動演算するようにプログラムされている。これによって、図10に示すように、複数文字刺しゅう21のまわりを長方形にしつけ等で複数文字枠縫い4bを実行する。具体的には、複数文字刺しゅう21の横長Lを演算して求め、且つ複数文字枠縫い4bの横長L1 も求め、該横長L1 箇所の上下片とこの両側の縦箇所の両側片とで枠状に縁形成を実行する。その縦縫いは、プログラムされなくとも、常に同じ長さ(刺しゅう文字〕に形成されているため、演算の必要はない。
【0033】この複数文字枠縫い4bを設けた実施例としては、図3のフローチャートに示されている。すなわち、文字枠縫い4a(S130)と、複数文字枠縫い4b(S125)の双方が設けられるものであり、その動作は、前記第1実施例(図2参照)の場合と同様である(S101乃至S132参照)。
【0034】以上の縫目3a,文字枠縫い4a及び複数文字枠縫い4bの実行に対して、刺しゅう糸を外して針のみで縫目穴,文字枠縫目穴及び複数文字枠縫目穴として行うこともある。
【0035】図11は、縁形成なる縫目3a及びメス切断3bを行う時の針落ちをテンプレート22によって、位置決めする方法を示している。縁形成をする模様を縫い終わった後にテンプレート22をその刺しゅう模様に合わせ、針位置を縁形成開始点22aにセットする。テンプレート22をはずし、縁形成を行う。縁形成開始点22aは、全模様で共通となっているので、テンプレート22も共通に使えるようになっている。刺しゅう模様の合わせる方法は、刺しゅう模様の下端をテンプレート22のライン22bに合わせ、円22cの中心に刺しゅう模様が来るようにセットする。
【0036】
【発明の効果】まず、請求項1の発明においては、装置各部の全体を駆動制御する中央演算装置1と、複数の模様データを記憶した模様データ記憶手段8から所望の模様を選択する模様選択手段2の操作で選択された選択模様データを記憶する選択模様記憶手段7とを備え、その選択模様データを読み出したデータに従ってステッピングモータ駆動機構及びX−Y駆動部19を制御して刺しゅう縫目を形成可能とした刺しゅう機能付きミシンAにおいて、操作により選択された模様に対応してメス切断3bと縫い付けのための縫い代が設定される複数の異なる形状の縁形成キー3,4と、模様選択手段2の模様選択操作と縁形成キー3,4との操作により刺しゅう縫い20のまわりに縫い代を設定する縁部を形成するための縁形成システムプログラムを記憶する記憶手段10とを備えた縁形成ミシンとしたことにより、複数の縁形成キー3,4の内の所望の一つを選択すると、直前に縫った模様又は縁形成キー3又は4を押す直前に選択された模様の縁形成データが選択模様記憶手段(RAM)7から読み出され、縁形成が行われる。従って、刺しゅう縫い20と所望の縁形成(縫目3a,メス切断3b,文字枠縫い4a)とを一連に行うことができる最大の利点がある。特に、刺しゅう縫い20の回りに、縫目3a,メス切断3b,文字枠縫い4a等の所望の縁形成ができ、縁形成の選択の幅を大きくし、多大なる需要に供することができる。
【0037】さらには、複数の縁形成を手軽に行なえるために、アップリケとして刺しゅうを利用する機会が増え、X−Y駆動部19を有する刺しゅう機能付きミシンAを有効に使うことができる効果がある。
【0038】次に、請求項2の発明においては、請求項1において、刺しゅう文字が複数文字の場合には複数文字枠縫い4bの縁形成するための縁形成システムプログラムを記憶する記憶手段10を備えた縁形成ミシンとしたことにより、特に、刺しゅう縫い20が複数文字、すなわち、複数文字刺しゅう21となった場合には、その文字枠縫い4aではなく、その複数文字刺しゅう21を囲むような、例えば長方形状のような単純な複数文字枠縫い4bとして縁形成できる。この外の効果は請求項1と同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブロック図
【図2】本発明のフローチャート図
【図3】本発明の別の実施例のフローチャート図
【図4】本発明の斜視図
【図5】刺しゅう縫いの斜視図
【図6】縁形成のメス切断を行っている斜視図
【図7】縁形成の縫目を形成した平面図
【図8】縁形成のメス切断を形成した平面図
【図9】縁形成の文字枠を形成した平面図
【図10】縁形成の複数文字枠を形成した平面図
【図11】刺しゅう枠用のテンプレートの平面図
【符号の説明】
A…刺しゅう機能付きミシン
1…中央演算装置
2…模様選択手段
3,4…縁形成キー
3b…メス切断
7…選択模様記憶手段
8…模様データ記憶手段
10…記憶手段
19…X−Y駆動部
20…刺しゅう縫い
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、X−Y駆動部を有する刺しゅう機能付きミシンにおいて、アップリケのための各刺しゅう模様のまわりに縫い代を設定する所望の縁部を簡単に形成することができる縁形成ミシンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、大きなイニシャル模様等は、刺しゅうしやすいフェルト地に刺しゅうをした後に、ワッペンとして縫い付けることが多くなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、そのワッペンにおいて、文字等の模様のスキ間を等間隔に縫い付けるためには、かなりの技術が必要とされていた。
【0004】このため、その模様の回りに縫い代を適宜設けることが簡単にできるようにすることが望まれている。このような縫い代は、切り取りのための目印となり刺しゅう模様と等間隔の隙間の切り取りと、縫い付けを容易化するためのものである。
【0005】ところで、プログラムを組み込みコンピュータ制御によって駆動する刺しゅう機能付きミシンにおいて、その種々の模様の刺しゅうが可能となったものが存在している。たとえば、出願人が開発した刺しゅう機能付きミシンとしては特開平2−57288号がある。この発明では、刺しゅうはできるが、その縫い代までも付けることはできなかった。
【0006】また、刺しゅう枠を形成する縁形成ミシンも存在しているが、1種類のみであり、所望の縁形成することはできなかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで発明者は、前記課題を解決すべく、鋭意,研究を重ねた結果、その発明を、装置各部の全体を駆動制御する中央演算装置と、複数の模様データを記憶した模様データ記憶手段から所望の模様を選択する模様選択手段の操作で選択された選択模様データを記憶する選択模様記憶手段とを備え、その選択模様データを読み出したデータに従ってステッピングモータ駆動機構及びX−Y駆動部を制御して刺しゅう縫目を形成可能とした刺しゅう機能付きミシンにおいて、操作により選択された模様に対応してメス切断と縫い付けのための縫い代が設定される複数の異なる形状の縁形成キーと、模様選択手段の模様選択操作と縁形成キーとの操作により刺しゅう縫いのまわりに縫い代を設定する縁部を形成するための縁形成システムプログラムを記憶する記憶手段とを備えた縁形成ミシン等としたことにより、刺しゅう機能付きミシンのアップリケのための各刺しゅう模様のまわりに縫い代を設定する所望の縁部を簡単に形成することができ、前記課題を解決したものである。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1乃至図11に基づいて説明する。図4は刺しゅう機能付きミシンAであって、刺しゅう縫いのみが可能な刺しゅうミシンA1 並びに通常縫い及び刺しゅう縫いが可能な複合刺しゅうミシンA2が含まれる。
【0009】その刺しゅう機能付きミシンAは、予めコンピュータプログラムを組み込み、中央演算装置(CPU)1を含む制御装置により種々の刺しゅう縫いが可能に構成されている。
【0010】符号2は模様選択キーを備えた模様選択手段であり、その模様選択キーの模様番号により選択された文字データを登録するための登録キー、刺しゅう機能付きミシンAを始動させるためのスタートキー、停止させるためのストップキーが配設されている。
【0011】符号3,4は縁形成キーで、各刺しゅう模様のまわりに縫い代を設定するために縁形成する縁部として、縫目3a,メス切断3b,文字枠縫い4aの3種類が存在し、あらかじめ刺しゅうデータに対応したアップリケ用のデータは縁形成キー3又は4によって選べるようになっている。
【0012】縁形成キー3は、各模様の外形にそった縁形成を提供し、縁形成キー4は、文字に対して文字枠縫い4aを縁形成するためのものである。
【0013】その第1実施例の縫目3aは、しつけピッチ程度にミシン目が設けられるているものである。また、第2実施例のメス切断3b(連続すれば切断可能)はメス針nにてミシン目として設けられているものである。そのメス針nを切断箇所で連続させると連続切断状態となる。また、第3実施例の文字枠縫い4aは、刺しゅうの回りに方形枠として4箇所の位置に切りびつけが設けられるようにミシン縫い的に設けられるものである。
【0014】符号5は上軸位相検出センサーであって、針位置を検出するように、前記中央演算装置(CPU)1に接続されている。
【0015】符号6はX−Y位置検出センサーで、後述のX−Y駆動部19に設けた刺しゅう枠Bの位置を識別するものである。
【0016】符号7は選択模様記憶手段(RAM)を示す。該選択模様記憶手段(RAM)7は、前記模様選択手段2の操作によりフロッピーディスクドライブ部(FDD)を介してフロッピーディスク(FD)から読み出した刺しゅう用の刺しゅうデータを記憶するものである。
【0017】符号8は模様データ記憶手段(ROM)であって、プログラムにより作成した縫目データ及び制御のためのシステムプログラムを記憶するものである。
【0018】これら選択模様記憶手段(RAM)7及び模様データ記憶手段(ROM)8も前記中央演算装置(CPU)1に接続されている。
【0019】符号9は刺しゅう縫いシステムプログラム記憶手段(ROM)であって、適宜の刺しゅうが縫われるように前記中央演算装置(CPU)1と接続されている。
【0020】符号10は縁形成システムプログラムの記憶手段(ROM)であって、刺しゅう縫い箇所の回りに縫い代としての縁形成が行われるように前記中央演算装置(CPU)1と接続されている。その縁形成のプログラムには、前述の縫目3aとしてしつけ程度のものとして、メス切断3b(連続すれば切断可能)はメス針nによるものとして、また、文字枠縫い4aとしてそれぞれ格納されている。
【0021】符号11はステッピングモータ制御回路、12は駆動モータ駆動回路であって、何れも前記中央演算装置(CPU)1と接続されている。
【0022】図1に示すように、ステッピングモータ制御回路11の出力信号により、X方向制御ステッピングモータ13及びY方向制御ステッピングモータ14が駆動するように設けられている。これらX方向制御ステッピングモータ13及びY方向制御ステッピングモータ14は、前記刺しゅう機能付きミシンAの刺しゅうミシンA1 に備えられている。
【0023】また、図3に示すように、ステッピングモータ制御回路11の出力信号により、X方向制御ステッピングモータ13、針棒振幅用モータとY方向ステッピングモータとの切替駆動モータ15、送り調節用の送り調節モータ16がそれぞれ駆動可能に設けられている。これらX方向制御ステッピングモータ13,切替駆動モータ15,送り調節モータ16は、前記複合刺しゅうミシンA2 に備えられている。
【0024】また、駆動モータ制御回路12の出力信号により、駆動モータ17が駆動するように設けられている。
【0025】符号18は模様表示装置を示し、模様データ及び縁形成データの臨時情報と加工情報のデータが表示され、現在選択されている模様が刺しゅう機能付きミシンAに表示されるようになっている。
【0026】また、刺しゅう機能付きミシンAには、図1R>1に示すように、前述したようにX−Y駆動部19が設けられ、これによって制御されるX方向制御ステッピングモータ13,Y方向制御ステッピングモータ14が駆動し、キャリジガイドがX方向に移動し、このキャリジガイドに対してX方向に追従し、且つY方向にもY方向制御ステッピングモータ14にて移動可能なキャリジ体が設けられている。該キャリジ体にアタッチメントを介して刺しゅう枠BがX−Y方向に適宜移動可能に設けられている。
【0027】次に、実施例の動作について、図2に示すフローチャートにより説明すると、まず、スタートキーを押して、模様を選択する(S1)。このとき、内部模様,外部模様とが存在するため、内部模様中から適宜の模様を選択するのに選択キーを押すと、予め記憶されている模様データ記憶手段(ROM)8が選択模様記憶手段(RAM)7に格納される。同時に、選択された模様が模様表示装置18に表示される。そして、縁形成キー3,4で、縫目3a,メス切断3b,文字枠縫い4aの何れか適宜のものを押して選択する(S2)。
【0028】ここで、メス切断3bを縁形成キー3で選択して適宜制御した場合には、ステッピングモータ制御回路11の出力信号により、X方向制御ステッピングモータ13,Y方向制御ステッピングモータ14を駆動させ、駆動モータ制御回路12の出力信号により、駆動モータ17が駆動して刺しゅう縫いを行う(S5)。具体的には、図に示すように、アルファベットのAなる刺しゅう縫い20をし、その後、刺しゅう縫い20が終了したときに(S7)、メス針nに換えるようにメッセージ表示される(S8)。これに基づいてメス針nを装着すると(S9)、これに連動して縁データを読出し、刺しゅう縫い20の外形に沿ってメス切断3bの実行がなされる(S11)。そして完了する(S12)。
【0029】次に、縫目3aを選択した場合には(S3のNO)、刺しゅう縫い20は前記と同様に行われ(S6及びS13)、この刺しゅう縫い20が終了したときに、網目3aを行う旨のメッセージが表示される(S14)。その後に、縁データを読出し(S15)、刺しゅう縫い20の外形に沿って縫目3aの実行がなされる(S16)。
【0030】さらに、文字枠縫い4aを選択した場合には(S4)、刺しゅう縫い20は前記と同様に行われ、その刺しゅう縫い20が終了したときに(S20)、文字枠縫い4aを行う旨のメッセージ表示される(S21)。その後に、縁データを読出し(S22)、刺しゅう縫い20に沿って文字枠縫い4aの実行がなされる(S23〜S24)。
【0031】以上のように、ステッピングモータ制御回路11にて、X方向制御ステッピングモータ13及びY方向制御ステッピングモータ14を駆動させ、キャリジガイドをX−Y方向に駆動させる全般の装置、或いは、ステッピングモータ制御回路11にて、X方向制御ステッピングモータ13、針棒振幅用モータとY方向ステッピングモータとの切替駆動モータ15、送り調節用の送り調節モータ16をそれぞれ駆動させ、キャリジガイドまでもX−Y方向に駆動させる全般の装置をステッピングモータ駆動機構とする。
【0032】図10に示したものは、2つ以上の刺しゅう文字を記憶して連続して縁形成をした状態を示している。このような場合を複数文字といい、縁形成キー4には、文字枠縫い4aを選択する外に、複数文字枠縫い4bが選択可能に設けられている。この複数文字枠縫い4bの組合せ模様の長さは、前記縁形成システムプログラムの記憶手段(ROM)10内に、複数文字にした場合に、自動演算するようにプログラムされている。これによって、図10に示すように、複数文字刺しゅう21のまわりを長方形にしつけ等で複数文字枠縫い4bを実行する。具体的には、複数文字刺しゅう21の横長Lを演算して求め、且つ複数文字枠縫い4bの横長L1 も求め、該横長L1 箇所の上下片とこの両側の縦箇所の両側片とで枠状に縁形成を実行する。その縦縫いは、プログラムされなくとも、常に同じ長さ(刺しゅう文字〕に形成されているため、演算の必要はない。
【0033】この複数文字枠縫い4bを設けた実施例としては、図3のフローチャートに示されている。すなわち、文字枠縫い4a(S130)と、複数文字枠縫い4b(S125)の双方が設けられるものであり、その動作は、前記第1実施例(図2参照)の場合と同様である(S101乃至S132参照)。
【0034】以上の縫目3a,文字枠縫い4a及び複数文字枠縫い4bの実行に対して、刺しゅう糸を外して針のみで縫目穴,文字枠縫目穴及び複数文字枠縫目穴として行うこともある。
【0035】図11は、縁形成なる縫目3a及びメス切断3bを行う時の針落ちをテンプレート22によって、位置決めする方法を示している。縁形成をする模様を縫い終わった後にテンプレート22をその刺しゅう模様に合わせ、針位置を縁形成開始点22aにセットする。テンプレート22をはずし、縁形成を行う。縁形成開始点22aは、全模様で共通となっているので、テンプレート22も共通に使えるようになっている。刺しゅう模様の合わせる方法は、刺しゅう模様の下端をテンプレート22のライン22bに合わせ、円22cの中心に刺しゅう模様が来るようにセットする。
【0036】
【発明の効果】まず、請求項1の発明においては、装置各部の全体を駆動制御する中央演算装置1と、複数の模様データを記憶した模様データ記憶手段8から所望の模様を選択する模様選択手段2の操作で選択された選択模様データを記憶する選択模様記憶手段7とを備え、その選択模様データを読み出したデータに従ってステッピングモータ駆動機構及びX−Y駆動部19を制御して刺しゅう縫目を形成可能とした刺しゅう機能付きミシンAにおいて、操作により選択された模様に対応してメス切断3bと縫い付けのための縫い代が設定される複数の異なる形状の縁形成キー3,4と、模様選択手段2の模様選択操作と縁形成キー3,4との操作により刺しゅう縫い20のまわりに縫い代を設定する縁部を形成するための縁形成システムプログラムを記憶する記憶手段10とを備えた縁形成ミシンとしたことにより、複数の縁形成キー3,4の内の所望の一つを選択すると、直前に縫った模様又は縁形成キー3又は4を押す直前に選択された模様の縁形成データが選択模様記憶手段(RAM)7から読み出され、縁形成が行われる。従って、刺しゅう縫い20と所望の縁形成(縫目3a,メス切断3b,文字枠縫い4a)とを一連に行うことができる最大の利点がある。特に、刺しゅう縫い20の回りに、縫目3a,メス切断3b,文字枠縫い4a等の所望の縁形成ができ、縁形成の選択の幅を大きくし、多大なる需要に供することができる。
【0037】さらには、複数の縁形成を手軽に行なえるために、アップリケとして刺しゅうを利用する機会が増え、X−Y駆動部19を有する刺しゅう機能付きミシンAを有効に使うことができる効果がある。
【0038】次に、請求項2の発明においては、請求項1において、刺しゅう文字が複数文字の場合には複数文字枠縫い4bの縁形成するための縁形成システムプログラムを記憶する記憶手段10を備えた縁形成ミシンとしたことにより、特に、刺しゅう縫い20が複数文字、すなわち、複数文字刺しゅう21となった場合には、その文字枠縫い4aではなく、その複数文字刺しゅう21を囲むような、例えば長方形状のような単純な複数文字枠縫い4bとして縁形成できる。この外の効果は請求項1と同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブロック図
【図2】本発明のフローチャート図
【図3】本発明の別の実施例のフローチャート図
【図4】本発明の斜視図
【図5】刺しゅう縫いの斜視図
【図6】縁形成のメス切断を行っている斜視図
【図7】縁形成の縫目を形成した平面図
【図8】縁形成のメス切断を形成した平面図
【図9】縁形成の文字枠を形成した平面図
【図10】縁形成の複数文字枠を形成した平面図
【図11】刺しゅう枠用のテンプレートの平面図
【符号の説明】
A…刺しゅう機能付きミシン
1…中央演算装置
2…模様選択手段
3,4…縁形成キー
3b…メス切断
7…選択模様記憶手段
8…模様データ記憶手段
10…記憶手段
19…X−Y駆動部
20…刺しゅう縫い
【特許請求の範囲】
【請求項1】 装置各部の全体を駆動制御する中央演算装置と、複数の模様データを記憶した模様データ記憶手段から所望の模様を選択する模様選択手段の操作で選択された選択模様データを記憶する選択模様記憶手段とを備え、その選択模様データを読み出したデータに従ってステッピングモータ駆動機構及びX−Y駆動部を制御して刺しゅう縫目を形成可能とした刺しゅう機能付きミシンにおいて、操作により選択された模様に対応してメス切断と縫い付けのための縫い代が設定される複数の異なる形状の縁形成キーと、模様選択手段の模様選択操作と縁形成キーとの操作により刺しゅう縫いのまわりに縫い代を設定する縁部を形成するための縁形成システムプログラムを記憶する記憶手段とを備えたことを特徴とする縁形成ミシン。
【請求項2】 請求項1において、刺しゅう縫いの刺しゅう文字が複数文字の場合には複数文字のまわりに縫い代を設定する縁部を形成するための縁形成システムプログラムを記憶する記憶手段とを備えたことを特徴とする縁形成ミシン。
【請求項1】 装置各部の全体を駆動制御する中央演算装置と、複数の模様データを記憶した模様データ記憶手段から所望の模様を選択する模様選択手段の操作で選択された選択模様データを記憶する選択模様記憶手段とを備え、その選択模様データを読み出したデータに従ってステッピングモータ駆動機構及びX−Y駆動部を制御して刺しゅう縫目を形成可能とした刺しゅう機能付きミシンにおいて、操作により選択された模様に対応してメス切断と縫い付けのための縫い代が設定される複数の異なる形状の縁形成キーと、模様選択手段の模様選択操作と縁形成キーとの操作により刺しゅう縫いのまわりに縫い代を設定する縁部を形成するための縁形成システムプログラムを記憶する記憶手段とを備えたことを特徴とする縁形成ミシン。
【請求項2】 請求項1において、刺しゅう縫いの刺しゅう文字が複数文字の場合には複数文字のまわりに縫い代を設定する縁部を形成するための縁形成システムプログラムを記憶する記憶手段とを備えたことを特徴とする縁形成ミシン。
【図8】
【図9】
【図4】
【図6】
【図7】
【図11】
【図1】
【図2】
【図3】
【図5】
【図10】
【図9】
【図4】
【図6】
【図7】
【図11】
【図1】
【図2】
【図3】
【図5】
【図10】
【特許番号】第2935914号
【登録日】平成11年(1999)6月4日
【発行日】平成11年(1999)8月16日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平3−109548
【出願日】平成3年(1991)4月16日
【公開番号】特開平5−123466
【公開日】平成5年(1993)5月21日
【審査請求日】平成10年(1998)3月30日
【出願人】(000002244)蛇の目ミシン工業株式会社 (79)
【参考文献】
【文献】特開 平1−299584(JP,A)
【文献】特開 平2−293459(JP,A)
【文献】特開 昭52−99149(JP,A)
【文献】特開 平4−244185(JP,A)
【文献】特開 平5−261187(JP,A)
【文献】特開 平5−96071(JP,A)
【文献】実開 昭61−39085(JP,U)
【登録日】平成11年(1999)6月4日
【発行日】平成11年(1999)8月16日
【国際特許分類】
【出願日】平成3年(1991)4月16日
【公開番号】特開平5−123466
【公開日】平成5年(1993)5月21日
【審査請求日】平成10年(1998)3月30日
【出願人】(000002244)蛇の目ミシン工業株式会社 (79)
【参考文献】
【文献】特開 平1−299584(JP,A)
【文献】特開 平2−293459(JP,A)
【文献】特開 昭52−99149(JP,A)
【文献】特開 平4−244185(JP,A)
【文献】特開 平5−261187(JP,A)
【文献】特開 平5−96071(JP,A)
【文献】実開 昭61−39085(JP,U)
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