説明

縦型トランス

【課題】音鳴りを抑制し、静音性を改善し得る縦型トランスを提供する。
【解決手段】第1方向(Z)に略平行に延在しており第1コイル及び第2コイルを挿通する中脚15と、前記第1方向に略平行に延在する側脚16と、前記中脚の一方の端部と前記側脚の一方の端部とを接続する第1接続部13と、前記中脚の他方の端部と前記側脚の他方の端部とを接続する第2接続部、を有するコア12と、前記第1及び第2コイルのうち少なくとも一方が巻回される第1中空筒部と、設置面90と略平行に延在し、前記第1接続部に対向する第1コア搭載面と、前記第1接続部を挟んで両側に配置されており前記第1コア搭載面から前記第1方向にせり上がる第1傾斜面61と、を有する第1ボビン50と、前記第1接続部における第1接続部側面13aと前記第1ボビンの前記第1傾斜面とを接続しており、接着剤が硬化して形成される第1接着剤硬化部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気製品等に用いられる縦型トランスに関する。
【背景技術】
【0002】
トランスは、様々の電気製品に、様々な用途で用いられている。例えば、液晶ディスプレイのバックライトの駆動等においては、高電圧を得るために、インバータ用共振トランスが使用される。
【0003】
ここで、トランスには、コイルを挿通するコアの脚がトランスの設置面に対して略平行に伸びる横型トランスと、コイルを挿通するコアの脚がトランスの設置面に対して略垂直(設置面の法線方向)に伸びる縦型トランスが含まれる。従来技術に係る縦型トランスは、例えばボビンの上鍔部に、一端側から他端側まで連続する互いに平行な2つの壁が形成してあり、当該連続する2つの壁の間に磁性材の接続部を設置する構造を有していた(特許文献1の図7等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭61−81612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術に係る縦型トランスは、連続する2つの壁の間に磁性材の接続部を設置することにより、ボビンに対してコアを容易に位置決めすることができるという利点を有しているが、その一方で、トランスの駆動時に音鳴り(うなり)が発生するという問題を有していた。映像・音声機器等に使用される電子部品には、高度な静音性が要求されるため、そのような製品で使用されるトランスでは、特に音鳴りを抑制する必要がある。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされ、その目的は、音鳴りを抑制し、静音性を改善し得る縦型トランスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る縦型トランスは、
設置面に対して垂直な方向である第1方向に略平行に延在しており第1コイル及び第2コイルを挿通する中脚と、前記第1方向に略平行に延在する側脚と、前記設置面に平行な方向であって前記中脚と前記側脚とを接続する方向である第2方向に略平行に延在して前記中脚の一方の端部と前記側脚の一方の端部とを接続する第1接続部と、前記第2方向に略平行に延在して前記中脚の他方の端部と前記側脚の他方の端部とを接続する第2接続部、を有するコアと、
前記第1コイル及び前記第2コイルのうち少なくとも一方が巻回される第1中空筒部と、前記第1中空筒部における前記第1接続部に近接する側の端部に接続されており前記設置面と略平行に延在し、前記第1接続部に対向する第1コア搭載面と、前記設置面に平行な方向であって前記第2方向に交差する方向に前記第1接続部を挟んで両側に配置されており前記第1コア搭載面から前記第1方向にせり上がる第1傾斜面と、を有する第1ボビンと、
前記第1接続部における前記第1コア搭載面に交差する方向に延在する面である第1接続部側面と前記第1ボビンの前記第1傾斜面とを接続しており、接着剤が硬化して形成される第1接着剤硬化部とを有することを特徴とする。
【0008】
本発明に係る発明者らは、ボビンに対するコアの固定構造を、上述したように変更することによって、縦型トランスの音鳴りを抑制し得ることを見いだした。すなわち、コア同士を接着したり、トランスの外周にテープを巻きつけたり、コアとボビンの対向面同士を接着する固定方法のみでは、ボビンに対するコアの固定が不十分であり、音鳴りを抑制することが難しい。しかし、本発明に係る縦型トランスは、その第1ボビンが第1コア搭載面から前記第1方向にせり上がる第1傾斜面を有しており、コアの第1接続部側面と第1ボビンの第1傾斜面とを接続する第1接着剤硬化部を有する。このような第1接着剤硬化部による固定構造は、トランスに発生する振動に対して高い耐久性を有し、第1ボビンに対してしっかりとコアを固定することが可能であるため、本発明に係るトランスは、音鳴りを抑制することができる。
【0009】
また、コアとボビンの対向面同士を接着する固定構造では、第1ボビン(特にそれを構成する材質)の強度が低い場合に、第1ボビンに割れ等の損傷が発生したり、接着剥がれが生じる場合があるが、本発明に係る第1接着剤硬化部による固定構造は、このような問題を好適に防止することができる。さらに、本発明に係る縦型トランスにおいて、第1傾斜面と第1接続部側面との間の距離は、第1コア搭載面に近接する部分で相対的に狭く、第1コア搭載面から離間する部分で相対的に広くなっている。このような構造を有する縦型トランスでは、第1傾斜面と第1接続部側面との間隔が広くなっている側から容易に接着剤を注入することができ、注入された接着剤は接着面である第1傾斜面及び第1接続部側面に好適に導かれる。そのため、本発明に係る縦型トランスは、製造が容易であり、第1接着剤硬化部は、第1傾斜面と第1接続部側面を確実に接続することができる。また、本発明に係る縦型トランスは、第1傾斜面を有しない場合に比べて、接着に必要な接着剤の量を減少させることが可能であり、接着剤の使用量を抑制しつつ高い接着強度を実現することができる。
【0010】
また、例えば、前記第1ボビンは、前記設置面に平行な方向であって前記第2方向に交差する方向に前記第1接続部を挟んで両側に配置されており前記第1コア搭載面から略垂直に立ち上がる位置決め面を有しても良い。
【0011】
第1コア搭載面からせり上がる第1傾斜面に加えて、第1コア搭載面から垂直に立ち上がる位置決め面を有することにより、このような縦型トランスは、コアを第1ボビンに対して容易に位置決めすることが可能となり、容易かつ精度良く組み立てることができる。
【0012】
また前記位置決め面は、前記第1傾斜面を間に挟むように、前記第1コア搭載面における前記第2方向の両端部に配置されていても良い。
【0013】
位置決め部を、コア搭載面における第2方向の両端部に配置することにより、コアの位置決め精度を向上させることが可能である。また、このような配置は、位置決め部の間に形成される第1接着剤硬化部を第2方向に沿って長く形成することを可能にし、接着強度の向上にも資する。
【0014】
また、例えば、前記第1傾斜部は、前記第1コア搭載面に対して、15度〜60度傾斜していても良い。
【0015】
第1傾斜部の傾斜角度は、特に限定されないが、15度〜60度とすることによって、接着剤を接着面に誘導する効果と、接着剤の使用量を抑制する効果を、好適に得ることができる。
【0016】
また、例えば、本発明に係る縦型トランスは、前記第1コイル及び前記第2コイルのうち何れか一方が巻回される第2中空筒部と、前記第2中空筒部における前記第2接続部に近接する側の端部に接続されており前記設置面と略平行に延在し、前記第2接続部に対向する第2コア搭載面と、を有する第2ボビンをさらに有しても良く、
前記第1ボビンには、前記第1コイル及び前記第2コイルのうち何れか他方が巻回されても良い。
【0017】
本発明は、ボビンが2ピース構造になっている縦型トランスにも好適に適用される。上述したように、本発明に係る固定構造は、第1ボビンの強度が低い場合にでも良好な耐久性を有するため、第1ボビンを構成する材質の選択肢が広がる。このことにより、本発明に係るトランスでは、第1ボビンの弾性変形を利用した嵌め込み構造など、組立を簡易化する構造を採用しつつ、音鳴り防止の効果を得ることができる。
【0018】
また、例えば、前記第2ボビンは、前記設置面に平行な方向であって前記第2方向に交差する方向に前記第2接続部を挟んで両側に配置されており前記第2コア搭載面から前記第1方向の反対方向に向かってせり上がる第2傾斜面を有しても良く、
前記第2接続部における前記第2コア搭載面に交差する方向に延在する面である第2接続部側面と前記第2ボビンの前記第2傾斜面との間には、前記第2接続部側面と前記第2傾斜面とを接続しており接着剤が硬化して形成される第2接着剤硬化部が形成されていても良い。
【0019】
ボビンが2ピース構造になっている縦型トランスの場合、第2ボビンとコアの間にも、第1ボビンとコアと同様の接着構造を採用することができる。このような接着構造を採用する縦型トランスは、コアをボビンに対してより強固に固定することが可能であり、さらなる音鳴り防止効果を期待できる。
【0020】
また、本発明に係る縦型トランスにおいて、前記第1コイル及び前記第2コイルの何れか一方は、前記第1コイル及び前記第2コイルの何れか他方の内周側に配置されていても良い。
【0021】
一方のコイルが他方のコイルの内周側に配置される2重構造を採用するトランスは、低背化に関して有利であるが、1重構造のトランスに比べてボビンの構造が複雑になる傾向がある。本発明に係る固定構造は、上述したように、第1ボビンの強度が低いような場合にでも、良好な耐久性を有するため、本発明に係るトランスは、ボビンの材質や形状に関する設計自由度が高い。したがって、本発明に係るトランスであって、2重構造を有するトランスは、良好な耐久性、静粛性を確保することが可能であり、また、嵌め込み構造などを採用して製造を簡易化することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係るトランスの全体斜視図である。
【図2】図2は、図1に示すトランスの分解斜視図である。
【図3】図3は、図1に示すトランスに含まれる第1ボビンの斜視図である。
【図4】図4は、設置面に垂直な断面によるトランスの断面図である。
【図5】図5は、第1ボビン及びその変形例における第1傾斜面周辺の拡大断面図である。
【図6】図6は、参考例に係る第1ボビンにおける接着剤硬化部周辺の拡大断面図である。
【0023】
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係るトランス10は、コア12と、第1ボビン50と、第2ボビン40とを有する。
【0024】
トランス10のコア12は、例えばフェライト等の軟磁性材料によって構成されており、後述する第1及び第2コイル30,20により発生する磁束を通過させる磁路を形成する。コア12は、中脚15と、側脚16,18と第1接続部13と、第2接続部14(図2参照)とを有する。コア12の中脚15は、トランス10の設置面90に対して垂直な方向である第1方向(図面におけるZ軸方向)に略平行に延在しており、第1コイル30及び第2コイル20を挿通する。側脚16,18は、中脚15と同様にZ軸方向に略平行に延在しており、中脚15と略同様の長さを有する。側脚16,18は、中脚15をY軸方向の両側から挟むように配置されている。
【0025】
図1および図2に示すように、コア12の第1接続部13は、設置面90に平行な方向であって中脚15と側脚16,18とを接続する方向である第2方向(図面におけるY軸方向)に略平行に延在し、中脚15の一方の端部と側脚16,18の一方の端部とを接続する。これに対して、コア12の第2接続部14は、図2に示すように、第1接続部13と同様にY軸方向に略平行に延在し、中脚15の他方の端部と側脚16,18の他方の端部とを接続する。本実施形態では、中脚15と側脚16,18とを接続する接続部13,14のうち、トランス10の設置面90(図1参照)から離間している側を第1接続部13と規定し、第1接続部13より設置面90に近接する側を第2接続部14と規定する。ただし、これとは逆に、トランス10の設置面90から離間している側を第2接続部と規定し、第2接続部より設置面90に近接する側を第1接続部と規定する態様も、本発明の実施形態に含まれる。なお、トランス10の設置面90とは、トランス10を基板に設置した際に、基板と対向するトランス10の底面を意味する。図1に示すように、設置面90は、XY平面に平行な面である。
【0026】
コア12は、図2に示すように、別々に成形された2つの部品である第1コア12aと第2コア12bとを、組み立てることによって形成される。第1コア12aと第2コア12bとは、対称な形状を有しており、第1ボビン50および第2ボビン40を上下方向(図面のZ軸方向)から挟むようにして互いに接合される。第1コア12aおよび第2コア12bは、それぞれ縦断面(図1においてY軸およびZ軸を含む切断面)が略E字形状を有する。
【0027】
なお、図面において、Z軸(第1方向)は、トランス10の高さ方向であり、トランス10におけるZ軸方向の高さが短くなるほど、トランスの低背化が可能となる。また、X軸とY軸は、相互に垂直であり、しかもZ軸に垂直であり、この実施形態では、Y軸が、第1端子72の配列方向および中脚15と側脚16,18との接続方向(第2方向)と一致し、X軸が、トランス10の長手方向に一致している。
【0028】
図2に示すように、第2ボビン40は、略矩形平板状のボビン基板42を有する。ボビン基板42の下方表面の一部には、設置面90と略平行に延在する第2コア搭載面45が形成されている。第2コア搭載面45は、第2中空筒部44における第2接続部14に近接する側の端部(第2中空筒部44の下方の端部)に接続されており、コア12の第2接続部14に対向するように配置される。
【0029】
ボビン基板42の下方表面の他の一部には、トランス10の設置面90が形成されている。設置面90は、第2コア搭載面45より下方側(Z軸負方向側)に位置する。ボビン基板42のX軸方向の一方の端部には、複数(図示する例では4つ)の第2端子70がY軸方向に沿って所定間隔で固定してある。また、ボビン基板42のX軸方向の他方の端部には、複数(図示する例では8つ)の第1端子72がY軸方向に沿って所定間隔で固定してある。
【0030】
これらの端子70および72は、たとえば金属端子で構成され、合成樹脂などの絶縁材料で構成されるボビン基板42に対してインサート成形などにより一体成形される。後述するように、第2端子70には、第2コイル20のリード部が接続され、第1端子72には、第1コイル30のリード部が接続される。このように、ボビン基板42は、コイル20,30に電気的に接続される端子70,72が設置される端子設置部としての役割を有する。
【0031】
ボビン基板42の略中央位置には、第2中空筒部44(図4参照)がZ軸方向に突出して形成してある。第2中空筒部44における上方の端部には、ボビン鍔部48が接続されている。ボビン鍔部48は、XY平面に略平行に、第2中空筒部44から径方向に突き出た形状を有しており、第2コイル20を保持する機能を有する。ボビン基板42と第2中空筒部44とボビン鍔部48とは、射出成形などにより一体成形してあることが好ましい。
【0032】
ボビン基板42と第2中空筒部44とボビン鍔部48には、これらをZ軸方向に貫通する貫通孔44aが形成してある。貫通孔44aの形状は、後述する第1ボビン50に形成してある貫通孔52aの形状とも一致し、図2に示すように、コア12(第1コア12a,第2コア12b)における中脚15(15a,15b)が挿入可能な楕円形状になっている。なお、図2では隠れているが、貫通孔44aのZ軸負方向側の開口は、ボビン基板42の第2コア搭載面45に形成されている。
【0033】
図4に示すように、第2中空筒部44の外周には、第2コイル20が巻回してある。第2中空筒部44は、第2コイル20のボビン本体として機能する。
【0034】
第2コイル20の斜視図を図2に示す。第2コイル20は、図2及び図4に示すように、第2中空筒部44の外周形状に沿った形状を有し、第2中空筒部44の外周と同様に、楕円形状を有する。第2コイル20は、図2及び図4に示すように、後述する第1ボビン50の第1中空筒部54の内部に収まるようになっており、第1中空筒部54の外周に巻回されている第1コイル30の内周側に配置される。
【0035】
図2に示すように、ボビン基板42のX軸方向の両側面には、第2コア12bの側脚16b,18bを通過させるための凹部43が形成されている。凹部43は、第2コア搭載面45のY軸方向両端部に形成されており、第2中空筒部44とX軸方向の位置が同じになるように配置されている。また、ボビン基板42のY軸方向の両側面には、凹部43のX軸方向両側位置に、後述する第1ボビン50の係合孔59aに着脱自在に係合する係合突起49が形成されている。
【0036】
図2及び図4に示すように、第1ボビン50は、第1コイル30(図4等参照)を保持するとともに、トランス10の外形状の一部を規定する。第1ボビン50は、図2および図4に示すように、第1コイル30が巻回される第1中空筒部54を有する。第1中空筒部54は、第1コイル30のボビン本体として機能する。
【0037】
第1中空筒部54の上方の端部には、XY平面に沿って第1中空筒部54から径方向に突出する上鍔部52が形成してある。図2に示すように、上鍔部52には、第1コア12aの中脚15aを挿通させるための貫通孔52aが形成してある。
【0038】
上鍔部52の上方表面には、設置面90と略平行に延在する第1コア搭載面53が形成されている。第1コア搭載面53は、第1中空筒部54における第1接続部13に近接する側の端部(第1中空筒部54の上方の端部)に接続されている。第1コア搭載面53は、コア12の第1接続部13に対向しており、トランス10の組み立て状態において、コア12の第1接続部13は、第1コア搭載面53に搭載された状態となる。
【0039】
図3に示すように、第1ボビン50の第1コア搭載面53のX軸方向両側には、第1傾斜面61が形成されている。図1に示すように、組み立て後のトランス10において、第1傾斜面61は、X軸方向(設置面90に平行な方向であってY軸方向に公差する方向)に、コア12の第1接続部13を挟んで、両側に配置される。図1及び図3に示すように、第1傾斜面61は、第1コア搭載面53から、上方(Z軸正方向)にせり上がる斜面となっている。
【0040】
図3に示すように、本実施形態に係る第1傾斜面61は、中脚15を挿通させる貫通孔52aに近接する位置に配置される中央部61aと、中央部61aをY軸方向両側から挟んで配置されるサイド部61bとを有する。サイド部61bは、第1コア搭載面53に交差する方向に延在する平面によって構成され、中央部61aは、第1コア搭載面53に交差し、かつY軸方向に沿って湾曲する曲面によって構成される。ただし、第1傾斜面61を構成する面は、第1コア搭載面53から上方に向かって傾斜する面であれば特に限定されず、また第1傾斜面61は、複数の平面及び曲面による組合せによって構成されていても良い。
【0041】
第1傾斜面61は、コア12を第1ボビン50に対して固定する接着剤の接着面として機能する。図4に示すように、コア12の第1接続部側面13aと第1傾斜面61の間には、第1接着剤硬化部82が形成されている。第1接着剤硬化部82は、第1ボビン50の第1傾斜面61とコア12の第1接続部側面13aとを接続し、コア12を第1ボビン50に対して固定する。なお、第1接続部側面13aは、第1接続部13における第1コア搭載面53と交差する方向に延在する面であり、本実施形態では、第1コア搭載面53に対して略垂直な方向に延在する。
【0042】
また、図3に示すように、第1ボビン50の第1コア搭載面53のX軸方向両側には、第1傾斜面61に加えて、コア12の第1接続部13の位置決めを行う位置決め部60が形成されている。位置決め部60は、第1コア搭載面53からZ軸方向(第1方向)に突出している。図1に示すように、位置決め部60は、設置面90に平行な方向であってY軸方向に交差する方向であるX軸方向に沿って、第1接続部13を挟んで両側に形成されている。
【0043】
位置決め部60は、第1接続部13に接触するか、あるいは位置決め部60の中で最も第1接続部13に近接する部分である位置決め面60aを備える。図1に示すように、位置決め面60aは、第1コア搭載面53から略垂直に立ち上がるように形成されており、第1接続部13の側面である第1接続部側面13aに対向し、第1接続部側面13aのX軸方向(Y軸方向に直交する方向)に関する位置決めを行うことができる。
【0044】
位置決め面60aは、Y軸方向(第2方向)に略平行な方向に沿って所定の間隔を空けて複数配置されることが好ましい。本実施形態では、第1コア搭載面53におけるY軸方向の両端部に2箇所、合計4箇所に配置されており、両端部に配置された位置決め面60aの間には、先述した第1傾斜面61が挟まれている。第1傾斜面61は、両端部に配置された位置決め部60を接続するように形成されており、上鍔部52及び第1ボビン50の強度を向上させる役割も有する。
【0045】
図1に示す位置決め部60、第1傾斜面61及び第1接続部側面13aに囲まれる領域(点線矢印Aで示す領域)には、第1接着剤硬化部82が形成される。断面図である図4に示すように、第1接着剤硬化部82は、コア12の第1接続部13と第1ボビン50とを接着する接着剤が硬化したものであり、第1接続部側面13aと第1傾斜面61とを接続している。第1接着剤硬化部82は、第1傾斜面61及び第1接続部側面13aに沿ってY軸方向に伸びており、第1接着剤硬化部82が第1接続部側面13aと第1傾斜面61を接続していることは、中脚15(15a,15b)を通る断面(図4)だけでなく、中脚15と側脚16,18の間を通る断面(図5(a)参照)で見ても、同様である。なお、図1では、第1ボビン50の傾斜面61等の形状を表すために、接着剤硬化部82を図示していない。
【0046】
図1では図示されていないが、図4に示すように、第1ボビン50の第1中空筒部54は、上鍔部52の下面から垂直に、Z軸方向の下方に向かって突出している。第1中空筒部54は、図2に示すボビン鍔部48を外周から覆うような形状を有し、図4に示すように、第2コイル20および中脚15(15a,15b)を、内部に収納するようになっている。言い換えると、第1中空筒部54の内部は、中脚15および第2コイル20によって挿通されている。
【0047】
図1および図3に示すように、第1中空筒部54の下方の端部には、矩形状の下鍔部58がXY平面に略平行に形成してある。下鍔部58は、第2ボビン40のボビン基板42の上側表面を覆うように装着される。
【0048】
下鍔部58のY軸方向の両側端部には、下方に向かって張り出す側面部59が形成されている。側面部59には、第2ボビン40の係合突起49と係合する係合孔59aが形成してある。第1ボビン50と第2ボビン40とは、側面部59の弾性変形を利用して、係合突起49を係合孔59aに係合させることにより組み立てられる。
【0049】
図1及び図4に示すように、上鍔部52と下鍔部58との間に位置する第1中空筒部54の外周面には、第1コイル30をZ軸方向に沿って分割配置するための1以上の中間鍔部56が、トランス10の用途等に応じて設けられる。これらの鍔部52,56,58は、XY平面に平行である。これらの鍔部52,56,58と第1中空筒部54を有する第1ボビン50は、射出成形などにより一体成形される。図4に示すように、第1中空筒部54には第1コイル30が巻回されており、トランス10は、コア12の中脚15の周辺を、第2コイル20と第1コイル30が2重に周回する2重構造を有している。
【0050】
図4に示すように、本実施形態の第1コイル30は、2つの独立したコイルによって構成されるが、第1コイル30は1つのコイルで構成されていても良く、3つ以上のコイルで構成されても良い。第1コイル30は、第1中空筒部54に接触しており、第1コイル30の巻回形状及び第1中空筒部54の外周形状は、たまご形状である。
【0051】
図1に示すように、中間鍔部56のX方向の先端部は、第1端子72が形成してあるボビン基板42の端部まで延ばしてあり、第1コイル30のリード線33を第1端子72に案内するリード用溝部57aが形成してある。また、第1ボビン50の下鍔部58も、中間鍔部56と同様にボビン基板42のX軸方向の端部まで延びており、リード線33を第1端子72に案内するリード用溝部58aが形成してある。
【0052】
本実施形態に係るトランス10は、図2に示す各部材を組み立てると共に、第2ボビン40および第1ボビン50に巻き線を巻回することによって作成される。以下に、トランス10の製造方法の一例を、図2などを用いて説明する。トランス10の作成においては、まず、第2端子70および第1端子72を取り付けた第2ボビン40を準備する。第2ボビン40の材質は特に限定されないが、第2ボビン40は、樹脂等の絶縁材料によって形成され、特にフェノール樹脂等を用いることが、耐熱性等の観点から好ましい。
【0053】
次に、第2ボビン40の第2中空筒部44に巻き線を巻回し、第2コイル20(図4参照)を形成する。第2コイル20の形成に使用される巻き線としては、特に限定されないが、リッツ線等が好適に使用される。また、第2コイル20を形成する際の巻き線の末端部は、第2ボビン40の連通路47(図4参照)を通って第2端子70に絡げられて接続される。
【0054】
次に、第2コイル20が形成された第2ボビン40に対して、図2に示す第1ボビン50を取り付ける。第1ボビン50と第2ボビン40とは、第1ボビン50の係合孔59aを、第2ボビン40の係合突起49に係合させることによって組み立てられる。また、第1ボビン50と第2ボビン40とは、必要に応じて接着等により固定される。第1ボビン50の材質も特に限定されず、樹脂等の絶縁材料によって形成されるが、PET(ポリエチレンテレフタラート)等を用いることが、弾性変形が容易である等の観点から好ましい。
【0055】
次に、第1ボビン50の第1中空筒部54に巻き線を巻回し、第1コイル30(図4参照)を形成する。第1コイル30の形成に使用される巻き線としては、特に限定されないが、リッツ線等が好適に使用される。第1コイル30を形成した際の巻き線の末端部であるリード線33は、リード用溝部57a,58aに係止させて第1端子72に巻き付ける。
【0056】
次に、第2コイル20、第1コイル30、第1ボビン50および第2ボビン40が組み合わせられた中間組立品に対して、Z軸方向の上下方向からコア12の第1コア12aと第2コア12bとを取り付け、コア12を形成する。すなわち、第1コア12aおよび第2コア12bの中脚15a,15bの先端同士、側脚16a,16bの先端同士、側脚18a,18bの先端同士を接合する。なお、中脚15a,15bの先端同士の間には、ギャップを持たせても良い。コア12の第1コア12aと第2コア12bは、接着剤を用いて接着される。コア12の材質としては、金属、フェライト等の軟磁性材料が挙げられるが、特に限定されない。
【0057】
次に、図1において矢印Aで示される第1接続部側面13aと第1傾斜面61の間に接着剤を塗布し、図4に示すような第1接着剤硬化部82を形成することにより、コア12を第1ボビン50に対して固定する。第1接着剤硬化部82を形成する接着剤は、特に限定されないが、シリコン系接着剤のような比較的粘性の高い接着剤を用いることが、互いに交差する方向に伸びる第1接続部側面13aと第1傾斜面61の接続に用いる観点から、特に好ましい。また、接続部側面13aと第1傾斜面61の上端部との間に形成される隙間は、接着剤を吐出するノズルが塗布面に適切に接近できる幅に設計される。
【0058】
また、コア12と第1ボビン50との間を接着するのに加えて、コア12と第2ボビン40とを接着しても良い。図4に示すように、ボビン基板42の下方表面の一部には、第2コア搭載面45(図2参照)からZ軸負方向に向かってせり上がる第2傾斜面46が、コア12の第2接続部14を挟んでX軸方向両側に形成されている。そこで、第2接続部14の側面である第2接続部側面14aと第2傾斜面46との間に接着剤を塗布し、第2接続部側面14aと第2傾斜面46とを接続する第2接着剤硬化部83を形成しても良い。なお、第2接続部側面14aは、第2接続部14における第2コア搭載面45と交差する方向に延在する面であり、本実施形態では、第2コア搭載面45に対して略垂直な方向に延在する。
【0059】
最後に、外周にテープが巻かれても良く、ワニス含浸処理が施されても良い。以上のような工程により、本実施形態に係るトランス10を製造することができる。
【0060】
トランス10は、中脚15が設置面90に対して垂直なZ軸方向(設置面90の法線方向)に略平行に延在する縦型トランスである。縦型であるトランス10は、図1及び図4に示すように、第1および第2コイル30,20のZ軸上下方向にコア12の接続部13,14が配置され、これらの接続部13,14が上下方向への漏れ磁束を抑制する効果を奏する。したがって、トランス10は、コイルの上下方向がコアによってほとんど遮蔽されない横型に比べて、トランス10の上下方向への漏れ磁束を抑制することができる。
【0061】
また、図4に示すように、トランス10は、第1コイル30が第2コイル20の外周を周回する2重構造である。2重構造とすることによって、トランス10は、コア12の軸方向の長さを短縮し、縦型でありながら薄型のコイルを実現することができる。
【0062】
このようなコア12の配置により、トランス10は、アルミ製の遮蔽板等を設けなくても、周辺の構造材等における渦電流の発生を防止することができる。また、渦電流の発生を防止することにより、トランス10は、渦電流の発生に伴う熱やノイズの発生を低減することができる。また、トランス10は、漏れ磁束を遮蔽するための遮蔽板を設ける必要がないため、良好な放熱特性を有する。さらに、トランス10は、コア12の中脚15および側脚16,18の長さが短いため、外部からの衝撃等によるコア12の損傷を防止することができる。
【0063】
ここで、従来技術に係る縦型トランスは、駆動時における音鳴りが発生するという問題を有していた。本実施形態に係るトランス10は、コア12と第1ボビン50との固定構造を改良することにより、駆動時における音鳴りを抑制した。すなわち、トランス10は、図4に示すように、コア12の第1接続部側面13aと、第1ボビン50の第1傾斜面61とを接続する第1接着剤硬化部82を有している。図4に示すような第1接着剤硬化部82は、トランス10に発生する振動に対して高い耐久性を有し、第1ボビン50に対してしっかりとコア12を固定することが可能であるため、トランス10は、音鳴りを抑制することができる。
【0064】
また、トランス10における第1接着剤硬化部82による固定構造は、コア12と第1ボビン50の対向面同士を接着する固定構造に比べて、接着剥がれや、第1ボビン50の割れ等の損傷が発生し難く、第1ボビン50の強度が比較的低いような場合にも好適に適用できる。
【0065】
さらに、第1傾斜面61は、組み立て時に注入される接着剤を所望の接着面に誘導する効果と、接着に必要な接着剤の量を減少させる効果を奏する。図6は、参考例に係る第1ボビンにおける上鍔部92の拡大断面図である。参考例では、第1コア搭載面53の両側に第1傾斜面が形成されていないため、接着剤硬化部93が第1コア搭載面53に沿って広がる形となっており、コア12側の接着面である第1接続部側面13aに、接着剤を上手く誘導できていない。これに対して、本実施形態に係るトランス10では、図5(a)に示すように、第1コア搭載面53の両側に第1傾斜面61が形成されており、第1接続部側面13aと第1傾斜面61の間に注入された接着剤は、第1接続部側面13aに対して好適に誘導される。そのため、第1接続部側面13aと第1傾斜面61とを接続する第1接着剤硬化部82(図4参照)は、第1傾斜面61と第1接続部側面13aとを確実かつ強固に接続することができる。
【0066】
また、本実施形態に係るトランス10は、接着剤を接着面に好適に導くことができるため、図6に示すような参考例に比べて、接着剤の使用料を抑制することが可能である。第1傾斜面61の第1コア搭載面53に対する傾斜角度α(図5(a)参照)は、特に限定されないが、例えば15度〜60度とすることが、第1傾斜面61と第1接続部側面13aとの接着の信頼性を確保しつつ、接着剤の使用量を抑制する観点から好ましい。
【0067】
図1及び図3に示すように、本実施形態に係るトランス10では、第1コア搭載面53の両側に、第1接続部側面13aを位置決めする位置決め面60aが形成されており、トランス10は、組立時において第1ボビン50に対して第1コア12aを容易に位置決めすることができる。なお、位置決め面60aのY軸方向の長さは、第1傾斜面61及び第1接着剤硬化部82の形成領域を確保するために、第1コア搭載面53のY軸方向の全長より短い。また、位置決め面60aがY方向に沿って複数配置される場合は、Y方向に沿って配置された位置決め部60aの合計長さが、第1コア搭載面53のY軸方向の全長より短い。
【0068】
図1に示すように、位置決め面60aは、第1傾斜面61を間に挟むように、第1コア搭載面53におけるY軸方向の両端部に配置することが、コア12の位置決め精度を向上させる観点から好ましい。また、このような配置は、第1接着剤硬化部82を第2方向に沿って長く形成することを可能にし、コア12と第1ボビン50の接着強度を向上させることができる。
【0069】
さらに、第1接着剤硬化部82によってコア12に接続される第1傾斜面61を有する第1ボビン50は、複数のボビンを有するトランス10における上部のボビンとして、特に好適に用いられる。なぜなら、トランス10では、第1ボビン50とコア12の優れた固定構造により、第1ボビン50として比較的強度の低いPET等の材料を採用することが可能であり、側面部59の弾性変形を利用した嵌め込み構造など、組立を簡易化する構造を採用できる。なお、端子70,72が設けられる第2ボビン40とは異なり、第1ボビン50は、ハンダ処理などのために必要な耐熱性が求められず、このような観点からも材料の選択範囲が広い。
【0070】
その他の実施形態
図1〜図4に示すように、上述の実施形態では、第1ボビン50と第2ボビン40のような複数のボビンを有するトランスを例に説明を行ったが、本発明は、1つのボビンに第1及び第2コイル20,30が巻回されるトランスに適用することも可能である。また、本発明は、一方のコイルが他方のコイルの内周側に配置される2重構造のトランス10だけでなく、2つのコイルがZ方向に沿って並べられる1重構造のトランスにも適用することができる。このような場合も、上述したトランス10と同様に、音鳴り防止等の効果を奏することができる。また、コアの第1または第2接続部13,14と、これに対向する第1または第2コア搭載面53,45とは、互いに接触していても良いが、公差等の関係により、両者の間に隙間が形成されている態様もあり得る。
【0071】
また、第1ボビン50や第2ボビン40に形成される第1傾斜面61及び第2傾斜面46の形状は、図3及び図5(a)に示すようなものだけでなく、様々な変形例が考えられる。第1傾斜面は、例えば図5(b)に示す上鍔部62の第1傾斜面63のように、XZ断面が凹曲面形状であっても良く、図5(c)に示す上鍔部64の第1傾斜面65のように、XZ断面が凸曲面形状であっても良い。
【0072】
なお、上述の実施形態において、コア12の中脚15(15a,15b)の断面形状は楕円であるが、中脚15の断面形状は特に限定されず、円、多角形等、その他の形状であっても良い。コア12の形状も、中脚15を挟んで2つの側脚16,18を有する形状に限定されず、側脚を1つだけ有する形状であっても良い。また、第2コイル20および第1コイル30の巻回形状についても、特に限定されず、円、多角形等、その他の形状であっても良い。
【0073】
また、コイルおよび端子に対する「第1」および「第2」の名称は便宜的なものであり、「第1」側が入力側である必要はなく、「第1」側が出力側であっても良い。
【符号の説明】
【0074】
10…トランス
12…コア
12a…第1コア
12b…第2コア
13…第1接続部
13a…第1接続部側面
14…第2接続部
15…中脚
16,18…側脚
20…第2コイル
30…第1コイル
33…リード線
40…第2ボビン
42…ボビン基板
43…凹部
44…第2中空筒部
44a,52a…貫通孔
45…第2コア搭載面
46…第2傾斜面
48…ボビン鍔部
49…係合突起
50…第1ボビン
52,62,64…上鍔部
53…第1コア搭載面
54…第1中空筒部
56…中間鍔部
57a,58a…リード用溝部
58…下鍔部
59…側面部
59a…係合孔
60…位置決め部
60a…位置決め面
61,63,65…第1傾斜面
61a…中央部
61b…サイド部
70…第2端子
72…第1端子
82…第1接着剤硬化部
83…第2接着剤硬化部
90…設置面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置面に対して垂直な方向である第1方向に略平行に延在しており第1コイル及び第2コイルを挿通する中脚と、前記第1方向に略平行に延在する側脚と、前記設置面に平行な方向であって前記中脚と前記側脚とを接続する方向である第2方向に略平行に延在して前記中脚の一方の端部と前記側脚の一方の端部とを接続する第1接続部と、前記第2方向に略平行に延在して前記中脚の他方の端部と前記側脚の他方の端部とを接続する第2接続部、を有するコアと、
前記第1コイル及び前記第2コイルのうち少なくとも一方が巻回される第1中空筒部と、前記第1中空筒部における前記第1接続部に近接する側の端部に接続されており前記設置面と略平行に延在し、前記第1接続部に対向する第1コア搭載面と、前記設置面に平行な方向であって前記第2方向に交差する方向に前記第1接続部を挟んで両側に配置されており前記第1コア搭載面から前記第1方向にせり上がる第1傾斜面と、を有する第1ボビンと、
前記第1接続部における前記第1コア搭載面に交差する方向に延在する面である第1接続部側面と前記第1ボビンの前記第1傾斜面とを接続しており、接着剤が硬化して形成される第1接着剤硬化部と、を有することを特徴とする縦型トランス。
【請求項2】
前記第1ボビンは、前記設置面に平行な方向であって前記第2方向に交差する方向に前記第1接続部を挟んで両側に配置されており前記第1コア搭載面から略垂直に立ち上がる位置決め面を有することを特徴とする請求項1に記載の縦型トランス。
【請求項3】
前記位置決め面は、前記第1傾斜面を間に挟むように、前記第1コア搭載面における前記第2方向の両端部に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の縦型トランス。
【請求項4】
前記第1傾斜部は、前記第1コア搭載面に対して、15度〜60度傾斜していることを特徴とする請求項1〜請求項3までの何れかに記載の縦型トランス。
【請求項5】
前記第1コイル及び前記第2コイルのうち何れか一方が巻回される第2中空筒部と、前記第2中空筒部における前記第2接続部に近接する側の端部に接続されており前記設置面と略平行に延在し、前記第2接続部に対向する第2コア搭載面と、を有する第2ボビンをさらに有し、
前記第1ボビンには、前記第1コイル及び前記第2コイルのうち何れか他方が巻回されていることを特徴とする請求項1から請求項4までの何れかに記載の縦型トランス。
【請求項6】
前記第2ボビンは、前記設置面に平行な方向であって前記第2方向に交差する方向に前記第2接続部を挟んで両側に配置されており前記第2コア搭載面から前記第1方向の反対方向に向かってせり上がる第2傾斜面を有し、
前記第2接続部における前記第2コア搭載面に交差する方向に延在する面である第2接続部側面と前記第2ボビンの前記第2傾斜面との間には、前記第2接続部側面と前記第2傾斜面とを接続しており接着剤が硬化して形成される第2接着剤硬化部が形成されていることを特徴とする請求項5に記載の縦型トランス。
【請求項7】
前記第1コイル及び前記第2コイルの何れか一方は、前記第1コイル及び前記第2コイルの何れか他方の内周側に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項6までの何れかに記載の縦型トランス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−115379(P2013−115379A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−262880(P2011−262880)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】