縫合針
【課題】本発明は、極めて商品価値の高い画期的な縫合針を提供することを目的とする。
【解決手段】針本体1に長さ方向湾曲部位を有する縫合針であって、断面円形の先端部2の針先端3から基端方向所定位置P1までの長さ方向湾曲内面部には、長さ方向湾曲外面部よりも摩擦抵抗を低減する摩擦抵抗低減手段が設けられたものである。
【解決手段】針本体1に長さ方向湾曲部位を有する縫合針であって、断面円形の先端部2の針先端3から基端方向所定位置P1までの長さ方向湾曲内面部には、長さ方向湾曲外面部よりも摩擦抵抗を低減する摩擦抵抗低減手段が設けられたものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば外科手術で使用され針本体に長さ方向湾曲部位を有する縫合針に関するものである。
【背景技術】
【0002】
外科手術で使用され針本体に長さ方向湾曲部位を有する縫合針として、本出願人は、例えば特開2000−139931号に開示される針本体を断面多角形にした縫合針(以下、従来例という。)を提案している。
【0003】
この従来例は、針本体を断面多角形とし、各角縁を刃とすることがで、体組織への刺入性を向上させたものである。詳細には、体組織へ刺入した際、複数の角縁(刃)の存在により体組織へ切り込むようにして刺入されることになる為、極めて貫通性が良く、しかも、刺入した部位との接触面積が少なくなることで抵抗が低減され、よって、体組織への負荷がかかり難く良好な縫合作業が行えるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−139931号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、血管やリンパ管などの生体脈管の壁部は適度な硬さを有する。従って、この壁部を縫合する場合には、従来例は縫合する部位にダメージを与えてしまう場合があるという問題点があることを確認した。
【0006】
本発明者は、針本体に長さ方向湾曲部位を有する縫合針について、更なる研究・実験を重ね、その結果、従来にない作用効果を発揮する画期的な縫合針を開発した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0008】
針本体1に長さ方向湾曲部位を有する縫合針であって、断面円形の先端部2の針先端3から基端方向所定位置P1までの長さ方向湾曲内面部には、長さ方向湾曲外面部よりも摩擦抵抗を低減する摩擦抵抗低減手段が設けられていることを特徴とする縫合針に係るものである。
【0009】
また、請求項1記載の縫合針において、前記摩擦抵抗低減手段は、前記針先端3から基端方向所定位置P1までの長さ方向湾曲内面部に設けられ、前記針先端3を通る面で面取りされた面取り部4であることを特徴とする縫合針に係るものである。
【0010】
また、請求項2記載の縫合針において、前記面取り部4は、長さ方向凹湾曲面に設定されていることを特徴とする縫合針に係るものである。
【0011】
また、請求項2,3いずれか1項に記載の縫合針において、前記面取り部4は、巾方向凹湾曲面に設定されていることを特徴とする縫合針に係るものである。
【0012】
また、請求項2〜4いずれか1項に記載の縫合針において、前記面取り部4の左右側縁には、前記針先端3と連続する側縁刃5が設けられていることを特徴とする縫合針に係るものである。
【0013】
また、請求項2〜5いずれか1項に記載の縫合針において、前記面取り部4は、切除,プレス加工若しくは型成形により形成されるものであることを特徴とする縫合針に係るものである。
【0014】
また、請求項1記載の縫合針において、前記摩擦抵抗低減手段は、前記針先端3から基端方向所定位置P1までの長さ方向湾曲内面部に設けられ、長さ方向湾曲外面部より摩擦抵抗の低い滑面であることを特徴とする縫合針に係るものである。
【0015】
また、請求項1〜7いずれか1項に記載の縫合針において、前記針先端3は前記針本体1の軸芯Lと一致する位置に設けられていることを特徴とする縫合針に係るものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明は上述のように構成したから、前述した従来例に比して、適度な貫通性を具備し、しかも、縫合する際の操作性が極めて良好であり、例えば血管やリンパ管などの生体脈管の壁部を縫合する際などに非常に適する画期的な縫合針となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施例1を示す斜視図である。
【図2】実施例1を示す側面図である。
【図3】実施例1に係る要部を示す斜視図である。
【図4】実施例1に係る要部を示す側面図である。
【図5】図3のA−A断面図である。
【図6】実施例1に係る縫合針を刺入した体組織の切り口の説明図である。
【図7】従来から提案される縫合針(丸針)に係る要部の斜視図である。
【図8】図7のB−B断面図である。
【図9】従来から提案される縫合針を刺入した体組織の切り口の説明図である。
【図10】従来から提案される縫合針(角針)に係る要部の斜視図である。
【図11】図10のC−C断面図である。
【図12】従来から提案される縫合針を体組織に刺入した際の動作説明図である。
【図13】従来から提案される縫合針を刺入した体組織の切り口の説明図である。
【図14】実施例2に係る要部を示す斜視図である。
【図15】実施例2に係る要部を示す側面図である。
【図16】実施例2に係る要部を示す平面図である。
【図17】図14のD−D断面図である。
【図18】別例の断面図である。
【図19】実施例3に係る要部を示す斜視図である。
【図20】実施例3に係る要部を示す側面図である。
【図21】実施例3に係る要部を示す平面図である。
【図22】図19のE−E断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0019】
体組織に刺入した際、針先端3から基端方向所定位置P1までの長さ方向湾曲内面部には、摩擦抵抗低減手段があるため体組織との接触抵抗が少なく、よって、抵抗がかかり過ぎず適度な抵抗を生じながら良好に刺入され、更に、針本体1の長さ方向湾曲部位に合った軌道で良好に刺入される。
【0020】
即ち、本発明に係る縫合針は、断面円形の先端部2の針先端3から基端方向所定位置P1までの長さ方向湾曲内面部には、長さ方向湾曲外面部よりも摩擦抵抗を低減する摩擦抵抗低減手段が設けられている為、例えば図7,8に図示したような針本体21の先端部22が、針先端23から円錐状である構造(断面円形の構造)で、且つ、前記のような摩擦抵抗低減手段が設けられていない場合に比し、刺さり易い。
【0021】
一方、図10,11に図示したような針本体31の先端部32が、針先端33に連続する複数(3つ)の縁刃35が設けられた構造(断面三角形の構造)の場合に比し、刺さり過ぎず、よって、適度な刺さり具合となる。
【0022】
具体的には、体組織に長さ方向湾曲部位を有する針本体1を刺入する場合、体組織に針先端3を刺入して体組織に対して針本体1を貫通させるまでの間に、針本体1には刺入方向の前方側への押し込み力が加わる。従って、例えば図10,11に図示したように長さ方向湾曲外面部に縁刃35がある構造の場合、この長さ方向湾曲外面部の縁刃35が刺入方向の前方側へ体組織を切り込んでいくことになる為、針本体1の長さ方向湾曲部位に合った軌道を湾曲の外側方向(図12中矢印a方向)に外れ易く、よって、針本体21の先端部22が断面円形の構造に比し、意図した軌道を進行せず、体組織にダメージを与えてしまう場合がある。
【0023】
この点、本発明は、長さ方向湾曲内面部に摩擦抵抗低減手段を有するから、体組織への刺入時に長さ方向湾曲内面部と長さ方向湾曲外面部との摩擦抵抗差が生じ、即ち、長さ方向湾曲外面部に比して摩擦抵抗低減手段が存在する長さ方向湾曲内面部の摩擦抵抗が低い為、針本体1は長さ方向湾曲部位の外側方向へ進みにくくなり(摩擦抵抗の低い長さ方向湾曲部位の内側方向へ進み易くなり)、且つ、長さ方向湾曲外面部には縁刃が無いから刺入方向の前方側の体組織を切り込んでしまうようなことはなく、従って、針本体1の長さ方向湾曲部位に合った軌道を外れず、体組織にダメージを与えてしまうことは可及的に抑制できる。更に、この針本体1が意図した軌道を外れにくい特性は、縫合する際の良好な操作性を提供することにもなる。
【0024】
つまり、本発明は、体組織にダメージを与えにくい針本体の先端部が断面円形の構造のメリットを確保しつつ、体組織との接触抵抗が低減されて良好に刺入することができる。
【0025】
ところで、針本体21の先端部22が断面円形の構造のものは、図9に図示したように体組織の刺入口が破けた形状となり、また、針本体31の先端部32が断面三角形の構造のものは、図13に図示したように体組織の刺入口がT字状の形状となって体組織へのダメージが大きいという問題がある。
【0026】
これに対し、本発明に係る縫合針は、長さ方向湾曲外面部に縁刃が無い為、図6に図示したように体組織の刺入口が一文字状の形状となり、よって、本発明に係る縫合針を使用した場合の体組織へのダメージは可及的に低減される。
【0027】
以上、体組織への負荷がかかり難く適度な切れ具合が得られ、良好な縫合作業が行なわれることになる。実際に、本発明に係る縫合針によれば、例えば生体脈管の壁部を良好に、縫合し得ることを確認している。
【実施例1】
【0028】
本発明の具体的な実施例1について図1〜5に基づいて説明する。
【0029】
本実施例は、外科手術で使用される縫合針である。
【0030】
具体的には、針本体1は、図1,2に図示したように適宜な金属製の棒部材を弓状に湾曲形成したものであり、断面円形(円錐状)である先端部2の針先端3から基端方向所定位置P3までの間に長さ方向湾曲部位を有する構成である。
【0031】
また、針本体1の基端には、縫合糸10を嵌挿連結する断面円形状にして直線状の連結部7(筒部)が設けられている。
【0032】
また、針先端3は針本体1の軸芯Lと一致する位置に設けられている(図4参照)。
【0033】
従って、この構成により、体組織への刺入は、針先端3を中心とした後述する左右の側縁刃5が均等な力がかかった状態で切り込むことになる為、体組織への負荷が可及的に低減されることになる。
【0034】
また、針本体1は、先端部2の針先端3から基端方向所定位置P1までの長さ方向湾曲内面部には、長さ方向湾曲外面部よりも摩擦抵抗を低減する摩擦抵抗低減手段が設けられている。
【0035】
この摩擦抵抗低減手段は、図1〜3に図示したように針先端3から基端方向所定位置P1までの長さ方向湾曲内面部に設けられ、針先端3を通る面で面取りされた面取り部4である。
【0036】
この面取り部4は針先端3を通る傾斜面(若しくは長さ方向凹湾曲面)であり、針本体1を切除(切削)して設けられている。尚、この面取り部4は、プレス加工や型成形により設けても良い。
【0037】
また、面取り部4は、図3に図示したように平面方向から見て一端が先鋭の楕円形状であり、この面取り部4の左右側縁には、針先端3と連続する側縁刃5が設けられている。つまり、針本体1の先端部2には左右に一対の側縁刃5が設けられている。
【0038】
従って、この面取り部4が設けられた部位の断面形状は、図5に図示したように上部(長さ方向湾曲内面部)が平坦面となり、下部(長さ方向湾曲外面部)が湾曲する半円形状となる。尚、面取り部4の上面(側縁刃5同士間の面)を巾方向凹湾曲面に形成しても良い。
【0039】
本実施例では、この面取り部4は、前述したように針本体1の先端部2の先端のみに設けているが、針本体1の先端から基端まで連続するように長い面取り部4を設けても良い。ただ、強度面や加工性を考慮すると面取り部4の長さは短い方が良く、しかも、刺入性も考慮すると、面取り部4は緩やかな傾斜を確保しつつ短く設けた方が有効と考えられる。
【0040】
即ち、面取り部4を長くする程、面取り部4の左右巾は広くなって針先としての先鋭度合いが鈍化してしまい、よって、面取り部4を短く設ける方が針先としての先鋭度合いを確保し易い。また、本実施例は面取り部4を短く設けることで該面取り部4が設けられた部位より基端側の部位を断面円形としているが、体組織に刺入した際、針先端3から左右の側縁刃5を有する面取り部4の基端(基端方向所定位置P1)までは鋭く刺入され、続いて、基端方向所定位置P1から基端方向所定位置P2までは断面円形の部位の存在により刺さり過ぎず適度な刺入具合が得られ、続いて、基端方向所定位置P2から基端方向所定位置P3までは後述する断面多角形状部6の側縁刃6aの存在により鋭く刺入され、この各部位の刺入具合の変化を伴いながら針本体1は体組織の壁部を良好に貫通することになる。
【0041】
本実施例は、基端方向所定位置P1は、針先端3から針本体1全長の7%の位置、基端方向所定位置P2は、16%の位置、基端方向所定位置P3は、82%の位置である。
【0042】
実験によれば、基端方向所定位置P1は、針本体1の全長の5〜10%程度が望ましく、また、基端方向所定位置P2は、10〜30%程度が望ましい。
【0043】
尚、基端方向所定位置P2から基端方向所定位置P3の間はどのような形状でも性能にそれほど影響しないことも確認した。
【0044】
また、摩擦抵抗低減手段として、針先端3から基端方向所定位置P1までの長さ方向湾曲内面部に設けられ、長さ方向湾曲外面部より摩擦抵抗の低い滑面であっても良い。
【0045】
この滑面は、長さ方向湾曲内面部に流体状若しくはシート状の滑面材料を付設しても良いし、長さ方向湾曲内面部を磨いた研磨処理でも良く、これであれば、針本体1の先端部2の強度を低下することなく摩擦抵抗を低減することができる。
【0046】
尚、摩擦抵抗低減手段として、針先端3から基端方向所定位置P1までの長さ方向湾曲内面部に設けられ、針先端3を通る底面を有して前記針本体1の長さ方向に長さを有する凹状部であっても良い。
【0047】
この凹状部も針本体1を切除(切削),プレス加工若しくは型成形により設けるようにすれば良い。
【0048】
尚、その他、摩擦抵抗低減手段としては、例えば針本体1の先端部2を構成する長さ方向湾曲内面部と長さ方向湾曲外面部を別素材とする(例えば互いに異金属としたり、金属と樹脂とする)ことで、長さ方向湾曲内面部の摩擦抵抗を長さ方向湾曲外面部の摩擦抵抗よりも低減するようにしても良い。
【0049】
また、本実施例では、前述した面取り部4よりも基端側部位にして湾曲部位に断面多角形状部6が形成されている。
【0050】
本実施例では、この断面多角形状部6は針本体1の基端方向所定位置P2から基端方向所定位置P3までの間に断面四角形状部を形成して構成されている。従って、針本体1の基端方向所定位置P2から基端方向所定位置P3までの間にして湾曲内外面部には、針本体1の長さ方向に長さを有する四本の側縁刃6aが設けられる。
【0051】
また、この断面多角形状部(断面四角形状部)における側縁刃6a同士間の面は凹湾曲面に形成されている。
【0052】
尚、形状の異なる断面多形状部(断面三角形状部や断面五角形状部、断面六角形状部など)を針本体1の長さ方向に並設して構成しても良い。
【0053】
本実施例は上述のように構成したから、体組織に刺入した際、針先端3から基端方向所定位置P1までの長さ方向湾曲内面部には、摩擦抵抗低減手段があるため体組織との接触抵抗が少なく、よって、抵抗がかかり過ぎず適度な抵抗を生じながら良好に刺入され、更に、針本体1の湾曲部位に合った軌道で良好に刺入される。
【0054】
よって、本実施例によれば、前述した従来例に比して、刺さり過ぎず適度な貫通性を具備し、例えば血管やリンパ管などの生体脈管の壁部を縫合する際などに非常に適することになる。
【0055】
また、本実施例は、針先端3から基端方向所定位置P1までの長さ方向湾曲内面部に摩擦抵抗低減手段としての面取り部4が設けられているから、摩擦抵抗が少なく針本体1が良好に刺入されることになり、しかも、湾曲する針本体1の内側と外側とに接触抵抗の差が生じ、接触抵抗の少ない内側への針本体1の刺入動作(湾曲内方向への刺入動作)が積極的に行われることになるから、針本体1の体組織への壁部の貫通が極めて円滑に行われることになる。
【0056】
また、本実施例は、面取り部4は傾斜面であり、切除,プレス加工若しくは型成形により形成されるものであるから、前述した秀れた作用効果を発揮する構造が簡易且つ確実に得られることになる。
【0057】
また、本実施例は、針先端3は針本体1の軸芯Lと一致する位置に設けられているから、体組織への刺入は、先端を中心とした左右の側縁刃5が均等な力がかかった状態で切り込むことになる為、体組織への負荷が可及的に低減されることになる。
【実施例2】
【0058】
本発明の具体的な実施例2について図14〜18に基づいて説明する。
【0059】
本実施例は、図14,15に図示したように面取り部4の一部(先端側部位)を針本体1の軸芯Lよりも深くなる状態に形成した場合である。尚、図17は、面取り部4の上面を巾方向凹湾曲面に形成した場合である。
【0060】
その余は実施例1と同様である。
【実施例3】
【0061】
本発明の具体的な実施例3について図19〜22に基づいて説明する。
【0062】
本実施例は、面取り部4は、左右の側縁刃5同士間の中央を境界(峰部)として左右方向に下り傾斜若しくは凹湾曲する左右の下り面4A・4Aで構成され、この下り面4A・4A同士の連設部位にして前記針本体1の長さ方向には中央刃8が設けられたものである。
【0063】
その余は実施例1,2と同様である。
【0064】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0065】
P1 基端方向所定位置
L 軸芯
1 針本体
2 先端部
3 先端刃
4 面取り部
5 側縁刃
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば外科手術で使用され針本体に長さ方向湾曲部位を有する縫合針に関するものである。
【背景技術】
【0002】
外科手術で使用され針本体に長さ方向湾曲部位を有する縫合針として、本出願人は、例えば特開2000−139931号に開示される針本体を断面多角形にした縫合針(以下、従来例という。)を提案している。
【0003】
この従来例は、針本体を断面多角形とし、各角縁を刃とすることがで、体組織への刺入性を向上させたものである。詳細には、体組織へ刺入した際、複数の角縁(刃)の存在により体組織へ切り込むようにして刺入されることになる為、極めて貫通性が良く、しかも、刺入した部位との接触面積が少なくなることで抵抗が低減され、よって、体組織への負荷がかかり難く良好な縫合作業が行えるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−139931号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、血管やリンパ管などの生体脈管の壁部は適度な硬さを有する。従って、この壁部を縫合する場合には、従来例は縫合する部位にダメージを与えてしまう場合があるという問題点があることを確認した。
【0006】
本発明者は、針本体に長さ方向湾曲部位を有する縫合針について、更なる研究・実験を重ね、その結果、従来にない作用効果を発揮する画期的な縫合針を開発した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0008】
針本体1に長さ方向湾曲部位を有する縫合針であって、断面円形の先端部2の針先端3から基端方向所定位置P1までの長さ方向湾曲内面部には、長さ方向湾曲外面部よりも摩擦抵抗を低減する摩擦抵抗低減手段が設けられていることを特徴とする縫合針に係るものである。
【0009】
また、請求項1記載の縫合針において、前記摩擦抵抗低減手段は、前記針先端3から基端方向所定位置P1までの長さ方向湾曲内面部に設けられ、前記針先端3を通る面で面取りされた面取り部4であることを特徴とする縫合針に係るものである。
【0010】
また、請求項2記載の縫合針において、前記面取り部4は、長さ方向凹湾曲面に設定されていることを特徴とする縫合針に係るものである。
【0011】
また、請求項2,3いずれか1項に記載の縫合針において、前記面取り部4は、巾方向凹湾曲面に設定されていることを特徴とする縫合針に係るものである。
【0012】
また、請求項2〜4いずれか1項に記載の縫合針において、前記面取り部4の左右側縁には、前記針先端3と連続する側縁刃5が設けられていることを特徴とする縫合針に係るものである。
【0013】
また、請求項2〜5いずれか1項に記載の縫合針において、前記面取り部4は、切除,プレス加工若しくは型成形により形成されるものであることを特徴とする縫合針に係るものである。
【0014】
また、請求項1記載の縫合針において、前記摩擦抵抗低減手段は、前記針先端3から基端方向所定位置P1までの長さ方向湾曲内面部に設けられ、長さ方向湾曲外面部より摩擦抵抗の低い滑面であることを特徴とする縫合針に係るものである。
【0015】
また、請求項1〜7いずれか1項に記載の縫合針において、前記針先端3は前記針本体1の軸芯Lと一致する位置に設けられていることを特徴とする縫合針に係るものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明は上述のように構成したから、前述した従来例に比して、適度な貫通性を具備し、しかも、縫合する際の操作性が極めて良好であり、例えば血管やリンパ管などの生体脈管の壁部を縫合する際などに非常に適する画期的な縫合針となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施例1を示す斜視図である。
【図2】実施例1を示す側面図である。
【図3】実施例1に係る要部を示す斜視図である。
【図4】実施例1に係る要部を示す側面図である。
【図5】図3のA−A断面図である。
【図6】実施例1に係る縫合針を刺入した体組織の切り口の説明図である。
【図7】従来から提案される縫合針(丸針)に係る要部の斜視図である。
【図8】図7のB−B断面図である。
【図9】従来から提案される縫合針を刺入した体組織の切り口の説明図である。
【図10】従来から提案される縫合針(角針)に係る要部の斜視図である。
【図11】図10のC−C断面図である。
【図12】従来から提案される縫合針を体組織に刺入した際の動作説明図である。
【図13】従来から提案される縫合針を刺入した体組織の切り口の説明図である。
【図14】実施例2に係る要部を示す斜視図である。
【図15】実施例2に係る要部を示す側面図である。
【図16】実施例2に係る要部を示す平面図である。
【図17】図14のD−D断面図である。
【図18】別例の断面図である。
【図19】実施例3に係る要部を示す斜視図である。
【図20】実施例3に係る要部を示す側面図である。
【図21】実施例3に係る要部を示す平面図である。
【図22】図19のE−E断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0019】
体組織に刺入した際、針先端3から基端方向所定位置P1までの長さ方向湾曲内面部には、摩擦抵抗低減手段があるため体組織との接触抵抗が少なく、よって、抵抗がかかり過ぎず適度な抵抗を生じながら良好に刺入され、更に、針本体1の長さ方向湾曲部位に合った軌道で良好に刺入される。
【0020】
即ち、本発明に係る縫合針は、断面円形の先端部2の針先端3から基端方向所定位置P1までの長さ方向湾曲内面部には、長さ方向湾曲外面部よりも摩擦抵抗を低減する摩擦抵抗低減手段が設けられている為、例えば図7,8に図示したような針本体21の先端部22が、針先端23から円錐状である構造(断面円形の構造)で、且つ、前記のような摩擦抵抗低減手段が設けられていない場合に比し、刺さり易い。
【0021】
一方、図10,11に図示したような針本体31の先端部32が、針先端33に連続する複数(3つ)の縁刃35が設けられた構造(断面三角形の構造)の場合に比し、刺さり過ぎず、よって、適度な刺さり具合となる。
【0022】
具体的には、体組織に長さ方向湾曲部位を有する針本体1を刺入する場合、体組織に針先端3を刺入して体組織に対して針本体1を貫通させるまでの間に、針本体1には刺入方向の前方側への押し込み力が加わる。従って、例えば図10,11に図示したように長さ方向湾曲外面部に縁刃35がある構造の場合、この長さ方向湾曲外面部の縁刃35が刺入方向の前方側へ体組織を切り込んでいくことになる為、針本体1の長さ方向湾曲部位に合った軌道を湾曲の外側方向(図12中矢印a方向)に外れ易く、よって、針本体21の先端部22が断面円形の構造に比し、意図した軌道を進行せず、体組織にダメージを与えてしまう場合がある。
【0023】
この点、本発明は、長さ方向湾曲内面部に摩擦抵抗低減手段を有するから、体組織への刺入時に長さ方向湾曲内面部と長さ方向湾曲外面部との摩擦抵抗差が生じ、即ち、長さ方向湾曲外面部に比して摩擦抵抗低減手段が存在する長さ方向湾曲内面部の摩擦抵抗が低い為、針本体1は長さ方向湾曲部位の外側方向へ進みにくくなり(摩擦抵抗の低い長さ方向湾曲部位の内側方向へ進み易くなり)、且つ、長さ方向湾曲外面部には縁刃が無いから刺入方向の前方側の体組織を切り込んでしまうようなことはなく、従って、針本体1の長さ方向湾曲部位に合った軌道を外れず、体組織にダメージを与えてしまうことは可及的に抑制できる。更に、この針本体1が意図した軌道を外れにくい特性は、縫合する際の良好な操作性を提供することにもなる。
【0024】
つまり、本発明は、体組織にダメージを与えにくい針本体の先端部が断面円形の構造のメリットを確保しつつ、体組織との接触抵抗が低減されて良好に刺入することができる。
【0025】
ところで、針本体21の先端部22が断面円形の構造のものは、図9に図示したように体組織の刺入口が破けた形状となり、また、針本体31の先端部32が断面三角形の構造のものは、図13に図示したように体組織の刺入口がT字状の形状となって体組織へのダメージが大きいという問題がある。
【0026】
これに対し、本発明に係る縫合針は、長さ方向湾曲外面部に縁刃が無い為、図6に図示したように体組織の刺入口が一文字状の形状となり、よって、本発明に係る縫合針を使用した場合の体組織へのダメージは可及的に低減される。
【0027】
以上、体組織への負荷がかかり難く適度な切れ具合が得られ、良好な縫合作業が行なわれることになる。実際に、本発明に係る縫合針によれば、例えば生体脈管の壁部を良好に、縫合し得ることを確認している。
【実施例1】
【0028】
本発明の具体的な実施例1について図1〜5に基づいて説明する。
【0029】
本実施例は、外科手術で使用される縫合針である。
【0030】
具体的には、針本体1は、図1,2に図示したように適宜な金属製の棒部材を弓状に湾曲形成したものであり、断面円形(円錐状)である先端部2の針先端3から基端方向所定位置P3までの間に長さ方向湾曲部位を有する構成である。
【0031】
また、針本体1の基端には、縫合糸10を嵌挿連結する断面円形状にして直線状の連結部7(筒部)が設けられている。
【0032】
また、針先端3は針本体1の軸芯Lと一致する位置に設けられている(図4参照)。
【0033】
従って、この構成により、体組織への刺入は、針先端3を中心とした後述する左右の側縁刃5が均等な力がかかった状態で切り込むことになる為、体組織への負荷が可及的に低減されることになる。
【0034】
また、針本体1は、先端部2の針先端3から基端方向所定位置P1までの長さ方向湾曲内面部には、長さ方向湾曲外面部よりも摩擦抵抗を低減する摩擦抵抗低減手段が設けられている。
【0035】
この摩擦抵抗低減手段は、図1〜3に図示したように針先端3から基端方向所定位置P1までの長さ方向湾曲内面部に設けられ、針先端3を通る面で面取りされた面取り部4である。
【0036】
この面取り部4は針先端3を通る傾斜面(若しくは長さ方向凹湾曲面)であり、針本体1を切除(切削)して設けられている。尚、この面取り部4は、プレス加工や型成形により設けても良い。
【0037】
また、面取り部4は、図3に図示したように平面方向から見て一端が先鋭の楕円形状であり、この面取り部4の左右側縁には、針先端3と連続する側縁刃5が設けられている。つまり、針本体1の先端部2には左右に一対の側縁刃5が設けられている。
【0038】
従って、この面取り部4が設けられた部位の断面形状は、図5に図示したように上部(長さ方向湾曲内面部)が平坦面となり、下部(長さ方向湾曲外面部)が湾曲する半円形状となる。尚、面取り部4の上面(側縁刃5同士間の面)を巾方向凹湾曲面に形成しても良い。
【0039】
本実施例では、この面取り部4は、前述したように針本体1の先端部2の先端のみに設けているが、針本体1の先端から基端まで連続するように長い面取り部4を設けても良い。ただ、強度面や加工性を考慮すると面取り部4の長さは短い方が良く、しかも、刺入性も考慮すると、面取り部4は緩やかな傾斜を確保しつつ短く設けた方が有効と考えられる。
【0040】
即ち、面取り部4を長くする程、面取り部4の左右巾は広くなって針先としての先鋭度合いが鈍化してしまい、よって、面取り部4を短く設ける方が針先としての先鋭度合いを確保し易い。また、本実施例は面取り部4を短く設けることで該面取り部4が設けられた部位より基端側の部位を断面円形としているが、体組織に刺入した際、針先端3から左右の側縁刃5を有する面取り部4の基端(基端方向所定位置P1)までは鋭く刺入され、続いて、基端方向所定位置P1から基端方向所定位置P2までは断面円形の部位の存在により刺さり過ぎず適度な刺入具合が得られ、続いて、基端方向所定位置P2から基端方向所定位置P3までは後述する断面多角形状部6の側縁刃6aの存在により鋭く刺入され、この各部位の刺入具合の変化を伴いながら針本体1は体組織の壁部を良好に貫通することになる。
【0041】
本実施例は、基端方向所定位置P1は、針先端3から針本体1全長の7%の位置、基端方向所定位置P2は、16%の位置、基端方向所定位置P3は、82%の位置である。
【0042】
実験によれば、基端方向所定位置P1は、針本体1の全長の5〜10%程度が望ましく、また、基端方向所定位置P2は、10〜30%程度が望ましい。
【0043】
尚、基端方向所定位置P2から基端方向所定位置P3の間はどのような形状でも性能にそれほど影響しないことも確認した。
【0044】
また、摩擦抵抗低減手段として、針先端3から基端方向所定位置P1までの長さ方向湾曲内面部に設けられ、長さ方向湾曲外面部より摩擦抵抗の低い滑面であっても良い。
【0045】
この滑面は、長さ方向湾曲内面部に流体状若しくはシート状の滑面材料を付設しても良いし、長さ方向湾曲内面部を磨いた研磨処理でも良く、これであれば、針本体1の先端部2の強度を低下することなく摩擦抵抗を低減することができる。
【0046】
尚、摩擦抵抗低減手段として、針先端3から基端方向所定位置P1までの長さ方向湾曲内面部に設けられ、針先端3を通る底面を有して前記針本体1の長さ方向に長さを有する凹状部であっても良い。
【0047】
この凹状部も針本体1を切除(切削),プレス加工若しくは型成形により設けるようにすれば良い。
【0048】
尚、その他、摩擦抵抗低減手段としては、例えば針本体1の先端部2を構成する長さ方向湾曲内面部と長さ方向湾曲外面部を別素材とする(例えば互いに異金属としたり、金属と樹脂とする)ことで、長さ方向湾曲内面部の摩擦抵抗を長さ方向湾曲外面部の摩擦抵抗よりも低減するようにしても良い。
【0049】
また、本実施例では、前述した面取り部4よりも基端側部位にして湾曲部位に断面多角形状部6が形成されている。
【0050】
本実施例では、この断面多角形状部6は針本体1の基端方向所定位置P2から基端方向所定位置P3までの間に断面四角形状部を形成して構成されている。従って、針本体1の基端方向所定位置P2から基端方向所定位置P3までの間にして湾曲内外面部には、針本体1の長さ方向に長さを有する四本の側縁刃6aが設けられる。
【0051】
また、この断面多角形状部(断面四角形状部)における側縁刃6a同士間の面は凹湾曲面に形成されている。
【0052】
尚、形状の異なる断面多形状部(断面三角形状部や断面五角形状部、断面六角形状部など)を針本体1の長さ方向に並設して構成しても良い。
【0053】
本実施例は上述のように構成したから、体組織に刺入した際、針先端3から基端方向所定位置P1までの長さ方向湾曲内面部には、摩擦抵抗低減手段があるため体組織との接触抵抗が少なく、よって、抵抗がかかり過ぎず適度な抵抗を生じながら良好に刺入され、更に、針本体1の湾曲部位に合った軌道で良好に刺入される。
【0054】
よって、本実施例によれば、前述した従来例に比して、刺さり過ぎず適度な貫通性を具備し、例えば血管やリンパ管などの生体脈管の壁部を縫合する際などに非常に適することになる。
【0055】
また、本実施例は、針先端3から基端方向所定位置P1までの長さ方向湾曲内面部に摩擦抵抗低減手段としての面取り部4が設けられているから、摩擦抵抗が少なく針本体1が良好に刺入されることになり、しかも、湾曲する針本体1の内側と外側とに接触抵抗の差が生じ、接触抵抗の少ない内側への針本体1の刺入動作(湾曲内方向への刺入動作)が積極的に行われることになるから、針本体1の体組織への壁部の貫通が極めて円滑に行われることになる。
【0056】
また、本実施例は、面取り部4は傾斜面であり、切除,プレス加工若しくは型成形により形成されるものであるから、前述した秀れた作用効果を発揮する構造が簡易且つ確実に得られることになる。
【0057】
また、本実施例は、針先端3は針本体1の軸芯Lと一致する位置に設けられているから、体組織への刺入は、先端を中心とした左右の側縁刃5が均等な力がかかった状態で切り込むことになる為、体組織への負荷が可及的に低減されることになる。
【実施例2】
【0058】
本発明の具体的な実施例2について図14〜18に基づいて説明する。
【0059】
本実施例は、図14,15に図示したように面取り部4の一部(先端側部位)を針本体1の軸芯Lよりも深くなる状態に形成した場合である。尚、図17は、面取り部4の上面を巾方向凹湾曲面に形成した場合である。
【0060】
その余は実施例1と同様である。
【実施例3】
【0061】
本発明の具体的な実施例3について図19〜22に基づいて説明する。
【0062】
本実施例は、面取り部4は、左右の側縁刃5同士間の中央を境界(峰部)として左右方向に下り傾斜若しくは凹湾曲する左右の下り面4A・4Aで構成され、この下り面4A・4A同士の連設部位にして前記針本体1の長さ方向には中央刃8が設けられたものである。
【0063】
その余は実施例1,2と同様である。
【0064】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0065】
P1 基端方向所定位置
L 軸芯
1 針本体
2 先端部
3 先端刃
4 面取り部
5 側縁刃
【特許請求の範囲】
【請求項1】
針本体に長さ方向湾曲部位を有する縫合針であって、断面円形の先端部の針先端から基端方向所定位置までの長さ方向湾曲内面部には、長さ方向湾曲外面部よりも摩擦抵抗を低減する摩擦抵抗低減手段が設けられていることを特徴とする縫合針。
【請求項2】
請求項1記載の縫合針において、前記摩擦抵抗低減手段は、前記針先端から基端方向所定位置までの長さ方向湾曲内面部に設けられ、前記針先端を通る面で面取りされた面取り部であることを特徴とする縫合針。
【請求項3】
請求項2記載の縫合針において、前記面取り部は、長さ方向凹湾曲面に設定されていることを特徴とする縫合針。
【請求項4】
請求項2,3いずれか1項に記載の縫合針において、前記面取り部は、巾方向凹湾曲面に設定されていることを特徴とする縫合針。
【請求項5】
請求項2〜4いずれか1項に記載の縫合針において、前記面取り部の左右側縁には、前記針先端と連続する側縁刃が設けられていることを特徴とする縫合針。
【請求項6】
請求項2〜5いずれか1項に記載の縫合針において、前記面取り部は、切除,プレス加工若しくは型成形により形成されるものであることを特徴とする縫合針。
【請求項7】
請求項1記載の縫合針において、前記摩擦抵抗低減手段は、前記針先端から基端方向所定位置までの長さ方向湾曲内面部に設けられ、長さ方向湾曲外面部より摩擦抵抗の低い滑面であることを特徴とする縫合針。
【請求項8】
請求項1〜7いずれか1項に記載の縫合針において、前記針先端は前記針本体の軸芯と一致する位置に設けられていることを特徴とする縫合針。
【請求項1】
針本体に長さ方向湾曲部位を有する縫合針であって、断面円形の先端部の針先端から基端方向所定位置までの長さ方向湾曲内面部には、長さ方向湾曲外面部よりも摩擦抵抗を低減する摩擦抵抗低減手段が設けられていることを特徴とする縫合針。
【請求項2】
請求項1記載の縫合針において、前記摩擦抵抗低減手段は、前記針先端から基端方向所定位置までの長さ方向湾曲内面部に設けられ、前記針先端を通る面で面取りされた面取り部であることを特徴とする縫合針。
【請求項3】
請求項2記載の縫合針において、前記面取り部は、長さ方向凹湾曲面に設定されていることを特徴とする縫合針。
【請求項4】
請求項2,3いずれか1項に記載の縫合針において、前記面取り部は、巾方向凹湾曲面に設定されていることを特徴とする縫合針。
【請求項5】
請求項2〜4いずれか1項に記載の縫合針において、前記面取り部の左右側縁には、前記針先端と連続する側縁刃が設けられていることを特徴とする縫合針。
【請求項6】
請求項2〜5いずれか1項に記載の縫合針において、前記面取り部は、切除,プレス加工若しくは型成形により形成されるものであることを特徴とする縫合針。
【請求項7】
請求項1記載の縫合針において、前記摩擦抵抗低減手段は、前記針先端から基端方向所定位置までの長さ方向湾曲内面部に設けられ、長さ方向湾曲外面部より摩擦抵抗の低い滑面であることを特徴とする縫合針。
【請求項8】
請求項1〜7いずれか1項に記載の縫合針において、前記針先端は前記針本体の軸芯と一致する位置に設けられていることを特徴とする縫合針。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2012−148066(P2012−148066A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−277959(P2011−277959)
【出願日】平成23年12月20日(2011.12.20)
【出願人】(000105279)ケイセイ医科工業株式会社 (16)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年12月20日(2011.12.20)
【出願人】(000105279)ケイセイ医科工業株式会社 (16)
【Fターム(参考)】
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