説明

美容ユニット

【課題】家庭用として便利な美容ユニットを提案する。
【解決手段】噴霧空気によって化粧水ミストを噴霧機のノズルからミスト噴霧開口を通して、プローブの上側位置に噴射するようにしたことにより、使用者が化粧水ミストを噴射したい肌の部位についてプローブを用いて美容処理を容易かつ的確に行い得る美容ユニットを実現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は美容ユニットに関し、特に当該美容ユニットの使用者(これを使用者と呼ぶ)が肌の所定部位に的確な美容処理をできるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
肌の美容処理について、一般に使用者は美容サロンにおいて超音波マッサージや、イオン導入や、化粧水の噴霧処理などの美容メニューを受けることができることにより、高度かつ安全性の点で不安がなく、美容効果を楽しむことができる(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−102583公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、このように美容サロンに通うことに代え、またこれと同時に使用者が各自の家庭において、基本的な美容メニューを含んだ肌の美容処理ができれば、便利である。
【0004】
本発明はかかる点を考慮してなされたもので、肌に対する噴霧処理を含む美容処理を使用者が個人的に容易かつ的確になし得るようにした美容ユニットを提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる課題を解決するため本発明においては、ケース2のパネルシート部2Bの上側部に前方に突出するように設けられたプローブ3と、プローブ3の上側位置にケース2のパネルシート部2Bと上面板部2Cとの角部に削り落すように穿設されたミスト噴霧開口4と、ミスト噴霧開口4内にノズル15Aを突出させ、ノズル15Aから噴霧空気によって化粧水ミストをミスト噴霧開口4を通して噴射する噴霧機15とを設けるようにする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、噴霧空気によって化粧水ミストをノズルからミスト噴霧開口を通して、プローブの上側位置に噴射するようにしたことにより、使用者が化粧水ミストを噴霧した肌の部位について肌にプローブを当てた状態で噴霧させても化粧水ミストの当たる場所が容易にわかり、その状態でトリートメントができ、これにより美容処理を容易かつ的確に行い得る美容ユニットを実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0008】
図1及び図2において、1は全体として美容ユニットを示し、絶縁性U字状縦長のケース本体部2Aの前表面に長方形状の絶縁性パネルシート部2Bを形成したケース2を有する。
【0009】
パネルシート部2Bの上側部分には、円筒状プローブ3が前方に突出するように設けられていると共に、当該プローブ3の上側位置にこれと隣接するようにミスト噴霧開口4が穿設されている。
【0010】
プローブ3は図3に示すように、ケース2のパネルシート部2Bに取り付けられた絶縁性台部材11の先端に、チタニウム材料でなる円形キャップ状のヘッド部12が接合部12Aによって嵌め込み及び接着により保持されている。
【0011】
ヘッド部12の内側にはピエゾ素子でなる振動子13が取り付けられ、そのリード線13Aから1.4〔Mz〕の超音波駆動信号が与えられたとき、振動子13がヘッド部12と一体に振動するようになされている。
【0012】
ミスト噴霧開口4は、図4に示すように、ケース2のパネルシート部2Bと上面板部2Cとが連接する角部を前上方から削り落すことにより、前方から見たとき卵型形状を呈するような凹形状の内壁面4Aを形成している。
【0013】
かくして凹形状の内壁面4Aの奥行き方向の突き当たり面に、断面円形の透孔4Bが形成され、この透孔4B内に噴霧機15のノズル15Aのノズル噴出部材15H(図5)が配設されている。
【0014】
噴霧機15には、化粧水用ボトル21に接続された化粧水用チューブ22が結合されていると共に、噴霧空気用ポンプ23に接続された噴霧空気用チューブ24が結合されている。
【0015】
噴霧機15は、図5に示すように、円柱形状の噴霧空気分流部材15Bを有し、噴霧空気用チューブ24が結合される導入端15Cに下方から送り込まれた噴霧空気F1を前方向に4つの放出孔15Dに分流して放出させる。
【0016】
4つの放出孔15Dは、噴霧空気分流部材15Bの中心部を前後方向に貫通するように設けられた化粧水案内管15Eの周囲における均等な位置に設けられ、これにより化粧水案内管15Eの後方端部15Fに対して化粧水用チューブ22から与えられた化粧水F2が化粧水案内管15Eの前方端部15Gに案内されて来たとき当該案内されて来た化粧水F2を4つの放出孔15Dから放出される噴霧空気F1と共に化粧水案内管15Eの先端から前方に均一に放出させる。
【0017】
噴霧空気分流部材15Bの先端には、前方に行くに従つて先細り形状をもつ収束管部15Hが化粧水案内管15Eの前方端部15Gを覆うように設けられ、これにより放出孔15Dから放出された噴霧空気F1を当該前方端部15Gの周囲に収束するように流す。
【0018】
収束管部15Hの先端には、化粧水案内管15Eの前方端部15Gを取り囲むように(前端面が前方端部15Gの前端面より僅かに前方に出た状態で)、当該前方端部15Gの外径より僅かに大きい内径を有する円筒形状のノズル噴出部材15Iが設けられ、これにより収束管部15Hによって収束された噴霧空気F1が化粧水案内管15Eの前方端部15Gと、ノズル噴出部材15Iとの間の狭い間隙を通って当該前方端部15Gの先端位置を高速度で流れることにより、前方端部15G内にある化粧水F2を引き連れて微細な液滴としてノズル噴出部材15Iから前方に噴出させる。
【0019】
かくしてノズル噴出部材15Iから噴出空気F1と共に噴出された化粧水F2は、ノズル噴出部材15Iの先端から前方に円錐形状に広がりながら高速度で噴射する化粧水ミスト25を形成する。
【0020】
これと共に、化粧水案内管15Eの前方端部15Gの管内には、先端周囲を噴霧空気F1が高速度で流れることにより負圧が生じ、これにより化粧水用チューブ22を介してローション用ボトル21内の化粧水がノズル噴出部材15Iに導出されて行く。
【0021】
かくして噴霧機15は、噴霧空気用ポンプ23から噴霧空気用チューブ24を通って噴霧空気が送り込まれたとき、ノズル15Aの先端に設けられているノズル噴出部材15Hから円錐形状をもった化粧水ミスト25を噴出させ、これをミスト噴霧開口4の透孔4Bを通ってミスト噴霧開口4から前方に噴射するようになされている。
【0022】
この実施の形態の場合、プローブ3のヘッド部12は直径が約25〔mm〕の円形形状を有すると共に、ヘッド部12と噴霧機15のノズル15Aの前端面との間の距離が50〔mm〕に選定されており、かくしてプローブ3のヘッド部12を美容処理対象である肌(例えば顔肌)30に押し付けたとき、化粧水ミスト25が肌30上に約30〔mm〕の円形の噴霧スポット25Aを形成すると共に、当該噴霧スポット25Aの下縁とプローブ3のヘッド部12との間に1〜5〔mm〕程度の僅かな間隙を形成するようにヘッド部12と噴霧機15のノズル15Aとの間の距離が設定されている。
【0023】
ケース2のパネルシート部2Bの下側部分(図2)には、動作モード選択ボタン35と、液晶表示部材で構成された動作モード表示部36とが設けられている。
【0024】
動作モード選択ボタン35は、美容ユニット1に対する電源の供給及び停止を操作する電源ボタン35Aと、ミストモードボタン35Bと、超音波モードボタン35Cと、イオン導入モードボタン35Dを有する。
【0025】
ミストモードボタン35Bが操作されたとき、噴霧空気用ポンプ23が駆動されることにより、噴霧機15がノズル15Aから化粧水ミスト25を噴霧する動作を行わせ、この状態から再度ミストモードボタン35Bが操作されたとき、噴霧空気用ポンプ23を停止させることにより当該ミストモードを停止させる。
【0026】
またイオン導入モードボタン35Dが操作されたとき、ヘッド部12が「マイナス」又は「プラス」電位を維持することにより、肌30に対してイオン導入電流を流すことにより、化粧水のイオン導入動作又は毛穴の汚れの引出し動作を行わせる。
【0027】
このイオン導入動作モード時には、ケース2のケース本体部2Aのパネルシート部2Bの両側に沿うように設けられた対極導子37(図1)を使用者に触れさせ、かつ、ヘッド部12を肌30に当てることにより、使用者の肌30へのイオン導入電流をプローブ3のヘッド部12から流させるようになされている。
【0028】
超音波モードボタン35Cが操作されたとき、プローブ3のヘッド部12と一体に設けられている振動子13が振動し、当該ヘッド部12に押し当てられている肌30に振動を与えることにより、肌30に対して美容効果を生じさせる。
【0029】
美容ユニット1はこれらの動作モードになったとき、当該動作状態は動作モード表示部36に表示され、これにより使用者が現在行われている美容動作モードを確認できるようになされている。
【0030】
以上の構成において肌30の美容処理の開始時において、使用者は美容ユニット1のケース2の中央部分を手のひらで握って電源ボタン35Aを操作した後、ミストモードボタン35Bを操作することによって噴霧機15から化粧水ミスト25を噴射させる。
【0031】
このとき使用者がプローブ3のヘッド部12を肌30から離した位置で化粧水ミスト25を噴射させるようにすれば、化粧水ミスト25は円錐形状に形成されることにより、図4の噴霧スポット25Aより広い肌30の部位に化粧水ミスト25を当てることができ、これによりこれから美容処理をしようとする部位して必要に応じて十分な化粧水を噴霧できることにより簡易に美容処理の下地を作ることができる。
【0032】
かくするにつき、噴霧機15から噴霧される化粧水ミスト25は、ミスト噴霧開口4を通った後プローブ3のヘッド部12の近傍位置を通って、ヘッド部12から離れた位置にある肌30に噴霧される際に、ヘッド部12を通るときの噴霧スポット25Aがヘッド部12との間に間隙を保持するようにされていると共に、ミスト噴霧開口4の内壁面4Aがケース2の上面板部2Cの上方に開放されていることにより、使用者が噴霧したいと考えている顔肌の部位に、容易に噴霧状態を意識しながら、化粧水ミスト25を噴霧することができる。
【0033】
因に、プローブ3の肌30に当たるヘッド部12に対して、ノズル15Aが後方に位置しているので、プローブ3を肌30に当てた状態で化粧水ミスト25を噴霧させても、化粧水ミスト25の広がり具合に応じて程よいスポットが形成される。
【0034】
この結果、使用者は、化粧水ミスト25を噴霧させながらトリートメントすることができる。
【0035】
これに加えて、通常、顔に化粧水を噴霧する場合、使用者の多くは、目を閉じる。
【0036】
すると顔のどの場所に化粧水ミスト25が当たるかが分からなく不安になるおそれがあるが、プローブ3を肌30に当てることで、化粧水ミスト25が肌30のどの位置に噴霧されるか容易にわかるので、不安の原因を改善できる。
【0037】
さらに、パネルシート部2Bの上端を削り落してミスト噴霧開口4を設けた形状にしたことにより、鼻の際にプローブ3を当てても、ケース2の上端部を鼻にぶつけることなくトリートメントができる。
【0038】
このミストモードにおける化粧水の噴霧が終わった後、当該化粧水の噴霧と同時に、イオン導入モードや超音波モードで美容処理を行う場合には、使用者は、当該ミストモードボタン35Bの操作に加えてイオン導入モードボタン35D及び又は超音波モードボタン35Cを操作すると共に、プローブ3のヘッド部12を肌30上に押し付ける操作をする。
【0039】
このとき肌30上には、図4に示すような所定の大きさの噴霧スポット25Aに化粧水ミスト25が噴霧された状態において、これと同時にプローブ3のヘッド部12とイオン導入動作及び又は超音波振動動作をする状態になる。
【0040】
このとき使用者はプローブ3のヘッド部12が肌30上を滑らせるようにゆっくり螺旋を描くようなトリートメント操作をすると、噴霧スポット25Aに化粧水ミスト25を噴霧した部位にプローブ3のヘッド部12を接触させて行くことができることにより、ヘッド部12と肌30との間に化粧水が存在する状態でイオン導入処理及び又は超音波振動による美容処理を行うことができ、これにより一度に各モードの美容効果を組み合わせたような美容処理を何ら難しい操作をすることなく行うことができる。
【0041】
かくするにつき、噴霧スポット25Aとヘッド部12との間に間隙を置くと共に、ミスト噴霧開口4を上方に開放するように構成したことにより、プローブ3のヘッド部12に過剰なローションを噴霧することなく使用者が容易に考えた通りの美容操作をすることができる。
【0042】
以上の構成によれば、プローブ3のヘッド部12と隣接する位置に上方に開放されているミスト噴霧開口4を通って化粧水ミスト25を噴射できるようにしたことにより、美容サロンにおいて受けることができる美容メニューを使用者自身が容易に行うことができるような家庭用として便利な美容ユニットを得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は家庭用の美容ユニットに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施の形態による美容ユニットを示す斜視図である。
【図2】図1の美容ユニットの正面図である。
【図3】図1のプローブ3の詳細構成を示す部分的断面図である。
【図4】化粧水ミストの噴射構成の説明に供する略線図である。
【図5】噴霧機の詳細構成の一部を透視して示す斜視図である。
【符号の説明】
【0045】
1……美容ユニット、2……ケース、2A……ケース本体部、2B……パネルシート部、2C……上面板部、3……プローブ、4……ミスト噴霧開口、4A……内壁面、11……台部材、12……ヘッド部、12A……接合部、13……振動子、13A……リード線、15……噴霧機、15A……ノズル、15B……噴霧空気分流部材、15C……導入端、15D……放出孔、15E……化粧水案内管、15F……後方端部、15G……前方端部、15H……収束管部、15I……ノズル噴出部材、21……ローション用ボトル、22……化粧水用チューブ、23……噴霧空気用ポンプ、24……噴霧空気用チューブ、25……化粧水ミスト、25A……噴霧スポット、30……肌、35……動作モード選択ボタン、35A……電源ボタン、35B……ミストモードボタン、35C……超音波モードボタン、35D……イオン導入モードボタン、36……動作モード表示部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースのパネルシート部の上側部に前方に突出するように設けられたプローブと、
上記プローブの上側位置に上記ケースの上記パネルシート部と上面板部との角部に削り落すように穿設されたミスト噴霧開口と、
上記ミスト噴霧開口内にノズルを突出させ、上記ノズルから噴霧空気によって化粧水ミストを上記ミスト噴霧開口を通して噴射する噴霧機と
を具えることを特徴とする美容ユニット。
【請求項2】
上記化粧水ミストが、上記プローブのヘッド部の突出位置において、上記プローブの上側位置を通るように、上記プローブに対する上記ノズルの位置を位置決めした
ことを特徴とする請求項1に記載の美容ユニット。
【請求項3】
上記ノズルは、上記プローブの上記ヘッド部より後方であって、上記プローブのヘッド部を処理対象である肌に当てた状態において上記ヘッド部を当てた位置を基準にして所定位置に所定の大きさの上記化粧水ミストを噴霧させる位置に位置決めした
ことを特徴とする請求項1に記載の美容ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−188118(P2008−188118A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−23353(P2007−23353)
【出願日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【出願人】(000105707)TBCグループ株式会社 (8)
【出願人】(303009467)株式会社ディーアンドエムホールディングス (274)
【Fターム(参考)】