美容ユニット
【課題】化粧水の回収を行う。
【解決手段】噴霧機の噴霧放出口をノズル封止具によって封止した状態で噴霧空気を供給することによって噴霧機ないしその供給路に残留する化粧水を回収するようにしたことにより、噴霧機ないしその供給路における残留化粧水による目づまりを防止できる。
【解決手段】噴霧機の噴霧放出口をノズル封止具によって封止した状態で噴霧空気を供給することによって噴霧機ないしその供給路に残留する化粧水を回収するようにしたことにより、噴霧機ないしその供給路における残留化粧水による目づまりを防止できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は美容ユニットに関し、特に当該美容ユニットの使用者(これを使用者と呼ぶ)が肌の所定部位に的確な美容処理をできるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
肌の美容処理について、一般に美容処理を受ける被施術者は美容サロンにおいて超音波トリートメントや、イオンクレンジングや、化粧水の噴霧処理などの美容メニューを受けることができることにより、高度かつ安全性の点で不安がなく、美容効果を楽しむことができる(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−102583公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、このように美容サロンに通うことに代え、またこれと同時に使用者が各自の家庭において、基本的な美容メニューを含んだ肌の美容処理ができる美容ユニットがあれば、便利である。
【0004】
このように家庭において化粧水の噴霧処理を含むモードで肌の美容処理を行い得る美容ユニットを実現した場合、化粧水の噴霧をした後に美容装置を停止させたままにしておくと、化粧水の供給経路に化粧水が残ったままになるので、目づまりの原因になるおそれがあり、何らかの対策が必要である。
【0005】
本発明はかかる点を考慮してなされたもので、肌に対する噴霧処理を行った後の化粧水の始末を簡易かつ的確になし得るようにした美容ユニットを提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するため本発明においては、噴霧空気F1を化粧水F2と共にノズル15Aから放出させることにより化粧水ミスト25を噴霧放出口部材15Iから噴霧する噴霧機15と、ノズル15Aの噴霧放出口部材15Iを封止するノズル封止具40とを具え、ノズル封止具40によってノズル15Aの噴霧放出口部材15Iを封止した状態で噴霧機15に対して噴霧空気F1を供給することによって噴霧空気F1を噴霧機15から化粧水F2の噴霧機15への供給路に流すことにより、噴霧機15ないし供給路に残留する化粧水F2を回収するようにする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、噴霧機の噴霧放出口部材をノズル封止具によって封止した状態で噴霧空気を供給することによって噴霧機ないしその供給路に残留する化粧水を回収するようにしたことにより、噴霧機ないしその供給路における残留化粧水による目づまりを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0009】
(1)全体構成
図1及び図2において、1は全体として美容ユニットを示し、絶縁性断面U字状縦長のケース本体部2Aの前表面に長方形状の絶縁性パネルシート部2Bを形成したケース2を有する。
【0010】
パネルシート部2Bの上側部分には、円筒状プローブ3が前方に突出するように設けられていると共に、当該プローブ3の上側位置にこれと隣接するようにミスト噴霧開口4が穿設されている。
【0011】
プローブ3は図3に示すように、ケース2のパネルシート部2Bに取り付けられた絶縁性台部材11の先端に、チタニウム材料でなる円形キャップ状のヘッド部12が接合部12Aによって嵌め込み及び接着により保持されている。
【0012】
ヘッド部12の内側にはピエゾ素子でなる振動子13が取り付けられ、そのリード線13Aから1.4〔Mz〕の超音波駆動信号が与えられたとき、振動子13がヘッド部12と一体に振動するようになされている。
【0013】
ミスト噴霧開口4は、図4に示すように、ケース2のパネルシート部2Bと上面板部2Cとが連接する角部を前上方から削り落すことにより、前方から見たとき卵型形状を呈するような凹形状の内壁面4Aを形成している。
【0014】
かくして凹形状の内壁面4Aの奥行き方向の突き当たり部に、断面円形の透孔4Bが形成され、この透孔4B内に噴霧機15のノズル15Aの噴霧放出口部材15I(図5)が配設されている。
【0015】
噴霧機15には、化粧水用ボトル21に接続された化粧水用チューブ22が結合されていると共に、噴霧空気用ポンプ23に接続された噴霧空気用チューブ24が結合されている。
【0016】
噴霧機15は、図5に示すように、円柱形状の噴霧空気分流部材15Bを有し、噴霧空気用チューブ24が結合される導入端15Cに下方から送り込まれた噴霧空気F1を前方向に向って形成された4つの放出孔15Dに分流して放出させる。
【0017】
4つの放出孔15Dは、噴霧空気分流部材15Bの中心部を前後方向に貫通するように設けられた化粧水案内管15Eの周囲における均等な位置に設けられ、これにより化粧水案内管15Eの後方端部15Fに対して化粧水用チューブ22から与えられた化粧水F2が化粧水案内管15Eの前方端部15Gに案内されて来たとき当該案内されて来た化粧水F2を4つの放出孔15Dから放出される噴霧空気F1と共に化粧水案内管15Eの先端から前方にほぼ均一に放出させる。
【0018】
噴霧空気分流部材15Bの先端には、前方に行くに従って先細り形状をもつ収束管部15Hが化粧水案内管15Eの前方端部15Gを覆うように設けられ、これにより放出孔15Dから放出された噴霧空気F1を当該前方端部15Gの周囲に収束させるように流す。
【0019】
収束管部15Hの先端には、化粧水案内管15Eの前方端部15Gを取り囲むように(前端面が前方端部15Gの前端面より僅かに前方に出た状態で)、当該前方端部15Gの外径より僅かに大きい内径を有する円筒形状の噴霧放出口部材15Iが設けられ、これにより収束管部15Hによって収束された噴霧空気F1が化粧水案内管15Eの前方端部15Gと、噴霧放出口部材15Iとの間の狭い間隙を通って当該前方端部15Gの先端位置を高速度で流れることにより、前方端部15G内にある化粧水F2を引き連れて微細な液滴として噴霧放出口部材15Iから前方に噴射させる。
【0020】
かくして噴霧放出口部材15Iから噴出空気F1と共に噴出された化粧水F2は、噴霧放出口部材15Iの先端から前方に円錐形状に広がりながら高速度で噴射する化粧水ミスト25を形成する。
【0021】
これと共に、化粧水案内管15Eの前方端部15Gの管内には、先端周囲を噴霧空気F1が高速度で流れることにより負圧が生じ、これにより化粧水用チューブ22を介して化粧水ボトル21内の化粧水が噴霧放出口部材15Iに導出されて行く。
【0022】
かくして噴霧機15は、噴霧空気用ポンプ23から噴霧空気用チューブ24を通って噴霧空気が送り込まれたとき、ノズル15Aの先端に設けられている噴霧放出口部材15Iから円錐形状をもった化粧水ミスト25を噴射させ、これをミスト噴霧開口4の透孔4Bを通ってミスト噴霧開口4から前方に噴霧するようになされている。
【0023】
この実施の形態の場合、プローブ3のヘッド部12は直径が約25〔mm〕の円形形状を有すると共に、ヘッド部12と噴霧機15のノズル15Aの前端面との間の距離が50〔mm〕に選定されており、かくしてプローブ3のヘッド部12を美容処理対象であるユーザの肌(例えば顔肌)30に押し付けたとき、化粧水ミスト25が肌30上に約30〔mm〕の円形の噴霧スポット25Aを形成すると共に、当該噴霧スポット25Aの下縁とプローブ3のヘッド部12との間に僅かな間隙、例えば1〜5〔mm〕程度の僅かな間隙を形成するようにヘッド部12と噴霧機15のノズル15Aとの間の距離が設定されている。
【0024】
ケース2のパネルシート部2Bの下側部分(図2)には、動作モード選択ボタン35と、液晶表示部材で構成された動作モード表示部36とが設けられている。
【0025】
動作モード選択ボタン35は、美容ユニット1に対する電源の供給及び停止を操作する電源ボタン35Aと、ミストモードボタン35Bと、超音波モードボタン35Cと、イオン導入モードボタン35Dを有する。
【0026】
ミストモードボタン35Bが操作されたとき、噴霧空気用ポンプ23が駆動されることにより、噴霧機15がノズル15Aから化粧水ミスト25を噴霧する動作を行わせ、この状態から再度ミストモードボタン35Bが操作されたとき、噴霧空気用ポンプ23を停止させることにより当該ミストモードを停止させる。
【0027】
またイオン導入モードボタン35Dが操作されたとき、ヘッド部12が「マイナス」又は「プラス」電位を維持することにより、肌30に対してイオン導入電流を流すことにより、化粧水のイオン導入処理又は毛穴の汚れの引出し処理を行わせる。
【0028】
このイオン導入動作モード時には、ケース2のケース本体部2Aのパネルシート部2Bの両側に沿うように設けられた対極導子37(図1)を使用者に触れさせ、かつ、ヘッド部12を肌30に当てることにより、使用者の肌30へのイオン導入電流をプローブ3のヘッド部12から流させるようになされている。
【0029】
超音波モードボタン35Cが操作されたとき、プローブ3のヘッド部12と一体に設けられている振動子13が振動し、当該ヘッド部12に押し当てられている肌30に振動を与えることにより、肌30に対して美容効果を生じさせる。
【0030】
美容ユニット1はこれらの動作モードになったとき、当該動作状態は動作モード表示部36に表示され、これにより使用者が現在行われている美容動作モードを確認できるようになされている。
【0031】
以上の構成において肌30の美容処理の開始時において、使用者は美容ユニット1のケース2の中央部分を手のひらで握って電源ボタン35Aを操作した後、ミストモードボタン35Bを操作することによって噴霧機15から化粧水ミスト25を噴射させる。
【0032】
このとき使用者がプローブ3のヘッド部12を肌30から離した位置で化粧水ミスト25を噴射させるようにすれば、化粧水ミスト25は円錐形状に形成されることにより、図4の噴霧スポット25Aより広い肌30の部位に化粧水ミスト25を当てることができ、これによりこれから美容処理をしようとする部位に対して必要に応じて十分な化粧水を噴霧できることにより簡易に美容処理の下地を作ることができる。
【0033】
かくするにつき、噴霧機15から噴霧される化粧水ミスト25が、ミスト噴霧開口4を通った後プローブ3のヘッド部12の近傍位置を通ってヘッド部12から離れた位置にある肌30に噴霧される際に、ヘッド部12を通るときの噴霧スポット25Aがヘッド部12との間に間隙を保持するようにされていると共に、ミスト噴霧開口4の内壁面4Aがケース2の上面板部2Cの上方に開放されていることにより、使用者が噴霧したいと考えている顔肌の部位に、容易に噴霧状態を意識しながら、化粧水ミスト25を噴霧することができる。
【0034】
因に、プローブ3の肌30に当たるヘッド部12に対して、ノズル15Aが後方に位置しているので、プローブ3を肌30に当てた上体で化粧水ミスト25を噴霧させても、化粧水ミスト25の広がり具合に応じて程よいスポットが形成される。この結果、使用者は、化粧水ミスト25を噴霧させながらトリートメントすることができる。
【0035】
これに加えて、通常、顔に化粧水を噴霧する場合、使用者の多くは目を閉じる。すると顔のどの場所に化粧水ミスト25が当たるかが分からなく不安になるおそれがあるが、プローブ3を肌30に当てることで、化粧水ミスト25が肌30のどの位置に噴霧されるか容易にわかるので、不安の原因を改善できる。
【0036】
さらに、パネルシート部2Bの上端を削り落してミスト噴霧開口4を設けた形状にしたことにより、鼻の際にプローブ3を当てても、ケース2の上端部を鼻にぶつけることなくトリートメントができる。
【0037】
このミストモードにおける化粧水の噴霧が終わった後、当該化粧水の噴霧と同時に、イオン導入モードや超音波モードで美容処理を行う場合には、使用者は、当該ミストモードボタン35Bの操作に加えてイオン導入モードボタン35D及び又は超音波モードボタン35Cを操作すると共に、プローブ3のヘッド部12を肌30上に押し付ける操作をする。
【0038】
このとき肌30上には、図4に示すような所定の大きさの噴霧スポット25Aに化粧水ミスト25が噴霧された状態において、これと同時にプローブ3のヘッド部12とイオン導入動作及び又は超音波振動動作をする状態になる。
【0039】
このとき使用者は、プローブ3のヘッド部12を肌30上を滑らせるようにゆっくり螺旋を描くようなトリートメント操作をすると、噴霧スポット25Aに化粧水ミスト25を噴霧した部位にプローブ3のヘッド部12を接触させて行くことができることにより、ヘッド部12と肌30との間に化粧水が存在する状態でイオン導入処理及び又は超音波振動による美容処理を行うことができ、これにより一度に各モードの美容効果を組み合わせたような美容処理を何ら難しい操作をすることなく安全に行うことができる。
【0040】
かくするにつき、噴霧スポット25Aとヘッド部12との間に間隙を置くと共に、ミスト噴霧開口4を上方に開放するように構成したことにより、使用者は化粧水ミスト25を意識しながら、プローブ3のヘッド部12に過剰な化粧水を噴霧することなく使用者が容易に考えた通りの美容操作をすることができる。
【0041】
以上の構成によれば、プローブ3のヘッド部12と隣接する位置に上方に開放されているミスト噴霧開口4を通って化粧水ミスト25を噴射できるようにしたことにより、美容サロンにおいて受けることができる美容メニューを使用者自身が容易かつ安全に行うことができるような家庭用として便利な美容ユニットを得ることができる。
【0042】
(2)化粧水の回収処理
使用者は、美容ユニット1をミストモードで使用することによりミスト噴霧開口4から化粧水ミスト25を噴射した後、美容処理を終わらせようとしたとき、図6(A)に示すように、ノズル封止具40を前方からミスト噴霧開口4にはめ込むことにより、図6(B)に示すようなノズルの封止状態を得た後、ミストモードボタン35Bを操作することにより、図8に示すように、噴霧空気F1を送り込むような動作状態にする。
【0043】
ノズル封止具40は、図7に示すように、柔軟性をもった合成樹脂材料で全体として船形構造を有する封止具本体40Aを有し、封止具本体40Aの底面形状がミスト噴霧開口4の内壁面4Aに適合するような卵型形状を有すると共に、封止具本体40Aの上縁部に外方に突出する鍔40Bを有する。
【0044】
かくして封止具本体40Aは、ノズルの封止状態(図6(B))の状態にミスト噴霧開口4にはめ込まれたとき、封止具本体40Aの底面がミスト噴霧開口4に密接すると共に、鍔40Bがミスト噴霧開口4の上縁部に当接することにより、封止具40をミスト噴霧開口4にしっかりと位置決めできるようになされている。
【0045】
封止具本体40Aの後側面には後方に突出するように封止棒部材40Cが形成され、その突出端に直径が僅かに大きい円板形状を有する蓋部材40Dが形成されている。
【0046】
かくして使用者は、図6(A)の挿入操作をするとき、人差し指を上方から凹部40Eに突っ込んだ状態で前板部40Fを親指で挟むことによりノズル封止具40を水平方向に把持でき、この状態で鍔40Bをミスト噴霧開口4の上縁部に当接させながら後方に押し込む操作をすることにより、封止棒部材40Cをミスト噴霧開口4の後縁部に形成された透孔4B(図4)に押し込むことができるようになされている。
【0047】
このとき封止棒部材40Cが透孔4Bに沿って後方に押し込まれて行き、やがて図8に示すように、蓋部材40Dがノズル15Aの噴霧放出口部材15Iの先端面に押し付けられる状態になり、その結果放出孔15Dから放出される噴霧空気F1の噴霧放出口部材15Iから前方への噴出を蓋部材40Dによって封止する。
【0048】
以上の構成において、使用者がノズル封止具40をミスト噴霧開口4にはめ込んだ状態でミストモード操作をすると、図9に示すように、噴霧空気用ポンプ23から噴霧空気用チューブ24を通って噴霧機15に送り込まれる噴霧空気F1は、ノズル15Aにおいて図8に示すように噴霧空気分流部材15Bの放出孔15Dから放出したとき、当該噴霧空気F1は収束管部15Hによって噴霧放出口部材15Iの放出端に向って収束されるが、当該噴霧放出口部材15Iの先端面がノズル封止具40の蓋部材40Dによって閉塞されていることにより噴霧放出口部材15Iから噴出できない状況になる。
【0049】
かくして出口を失った噴霧空気F1は図8において、矢印aで示すように、収束管部15Hから化粧水案内管15Eの前方端部15Gと噴霧放出口部材15Iとの狭い間隙を通った後、前方端部15Gから化粧水案内管15E内に流れ込むような状態になる。
【0050】
このとき化粧水案内管15Eには以前に行われたミスト噴霧処理において使用された化粧水F2が化粧水用チューブ22から送り込まれて残留している状態にあるが、当該残留した化粧水は前方端部15Gから流れ込む噴霧空気F1によって後方端部15Fから化粧水用チューブ22に回収液F3として押し戻される。
【0051】
この回収液F3の押し戻し動作は、図9に示すように、化粧水用チューブ22が接続されている化粧水ボトル21に至るまで続けられ、その結果回収液F3は噴霧空気F1によって化粧水ボトル21に回収される。
【0052】
この実施の形態の場合、化粧水ボトル21の蓋21Aには、空気抜き用小孔21Bが設けられ、これにより化粧水ボトル21まで回収液F3を押し戻した噴霧空気F1は当該空気抜き用小孔21Bから排気F4として排気される。
【0053】
以上の構成によれば、使用者が美容ユニット1を用いて化粧水ミスト25を肌30に噴霧する美容処理をした後、当該美容ユニット1の使用を止める際に、ノズル封止具40をミスト噴霧開口4にはめ込んだ状態でミストモードボタン35Dを操作するだけの簡易な操作によって、化粧水ミスト25を生じさせるために化粧水ボトル21から噴霧機15にまで導出されていた化粧水を化粧水ボトル21に回収することができる。
【0054】
この結果美容ユニット1は使用者が化粧水ミスト25による美容作業を終了するごとに化粧水を回収できることにより、化粧水ボトル21から化粧水用チューブ22を通って噴霧機15の化粧水案内管15Eまでの化粧水供給路や、噴霧機15内に、化粧水を残留させないことにより常に当該化粧水供給路や噴霧機15をきれいな状態に維持できる。
【0055】
因に当該化粧水供給部材内に化粧水を残留させたまま放置すると、これが供給路の内壁に付着して汚れや目づまりを生じさせる原因になるのに対して、以上の構成によればこの問題を有効に解決することができる。
【0056】
(3)他の実施の形態
上述の実施の形態においては、ミスト噴霧開口4にノズル封止具40を差し込んだ際に、封止棒部材40Cを噴霧機15のノズル15Aの噴霧放出口部材15Iに直接当接することにより、ノズル15Aからの噴霧空気F1の放出を封止する(図8)ように構成したが、これに代え、図10及び図11に示すように、蓋部材40Dとノズル15Aの先端面との間に間隙45を設けるようにしても良い。
【0057】
この場合、ミスト噴霧開口4の透孔4Bの内壁面4Aに円環状のくぼみ46が形成され、封止棒部材40Cが透孔4B内に挿入されたとき、蓋部材40Dの外縁部がその可撓性を利用してくぼみ46内に密接状態になるように嵌まり込み、これにより噴霧機15のノズル15Aの先端から空隙45に送出された噴霧空気F1が、蓋部材40Dからミスト噴霧開口4側に漏れ出さないように封止される。
【0058】
この実施の形態の場合、噴霧機15のノズル15Aの根元外周部に円環状のOリング47が設けられ、これにより噴霧機15が透孔4Bにノズル15Aを差し込んだ状態に取り付けられたとき、ノズル15Aから間隙45に送出された噴霧空気F1がケース2の室内側に漏れ出さないように封止されている。
【0059】
以上の構成によれば、ケース2のミスト噴霧開口4にノズル封止具40が差し込まれたとき、封止棒部材40Cの先端に設けられた蓋部材40Dが、噴霧機15のノズル15Aの先端との間に間隙45を形成しながら透孔4Bを封止することにより、化粧水用チューブ22から回収液F3を回収する際に、図8について上述したように、蓋部材40Dが透孔4Bを封止していることにより噴霧空気分流部材15Bから放出孔15Dを通って放出された噴霧空気F1が化粧水案内管15Eに前方端部15G側から逆流し、これにより回収液F3を化粧水用チューブ22側に送り出すことができる。
【0060】
かくするにつき、ノズル封止具40の蓋部材40Dが噴霧機15のノズル15Aの先端に直接接触することなく間隙45を形成するようにしたことにより、ノズル封止具40が繰り返しミスト噴霧開口4に差し込まれてその蓋部材40Dが繰り返し透孔4Bに対して封止動作しても、これにより噴霧機15のノズル15Aに予想外の当接力が付与されることがなく、その結果ノズル15Aの先端面が傷ついたり汚れたりするおそれを有効に防止し得る。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は家庭用の美容ユニットに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の一実施の形態による美容ユニットを示す斜視図である。
【図2】図1の美容ユニットの正面図である。
【図3】図1のプローブ3の詳細構成を示す部分的断面図である。
【図4】化粧水ミストの噴霧構成の説明に供する略線図である。
【図5】噴霧機の詳細構成を一部を透視して示す斜視図である。
【図6】(A)及び(B)はノズルの封止操作及び封止状態を示す略線図である。
【図7】(A)、(B)、(C)及び(D)はノズル封止具の側面、背面、正面及び平面構成を示す側面図、背面図、正面図及び平面図である。
【図8】噴霧機の化粧水の回収動作の説明に供する略線図である。
【図9】化粧水供給路における回収動作の説明に供する略線図である。
【図10】第2の実施の形態によるノズル封止構成を示す部分断面図である。
【図11】図10の詳細構成を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
【0063】
1……美容ユニット、2……ケース、2A……ケース本体部、2B……パネルシート部、2C……上面板部、3……プローブ、4……ミスト噴霧開口、4A……内壁面、11……台部材、12……ヘッド部、12A……接合部、13……振動子、13A……リード線、15……噴霧機、15A……ノズル、15B……噴霧空気分流部材、15C……導入端、15D……放出孔、15E……化粧水案内管、15F……後方端部、15G……前方端部、15H……収束管部、15I……噴霧放出口部材、21……化粧水ボトル、22……化粧水用チューブ、23……噴霧空気用ポンプ、24……噴霧空気用チューブ、25……化粧水ミスト、25A……噴霧スポット、30……肌、35……動作モード選択ボタン、35A……電源ボタン、35B……ミストモードボタン、35C……超音波モードボタン、35D……イオン導入モードボタン、36……動作モード表示部、40……ノズル封止具、40A……封止具本体、40B……鍔、40C……封止棒部材、40D……蓋部材、40E……凹部、40F……前板部、45……間隙、46……くぼみ、47……Oリング。
【技術分野】
【0001】
本発明は美容ユニットに関し、特に当該美容ユニットの使用者(これを使用者と呼ぶ)が肌の所定部位に的確な美容処理をできるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
肌の美容処理について、一般に美容処理を受ける被施術者は美容サロンにおいて超音波トリートメントや、イオンクレンジングや、化粧水の噴霧処理などの美容メニューを受けることができることにより、高度かつ安全性の点で不安がなく、美容効果を楽しむことができる(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−102583公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、このように美容サロンに通うことに代え、またこれと同時に使用者が各自の家庭において、基本的な美容メニューを含んだ肌の美容処理ができる美容ユニットがあれば、便利である。
【0004】
このように家庭において化粧水の噴霧処理を含むモードで肌の美容処理を行い得る美容ユニットを実現した場合、化粧水の噴霧をした後に美容装置を停止させたままにしておくと、化粧水の供給経路に化粧水が残ったままになるので、目づまりの原因になるおそれがあり、何らかの対策が必要である。
【0005】
本発明はかかる点を考慮してなされたもので、肌に対する噴霧処理を行った後の化粧水の始末を簡易かつ的確になし得るようにした美容ユニットを提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するため本発明においては、噴霧空気F1を化粧水F2と共にノズル15Aから放出させることにより化粧水ミスト25を噴霧放出口部材15Iから噴霧する噴霧機15と、ノズル15Aの噴霧放出口部材15Iを封止するノズル封止具40とを具え、ノズル封止具40によってノズル15Aの噴霧放出口部材15Iを封止した状態で噴霧機15に対して噴霧空気F1を供給することによって噴霧空気F1を噴霧機15から化粧水F2の噴霧機15への供給路に流すことにより、噴霧機15ないし供給路に残留する化粧水F2を回収するようにする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、噴霧機の噴霧放出口部材をノズル封止具によって封止した状態で噴霧空気を供給することによって噴霧機ないしその供給路に残留する化粧水を回収するようにしたことにより、噴霧機ないしその供給路における残留化粧水による目づまりを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0009】
(1)全体構成
図1及び図2において、1は全体として美容ユニットを示し、絶縁性断面U字状縦長のケース本体部2Aの前表面に長方形状の絶縁性パネルシート部2Bを形成したケース2を有する。
【0010】
パネルシート部2Bの上側部分には、円筒状プローブ3が前方に突出するように設けられていると共に、当該プローブ3の上側位置にこれと隣接するようにミスト噴霧開口4が穿設されている。
【0011】
プローブ3は図3に示すように、ケース2のパネルシート部2Bに取り付けられた絶縁性台部材11の先端に、チタニウム材料でなる円形キャップ状のヘッド部12が接合部12Aによって嵌め込み及び接着により保持されている。
【0012】
ヘッド部12の内側にはピエゾ素子でなる振動子13が取り付けられ、そのリード線13Aから1.4〔Mz〕の超音波駆動信号が与えられたとき、振動子13がヘッド部12と一体に振動するようになされている。
【0013】
ミスト噴霧開口4は、図4に示すように、ケース2のパネルシート部2Bと上面板部2Cとが連接する角部を前上方から削り落すことにより、前方から見たとき卵型形状を呈するような凹形状の内壁面4Aを形成している。
【0014】
かくして凹形状の内壁面4Aの奥行き方向の突き当たり部に、断面円形の透孔4Bが形成され、この透孔4B内に噴霧機15のノズル15Aの噴霧放出口部材15I(図5)が配設されている。
【0015】
噴霧機15には、化粧水用ボトル21に接続された化粧水用チューブ22が結合されていると共に、噴霧空気用ポンプ23に接続された噴霧空気用チューブ24が結合されている。
【0016】
噴霧機15は、図5に示すように、円柱形状の噴霧空気分流部材15Bを有し、噴霧空気用チューブ24が結合される導入端15Cに下方から送り込まれた噴霧空気F1を前方向に向って形成された4つの放出孔15Dに分流して放出させる。
【0017】
4つの放出孔15Dは、噴霧空気分流部材15Bの中心部を前後方向に貫通するように設けられた化粧水案内管15Eの周囲における均等な位置に設けられ、これにより化粧水案内管15Eの後方端部15Fに対して化粧水用チューブ22から与えられた化粧水F2が化粧水案内管15Eの前方端部15Gに案内されて来たとき当該案内されて来た化粧水F2を4つの放出孔15Dから放出される噴霧空気F1と共に化粧水案内管15Eの先端から前方にほぼ均一に放出させる。
【0018】
噴霧空気分流部材15Bの先端には、前方に行くに従って先細り形状をもつ収束管部15Hが化粧水案内管15Eの前方端部15Gを覆うように設けられ、これにより放出孔15Dから放出された噴霧空気F1を当該前方端部15Gの周囲に収束させるように流す。
【0019】
収束管部15Hの先端には、化粧水案内管15Eの前方端部15Gを取り囲むように(前端面が前方端部15Gの前端面より僅かに前方に出た状態で)、当該前方端部15Gの外径より僅かに大きい内径を有する円筒形状の噴霧放出口部材15Iが設けられ、これにより収束管部15Hによって収束された噴霧空気F1が化粧水案内管15Eの前方端部15Gと、噴霧放出口部材15Iとの間の狭い間隙を通って当該前方端部15Gの先端位置を高速度で流れることにより、前方端部15G内にある化粧水F2を引き連れて微細な液滴として噴霧放出口部材15Iから前方に噴射させる。
【0020】
かくして噴霧放出口部材15Iから噴出空気F1と共に噴出された化粧水F2は、噴霧放出口部材15Iの先端から前方に円錐形状に広がりながら高速度で噴射する化粧水ミスト25を形成する。
【0021】
これと共に、化粧水案内管15Eの前方端部15Gの管内には、先端周囲を噴霧空気F1が高速度で流れることにより負圧が生じ、これにより化粧水用チューブ22を介して化粧水ボトル21内の化粧水が噴霧放出口部材15Iに導出されて行く。
【0022】
かくして噴霧機15は、噴霧空気用ポンプ23から噴霧空気用チューブ24を通って噴霧空気が送り込まれたとき、ノズル15Aの先端に設けられている噴霧放出口部材15Iから円錐形状をもった化粧水ミスト25を噴射させ、これをミスト噴霧開口4の透孔4Bを通ってミスト噴霧開口4から前方に噴霧するようになされている。
【0023】
この実施の形態の場合、プローブ3のヘッド部12は直径が約25〔mm〕の円形形状を有すると共に、ヘッド部12と噴霧機15のノズル15Aの前端面との間の距離が50〔mm〕に選定されており、かくしてプローブ3のヘッド部12を美容処理対象であるユーザの肌(例えば顔肌)30に押し付けたとき、化粧水ミスト25が肌30上に約30〔mm〕の円形の噴霧スポット25Aを形成すると共に、当該噴霧スポット25Aの下縁とプローブ3のヘッド部12との間に僅かな間隙、例えば1〜5〔mm〕程度の僅かな間隙を形成するようにヘッド部12と噴霧機15のノズル15Aとの間の距離が設定されている。
【0024】
ケース2のパネルシート部2Bの下側部分(図2)には、動作モード選択ボタン35と、液晶表示部材で構成された動作モード表示部36とが設けられている。
【0025】
動作モード選択ボタン35は、美容ユニット1に対する電源の供給及び停止を操作する電源ボタン35Aと、ミストモードボタン35Bと、超音波モードボタン35Cと、イオン導入モードボタン35Dを有する。
【0026】
ミストモードボタン35Bが操作されたとき、噴霧空気用ポンプ23が駆動されることにより、噴霧機15がノズル15Aから化粧水ミスト25を噴霧する動作を行わせ、この状態から再度ミストモードボタン35Bが操作されたとき、噴霧空気用ポンプ23を停止させることにより当該ミストモードを停止させる。
【0027】
またイオン導入モードボタン35Dが操作されたとき、ヘッド部12が「マイナス」又は「プラス」電位を維持することにより、肌30に対してイオン導入電流を流すことにより、化粧水のイオン導入処理又は毛穴の汚れの引出し処理を行わせる。
【0028】
このイオン導入動作モード時には、ケース2のケース本体部2Aのパネルシート部2Bの両側に沿うように設けられた対極導子37(図1)を使用者に触れさせ、かつ、ヘッド部12を肌30に当てることにより、使用者の肌30へのイオン導入電流をプローブ3のヘッド部12から流させるようになされている。
【0029】
超音波モードボタン35Cが操作されたとき、プローブ3のヘッド部12と一体に設けられている振動子13が振動し、当該ヘッド部12に押し当てられている肌30に振動を与えることにより、肌30に対して美容効果を生じさせる。
【0030】
美容ユニット1はこれらの動作モードになったとき、当該動作状態は動作モード表示部36に表示され、これにより使用者が現在行われている美容動作モードを確認できるようになされている。
【0031】
以上の構成において肌30の美容処理の開始時において、使用者は美容ユニット1のケース2の中央部分を手のひらで握って電源ボタン35Aを操作した後、ミストモードボタン35Bを操作することによって噴霧機15から化粧水ミスト25を噴射させる。
【0032】
このとき使用者がプローブ3のヘッド部12を肌30から離した位置で化粧水ミスト25を噴射させるようにすれば、化粧水ミスト25は円錐形状に形成されることにより、図4の噴霧スポット25Aより広い肌30の部位に化粧水ミスト25を当てることができ、これによりこれから美容処理をしようとする部位に対して必要に応じて十分な化粧水を噴霧できることにより簡易に美容処理の下地を作ることができる。
【0033】
かくするにつき、噴霧機15から噴霧される化粧水ミスト25が、ミスト噴霧開口4を通った後プローブ3のヘッド部12の近傍位置を通ってヘッド部12から離れた位置にある肌30に噴霧される際に、ヘッド部12を通るときの噴霧スポット25Aがヘッド部12との間に間隙を保持するようにされていると共に、ミスト噴霧開口4の内壁面4Aがケース2の上面板部2Cの上方に開放されていることにより、使用者が噴霧したいと考えている顔肌の部位に、容易に噴霧状態を意識しながら、化粧水ミスト25を噴霧することができる。
【0034】
因に、プローブ3の肌30に当たるヘッド部12に対して、ノズル15Aが後方に位置しているので、プローブ3を肌30に当てた上体で化粧水ミスト25を噴霧させても、化粧水ミスト25の広がり具合に応じて程よいスポットが形成される。この結果、使用者は、化粧水ミスト25を噴霧させながらトリートメントすることができる。
【0035】
これに加えて、通常、顔に化粧水を噴霧する場合、使用者の多くは目を閉じる。すると顔のどの場所に化粧水ミスト25が当たるかが分からなく不安になるおそれがあるが、プローブ3を肌30に当てることで、化粧水ミスト25が肌30のどの位置に噴霧されるか容易にわかるので、不安の原因を改善できる。
【0036】
さらに、パネルシート部2Bの上端を削り落してミスト噴霧開口4を設けた形状にしたことにより、鼻の際にプローブ3を当てても、ケース2の上端部を鼻にぶつけることなくトリートメントができる。
【0037】
このミストモードにおける化粧水の噴霧が終わった後、当該化粧水の噴霧と同時に、イオン導入モードや超音波モードで美容処理を行う場合には、使用者は、当該ミストモードボタン35Bの操作に加えてイオン導入モードボタン35D及び又は超音波モードボタン35Cを操作すると共に、プローブ3のヘッド部12を肌30上に押し付ける操作をする。
【0038】
このとき肌30上には、図4に示すような所定の大きさの噴霧スポット25Aに化粧水ミスト25が噴霧された状態において、これと同時にプローブ3のヘッド部12とイオン導入動作及び又は超音波振動動作をする状態になる。
【0039】
このとき使用者は、プローブ3のヘッド部12を肌30上を滑らせるようにゆっくり螺旋を描くようなトリートメント操作をすると、噴霧スポット25Aに化粧水ミスト25を噴霧した部位にプローブ3のヘッド部12を接触させて行くことができることにより、ヘッド部12と肌30との間に化粧水が存在する状態でイオン導入処理及び又は超音波振動による美容処理を行うことができ、これにより一度に各モードの美容効果を組み合わせたような美容処理を何ら難しい操作をすることなく安全に行うことができる。
【0040】
かくするにつき、噴霧スポット25Aとヘッド部12との間に間隙を置くと共に、ミスト噴霧開口4を上方に開放するように構成したことにより、使用者は化粧水ミスト25を意識しながら、プローブ3のヘッド部12に過剰な化粧水を噴霧することなく使用者が容易に考えた通りの美容操作をすることができる。
【0041】
以上の構成によれば、プローブ3のヘッド部12と隣接する位置に上方に開放されているミスト噴霧開口4を通って化粧水ミスト25を噴射できるようにしたことにより、美容サロンにおいて受けることができる美容メニューを使用者自身が容易かつ安全に行うことができるような家庭用として便利な美容ユニットを得ることができる。
【0042】
(2)化粧水の回収処理
使用者は、美容ユニット1をミストモードで使用することによりミスト噴霧開口4から化粧水ミスト25を噴射した後、美容処理を終わらせようとしたとき、図6(A)に示すように、ノズル封止具40を前方からミスト噴霧開口4にはめ込むことにより、図6(B)に示すようなノズルの封止状態を得た後、ミストモードボタン35Bを操作することにより、図8に示すように、噴霧空気F1を送り込むような動作状態にする。
【0043】
ノズル封止具40は、図7に示すように、柔軟性をもった合成樹脂材料で全体として船形構造を有する封止具本体40Aを有し、封止具本体40Aの底面形状がミスト噴霧開口4の内壁面4Aに適合するような卵型形状を有すると共に、封止具本体40Aの上縁部に外方に突出する鍔40Bを有する。
【0044】
かくして封止具本体40Aは、ノズルの封止状態(図6(B))の状態にミスト噴霧開口4にはめ込まれたとき、封止具本体40Aの底面がミスト噴霧開口4に密接すると共に、鍔40Bがミスト噴霧開口4の上縁部に当接することにより、封止具40をミスト噴霧開口4にしっかりと位置決めできるようになされている。
【0045】
封止具本体40Aの後側面には後方に突出するように封止棒部材40Cが形成され、その突出端に直径が僅かに大きい円板形状を有する蓋部材40Dが形成されている。
【0046】
かくして使用者は、図6(A)の挿入操作をするとき、人差し指を上方から凹部40Eに突っ込んだ状態で前板部40Fを親指で挟むことによりノズル封止具40を水平方向に把持でき、この状態で鍔40Bをミスト噴霧開口4の上縁部に当接させながら後方に押し込む操作をすることにより、封止棒部材40Cをミスト噴霧開口4の後縁部に形成された透孔4B(図4)に押し込むことができるようになされている。
【0047】
このとき封止棒部材40Cが透孔4Bに沿って後方に押し込まれて行き、やがて図8に示すように、蓋部材40Dがノズル15Aの噴霧放出口部材15Iの先端面に押し付けられる状態になり、その結果放出孔15Dから放出される噴霧空気F1の噴霧放出口部材15Iから前方への噴出を蓋部材40Dによって封止する。
【0048】
以上の構成において、使用者がノズル封止具40をミスト噴霧開口4にはめ込んだ状態でミストモード操作をすると、図9に示すように、噴霧空気用ポンプ23から噴霧空気用チューブ24を通って噴霧機15に送り込まれる噴霧空気F1は、ノズル15Aにおいて図8に示すように噴霧空気分流部材15Bの放出孔15Dから放出したとき、当該噴霧空気F1は収束管部15Hによって噴霧放出口部材15Iの放出端に向って収束されるが、当該噴霧放出口部材15Iの先端面がノズル封止具40の蓋部材40Dによって閉塞されていることにより噴霧放出口部材15Iから噴出できない状況になる。
【0049】
かくして出口を失った噴霧空気F1は図8において、矢印aで示すように、収束管部15Hから化粧水案内管15Eの前方端部15Gと噴霧放出口部材15Iとの狭い間隙を通った後、前方端部15Gから化粧水案内管15E内に流れ込むような状態になる。
【0050】
このとき化粧水案内管15Eには以前に行われたミスト噴霧処理において使用された化粧水F2が化粧水用チューブ22から送り込まれて残留している状態にあるが、当該残留した化粧水は前方端部15Gから流れ込む噴霧空気F1によって後方端部15Fから化粧水用チューブ22に回収液F3として押し戻される。
【0051】
この回収液F3の押し戻し動作は、図9に示すように、化粧水用チューブ22が接続されている化粧水ボトル21に至るまで続けられ、その結果回収液F3は噴霧空気F1によって化粧水ボトル21に回収される。
【0052】
この実施の形態の場合、化粧水ボトル21の蓋21Aには、空気抜き用小孔21Bが設けられ、これにより化粧水ボトル21まで回収液F3を押し戻した噴霧空気F1は当該空気抜き用小孔21Bから排気F4として排気される。
【0053】
以上の構成によれば、使用者が美容ユニット1を用いて化粧水ミスト25を肌30に噴霧する美容処理をした後、当該美容ユニット1の使用を止める際に、ノズル封止具40をミスト噴霧開口4にはめ込んだ状態でミストモードボタン35Dを操作するだけの簡易な操作によって、化粧水ミスト25を生じさせるために化粧水ボトル21から噴霧機15にまで導出されていた化粧水を化粧水ボトル21に回収することができる。
【0054】
この結果美容ユニット1は使用者が化粧水ミスト25による美容作業を終了するごとに化粧水を回収できることにより、化粧水ボトル21から化粧水用チューブ22を通って噴霧機15の化粧水案内管15Eまでの化粧水供給路や、噴霧機15内に、化粧水を残留させないことにより常に当該化粧水供給路や噴霧機15をきれいな状態に維持できる。
【0055】
因に当該化粧水供給部材内に化粧水を残留させたまま放置すると、これが供給路の内壁に付着して汚れや目づまりを生じさせる原因になるのに対して、以上の構成によればこの問題を有効に解決することができる。
【0056】
(3)他の実施の形態
上述の実施の形態においては、ミスト噴霧開口4にノズル封止具40を差し込んだ際に、封止棒部材40Cを噴霧機15のノズル15Aの噴霧放出口部材15Iに直接当接することにより、ノズル15Aからの噴霧空気F1の放出を封止する(図8)ように構成したが、これに代え、図10及び図11に示すように、蓋部材40Dとノズル15Aの先端面との間に間隙45を設けるようにしても良い。
【0057】
この場合、ミスト噴霧開口4の透孔4Bの内壁面4Aに円環状のくぼみ46が形成され、封止棒部材40Cが透孔4B内に挿入されたとき、蓋部材40Dの外縁部がその可撓性を利用してくぼみ46内に密接状態になるように嵌まり込み、これにより噴霧機15のノズル15Aの先端から空隙45に送出された噴霧空気F1が、蓋部材40Dからミスト噴霧開口4側に漏れ出さないように封止される。
【0058】
この実施の形態の場合、噴霧機15のノズル15Aの根元外周部に円環状のOリング47が設けられ、これにより噴霧機15が透孔4Bにノズル15Aを差し込んだ状態に取り付けられたとき、ノズル15Aから間隙45に送出された噴霧空気F1がケース2の室内側に漏れ出さないように封止されている。
【0059】
以上の構成によれば、ケース2のミスト噴霧開口4にノズル封止具40が差し込まれたとき、封止棒部材40Cの先端に設けられた蓋部材40Dが、噴霧機15のノズル15Aの先端との間に間隙45を形成しながら透孔4Bを封止することにより、化粧水用チューブ22から回収液F3を回収する際に、図8について上述したように、蓋部材40Dが透孔4Bを封止していることにより噴霧空気分流部材15Bから放出孔15Dを通って放出された噴霧空気F1が化粧水案内管15Eに前方端部15G側から逆流し、これにより回収液F3を化粧水用チューブ22側に送り出すことができる。
【0060】
かくするにつき、ノズル封止具40の蓋部材40Dが噴霧機15のノズル15Aの先端に直接接触することなく間隙45を形成するようにしたことにより、ノズル封止具40が繰り返しミスト噴霧開口4に差し込まれてその蓋部材40Dが繰り返し透孔4Bに対して封止動作しても、これにより噴霧機15のノズル15Aに予想外の当接力が付与されることがなく、その結果ノズル15Aの先端面が傷ついたり汚れたりするおそれを有効に防止し得る。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は家庭用の美容ユニットに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の一実施の形態による美容ユニットを示す斜視図である。
【図2】図1の美容ユニットの正面図である。
【図3】図1のプローブ3の詳細構成を示す部分的断面図である。
【図4】化粧水ミストの噴霧構成の説明に供する略線図である。
【図5】噴霧機の詳細構成を一部を透視して示す斜視図である。
【図6】(A)及び(B)はノズルの封止操作及び封止状態を示す略線図である。
【図7】(A)、(B)、(C)及び(D)はノズル封止具の側面、背面、正面及び平面構成を示す側面図、背面図、正面図及び平面図である。
【図8】噴霧機の化粧水の回収動作の説明に供する略線図である。
【図9】化粧水供給路における回収動作の説明に供する略線図である。
【図10】第2の実施の形態によるノズル封止構成を示す部分断面図である。
【図11】図10の詳細構成を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
【0063】
1……美容ユニット、2……ケース、2A……ケース本体部、2B……パネルシート部、2C……上面板部、3……プローブ、4……ミスト噴霧開口、4A……内壁面、11……台部材、12……ヘッド部、12A……接合部、13……振動子、13A……リード線、15……噴霧機、15A……ノズル、15B……噴霧空気分流部材、15C……導入端、15D……放出孔、15E……化粧水案内管、15F……後方端部、15G……前方端部、15H……収束管部、15I……噴霧放出口部材、21……化粧水ボトル、22……化粧水用チューブ、23……噴霧空気用ポンプ、24……噴霧空気用チューブ、25……化粧水ミスト、25A……噴霧スポット、30……肌、35……動作モード選択ボタン、35A……電源ボタン、35B……ミストモードボタン、35C……超音波モードボタン、35D……イオン導入モードボタン、36……動作モード表示部、40……ノズル封止具、40A……封止具本体、40B……鍔、40C……封止棒部材、40D……蓋部材、40E……凹部、40F……前板部、45……間隙、46……くぼみ、47……Oリング。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
噴霧空気を化粧水と共にノズルから放出させることにより化粧水ミストを噴霧放出口部材から噴霧する噴霧機と、
上記ノズルの上記噴霧放出口を封止するノズル封止具と
を具え、上記ノズル封止具によって上記ノズルの噴霧放出口部材を封止した状態で上記噴霧機に対して上記噴霧空気を供給することによって上記噴霧空気を上記噴霧機から上記化粧水の上記噴霧機への供給路に流すことにより、上記噴霧機ないし上記供給路に残留する上記化粧水を回収する
ことを特徴とする美容ユニット。
【請求項2】
ケースのパネルシート部の上側部に前方に突出するように設けられたプローブと、
上記プローブの上側位置に上記ケースの上記パネルシート部と上面板部との角部を削り落とすように穿設されたミスト噴霧開口と、
上記ミスト噴霧開口内にノズルを突出させ、上記ノズルの噴霧放出口部材から噴霧空気を化粧水と共に放出させることにより化粧水ミストを上記ミスト噴霧開口を通して噴霧する噴霧機と、
上記ノズルの噴霧放出口を封止するノズル封止具と
を具え、上記ノズル封止具によって上記ノズルの噴霧放出口部材を封止した状態で上記噴霧機に対して上記噴霧空気を供給することによって上記噴霧機に対して上記噴霧機から上記化粧水の上記噴霧機への供給路に流すことにより、上記噴霧機ないし上記供給路に残留する上記化粧水を回収する
ことを特徴とする美容ユニット。
【請求項1】
噴霧空気を化粧水と共にノズルから放出させることにより化粧水ミストを噴霧放出口部材から噴霧する噴霧機と、
上記ノズルの上記噴霧放出口を封止するノズル封止具と
を具え、上記ノズル封止具によって上記ノズルの噴霧放出口部材を封止した状態で上記噴霧機に対して上記噴霧空気を供給することによって上記噴霧空気を上記噴霧機から上記化粧水の上記噴霧機への供給路に流すことにより、上記噴霧機ないし上記供給路に残留する上記化粧水を回収する
ことを特徴とする美容ユニット。
【請求項2】
ケースのパネルシート部の上側部に前方に突出するように設けられたプローブと、
上記プローブの上側位置に上記ケースの上記パネルシート部と上面板部との角部を削り落とすように穿設されたミスト噴霧開口と、
上記ミスト噴霧開口内にノズルを突出させ、上記ノズルの噴霧放出口部材から噴霧空気を化粧水と共に放出させることにより化粧水ミストを上記ミスト噴霧開口を通して噴霧する噴霧機と、
上記ノズルの噴霧放出口を封止するノズル封止具と
を具え、上記ノズル封止具によって上記ノズルの噴霧放出口部材を封止した状態で上記噴霧機に対して上記噴霧空気を供給することによって上記噴霧機に対して上記噴霧機から上記化粧水の上記噴霧機への供給路に流すことにより、上記噴霧機ないし上記供給路に残留する上記化粧水を回収する
ことを特徴とする美容ユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−194225(P2008−194225A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−32389(P2007−32389)
【出願日】平成19年2月13日(2007.2.13)
【出願人】(000105707)TBCグループ株式会社 (8)
【出願人】(303009467)株式会社ディーアンドエムホールディングス (274)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月13日(2007.2.13)
【出願人】(000105707)TBCグループ株式会社 (8)
【出願人】(303009467)株式会社ディーアンドエムホールディングス (274)
【Fターム(参考)】
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